JP3960794B2 - タイヤ異常発生警報方法および装置、ならびにタイヤ異常発生警報プログラム - Google Patents

タイヤ異常発生警報方法および装置、ならびにタイヤ異常発生警報プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタイヤ異常発生警報方法および装置、ならびにタイヤ異常発生警報プログラムに関する。さらに詳しくは、タイヤに異常が発生する危険性を予測し、安全走行を行なうことができるタイヤ異常発生警報方法および装置、ならびにタイヤ異常発生警報プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、走行中の車両のタイヤのトラブルを未然に防ぐ方法として、タイヤの内圧低下を検知する方法や装置が提案されている。たとえば特開昭63−305011号公報には、前輪タイヤと後輪タイヤの回転速度の2つの対角和の差から内圧低下を検出する方法が記載されている。また、特開2000−158923公報には、センサで直接タイヤの内圧を測定し、異常と判断すると警報を出す装置が記載されている。
【0003】
これらの方法または装置では、タイヤの内圧低下以外に、タイヤに緊急の異常が発生しているか、または発生する可能性があるという情報を走行中に取得することができない。たとえば突発的な損傷や荷重超過などにより、タイヤがバーストする危険性がある場合、早急にドライバーに知らせる必要がある。
【0004】
しかし、タイヤの異常を早期に検知するというだけでは、予防安全の見地から充分な安全対策とは言えず、タイヤに異常が発生するような走行状態であることを検知することができれば、充分な予防安全となり得る。
【0005】
本発明は、叙上の事情に鑑み、タイヤに異常が発生する危険性を予測し、安全走行を行なうことができるタイヤ異常発生警報方法および装置、ならびにタイヤ異常発生警報プログラムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のタイヤ異常発生警報方法は、車両の車輪に装着したタイヤから得られる回転情報に基づいてタイヤの異常を警報するタイヤ異常発生警報方法であって、前記各タイヤの車輪の回転パルスを検出する工程と、該回転パルスからタイヤの回転情報を演算し、記憶する工程と、前記車両の走行速度が基準速度以下であるか否かを比較する工程と、該回転情報からタイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を算出し、処理する工程と、前記車両の走行速度が基準速度以下である場合、該処理化されたデータが予め設定した範囲内のデータであるか否か、所定の基準値と比較する工程と、該比較の判断に基づいて、高速走行するとタイヤに異常が発生する危険性があることを予測し、警報を発生する工程とを備えているタイヤ異常発生警報方法であって、
前記車両の走行速度が高速基準速度をこえているか否かを比較する工程と、前記車両の走行速度が高速基準速度をこえている場合、高速走行を中止するように重度の危険性を予測する工程を含むことを特徴とする。
【0007】
また本発明のタイヤ異常発生警報方法は、車両の車輪に装着したタイヤから得られる回転情報に基づいてタイヤの異常を警報するタイヤ異常発生警報方法であって、前記各タイヤの車輪の回転パルスを検出する工程と、該回転パルスからタイヤの回転情報を演算し、記憶する工程と、前記車両の走行速度が基準速度以下であるか否かを比較する工程と、該回転情報からタイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を算出し、処理する工程と、該1回転ごとの処理化されたデータを走行中蓄積する工程と、前記車両の走行速度が基準速度以下である場合、該蓄積されたデータと車両の低速走行時における、前記タイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を処理化した所定の基準値との比較値をタイヤの負荷状態を示すしきい値と比較する工程と、該比較の判断に基づいて、高速走行するとタイヤに異常が発生する危険性があることを予測し、警報を発生する工程とを備えているタイヤ異常発生警報方法であって、
前記車両の走行速度が高速基準速度をこえているか否かを比較する工程と、前記車両の走行速度が高速基準速度をこえている場合、高速走行を中止するように重度の危険性を予測する工程を含むことを特徴とする。
【0008】
また本発明のタイヤ異常発生警報装置は、車両の車輪に装着したタイヤから得られる回転情報に基づいてタイヤの異常を警報するタイヤ異常発生警報装置であって、前記各タイヤの車輪の回転パルスを検出する検出手段と、該回転パルスからタイヤの回転情報を演算し、記憶する演算記憶手段と、前記車両の走行速度が基準速度以下であるか否かを比較する速度比較手段と、該回転情報からタイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を算出し、処理する変動量処理手段と、前記車両の走行速度が基準速度以下である場合、該処理化されたデータが予め設定した範囲内のデータであるか否か、所定の基準値と比較する基準値比較手段と、該比較の判断に基づいて、高速走行するとタイヤに異常が発生する危険性があることを予測し、警報を発生する異常予告手段と、警報を発生する警報手段とからなるタイヤ異常発生警報装置であって、
前記車両の走行速度が高速基準速度をこえているか否かを比較する第2の速度比較手段と、前記車両の走行速度が高速基準速度をこえている場合、高速走行を中止するように重度の危険性を予測する第2の異常予告手段を備えてなること特徴とする。
【0009】
また本発明のタイヤ異常発生警報装置は、車両の車輪に装着したタイヤから得られる回転情報に基づいてタイヤの異常を警報するタイヤ異常発生警報装置であって、前記各タイヤの車輪の回転パルスを検出する検出手段と、該回転パルスからタイヤの回転情報を演算し、記憶する演算記憶手段と、前記車両の走行速度が基準速度以下であるか否かを比較する速度比較手段と、該回転情報からタイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を算出し、処理する変動量処理手段と、該1回転ごとの処理化されたデータを走行中蓄積する蓄積手段と、前記車両の走行速度が基準速度以下である場合、該蓄積されたデータと車両の低速走行時における、前記タイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を処理化した所定の基準値との比較値をタイヤの負荷状態を示すしきい値と比較するしきい値比較手段と、該比較の判断に基づいて、高速走行するとタイヤに異常が発生する危険性があることを予測する異常予告手段と、警報を発生する警報手段とからなるタイヤ異常発生警報装置であって、
前記車両の走行速度が高速基準速度をこえているか否かを比較する第2の速度比較手段と、前記車両の走行速度が高速基準速度をこえている場合、高速走行を中止するように重度の危険性を予測する第2の異常予告手段を備えてなること特徴とする。
【0010】
さらに本発明のタイヤ異常発生警報プログラムは、タイヤの異常状態を予測するためにコンピュータを、前記回転パルスからタイヤの回転情報を演算し、記憶する演算記憶手段、前記車両の走行速度が基準速度以下であるか否かを比較する速度比較手段、該回転情報からタイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を算出し、処理する変動量処理手段、前記車両の走行速度が基準速度以下である場合、該処理化されたデータが予め設定した範囲内のデータであるか否か、所定の基準値と比較する基準値比較手段、該比較の判断に基づいて、高速走行するとタイヤに異常が発生する危険性があることを予測し、警報を発生する異常予告手段として機能させるためのタイヤ異常発生警報プログラムであって、
前記車両の走行速度が高速基準速度をこえているか否かを比較する第2の速度比較手段、前記車両の走行速度が高速基準速度をこえている場合、高速走行を中止するように重度の危険性を予測する第2の異常予告手段として機能させること特徴とする。
【0011】
また本発明のタイヤ異常発生警報プログラムは、タイヤの異常状態を予測するためにコンピュータを、前記回転パルスからタイヤの回転情報を演算し、記憶する演算記憶手段、前記車両の走行速度が基準速度以下であるか否かを比較する速度比較手段、該回転情報からタイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を算出し、処理する変動量処理手段、該1回転ごとの処理化されたデータを走行中蓄積する蓄積手段、前記車両の走行速度が基準速度以下である場合、該蓄積されたデータと車両の低速走行時における、前記タイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を処理化した所定の基準値との比較値をタイヤの負荷状態を示すしきい値と比較するしきい値比較手段、該比較の判断に基づいて、高速走行するとタイヤに異常が発生する危険性があることを予測する異常予告手段として機能させるためのタイヤ異常発生警報プログラムであって、
前記車両の走行速度が高速基準速度をこえているか否かを比較する第2の速度比較手段、前記車両の走行速度が高速基準速度をこえている場合、高速走行を中止するように重度の危険性を予測する第2の異常予告手段として機能させること特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明のタイヤ異常発生警報方法および装置、ならびにタイヤ異常発生警報プログラムを説明する。
【0013】
図1に示すように、タイヤ異常発生警報装置は、車両の車輪に装着したタイヤFL、FR、RLおよびRRから得られる回転情報に基づいて、高速走行するとタイヤに異常が発生する危険性があることを予測し、警報を発生するもので、前記タイヤFL、FR、RLおよびRRの車輪にそれぞれ関連して設けられた検出手段である通常の車輪速センサ1を備えている。この車輪速センサ1としては、電磁ピックアップなどが用いられる。また、車輪には、外周に多数の歯、たとえば48個を有するロータが備えられている。これにより、4つの車輪のそれぞれに備えられる車輪速センサ1が発生する正弦波状のアナログ信号(周期的に変化する電圧信号)をそれぞれ専用の信号線で取り出したのち、波形整形器の2値化回路(図示せず)を通して矩形波に整形された回転速信号の回転パルスとして取り込む。車輪速センサ1は、波形整形器を経てコンピュータである制御ユニット2の入出力装置としてのI/Oインターフェイス2aに接続されている。制御ユニット2には、異常が発生しているまたは発生する可能性があるタイヤFL、FR、RLまたはRRをドライバーに知らせるための液晶表示素子、プラズマ表示素子もしくはCRTまたは音声回路などで構成された警報装置3が接続されている。
【0014】
前記制御ユニット2は、図2に示すように、外部装置との信号の受け渡しに必要なI/Oインターフェイス2aと、演算処理の中枢として機能するCPU2bと、該CPU2bの制御動作プログラムが格納されたROM2cと、前記CPU2bが制御動作を行なう際にデータなどが一時的に書き込まれたり、その書き込まれたデータなどが読み出されるRAM2dとから構成されている。
【0015】
本実施の形態は、タイヤの異常を早期に発見し、警報するのではなく、タイヤの異常が発生する可能性があるタイヤの走行状態が高負荷状態であることを予測し、警報を発生するために、前記各タイヤの車輪の回転パルスを検出する車輪速センサ1と、該回転パルスからタイヤの回転情報を演算し、記憶する演算記憶手段と、前記車両の走行速度が基準速度以下であるか否かを比較する速度比較手段と、該回転情報からタイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を算出し、処理する変動量処理手段と、前記車両の走行速度が基準速度以下である場合、該処理化されたデータが予め設定した範囲内のデータであるか否か、所定の基準値と比較する基準値比較手段と、該比較の判断に基づいて、高速走行するとタイヤに異常が発生する危険性があることを予測し、警報を発生する異常予告手段と、警報を発生する警報手段である警報装置3とから構成されている。
【0016】
前記基準値比較手段の代わりに、1回転ごとの処理化されたデータを走行中蓄積する蓄積手段と、前記車両の走行速度が基準速度以下である場合、該蓄積されたデータと車両の低速走行時における、前記タイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を処理化した所定の基準値との比較値をタイヤの負荷状態を示すしきい値と比較するしきい値比較手段を用いることができる。
【0017】
また、前記車両の走行速度が高速基準速度をこえているか否かを比較する第2の速度比較手段と、前記車両の走行速度が高速基準速度をこえている場合、高速走行を中止するように重度の危険性を予測する第2の異常予告手段を備えることもできる。
【0018】
そして、本実施の形態におけるタイヤ異常発生報告プログラムは、制御ユニット2を、前記回転パルスからタイヤの回転情報を演算し、記憶する演算記憶手段、前記車両の走行速度が基準速度以下であるか否かを比較する速度比較手段、該回転情報からタイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を算出し、処理する変動量処理手段、前記車両の走行速度が基準速度以下である場合、該処理化されたデータが予め設定した範囲内のデータであるか否か、所定の基準値と比較する基準値比較手段、該比較の判断に基づいて、高速走行するとタイヤに異常が発生する危険性があることを予測し、警報を発生する異常予告手段として機能させる。
【0019】
このタイヤ異常発生警報プログラムは、基準値比較手段の代わりに、蓄積手段およびしきい値比較手段として機能させることができる。
【0020】
また、前記車両の走行速度が高速基準速度をこえているか否かを比較する第2の速度比較手段、前記車両の走行速度が高速基準速度をこえている場合、高速走行を中止するように重度の危険性を予測する第2の異常予告手段として機能させることもできる。
【0021】
本実施の形態では、まずタイヤ1回転内の回転パルス(回転角速度信号)間隔の変動をとらえ、回転ムラを検出する。ついでその回転ムラの情報からタイヤへの負荷状態のレベルを推定し、高負荷状態の場合に警報を発生することにより、タイヤにトラブルが発生することを未然に防ぐことができる。したがって、タイヤの使用状況を適性範囲内にすることにより、タイヤのトラブルの発生原因そのものを排除し、タイヤの異常による事故を未然に防ぐことができる。なお、本実施の形態では、前記車輪速センサ1としてABS車輪速センサを用いることにより、該センサの回転パルスからタイヤの状態を検知できるため、付加的機器を必要としない。
【0022】
前記回転パルス間隔の変動量の算出手順としては、1つの回転パルスの立ち上りから、つぎの回転パルスの立ち上りまでの時間間隔tnを、たとえば0.1μsecの測定精度で測定し、ついでこの測定を1回転(48歯)分行ない、タイヤ1回転内の回転速度の変動量を算出するようにしている。
【0023】
また、前記回転パルス間隔の変動量を処理するとは、車輪の回転速信号の波形変動から、タイヤ1回転における回転速度のムラを検出することである。たとえばタイヤ1回転における回転ムラとして指数化する手順としては、1つ目のパルスの時間間隔t1を基準とし、2つ目以降の時間間隔(t2、……、t48)を除算し、その変動量をパーセント表示することで、回転ムラとして指数化するようにしている。
【0024】
前記回転ムラの変化は、たとえば▲1▼波形の比較による差の実効値を算出して基準値と比較する波形処理手段、▲2▼最大値と最小値の差の大きさを算出して比較する波形処理手段、または▲3▼回転にともなう次数解析を行ないその次数成分を比較する波形処理手段などを用いて算出するのが好ましい。前記次数解析とは、タイヤの1回転の周期成分を基準として、1回転で1回変動するサイン成分を1次成分とし、1回転で2回変動するサイン成分を2次成分とみなす解析である。
【0025】
また、前記回転ムラは、予め設定しておいた数値、たとえばP−P値(ピークトゥピーク振幅値)または次数成分の規定値などと比較することにより算出することができる。
【0026】
また、所定の基準値は、予め正常空気圧および正常荷重状態で、たとえば40km/hの定速平均直線走行を行なったときの前記回転パルス間隔の変動量である回転ムラのデータを蓄積したのち、平均化して求められる。そして、この基準値は前記CPUにメモリされている。
【0027】
なお、前記タイヤは、各サイズごとに、使用内圧によって荷重負担能力が設定されている。たとえば日本自動車タイヤ協会(JATMA)のイヤーブック(2001年度版)に、空気圧−負荷能力対応表が掲載されており、これにより推奨内圧とそのときの負荷能力がわかる。
【0028】
本発明におけるタイヤの負荷状態とは、任意のタイヤ内圧における負荷能力を前記対応表から算出し、そのタイヤの使用内圧における実荷重が負荷能力に対して、どの程度の割合であるかを意味するものとする。したがって、タイヤの負荷状態が大きい(高負荷状態)とは、その内圧における負荷能力に対して、実荷重が100%以上の状態である。そして、実荷重の数字が大きいほど、負荷荷重が大きいことを意味している。
【0029】
本実施の形態では、前記タイヤの異常予測を行なう場合、車両の走行速度による影響を加味することにより、さらに判定精度を向上させてタイヤ異常の発生の予測を正確に行なうことができる。これはタイヤの回転速度のばらつきが路面の影響を受けることを考慮し、高速走行が行なえるのは路面が比較的スムースな高速道路に限られるため、荒れた路面での誤報発生を防ぐことを目的としたものである。
【0030】
したがって、走行中の車両のタイヤの回転パルスを4輪それぞれ検出し、個々のタイヤの回転情報として取り込だのち、走行速度の判定として、4輪の回転速度の平均値(車両の走行速度)Vを基準速度Voと比較し、該車両の走行速度Vが基準速度Vo以下、すなわちV≦Voであるあるか否かを判断する。そして、V≦Voである場合、該個々のタイヤの回転情報から、タイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を算出し、タイヤ1回転における回転ムラとして指数化したのち、走行中のタイヤにおける前記回転ムラを監視し、その回転ムラの変化から、そのタイヤ負荷能力をこえた状態かどうかを判断する。
【0031】
なお、前記1回転ごとの処理化されたデータである回転ムラの情報は、正確に得るために定速走行、たとえば車両の加速度|G|<0.1とみなされる条件で蓄積するのが好ましい。
【0032】
つぎに本発明のタイヤ異常発生警報方法を図3〜5に基づいて説明する。まず図3に示されるように、車輪の車輪速信号を検出したのち、車両のタイヤの回転パルスをCPUに取り込む(ステップS1)。現在の車両の走行速度Vを基準速度Vo、たとえば100km/hと比較し、V≦Voであるあるか否かを判断する(ステップS2)。そして、V≦Voである場合、定速走行の状態であるか否かを判断して、車両の加速度が|G|<0.1とみなされる場合には、タイヤ1回転における回転パルス間隔の変動量を算出する(ステップS3、S4)。ついで該変動値をタイヤ1回転における回転ムラとして指数化処理する(ステップS5)。そして、連続して回転ムラのデータが取得できた場合、たとえば10回分のデータの平均化を行ない蓄積し、データが蓄積されるごとに所定の基準値との差を算出する(ステップS6、S7)。所定の基準値とは、正常内圧、正常荷重で走行した際の各タイヤごとの1回転における回転ムラであり、予めメモリされている。たとえば各回転の48歯分それぞれの回転ムラとしての指数値と、予めメモリされている、基準値における48歯分の指数値との差を求める。すると48個の回転ムラの差が数値化される。その48個分の差の絶対値を合計することで、回転ムラの差の実効値Eを算出する。
【0033】
つぎに前記算出した差の実効値Eをしきい値E0、たとえばタイヤサイズごとに負荷率が30%超の場合の実効値の増加量を予め調査し、車種に応じて警報レベルを決定し、そのときの実効値増加量をしきい値E0とする。前記負荷率30%超をタイヤの寸法が205/55R16の場合を例に説明する。JATMAのイヤーブック2001年度版によると、内圧140kPa時の負荷能力は425kgである。したがって、内圧140kPaで荷重が553kgなら、30%超の負荷率となる。このしきい値E0と比較し(ステップS8)、E≧E0である場合、タイヤが高負荷状態で使用されていると判断される(ステップS9)。ついで警報装置がONの状態にされて、ドライバーに高速走行が危険であるので、高速走行をしないように警告(高速走行の禁止)の警報が発せられる(ステップS10)。これにより、ドライバーは、車両を停止して、タイヤ空気圧と積載量を確認することができる。
【0034】
または図4に示されるように、前記図3の手順のステップS1〜S4と同様に、車両のタイヤの回転パルスを取り込んだのち、回転パルス間隔の変動量を回転ムラとして指数化処理する(ステップS11〜S15)。そして、得られた回転ムラが予め設定した範囲内の回転ムラかどうかの判定を行なうにあたり、所定の基準値との比較を行なう(ステップ16)。たとえば1回転分(48個)の回転次数解析を行ない、1次から5次成分までの実効値を算出する。そのうちのいずれかの次数成分が予め設定した規定値(基準値)をこえているか否かを比較し、こえている場合、タイヤが高負荷状態で使用されていると判断される(ステップS17)。ついで警報装置がONの状態にされて、ドライバーに高速走行が危険であるので、高速走行をしないように警告(高速走行の禁止)の警報が発せられる(ステップS18)。
【0035】
また、図5に示されるように、前記図3に示される手順Aまたは図4に示される手順Bにつづいてタイヤが高負荷状態で使用されていると判断され、警報装置がONの状態になるが、さらに車両の走行速度の判定基準を設けて、走行速度に応じて警報の内容を変えることができる。たとえばすでに高速で走行している場合、すなわち車両の走行速度Vが高速基準速度Vo、たとえば100km/hをこえている場合、警報装置がONの状態になるとともに、高速走行を中止するように重度の危険性を予測し、警報が発せられる。これにより、ドライバーに即座に車両を停止して、タイヤ空気圧と積載量を確認させる。
【0036】
これらの演算を4輪それぞれのタイヤについて行ない、異常を検知すれば、異常警報に加えてそのタイヤが装着されている位置の別も合わせて信号を発することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、通常巡航速度で走行中の車両の車輪の車輪速信号から、車輪1回転における回転パルスの変動量を検知し、その変動量の変化から、そのタイヤの負荷能力をこえた状態かどうかを判断し、タイヤの負荷状態が大きいと判断されると、タイヤに異常が発生する危険性を予測し、高速走行をしないようドライバーに警報することにより、安全走行を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤ異常発生警報装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1におけるタイヤ異常発生警報装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】本発明のフローチャートの一例である。
【図4】本発明のフローチャートの他の例である。
【図5】本発明のフローチャートのさらに他の例である。
【符号の説明】
1 車輪速センサ
2 制御ユニット
3 警報装置

Claims (6)

  1. 車両の車輪に装着したタイヤから得られる回転情報に基づいてタイヤの異常を警報するタイヤ異常発生警報方法であって、前記各タイヤの車輪の回転パルスを検出する工程と、該回転パルスからタイヤの回転情報を演算し、記憶する工程と、前記車両の走行速度が基準速度以下であるか否かを比較する工程と、該回転情報からタイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を算出し、処理する工程と、前記車両の走行速度が基準速度以下である場合、該処理化されたデータが予め設定した範囲内のデータであるか否か、所定の基準値と比較する工程と、該比較の判断に基づいて、高速走行するとタイヤに異常が発生する危険性があることを予測し、警報を発生する工程とを備えているタイヤ異常発生警報方法であって、
    前記車両の走行速度が高速基準速度をこえているか否かを比較する工程と、前記車両の走行速度が高速基準速度をこえている場合、高速走行を中止するように重度の危険性を予測する工程を含むことを特徴とするタイヤ異常発生警報方法
  2. 車両の車輪に装着したタイヤから得られる回転情報に基づいてタイヤの異常を警報するタイヤ異常発生警報方法であって、前記各タイヤの車輪の回転パルスを検出する工程と、該回転パルスからタイヤの回転情報を演算し、記憶する工程と、前記車両の走行速度が基準速度以下であるか否かを比較する工程と、該回転情報からタイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を算出し、処理する工程と、該1回転ごとの処理化されたデータを走行中蓄積する工程と、前記車両の走行速度が基準速度以下である場合、該蓄積されたデータと車両の低速走行時における、前記タイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を処理化した所定の基準値との比較値をタイヤの負荷状態を示すしきい値と比較する工程と、該比較の判断に基づいて、高速走行するとタイヤに異常が発生する危険性があることを予測し、警報を発生する工程とを備えているタイヤ異常発生警報方法であって、
    前記車両の走行速度が高速基準速度をこえているか否かを比較する工程と、前記車両の走行速度が高速基準速度をこえている場合、高速走行を中止するように重度の危険性を予測する工程を含むことを特徴とするタイヤ異常発生警報方法
  3. 車両の車輪に装着したタイヤから得られる回転情報に基づいてタイヤの異常を警報するタイヤ異常発生警報装置であって、前記各タイヤの車輪の回転パルスを検出する検出手段と、該回転パルスからタイヤの回転情報を演算し、記憶する演算記憶手段と、前記車両の走行速度が基準速度以下であるか否かを比較する速度比較手段と、該回転情報からタイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を算出し、処理する変動量処理手段と、前記車両の走行速度が基準速度以下である場合、該処理化されたデータが予め設定した範囲内のデータであるか否か、所定の基準値と比較する基準値比較手段と、該比較の判断に基づいて、高速走行するとタイヤに異常が発生する危険性があることを予測し、警報を発生する異常予告手段と、警報を発生する警報手段とからなるタイヤ異常発生警報装置であって、
    前記車両の走行速度が高速基準速度をこえているか否かを比較する第2の速度比較手段と、前記車両の走行速度が高速基準速度をこえている場合、高速走行を中止するように重度の危険性を予測する第2の異常予告手段を備えてなることを特徴とするタイヤ異常発生警報装置。
  4. 車両の車輪に装着したタイヤから得られる回転情報に基づいてタイヤの異常を警報するタイヤ異常発生警報装置であって、前記各タイヤの車輪の回転パルスを検出する検出手段と、該回転パルスからタイヤの回転情報を演算し、記憶する演算記憶手段と、前記車両の走行速度が基準速度以下であるか否かを比較する速度比較手段と、該回転情報からタイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を算出し、処理する変動量処理手段と、該1回転ごとの処理化されたデータを走行中蓄積する蓄積手段と、前記車両の走行速度が基準速度以下である場合、該蓄積されたデータと車両の低速走行時における、前記タイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を処理化した所定の基準値との比較値をタイヤの負荷状態を示すしきい値と比較するしきい値比較手段と、該比較の判断に基づいて、高速走行するとタイヤに異常が発生する危険性があることを予測する異常予告手段と、警報を発生する警報手段とからなるタイヤ異常発生警報装置であって、
    前記車両の走行速度が高速基準速度をこえているか否かを比較する第2の速度比較手段と、前記車両の走行速度が高速基準速度をこえている場合、高速走行を中止するように重度の危険性を予測する第2の異常予告手段を備えてなることを特徴とするタイヤ異常発生警報装置
  5. タイヤの異常状態を予測するためにコンピュータを、前記回転パルスからタイヤの回転情報を演算し、記憶する演算記憶手段、前記車両の走行速度が基準速度以下であるか否かを比較する速度比較手段、該回転情報からタイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を算出し、処理する変動量処理手段、前記車両の走行速度が基準速度以下である場合、該処理化されたデータが予め設定した範囲内のデータであるか否か、所定の基準値と比較する基準値比較手段、該比較の判断に基づいて、高速走行するとタイヤに異常が発生する危険性があることを予測し、警報を発生する異常予告手段として機能させるためのタイヤ異常発生警報プログラムであって、
    前記車両の走行速度が高速基準速度をこえているか否かを比較する第2の速度比較手段、前記車両の走行速度が高速基準速度をこえている場合、高速走行を中止するように重度の危険性を予測する第2の異常予告手段として機能させることを特徴とするタイヤ異常発生警報プログラム
  6. タイヤの異常状態を予測するためにコンピュータを、前記回転パルスからタイヤの回転情報を演算し、記憶する演算記憶手段、前記車両の走行速度が基準速度以下であるか否かを比較する速度比較手段、該回転情報からタイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を算出し、処理する変動量処理手段、該1回転ごとの処理化されたデータを走行中蓄積する蓄積手段、前記車両の走行速度が基準速度以下である場合、該蓄積されたデータと車両の低速走行時における、前記タイヤの1回転における回転パルス間隔の変動量を処理化した所定の基準値との比較値をタイヤの負荷状態を示すしきい値と比較するしきい値比較手段、該比較の判断に基づいて、高速走行するとタイヤに異常が発生する危険性があることを予測する異常予告手段として機能させるためのタイヤ異常発生警報プログラムであって、
    前記車両の走行速度が高速基準速度をこえているか否かを比較する第2の速度比較手段、前記車両の走行速度が高速基準速度をこえている場合、高速走行を中止するように重度の危険性を予測する第2の異常予告手段として機能させることを特徴とするタイヤ異常発生警報プログラム
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