JP6563206B2 - 車輪速回転変動パターン抽出装置 - Google Patents

車輪速回転変動パターン抽出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6563206B2
JP6563206B2 JP2015023008A JP2015023008A JP6563206B2 JP 6563206 B2 JP6563206 B2 JP 6563206B2 JP 2015023008 A JP2015023008 A JP 2015023008A JP 2015023008 A JP2015023008 A JP 2015023008A JP 6563206 B2 JP6563206 B2 JP 6563206B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotation
error correction
fluctuation pattern
pattern
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015023008A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016145759A (ja
Inventor
高橋 亨
亨 高橋
健太郎 西川
健太郎 西川
靖之 福島
靖之 福島
泰通 若尾
泰通 若尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Bridgestone Corp
Original Assignee
NTN Corp
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, Bridgestone Corp filed Critical NTN Corp
Priority to JP2015023008A priority Critical patent/JP6563206B2/ja
Publication of JP2016145759A publication Critical patent/JP2016145759A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6563206B2 publication Critical patent/JP6563206B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

この発明は、路面の状態やタイヤの状態を推定するために、車輪の回転に同期した回転速度変動を検出する車輪速回転変動パターン抽出装置に関し、特にその回転センサに含まれる誤差を精度良く補正する技術に関する。
従来、タイヤの回転センサ信号からスリップ率等を推定する方法が提示されており、数回転にわたるタイヤの回転信号から回転同期成分を平均化して検出する方法も提示されている(例えば、特許文献4)。
また、パルスエンコーダの出力信号における、デューティ比や位相のずれを、予め記憶しておいた補正量を用いて補正する機能を備えた速度検出装置が提示されている(例えば、特許文献2)。
この他に、図13〜図15に示すように、エンコーダ2aの基準信号を逓倍したパルスを出力する回転検出装置で、逓倍出力に含まれる誤差を、逓倍パルスの識別情報を用いて補正する補正手段を備えたものが提示されている(例えば、特許文献3)。図15はその補正前後のパルス周期の変動を示す。
特開平08−128855号公報 特開2002−311040号公報 特開2008−249574号公報 特開2006−126164号公報
従来は、磁気エンコーダの着磁誤差などに起因するセンサ固有の回転同期の誤差成分を補正するため、予めオフラインで取得した誤差補正用センサパターンで誤差を補正している。そのため磁気エンコーダの誤差を個々に測定しておく必要があり、誤差データと車輪用軸受との対応を管理しなくてはならない。例えば、車輪用軸受を交換した際には対応関係が変わってしまうため、新たな誤差パターンデータの対応付けが必要になり、間違いのない管理が要求される。
また、実際に走行したときのセンサ信号には、駆動系に起因する信号成分が重畳するため、駆動輪と従動輪では信号成分が異なってしまう場合がある。このため、路面から入力される外力による車輪の回転速度変動成分を選択的に抽出するためには、センサ固有の誤差成分だけでなく駆動系に起因する信号成分を取り除くことが望まれる。
この発明の目的は、走行中に誤差補正用パターンを取得できて、予め測定して回転センサ信号の位相と誤差補正用パターンの位相との対応関係を管理する必要がなく、運用自由度が上がり工数も削減され、車輪用軸受を交換した際にも、同様の効果が得られ、また予め測定した場合では出来なかった駆動系に起因する信号成分を取り除く補正が可能となる車輪速回転変動パターン抽出装置を提供することである。
この発明の車輪速回転変動パターン抽出装置は、車輪1の回転速度を検出する回転センサ2と、この回転センサ2の出力する回転信号を処理する信号処理ユニット3とを備え、 前記信号処理ユニット3は、前記回転センサ2の検出した複数回転にわたる回転信号から回転に同期した回転速度変動パターンを抽出する回転速度変動パターン抽出手段8と、この手段8で走行中に抽出した前記回転速度変動パターンから設定規則に従って誤差補正用パターンを生成する誤差補正用パターン作成手段9と、この手段9で生成した誤差補正用パターンを記憶する誤差補正用パターン記憶手段11と、この手段11に記憶された誤差補正用パターンを用い前記回転センサ2で出力されて前記回転速度変動パターン抽出手段8に入力される回転信号を補正する誤差補正手段6とを備えることを基本構成とする。
この構成によると、回転速度変動パターン抽出手段8は、走行中に回転センサ2の検出した複数回転にわたる回転信号から回転に同期した回転速度変動パターンを抽出する。回転に同期した回転速度変動パターンを抽出することで、回転信号に含まれる、路面の凹凸などによる回転非同期の外乱の影響が排除される。誤差補正用パターン作成手段9は、この抽出された回転速度変動パターンから設定規則に従って誤差補正用パターンを生成する。この生成した誤差補正用パターンは、誤差補正用パターン記憶手段11に記憶する。誤差補正手段6は、誤差補正用パターン記憶手段11に記憶された誤差補正用パターンを用いて、回転センサ2で出力されて前記回転速度変動パターン抽出手段8に入力される回転信号を補正する。
従来であると、磁気エンコーダの着磁誤差などに起因するピッチ誤差は個体差があるため、この誤差成分を取り除くには各々の誤差補正用パターンを用意する必要がある。しかし、この発明によると、上記のように走行中に誤差補正用パターンを取得できる。そのため、予め測定し用意して、回転センサ2の回転信号の位相と誤差補正用パターンの位相との対応関係を管理する必要がなくなり、これにより運用自由度が上がり工数も削減される。車輪用軸受を交換した際にも、上記と同様の効果がある。
また、前記誤差補正用パターン作成手段9に適宜の信号成分の抽出機能を設ければ、走行中にセンサ固有の信号成分(ピッチ誤差)と駆動系に起因する信号成分を取得し、誤差補正用パターンを作成することができる。そのため、予め用意した場合ではできなかった駆動系に起因する信号成分を取り除く補正が可能となり、路面から入力される外力による回転速度変動パターンを効率良く抽出できる。
この発明の第1の車輪速回転変動パターン抽出装置は、前記基本構成において、前記誤差補正用パターン作成手段9、前記設定規則として、前記回転速度変動パターン抽出手段8で検出した前記回転速度変動パターンから、設定された速度しきい値以上のデータを抽出し、その抽出したデータを積算して前記誤差補正用パターンを生成する。前記速度しきい値は、例えば、車輪回転速度が39km/ h〜41km/ h内の定めた値とする。
実際に走行したときの回転信号には駆動輪では駆動系に起因する信号成分も重畳する。 また、低速走行中の回転信号には、タイヤ1aのトレッドパターンの情報が含まれるが、タイヤ1aのねじり共振周波数を超えるような高速走行中では、路面からの入力がタイヤ1aの減衰性によって減衰するため、高周波のトレッドパターン情報が除去される。そのため高速走行中の回転信号からは、センサ固有のピッチ誤差と駆動系に起因する誤差成分が、選択的に抽出される。この回転信号のデータを積算して前記誤差補正用パターンを生成し、回転センサ2の回転信号を補正すると、回転センサ2に固有の信号成分と駆動系に起因する信号成分が除去され、タイヤ1aや路面に起因した回転速度変動成分を高いS/N比で取得することができる。
前記速度しきい値については、例えば80km/h以上と高くすると、確実にねじり共振周波数を超えることになるが、一般道の走行では出すことができず、採取できる場合が少なくなる。前記速度しきい値を39km/h〜41km/hの定めた値とすれば、ほぼ前記ねじり共振周波数を超える高速走行となり、かつ通常に採取でき、いつでも前記誤差補正用パターンを生成できる。
この発明の第2の車輪速回転変動パターン抽出装置は、前記基本構成において、前記回転速度変動パターンの前記回転センサに起因する誤差が、定められた条件を満たすか否かを確認するチェック手段10を有する。前記定められた条件は、例えば、その回転センサ2に起因する誤差が設定許容範囲内になるなど、十分に除去されることである。
この場合に、前記チェック手段10は、前記補正して得られた回転信号をFFT処理(高速フーリエ変換処理)したときに前記回転センサ2の誤差成分が出力されていないかを確認する機能を備えるようにしても良い。回転センサ2に起因する誤差が設定許容範囲内になることが、前記「定められた条件」となる。
上記のように、チェック手段10を設ける場合に、このチェック手段10による確認の結果が、前記定められた条件を満たすときに、その確認された誤差補正用パターンにより、前記誤差補正用パターン記憶手段11に記載されている誤差補正用パターンを、前記確認が行われた誤差補正用パターンで更新する機能を備えるようにしても良い。
このように誤差補正用パターンは問題がないかを確認した上で記憶することで、精度の不十分な誤差補正による支障を未然に防止できる。また、記憶しておく誤差補正用パターンを最新の状態に更新しておくことで、状況の変化に応じた適切な補正が行える。
この発明において、前記回転速度変動パターン抽出手段8で抽出した回転速度変動パターンから、タイヤ1aの空気圧の低下、タイヤ1aの摩耗、タイヤ1aのトレッドの異常、タイヤ1aの種類判別のうちの、一つ以上の情報を抽出するタイヤ回り情報判断ユニット4を設けても良い。
回転に同期した回転速度変動パターンには、タイヤの空気圧の低下、タイヤの摩耗、トレッドの異常、およびタイヤ種の種類によって生じる情報が含まれており、回転速度変動パターンからこれら空気圧低下等の判断が行える。その場合に、回転速度変動パターンの精度が低いと上記の判断の精度が低下するが、この発明の車輪速回転変動パターン抽出装置によると、前記のように生成した誤差補正用パターンで補正することにより、精度良く回転速度変動パターンが求まる。そのため、タイヤの空気圧の低下、タイヤの摩耗、トレッドの異常、およびタイヤ種の種類判別のいずれについても、精度良く判断することができる。
この発明の車輪速回転変動パターン抽出装置は、車輪の回転速度を検出する回転センサと、この回転センサの出力する回転信号を処理する信号処理ユニットとを備え、前記信号処理ユニットは、前記回転センサの検出した複数回転にわたる回転信号から回転に同期した回転速度変動パターンを抽出する回転速度変動パターン抽出手段と、この手段で走行中に抽出した前記回転速度変動パターンから設定規則に従って誤差補正用パターンを生成する誤差補正用パターン作成手段と、この手段で生成した誤差補正用パターンを記憶する誤差補正用パターン記憶手段と、この手段に記憶された誤差補正用パターンを用い前記回転センサで出力されて前記回転速度変動パターン抽出手段に入力される回転信号を補正する誤差補正手段とを備えるため、走行中に誤差補正用パターンを取得できて、予め測定して回転センサ信号の位相と誤差補正用パターンの位相との対応関係を管理する必要がなく、運用自由度が上がり工数も削減され、車輪用軸受を交換した際にも、同様の効果が得られ、また予め測定した場合では出来なかった駆動系に起因する信号成分を取り除く補正が可能となる。
この発明の一実施形態に係る車輪速回転変動パターン抽出装置の概念構成を示すブロック図である。 同車輪速回転変動パターン抽出装置に異常等の判断機能を加えた発展例の概念構成を示すブロック図である。 回転センサで検出した回転信号に含まれる信号成分のイメージ図である。 誤差補正無しの状態の回転速度変動パターンの一例を示すグラフである。 誤差補正用パターンの一例を示すグラフである。 誤差補正後の回転速度変動パターンの一例を示すグラフである。 同車輪速回転変動パターン抽出装置を適用する回転センサを装備した車輪用軸受の一例の破断正面図である。 同車輪用軸受をインボード側から見た一例の側面図である。 同回転センサを装備した車輪用軸受の他の例を示す破断正面図である。 同車輪用軸受をインボード側から見た一例の側面図である。 同回転センサを装備した車輪用軸受のさらに他の例を示す破断正面図である。 同回転センサを装備した車輪用軸受の他の例を示す破断正面図である。 同車輪速回転変動パターン抽出装置を適用する回転センサの一例を示す部分断面図および斜視図である。 同車輪速回転変動パターン抽出装置を適用する回転センサの他の例を示す部分断面図および斜視図である。 従来の補正例を示すグラフである。
この発明の一実施形態を図1ないし図6と共に説明する。図1はこの発明の一実施形態に係る車輪速回転変動パターン抽出装置を示し、図2はこれに異常情報等を判断するユニットを加えた発展例を示す。
図2において、異常の検知または種類判別の対象となるタイヤ1aを有する車輪1の回転速度を検出する回転センサ2を、車輪用軸受もしくはドライブシャフト等に設置する。この回転センサ2から出力される回転信号を処理するための信号処理ユニット3を設ける。回転センサ2は、例えば図13または図14に示すように、磁気エンコーダ2aと磁気センサ2bとで構成され、磁気エンコーダ2aは、被検出部であるN,Sの磁極2aaを交互に有する。磁気エンコーダ2aの代わりに検出歯車(図示せず)を用いたものであっても良い。磁気センサ2bからは、磁気エンコーダ2aの回転によってサイン波またはコサイン波状の電圧信号を、回転センサ2により検出した回転速度信号である回転信号として出力する。回転センサ2については、後に具体例を説明する。
信号処理ユニット3は、回転センサ2の出力する回転信号から、回転に同期した回転速度変動パターンを抽出する手段ある。この抽出された回転速度変動パターンを用いてタイヤ1aの空気圧の低下、タイヤ1aの摩耗、タイヤ1aのトレッドの異常、タイヤ1aの種類判別のうちの、一つ以上の情報を得るタイヤ回り情報判断ユニット4を設ける。回転に同期した回転速度変動パターンには、タイヤ1aの空気圧の低下、タイヤの摩耗、トレッドの異常、およびタイヤ種の種類によって生じる情報が含まれており、タイヤ回り情報判断ユニット4は、これらのうちのいずれかの情報を抽出してその抽出情報から上記の空気圧低下等の判断を行う。
信号処理ユニット3とタイヤ回り情報判断ユニット4とで、電子処理装置5が構成される。この電子処理装置5は、独立したECU(電子制御ユニット)としても良く、また車両全体の制御を行うECUの一部として設けても良い。回転センサ2は、換言すれば車輪速センサである。図7〜図12に回転センサ付きの車輪用軸受を例示するが、これについては後に説明する。
図1において、信号処理ユニット3は、誤差補正手段6、フィルタ処理手段7、回転速度変動パターン抽出手段8、誤差補正用パターン作成手段9、チェック手段10、誤差補正用パターン記憶手段11、および回転速度領域判別手段12を備えている。
回転速度変動パターン抽出手段8は、走行中に回転センサ2の検出した複数回転にわたる回転信号から回転に同期した回転速度変動パターンを抽出する。回転速度変動パターン抽出手段8は、回転信号に含まれる、路面の凹凸などによる回転非同期の外乱の影響を排除するために、十分な回転回数にわたる期間の回転信号を収集し、回転同期での平均化または積算処理を行い、回転同期の速度変動パターンを抽出する。
誤差補正用パターン作成手段9は、回転速度変動パターン抽出手段8で抽出した回転速度変動パターンから設定規則に従って誤差補正用パターンを生成する。この生成した誤差補正用パターンを、誤差補正用パターン記憶手段11に記憶する。誤差補正手段6は、この誤差補正用パターン記憶手段11に記憶された誤差補正用パターンを用いて、回転センサ2からの入力信号を補正する。
フィルタ処理手段7は、誤差補正手段6で誤差補正された回転信号を、ノイズ成分やセンサ誤差成分を抑制するために、ローパスフィルタ(LPF)やハイパスフィルタ(HPF)(いずれも図示せず)によってフィルタ処理する。回転速度変動パターン抽出手段8は、上記のように誤差補正手段6で誤差補正され、かつフィルタ処理手段7でフィルタ処理された回転信号から回転速度変動パターンを抽出する。なお、フィルタ処理手段7は必ずしも設けなくても良い。
回転速度領域判別手段12は、回転センサ2より出力された回転信号を用いて、走行中の車輪回転速度を測定し、設定された速度しきい値以上の回転速度領域であるか否かを判別する。前記速度しきい値は、例えば、車輪回転速度が40km/hとするなど、39km/h〜41km/h内の定めた値とする。
誤差補正用パターン作成手段9は、具体例を挙げると、回転速度変動パターン抽出手段8で検出した前記回転速度変動パターンから、設定された速度しきい値以上のデータを抽出し、その抽出したデータを積算して前記誤差補正用パターンを生成する。この設定された速度しきい値以上であるか否かの判断に、前記回転速度領域判別手段12の判別結果を用いる。
誤差補正用パターン作成手段9につき、より詳しい例を説明すると、規程の速度(前記速度しきい値)を超えている回転信号である走行データから、速度揺らぎが規定よりも小さくなっている条件のデータを抽出し、そのデータを用いて誤差補正用パターンを作成する。
誤差補正用パターン作成手段9は、例えば次のステップ(1),(2)で誤差補正用パターンを作成する(1回転あたりNパルスとして記述した)。
(1)規定の速度を超える一定速度条件で回転している状態において、1回転中の各回転パルスの周期T(1) 〜T(N) を、それぞれ数回転〜数十回転にわたって測定する
(2)測定した複数回転分のパルス周期データから、それぞれの回転パルスの平均周期を算出し、得られたデータを平均値で規格化して一回転分の平均周期変動パターンを求める。その結果、ランダムな外乱を抑制し、回転同期の回転速度変動パターンが得られる。
チェック手段10は、誤差補正用パターン作成手段9により十分なデータ量で作成された誤差補正パターンを、問題がないかをチェックした後に、誤差補正用パターン記憶手段11に記憶する。
例えば、チェック手段10は、前記回転速度変動パターンの前記回転センサ2に起因する誤差が、十分に除去されるか否かを確認し、除去されると確認できた場合に、その確認された誤差補正用パターンで誤差補正用パターン記憶手段11の記憶内容を更新する。
前記チェック手段10は、前記補正して得られた回転信号の特定周波数帯域の信号を確認したとき、例えば前記回転信号をFFT処理(高速フーリエ変換処理)したとき、またはバンドパスフィルタで処理したときに前記回転センサ2の誤差成分が出力されていないかを確認する機能を備えるようにしても良い。
上記構成の車輪速回転変動パターン抽出装置の作用を説明する。
図1に示した信号処理ユニット3では、回転センサ2の回転信号を用いて走行中のタイヤ1aの回転速度を測定し、タイヤ1aの回転に同期した回転速度変動パターンを、回転速度変動パターン抽出手段8によって抽出する。
ここで、回転センサ2に用いられる磁気エンコーダ2aなどの検出ターゲットには、製造上のばらつきなどによるセンサ固有のピッチ誤差が含まれている。このため、S/N比の高い回転速度情報を抽出するには、規定の速度を超える一定速の条件の回転速度変動パターンを誤差補正用パターンとして誤差補正用パターン記憶手段11に記憶しておき、回転信号に重畳する微小な誤差成分を、前記誤差補正用パターンを用いて前記誤差補正手段6によって補正する。
また、実際に走行したときの回転信号には、駆動輪では駆動系に起因する信号成分も重畳する。
低速走行中の回転信号には、タイヤ1aのトレッドパターンの情報が含まれるが、高速走行中(タイヤのねじり共振周波数を超える)では、路面からの入力がタイヤ1aの減衰性によって減衰するため、高周波のトレッドパターン情報が除去される。
そのため、高速走行中のデータからは、センサ固有のピッチ誤差と駆動系に起因する誤差成分が、選択的に抽出される。
信号処理においては、ノイズ成分やセンサ誤差成分を抑制するために、フィルタ処理(LPF,HPF)し、回転信号からタイヤのトレッドパターンに起因する成分を抽出する。また、路面の凹凸などによる回転非同期の外乱の影響を排除するために、ある程度の回転回数にわたる期間の回転信号を収集し、平均化または積算処理して特定の回転速度変動パターンを抽出する。
抽出処理に平均化処理や積算処理を適用することで、効果的にタイヤの回転に同期しないランダムな回転変動の影響が排除される。
前記回転信号であるセンサ信号の成分につき、図3と共に説明する。
タイヤ1aのねじり共振周波数を超える速度で走行したときの車輪速のセンサ信号である回転信号では、タイヤ1aと路面の接触に起因する高周波の回転変動成分が減衰した状態であるため、タイヤ1aに起因する成分(図3のB)が消えた回転信号を取得できる。このとき取得した回転信号より、回転センサ2に固有の信号成分と駆動系(デフやCVJ(等速ジョイント))に起因する信号成分(図3のA)が抽出できる。これを使って生成した誤差補正用パターンで回転信号を補正すると、回転センサ2に固有の信号成分と駆動系に起因する信号成分が除去され、タイヤ1aや路面に起因した回転速度変動成分を高いS/N比で取得することができる。
実際の回転速度変動パターンを例示する。
図4に誤差補正をしていない回転速度パターンを示す。横軸が回転パルス番号、縦軸が規格化したパルス周期誤差で、平均パルス周期に対する比率で示されている。パルス番号100付近と700付近に、特徴的な誤差パターンが見えている。
図5は時速80km/hで50回転分のデータから求めた誤差補正用パターンの例である。 図6は誤差補正用パターンでの補正後の回転速度変動パターンの例である。パルス番号100と700付近の特徴的なパターンが消えていることが分かる。
この実施形態における効果を纏め直して説明する。
・磁気エンコーダ2aの着磁誤差などに起因するピッチ誤差は個体差があるため、この誤差成分を取り除くには各々の誤差補正用パターンを用意する必要がある。しかし、この実施形態によれば、走行中に誤差補正用パターンを取得できるので、予め測定し用意して、回転センサ2の回転信号の位相と誤差補正用パターンの位相との対応関係を管理する必要がなくなるため、運用自由度が上がり工数も削減される
・車輪用軸受を交換した際にも、同様の効果がある
・走行中に回転センサ2に固有の信号成分(ピッチ誤差)と駆動系に起因する信号成分を取得し、誤差補正用パターンを作成することができるため、予め用意した場合ではできなかった補正が可能となり、路面から入力される外力による回転速度変動パターンを効率良く抽出できる。
図13は、回転センサ2の具体例を示す。この回転センサ2は、ラジアルタイプの磁気式であり、ターゲットとなる環状の磁気エンコーダ2aと、この磁気エンコーダ2aの外周面に対面してこの磁気エンコーダ2aの磁気を検出する磁気センサ2bとを有する。磁気エンコーダ2aは、N,Sの磁極2aaを交互に有し、磁気センサ2bからは正弦波状の回転信号を出力する。この正弦波状の回転信号は信号処理手段2cで矩形に整形され、矩形波のパルス信号として出力される。信号処理手段2cは、逓倍回路2caを有していても良く、その場合、逓倍された高分解能の回転信号を出力する。
磁気エンコーダ2aは、前記磁極2aaに軸方向に並んで、円周上の1か所にZ相(零相)検出用の磁極2abを有するものであっても良く、その場合、磁気センサ2bは、前記N,S交互の磁極2aaの検出用のセンサ部2baに加えて、Z相検出用の磁極2abを検出するセンサ部2bbが設けられる。このセンサ部2bbは、1回転で1回のZ相(零相)信号を出力する。
図14は、回転センサ2の他の例を示す。この回転センサ2は、アキシアルタイプの磁気式であり、環状の磁気エンコーダ2aと磁気センサ2bとがアキシアル方向に対面する。磁気エンコーダ2aは、断面L字状のセンサ取付リング2dのフランジ部に取付けられている。その他の構成は、図13に示したラジアルタイプの回転センサ2と同様である。なお、図14の例では図示を省略したが、このラジアルタイプの回転センサ2においても、前記と同様に零相用の磁極およびセンサ部、並びに逓倍回路を設けても良い。
なお、図13,図14は、いずれも磁気エンコーダ2aを有する回転センサ2を示したが、回転センサ2は、ターゲットがギヤ型の磁性体からなるパルサリング(図示せず)、いわゆる検出歯車であっても良い。その場合、磁気センサはパルサリングの歯部を検出して回転信号を出力する。
これら磁気エンコーダ2aやギヤ型のパルサリングを用いた磁気式の回転センサ2によると、温度変化や汚れなどの劣悪な環境に強い。磁気式の場合、光学式に比べて磁極を細かく設けることが困難であるが、逓倍回路2caを有すると、回転速度変動パターンを検出するために必要な分解能の回転信号が得られる。
図7〜図12は、前記回転センサ2が設けられる車輪用軸受の各例を示す。図7,図8に示す車輪用軸受30は、第3世代型の内輪回転タイプで、かつ駆動輪支持用であり、複列の中央に回転センサ2を設けた例を示す。この車輪用軸受30は、内周に複列の転走面33を形成した外方部材31と、これら各転走面33に対向する転走面34を形成した内方部材32と、これら外方部材31および内方部材32の転走面33,34間に介在した複列の転動体35とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する。この車輪用軸受30は、複列外向きアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体35はボールからなり、各列毎に保持器36で保持されている。内方部材32は、ハブ輪32aと、このハブ輪32aのインボード側端の外周に嵌合した内輪32bとでなり、各輪32a、32bの外周に前記転走面34が設けられている。外方部材31と内方部材32の間の軸受空間の両端は、シール37,38によりそれぞれ密封されている。
この車輪用軸受30において、内方部材32の両転走面34,34間の外周に、回転センサ2のエンコーダ2aが設けられ、このエンコーダ2aに対面する磁気センサ2bが、外方部材31に設けられた半径方向のセンサ取付孔40内に設置されている。回転センサ2は、例えば図13と共に前述したラジアルタイプのものである。
図9,図10に示す車輪用軸受30は、第3世代型の内輪回転タイプで、かつ駆動輪支持用であり、インボード側端に回転センサ2を設けた例を示す。この例では、回転センサ2には、図14と共に前述したアキシアルタイプのものが用いられている。具体的にはインボード側端のシール38における、内方部材32の外周面に圧入固定されるスリンガが、図14の例のセンサ支持リング2dを兼ねている。磁気センサ2bは、リング状の金属ケース39内に樹脂モールドされ、金属ケース39を介して外方部材31に固定される。その他の構成は、図7,図8に示した例と同様である。
図11,図12に示す車輪用軸受30は、第3世代型の内輪回転タイプで、かつ従動輪支持用であり、インボード側端に回転センサ2を設けた例を示す。この例では、外方部材31のインボード側端部の端面開口がカバー29で覆われており、このカバー29に回転センサ2の磁気センサ2bが取付けられている。その他の構成および作用効果は図7,図8に示した例と同様である。
1…車輪
1a…タイヤ
2…回転センサ
2a…ターゲット
2b…磁気センサ
2c…逓倍手段
3…信号処理ユニット
4…タイヤ回り情報判断ユニット
5…電子処理装置
6…誤差補正手段
7…フィルタ処理手段
8…回転速度変動パターン抽出手段
9…誤差補正用パターン作成手段
10…チェック手段
11…誤差補正用パターン記憶手段
12…回転速度領域判別手段

Claims (6)

  1. 車輪の回転速度を検出する回転センサと、この回転センサの出力する回転信号を処理する信号処理ユニットとを備え、
    前記信号処理ユニットは、前記回転センサの検出した複数回転にわたる回転信号から回転に同期した回転速度変動パターンを抽出する回転速度変動パターン抽出手段と、この手段で走行中に抽出した前記回転速度変動パターンから設定規則に従って誤差補正用パターンを生成する誤差補正用パターン作成手段と、この手段で生成した誤差補正用パターンを記憶する誤差補正用パターン記憶手段と、この手段に記憶された誤差補正用パターンを用い前記回転センサで出力されて前記回転速度変動パターン抽出手段に入力される回転信号を補正する誤差補正手段とを備え、
    前記誤差補正用パターン作成手段は、前記回転速度変動パターン抽出手段で検出した前記回転速度変動パターンから、設定された速度しきい値以上のデータを抽出し、その抽出したデータを積算して前記誤差補正用パターンを生成する
    ことを特徴とする車輪速回転変動パターン抽出装置。
  2. 請求項に記載の車輪速回転変動パターン抽出装置おいて、前記誤差補正用パターン作成手段は、前記速度しきい値を、車輪回転速度が39km/ h〜41km/ h内の定めた値とする車輪速回転変動パターン抽出装置。
  3. 車輪の回転速度を検出する回転センサと、この回転センサの出力する回転信号を処理する信号処理ユニットとを備え、
    前記信号処理ユニットは、前記回転センサの検出した複数回転にわたる回転信号から回転に同期した回転速度変動パターンを抽出する回転速度変動パターン抽出手段と、この手段で走行中に抽出した前記回転速度変動パターンから設定規則に従って誤差補正用パターンを生成する誤差補正用パターン作成手段と、この手段で生成した誤差補正用パターンを記憶する誤差補正用パターン記憶手段と、この手段に記憶された誤差補正用パターンを用い前記回転センサで出力されて前記回転速度変動パターン抽出手段に入力される回転信号を補正する誤差補正手段とを備え、
    記回転速度変動パターンの前記回転センサに起因する誤差が、定められた条件を満たすように除去されるか否かを確認するチェック手段を有する車輪速回転変動パターン抽出装置。
  4. 請求項に記載の車輪速回転変動パターン抽出装置において、前記チェック手段は、前記補正して得られた回転信号の特定周波数帯域の信号を確認したときに前記回転センサの誤差成分が出力されていないかを確認する機能を備える車輪速回転変動パターン抽出装置。
  5. 請求項または請求項に記載の車輪速回転変動パターン抽出装置において、前記チェック手段は、このチェック手段による確認の結果が、前記定められた条件を満たすときに、前記誤差補正用パターン記憶手段に記載されている誤差補正用パターンを、前記確認が行われた誤差補正用パターンで更新する機能を備える車輪速回転変動パターン抽出装置。
  6. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の車輪速回転変動パターン抽出装置において、前記回転速度変動パターン抽出手段で抽出した回転速度変動パターンから、タイヤの空気圧の低下、タイヤの摩耗、タイヤのトレッドの異常、タイヤ種の種類判別のうちの、一つ以上の情報を抽出するタイヤ回り情報抽出手段を備える車輪速回転変動パターン抽出装置。
JP2015023008A 2015-02-09 2015-02-09 車輪速回転変動パターン抽出装置 Active JP6563206B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015023008A JP6563206B2 (ja) 2015-02-09 2015-02-09 車輪速回転変動パターン抽出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015023008A JP6563206B2 (ja) 2015-02-09 2015-02-09 車輪速回転変動パターン抽出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016145759A JP2016145759A (ja) 2016-08-12
JP6563206B2 true JP6563206B2 (ja) 2019-08-21

Family

ID=56686275

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015023008A Active JP6563206B2 (ja) 2015-02-09 2015-02-09 車輪速回転変動パターン抽出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6563206B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6822561B2 (en) * 1999-12-15 2004-11-23 Continental Aktiengesellschaft Method and device for detecting a drop in pressure in motor vehicle tires
JP3960794B2 (ja) * 2001-12-26 2007-08-15 住友ゴム工業株式会社 タイヤ異常発生警報方法および装置、ならびにタイヤ異常発生警報プログラム
JP4309615B2 (ja) * 2002-04-24 2009-08-05 住友ゴム工業株式会社 タイヤおよび該タイヤを用いるタイヤ異常検知装置
JP6165541B2 (ja) * 2013-07-26 2017-07-19 Ntn株式会社 回転検出装置および回転検出装置付き軸受

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016145759A (ja) 2016-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3072706B1 (en) Wear amount detection device for automobile tires
JP6526818B2 (ja) 緩み車輪検出
JP6165541B2 (ja) 回転検出装置および回転検出装置付き軸受
KR100926067B1 (ko) 차량 제어 시스템
JP4143436B2 (ja) 磁気式回転検出装置
JP6099819B2 (ja) 車両用センサユニット
WO2015076198A1 (ja) 自動車用タイヤの異常状態検出装置
US7983875B2 (en) Method for determining a running condition by spatial harmonic analysis of speed
JP5181433B2 (ja) 回転部材の捩り角度測定装置及び回転部材のトルク測定装置
JP6563206B2 (ja) 車輪速回転変動パターン抽出装置
US20200173870A1 (en) Rotary device
JP6442316B2 (ja) 車輪速回転変動パターン抽出装置およびその基準パターン設定方法
JP6563207B2 (ja) 車輪速センサの誤差補正構造および回転検出装置付き車輪用軸受
JP5424731B2 (ja) タイヤ空気圧監視システム
WO2015076199A1 (ja) 自動車用タイヤの種類認識装置
JP5242120B2 (ja) ドライブシャフトの軸トルク測定装置および測定方法
JP6411160B2 (ja) 回転速度情報検出装置
JP4630910B2 (ja) 車両制御装置
US20220048481A1 (en) Method and Device for Determining a Rotational Frequency of a Wheel
JP5348041B2 (ja) 転がり軸受ユニットの物理量測定装置
JP6563208B2 (ja) 回転検出装置
JP2006003281A (ja) モーメント検出装置、タイヤ発生力検出装置、及び車輪異常検知装置
JP6425883B2 (ja) 自動車用タイヤの空気圧低下検知装置
JP6509575B2 (ja) 車両の車輪回り走行影響情報検出装置
JP2005249727A (ja) 転動体の公転速度検出装置付転がり軸受ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181010

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181106

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190709

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190724

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6563206

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250