JP6509575B2 - 車両の車輪回り走行影響情報検出装置 - Google Patents

車両の車輪回り走行影響情報検出装置 Download PDF

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Description

この発明は、自動車等の車両における車輪速センサ等の回転センサの信号から回転速度の変化を示す回転信号を抽出し、タイヤや路面状態を推定する車両の車輪回り走行影響情報検出装置に関する。
従来、特許文献1に、パルスエンコーダの出力信号における、デューティ比や位相のずれを、あらかじめ記憶しておいた補正量を用いて補正する機能を備えた速度検出装置が提示されている。
特許文献2には、自動車の車輪用軸受に回転検出装置を取り付け、信号を逓倍する機能を設けた高分解能回転検出装置が提示されている。
特許文献3には、タイヤの回転センサ信号からスリップ率等を推定する方法が提示されており、数回転にわたるタイヤの回転信号から回転同期成分を平均化して検出する方法も提示されている。
特許文献4には、車輪速センサからの信号に基づいて、制動時及び非制動時のいずれにおいても、精度良く路面μ勾配を推定することができる路面状態推定装置が提案されている。
特開2002−311040号公報 特開2011−002357号公報 特開2006−126164号公報 特許第4674959号公報
従来の車輪速センサの信号から回転速度を抽出し、タイヤや路面状態を推定する装置としては、車輪速センサの信号出力から任意の速度範囲でデータを抽出し、タイヤ1回転当りの回転速度変動パターンを作成し、タイヤや路面状態を推定するようにしている(例えば特許文献3)。
その場合に、タイヤや路面の状態を推定する方法としては、予め記憶してある基準となる状態の回転速度変動パターンと検出対象の回転速度変動パターンを比較するか、またはそれらの自己相関パターン同士を比較するようにしている。
しかし、回転速度変動パターンの自己相関パターンは、主にタイヤや路面から入力される回転速度変動パターンの低周波の信号成分を特徴とするパターンが得られる。
このため、回転速度変動パターンの高周波の信号成分や狭いパルス幅での信号の変化、微小な信号の変化は、自己相関パターンには表れにくく、タイヤや路面の状態を精度良く推定することが難しい。
この発明の目的は、回転速度変動パターンの高周波成分や、狭いパルス幅における信号の変化を示す相関を作成することができて、これにより、タイヤや路面の微小な変化に対してより高精度に推定可能となる車両の車輪回り走行影響情報検出装置を提供することである。
前提構成の車両の車輪回り走行影響情報検出装置は、車輪1と共に回転するエンコーダ2aおよびこのエンコーダ2aを読み取るセンサ部2bを有し前記車輪1の回転を検出する回転センサ2と、この回転センサ2から出力された回転信号を処理する信号処理ユニット3とを備え、
前記信号処理ユニット3は、
前記回転センサ2から出力された前記回転信号につき、前記エンコーダ2aのピッチ誤差、取り付け誤差、およびセンサ誤差の少なくとも一つを補正するセンサ誤差補正処理部4と、
このセンサ誤差補正処理部4で補正された回転信号から回転に同期した回転速度変動パターンを算出する回転速度変動パターン抽出処理部5と、
前記回転速度変動パターンの比較用の基準となるパターンとして作成された基準回転速度変動パターンから所定のパルス数で抽出したマスターパターンを記憶していてこのマスターパターンと前記回転速度変動パターン抽出処理部5で抽出した回転速度変動パターンとの相関を算出するパターンマッチング演算処理部6と、
このパターンマッチング演算処理部6で算出された相関および前記回転速度変動パターン抽出処理部5で算出した前記回転速度変動パターンを用いて所定の規則に従い前記車輪のタイヤに関する状態および路面状態の少なくとも一方を推定するタイヤ・路面状態推定部7とを備える。
なお、前記所定のパルス数は、エンコーダの仕様(磁極数)と逓倍数より適宜に決定すればよい。
この構成によると、パターンマッチング演算処理部6は、基準回転速度変動パターンから所定のパルス数で抽出したマスターパターンを記憶していてこのマスターパターンと回転速度変動パターン抽出処理部5で抽出した回転速度変動パターンとの相関を算出する。そのため、回転速度変動パターンの高周波成分や、狭いパルス幅における信号の変化を示す相関パターン等の相関を算出することができる。これにより、タイヤや路面の微小な変化に対してより高精度に推定可能となる。
この発明において、前記マスターパターンが1種類であっても良い。前記マスターパターンが1種類であっても、前記相関を算出することができ、この構成場合、パターンマッチング演算処理部6が簡素な構成で済む。
この発明において、前記マスターパターンが2種類以上であっても良い。この場合、複数組の相関パターン等の相関を比較することで、誤差や不確かさをより低減することができる。そのため、タイヤや路面状態の推定精度が向上する。
この発明において、前記マスターパターンが、前記基準回転速度変動パターンの全パルス領域をN(Nは2以上の整数)分割して得られたパターンであっても良い。
このように全パルス領域をN分割したマスターパターンを記憶しておき、N組の相関パターンを比較すると、タイヤの一部の領域での変化、例えば異物の噛み込みや釘が刺さった場合などを精度良く検出できる。
この発明の車両の車輪回り走行影響情報検出装置は、前記前提構成において、前記パターンマッチング演算処理部6が、前記基準回転速度変動パターンを記憶する基準回転速度変動パターンメモリ6aと、この基準回転速度変動パターンメモリ6aに記憶された前記基準回転速度変動パターンから抽出した前記マスターパターンを記憶するマスターパターンメモリ6cと、このマスターパターンメモリ6cに記憶されたマスターパターンと前記回転速度変動パターン抽出処理部5で算出された回転速度変動パターンとの相関を取って相関パターンを出力する相関パターン作成部6dとを有する。
上記のように基準回転速度変動パターンメモリ6aおよびマスターパターンメモリ6cを設けることで、希望のパルス数のマスターパターンを容易に抽出することができる。このように作成したマスターパターンと回転速度変動パターンとの相関を取って相関パターンを出力することで、タイヤや路面の微小な変化に対してさらに高精度に推定可能となる。
この構成の場合に、さらに、前記パターンマッチング演算処理部6が、前記基準回転速度変動パターンメモリ6aに記憶された前記基準回転速度変動パターンと前記マスターパターンメモリ6cに記憶されたマスターパターンとから基準相関パターンを作る基準相関パターン作成部6eと、その作成された前記基準相関パターンを記憶し出力する基準相関パターンメモリ6fとを有し、前記タイヤ・路面状態推定部7は、前記相関パターンと前記基準相関パターンとを比較することで前記車輪のタイヤに関する状態および路面状態の少なくとも一方を推定する。
このように相関パターンと基準相関パターンとを作成し比較することで、タイヤや路面の微小な変化に対してさらに高精度に推定可能となる。
この発明の車両の車輪回り走行影響情報検出装置は、車輪と共に回転するエンコーダおよびこのエンコーダを読み取るセンサ部を有し前記車輪の回転を検出する回転センサと、この回転センサから出力された回転信号を処理する信号処理ユニットとを備え、前記信号処理ユニットは、前記回転センサから出力された前記回転信号につき、前記エンコーダのピッチ誤差、取り付け誤差、およびセンサ誤差の少なくとも一つを補正するセンサ誤差補正処理部と、このセンサ誤差補正処理部で補正された回転信号から回転に同期した回転速度変動パターンを算出する回転速度変動パターン抽出処理部と、前記回転速度変動パターンの比較用の基準となるパターンとして作成された基準回転速度変動パターンから所定のパルス数で抽出したマスターパターンを記憶していてこのマスターパターンと前記回転速度変動パターン抽出処理部で抽出した回転速度変動パターンとの相関を算出するパターンマッチング演算処理部と、このパターンマッチング演算処理部で算出された相関および前記回転速度変動パターン抽出処理部で算出した前記回転速度変動パターンを用いて所定の規則に従い前記車輪のタイヤに関する状態および路面状態の少なくとも一方を推定するタイヤ・路面状態推定部とを備え、前記パターンマッチング演算処理部が、前記基準回転速度変動パターンを記憶する基準回転速度変動パターンメモリと、この基準回転速度変動パターンメモリに記憶された前記基準回転速度変動パターンから抽出した前記マスターパターンを記憶するマスターパターンメモリと、このマスターパターンメモリに記憶されたマスターパターンと前記回転速度変動パターン抽出処理部で算出された回転速度変動パターンとの相関を取って相関パターンを出力する相関パターン作成部とを有し、前記パターンマッチング演算処理部が、前記基準回転速度変動パターンメモリに記憶された前記基準回転速度変動パターンと前記マスターパターンメモリに記憶されたマスターパターンとから基準相関パターンを作る基準相関パターン作成部と、その作成された前記基準相関パターンを記憶し出力する基準相関パターンメモリとを有し、前記タイヤ・路面状態推定部は、前記相関パターンと前記基準相関パターンとを比較することで前記車輪のタイヤに関する状態および路面状態の少なくとも一方を推定するため、回転速度変動パターンの高周波成分や、狭いパルス幅における信号の変化を示す相関パターン等の相関を算出することができ、これにより、タイヤや路面の微小な変化に対してより高精度に推定可能となる。
この発明の一実施形態に係る車両の車輪回り走行影響情報検出装置の概念構成を示すブロック図である。 同車輪回り走行影響情報検出装置におけるパターンマッチング演算処理部の概念構成を示すブロック図である。 同車輪回り走行影響情報検出装置におけるマスターパターン抽出方法の一例を示すグラフである。 同車輪回り走行影響情報検出装置における基準相関パターン作成方法の一例を示すグラフである。 同車輪回り走行影響情報検出装置で作成した基準相関パターンの一列を示すグラフである。 同車輪回り走行影響情報検出装置における相関パターン作成方法の一例を示すグラフである。 同車輪回り走行影響情報検出装置で作成した相関パターンの一例を示すグラフである。 同車輪回り走行影響情報検出装置を適用する回転検出装置付き車輪用軸受の一例の破断正面図である。 同車輪用軸受をインボード側から見た一例の側面図である。 同車輪回り走行影響情報検出装置を適用する回転検出装置付き車輪用軸受の他の例を示す破断正面図である。 同車輪用軸受をインボード側から見た一例の側面図である。 同車輪回り走行影響情報検出装置を適用する回転検出装置付き車輪用軸受のさらに他の例を示す破断正面図である。 同車輪用軸受をインボード側から見た一例の側面図である。 同車輪回り走行影響情報検出装置を適用する回転センサの一例を示す部分断面図および斜視図である。 同車輪回り走行影響情報検出装置を適用する回転センサの他の例を示す部分断面図および斜視図である。
この発明の一実施形態を図1〜図7,図14,図15と共に説明する。図1は、この車両の車輪回り走行影響情報検出装置の概念構成を示す。この車輪回り走行影響情報検出装置は、車輪1の回転速度を検出する回転センサ2と、この回転センサ2の出力する回転信号を処理してタイヤや路面に関する情報を抽出する信号処理ユニット3とを備える。
回転センサ2は、同図の例では車輪速センサであり、車輪用軸受に設置される。この他にドライブシャフト等に設置しても良い。回転センサ2は、例えば図14または図15に示すように、磁気エンコーダ2aと磁気センサ2bとで構成され、磁気エンコーダ2aはN,Sの磁極2aaを交互に有する。磁気エンコーダ2aは、後に図8〜図13と共に説明するように、被検出体である車輪用軸受の回転輪に取付けられる。磁気エンコーダ2aの代わりに検出歯車(図示せず)を用いたものであっても良い。磁気センサ2bからは、磁気エンコーダ2aの回転によってサイン波またはコサイン波状の電圧信号を、回転センサ2により検出した回転速度信号である回転信号として出力する。回転センサ2は逓倍機能を備えていて、基本信号を逓倍した高分解能の出力パルスを出力できる構成のものが望ましい。この逓倍機能を設けることで、より高い周波数成分の抽出が可能となり、回転体の状態に関する情報の精度が向上する。回転センサ2については、後に具体例を説明する。
図1において、信号処理ユニット3は、マイクロコンピュータ等の電子回路からなり、独立したECU(電子制御ユニット)等としても良く、また車両全体の制御を行うECUの一部として設けても良い。信号処理ユニット3には、回転センサ2の出力する回転信号に含まれる誤差を補正するセンサ誤差補正処理部4と、回転速度変動パターン抽出処理部5と、パターンマッチング演算処理部6と、タイヤ・路面状態推定部7とを備える。
センサ誤差補正処理部4は、入力された回転センサ2の信号から磁気エンコーダ2a由来の着磁誤差などに起因するセンサ固有の回転同期の信号成分を補正する手段である。センサ誤差補正処理部4は、具体的には、回転センサ2から出力された回転信号につき、エンコーダ2aのピッチ誤差、取り付け誤差、およびセンサ誤差の少なくとも一つを誤差補正用パターンで補正する。車輪速センサに用いられる磁気エンコーダ2aなどの検出ターゲットには、製造上のばらつきなどによるセンサ固有のピッチ誤差が含まれている。このような誤差を、前記誤差補正用パターン(図示せず)等で補正する。この誤差補正用パターンは、例えば予め測定した回転信号を用いて、回転速度変動パターン抽出処理部5またはこの回転速度変動パターン抽出処理部5と同様な機能を持つ装置(図示せず)で作成した回転速度変動パターンとする。このような誤差補正用パターン等で補正処理することにより、前記ピッチ誤差、取り付け誤差、およびセンサ誤差のいずれもが補正される。
回転速度変動パターン抽出処理部5は、センサ誤差補正処理部4で補正された回転信号から回転に同期した回転速度変動パターンを算出する手段である。回転速度変動パターン抽出処理部5は、ノイズ成分やセンサ誤差成分を抑制するために、ローパスフィルタ(LPF)やハイパスフィルタ(HPF)によりフィルタ処理し、回転速度データとなる前記回転信号から車輪1の回転に同期した回転速度変動成分を抽出する。また、回転速度変動パターン抽出処理部5は、路面の凹凸などによる回転非同期の外乱の影響を排除するために、ある程度の回転回数にわたる期間の回転信号を収集し、平均化または積算処理して特定の回転速度変動パターンを抽出する。
パターンマッチング演算処理部6は、回転速度変動パターンに表れる微小な変化や、高周波成分を特徴とする成分を信号処理し、タイヤおよび路面状態を高精度に推定できるようにする。パターンマッチング演算処理部6は、前記回転速度変動パターンの比較用の基準となるパターンとして作成された基準回転速度変動パターンから所定のパルス数で抽出したマスターパターンを記憶していてこのマスターパターンと前記回転速度変動パターン抽出処理部で抽出した回転速度変動パターンとの相関を算出する。なお、前記「所定のパルス数」は、磁気エンコーダ2aの仕様(磁極数)と逓倍数より適宜に決定すればよい。また、「所定のパルス数」は、任意に定めた単位時間当たりのパルス数としても良い。
パターンマッチング演算処理部6は、具体例を挙げると、図2に示すように、基準回転速度変動パターンメモリ6a、マスターパターン抽出部6b、マスターパターンメモリ6c、相関パターン作成部6d、基準相関パターン作成部6e、基準相関パターンメモリ6f等で構成される。
パターンマッチング演算処理部6は、予めマスターパターンメモリ6cに記憶しているマスターパターン(所望のパルス領域で抽出した基準回転速度変動パターン)と前記回転速度変動パターン抽出処理部5で抽出された回転速度変動パターンとの相関を相関パターン作成部で6dで取り、相関パターンを出力する。このときマスターパターンメモリ6cに記憶させておくマスターパターンは、1つのパターンに限らず、複数のパターンを記憶させておいても良い。複数のマスターパターンで相関パターンを作成し、複数の相関パターンを出力しても良い。
基準相関パターンメモリ6fには、あらかじめ基準相関パターン作成部6eで基準回転速度変動パターンとマスターパターンから作られた基準相関パターンを記憶させておく。基準回転速度変動パターンメモリ6aには、あらかじめ基準となる走行データの回転速度変動パターンを記憶させておく。このとき、タイヤを交換したときなどのキャリブレーション作業として、基準回転速度変動パターンメモリを更新する機能を備えてもよい。
パターンマッチング演算処理部6は、纏め直すと、前記基準回転速度変動パターンを記憶する基準回転速度変動パターンメモリ6aと、この基準回転速度変動パターンメモリ6aに記憶された前記基準回転速度変動パターンから抽出した前記マスターパターンを記憶するマスターパターンメモリ6cと、このマスターパターンメモリ6cに記憶されたマスターパターンと前記回転速度変動パターン抽出処理部5で算出された回転速度変動パターンとの相関を取って相関パターンを出力する相関パターン作成部6dとを有する。
パターンマッチング演算処理部6は、さらに前記基準回転速度変動パターンメモリ6aに記憶された前記基準回転速度変動パターンと前記マスターパターンメモリ6cに記憶されたマスターパターンとから基準相関パターンを作る基準相関パターン作成部6eと、その作成された前記基準相関パターンを記憶し出力する基準相関パターンメモリ6fとを有する。
上記のように基準回転速度変動パターンメモリ6aおよびマスターパターンメモリ6cを設けることで、希望のパルス数のマスターパターンを容易に抽出することができる。このように作成したマスターパターンと回転速度変動パターンとの相関を取って相関パターンを出力することで、タイヤや路面の微小な変化に対してさらに高精度に推定可能となる。また、上記のように相関パターンと基準相関パターンとを作成し比較可能とすることで、タイヤや路面の微小な変化に対してさらに高精度に推定可能となる。
図1のタイヤ・路面状態推定部7は、概要を説明すると、予め記憶させてある基準の回転速度変動パターンと回転信号より算出した回転速度変動パターンとを比較するか、または、1 組または複数組の相関パターンと基準相関パターンを比較することで、タイヤや路面状態を推定し、推定結果を出力する。
タイヤ・路面状態推定部7は、より具体的には、パターンマッチング演算処理部6で算出された相関および前記回転速度変動パターン抽出処理部5で算出した前記回転速度変動パターンを用いて所定の規則に従い前記車輪1のタイヤに関する状態および路面状態の少なくとも一方を推定する。タイヤ・路面状態推定部7は、さらに、図2の基準相関パターンメモリ6fに記憶された基準相関パターンと、相関パターン作成部6dで作成された相関パターンとを比較する。これにより、タイヤや路面の微小な変化に対してさらに高精度に推定可能となる。
次に、上記構成による作用、特に図2に示すパターンマッチング演算処理部6での処理内容について以下に示す。
(1) 予め基準回転速度変動パターンメモリ6aに記憶してあるか、またはキャリブレーション作業により更新された基準回転速度変動パターンから、マスターパターン抽出部6bで所望のパルス数で抽出した回転速度変動パターンをマスターパターンとしてマスターパターンメモリに記憶させる(図3)。このとき、マスターパターンメモリ6cに記憶させておくマスターパターンは、どのようなパルス数で抽出してもよく、複数のマスターパターンを作成してもよい。
(2) 基準相関パターン作成部6eでは、基準回転速度変動パターンとマスターパターンとを1パルスずつ位相シフトさせながら相関値を取得し、基準相関パターンを作成する(図4、図5)。このとき、マスターパターンと同じパルス数で抽出した基準回転速度変動パターンで相関値を取得する。作成した基準相関パターンは、基準相関パターンメモリ6fに記憶される。
(3) 相関パターン作成部6dでは、前段の回転速度変動パターン抽出処理部5で抽出した回転速度変動パターンとマスターパターンとの相関を、1パルスずつ位相シフトさせながら取得し、相関パターンを作成し出力する(図6、図7)。このとき、マスターパターンと同じパルス数で抽出した回転速度変動パターンで相関値を取得する。
(2) 同じマスターパターンで計算処理した1 組あるいは複数組の基準相関パターンと相関パターンを出力する。
このようにしてパターンマッチング演算処理部6で得た相関パターンと基準相関パターンとをタイヤ・路面状態推定部7で比較し、タイヤや路面の微小な変化に対して高精度な推定を行う。
この実施形態よると、次の各効果が得られる。
・回転速度変動パターンを指定したパルス数で抽出し信号処理するため、回転速度変動パターンの高周波成分や、狭いパルス幅における信号の変化を示す相関パターンを作成することができる。
・これにより、タイヤや路面の微小な変化に対してより高精度に推定可能となる。
・特に、複数組の相関パターンを比較することで、誤差や不確かさをより低減することができるため、タイヤや路面状態の推定精度が向上する。
・また、全パルス領域をN分割した(N≧2)回転速度変動パターンを予め記憶しておき、N組の相関パターンを比較すると、タイヤの一部の領域での変化(具体的には異物の噛み込みや釘が刺さった場合など)を精度良く検出できる。
図14は、回転センサ2の具体例を示す。この回転センサ2は、ラジアルタイプの磁気式であり、ターゲットとなる環状の磁気エンコーダ2aと、この磁気エンコーダ2aの外周面に対面してこの磁気エンコーダ2aの磁気を検出する磁気センサ2bとを有する。磁気エンコーダ2aは、N,Sの磁極2aaを交互に有し、磁気センサ2bからは正弦波状の回転信号を出力する。この正弦波状の回転信号は信号処理部2cで矩形に整形され、矩形波のパルス信号として出力される。信号処理部2cは、逓倍回路2caを有していても良く、その場合、逓倍された高分解能の回転信号を出力する。
磁気エンコーダ2aは、前記磁極2aaに軸方向に並んで、円周上の1か所にZ相(零相)検出用の磁極2abを有するものであっても良く、その場合、磁気センサ2bは、前記N,S交互の磁極2aaの検出用のセンサ部2baに加えて、Z相検出用の磁極2abを検出するセンサ部2bbが設けられる。このセンサ部2bbは、1回転で1回のZ相(零相)信号を出力する。
図15は、回転センサ2の他の例を示す。この回転センサ2は、アキシアルタイプの磁気式であり、環状の磁気エンコーダ2aと磁気センサ2bとがアキシアル方向に対面する。磁気エンコーダ2aは、断面L字状のセンサ取付リング2dのフランジ部に取付けられている。その他の構成は、図14に示したラジアルタイプの回転センサ2と同様である。なお、図15の例では図示を省略したが、このラジアルタイプの回転センサ2においても、前記と同様に零相用の磁極およびセンサ部、並びに逓倍回路を設けても良い。
なお、図14,図15は、いずれも磁気エンコーダ2aを有する回転センサ2を示したが、回転センサ2は、ターゲットがギヤ型の磁性体からなるパルサリング(図示せず)、いわゆる検出歯車であっても良い。その場合、磁気センサはパルサリングの歯部を検出して回転信号を出力する。
これら磁気エンコーダ2aやギヤ型のパルサリングを用いた磁気式の回転センサ2によると、温度変化や汚れなどの劣悪な環境に強い。磁気式の場合、光学式に比べて磁極を細かく設けることが困難であるが、逓倍回路2caを有すると、回転速度変動パターンを検出するために必要な分解能の回転信号が得られる。
図8〜図13は、前記回転センサ2が設けられる車輪用軸受の各例を示す。図8,図9に示す車輪用軸受30は、第3世代型の内輪回転タイプで、かつ駆動輪支持用であり、複列の中央に回転センサ2を設けた例を示す。この車輪用軸受30は、内周に複列の転走面33を形成した外方部材31と、これら各転走面33に対向する転走面34を形成した回転輪である内方部材32と、これら外方部材31および内方部材32の転走面33,34間に介在した複列の転動体35とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する。この車輪用軸受30は、複列外向きアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体35はボールからなり、各列毎に保持器36で保持されている。内方部材32は、ハブ輪32aと、このハブ輪32aのインボード側端の外周に嵌合した内輪32bとでなり、各輪32a、32bの外周に前記転走面34が設けられている。外方部材31と内方部材32の間の軸受空間の両端は、シール37,38によりそれぞれ密封されている。
この車輪用軸受30において、内方部材32の両転走面34,34間の外周に、回転センサ2のエンコーダ2aが設けられ、このエンコーダ2aに対面する磁気センサ2bが、外方部材31に設けられた半径方向のセンサ取付孔40内に設置されている。回転センサ2は、例えば図14と共に前述したラジアルタイプのものである。
図10,図11に示す車輪用軸受30は、第3世代型の内輪回転タイプで、かつ駆動輪支持用であり、インボード側端に回転センサ2を設けた例を示す。この例では、回転センサ2には、図15と共に前述したアキシアルタイプのものが用いられている。具体的にはインボード側端のシール38における、内方部材32の外周面に圧入固定されるスリンガが、図15の例のセンサ支持リング2dを兼ねている。磁気センサ2bは、リング状の金属ケース39内に樹脂モールドされ、金属ケース39を介して外方部材31に固定される。その他の構成は、図8,図9に示した例と同様である。
図12,図13に示す車輪用軸受30は、第3世代型の内輪回転タイプで、かつ従動輪支持用であり、インボード側端に回転センサ2を設けた例を示す。この例では、外方部材31のインボード側端部の端面開口がカバー29で覆われており、このカバー29に回転センサ2の磁気センサ2bが取付けられている。その他の構成および作用効果は図8,図9に示した例と同様である。
以上、実施例に基づいて本発明を実施するための形態を説明したが、ここで開示した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1…車輪
1a…タイヤ
2…回転センサ
2a…磁気エンコーダ
2b…磁気センサ
2C…逓倍手段
3…信号処理ユニット
4…センサ誤差補正処理部
5…回転速度変動パターン抽出処理部
6…パターンマッチング演算処理部
6a…基準回転速度変動パターンメモリ
6b…マスターパターン抽出部
6c…マスターパターンメモリ
6d…相関パターン作成部
6e…基準相関パターン作成部
6f…相関パターンメモリ
7…推定するタイヤ・路面状態推定部

Claims (4)

  1. 車輪と共に回転するエンコーダおよびこのエンコーダを読み取るセンサ部を有し前記車輪の回転を検出する回転センサと、この回転センサから出力された回転信号を処理する信号処理ユニットとを備え、
    前記信号処理ユニットは、
    前記回転センサから出力された前記回転信号につき、前記エンコーダのピッチ誤差、取り付け誤差、およびセンサ誤差の少なくとも一つを補正するセンサ誤差補正処理部と、
    このセンサ誤差補正処理部で補正された回転信号から回転に同期した回転速度変動パターンを算出する回転速度変動パターン抽出処理部と、
    前記回転速度変動パターンの比較用の基準となるパターンとして作成された基準回転速度変動パターンから所定のパルス数で抽出したマスターパターンを記憶していてこのマスターパターンと前記回転速度変動パターン抽出処理部で抽出した回転速度変動パターンとの相関を算出するパターンマッチング演算処理部と、
    このパターンマッチング演算処理部で算出された相関および前記回転速度変動パターン抽出処理部で算出した前記回転速度変動パターンを用いて所定の規則に従い前記車輪のタイヤに関する状態および路面状態の少なくとも一方を推定するタイヤ・路面状態推定部とを備え、
    前記パターンマッチング演算処理部が、前記基準回転速度変動パターンを記憶する基準回転速度変動パターンメモリと、この基準回転速度変動パターンメモリに記憶された前記基準回転速度変動パターンから抽出した前記マスターパターンを記憶するマスターパターンメモリと、このマスターパターンメモリに記憶されたマスターパターンと前記回転速度変動パターン抽出処理部で算出された回転速度変動パターンとの相関を取って相関パターンを出力する相関パターン作成部とを有し、
    前記パターンマッチング演算処理部が、前記基準回転速度変動パターンメモリに記憶された前記基準回転速度変動パターンと前記マスターパターンメモリに記憶されたマスターパターンとから基準相関パターンを作る基準相関パターン作成部と、その作成された前記基準相関パターンを記憶し出力する基準相関パターンメモリとを有し、前記タイヤ・路面状態推定部は、前記相関パターンと前記基準相関パターンとを比較することで前記車輪のタイヤに関する状態および路面状態の少なくとも一方を推定する車両の車輪回り走行影響情報検出装置。
  2. 請求項1に記載の車両の車輪回り走行影響情報検出装置において、前記マスターパターンが1種類である車両の車輪回り走行影響情報検出装置。
  3. 請求項1に記載の車両の車輪回り走行影響情報検出装置において、前記マスターパターンが2種類以上である車両の車輪回り走行影響情報検出装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両の車輪回り走行影響情報検出装置において、前記マスターパターンが、前記基準回転速度変動パターンの全パルス領域をN(Nは2以上の整数)分割して得られたパターンである車両の車輪回り走行影響情報検出装置。
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