JP3960752B2 - Vlsi(超大規模集積)cmos(相補形金属酸化膜半導体)回路をインタフェースする高速信号 - Google Patents

Vlsi(超大規模集積)cmos(相補形金属酸化膜半導体)回路をインタフェースする高速信号 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は一般にコンピュータ信号通信に関し、より詳細には集積回路インタフェースに関し、ならびにバス上の複数の集積回路の間、または二点間で消費電力を削減してデータ、制御およびアドレス信号の高速ブロック転送を行う方法に関する。
【0002】
(2.背景技術の説明)
デジタル計算および他のデジタル応用分野に使用される半導体集積回路には、単一または複数区分された伝送路で2進通信を行うための複数の超大規模集積(VLSI)接続回路がしばしば使用される。従来の伝送路は、印刷回路基板の如き好適な基板上に形成されたトレースを含んでいる。各伝送路は、例えば、いわゆるマイクロストリップ・トレースおよびストリップ・ライン・トレースを使用して約50〜70オームの特性インピーダンスを有する伝送路を形成するように設計することができる。あるいは、各伝送路の両端をそれらの特性インピーダンスで区切ってもよい。当該伝送路のためのドライバに対する出力ロードは25〜35オームにとどめられる。
【0003】
合理的な電力を消費するためには、高周波信号は小振幅信号を必要とする。GTL、HSTL、SSTLまたはRAMBUSのようなノイズ環境において受信器が容易に電圧スイング(例えば0.8Vから1.2V)を検出するためには、電流も非常に高くなければならない(例えば、ドライバ当たり50から60ミリアンペア)。典型的な受信器には、入力高電圧(VIH)と入力低電圧(VIL)の中間をとって構成された電圧基準(VREF)信号を有するコンパレータが使用されている。VREF信号は、時間とともに緩やかに供給電力に追従するが、瞬間的なノイズに応答することができない高インピーダンスのDC電圧基準である。従来的に、高出力電圧(VOH)および低出力電圧(VOL)は発信源から発生する信号を表し、VILおよびVIHは受信装置の入力側に到着する信号を表すが、それらを同じ信号と見なすことができる。
【0004】
図1Aは、RAMBUS技術を使用した従来技術の受信器10を示すブロック図である。システム10は、信号線103を介して内部入力受信器110に結合されたパッド100を含む。VREF信号105が各内部受信器110に結合されている。VREFは供給電力から生成する。通常、供給電力のDC値は5パーセント(5%)変動する。図1Bは、高基準電圧(VREFh)および低基準電圧(VREFl)に関係する例示信号を示したタイミング図である。VREFhおよびVREFlは、VREF信号を生成するのに使用される供給電力の変動に典型的に依存する。信号の極性を正確に検出するには、電圧スイング、すなわち高電圧信号(VIH)と低電圧信号(VIL)の差を大きくすること、およびVREF信号の上下の信号レベルが安定していることが必要とされる。現行の単一端信号技術の電圧スイングは従来的におよそ0.8vである。
【0005】
図1Cは、RAMBUS技術を使用した従来技術の受信器150の概要を示すブロック図である。受信器150は、信号が安定レベルに達し、その時点でバス・ゲート160および165が止まるまで入力信号167およびVREF信号154のレベルをサンプリングする。バス・ゲート160および165が止まると、センス・ゲート172が電流入力を除去することが可能になる。図1Dは、例示信号についての受信器150の動作を示すタイミング図175である。受信器150は、信号が安定レベル、例えば低論理レベル(VIL)に到達するまで入力基準および入力信号をサンプリングし、入力信号が安定している間、受信器150は入力信号の値を感知する。上述のように、確実な信号検出がなされるためには、全ての受信器150がセットアップおよび保持時間のための十分な余裕を確保しながら安定信号をサンプリングできるほど信号電圧スイングが速くなければならない。この信号スキュー、セットアップ時間および保持時間を確保できるように、この電圧スイングは最小サイクル時間の30秒以内で行われる必要がある。サイクル時間が1ナノ秒を下回ると、信号スキュー、セットアップ時間および保持時間のための余裕が縮小し、高周波数で動作する高キャパシタンス・ローディング環境のドライバ電流に付加的な負担がかかる。IEEE PI5963に採用されている低電圧差動信号(LVDS)は、相補信号を走らせながら250mvの電圧スイングを使用することにより、これらの問題を克服することができる。相補信号を走らせると、ピン・カウントおよびパッケージ・サイズが必然的に増加する。
【0006】
さらに、コンピュータ・システムには、典型的に、いくつかのデバイスをバスに接続したバスシステムが使用される。それらのほとんどが、データ信号、アドレス信号および制御信号を確認するためのクロックを使用している。図2lは、2つのセグメント2136および2138を有するクロック・ライン2130を使用する従来技術のDRDRAM用システム2100を示す図である。セグメント2136はデータ・バスの一端からそのバスの第2の末端付近にあるターンアラウンド・ポイント2137へと伸びている。他のクロックセグメント2138は、ターンアラウンド・ポイント2137から逆にデータ・バスの第1の末端へと伸びている。信号バス2120はデータ信号、アドレス信号および制御信号を運ぶ。このような配列は、バス2120上で送信された信号が、その信号を受信するためにデバイスが使用するクロック2132と常に同時に、かつ同じ方向に移動することを保証するものである。これは、全ての信号およびクロックのローディングオフがほとんど一致し、クロック2132を使用して信号をサンプリングおよび受信する場合は優れた効果を発揮する。しかし、そのシステムは時には2倍の帯域幅を必要とし、その場合は、アドレス信号と制御信号が同一で、さらには共有されていたとしても、この種のバスは信号の数を倍増することを必要とする。
【0007】
したがって、低コストのVLSIデジタル・システムに向けた既存の技術において多数の単一端信号を伴う高周波動作に見合った低動力ドライバおよび信頼しうる受信器が必要となる。
【0008】
(発明の概要および目的)
本発明のシステムは、小スイング差動発信源同期電圧およびタイミング基準信号(SSVTRおよび/SSVTR)を使用して、同一の高周波信号用集積回路から生成した同じスイングの単一端信号を比較するものである。「/」は論理否定を示すために用いられていることが理解されるであろう。全ての信号は、伝送路の両端においてそれらの特性インピーダンスとともに終了する。SSVTRおよび/SSVTRは、伝送集積回路によって有効信号が導出されるごとに切り換わる。各信号受信器は2つのコンパレータ、すなわちSSVTRに対して信号を比較するコンパレータと/SSVTRに対して信号を比較するコンパレータを含む。現行の信号2進値は、SSVTRおよび/SSVTRを伴う排他的論理和を任意に使用することによって、どのコンパレータが結合されているかを決定する。受信器内の結合されたコンパレータは、SSVTRおよび/SSVTRがその2進値を変えるまで、信号2進値が変化したか否かを検出する。なお、SSVTRおよび/SSVTRは、信号がその2進値を変える毎にそれらの2進値を変えることが理解されるであろう。SSVTRおよび/SSVTRは、信号と同期されるのが好ましい。
【0009】
本発明の方法は、発振源同期電圧ならびにタイミング基準およびその補数(SSVTRおよび/SSVTR)を取得するステップと、着信する単一端信号を受信するステップとを含む。その方法は、第1のコンパレータで着信信号に対して発振基準を比較して第1の結果を生成し、第2のコンパレータにより着信信号に対して補数を比較して第2の結果を生成する。その方法は、次いで、前の信号に基づく出力信号として第1の結果または第2の結果のいずれか1つを選択する。結果の1つを選択するステップは、出力信号と基準(SSVTR)および補数(/SSVTR)とを比較することを含む。選択のステップは、現在結合されているコンパレータに基づいて、前の信号から第1の結果または第2の結果に向けて出力信号を処理することを含む。受信信号が変化する場合は、選択のステップは同じコンパレータの結合を維持することを含む。受信信号が同じである場合は、選択のステップは現在結合されているコンパレータの結合を断って他のコンパレータを結合することを含む。その方法は、次いで回路を安定させることができる。
【0010】
そのシステムおよび方法は、小スウィング単一端信号を比較するための高インピーダンスの必要性を有利に取り除く。これは、3つの異なる電圧レベル(出力高レベル、出力低レベルおよびVREFレベル)の必要性を2つの異なる電圧レベル(出力高レベルおよび出力低レベル)に削減する。VREFを取り除くことによって必要な電圧スイングが削減され、それにより電力消費量が削減される。二重コンパレータを有する受信器を使用することによって、信号がサイクル毎に変化する際に同一のコンパレータに受信器を結合することが可能になる。現行の信号の2進値およびSSVTRに基づいて、ただ1つのコンパレータが結合される。そのシステムは、各受信器に対してコンパレータを結合したり、または結合を断つための個別的に調節可能な遅延を有するため、発信源同期信号の伝送時のスキューの効果を減じる。そのシステムは、多数の信号を有するマイクロプロセッサまたはシステム・コントローラの如き同一集積回路内の複数の単一端信号を比較するために、複数の差動発信源同期電圧およびタイミング基準信号を有することができる。そのシステムおよび方法は、単一端信号システムにおいて差動信号の有利性を提供する。
【0011】
同じコンセプトを利用して、そのシステムは、双方向単一端信号を比較するための双方向相補原始同期電圧およびタイミング基準信号を有することができる。そのシステムは、全信号周期の実質的な部分を占める信号スルー・レートを制御するためのドライバまたはトランスミッタを有することによって、出力電流を減じることができる。そのシステムは、CPUとキャッシュまたはCPUとシステム・コントローラの間の二点間接続の両端の伝送路の特性インピーダンスを整合させるための、プルアップ抵抗または接地式p−チャネルの如き内部インピーダンス整合回路を有することができる。そのシステムは、メモリ、プロセッサまたは他のワイドデータ・バス型集積回路の内部バスに匹敵する微分バスの雑音余裕度で2つの相補信号を送受信する単一端バスを変換する二重コンパレータ回路を有する。そのシステムは、低速ターンオンおよび低速ターンオフのデバイス・サイズ可変型トランスミッタを有し、SSVTRおよび/SSVTRの各グループ内の全信号、ならびにともに伝送される複数の信号について類似したスルー・レートを有するのが好ましい。さらに、制御信号およびアドレス信号は、データ信号とは異なるチャネルで伝送されうることが理解されるであろう。これにより、制御およびアドレス・チャネルをデータ・チャネルとは異なる周波数でランさせることが可能になるとともに、各々のチャネルに異なるロードを適用することが可能になる。
【0012】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明は、多重バス、または複数のVLSIデバイス間の二点間接続上の高速通信のための信号方式および方法を提供するとともに、単一端信号をインタフェースする現行の方法に比べて消費電力を削減するものである。その信号方式を利用して、多重バスを具備する複数のメモリ素子を、データ、アドレスおよび制御情報のブロック転送用メモリ制御器に接続することができる。複数のバスを使用することによって、DRAMの如きデバイス、クロスポイント・スイッチ、プロセッサ、ワイドSRAMおよびシステム制御装置を組み合わせて4ギガバイト/秒を上回る帯域幅を実現することが可能である。実質的に、コンピュータまたは他のデジタル・システムに必要とされる信号の全てをこのバス上で送信することができる。コンピュータ・システム内のCPUのようなデバイスは全てこのシステムの方法およびバス構造を必要とすることを、当業者なら認識するであろう。
【0013】
図2Aは、マスタ・デバイス(トランスミッタ)205がバス構造(伝送路)215を介して複数のスレーブ・デバイス(受信器)210に接続された、本発明によるシステム200を示す斜視ブロック図である。マスタデ・バイス205とスレーブ・デバイス210のペアの例はマイクロプロセッサとシステム・コントローラ、またはメモリ・コントローラとメモリ・デバイス(例えばDRAM)を含む。図示されているように、マスタ205は、例えばS0からS17の単一端信号、小スイング相補原始同期電圧およびタイミング基準SSVTRおよび/SSVTRを含む20の信号、送電ライン(図示せず)ならびに接地ライン(図示せず)を、伝送路215を介して各スレーブ210に平行に伝送するように構成されている。「/」は論理否定を示すために用いられていることが理解されるであろう。プロトコルが要求するクロックまたは初期化、あるいはシステムの同期のように、追加的な信号が存在しうる。
【0014】
図3Aに示されているように、SSVTRおよび/SSVTR信号は、マスタ205によって有効信号が導出される毎に切り換わる。スレーブ210は複数の受信器(図4、405)を含むことができ、各受信器405は2つのコンパレータ、すなわちSSVTRに対して信号を比較するコンパレータと/SSVTRに対して信号を比較するコンパレータを含むことが理解されるであろう。現行の信号2進値は、SSVTRおよび/SSVTRに伴う排他的OS論理を利用することによって、どのコンパレータが出力ターミナル420に結合されているかを決定する。SSVTRおよび/SSVTRがそれらの2進値を変えるまで、受信器405における使用可能コンパレータは、信号2進値が変化したか否かを検出する。
【0015】
バス上のチップ間通信または二点間通信では、全ての信号が、同一のチップからバス上に接続された1つまたは複数の他のチップへと実質的に同時に伝送されるのが好ましく、実質的に同じローディング、スイングおよびスルー・レート(信号が変化する場合)を有するのが好ましい。また、チップ内通信についても、信号が、同一の領域またはブロックから同じチップ内の他の領域またはブロックへと実質的に同時に導出されるのが好ましく、実質的に同じローディング、スイングおよびスルー・レート(信号が変化する場合)を有するのが好ましい。以下の図19および図20は、信号を実質的に同時に導出することを保証するシステム及び方法を示す。
【0016】
外部バス上でのデータ伝送率を著しく高めるために、SSVTRが低いとき(すなわち/SSVTRが高いとき)にバス・サイクルを開始する。ブロック転送はいずれもSSVTRが低いときのサイクルの中で始まり、SSVTRが低下して信号の最終2進値に対する受信器405のプレセットが容易になったときに終了する。(信号の多重性により)信号が方向を変える必要があるときは、それらが双方向的である場合に、伝播遅延によりバスを安定させるために、またはSSVTRおよび/SSVTRを安定させるために1つまたは複数のデッドサイクルが必要とされる。以下に述べる図17は、デッドサイクルの損失を避けるバス転向のための双方向タイミングを示す。
【0017】
図2Bは、終端抵抗が末端におけるそれらの特性インピーダンス、好ましくは50〜70オームに等しい外部インピーダンス整合抵抗220を具備する伝送路215を有するシステム200(図2A)を示すブロック図である。終端電圧はVTTと表示され、好ましくは2.5vの使用電圧(2.5VのVCCおよび0VのVSS)に対して1.8v付近であるのが好ましい。名目電圧スイングは、1ボルト未満、好ましくは供給電圧の40%未満に設定するのが好ましく、500mvに設定するのが最も好ましい。したがって、図3Aに示されているように、出力高電圧(VOH)は1.8vで、出力低電圧(VOL)は1.3vである。
【0018】
図3Aは、信号感知時間と相対的な相補基準信号SSVTRおよび/SSVTRを示すタイミング図である。SSVTRはVOLで起動し、/SSVTRはVOHで起動する。最初のサイクルにおいて、マスタ205は/SSVTRを含む全ての低下信号をVOLに至らせ、終端抵抗220はSSVTRをVOHに引き上げる。高い単一端信号は終端抵抗によってVOHに保たれる。適切な感知時間、すなわち入力信号の論理レベルを感知する時間は、SSVTRおよび/SSVTRの変化接合の後、かつ安定時間の前、すなわちSSVTRまたは/SSVTRがVIHまたはVILにおいて安定状態に達する前である。SSVTRおよび/SSVTRは上昇時間と下降時間が等しく、上昇時間と下降時間の各々がいずれかの基準のサイクル時間のおよそ半分であることが好ましい。
【0019】
図3Bは、単一端信号と相対的なSSVTRおよび/SSVTRを示すタイミング図である。単一端信号は/SSVTRと等しい高電圧から始まり、次いで/SSVTRともに変化して低電圧に至る。次に、その単一端信号は低電圧にとどまることによってSSVTRと等しくなり、次いでSSVTRとともに変化して高電圧に至る。次いで、その単一端信号は高電圧にとどまることによって/SSVTRと等しくなる。
【0020】
図4は、各信号線215について受信器405を有する単一端信号スレーブ210を示す高度な概略図である。各信号受信器405は2つのコンパレータ、すなわち着信単一端信号「SNx」をSSVTRと比較するコンパレータ410a、およびSNxを/SSVTRと比較する他のコンパレータ410bを有する。両コンパレータ410は、スイッチ415を介して出力ターミナル420に結合された出力ターミナルを有している。出力ターミナル420に向かう出力信号(SN)はフル・レール信号(0Vから2.5V)であるのが好ましいことが理解されるであろう。
【0021】
上述したように、SSVTRはVOLに初期設定され、/SSVTRおよびSNxはVOHに初期設定される。SNはフル・レール高出力電圧に初期設定される。したがって、コンパレータ410aは高電圧のSNxから低電圧のSSVTRを差し引いた分だけ増幅することによって、高出力信号を提供する。コンパレータ410bは、高電圧のSNxから高電圧の/SSVTRを差し引いた分だけ増幅し、未知のノイズ増幅出力信号を提供する。スイッチ415の選択は、排他的OR(XOR)論理ゲート425によって制御される。より具体的には、XORゲート425aが出力信号SNに対してフル・レールSSVTR増幅信号(VT)を比較し、スイッチ415Aを制御するための制御信号を生成する。XORゲート425bは、出力信号SNに対してフル・レール/SSVTR(/VT)を比較し、スイッチ415bを制御するための制御信号を生成する。この初期の状況において、SSVTRおよびそれに応じてVTのみが低くなることによって、XOR425aがスイッチ415aを閉にする。それに応じて、コンパレータ410aの出力(高)が出力ターミナル420に達する。XOR425はスイッチ415bを開にすることによって、コンパレータ410bから不必要な出力信号が進入するのを防ぐ。受信器405は安定状態にある。
【0022】
図3Bに示された例によれば、単一端信号SNxは低電圧へと変化する。常に、SSVTRと/SSVTRは互いに反対のほうに変化する。したがって、SSVTRと/SSVTRが両者の間に所定の差(好ましくは250mV)を達成すると同時に、VTと/VTが変化する。同様に、SSVTRとSNxが変化して両者の間に所定の差(好ましくは250mV)と同時に、コンパレータ410aの出力も(低出力電圧へと)変化する。外部信号SNxから出力信号SNxの生成に至るまでの経路、フル・レール信号VTのための経路、および/VTの生成経路は、それぞれ1つのコンパレータ410または435と2つのインバータ430および440を含むことが理解されるであろう。したがって、各々のVOR425は、コンパレータ410および435による比較の速度に基づいて新しい入力信号を受信する。本例では、図3Bの例示的なタイミング図から明らかなように、SSVTRとSNxが所定の差を達成すると同時に、SSVTRと/SSVTRもそれと同じ所定の差を達成することになる。したがって、XOR425aは差動入力受信を続けることによって、同じスイッチ415aを閉の状態に保ち、コンパレータ410aの低出力信号を出力ターミナル420に送ることを可能にする。受信器405はまだ安定状態にある。
【0023】
さらに図3Bの例によれば、単一端信号SNxは変化しない。常に、SSVTRと/SSVTRは互いに相対的に変化する。したがって、現在使用可能なコンパレータ410aは継続的に低出力電圧を導く。SSVTRと/SSVTRが互いに相対的な所定の差を達成しているが、SSVTRがSNxと同じ電圧に達する前の段階(それにより出力信号が無指定状態になる可能性を避ける)では、XOR425aがオフになり、XOR425bがオンになる。/SSVTRが上昇を開始するときから、コンパレータ410bは低出力電圧を導きうることが理解されるであろう。
【0024】
各受信器405は100〜250mVの微小信号を容易に検出し増幅することができる。単一端信号SNxに変化が生じた場合は、出力信号SNは前の信号レベルと逆の新しいレベルを有する。SSVTR(または/SSVTR)と単一端信号の両方が変化したため、信号出力ターミナルにはまだ同じコンパレータ410が結合されている。単一端信号SNxが変化していない場合は、信号出力SNも変化せず、変化が始まったときに結合されていたコンパレータ410は、SSVTRおよび/SSVTR受信器がそれらの新しい2進状態(VT&VT)を増幅した後に出力から結合を断たれ、反対の/SSVTR(またはSSVTR)を有する他のコンパレータ410が結合されて信号出力を提供する。それにより前の出力レベルが復活する。
【0025】
XORを使用せずに受信器405を実施できることが理解されるであろう。この受信器は、初期サイクルにおけるSSVTRおよび/SSVTRの既知の極性、および高レベルで起動する全ての単一端信号を使用することによって実施することができる。SSVTRおよび/SSVTRはあらゆるサイクルにおいて変化する。したがって、各サイクルにおけるそれらの極性は、同期システム内のシステム・クロックを調査し、偶数のクロック・サイクルにおける開始点(すなわち、偶数のクロック・サイクルではSSVTRは低くなり、/SSVTRは高くなる)を定めることによって決定することができる。次いで、出力信号SNがサイクル毎に変化しているか否かに基づいてコンパレータ410を結合したり、その結合を断つために、出力信号「SN」のみを監視する。出力信号が状態を変えた場合は、結合されたコンパレータはそのままである。出力信号SNが変化しない場合は、結合されたコンパレータは結合を断たれ、他のコンパレータが結合されるなどである。
【0026】
本発明を具体化するシステムは、全ての信号を低インピーダンス発信源に接続でき、全ての信号が雑音余裕度に異なった信号に実質的に類似の電圧および雑音状態となり、RAMBUS、HSTLまたはGTLのような他の単一端信号技術に比べて電圧スイングを削減することができることがさらに理解されるであろう。この例示的な実施形態において実施された0.5vの小スイングは、他の既存の単一端信号技術に比べると消費電力がはるかに小さい超高信号速度を見越したものである。さらに、各受信器405は、従来的なクロック、またはSSVTRおよび/SSVTRならびにその増幅バージョンであるVTおよび/VT以外のタイミング信号を必要とせずに、信号が変化している間に単一端信号SNxを増幅することが理解されるであろう。
【0027】
図5は、マスタ205から伝送路215を介して受信器405に信号を伝送する方法500を示すフローチャートである。方法500は、マスタ205がステップ505においてSSVTRをVOLに、そして全ての単一端信号(/SSVTRおよびSNx)をVOHにセットし、かつステップ510において全ての単一端受信器出力(SN)をフル・レール・ハイにセットすることによって開始する。ステップ515において受信器405は、各単一端信号SNxに対してSSVTRを比較するコンパレータ410aを受信器405の出力ターミナル420に結合する。ステップ517において受信器405は、伝送路上の全ての信号を沈静化させる。ステップ505から517をシステム初期化と呼ぶ。
【0028】
ステップ520においてマスタ205は、SSVTRおよび/SSVTRをそれらの反対の状態にし、全ての単一端信号SNxを所望のレベルにする。ステップ530において受信器405は、SSVTRおよび/SSVTRに対して単一端信号をそれぞれのコンパレータ410で比較する。ステップ540において受信器405は、単一端信号が変化したか否かを判断する。変化した場合は、受信器405は、ステップ545において、その結果を出力ターミナル420に送り、同じコンパレータ410のターミナル420への結合を維持する。変化しなかった場合は、受信器405は、ステップ550において、前のコンパレータ410の結合を断って他のコンパレータ410を出力ターミナル420に結合し、同じ出力信号(SN)を維持する。ステップ555においてトランスミッタ405は、信号バーストが続いているか否かを判断する。そうである場合は、方法500はステップ520に戻る。そうでない場合は、方法500は終了する。
【0029】
図6Aは、トランスミッタ600と呼ばれる第1の実施形態における単一端信号についての低速ターンオンおよび低速ターンオフ・マスタ205を示す概略図である。トランスミッタ600は、出力スイングをVTTより500mv低い電圧に合わせて正確に調整するために伝送路610に結合されたNMOSプル・ダウン・デバイス605を含む。NMOSプル・ダウン・デバイス605は、その発信源を伝送路610に結合し、ドレーンを地面に結合し、かつゲートをスキュー制御回路620に結合したプル・ダウンNMOSトランジスタT1を含む。スキュー制御回路620は、2つの抵抗R1とR2の間に結合された2つのトランジスタT2、T3を具備するCMOSインバータを含む。CMOSインバータへの入力は信号制御デバイス625に結合される。例えば、SSVTRまたは/SSVTRを生成するために、信号制御デバイス625はオシレータでありうる。初期化時にレジスタ(図示せず)およびシリアル・ピンを使用してあらゆるプロセスまたはデバイス変動に対して正しい電圧スイングをセットし、プル・ダウンの量を調節できることが理解されるであろう。Hans Schumacher等の「CMOSサブナノセカンド真ECL出力バッファ(CMO Subnanoscond True−ECL output buffer)」、固体回路ジャーナル(J.Solid State Circuits、Vol、25(1)、pp.150−154(1990年2月)に示された、フィードバック技術を使用して制御を行うといった方法も利用できる。電流を20maに維持し、伝送路610の両端に(R1およびR2によって制御される)50オームの並列端末を設けることによって、全ての条件下において500mvのスイングが生成される。出力についての上昇および下降時間を遅くし、反射、信号カップリングおよび端末ネットワーク切換ノイズを最小限に抑えるために、スキュー制御回路665は、緩やかにターン・オフおよびターン・オンがなされるようにプル・ダウン・トランジスタT1を制御する。好ましいスルー・レートは、500mvあたり0.8nsの変化時間を伴う1.6ns/ボルトである。
【0030】
一様に変化するランプ状信号については、信号の好ましいスルー・レートは、特定の技術では、2つのインバータ遅延と排他的OR遅延の合計の4倍である。使用電圧が2.5Vの0.25μCMOS技術では、インバータ遅延は50ピコ秒で、排他的OR遅延は約120ピコ秒である。したがって、好ましいスルー・レートは約880ピコ秒になる。600MHzを上回るレートで伝送される信号については、信号スルー・レートは信号レートの110%未満であるのが好ましい。指数信号のスルー・レートは、信号が変化時間の3/4以前に最終値の75%に達している場合にわずかに速くなる。差動信号は、電圧変化過程の半分を越えるのが好ましい。電圧変化過程の3/4付近では、信号は、大スイング信号に迅速に変換されうる約250mvの差を有する。ノイズ増幅を避け、無変化単一端信号の受信に際して信号が受信器出力にカップリングするのを防ぐためには、75%と最終信号値の間の変化時間は、2つのインバータ遅延と排他的OR遅延の合計よりも大きいことが好ましい。スルー・レートは、増幅ノイズが、出力が出力ターミナル420に結合されるコンパレータ410の出力に達するのと同じ速さになりうることが理解されるであろう。すなわち、無変化信号を受信するのに際して、スイッチ415は、コンパレータ出力がノイズ増幅に基づいて状態を変える前にスイッチ415の状態を切り換える。コンパレータ410に現在結合されている出力は無指定(ノイズ増幅)状態に近づく。スイッチ415は、無指定出力が利用可能になる前に状態を切り換えなければならない。デバイスの不整合、製造公差および信号反射は、コンパレータ410の出力が無指定状態に到達する速度に影響することがさらに理解されるであろう。技術が進歩するにつれて、ゲート遅延、スルー・レートの高速化および信号レートの高速化が実現されることになるであろう。
【0031】
図6Bは、他の例示的な実施形態ではトランスミッタ650と呼ばれる、信号スルー・レートおよび信号間のスキューが調節可能なマスタ205を示す概略図である。トランスミッタ650は、出力スイングをVTTより500mv低い電圧に合わせて正確に調整するために伝送路610に結合されたNMOSプル・ダウン・デバイス655を含む。NMOSプル・ダウン・デバイス655は、各々がその発信源を伝送路610に結合し、そのドレーンを地面に結合し、かつそのゲートをスキュー制御回路665に結合した、並列接続されたプル・ダウンNMOSトランジスタ660を含む。スキュー制御回路665は、並列接続された2つの抵抗セット670と675の間に結合された2つのトランジスタT2およびT3を具備するCMOSインバータを含む。CMOSへの入力は信号制御デバイス625に結合される。抵抗セット670および675は上昇時間と下降時間を調和させる。前の信号の中間点のクロスオーバおよび差動受信器による前の信号の感知が同時に行われるように、上昇時間と下降時間は可能な限り対称的であることが好ましいということが理解されるであろう。対象性の達成ならびにスルー・レートおよび出力スイングの設定は、試験段階においてヒューズ(図示せず)をとばすことにより、またはボードの初期化中に抵抗(図示せず)をセットすることによって実現することができる。
【0032】
信号変化時間は信号レートよりわずかに大きくなりうることが理解されるであろう。大量の負荷がかかったバスでは、変化ロスに対処するためにスイングを増加させて、受信器210が容易に感知できるように500mvを維持することができる。技術、ローディング、ならびに受信器の取得および分解遅延に基づいて様々なスルー・レート、指数的変化時間および電圧スイングが可能であることがさらに理解されるであろう。変化する信号がバーストしながらそれらの最終値の90から95%に達すると、信号レートよりわずかに高い変化時間も可能になる。また、試験時に、NMOSプル・ダウン・サイズおよびその前のゲート内の抵抗を使用したり、レーザ・ヒューズ・ブローのようなよく知られた技術を使用したり、またはレジスタ・コードをセットして、単一端信号間ならびにSSVTRと/SSVTRとの間のスキューを調節し、図10に示された信号波形を達成する。図10に示されているように、SSVTRおよび/SSVTRの変化に先立って、全ての単一端信号SNxが同等であるか、または50psec未満でなければならない。試験後にこのスキューを調節してこの範囲内におさめることができる。
【0033】
図7Aから7Dは、図4の各信号受信器405の代替的な実施形態を示す図である。受信器405のコンパレータ410は、全てのサイクルで動作する必要があり、小さな取得及び分解遅延を必要とし、入力電流を獲得せず、電流を信号線に送り戻すこともない。共通の差動増幅器はこれらすべての要件を満たす。図7Aによれば、受信器210は、一方が信号SNxをSSVTRと比較する差動増幅器702aで、他方が信号SNxを/SSVTRと比較する差動増幅器702bである二重の差動増幅器702を使用する。補足として、差動増幅器702の概要を示す。差動増幅器702はつねに使用可能状態にある。チャネル・サイズに基づいて、SSVTR電圧がSNx電圧より高いときは、PMOSトランジスタT10により多くの電流を導くことによってノード707における出力電圧を高める(VCCまたは2.5V付近まで)。SSVTR電圧がSNx電圧より低いときは、NMOSトランジスタT11により多くの電流を導くことによってノード707における出力電圧を下げる(VCCまたは0Vふきんまで)。差動増幅器は0.5V(小スイング)入力を大スイング(0Vから2.5V)に切り換える。
【0034】
差動増幅器の出力は増幅されてインバータ704により転換され、CMOS伝送ゲート706を通過し、ノード708において結束する。伝送ゲート706は、それぞれSSVTRまたは/SSVTR、すなわちVTまたは/VTの増幅状態を伴う排他的ORを受けた前の信号(SN)の増幅状態に応じて選択的に処理される。排他的ORは、それぞれの論理レベルに到達するSNとVTと/VTの間の小さなタイミング変動に対するエラーを伴わない安定したものとして設計されている。
【0035】
様々な実施形態を示す。図7Aは、代替実施形態700として、小さなデバイス・カウントおよびより大きな速度に対して伝送ゲートのみを選択的に使用可能状態にする、常に使用可能状態にある作動増幅器を示す図である。図7Bは、代替実施形態720として、同時に使用可能または不能状態になる差動増幅器および伝送ゲートを示す図である。図7Cは、代替実施形態740として、排他的OR出力の変化が変化している間は伝送ゲートを急速に不能状態にし、排他的ORが安定した後に伝送ゲートを徐々に使用可能状態にするにする、より低い電圧に対する同一の排他的ORによって使用可能状態になる作動増幅器を示す図である。図7Dは、代替実施形態760として、低電圧分野に適した1.2Vの端末電圧を有するP−チャネル差動増幅器を示す図である。どの差動増幅器も、受信器またはデバイスが選択されないとき、またはデバイスが著しい電力低下モードにあるときに、電力低下に合わせて不能状態にすることが可能である。トランジスタT11をオフにすることによって差動増幅器を不能状態にすることができる。
【0036】
図7Dに示されているような1.2vの端末電圧および受信器405を使用することによって、電力消費量をさらに33%削減することが可能になる。すなわち、電圧スイングが1.2Vから0.7Vに低下し、グラウンド・バウンスに対する適度な余裕、およびポータブル・システムに見合った電力消費量の削減が可能になる。使用周波数を、より小さな形状ファクタに応じたポータブル・デバイスに共通するバス上のデバイス数の削減に合わせることができる。トランスミッタ205は依然としてNMOSプル・ダウンT1、または並列に接続されたNMOSプル・ダウン660であってもよい。受信器の動作は、差動増幅器702が鏡像になることにより、P−チャネル・ゲートに進入して同等の性能を示す信号に対するゲート・キャパシタンスをP−チャネルのデバイス・サイズを大きくすることによって約2倍に増加させる点を除いては、同様に動作する。小スイング差動信号を大スイング差動信号に迅速に変換する他の構成の差動増幅器を、示された差動増幅器の代わりに代替的に使用することができる。他の実施形態としては、2つの異なるVTT、すなわち500mvのスイングを伴う1.8vに相当する信号のためのVTTと300mvのスイングを伴う1.7Vに相当する発振基準信号のためのVTTを使用できることを当業者なら認識するであろう。全ての信号が同時に変化し、類似した立ち上がりと立ち下がり時間を有する。同じトランスミッタと受信器の組合せによって多重VTTシステムを管理することができる。
【0037】
受信器405内の各差動増幅器のDCバイアス点は、受信器405の出力電圧が、両方の小スイング電圧(端末端信号SNxおよび使用可能差動増幅器のSSVTRまたは/SSVTR)がVIHに近いときにVCCの半分を回り、両方の小スイング電圧がVILに近いときにVCCの半分を回るように構成されることが理解されるであろう。このDCバイアスには十分な余裕、および単一端信号SNxが状態を変えなかったり、使用可能差動増幅器のSSVTRまたは/SSVTRが結合を断つ前に差動信号を閉にした際の出力信号の保護が考慮されている。
【0038】
受信器405は小規模スイング端末端信号の信号変化を通じて動作するため、以前の信号技術における信号レベルがVIH/VILまたはVREFに達した後の指定時間からのセットアップおよび保持時間のコンセプトはもはや適用されない。また、信号電圧と比較するためのVREF(基準電圧)も存在しない。セットアップおよび保持に必要なタイミング、およびVREF付近を感知するための電圧余裕を可能にするのに必要とされるタイミングを除去することによって、より少ない電力消費量で使用周波数が著しく高められる。さらに、全ての受信器405は自己時間を有し、グローバル・クロックを必要とせず、受信器405を個別的に調節して基板またはパッケージのレベルの伝送スキューを除去することができる。
【0039】
図8Aおよび8Bは、図4のコンパレータ435の回路の詳細を示す概略図である。各コンパレータ435は、図7Aの差動増幅器702に類似した差動増幅器802(図8A)または852(図8B)、および縦列した多重インバータ804(図8A)または854(図8B)を含む。コンパレータ802および852のフル・レール出力信号(VT1、VT2、VT3、/VT1、/VT2&/VT3)は、単一端受信器のXOR425(図4)に伝送される。VT1、VT2またはVT3の選択は、受信器405の出力信号SN生成経路の信号速度と実質的に等しい信号速度に基づいて決定される。
【0040】
図9は、伝送時のスキューを除去し、コンパレータ410によって小スイングを大スイングに切り換える、個々に調節可能な遅延を有する受信器405を示す概略図である。使用周波数または電圧スイングを調和させて最適な性能を確保するために、各受信器405は、3つのVT1&/VT1、VT2&/VT2またはVT3&/VT3の1つをXOR425(図4)に届けることができるようにデータを記憶するレジスタ905を有する。
【0041】
図11は、双方向信号通信のための複合型マスタ1100のハードワイヤ・レイアウトを示す斜視図である。マスタ1100は、受信器405および共に結合されたリターン・トランスミッタ1105を含む。より具体的には、信号S0の如き受信された各単一端信号は受信器S0の如き対応する受信器405に、かつトランスミッタT0の如き対応するトランスミッタ1105に結合される。好ましくは、全ての信号SNxが一組のSSVTRおよび/SSVTRとともにグループ化されうる。しかし、特定の使用周波数については、SSVTRおよび/SSVTRのローディングならびに信号不均衡によって、ともにグループ化することが可能な信号SNxの数が削減されることを当業者なら認識するであろう。図11に示されているように、SSVTR、/SSVTRおよび全ての単一端信号SNxに対するキャパシタンス、抵抗およびインダクタンスを均衡させるようにレイアウトが実施される。また、SSVTRおよび/SSVTRは全ての受信器405に向かうため、SSVTRおよび/SSVTRに対する双ローディングを最小にする必要がある。
【0042】
電力消散が非常に小さく物理的充填が緻密なデバイスを使用することによって、バスを可能な限り短くすることができ、それにより伝播時間を短くし、データ率を高めることが可能になる。図2Bに示されているように、抵抗端末制御インピーダンス伝送路は、1Ghz(1nsサイクル)の単一レートで動作することが可能である。伝送路の特性は、バス上に取りつけられたDRAMのような集積回路がもたらすローディングに強く影響される。これらの集積回路は伝送路に集中キャパシタンスを加え、伝送路のインピーダンスを低下させるとともに伝送速度を減じる。負荷環境では、バス・インピーダンスは25オームのオーダになる可能性が高く、伝播速度は7.5cm/nsになる。2つのデバイスから同時にバスを駆動させないよう注意すべきである。そこで、約12cm未満のバスについては、バスを安定させて1つのドライバから他のドライバに切り換えるために1つのデッド・サイクル(例えば2ns)が必要とされる。より長いバスについては、新しいトランスミッタが信号を駆動させる前に信号を安定させるために複数のサイクルが必要になる。RAMBUSとは異なり、バスの長さが、同一デバイスからのバースト・モードにおける使用周波数を削減する。
【0043】
図12Aは、伝送路1215を介して双方向スレーブ1210に結合された双方向マスタ1205を含む二点間システム1200を示す斜視ブロック図である。伝送路1215は、上部信号SNx線1220、下部信号SNx線1225、ならびにSSVTRおよび/SSVTR信号線1230を含む。図に示されているように、図12Bは、接地ゲートP−チャネル・デバイスを使用して内部に端末抵抗を取り入れた二点間システム1200を示す斜視ブロック図である。これは、外部抵抗を接続するためのスペースの必要性を取り除き、コストを削減する。接地ゲートP−チャネルの代わりに内部抵抗を使用して端末抵抗1235を実施できることが理解されるであろう。両端を適切な特性インピーダンスで区切ることはバス上の双方向信号のために好ましい。チップ内ブロックは物理的に近接しているため、インピーダンス整合抵抗が必要である。小さなプルアップ・デバイスで十分である。同様に、チップ間接続が物理的に近接しているときは、インピーダンス整合抵抗を小さなプルアップ・デバイスに代えて、コストおよび電力を削減するとともに同じスルー・レートを維持することができる。
【0044】
信号が同時に伝送および受信されるSLDRAM、DDR SDRAMまたはDDR SRAMのようなデバイスには、多重バスが必要とされることが理解されるであろう。図13Aは単一集積回路上のSLDRANのための複合型一方向および双方向システム1300を示す斜視ブロック図である。システム1300は伝送路1315を介してスレーブ1310(例えばSLDRAM)に結合されたマスタ1305(例えばメモリ制御装置)を含む。マスタ1305は、アドレスおよび制御線1320および1325を介してアドレスおよび制御信号を伝送し、データ回線1330および1335を介してデータ信号を伝送/受信し、SSVTRおよび/SSVTR信号線1340上でアドレスおよび制御信号を調査するためのSSVTRおよび/SSVTR基準の第1の集合体(すなわちSSVTR0および/SSVTR0)を伝送し、SSVTRおよび/SSVTR基準の第2の集合体(すなわちSSVTR1および/SSVTR1)をスレーブ1310に伝送する。システム1300のアドレスおよび制御部は、スレーブ1310のみが必要とする一方向信号を管理する。システム1300のデータ部は、制御信号がREAD(読込み)操作とWRITE(書込み)操作のどちらを指定したかに基づいて双方的となる。
【0045】
SLDRAMについては、4つの10ビット・ワードのパケットで40ビットのコマンドおよびアドレスを送る。システム差動クロックと呼ぶことができるSSVTR0および/SSVTR0は500Mhzで動作する。フェーズ・ロックされたループ(図示せず)を使用してクロック周波数をロックし、様々な内部目的に向けて時間調節し、両端上のSSVTR1および/SSVTRを1Ghzのデータ率に合わせてデータ出力をドライブする。全ての高周波数信号を、それらの特性インピーダンスを有するバスの両端で終了させる。このメモリ制御装置は通常マスタで、かつ固定されているため、メモリ制御装置の端末は外部抵抗、内部抵抗または接地ゲートP−チャネル・デバイスを含むことができる。(スレーブのように動作する)コンポーネント(SLDRAM)の数は不定であるため、伝送路の末端の外部抵抗によってコンポーネント1310を終了させるのが好ましい。18ビット双方向データ・バス1330および1335は同期用システム・クロックと同じ周波数で動作し、18ビット・ワードのデータを4クロック・サイクル(8ns)または2.25ギガバイト/秒で単一のSLDRAMから送り出す。擬似ゲートおよび回線を加えてSSVTR1および/SSVTR1と同等に見せかけることよってSSVTR0および/SSVTR0に対するロードを均衡させることに注意すべきである。このロード均衡は、ローディングによるスルー・レートをほぼ等しくし、全ての信号に対して同様の余裕を与える。
【0046】
より大きな帯域幅が必要とされるときは、図14Bに示されているように、システム1350は4つのバスを使用することができる。単一のメモリ制御装置1305にSLDRAM1310の2つの個別チャネルを使用する。この構成は、4.5ギガバイト/秒のピーク・データ帯域幅を与える。システム1350はトランスミッタ1305または受信器1310のための同期クロックを必要としないが、システム1350は、同期DRAMおよびSRAMの試験を容易にしたり既存のプロトコルによるその実用性を確保するために、同期クロックを使用して特定の時間および周波数でデータを伝送することができる。低速クロックのオンチップ多重化装置または内部リング・オシレータを使用して、同期用高速クロックを用いることなく高周波数でデータを伝送して雑音およびシステム電力を削減することが望ましい。本発明の教示に基づいて様々なサイズの同期または非同期の高帯域システムを当業者なら達成できることが理解されるであろう。
【0047】
図4の入力および出力回路210をさらに説明する5つのコンセプトを以下に示す。
【0048】
第1のコンセプトは相補基準を有することに関する。図14Aに示されているように、従来技術のシステムは、論理高電圧レベル(VOH)と論理低レベル(VOL)の中間点付近にその値を有する固定された電圧基準「VREF」を使用する。VREF発生器(図示せず)は、生成に使用する電源の変動によりある種のDCオフセットを有しており、この変動は「VREFH」および「VREFL」として示されている。また、それは電源電圧の瞬間変動、グラウンド・バウンス、近隣信号との容量結合および誘導結合によるある種のACノイズを有する。従来技術の受信器に使用されるコンパレータに対する差動スイングが矢印で示されている。従来技術における最悪の場合の差動信号は信号の全電圧スイングの1/3から1/4のオーダであることに留意されたい。
【0049】
図14Bに示されているように、本発明のシステムおよび方法は、あらゆる信号(例えばデータまたは制御信号)と同じ電圧スイングを有する相補基準SSVTRおよび/SSVTRを使用する。好ましい実施形態では、この電圧スイングは500mvで、論理高電圧(VOH)は1.8v、論理低レベル(VOL)は1.3vである。相補基準電圧の平均は、この信号システムの操作時のあらゆる瞬間においてVOHとVOLの中間点付近であることが理解されるであろう。信号および相補基準は同一の変化時間および電圧スイングを有し、同じ発信源(チップ間については同じデバイス、またはチップ内については同じ汎用位置)から同時に起動して受信器に送られる。つまり、相補基準は他のあらゆる信号と全く同じようにみえる。しかし、相補基準は、他の信号を伝送する必要が生じる度に切り換わる。相補基準は電源および接地を同時に使用するため、雑音は全て共通モードである。したがって、従来技術では必要とされる信号のVREF変動(VREFHおよびVREFL)は、本発明のシステムおよび方法では不必要である。デジタル信号の2進性により、1つの相補基準は、基準の変化の出発点及び基準の変化の終点における信号と常に反対の極性を有する。したがって、存在する一つの基準はある時点で約500mvの全信号スイングを有することにより、コンパレータが、全信号スイングがわずか1/3から1/4である従来技術のシステムよりもはるかに容易に信号電圧を感知することができる。信号及び基準の変化時間が先行技術に必要とされる変化時間の半分であっても、信号変化を通じて同じ差動信号を達成することができる。最適な性能を得るためには、電源を数百ミリボルト下回る電圧と地面を数百ミリボルト上回る電圧の間でそれらの差が500ミリボルトになる電圧にVOHおよびVOLをセットする必要があることを当業者なら認識するであろう。特にチップ内通信においてデバイスの不整合が削減され、信号がほとんどまたは全く反射性をもたなければ、その差をさらに200mvから300mvにまで縮小することが可能である。
【0050】
第2のコンセプトは、各着信信号に対して二重のコンパレータを有することに関する。再び図4を参照すると、信号を両方の相補基準と比較するため、各受信器210は2つのコンパレータを有する。一方は信号SNxをSSVTRと比較し、他方は信号SNxを/SSVTRと比較する。バースト変化の開始点において、その入力に全差動信号を伴うコンパレータが受信器210の出力に結合され、差動信号を有さない他のコンパレータは受信器210の出力からの結合を断たれる。これは初期設定によってなされる。信号SNxおよび結合された基準が変化する場合は、コンパレータは差動増幅器として迅速に信号を感知し、その信号を迅速に増幅して出力を反対の状態にドライブする。信号SNxが変化しない場合は(すなわち基準だけが変化する場合は)、基準の変化が開始するときに結合されたコンパレータの差動入力は、究極的に差動入力が提供されなくなるまで変化時間を通じて徐々に減少することになる。基準の変化が開始するときに結合を断たれたコンパレータに対する差動入力は、究極的に全差動信号が提供されるまで変化時間を通じて徐々に増加することになる。変化の終点において差動信号を伴わない、最初に結合されたコンパレータは結合を断たれ、変化の終点において全差動信号を伴う、最初に結合を断たれたコンパレータが結合される。本発明は1つの信号を感知するのに2つのコンパレータを使用する。さらに、デジタル信号の2進性は、可能なあらゆる有効変化の開始点においてコンパレータの1つに対して全信号スイングを保証する。
【0051】
第3のコンセプトは初期設定に関する。一時にただ一つのコンパレータが受信器出力に結合されるため、正しく動作するためには、バーストの開始点において全差動入力信号を伴うコンパレータが受信器210の出力に結合されていることが重要である。したがって、S0xからSNxまでの全ての信号が論理的高レベルVOHに初期設定される。全てのドライバをオフにし、SSVTRをVOLに初期設定し、/SSVTRをVOHに初期設定し、かつ信号を端末抵抗またはゲートがオンになったp−チャネル・プルアップおよびVTT(VTTは1.8v)に接続された発信源に接続することによって、電力消費量を削減する。図16のp−チャネル・デバイス1615を使用してS0からSNに対する受信器210の出力を事前充電してVCCまで高め、(以下に説明する)ステアリング論理を確保して、全差動信号を伴うコンパレータを受信器210の出力に結合する。
【0052】
第4のコンセプトは、信号変化差別に関する。当業者に知られているように、差動増幅器の特性は小さな電圧差を大きな電圧差に増幅することである。電圧利得は、デバイス・サイズおよびトランジスタのマッチングに基づいて典型的に3から5倍になる。差動増幅器の後に配置されたインバータはデバイス・サイズに基づいて追加的な利得を提供してほぼ全スイングを達成する。差動増幅器およびインバータが全スイングを達成する速度は、その入力に利用可能な作動信号に依存する。図15Aに示されているように、差動増幅器(およびインバータ)1501はSNxとSSVTR1500の両方における変化を非常に迅速に増幅することができる。しかし、SNxが変化しないときは、差動増幅器に対する信号は単なる雑音まで低下し、速度がはるかに遅くなる(不整合および雑音に基づく)。変化する信号SN’(差動増幅器およびインバータ)は点線1503で示されている。XORゲートがギャップをスライスする位置を決めるライン1505の左側の領域1502には「変化」と表示されている。ライン1505の右側の領域には「無変化」と表示されている。上述のように、信号が変化しないときは、増幅器1501は単なる雑音まで低下し、それは不確定領域1506として示される。増幅器が不確定領域1506に達する前の時間は一時的ギャップ領域1504として示される。本発明は、以下に説明するステアリング論理が変化する信号を受信器出力に送り、不確定信号が送られるのを防ぐことができるようにすることによってそのタイム・ギャップを利用する。適切なデバイス・サイズおよび変化時間を選択することによって、「信号変化」が送られ、「非信号変化」およびその結果生じる不確定電圧信号が送られないようにステアリング論理を処理するのに十分なタイム・ギャップをとることができる。ある種の電圧レベルは、それがそれに続くXORゲートの論理的しきい値よりも小さく、他のコンパレータが電圧レベルを迅速に回復できる限り通過しうることが理解されるであろう。タイム・ギャップは信号スイング、基準信号変化時間、工程不整合および信号反射などに左右されることがさらに理解されるであろう。
【0053】
第5のコンセプトはステアリング論理に関する。図15Bを参照すると、ステアリング論理回路1550は適切なコンパレータ1555を受信器出力1560に結合し、SSVTR、/SSVTRおよび受信器1553の現在の出力を使用して差動増幅器が生成するタイミングに基づいている。ステアリング論理1550はSSVTR、/SSVTRおよび受信器1553の現在の出力信号を使用する。図4を参照すると、入力信号S0xからSNxをVOHに、基準/SSVTRをVOHに、基準SSVTRをVOLに、かつ受信器出力S0からSNをVCCに初期設定することによって、バーストの開始前に適切なコンパレータ410が受信器出力420に結合される。変化する信号については、ステアリング論理XOR1567が増幅された適切な基準および信号受信器出力を選択するため、ステアリング論理1550は変化しない。増幅されたSSVTR基準およびSNxの変化と増幅されたSSVTR基準およびSNxのXOR1565に対する経路の両方が同一であるため、XOR1565は切り換わらない。あるいは、着信信号が変化しない場合は、結合された前のコンパレータ1555が結合を断たれ、結合されていなかった他のコンパレータ1555が結合される。結合されたコンパレータ1555によってアクティブにドライブされ必要な場合は出力レベルを回復する。ステアリング論理1550は、上述したよう信号変化1502と非信号変化1506の間のタイム・ギャップ1504を通じて起こるように設計されている。
【0054】
ステアリング論理は、スライシング・タイムをより速く正確に調節するために、かつ余裕を改善したり、またはスキューおよび不整合を調節するためにコンパレータごとに局部的に個々の排他ORを使用して実行される。SSVTRおよび/SSVTRタイミングならびに1つのバス・チャネルの全ての受信器に対する1つの制御信号を使用して全てのコンパレータをそれらの受信器出力から断って、タイム・ギャップの間のスライシング・タイムで起こるようにして受信器内のデバイスの数を削減することも可能である。次の変化が開始する前に適切なコンパレータが受信器出力に接続されなければならないため、これは動作帯域幅を減じることになる。
【0055】
これら全ての要素を組み合わせると、全信号システムは、VOHで始動するS0xからSNxの全ての信号および/SSVTR、VCCまで予備充電された全ての信号受信器出力、ならびにVOLで始動するSSVTRとともに動作する。相補基準信号の変化によって信号バーストが開始される前に、差動信号(SNx&SSVTR)を伴う全てのコンパレータを受信器出力に結合する。変化する信号については、ステアリング論理は、信号が出力を反対の電圧レールにドライブすることができる。変化しない信号については、ステアリング論理は現行のコンパレータから信号を断って他のコンパレータに結合して、受信器出力を保持したり、かつ/または回復させる。ステアリング論理遅延が帯域幅または時間間隔を制限して次の変化を可能にするまで、次の変化をパイプライン化してステアリング論理への変化の重複を続行する。
【0056】
図16に示されているように、単一端信号受信器は、不使用時に受信器への電力を断つために、パワー・ダウンまたは受信器イネーブル信号によって差動増幅器をゲート制御する。図7Aと相対的に、インバータが、パワー・ダウンまたは受信器イネーブル信号に結合されたNANDゲート1610に置き換えられている。さらに、プルアップ・トランジスタ1615がそのドレインにおいてノード708に結合され、その発信源においてVCCに結合され、そのゲートにおいてパワー・ダウンまたは受信器イネーブル信号に結合され、SNがVCCまで事前充電されている。差動増幅器の後のNANDゲート1615も、SNに対する適切な極性を達成してバースト・サイクルを開始する。望ましい初期条件は、信号線上の端末抵抗またはプルアップ・デバイスによってSNxを高に引き上げてSNXを高にプレセットし、SSVTRを低に、かつ/SSVTRを高にプレセットすることである。残りの受信器動作については既に説明した。伝送ゲート出力の共通ノード上のP−チャネル・デバイスは、パワー・アップ時に必要な場合、または排他的OR出力が安定レベルに達していないときに、ノード708を迅速に事前充填して高にする。
【0057】
電力消散が非常に小さく物理的充填が緻密なデバイスを使用することによって、バスを可能な限り短くすることができ、それにより伝播時間を短くし、データ率を高めることが可能になる。図12に示されている端末制御インピーダンス伝送路は、1GHz(1ns)またはそれ以上の信号レートで動作することが可能である。その伝送路の特性は、バス上に取りつけられたRAMのような集積回路によってもたらされるローディングに強く影響される。これらの集積回路は伝送路に集中キャパシタンスを加え、伝送路のインピーダンスを低下させて伝送速度を減じる。負荷環境では、バス・インピーダンスは25オームのオーダになる可能性が高く、伝播速度は7.5cm/nsになる。図17に示されているように、読込みから書込みへ、または書込みから読込みへの高速バス転換を必要とする応用分野では、信号レートの約25から30%(サイクル時間の半分)になるような信号変化時間を選択する。信号レートの次の25から30%において増幅が開始される。信号レートのおよそ次の25から30%においてドライバをオフにして信号を沈静化させる。信号またはデータ方向が逆になる次のサイクルは、デバイスが互いに接近しておりバスの沈静化時間が信号レートの半分未満であるバス効率を損じることなく実行できることが理解されるであろう。
【0058】
図18は二点間の斜視図である。P−チャネル・デバイスを使用して内部に端末抵抗を導入することによって、図13Bに示されているような高性能二点間システムを構築することが可能である。内部に端末抵抗を導入することによって、外部抵抗を接続するためのスペースの必要性が取り除かれ、コストが削減される。また、トランスミッタ側のP−チャネル・デバイスのゲートを切り換えて、信号線を放電して所望の電圧にするのに必要とされる電流を減じることも可能である。CPUおよびメモリ制御装置は、そのゲートがグラウンド・ポテンシャルにあるときにラインの特性インピーダンスに等しくなるようにサイズを選択することができるP−チャネル端末デバイスを有する。P−チャネル・デバイスのゲートは、受信器イネーブルの補数である信号を使用して受信器末端および伝送末端を不能にする。この切り換えは、受信器が高にプレセットされている間、および信号線上でバーストが開始される前に実行することができる。接地P−チャネル・デバイスの代わりに内部抵抗を使用することもできる。次のセクションに記載する多重バスを使用することによって、CPUからメモリ制御装置までのバス幅を64(72)から32(36)に縮めたり、または帯域幅を著しく増加させることが可能である。CPUの背面キャッシュ接続をも高速化し、CPU上のピンの数を減らし、かつPBSRAMをX36からX18に変えることによってダイ・サイズを縮小してコストを削減することが可能である。
【0059】
図19は、信号が同時に受信されるSLDRAM、DDR SDRAMまたはDDR SRAMのようなデバイスのための多重バスを有するシステム1900を示す図である。システム・クロック・バス1920は、メモリ制御装置1905の反対側の末端におけるクロック・ソース1915から始まり、そのデータ出力がバス1920に接続される全てのデバイス1910に接続され、メモリ制御装置905において終了する。クロック信号に対するローディングをデータ出力ならびにSSVTRおよび/SSVTR基準に対するローディングにマッチさせる。クロックは、クロック周波数およびシステム要件に応じて(好ましくは)差動型、または単一端型でありうることが理解されるであろう。同類の受信器を有するために、クロック電圧スイングがSSVTRおよび/SSVTRと類似していてもよい。同じ遅延を有するために、クロック・バス1920のトレース長をSSVTR1および/SSVTR1のトレース長にマッチさせる。クロック・ソース1915は、どのDDRDRAMがデータをドライブするかに関わらずそのデータ、SSVTR1および/SSVTR1がほぼ同時に制御装置1905に到着するように、SSVTR1、/SSVTR1およびDDRDRAMからのデータをバス上のそれらの位置に応じて異なる時間に導入する。各DDRDRAMは、制御装置1905における同期に必要とされる場合に、DLL(遅延クロック・ループ)を使用してクロック1915をデータ遅延に縮小する。データ伝送が予測可能なクロック化システムにおける追加的なピンを縮小するために、DLLを使用して/SSVTR1を生成することができ、受信器末端において、極性は反対であるが同一のタイミングおよび電圧特性を有することができる。DLLは全てのコンポーネント(制御装置1905およびDDRDRAM1910を含む)の中にクロックを復元することになる。制御装置は、データおよびSSVTR1基準の到着が予測されるサイクルを認識することになる。アドレスおよびコマンド信号によって書込みサイクルが開始された後に、DDRDRAMは入力データが到着するサイクルを把握することになる。DLLは、特定のコンポーネントが信号を必要とするときにのみ/SSVTR1をゲート制御する。SSVTR0および/SSVTR0NIよってアドレスおよび制御線をグループ化することができる。アドレスおよび制御バスは、メモリ制御装置1905からDDRDRAM1910へと入力信号を一方向的に伝送する。2ビットのコマンドおよび8ビットのアドレスとして、10ビットのコマンドおよびアドレスが送られる。2ビットコマンドは、SSVTR0および/SSVTR0の2つのエッジ上の一方の信号に/CEおよび/RASを使用し、/CASおよび/WEに対して他方の信号を使用することによって実行される。読込みサイクルについては、2つのエッジ上の8ビットアドレスは、/CEおよび/RASによって生じる16ビットまでの行アドレスを与え、または/CEおよび/CASによって生じる16ビットまでの列およびブロック・アドレスを与える。書込みサイクルは、/CE、/CASおよび/WEを伴う列およびブロック・アドレスによって実行される。SSVTR0および/SSVTR0はシステム・クロック(差動型)から誘導され、システム・クロックの同一または複数の周波数で動作することができる。先に説明したように、DLLを使用して、様々な内部目的に向けてメモリ制御装置1905における周波数をロックし、読込み要求時にコマンドおよびアドレス信号をドライブし、かつ書込み要求のためのデータ・イン、SSVTR1および/SSVTR1をドライブする。
【0060】
データ・イン(SSVTR1および/SSVTR1)とアドレスおよび制御(SSVTR0および/SSVTR0)に異なる基準を使用することが、本発明をRAMBUS信号から区別する。RAMBUSでは、RDRAMに入る全ての信号が単一のクロックによって感知されるのに対して、本発明では制御信号およびアドレス信号はデータ信号と異なるチャネル上に存在する。これは、制御およびアドレス・チャネルをデータ・チャネルと異なる周波数で実行することを可能にする。全ての一方向高周波信号(アドレスおよび制御信号)は、制御装置1905から離れたバスの末端でそれらの特性インピーダンスとともに終了する。制御装置1905は通常マスタであり、通常固定されているため、全ての双方向信号(データ信号)は、外部または内部抵抗を有する、あるいは内部接地ゲートP−チャネルを有する制御装置末端で終了する。電力を削減するために、データ書込みサイクル中は終端P−チャネル・デバイスのスイッチを切ることができることが理解されるであろう。制御装置側の端末は任意であり、特性インピーダンスの約10倍の高抵抗であってもよい。メモリ・コンポーネント、すなわちスレーブの数は不定であるため、メモリ・コンポーネントは伝送路の末端の外部抵抗によって終了させるのが好ましい。18ビットの双方向データ・バスは、同期のためのシステム・クロックと同じ周波数で動作するのが好ましく、2クロック・サイクル(4ns)に4つの18ビットワード、または2.25ギガバイト/秒で単一のDDRDRAMからデータを送出するのが好ましい。擬似ゲートおよび回線を加えてSSVTR1および/SSVTR1と同等に見せかけることよってSSVTR0および/SSVTR0に対するロードを均衡させることに注意すべきである。このロード均衡は、スルー・レートをほぼ等くし、全ての信号に対して同様の余裕を与える。より大きな帯域幅が必要とされるときは、図20に示されているように3つのバスを使用することができる。DDRDRAM’の2つの個別チャネルが単一のメモリ制御装置に使用される。この構成は4.5ギガバイト/秒のピーク・データ帯域幅を与える。アドレスおよびコマンド信号はSSVTR0および/SSVTR0に対する2つのチャネル間で共有されうる。クロックおよびデータを分割して、SSVTR1、/SSVTR1、SSVTR2および/SSVTR2を使用する36ビット・データ・バスを備える。これは、二重チャネルRDRAMの従来技術に比べてピンを節約するものである。
【0061】
本発明はトランスミッタまたは受信器に同期クロックを必要としないが、同期DRAMおよびSRAMの試験を容易にしたり既存のプロトコルによるその実用性を確保するために、同期クロックを使用して特定の時間および周波数でデータを伝送することができる。低速クロックのオンチップ多重化装置または内部リング・オシレータを使用して、同期用高速クロックを用いることなく高周波数でデータを伝送して雑音およびシステム電力を削減することが望ましい。当業者は、本明細書に記載の教示に従って、様々なサイズの同期または非同期の高帯域システムを構築することができる。
【0062】
本発明の好ましい実施形態についての前述の説明は例示のみによるものであり、前述の教示に照らし合わせて、上記実施形態および方法の他の変更および修正が可能である。例えば、そのシステムおよび方法を、SSVTRおよび/SSVTRをマスタ205から受信器405に伝送することとして説明したが、受信器405側で1つの基準を送出し、補数を生成できることを当業者なら認識するであろう。同類のスイッチ素子およびゲートを備えた、双極性またはガリウム砒素の如き他の技術を用いたテクニックを代替的に使用することが可能である。プログラムによる汎用デジタルコンピュータ、アプリケーションに特有の集積回路、または相互接続された従来のコンポーネントおよび回路のネットワークを使用して、本発明のコンポーネントを実施することができる。本明細書に記載の実施形態は、網羅的または限定的なものではない。本発明は請求項によってのみ制限されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1A】従来技術のRAMBUSベースの受信器を示すブロック図である。
【図1B】図1Aの従来技術の受信器の信号レベルを示すタイミング図である。
【図1C】他の従来技術のRAMBUSベースの受信器を示す概略図である。
【図1D】図1Cの従来技術の動作を示すタイミング図である。
【図2A】本発明によるマスタおよびスレーブ・デバイスを有するシステムを示す斜視ブロック図である。
【図2B】末端にインピーダンス整合抵抗を備えた伝送路を有する図2Aのシステムを示すブロック図である。
【図3A】信号感知時間と相関的な差動基準信号SSVTRおよび/SSVTRを示すタイミング図である。
【図3B】単一端信号と相関的なSSVTRおよび/SSVTRを示すタイミング図である。
【図4】単一端信号受信器を示す高レベル概略図である。
【図5】信号をトランスミッタから伝送路を介して受信器に伝送する方法を示すフローチャートである。
【図6A】全ての信号に対する低速ターンオンおよび低速ターンオフ・ドライバを示す概略図である。
【図6B】調節可能な信号スルー・レートおよび信号間スキューを有するドライバを示す概略図である。
【図7A】第1の実施形態における図4の単一端信号受信器を示す概略図である。
【図7B】第2の実施形態における図4の単一端信号受信器を示す概略図である。
【図7C】第3の実施形態における図4の単一端信号受信器を示す概略図である。
【図8A】図4のSSVTRから/SSVTRコンパレータの回路の詳細を示す概略図である。
【図8B】図4のSSVTRから/SSVTRコンパレータの回路の詳細を示す概略図である。
【図9】伝送時のスキューを除去するために個々に調節可能な遅延を有する受信器を示す概略図である。
【図10】信号波形およびそれらの間のスキューを示す図である。
【図11】図2のシステムのハードワイヤ・レイアウトを示す斜視図である。
【図12A】本発明による二点間システムを示すブロック図である。
【図12B】集積回路の内部にインピーダンス整合接地ゲートP−チャネル・デバイスを有する図12Aの2点間接続を示すブロック図である。
【図13A】単一集積回路上の一方向信号システムおよび双方向信号システムを示すブロック図である。
【図13B】単一集積回路上の4つの信号システムを示す斜視ブロック図である。
【図14A】その値が論理高電圧レベルと論理低電圧レベルの中間点付近である固定電圧基準を示す図である。
【図14B】あらゆる信号と同じ電圧スイングを有する相補基準を示す図である。
【図15A】データ信号と基準の間の差を増幅する差動増幅器を示す図である。
【図15B】ステアリング論理を示すブロック図である。
【図16】不使用時に受信器への電力を断つパワー・ダウンおよび受信器イネーブル信号によってゲート制御される増幅器を有する単一端信号受信器を示す回路図である。
【図17】読込みから書込みへ、または書込みから読込みへの高速バス転換を必要とする応用分野における信号変化時間を示すタイミング図である。
【図18】二点間システムを示すブロック図である。
【図19】信号が同時に受信される多重バスを有するシステムを示す図である。
【図20】より大きな帯域幅を達成するために3つのバスを有するシステムを示すブロック図である。
【図21】2つのセグメントを有するクロック線を使用する先行技術のDRSRAM用システムを示す図である。

Claims (6)

  1. 前の論理状態から着信信号の変化を検出するシステムであって、
    それぞれ発振基準と着信信号を受信する第1および第2の入力ターミナルと、
    論理的に前の論理状態に等しい出力信号を提供する出力ターミナルと、
    基準と着信信号を比較して第1の結果を生成するために第1および第2の入力ターミナルに結合された第1のコンパレータと、
    前の論理状態に基づいて第1の結果を出力ターミナルに結合するために第1のコンパレータに結合された第1の制御装置とを含むシステム。
  2. 前の論理状態から着信信号の変化を検出するシステムであって、
    論理的に前の論理状態に等しい出力信号を提供する出力ターミナルと、
    着信信号と発振基準の差を増幅して第1の結果を生成する第1の増幅器と、
    着信信号と発振基準の補数の差を増幅して第2の結果を生成する第2の増幅器と、
    第1の基準に基づいて第1の結果を出力ターミナルに結合するために第1の増幅器に結合された第1のスイッチと、
    第2の基準に基づいて第2の結果を出力ターミナルに結合するために第2の増幅器に結合された第2のスイッチと、
    発振基準と出力信号の比較に基づいて第1の基準を制御する第1の制御装置と、
    補数と出力信号の比較に基づいて第2の基準を制御する第2の制御装置とを含むシステム。
  3. 既知の前の論理状態から着信信号の変化を検出する信号受信システムであって、
    (a)論理的に前の論理状態と等しい出力信号を提供する出力ターミナルと、
    (b)(i)着信信号に対して発振基準を比較して第1の結果を生成する第1のコンパレータと、
    (ii)第1の結果を出力ターミナルに結合するために第1のコンパレータに結合された第1のスイッチと、
    (iii)出力信号に対して発振基準を比較して第1のスイッチを制御する制御信号を生成するために第1のスイッチに結合された第1の制御装置とを含む第1の受信器と、
    (c)(i)着信信号に対して発振基準補数を比較して第2の結果を生成する第2のコンパレータと、
    (ii)第2の結果を出力ターミナルに結合するために第2のコンパレータに結合された第2のスイッチと、
    (iii)出力信号に対して発振基準補数を比較して第2のスイッチを制御する制御信号を生成するために第2のスイッチに結合された第2の制御装置とを含む、第1の受信器と並列した第2の受信器とを含む信号受信システム。
  4. 着信信号と前の論理状態とを比較する方法であって、
    発振基準と発信基準の補数を取得するステップと、
    着信信号を受信するステップと、
    第1のコンパレータにより着信信号に対して発振基準を比較して第1の結果を生成するステップと、
    第2のコンパレータにより着信信号に対して補数を比較して第2の結果を生成するステップと、
    前の論理状態に基づいて制御信号を使用して、第1の結果と第2の結果のいずれを出力信号として受け渡すかを制御するステップとを含む方法。
  5. 小スイング単一端信号を伝送および受信する方法であって、
    小スイング単一端信号を発信源から受信器に伝送すること、
    単一端信号が変化するときに単一端信号と実質的に同じスルー・レートを有する第1発振基準を発信源から受信器に伝送すること、
    発信源から受信器に第1発信基準に相補的な第2発信基準を伝送すること、
    単一端信号および第1と第2の発振基準を受信器で受信すること、
    単一端信号と発振基準の一つを比較することによって出力を生成すること、
    単一端信号が変化するときに、出力を受信器出力ターミナルに結合すること、および
    単一端信号が変化しないときは受信器出力ターミナルから出力の結合を断つことを含む方法。
  6. 小スイング単一端信号を伝送および受信する方法であって、
    発信源から第1のコンパレータ、第2のコンパレータ及び出力ターミナルを含む受信器に小スイング単一端信号を伝送するステップと、
    単一端信号が変化するときに、単一端信号と実質的に同じスルー・レートを有する一組の相補発振基準を発信源から受信器に伝送するステップと、
    単一端信号と発振基準を受信器で受信するステップと、
    出力ターミナル上の現行の論理値および発振基準に基づく値に基づいてコンパレータの1つを出力ターミナルに結合するステップと、
    他のコンパレータの結合を断つステップとを含む方法。
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