JP3960309B2 - フルオロポリマーの製造方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、フルオロポリマーの製造方法に関し、詳細には、超臨界発現状態においてモノマー臨界密度以上のモノマー密度を有するフッ素含有エチレン性モノマーを重合媒体としてラジカル重合するフルオロポリマーの製造方法に関する。
背景技術
フルオロポリマーは、卓越した耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性等を示すことから、過酷な条件下で使用されるシール材等の原料として、自動車工業、半導体工業、化学工業等の幅広い産業分野において使用されている。
フルオロポリマーの製造は、従来、主として、フルオロオレフィンモノマーを水性媒体中で水溶性ラジカル開始剤を用いて乳化重合するか、又は、油溶性ラジカル開始剤を用いて懸濁重合することにより行われてきた。これらの重合において、反応場は、実質的に生成ポリマー粒子内部であったり、重合反応に影響を与えにくい不活性溶剤中である。
水性媒体を用いる従来の乳化重合は、水溶性開始剤を使用するのが一般的である。水溶性開始剤により、生成するポリマー末端基はイオン性となり、熱的に不安定であるので、成形加工時に発泡を起こす等の問題を生じていた。従来の乳化重合は、また、反応後に得られる水性分散体を適当な凝析剤を用いて凝集させ脱水乾燥して固体ポリマーを得るものであるが、工程が長く複雑で効率的に生産できないという問題があった。イオン性開始剤の残渣が製品に混入すると、成形体を半導体製造装置用の機器部品として使用する場合、問題となっていた。
懸濁重合の場合、生成ポリマーの析出による反応槽内壁への付着が発生し、ポリマー収率を悪化せしめ、ポリマー生産コストを上昇させるという問題があった。懸濁重合は、また、重合時に使用される懸濁安定剤を除去するために、長時間の洗浄が必要となる問題があった。
近年、二酸化炭素を中心とした超臨界流体を反応場として用いる研究が盛んに行われるようになってきた。超臨界流体は、熱伝導が良く、拡散が早く、粘性が小さいことから、反応媒体として適した性質を有している。超臨界流体は、臨界温度と臨界圧力とを共に越えた領域にある流体であり、一般的には、経済的理由から臨界点を大きく超えない範囲が積極的に用いられる傾向がある。
超臨界流体を反応場とするフルオロオレフィンモノマーの重合として、例えば、特表平7−505429号公報に、超臨界二酸化炭素を反応場としたフルオロアクリレートのラジカル重合反応が開示されている。また、米国特許第5,312,882号明細書には、二酸化炭素に親和性のある部位をもつ界面活性剤の存在下に、超臨界二酸化炭素を連続相としフルオロオレフィンモノマーを分散相とする重合が開示されている。米国特許第5,527,865号明細書には、超臨界二酸化炭素と水とを同時に用いて、フッ素系アニオン界面活性剤の存在下、テトラフルオロエチレンの2相分離系におけるラジカル重合が開示されている。更に、米国特許第5,618,894号明細書には、超臨界二酸化炭素中で、安定なポリマー末端基を生成し得るラジカル重合開始剤を用いて、非水条件下でテトラフルオロエチレンの単独重合反応、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)の共重合反応、ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレンの共重合反応等を行う記載がある。これらはすべて、超臨界流体が二酸化炭素、又は、二酸化炭素を含む混合物に限定されている。特表平10−502691号公報には、大気圧よりも高い圧力に保たれた液体又は超臨界流体であるような二酸化炭素、ヒドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン若しくはこれらの混合物を用いる反応が開示されている。しかし、この反応の反応場には分散助剤が必須成分となっており、得られるポリマーの純度を上げる観点から好ましくないし、また、反応基質であるフルオロオレフィンモノマーを超臨界流体としたものでもない。
フルオロオレフィンモノマー自体を超臨界流体にして反応場とし、フルオロオレフィンモノマーを重合反応させた例としては、米国特許第3,062,793号明細書に記載のあるテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンの共重合反応、国際公開第96/24624号パンフレットに記載のテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンの共重合反応、ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレンの共重合反応等が挙げられる。しかし前者の明細書には、VdFに関する記載はなく、また、反応条件は約200MPa以上となっており、後者の明細書の反応条件は、圧力41〜690MPa、温度200〜400℃という非常に高温高圧の過酷な条件であるので、商業スケールの生産設備費が高くなるという問題があった。
比較的低温低圧での超臨界フルオロオレフィンモノマーの重合として、国際公開第00/47641号パンフレットには、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとの共重合反応が開示されている。しかしながら、このパンフレットでは、臨界密度以上での重合についてはなんら言及されていない。
発明の要約
本発明の目的は、上記現状に鑑み、上述の課題を解決するものであり、商業スケールの生産設備費を抑える比較的低温低圧下において、高い生産性を奏するフルオロポリマーの製造方法を提供することにある。
本発明は、特定の反応場においてラジカル重合性モノマーの重合を行うことよりなるフルオロポリマーの製造方法であって、上記ラジカル重合性モノマーは、フッ素含有エチレン性モノマーからなるものであり、上記特定の反応場は、超臨界発現状態であり、モノマー密度〔ρ〕とモノマー臨界密度〔ρ〕との比〔ρ/ρ〕が1.1以上であることを特徴とするフルオロポリマーの製造方法である。
発明の詳細な開示
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のフルオロポリマーの製造方法は、特定の反応場においてラジカル重合性モノマーの重合を行うものである。
上記特定の反応場は、超臨界発現状態である。
本明細書において、「超臨界発現状態」とは、つぎの▲1▼の状態、▲2▼の状態、又は、▲3▼の状態の何れかである状態を意味する。
▲1▼単成分系である場合は、ラジカル重合性モノマーの臨界圧力P mono及び臨界温度T monoを何れも超えた状態。
本明細書において、上記「単成分系」とは、ラジカル重合性モノマーが1種類存在する反応場を意味する。
▲2▼多成分系が2種以上のラジカル重合性モノマーからなる場合、反応場に存在するラジカル重合性モノマーのうちで最も低い臨界圧力及び最も低い臨界温度を独立して何れも超えた状態。例えば、ビニリデンフルオライド(VdF、臨界圧力(Pc)=4.430MPa、臨界温度(Tc)=30.15℃)とヘキサフルオロプロピレン(HFP、Pc=2.900MPa、Tc=93.95℃)の2種のラジカル重合性モノマーを用いる場合、HFPの臨界圧力である2.900MPaを超え、かつ、VdFの臨界温度である30.15℃を超えた状態(例えば、Pc=3.5MPa、Tc=50℃)。
▲3▼多成分系である場合は、反応場に存在する主要成分の混合物全体として定まる臨界圧力P mlt−mix及び臨界温度T mlt−mixを何れも超えた状態(▲3▼−1)、又は、反応場に存在する主要成分のうち任意の1成分aについて、反応場におけるaの分圧Pmlt−aが、aが単独で存在する場合の臨界圧力P mlt−aを超え、かつ、反応場の温度Tが、上記aが単独で存在する場合の臨界温度T mlt−aを超えた状態(▲3▼−2)。
本明細書において、上記「多成分系」とは、上記ラジカル重合性モノマーが少なくとも1種類存在し、上記少なくとも1種類のラジカル重合性モノマーの他に主要成分に該当するものが少なくとも1種類存在する反応場を意味する。上記多成分系において、上記ラジカル重合性モノマーは、2種類以上存在していてもよい。
上記主要成分は、上記ラジカル重合性モノマー、並びに、後述の所望により用いる非エチレン性フルオロカーボン及び二酸化炭素である。上記主要成分の種類の数え方は、例えば、上記ラジカル重合性モノマーが2種類存在し、非エチレン性フルオロカーボンや二酸化炭素が実質的に存在しない場合、2種類と数える。
本明細書において、上記▲1▼の状態と上記状態(▲3▼−1)は、超臨界状態である。
上記状態(▲3▼−1)は、多成分系が2種以上のラジカル重合性モノマーからなる場合、圧力及び温度が上記▲2▼の状態の圧力及び温度と同じとなることがあり得る点で上記▲2▼の状態と重複する状態を含むことがある。
上記状態(▲3▼−2)は、多成分系が2種以上のラジカル重合性モノマーからなる場合、上記▲2▼の状態の一態様である点で、上記▲2▼の状態に概念上含まれる。
上記ラジカル重合性モノマーの重合は、上記▲1▼の状態、上記▲2▼の状態、及び、上記▲3▼の状態のうち、上記▲1▼の状態又は上記▲3▼の状態において行うことが好ましい。
本明細書において、上記臨界圧力P mono、上記臨界圧力P mlt−m ix、及び、上記臨界圧力P mlt−aを特に区別することなく述べるときは、「超臨界発現圧力」といい、上記臨界温度T mono、上記臨界温度T mlt−mix、及び、上記臨界温度T mlt−aを特に区別することなく述べるときは、「超臨界発現温度」という。
上記超臨界発現圧力を超え、かつ、上記超臨界発現温度を超えている状態は、上記超臨界発現状態であるともいえる。
上記特定の反応場には、上記主要成分以外の物質が存在していてもよい。
上記主要成分以外の物質としては特に限定されず、例えば、後述のラジカル重合開始剤、ラジカル重合開始剤の希釈剤、連鎖移動剤等が挙げられる。上記主要成分以外の物質は、微量成分である。上記微量成分は、微量であるので、反応場の超臨界発現温度又は超臨界発現圧力に与え得る影響は無視できる程度であり、本発明のフルオロポリマーの製造方法においては、超臨界発現温度又は超臨界発現圧力に影響しないものとする。
本発明のフルオロポリマーの製造方法において、多成分系である場合、臨界圧力P mlt−mix及び臨界温度T mlt−mixが、単成分系の臨界圧力P mlt−a及び臨界温度T mlt−aよりも降下又は上昇することがあるが、本発明のフルオロポリマーの製造方法においては、実際の反応場で超臨界発現圧力以上かつ超臨界発現温度以上になっていればよい。
反応場が本発明のフルオロポリマーの製造方法でいう超臨界発現状態であるか否かは、測定したい系の飽和状態及び一相域での圧力、密度及び温度の関係を測定(PVT測定)することにより判定することができる。しかし、実測値の入手が困難な場合、推算値(日本化学会編、「化学便覧基礎編、改訂5版」、6頁、丸善社発行(平成7年3月15日))により代替することもできる。
本発明のフルオロポリマーの製造方法において、ラジカル重合性モノマーの重合は、モノマーガスを導入して特定の反応場で行うものである。
本発明のフルオロポリマーの製造方法において、上記特定の反応場は、上述の超臨界発現状態であり、更に、モノマー密度(以下、ρとする。)とモノマー臨界密度(以下、ρとする。)との比(ρ/ρ;以下、ρ/ρ=ρとする。)が、1.1以上である反応場である。上記ρが1.1未満であると、重合速度が低く、生産性が著しく低下する。ρの好ましい上限は、1.8であり、より好ましい上限は、1.7であり、更に好ましい上限は、1.6である。
上記モノマー密度は、ラジカル重合性モノマーの密度であり、上記ラジカル重合性モノマーは、導入する前、25〜30℃程度の常温で通常、気体である。上記モノマー密度は、上記ラジカル重合性モノマーが2種以上である場合、各種のラジカル重合性モノマー単独の密度を合計したものである。上記モノマー密度は、仕込んだラジカル重合性モノマーを反応容器容積で除して求めるものである。
本発明のフルオロポリマーの製造方法におけるモノマー臨界密度ρとは、超臨界発現温度及び超臨界発現圧力における上記モノマー密度を意味する。上記ρは、下限が0.3g/mlであることが好ましい。
本発明のフルオロポリマーの製造方法において、上記ラジカル重合性モノマーは、フッ素含有エチレン性モノマーからなるものである。
本発明で使用されるラジカル重合性モノマーとしては、
(i)1種のフッ素含有エチレン性モノマー、
(ii)2種以上のフッ素含有エチレン性モノマーの混合物、
(iii)1種のフッ素含有エチレン性モノマーと1種又は2種以上のフッ素非含有エチレン性モノマーとの混合物、
(iv)2種以上のフッ素含有エチレン性モノマーと1種又は2種以上のフッ素非含有エチレン性モノマーとの混合物
を採用することができる。
上記フッ素含有エチレン性モノマーとしては、テトラフルオロエチレン〔TFE〕、クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕、
Figure 0003960309
等のパーフルオロエチレン性モノマー;ビニリデンフルオライド〔VdF〕、トリフルオロエチレン、フッ化ビニル、トリフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブテン等の水素含有フルオロエチレン性モノマー等が挙げられる。PAVEとしてはパーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔PMVE〕、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)〔PEVE〕、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕等が挙げられる。
上記フッ素含有エチレン性モノマーは、なかでも、比較的低温低圧にて容易に超臨界発現状態を達成でき、自己重合性がなく安全に扱える点から、VdFからなるものであることが好ましい。上記フッ素含有エチレン性モノマーは、VdFと、TFE、HFP及びCTFEから選ばれる少なくとも1種とからなることが、得られるフルオロポリマーを押出成形により成形する際の押出し性が改善する点から好ましい。
上記フッ素含有エチレン性モノマーとしては、また、官能基含有フルオロオレフィンを用いることも可能である。官能基含有フルオロオレフィンとしては特に限定されず、例えば、下記式
Figure 0003960309
(式中、Yは、−CHOH、−COOH、−SOF、−SOM(Mは水素原子、NH又はアルカリ金属)、塩を形成しているカルボキシル基、カルボキシエステル基、エポキシ基又はニトリル基を表し、X及びXは同一又は異なり、水素原子若しくはフッ素原子を表し、Rは、炭素数1〜40の含フッ素アルキレン基又は炭素数1〜40のエーテル結合を含有する含フッ素アルキレン基を表す。)で表される化合物等が挙げられ、具体例としては、例えば、
Figure 0003960309
Figure 0003960309
等が挙げられる。
上記フッ素含有エチレン性モノマーとしては、ヨウ素含有モノマー、例えば、特公平5−63482号公報や特開昭62−12734号公報に開示されているパーフルオロ(6,6−ジヒドロ−6−ヨード−3−オキサ−1−ヘキセン)、パーフルオロ(5−ヨード−3−オキサ−1−ペンテン)等のパーフルオロビニルエーテルのヨウ素化物を用いることも可能である。
フッ素非含有エチレン性モノマーとしては特に限定されず、例えば、エチレン〔ET〕、プロピレン、ブテン、ペンテン等の炭素数2〜10のα−オレフィンモノマー;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキル基が炭素数1〜20のアルキルビニルエーテル等が挙げられる。
超臨界発現状態の反応場での重合においては、つぎのラジカル重合性モノマーの組み合わせが特に好適である。
(a)VdF、TFE、CTFE等の1種の単独重合、
(b)VdFとHFPの共重合(50〜99/1〜50モル比)、
(c)VdFとHFPとTFEの共重合(50〜98/1〜40/1〜40モル比)、
(d)HFPとETの共重合(1〜50/50〜99モル比)、
(e)HFPとETとTFEの共重合(1〜50/40〜98/1〜45モル比)、
(f)PAVEとTFEの共重合(1〜50/50〜99モル比)、
(g)TFEとHFPの共重合(50〜99/1〜50モル比)、
(h)TFEとETの共重合(1〜99/1〜99モル比)、
(i)TFEとプロピレンの共重合(1〜99/1〜99モル比)、
(j)VdFとTFEの共重合(1〜99/1〜99モル比)、
(k)VdFとCTFEの共重合(1〜99/1〜99モル比)、
(l)VdFとCTFEとTFEの共重合(50〜98/1〜30/1〜30モル比)、
(m)TFEとVdFとプロピレンの共重合(30〜98/1〜50/1〜50モル比)、
(n)ETとHFPとVdFの共重合(10〜85/10〜45/1〜45モル比)、
(o)ETとHFPとVdFとTFEの共重合(10〜85/10〜45/1〜45/1〜30モル比)
本発明のフルオロポリマーの製造方法において、反応場に非エチレン性フルオロカーボン、及び/又は、二酸化炭素を存在させてもよい。上記非エチレン性フルオロカーボンとしては、ペンタフルオロエタン、テトラフルオロエタン、トリフルオロエタン、トリフルオロメタン、ジフルオロメタン等のヒドロフルオロカーボン類;パーフルオロエタン、パーフルオロシクロブタン等のパーフルオロカーボン類等が挙げられる。上記二酸化炭素又は上記非エチレン性フルオロカーボンは反応場でラジカル重合性モノマーの希釈剤として働き、反応熱の除熱を助けるとともに、反応場におけるラジカル重合開始剤の溶解性及び生成してくるフルオロポリマーの粒子の安定性を高めることができる。
非エチレン性フルオロカーボンは、使用する場合は、上記ラジカル重合性モノマー全量に対して1〜500質量%であることが好ましい。多すぎると反応後に回収すべき非エチレン性フルオロカーボン量が多くなり、好ましくない。より好ましい上限は、300質量%、更に好ましい上限は、200質量%である。
本発明のフルオロポリマーの製造方法においては反応場に水を共存させることもできるが、目的とするフルオロポリマーの精製や未反応物の回収工程を簡素化できる点で、実質的に水を存在させない方が好ましい。
本発明のフルオロポリマーの製造方法においては、また、目的とするフルオロポリマーの分子量を調節するため、更に連鎖移動剤を加えてもよい。
上記連鎖移動剤としては、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類のほか、炭化水素系アルコール類、炭化水素系エステル類、炭化水素系ケトン類、メルカプタン類等が挙げられる。
炭化水素類としては、ペンタン、ブタン、ヘキサン等の炭素数4〜6の炭化水素が挙げられる。ハロゲン化炭化水素類としては、例えば、テトラクロルメタン、クロロホルム、メチレンクロライド等が挙げられる。上記ハロゲン系炭化水素類は、連鎖移動性が実質的にない点で、上述の非エチレン性フルオロカーボンとは区別されるものである。
炭化水素系アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。炭化水素系エステル類としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、アセト酢酸エチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、炭酸ジエチル等が挙げられる。
炭化水素系ケトン類としては、例えば、アセトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。メルカプタン類としては、例えば、ドデシルメルカプタン等が挙げられる。
これらのうち、少量の添加で分子量を大きく下げられる点から、ペンタン、ブタン、イソプロパノール、マロン酸ジエチル、テトラクロルメタン、アセトン及びドデシルメルカプタンが好ましい。
連鎖移動剤の配合量は、目的とするフルオロポリマーの分子量によって適宜決定すればよいが、通常、上記ラジカル重合性モノマー全量に対して0.001〜5質量%とすることが好ましい。より好ましい下限は、0.1質量%、より好ましい上限は、2質量%である。
本発明のフルオロポリマーの製造方法において、上記ラジカル重合性モノマーの重合は、超臨界発現状態の反応場で行うものである。
反応場を超臨界発現状態にする方法としては、例えば、ラジカル重合性モノマー並びに要すれば非エチレン性フルオロカーボン及び/若しくは二酸化炭素を耐圧重合槽に圧入して、超臨界発現温度以上に昇温することにより超臨界発現圧力以上にして超臨界発現状態を形成する方法(回分式)、槽内部を超臨界発現圧力以上及び超臨界発現温度以上に調節した耐圧重合槽にラジカル重合性モノマー並びに要すれば非エチレン性フルオロカーボン及び/若しくは二酸化炭素を連続的に導入して超臨界発現状態を形成する方法(連続式)等がある。回分式、半回分式、連続式のいずれの方法でも重合は可能であるが、回分式での重合が好ましい。
参考までに、代表的なラジカル重合性モノマー及び非エチレン性フルオロカーボンの臨界圧力(Pc)と臨界温度(Tc)を示しておく。
Figure 0003960309
文献名は以下のとおりである。
1:Riddick,J.A.,Bunger,W.B.,Sakano,T.K.,“Organic Solvents:Physical Properties and Methods of Purification,”4th Ed.,Wiley Interscience,New York(1986)
2:Matheson Comany,Inc.,“Matheson Gas Data Book”unabridged ed.,4 vols.,East Rutherford,New Jersey(1974).
3:Weiss,G.,“Hazardous Chemicals Data Book,”Noyes Data Corp.Park Ridge,NJ(1986).
4:Engineering Sciences Data,Item 91006,“Vapor Pressures and Critical Points of Liquids.Halogenated Ethylenes,”ESDU,London April(1991).
5:推算(Lydersen法)
6:Tsonopoulos,C.,Ambrose,D.,“Vapor−Liquid Critical Properties of Elements and Compounds.6.Unsaturated Aliphatic Hydrocarbons”J.Chem.Eng.Data 41,645(1996).
7:Thermodynamics Research Center,“TRC Thermodynamic Tables,Non−Hydrocarbons”The Texas A&M University System,College Station,TX(1996).
8:Gross,U.,Song,Y.W.,“Thermal Conductivities of New Refrigerants R125 and R32 Measured by the Transient Hot−Wire Method”Int.J.Thermophys.17(3),607(1996).
9:Wilson,L.C.,Wilding,W.V.,Wilson,H.L.,Wilson,G.M.,“Critical Point Measurements by a New Flow Method and a Traditional Static Method”J.Chem.Eng.Data 40,765(1995).
10:McLinden,M.O.,Huber,M.L.,Outcalt,S.L.,“Thermophysical Properties of Alternative Refrigerants:Status of the HFCs”ASME Winter Annual Meeting,New Orleans,LA−November 28(1993).
11:Nagel,Bier,K.,Int.J.Refrigeration 19(4),264(1996).
12:Thermodynamics Research Center,“Selected Values of Properties of Chemical Compounds,”Data Project,Texas A&M University,College Station,Texas(1983).
本発明のフルオロポリマーの製造方法における重合条件は超臨界発現状態を形成する条件に依存し限定されないが、エネルギー効率の向上、製造設備費の低減化の観点から、超臨界発現圧力を超え、超臨界発現温度を超える状態のうち、超臨界発現圧力に近く、超臨界発現温度に近い状態を採用することが好ましく、例えば、重合圧力を2〜40MPa、より好ましい下限は、4MPa、より好ましい上限は、10MPaとし、重合温度を使用するモノマーの超臨界発現温度から200℃、好ましくは超臨界発現温度から150℃とする。この重合温度の下限は、モノマーとして例えば、VdFを使用する場合、VdFの臨界温度30.15℃であることが好ましく、反応場を安定的に超臨界発現状態に維持できる点で、より好ましくは31℃である。この下限の温度は、用いるモノマーの液化が起こりにくい点及び運転操作上の点で、超臨界発現温度よりも数℃高い方が好ましい。重合時間は0.1〜50時間程度である。超臨界発現圧力及び超臨界発現温度を大きく超えて高温高圧とすると反応設備費がかかる。
本発明のフルオロポリマーの製造方法において、特定の反応場は、超臨界発現状態であり、更に、圧力が40MPa以下であり、温度が上記特定の反応場の超臨界発現温度より100℃高い温度以下であることがより好ましい。
本発明のフルオロポリマーの製造方法において、上記ラジカル重合性モノマーの重合は、通常、ラジカル重合開始剤の存在下に行うものである。上記ラジカル重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、無機過酸化物等の過酸化物、アゾ化合物等を使用することができる。
有機過酸化物としては特に限定されず、例えば、イソブチルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックアシッドパーオキサイド、ビス(ω−ハイドロドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジエチルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート;1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステル等が挙げられる。
無機過酸化物としては特に限定されず、例えば、過酸化水素、過硫酸塩等が挙げられる。
過硫酸塩としては特に限定されず、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等が挙げられる。
また上記有機過酸化物及び無機過酸化物の場合、還元剤と組み合わせて使用することも可能である。
アゾ化合物としては特に限定されず、例えば、シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、ポリジメチルシロキサンセグメント含有マクロアゾ化合物、2,2′−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩二水和物、2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2′−アゾビスイソブチルアミド二水和物、2,2′−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等が挙げられる。
上記ラジカル重合開始剤としては、なかでも、蒸気圧が低いこと、及び、不安定なフルオロポリマー末端が生成しないことから、有機過酸化物が好ましい。更に、超臨界発現状態にある上記主要成分に溶解しやすい点から、パーオキシジカーボネートが好ましい。
上記ラジカル重合開始剤は、ラジカル重合性モノマー全量の0.001〜10質量%であることが好ましい。ラジカル重合開始剤が0.001質量%より少ないと、重合しないか又は生産性が著しく低下したり、成形不良の原因となる超高分子量のフルオロポリマーが生成する傾向にあり、10質量%を超えると、分子量が著しく著しく低下して目的の分子量まで上がらず、ラジカル重合開始剤にかかるコストが高くなったり、成形物の強度が低くなる傾向にある。より好ましい下限は、0.005質量%であり、より好ましい上限は、2質量%である。
また、本発明において、反応に関与しないかぎり、その他の添加剤を加えてもよい。上記その他の添加剤としては特に限定されず、例えば、ラジカル重合開始剤の希釈剤(ジエチルカーボネート、パーフルオロヘキサン、2,2,3,3−テトラフルオロプロピレンアルコール等)等が挙げられる。
本発明のフルオロポリマーの製造方法によれば、上述のラジカル重合性モノマーを構成単位とするフルオロポリマーを製造することができる。上記フルオロポリマーは樹脂であってもエラストマーであってもよい。
本発明のフルオロポリマーの製造方法により製造することができるフルオロポリマーとしては限定されず、例えば、上記樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕、ポリビニデンフルオライド〔PVdF〕、ポリクロロトリフルオロエチレン〔PCTFE〕、VdF/TFE共重合体、VdF/TFE/CTFE共重合体、TFE/HFP共重合体〔FEP。HFP含有量30モル%以下〕、TFE/PAVE共重合体〔PFA。PAVE含有量20モル%以下〕等が挙げられる。上記エラストマーとしては、VdF/HFP共重合体、VdF/HFP/TFE共重合体、HFP/ET共重合体、HFP/ET/TFE共重合体、HFP/ET/VdF共重合体、HFP/ET/VdF/TFE共重合体、TFE/PAVE共重合体(PAVE含有量21〜50モル%)、TFE/HFP共重合体(HFP含有量31〜50モル%)、TFE/プロピレン共重合体、VdF/CTFE共重合体、TFE/VdF/プロピレン共重合体等が挙げられる。
発明を実施するための最良の形態
つぎに本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
平均重合速度〔R
容積が分かっている重合槽で重合を行い、1時間後に得られたフルオロポリマーの重量を測定する。上記フルオロポリマーの重量を重合槽容積で除したものを平均重合速度〔R〕とした。
実施例1
1083mlの内容積のステンレススチール製オートクレーブを充分窒素置換したのち、真空状態で高圧プランジャーポンプによりビニリデンフルオライド(VdF、モノマー臨界密度ρ=0.417g/ml)を542g仕込み、モノマー密度ρを0.50g/mlとした。反応場の温度(反応温度)を40℃になるようにバンドヒーターで加熱したところ、反応場の圧力は5.72MPaとなった。
ついで有機過酸化物系のラジカル重合開始剤としてジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート50%メタノール希釈溶液(日本油脂社製、パーロイルNPP)6.1gをシリンジポンプにより反応場に窒素により圧入した。電磁式攪拌機にて内部を攪拌し、1時間反応させた。反応場の圧力は5.72MPa、温度は40℃であった。反応場の圧力及び温度の条件は、VdFが単独で存在するときの臨界圧力(4.430MPa)を超え、かつ、VdFが単独で存在するときの臨界温度(30.15℃)を超えていることから、本発明でいう超臨界状態の反応場を形成している。
反応終了後、未反応のラジカル重合性モノマーを大気放出し、得られた固形の生成物を60℃の真空中で15時間乾燥し、白色フルオロポリマーAを29.5g得た。従って、平均重合速度〔Rp〕は、27.2g/(リットル・時間)であった。
上記白色フルオロポリマーAをサイズ排除クロマトグラフ〔SEC〕で分析した結果、ポリスチレン換算値で数平均分子量〔Mn〕=36,080、重量平均分子量〔Mw〕=78,050であった。
実施例2
1083mlの内容積のステンレススチール製オートクレーブを充分窒素置換したのち、真空状態で高圧プランジャーポンプによりVdFを639g仕込み、モノマー密度ρを0.59g/mlとした。反応場の温度(反応温度)を40℃になるようにバンドヒーターで加熱したところ、反応場の圧力は6.62MPaとなった。
ついで有機過酸化物系のラジカル重合開始剤としてジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート50%メタノール希釈溶液6.1gをシリンジポンプにより反応場に窒素により圧入した。電磁式攪拌機にて内部を攪拌し、1時間反応させた。重合反応場の圧力は6.62MPa、温度は40℃であった。反応場の圧力及び温度の条件は、VdFが単独で存在するときの臨界圧力を超え、かつ、VdFが単独で存在するときの臨界温度を超えていることから、本発明でいう超臨界状態の反応場を形成している。
反応終了後、残存モノマーを大気放出し、得られた固形の生成物を60℃の真空中で15時間乾燥し、白色フルオロポリマーBを54.6g得た。従って、R=50.4g/(リットル・時間)であった。
上記白色フルオロポリマーBをSECで分析した結果、ポリスチレン換算値でMn=54,900、Mw=118,500であった。
比較例1
1083mlの内容積のステンレススチール製オートクレーブを充分窒素置換したのち、真空状態で高圧プランジャーポンプによりVdFを314g仕込み、モノマー密度ρを0.29g/mlとした。反応場の温度(反応温度)を40℃になるようにバンドヒーターで加熱したところ、反応場の圧力は5.13MPaとなった。
ついで有機過酸化物系のラジカル重合開始剤としてジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート50%メタノール希釈溶液6.1gをシリンジポンプにより反応場に窒素により圧入した。電磁式攪拌機にて内部を攪拌し、1時間反応させた。反応場の圧力は5.13MPa、温度は40℃であった。反応場の圧力及び温度の条件は、VdFが単独で存在するときの臨界圧力を超え、かつ、VdFが単独で存在するときの臨界温度を超えていることから、本発明でいう超臨界状態の反応場を形成している。
反応終了後、未反応のラジカル重合性モノマーを大気放出し、得られた固形の生成物を60℃の真空中で15時間乾燥させ、白色フルオロポリマーCを8.88g得た。従って、R=8.2g/(リットル・時間)であった。
上記白色フルオロポリマーCをSECで分析した結果、ポリスチレン換算値でMn=8,560、Mw=14,700であった。
比較例2
1083mlの内容積のステンレススチール製オートクレーブを充分窒素置換したのち、真空状態で高圧プランジャーポンプによりVdFを433g仕込み、モノマー密度ρを0.40g/mlとした。反応場の温度(反応温度)を40℃になるようにバンドヒーターで加熱したところ、反応場の圧力は5.35MPaとなった。
ついで有機過酸化物系のラジカル重合開始剤としてジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート50%メタノール希釈溶液(日本油脂社製、パーロイルNPP)6.1gを系内に窒素により圧入した。電磁式攪拌機にて内部を攪拌し、1時間反応させた。重合反応場の圧力は5.35MPa、温度は40℃であった。反応場の圧力及び温度の条件は、VdFが単独で存在するときの臨界圧力を超え、かつ、VdFが単独で存在するときの臨界温度を超えていることから、本発明でいう超臨界状態の反応場を形成している。
反応終了後、未反応のラジカル重合性モノマーを大気放出し、得られた固形の生成物を60℃の真空中で15時間乾燥させ、白色フルオロポリマーDを10.18g得た。従って、R=9.4g/(リットル・時間)であった。
上記白色フルオロポリマーDをSECで分析した結果、ポリスチレン換算値でMn=11,600、Mw=19,700であった。
産業上の利用可能性
本発明のフルオロポリマーの製造方法は、上述の構成よりなるので、商業スケールの生産設備費を抑える比較的低温低圧下において、極めて早い重合速度にてフルオロポリマーを重合することができ、飛躍的に生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、モノマー密度とモノマー臨界密度との比〔ρ〕と平均重合速度〔R〕との関係を示すグラフである。

Claims (7)

  1. 特定の反応場においてラジカル重合性モノマーの重合を行うことよりなるフルオロポリマーの製造方法であって、
    前記ラジカル重合性モノマーは、フッ素含有エチレン性モノマーからなるものであり、前記特定の反応場は、超臨界発現状態であり、モノマー密度〔ρm〕とモノマー臨界密度〔ρ0〕との比〔ρm/ρ0〕が1.1以上であり、圧力が40MPa以下であるものである
    ことを特徴とするフルオロポリマー製造方法。
  2. 特定の反応場は、更に、温度が前記特定の反応場の超臨界発現温度より100℃高い温度以下である請求の範囲第1項記載のフルオロポリマーの製造方法。
  3. フッ素含有エチレン性モノマーは、ビニリデンフルオライドからなるものである請求の範囲第1又は2項記載のフルオロポリマーの製造方法。
  4. フッ素含有エチレン性モノマーは、更に、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン及びヘキサフルオロプロピレンからなる群より選ばれる少なくとも1つからなるものである請求の範囲第3項記載のフルオロポリマーの製造方法。
  5. ラジカル重合性モノマーの重合は、ラジカル重合開始剤の存在下に行うものである請求の範囲第1、2、3又は4項記載のフルオロポリマーの製造方法。
  6. ラジカル重合開始剤は、有機過酸化物である請求の範囲第5項記載のフルオロポリマーの製造方法。
  7. 有機過酸化物は、パーオキシジカーボネートである請求の範囲第6項記載のフルオロポリマーの製造方法。
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