JP3960105B2 - エアバッグ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両に加わる衝撃等から乗員等を保護するために設けられるエアバッグ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のエアバッグ装置としては、例えば特開2001−206176号公報の図6〜図8に開示されるような構成のものが知られている。この従来構成においては、ドア内側に第1インフレータと第1エアバッグと当接板とよりなる第1エアバッグモジュールが配置されている。そして、プリクラッシュセンサの検出に基づいて車両の衝突が予測されたとき、第1インフレータが作動されて第1エアバッグが車室内側に展開膨張される。この展開膨張により、当接板が車室内側に移動されて、乗員が車室内側に押し付けられるようになっている。
【0003】
また、前記第1エアバッグ上には、第2インフレータと第2エアバッグとよりなる第2エアバッグモジュールが支持されている。そして、第1エアバッグの展開膨張時に、この第2エアバッグモジュールが車室内側に突出移動される。その後、衝突センサにより車両の衝突が検出されたとき、第2インフレータが作動されて第2エアバッグが乗員とドアとの間に展開膨張され、衝突時の衝撃による乗員への影響が緩和されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来のエアバッグ装置においては、第1エアバッグの展開膨張により、第2エアバッグが未展開膨張状態で車室内側に突出移動されるものの、その後の第2エアバッグの展開膨張位置及び展開膨張形状については考慮されていない。従って、乗員を直接保護する第2エアバッグが保護には適さない位置で膨張したり、あるいは乗員と対応する位置で膨張しても、乗員と当たることによりその位置から逃げたりして、衝撃を効果的に吸収することができず、乗員保護を有効に行い得ないおそれがあった。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、エアバッグを所定位置にて所定の形状に展開膨張させることができて、乗員等の保護を有効に行い得るエアバッグ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段及びその作用効果を以下に記載する。
請求項1に記載の発明は、エアバッグが膨張手段により膨張されるエアバッグ装置において、エアバッグの膨張に先立って、エアバッグが所定の膨張域に延在するように展開させる展開手段を備え、プリクラッシュセンサの検出に基づいてこの展開手段を動作させ、衝突センサの検出に基づいて前記膨張手段を動作させることを特徴とするものである。
【0007】
従って、この請求項1に記載の発明によれば、エアバッグが展開手段により所定の膨張域に延在するように展開された後、膨張手段により展開状態から膨張される。よって、エアバッグを乗員等の保護に適した所定位置にて所定の形状に正確に展開膨張させることができて、車両衝突時の衝撃を効果的に吸収して、乗員保護を有効に行うことができる。
また、プリクラッシュセンサの検出による衝突の予測に基づいて、エアバッグが予め展開される。そして、その後の衝突センサによる衝突の検出に基づいて、展開状態のエアバッグを膨張させることができる。よって、衝突時には、エアバッグを適正なタイミングで確実に膨張させることができ、乗員保護を有効に行うことができる。
請求項2に記載の発明は、エアバッグの展開及び膨張を通じて乗員を保護するエアバッグ装置において、ガスの供給を受けて前記エアバッグの展開動作を促す展開用区画室と、ガスの供給を受けて前記エアバッグの膨張動作を促す膨張用区画室とを前記エアバッグに設けるとともに、前記展開用区画室に対応して同区画室に直接的にガスを供給するガスの供給手段として、前記エアバッグの膨張に先立ち前記展開区画室にガスを供給することにより前記エアバッグの展開動作として乗員の保護に適した所定の膨張域に延在させる展開手段を備え、前記膨張用区画室に対応して同区画室に直接的にガスを供給するガスの供給手段として、前記エアバッグが展開した後に前記膨張区画室へのガスの供給を通じて前記エアバッグを膨張させる膨張手段を備えることを特徴とするものである。
従って、この請求項2に記載の発明によれば、展開用区画室にガスを供給する一方で膨張区画室にガスを供給しないといったガスの供給態様を選択することが可能になるため、エアバッグの動作をより柔軟に制御することができるようになる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記展開手段はプリクラッシュセンサの検出に基づいて動作し、前記膨張手段は衝突センサの検出に基づいて動作することを特徴とするものである。
【0009】
従って、この請求項3に記載の発明によれば、プリクラッシュセンサの検出信号による衝突の予測に基づいて、エアバッグが予め展開される。そして、その後の衝突センサによる衝突の検出信号に基づいて、展開状態のエアバッグを膨張させることができる。よって、衝突時には、エアバッグを適正なタイミングで確実に膨張させることができ、乗員保護を有効に行うことができる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記展開手段は、前記エアバッグをその展開膨張状態において乗員と支持面との間に展開させることを特徴とするものである。
【0011】
従って、この請求項4に記載の発明によれば、エアバッグをその展開膨張状態で、乗員と反対側において支持面により支持することができるため、エアバッグが乗員から逃げたりすることなく、乗員の保護機能をさらに高めることができる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記展開手段は、前記エアバッグをその展開膨張状態において乗員と対応するように展開させることを特徴とするものである。
【0013】
従って、この請求項5に記載の発明によれば、エアバッグで乗員を確実に保護できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記展開手段の動作後に前記膨張手段が動作しないときには展開した前記エアバッグを元の状態に復帰させることを特徴とするものである。
【0014】
従って、この請求項6に記載の発明によれば、エアバッグを元の位置にもどして、再び衝突に備えることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下に、この発明の第1実施形態を、図1〜図5に基づいて説明する。
【0016】
図1及び図2に示すように、車両の車室内において、インナールーフ21の左右両側内部にはエアバッグ装置22が配設され、その下側がヘッドライニング23にて開閉可能に覆われている。このヘッドライニング23は、その下端において開閉可能である。各エアバッグ装置22は、下方に向かって開口する本体ケース24と、袋状のエアバッグ25と、図3(a)(b)に示す展開手段としての展開用インフレータ26と、膨張手段としての膨張用インフレータ27とから構成されている。
【0017】
図2及び図3(a)(b)に示すように、前記エアバッグ25は本体ケース24内の回転可能な巻軸28に固定されてその巻軸28上に巻取り収容され、伸縮性に乏しい素材25aと伸縮性に富んだ素材25bとを縫着して形成されている。そして、エアバッグ25が本体ケース24内から図3に鎖線で示す方向に突出展開されるとき、素材25a,25b間の伸縮性の差異に基づいて、エアバッグ25の展開方向が同図に実線で示すように、伸縮性に乏しい素材25a側へ変移されるようになっている。この場合、伸縮性に乏しい素材25aはサイドガラス32側に位置しており、エアバッグ25はサイドガラス32に沿って展開する。
【0018】
図1,図3(a)(b)及び図4に示すように、前記エアバッグ25の幅方向(車両前後方向)の両端及び中央には、3つの幅狭状の展開用区画室29が巻軸28の軸線と交差する方向へ延びるように形成されている。これらの展開用区画室29間に位置するように、エアバッグ25には2つの幅広状の膨張用区画室30が形成されている。
【0019】
図3(a)(b)に示すように、展開用インフレータ26は、各展開用区画室29とそれぞれ対応するように、巻軸28内に収容固定されている。そして、展開用インフレータ26は巻軸28の噴出口28aを介してエアバッグ25の各展開用区画室29に展開用のガスを供給して、図1及び図2に鎖線で示すように、エアバッグ25を所定の膨張域、すなわちドア31のサイドガラス32に沿った膨張域に延在するようにほぼ平面状に展開させる。この展開によって、エアバッグ25は乗員とサイドガラス32との間に配置されるようになっている。なお、各展開用インフレータ26は、巻軸28の一部の開閉板28cを外すことにより交換可能である。
【0020】
図3(b)に示すように、前記膨張用インフレータ27は各膨張用区画室30とそれぞれ対応するように、巻軸28内に収容固定されている。そして、各膨張用インフレータ27は巻軸28の噴出口28bを介して展開状態のエアバッグ25の各膨張用区画室30に膨張用のガスを供給し、図2及び図4に鎖線で示すように、エアバッグ25をサイドガラス32と乗員との間の所定位置にて膨張させる。
【0021】
図1及び図2に示すように、前記インナールーフ21の両側内部には巻取り用モータ34が配設され、そのモータ軸が一方向クラッチ35及びギヤ36,37を介して、各エアバッグ装置22の巻軸28に作動連結されている。そして、エアバッグ25の展開状態で、この巻取り用モータ34が回転されることにより、巻軸28が回転されて、膨張前のエアバッグ25が本体ケース24内の巻軸28に巻取り収容されるようになっている。
【0022】
次に、前記のように構成されたエアバッグ装置22の電気回路構成について説明する。図5に示すように、制御装置38にはエアバッグ装置22全体の動作を制御するためのプログラムが格納されている。制御装置38にはメモリ39が接続され、このメモリ39にはエアバッグ25の展開後の巻取り用モータ34の作動タイミングに関するデータ等が記憶されている。
【0023】
前記制御装置38には、プリクラッシュセンサ40及び衝突センサ41が接続されている。プリクラッシュセンサ40は車両の側部に設けられ、車両の側方に向かって電波または超音波を発信して、接近してくる他の車両または物体を検出し、その検出信号を制御装置38に対して出力する。そして、制御装置38はその検出信号のデータに基づいて、車両側方からの衝突するおそれを予測する。衝突センサ41は、車両の衝突を検出して、その衝突検出信号を制御装置38に出力する。
【0024】
前記制御装置38には、各エアバッグ装置22における展開用インフレータ26、膨張用インフレータ27及び巻取り用モータ34が接続されている。そして、制御装置38は、衝突を予測したとき、展開用インフレータ26を動作させて、エアバッグ25を所定の膨張域に延在するように展開させる。また、制御装置38は、このエアバッグ25の展開状態で、衝突センサ41から衝突検出信号を入力したとき、膨張用インフレータ27を動作させて、エアバッグ25を展開状態から膨張させる。さらに、前記エアバッグ25の展開状態で、所定時間内に衝突センサ41から衝突検出信号が出力されないとき、制御装置38は巻取り用モータ34を回転させて、膨張前のエアバッグ25を本体ケース24内の巻軸28に巻き戻し収容させる。
【0025】
次に、前記のように構成されたエアバッグ装置22の動作を説明する。
さて、通常の車両の運転時には、図2に実線で示すように、各エアバッグ装置22のエアバッグ25が本体ケース24内の巻軸28に巻き取られた状態にある。この状態で、プリクラッシュセンサ40の検出に基づいて制御装置38により側方からの衝突のおそれが予測されると、各エアバッグ装置22の展開用インフレータ26が動作され、そのインフレータ26からエアバッグ25の各展開用区画室29にガスが供給される。このガスの供給により、図1及び図2に鎖線で示すように、エアバッグ25がヘッドライニング23の端縁を押し退けながら、ドア31のサイドガラス32に沿った所定の膨張域に延在するようにほぼ平面状態で展開される。なお、エアバッグ25の展開により、巻軸28が回転されるが、一方向クラッチ35の作用により、巻取り用モータ34には回転が伝達されない。
【0026】
その後、衝突センサ41により側方からの衝突が検出されると、その衝突検出信号が制御装置38に出力される。すると、膨張用インフレータ27が動作されて、そのインフレータ27からエアバッグ25の各膨張用区画室30にガスが供給され、図2及び図4に鎖線で示すように、エアバッグ25が展開状態から膨張される。このとき、エアバッグ25が乗員とサイドガラス32との間に対応配置されている。このため、エアバッグ25は車両衝突時の側方からの衝撃に対して乗員を有効に保護する。
【0027】
一方、前記のようにエアバッグ25が展開された後、所定時間を経過しても衝突センサ41から衝突検出信号が出力されないときには、制御装置38の制御により、各エアバッグ装置22の巻取り用モータ34が回転される。この回転により、膨張前のエアバッグ25が本体ケース24内の巻軸28に巻き戻し収容される。
【0028】
その後、手動によりエアバッグ25を展開させた状態で、巻軸28の開閉板28cを外して、展開用インフレータ26が新たなものと交換される。そして、巻取り用モータ34により巻軸28を回転させるとともに、ヘッドライニング23の端縁を閉じれば、元の状態に復帰し、衝突に備えることができる。
【0029】
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) このエアバッグ装置22では、エアバッグ25を、展開用インフレータ26からのガスの供給により所定の膨張域に延在するように展開させて、所定位置に配置させた後、膨張用インフレータ27からのガスの供給により展開状態から膨張させることができる。よって、エアバッグ25を乗員に対応する所定位置にて所定の形状に正確に展開膨張させることができて、車両衝突時の衝撃から乗員を効果的に保護することができる。
【0030】
(2) このエアバッグ装置22では、前記展開用インフレータ26がプリクラッシュセンサ40の検出に基づく衝突予測時に動作され、膨張用インフレータ27が衝突センサ41の検出に基づいて動作されるようになっている。このため、プリクラッシュセンサ40による衝突の予測検出に基づいて、エアバッグ25を予め展開させておき、その後の衝突センサ41による衝突の検出に基づいて、展開状態のエアバッグ25を適切なタイミングで膨張させることができて、乗員保護を有効に行うことができる。
【0031】
(3) このエアバッグ装置22では、前記エアバッグ25が伸縮性の異なった2枚の素材25a,25bを縫着することにより形成されている。このため、エアバッグ25の展開方向を規制する案内手段等の専用部品を設けることなく、エアバッグ25を素材25a,25bの伸縮性の差異に基づいて、所定の方向へ確実に延長展開させることができる。従って、構成の複雑化を避けることができる。
【0032】
(4) このエアバッグ装置22では、前記エアバッグ25の展開状態で衝突が回避されたとき、巻取り用モータ34により膨張前のエアバッグ25が本体ケース24内の巻軸28に巻き戻されるようになっている。そのため、このエアバッグ25が運転の邪魔になることがなく、しかも、展開用インフレータ26を交換することにより、引き続き衝突に備えることができる。
【0033】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0034】
さて、この第2実施形態においては、図6に示すように、前記第1実施形態のエアバッグ装置22と同様な構成のエアバッグ装置22がドア31の内部上端に配置されている。そして、プリクラッシュセンサ40の検出に基づいて側方からの衝突のおそれが予測されたとき、展開用インフレータ26からエアバッグ25の各展開用区画室29にガスが供給されて、エアバッグ25がドア31上端のバッグ突出用開口(図示しない)からサイドガラス32に沿ってドア31の上方に突出される。この突出により、エアバッグ25がドア31のサイドガラス32に沿った所定の膨張域に延在するように展開される。
【0035】
その後、衝突センサ41により車両の衝突が検出されたとき、膨張用インフレータ27からエアバッグ25の各膨張用区画室30にガスが供給されて、エアバッグ25が展開状態から膨張される。
【0036】
従って、この第2実施形態においても、前記第1実施形態における(1)〜(4)に記載の効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0037】
さて、この第3実施形態においては、図7に示すように、前記第1実施形態のエアバッグ装置22と同様な構成のエアバッグ装置22がドア31の内側上端に配置されている。また、この第3実施形態においては、ドア31の上端のバッグ突出用開口(図示しない)が横向きに形成されている。また、エアバッグ25の伸縮性の乏しい素材25aの伸縮性が前記第1実施形態よりもさらに乏しくなっているとともに、もう一方の素材25bよりも短めに形成されている。このため、プリクラッシュセンサ40の検出に基づく衝突の予測時に、展開用インフレータ26からエアバッグ25の各展開用区画室29にガスが供給された場合、エアバッグ25がドア31の内側下方に向かって突出される。そして、支持面33を構成するドア31の内面(室内側の面)に沿った所定の膨張域に延在するように展開される。
【0038】
従って、この第3実施形態においては、前記第1実施形態における(1)〜(4)に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(5) エアバッグ25は支持面33により支持されながら、シート44に着座する乗員側に向かって所定の適正位置で所定の形状に膨張される。従って、車両衝突時にエアバッグ25が乗員と対応する位置から逃げることを抑制でき、乗員に対する衝撃が効果的に吸収される。
【0039】
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0040】
さて、この第4実施形態においては、図8に示すように、エアバッグ装置22が助手席の乗員に対応して、インストルメントパネル46内に配設されている。また、前記プリクラッシュセンサ40が車両前面に対する車両または物体の接近を検出できる位置に配置され、前記衝突センサ41は車両前方からの衝突を検出する位置に配置されている。
【0041】
エアバッグ装置22の上方において、インストルメントパネル46には開口47が形成され、カバー48により開閉可能に覆われている。そして、プリクラッシュセンサ40による衝突の予測検出時には、展開用インフレータ26からのガスの供給により、エアバッグ25が本体ケース24から車両後部側の上方に突出される。そして、エアバッグ25は、カバー48を開放させながら、支持面33を構成するインストルメントパネル46の後部側の上面に沿った所定の膨張域に延在するように展開される。すなわち、この第4実施形態においても、前記第3実施形態とほぼ同様に、また、エアバッグ25のインストルメントパネル46側に極めて伸縮性に乏しい素材25aが配置され、その素材25aがもう一方の素材25bよりも短めに形成されている。
【0042】
その後、衝突センサ41による衝突検出時には、膨張用インフレータ27からのガスの供給により、エアバッグ25が展開状態から膨張される。この場合、エアバッグ25はインストルメントパネル46の支持面33により支持されながら、助手席の乗員側に向かって所定の位置で所定の形状に膨張される。従って、車両前面衝突時において、エアバッグ25を乗員保護に適正な位置に保持することができ、乗員保護を有効に実行できる。また、エアバッグ25の展開状態で、車両の衝突が回避された場合には、巻取り用モータ34の回転により、膨張前のエアバッグ25が本体ケース24内の巻軸28に巻き戻し収容される。
【0043】
従って、この第4実施形態においても、前記第3実施形態に記載の効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
(第5実施形態)
次に、この発明の第5実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0044】
さて、この第5実施形態においては、図9に示すように、エアバッグ装置22がインストルメントパネル46の下方に、支持板50を介して斜め上向きに配置されている。また、前記第4実施形態と同様に、プリクラッシュセンサ40が車両前面に対する車両または物体の接近を検出できる位置に配置され、前記衝突センサ41は車両前方からの衝突を検出する位置に配置されている。
【0045】
そして、プリクラッシュセンサ40の検出に基づく衝突の予測時には、展開用インフレータ26からのガスの供給により、エアバッグ25が本体ケース24から斜め上方に突出されて、支持面33を構成するインストルメントパネル46の後部側の下面に沿った所定の膨張域に延在するように展開される。
【0046】
その後、衝突センサ41による衝突検出時には、膨張用インフレータ27からのガスの供給により、エアバッグ25が展開状態から膨張される。この場合、エアバッグ25はインストルメントパネル46の後部下面の支持面33により支持されながら、乗員の膝付近に向かって所定の位置で所定の形状に膨張される。従って、この第5実施形態においては、乗員の下肢を保護するという面で有効である。また、エアバッグ25の展開状態で、車両の衝突が回避された場合には、巻取り用モータ34の回転により、膨張前のエアバッグ25が本体ケース24内の巻軸28に巻き戻し収容される。
【0047】
従って、この第5実施形態においても、前記第3,第4実施形態に記載の効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
(第6実施形態)
次に、この発明の第6実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0048】
さて、この第6実施形態においては、図10に示すように、エアバッグ装置22が車室外においてフロントガラス52の前端下方に配置されている。また、プリクラッシュセンサ40が車両前面に対する車両または物体の接近を検出できる位置に配置され、前記衝突センサ41は車両前方からの衝突を検出する位置に配置されている。
【0049】
プリクラッシュセンサ40の検出に基づく衝突の予測時には、展開用インフレータ26からのガスの供給により、エアバッグ素材の伸縮差及び長さの相違に基づいてエアバッグ25がボンネットのフードパネル53の後端位置から車両の上部前方に突出される。そして、エアバッグ25はフードパネル53の後部上面からフロントガラス52の前端上面にかけての所定の膨張域に延在するように展開される。
【0050】
その後、衝突センサ41による衝突検出時には、膨張用インフレータ27からのガスの供給により、エアバッグ25が展開状態から膨張される。この場合、エアバッグ25はフードパネル53及びフロントガラス52の上面の支持面33により支持されながら、所定の位置で所定の形状に膨張される。このため、車室外からの衝突物等から受ける衝撃が効果的に吸収されるとともに、歩行者等がフロントガラス52に衝突するのを防止できる。また、エアバッグ25の展開状態で、車両の衝突が回避された場合には、前記第1実施形態の場合と同様に、膨張前のエアバッグ25が本体ケース24内に巻き戻し収容される。
【0051】
従って、この第6実施形態においては、車外のものを保護対象とするものの、前記第3〜第5実施形態に記載の効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
(第7実施形態)
次に、この発明の第7実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0052】
さて、この第7実施形態では、図11に示すように、エアバッグ装置22が車室外においてバンパー55上においてボンネットのフードパネル53内に配置されている。プリクラッシュセンサ40は車両前面に対する車両または物体の接近を検出できる位置に配置され、前記衝突センサ41は車両前方からの衝突を検出する位置に配置されている。
【0053】
そして、プリクラッシュセンサ40の検出に基づく衝突の予測時には、展開用インフレータ26からのガスの供給により、エアバッグ25が例えばラジエタグリルとフードパネル53との間から車両の前部上方に突出される。そして、エアバッグ25がフードパネル53の前端上面からバンパー55の前面にかけての所定の膨張域に延在するように展開される。
【0054】
その後、衝突センサ41による衝突検出時には、膨張用インフレータ27からのガスの供給により、エアバッグ25が展開状態から膨張される。この場合、エアバッグ25は支持面33を構成するフードパネル53及びバンパー55の前面により支持されながら、所定の位置で所定の形状に膨張されて、車室外の衝突物から受ける衝撃が効果的に吸収される。さらに、この第7実施形態においても、歩行者等がバンパー55に衝突するのを防止できる。エアバッグ25の展開状態で、車両の衝突が回避された場合には、前記第1実施形態の場合と同様に、膨張前のエアバッグ25が本体ケース24内に巻き戻し収容される。
【0055】
従って、この第7実施形態においても、前記第6実施形態に記載の効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
【0056】
・ 前記各実施形態においては、衝突予測後の衝突回避から一定時間経過後に、巻取り用モータ34が起動して膨張前のエアバッグ25が巻き戻されるように構成していた。これに対し、スイッチ等の操作に基づいて膨張前のエアバッグ25が巻き戻されるように構成すること。
【0057】
・ この発明を前記各実施形態とは異なる部分、例えば室内において後部リヤウインドガラスの上方に設けられるエアバッグ装置において具体化すること。この場合には、展開用区画室へのガスの充填によりエアバッグが後部リヤウインドガラスに沿って展開される。また、この場合には、プリクラッシュセンサは車両後面に対する車両または物体の接近を検出できる位置に配置され、前記衝突センサ41は車両後方からの衝突を検出する位置に配置されている。従って、この場合のエアバッグ装置は追突に対応するものとなる。そして、この場合にも、追突に対して前述した効果を発揮する。
【0058】
・ 第1実施形態のエアバッグ25を通常時でも引き出し可能に構成し、日除けとして利用できるようにすること。
【0059】
【発明の効果】
以上、詳述したように、この発明においては、エアバッグを所定位置にて所定の形状に展開膨張させることができて、乗員等の保護を有効に行い得るという効果を発揮するため、エアバッグ装置として優れた発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態のエアバッグ装置を備えた車両の斜視図。
【図2】 図1の2−2線における部分拡大断面図。
【図3】 (a)は図1の3−3線における部分拡大断面図、(b)はインフレータのとエアバッグと関連を示す一部断面図。
【図4】 図1の4−4線における拡大断面図。
【図5】 図1のエアバッグ装置の回路構成を示すブロック図。
【図6】 第2実施形態のエアバッグ装置を備えた車両の部分断面図。
【図7】 第3実施形態のエアバッグ装置を備えた車両の部分断面図。
【図8】 第4実施形態のエアバッグ装置を備えた車両の部分断面図。
【図9】 第5実施形態のエアバッグ装置を備えた車両の部分断面図。
【図10】 第6実施形態のエアバッグ装置を備えた車両の部分側面図。
【図11】 第7実施形態のエアバッグ装置を備えた車両の部分側面図。
【符号の説明】
21…インナールーフ、22…エアバッグ装置、25…エアバッグ、26…展開手段としての展開用インフレータ、27…膨張手段としての膨張用インフレータ、29…展開用区画室、30…膨張用区画室、31…ドア、32…サイドガラス、33…支持面、34…巻取り用モータ、38…制御装置、40…プリクラッシュセンサ、41…衝突センサ、46…インストルメントパネル、52…フロントガラス、53…フードパネル、55…バンパー。
Claims (6)
- エアバッグが膨張手段により膨張されるエアバッグ装置において、
エアバッグの膨張に先立って、エアバッグが所定の膨張域に延在するように展開させる展開手段を備え、プリクラッシュセンサの検出に基づいてこの展開手段を動作させ、衝突センサの検出に基づいて前記膨張手段を動作させる
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - エアバッグの展開及び膨張を通じて乗員を保護するエアバッグ装置において、
ガスの供給を受けて前記エアバッグの展開動作を促す展開用区画室と、ガスの供給を受けて前記エアバッグの膨張動作を促す膨張用区画室とを前記エアバッグに設けるとともに、前記展開用区画室に対応して同区画室に直接的にガスを供給するガスの供給手段として、前記エアバッグの膨張に先立ち前記展開区画室にガスを供給することにより前記エアバッグの展開動作として乗員の保護に適した所定の膨張域に延在させる展開手段を備え、前記膨張用区画室に対応して同区画室に直接的にガスを供給するガスの供給手段として、前記エアバッグが展開した後に前記膨張区画室へのガスの供給を通じて前記エアバッグを膨張させる膨張手段を備える
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項2に記載のエアバッグ装置において、
前記展開手段は、プリクラッシュセンサの検出信号に基づいて動作し、前記膨張手段は、衝突センサの検出信号に基づいて動作する
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ装置において、
前記展開手段は、前記エアバッグをその展開膨張状態において乗員と支持面との間に展開させる
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のエアバッグ装置において、
前記展開手段は、前記エアバッグをその展開膨張状態において乗員と対応するように展開させる
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載のエアバッグ装置において、
前記展開手段の動作後に前記膨張手段が動作しないときには展開した前記エアバッグを元の状態に復帰させる
ことを特徴とするエアバッグ装置。
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