JP3960081B2 - X線撮影装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、X線管から被検体に照射されたX線を検出、すなわち被検体の撮影を行うX線撮影装置に係り、特に、X線管およびX線検出器を保持する保持部材を操作して被検体の撮影を制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
水平面、例えば床面または天井面に固定されるX線撮影装置において、被検体の様々な部位を撮影することができるように、あるいはX線管およびX線検出器を保持する保持部材(例えばC型アーム)が異なる角度から挿入してX線管が被検体を照射することができるように、保持部材を固定する基台に、回転または直進可能な軸を有する。このような装置として、例えば、鉛直軸心周りに回転する1軸の回転軸を有する装置、および鉛直軸心周りにそれぞれ回転する2軸の回転軸を有する装置がある。
【0003】
1軸の回転軸を有する装置の場合、例えば図9に示すように、C型アーム51を固定する基台52に回転軸53を有し、検診台でもある天板54に被検体Mを乗降させるために、回転軸53の鉛直軸心周りの回転によって、C型アーム51を水平面内に回転させて待避させる。このC型アーム51は、X線管55およびX線検出器56を保持する。
【0004】
2軸の回転軸を有する装置の場合、例えば図10に示すように、第1の基台101に回転軸102を、C型アーム103を固定する第2の基台104に回転軸105をそれぞれ有する。このC型アーム103は、X線管106およびX線検出器107を保持し、この装置は、1軸の回転軸を有する装置と同じく、天板108を備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの1軸または2軸の回転軸を有する装置の場合には、次のような問題がある。
すなわち、1軸の回転軸を有する装置の場合には、X線管55・X線検出器56の位置で決まる撮影領域については、回転軸53を中心とする円周上の位置しかとることができない。またこの装置の場合には、上述したように、天板54に被検体Mが乗降する際の保持部材(例えばC型アーム51)の待避を主たる目的としている。基台側に回転軸を有さず、例えばX線管とX線検出器とを結ぶ軸線上に回転軸を有する装置も考えられるが、このような装置の場合には撮影領域を中心とする回転しかできない。従って、天板を移動させない限り撮影領域の位置を変更することができず、例えば、被検体に造影剤注入用のカテーテルを挿入した状態で天板に移動させることは、被検体の安全を鑑みると好ましくない。
【0006】
2軸の回転軸を有する装置の場合には、1軸の場合と比較すると、保持部材,X線管,X線検出器などを移動させる自由度は増すものの、次のような問題がある。すなわち、被検体Mの体軸に対する保持部材(例えばC型アーム103)の挿入角度が、つまり平面視した場合に被検体Mの体軸と保持部材の水平軸とがなす角度が一定に保った状態で保持部材,X線管,X線検出器などを移動させることができる軌跡は限られてしまう。
【0007】
例えば被検体Mの体軸に沿って移動させながら複数回の撮影を行う場合、図11(a)〜(c)の平面図に示すように、挿入角度(図11ではφ)が撮影ごとに変化する。被検体Mの体軸に対して水平面で垂直方向の軸に沿って移動させながら複数回の撮影を行う場合も、図11(a),(d),(e)の平面図に示すように、挿入角度φが撮影ごとに変化する。
【0008】
もし、撮影ごとに挿入角度φが異なる状態で撮影を行うと、挿入角度φが変化することで、保持部材(例えばC型アーム103)の機械的な回転角度が、例えば被検体Mの体軸に対するX線管106やX線検出器107の角度が変化し、この変化した角度分を回転させて補正する必要がある。すなわち、上述した2軸の回転軸(回転軸102,105)の他に、X線管106側(例えばX線の照視野を決定するコリメータ)に回転軸が、X線検出器107側に回転軸がそれぞれ必要になり、これらの回転軸によってX線管106およびX線検出器107を操作して上述した補正を行う。特に、被検体Mの体軸の軸心周りに回転させながら撮影を行う場合には、第1,第2の基台101,104側にある2軸の回転軸(回転軸102,105)を操作しつつ、この操作に同期させて、X線管106側,X線検出器107側の2軸の回転軸を操作するというように複雑な制御が必要になる。
【0009】
また、挿入角度φが撮影ごとに変化することによって、X線管106とX線検出器107とを結ぶ軸線が被検体Mに対して常に変動するので、被検体Mに上述したカテーテルを挿入した状態でカテーテルの先端を追いかけながら撮影(透視)を行う場合において支障をきたす。すなわち、X線管106とX線検出器107とを結ぶ軸線が被検体Mに対して常に変動するので、被検体Mに挿入されたカテーテルに対しても上述した軸線が撮影ごとに変動することになり、X線検出器107によって映し出されるモニタ外にカテーテルがはみ出てしまう。その結果、カテーテルの先端を追いかけながら撮影し難くなる。
【0010】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、X線管・X線検出器の位置で決まる撮影領域について任意の方向に容易に移動させ、また撮影を容易に制御することができるX線撮影装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、X線を被検体に照射するX線管と、前記被検体に照射されたX線を検出するX線検出器と、前記X線管およびX線検出器を保持する保持部材と、第1の基台部,第2の基台部,および前記保持部材を連結する第3の基台部から構成される基台部材と、前記基台部材に配設される駆動手段と、前記駆動手段を制御する制御手段とを備えているX線撮影装置であって、前記駆動手段は、水平面に対して前記第1の基台部を鉛直軸心周りに、第1の基台部に対して前記第2の基台部を鉛直軸心周りに、第2の基台部に対して前記第3の基台部を鉛直軸心周りにそれぞれ回転させ、前記制御手段は、平面視した場合に前記被検体の体軸と前記保持部材の水平軸とがなす角度である挿入角度が一定に保った状態で、保持部材を移動させるように、駆動手段を制御することを特徴とするものである。
【0012】
〔作用・効果〕請求項1に記載の発明によれば、駆動手段は、水平面に対して第1の基台部を鉛直軸心周りに、第1の基台部に対して第2の基台部を鉛直軸心周りに、第2の基台部に対して第3の基台部を鉛直軸心周りにそれぞれ回転させ、挿入角度が一定に保った状態で、第3の基台部に連結された保持部材を移動させるように、制御手段が駆動手段を制御しているので、例えば被検体の体軸に対するX線管やX線検出器が撮影ごとに変化した角度分の補正を行うための複雑な制御を行うことなく、X線管・X線検出器の位置で決まる撮影領域について容易に移動させることができる。また、保持部材,X線管,X線検出器などを移動させる軌跡が限られることなく、任意の方向に移動させることができる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のX線撮影装置において、前記制御手段は、前記挿入角度が一定に保った状態で、前記保持部材を移動させるように、前記駆動手段を制御する機能の他に、前記X線管と前記X線検出器とを結ぶ軸線を動かさずに、前記挿入角度を変更するように、前記駆動手段を制御する機能をも備えたことを特徴とするものである。
【0014】
〔作用・効果〕請求項2に記載の発明によれば、駆動手段は、水平面に対して第1の基台部を鉛直軸心周りに、第1の基台部に対して第2の基台部を鉛直軸心周りに、第2の基台部に対して第3の基台部を鉛直軸心周りにそれぞれ回転させ、X線管とX線検出器とを結ぶ軸線を動かさずに、挿入角度を変更するように、制御手段が駆動手段を制御しているので、例えば造影剤注入用のカテーテルを挿入した状態でカテーテルの先端を追いかけながら撮影(透視)を行う場合においても、挿入角度を変更しながらカテーテルに対して軸線が固定することができるなど、被検体に対して軸線が固定された状態で挿入角度を変更しながら被検体の同じ部位を撮影することができ、撮影を容易に制御することができる。
【0015】
なお、本明細書は、上記X線撮影装置の他に、下記のX線撮影装置、およびX線撮影装置に用いられる制御方法に係る発明も開示している。
【0016】
(A)請求項1に記載のX線撮影装置において、前記第1の基台部が鉛直軸心周りに回転する角度をα,前記第2の基台部が鉛直軸心周りに回転する角度をβ,前記第3の基台部が鉛直軸心周りに回転する角度をγとそれぞれするとともに、第1の基台部が鉛直軸心周りに回転する回転軸・第2の基台部が鉛直軸心周りに回転する回転軸間での距離をl,第2の基台部が鉛直軸心周りに回転する回転軸・第3の基台部が鉛直軸心周りに回転する回転軸間での距離をm,第3の基台部の基台部が鉛直軸心周りに回転する回転軸・保持部材のX線管とX線検出器とを結ぶ軸線間での距離をnとそれぞれし、φをαとβとγとの和であるα+β+γ,前記被検体の体軸方向をx,前記体軸に対して水平面で垂直方向をy,aをx−cosφ,bをy−sinφとそれぞれしたときに、φが一定の状態に保った状態で、α,β,γは、α=sin-1〔{x−n・sinφ−m・sin(sin-1〔{a2+b2+m2−l2}/{2m・(a2+b2)1/2}〕−tan-1〔{y−n・sinφ}/{x−n・cosφ}〕)}/l〕,β=(sin-1〔{a2+b2+m2−l2}/{2m・(a2+b2)1/2}〕−tan-1〔{y−n・cosφ}/{x−n・sinφ}〕)−α,γ=φ−α−βを満たしながらα,β,γをそれぞれ回転させるように、制御手段が駆動手段を制御することを特徴とするX線撮影装置。
【0017】
〔作用・効果〕上記の発明によれば、αとβとγとの和であるα+β+γがφとなり、このφが挿入角度となる。φが一定の状態に保った状態であるので、このような式を満たしながらα,β,γをそれぞれ回転させるように、制御手段が駆動手段を制御することで、挿入角度が一定に保った状態で、保持部材を移動させて、被検体の撮影を行うことができる。
【0018】
(B)請求項2に記載のX線撮影装置において、前記第1の基台部が鉛直軸心周りに回転する角度をα,前記第2の基台部が鉛直軸心周りに回転する角度をβ,前記第3の基台部が鉛直軸心周りに回転する角度をγとそれぞれするとともに、第1の基台部が鉛直軸心周りに回転する回転軸・第2の基台部が鉛直軸心周りに回転する回転軸間での距離をl,第2の基台部が鉛直軸心周りに回転する回転軸・第3の基台部が鉛直軸心周りに回転する回転軸間での距離をm,第3の基台部の基台部が鉛直軸心周りに回転する回転軸・保持部材のX線管とX線検出器とを結ぶ軸線間での距離をnとそれぞれし、φをαとβとγとの和であるα+β+γ,前記被検体の体軸方向をx,前記体軸に対して水平面で垂直方向をy,aをx−cosφ,bをy−sinφとそれぞれしたときに、xおよびyがともに一定の状態に保った状態で、α,β,γは、α=sin-1〔{x−n・sinφ−m・sin(sin-1〔{a2+b2+m2−l2}/{2m・(a2+b2)1/2}〕−tan-1〔{y−n・sinφ}/{x−n・cosφ}〕)}/l〕,β=(sin-1〔{a2+b2+m2−l2}/{2m・(a2+b2)1/2}〕−tan-1〔{y−n・cosφ}/{x−n・sinφ}〕)−α,γ=φ−α−βを満たしながらα,β,γをそれぞれ回転させるように、制御手段が駆動手段を制御することを特徴とするX線撮影装置。
【0019】
〔作用・効果〕上記の発明によれば、αとβとγとの和であるα+β+γがφとなり、このφが挿入角度となる。xおよびyがともに一定に保った状態であるので、このような式を満たしながらα,β,γをそれぞれ回転させるように、制御手段が駆動手段を制御することで、X線管とX線検出器とを結ぶ軸線を動かさずに、挿入角度を変更することができる。
【0020】
(1)請求項1に記載のX線撮影装置に用いられる制御方法であって、被検体のX線撮影中において、平面視した場合に被検体の体軸と前記X線管およびX線検出器を保持する保持部材の水平軸とがなす角度である挿入角度が一定に保った状態で、保持部材を移動させて、被検体の撮影を制御することを特徴とする制御方法。
【0021】
〔作用・効果〕上記の発明によれば、挿入角度が一定に保った状態で、保持部材を移動させて、被検体の撮影を行うように制御しているので、例えば被検体の体軸に対するX線管やX線検出器が撮影ごとに変化した角度分の補正を行うための複雑な制御を行う必要はない。その結果、X線管・X線検出器の位置で決まる撮影領域について、容易に移動させることができる。
【0022】
(2)X線撮影装置に用いられる制御方法であって、前記装置が、X線を被検体に照射するX線管と、前記被検体に照射されたX線を検出するX線検出器と、前記X線管およびX線検出器を保持する保持部材と、第1の基台部,第2の基台部,および前記保持部材を連結する第3の基台部から構成される基台部材と、前記基台部材に配設される駆動手段と、前記駆動手段を制御する制御手段とを備え、前記駆動手段は、水平面に対して前記第1の基台部を鉛直軸心周りに、第1の基台部に対して前記第2の基台部を鉛直軸心周りに、第2の基台部に対して前記第3の基台部を鉛直軸心周りにそれぞれ回転させるときにおいて、平面視した場合に被検体の体軸と前記保持部材の水平軸とがなす角度である挿入角度を変更することを特徴とする制御方法。
【0023】
(3)前記(2)に記載の制御方法において、前記装置と被検体とが干渉する恐れがあるとき、装置と被検体とが干渉しないように前記挿入角度の変更を行うことを特徴とする制御方法。
【0024】
〔作用・効果〕上記(2)の発明によれば、挿入角度の変更を行っている。この挿入角度の変更は、例えば撮影中であってもよいし、撮影を行う前、あるいは撮影後であってもよい。さらに、上記(3)の発明によれば、装置(例えば保持部材)と被検体とが干渉する恐れがあるとき、装置と被検体とが干渉しないように挿入角度の変更を行うことで、少ない動作範囲で被検体全体を撮影することができる。
【0025】
(4)前記(2)または(3)に記載の制御方法において、X線管とX線検出器とを結ぶ軸線が被検体から外れないように前記挿入角度の変更を行うことを特徴とする制御方法。
【0026】
〔作用・効果〕上記の発明によれば、挿入角度の変更の間、被検体から外れることなく、被検体全体を連続して撮影することができる。軸線が被検体から外れないとは、X線検出器が検出することができる範囲から被検体の部位が逸脱しないことを指す。例えば、被検体の体軸方向のみ固定させた状態で、挿入角度の変更を行ってもよいし、被検体の体軸方向に対して水平面で垂直方向のみ固定させた状態で、挿入角度の変更を行ってもよい。より好ましくは、下記(5)のように撮影を制御する。
【0027】
すなわち、(5)前記(4)に記載の制御方法において、前記軸線を動かさずに、前記挿入角度の変更を行うことを特徴とする制御方法。
【0028】
〔作用・効果〕上記(5)の発明によれば、軸線を動かさずに、挿入角度の変更を行っているので、軸線が被検体に対して固定された状態で挿入角度の変更が行われる。従って、例えば造影剤注入用のカテーテルを挿入した状態でカテーテルの先端を追いかけながら撮影(透視)を行う場合においても、挿入角度を変更しながらカテーテルに対して軸線を固定することができるなど、被検体に対して軸線が固定された状態で挿入角度を変更させて、被検体の同じ部位を撮影することができ、撮影を容易に制御することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の一実施例を説明する。
図1は、本実施例に係るX線撮影装置の概略構成を示した側面図、図2は、その装置における動作態様の一例を示した平面図である。なお、本実施例では、また、被検体に造影剤を、造影剤注入用のカテーテルを介して注入して、注入前と注入後との各々の撮影画像について減算処理を行って、例えば血管像を撮影するデジタルサブストラクション・アンギオグラフィ装置を例に採って説明する。本実施例装置は、図1に示すように、被検体Mを載置して検診するための天板1,基台部材2,およびC型保持部材3から構成される。C型保持部材3は、本発明における保持部材に相当する。
【0030】
基台部材2は、第1の基台部4,第2の基台部5,および第3の基台部6から構成される。また、基台部材2は、鉛直軸心周り(図1,図2中のz軸周り)にそれぞれ回転する3軸の回転軸を有しており、第1の基台部4は回転軸4aを、第2の基台部5は回転軸5aを、第3の基台部6は回転軸6aをそれぞれ1軸ずつ有している。
【0031】
基台部材2には、第1の駆動部4A,第2の駆動部5A,第3の駆動部6Aが配設されている。第1の駆動部4Aは、床面(図1,図2中のx,y平面)に対して第1の基台部4aを回転軸4周りに、すなわち鉛直軸心周りに、第2の駆動部5Aは、第1の基台部4に対して第2の基台部5を回転軸5a周りに、すなわち鉛直軸心周りに、第3の駆動部6Aは、第2の基台部5に対して第3の基台部6を回転軸6a周りに、すなわち鉛直軸心周りにそれぞれ回転させる。第1〜第3の駆動部4A〜6Aは、本発明における駆動手段に相当する。
【0032】
第1の駆動部4Aは、第1の基台部4に内蔵される。この第1の駆動部4Aは、モータ4bと、モータ4bの回転を伝達するベルト4cと、ベルト4cに伝達された回転を鉛直軸心周りの回転に変換するギヤボックス4dと、回転ギヤ4dからの鉛直軸心周りの回転を伝達するギヤ4eと、このギヤ4eに噛合されたギヤ4fとから構成される。ギヤ4fは、図示を省略するベアリングが介在された状態で、床面に固定されている。モータ4bが回転することで、ベルト4c,ギヤボックス4d,ギヤ4eを介して、ギヤ4fが鉛直軸心周りに回転して、このギヤ4fの回転によって、床面に対して第1の基台部4が鉛直軸心周りに回転する。
【0033】
第2の駆動部5A、第3の駆動部6Aも、第1の駆動部4Aと同様に、モータ,ベルト,ギヤボックス,2つのギヤから構成される。第2,第3の駆動部5A,6Aの場合には、第2の基台部5に内蔵される。また、第2の駆動部5Aの場合には、2つのギヤのうち、第2の基台部5を回転させるギヤは、図示を省略するベアリングが介在された状態で、第1の基台部4に固定されており、このギヤが鉛直軸心周りに回転することで、第1の基台部4に対して第2の基台部5が鉛直軸心周りに回転する。また、第3の駆動部6Aの場合には、2つのギヤのうち、第3の基台部6を回転させるギヤは、図示を省略するベアリングが介在された状態で、第3の基台部6に固定されており、このギヤが鉛直軸心周りに回転することで、第2の基台部5に対して第3の基台部6が鉛直軸心周りに回転する。
【0034】
一方、C型保持部材3は、保持台7,C型アーム8,およびC型アーム8の両端にそれぞれ支持されるX線管9とX線検出器10とから構成される。第1〜第3の基台部4〜6と同様に、保持台7は回転軸7aを有する。第1〜第3の基台部4〜6と相違して、この回転軸7aは、例えば、図示を省略するモータによって被検体Mの体軸(図1,図2中のx軸)の軸心周りに回転し、このモータは第3の基台部6に内蔵される。つまり、回転軸7a周りに第3の基台部6に対してC型保持部材3の保持台7が回転するように、第3の基台部6と保持台7とは連結されている。X線検出器9とX線検出器10とを結ぶ軸線を、図1に示すように、軸線11とする。
【0035】
また、被検体Mの体軸に対して水平面(図1,図2中のxy平面)で垂直方向の軸8a(図1,図2中のy軸)の軸心周りに保持台7に沿ってC型アーム8が回転するように、保持台7とC型アーム8とは連結されている。C型アーム8は、例えば、図示を省略するローラや駆動ベルトによって、保持台7の腕部7bの内にスライドして回転される。
【0036】
また、本実施例装置を統括制御する制御部12が備えられており、この制御部12は、例えば天板1を移動させたり、第1〜第3の駆動部4A〜6Aを制御するように構成されている。制御部12は、本発明における制御手段に相当する。
【0037】
また、被検体Mの体軸に対するC型保持部材3の挿入角度を、φ(図5,図6を参照)とすると、撮影時には挿入角度φが一定に保った状態になるように、または軸線11を動かさずに挿入角度φを変更するように、第1〜第3の駆動部4A〜6Aは、制御部12から制御される。そして、挿入角度φが一定に保った状態で、または軸線11を動かさずに挿入角度φを変更した状態で、C型保持部材3を移動させて、被検体Mの撮影を行う。挿入角度φが一定に保った状態で、C型保持部材3を移動させて、被検体Mの撮影を行う具体的な手法について、図3の平面図を参照して説明する。
【0038】
xy平面において、第1の基台部4の回転軸4aを、図3に示すように、原点O(0,0)に位置付け、第1〜第3の基台部4〜6をx軸上に直列に並べる。第1〜第3の基台部4〜6がx軸上に直列に並んだ状態を、図3中の点線で示す。また、第1の基台部4の回転軸4a・第2の基台部5の回転軸5a間での距離をl、第2の基台部5の回転軸5a・第3の基台部6の回転軸6a間での距離をm、第3の基台部5の回転軸5a・C型保持部材3のX線検出器9とX線検出器10とを結ぶ軸線11間での距離をnとそれぞれする。
【0039】
第1〜第3の基台部4〜6がx軸上に直列に並んだ状態から、第1の基台部4の回転軸4aが角度αだけ回転すると、図3中の2点鎖線で示すような状態となる。図3中の2点鎖線で示すような状態から、第2の基台部5の回転軸5aが角度βだけ回転すると、図3中の1点鎖線で示すような状態となる。図3中の1点鎖線で示すような状態から、第3の基台部6の回転軸6aが角度γだけ回転すると、図3中の実線で示すような状態となる。
【0040】
図3中の実線で示すような状態で、第1〜第3の基台部4〜6が並んだときに、軸線11の位置をP(x,y)とすると、P(x,y)の座標は、下記(1)〜(3)式のように表される。
x={l・cosα+m・cos(α+β)+n・cos(α+β+γ)}……(1)
y={l・sinα+m・sin(α+β)+n・sin(α+β+γ)}……(2)
φ=α+β+γ ……(3)
【0041】
上記(3)式で表されるφは、上述した挿入角度φでもある。次に、時計回りの回転を正としたときに、x,y方向の速度をVx,Vyとし、回転軸4a〜6aの回転速度をそれぞれVα,Vβ,Vγとすると、下記(4),(5)式のように表される。
【0042】
【数1】
【0043】
aをx−cosφ,bをy−sinφとそれぞれしたときに、これらの式より、α,β,γは、下記(6)〜(8)式のように表される。
【0044】
【数2】
【0045】
上記(6)〜(8)式で、挿入角度φが一定になるようにα,β,γを回転させれば、挿入角度φが一定に保った状態で、C型保持部材3を移動させて、被検体Mの撮影を行うことができる。さらに、yを一定にした場合には、例えば図2(a)〜(c)(あるいは図2(d)〜(f)、あるいは図2(g)〜(i))に示すように、挿入角度φが一定に保った状態(図2ではφは0°)で、被検体Mの体軸に沿ってC型保持部材3を移動させることができる。また、xを一定にした場合には、例えば図2(a),(d),(g)(あるいは図2(b),(e),(h)、あるいは図2(c),(f),(i))に示すように、被検体Mの体軸に対して水平面で垂直方向の軸8aに沿ってC型保持部材3を移動させることができる。
【0046】
なお、上記軸線11を動かさずに挿入角度φを変更する手法については、後述するステップS4で説明する。
【0047】
次に、被検体Mを天板1に載置してから、C型保持部材3を移動させながらX線撮影を行い、被検体Mを天板1から降ろすまでの制御方法について、図4のフローチャート、図2,図5,図6,図7の平面図を参照して説明する。本実施例では、被検体Mの頭部付近においては、挿入角度φが0°に保った状態で、すなわち被検体Mの体軸とC型保持部材3の長手方向の水平軸とが平行に保った状態で撮影を行い、被検体Mの鼠蹊部(股のつけ根)付近においては、挿入角度φが0°以外の角度で一定に保った状態で撮影を行うものとする。なお、本実施例では、説明の便宜上、被検体Mの頭部から鼠蹊部までを順に撮影する。
【0048】
(ステップS1)天板への被検体の載置
被検体Mを天板1に載置する。天板1は、基台部材2およびC型保持部材3に干渉しない位置にまで予め待避されている。また、図7に示すような姿勢をとることで、C型保持部材3を待避させることもできる。この場合には、図7(a),(b)、あるいは所定の姿勢で定まる角度α,β,γをとるように回転の制御を行うことで、C型保持部材3の待避を達成することができる。
【0049】
(ステップS2)天板の移動
被検体Mを天板1に載置した状態で、天板1に載置された被検体Mの所定部位が、C型保持部材3のC型アーム8のX線管9とX線検出器10とを結ぶ軸線11上に位置するように、天板1を移動させる。被検体Mの所定部位が頭部付近の場合では、挿入角度φが0°になるように、第1〜第3の駆動部4A〜6Aはそれぞれ予め制御されている。
【0050】
(ステップS3)X線撮影
被検体Mの所定部位が軸線11上に位置するように天板1が移動した後に、天板1の移動を停止させて、X線撮影を開始する。
【0051】
被検体Mの所定部位が頭部付近の場合では、挿入角度φが0°に保った状態でX線撮影を行う。具体的には、上記(6)〜(8)式でφ=0を代入してα,β,γを回転させるように、第1〜第3の駆動部4A〜6Aを制御する。上述したように、本実施例では頭部から鼠蹊部までを順に撮影するが、鼠蹊部から造影剤注入用のカテーテルを挿入する場合には、鼠蹊部から頭部までを順に撮影するので、例えば、図2(f)〜(e)〜(d)に示すような順で、C型保持部材3のC型アーム8は水平面内に移動しながら撮影を行う。また、(左)上腕部から造影剤注入用のカテーテルを挿入する場合には、例えば図2(b)〜(e)〜(d)に示すような順で、C型保持部材3のC型アーム8は水平面内に移動しながら撮影を行う。
【0052】
なお、回転軸7a周りに第3の基台部6に対してC型保持部材3の保持台7を回転させながら、つまりC型アーム8,X線管9,およびX線検出器10ごと保持台7を被検体Mの体軸の軸心周りに回転させながら、撮影を行ってもよいし、軸8aの軸心周りに保持台7に沿ってC型アーム8を回転させながら、撮影を行ってもよい。これらの回転または水平面内の移動による撮影については、回転または水平面内の移動のいずれか一方による撮影を行った後に、他方による撮影を行ってもよいし、回転および水平面内の移動を同時に行いながら撮影を行ってよい。これらの移動による撮影の組み合わせについては特に限定されない。また、移動後に撮影を行ってもよい。
【0053】
(ステップS4)挿入角度の変更
頭部から鼠蹊部へと順に撮影した際に、挿入角度φが0°に保った状態で、C型保持部材3のC型アーム8が、被検体Mの鼠蹊部側の撮影を行うことができなくなった場合には、すなわち、基台部材2およびC型保持部材3に天板1や被検体Mが干渉する恐れがでた場合(図2(c),(f),(i)では、基台部材2の第3の基台部6aに天板1が衝突する恐れがでた場合)には、挿入角度φを変更して天板1を被検体Mの頭部側に移動させた後に、被検体Mの鼠蹊部側の撮影を行う。
【0054】
挿入角度φを変更するには、様々な方法があるが、例えば、X線管9とX線検出器10とを結ぶ軸線11を被検体Mに固定させた状態で挿入角度φを変更する。そのときの動作態様を図5に示す。C型保持部材3のC型アーム8は、図5(a)〜(b)〜(c)に示すような順で、水平面内に移動して、挿入角度φを変更する。なお、図2(f)の動作態様と、図5(a)の動作態様とは同じであるとするともに、図6(d)の動作態様と、図5(c)の動作態様とは同じであるとする。
【0055】
挿入角度φを一定に保たせる場合には、上記(6)〜(8)式で、挿入角度φが一定になるようにα,β,γを回転させたが、軸線11を被検体Mに固定させた状態で挿入角度φを変更する場合には、上記(6)〜(8)式で、x=y=一定値を代入してα,β,γを回転させるように、第1〜第3の駆動部4A〜6Aを制御する。
【0056】
なお、軸線11を被検体Mの体軸方向(x軸方向)のみ固定させた状態で、挿入角度φを変更してもよいし、被検体Mの体軸に対して水平面で垂直方向(y軸方向)のみ固定させた状態で、挿入角度φを変更してもよいし、軸線11を被検体Mに固定させずに挿入角度φを変更してもよい。上述したように、軸線11は被検体Mに固定される必要はないが、例えばカテーテルの先端を追いかけながら透視撮影する点において、被検体Mから軸線11が外れない程度に、すなわちX線検出器10が検出することができる範囲(映し出されるモニタの範囲)から被検体Mの部位が逸脱しない程度に、挿入角度φを変更するように第1〜第3の駆動部4A〜6Aを制御するのが好ましい。
【0057】
挿入角度φを変更することで、基台部材2およびC型保持部材3に天板1や被検体Mが干渉しない位置にまで、C型保持部材3のC型アーム8が移動した時点(図5(c)では、基台部材2の第3の基台部6aに天板1が衝突する恐れがないところまで移動した時点)で、鼠蹊部側のX線撮影を開始する。なお、本実施例では、天板1を移動させなかったが、挿入角度φの変更と同時に天板1の移動を行ってもよいし、挿入角度φの変更後に天板1の移動を行ってもよいし、天板1の移動後に挿入角度φの変更を行ってもよい。
【0058】
(ステップS5)X線撮影
C型保持部材3が、例えば図5(c)(すなわち、図6(d))に示すような位置にまで移動した後に、C型保持部材3の移動を停止させて、X線撮影を再開する。
【0059】
撮影角度φの角度がステップS3で相違する点以外には、ステップS3と同様の撮影を行う。すなわち、挿入角度φが一定に保った状態でX線撮影を行う。具体的には、上記(6)〜(8)式で、挿入角度φが一定になるようにα,β,γを回転させるように、第1〜第3の駆動部4A〜6Aを制御する。
【0060】
(ステップS6)天板の移動
一連のX線撮影が終了すると、基台部材2およびC型保持部材3に干渉しない位置にまで待避させるように、被検体Mを天板1に載置した状態で天板1を移動させる。ステップS1と同様に、図7(a),(b)、あるいは所定の姿勢で定まる角度α,β,γをとるように回転の制御を行うことで、C型保持部材3を待避させることもできる。
【0061】
(ステップS7)天板からの被検体の降ろし
上記待避位置にまで天板1を移動させると、天板1から被検体Mを降ろす。
【0062】
上述したステップS1〜S7に係る、天板1への被検体Mの乗降を含んだ一連の制御方法によれば、ステップS3,S5において、挿入角度φ(ステップS3では0°)が一定に保った状態で、C型保持部材3が移動しながら被検体MのX線撮影がそれぞれ行われるので、各々のステップS3,S5内で、C型保持部材3の機械的な回転角度が、例えば被検体Mの体軸に対するX線管9やX線検出器10の角度がそれぞれ変化することはない。従って、被検体Mの体軸に対するX線管9やX線検出器10が撮影ごとに変化した角度分の補正を行うための複雑な制御を行う必要はない。もちろん、ステップS3とS5との間では、ステップS4において挿入角度φが変更されており、各々の挿入角度φが異なるので、ステップS3・S5間では上記角度分の補正を行う。
【0063】
また、基台部材2およびC型保持部材3に天板1や被検体Mが干渉しないように、ステップS3とS5との間では、ステップS4において挿入角度φを変更しているので、基台部材2およびC型保持部材3に関して、少ない動作範囲で被検体全体を撮影することができる。同じくステップS4において、軸線11を被検体Mに固定するようにして挿入角度φを変更しているので、軸線11が被検体Mに固定されたまま挿入角度φの変更が行われる。このステップS4の間に被検体Mから軸線11が外れることはない。従って、例えばカテーテルを挿入した状態でカテーテルの先端を追いかけながら撮影(透視)を行う場合においても、挿入角度φを変更しながらカテーテルに対して軸線11を固定することができる。
【0064】
また、本実施例装置によれば、第1〜第3の基台部4〜7に、鉛直軸心周りに回転する回転軸4a〜6aをそれぞれ有し、挿入角度φが一定に保った状態で、C型保持部材3が移動しながら被検体Mの撮影を行うように、制御部12が第1〜第3の駆動部4A〜6Aをそれぞれ制御しているので、例えば、鉛直軸心周りにそれぞれ回転する2軸のみ有する装置のように、被検体Mの体軸に対するX線管9やX線検出器10が撮影ごとに変化した角度分の補正を行うための複雑な制御を行うことなく、X線管9・X線検出器10の位置で決まる撮影領域について、容易に移動させることができる。また、鉛直軸心周りに回転する1軸の回転軸のみ有する装置のように、C型保持部材3,X線管9,X線検出器10などを移動させる軌跡が限られることなく、任意の方向に移動させることができる。
【0065】
また、αとβとγとの和であるα+β+γがφとなり、このφが挿入角度となる。ステップS3とS5とでは、φが一定の状態に保った状態であるので、上記(6)〜(8)式を満たしながらα,β,γをそれぞれ回転させるように、第1〜第3の駆動部4A〜6Aをそれぞれ制御することで、挿入角度φが一定に保った状態で、C型保持部材3が移動しながら被検体Mの撮影を行うことができる。また、ステップS4では、xおよびyがともに一定の状態に保った状態であるので、上記(6)〜(8)式を満たしながらα,β,γをそれぞれ回転させるように、第1〜第3の駆動部4A〜6Aをそれぞれ制御することで、挿入角度φを変更しながら軸線11を被検体Mから動かさずに撮影を行うことができる。
【0066】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0067】
(1)上述した本実施例装置では、デジタルサブストラクション・アンギオグラフィ装置であったが、本発明は、他のX線撮影装置、例えばX線CT装置にも適用することができる。特に、被検体の体軸の軸心周りに回転させながら撮影を行う装置に本発明は有用である。
【0068】
(2)上述した本実施例装置では、第1の基台部4の回転軸4aは床面に固定されていたが、例えば、図8に示すように、回転軸4aが天井面に固定されていてもよい。
【0069】
(3)上述した本実施例では、ステップS3,S5でのX線撮影、あるいはステップS4での挿入角度の変更の間、上述したように天板を移動させなかったが、被検体の安全を鑑みた範囲において天板の移動を行ってもよい。この場合、X線撮影を被検体のより広い範囲に行うことができる。なお、基台部材2およびC型保持部材3に天板1や被検体Mが干渉(衝突)せずに、天板1を最大限に移動させることができる挿入角度φをとれば、撮影領域をより広い範囲にとることができる。
【0070】
(4)上述した本実施例では、ステップS4での挿入角度の変更の際に、軸線11を被検体に固定させたが、上述したように被検体から軸線11が外れない程度に挿入角度を変更してもよい。例えば、被検体の体軸方向(x軸方向)のみ固定させた状態で、挿入角度を変更してもよいし、被検体の体軸に対して水平面で垂直方向(y軸方向)のみ固定させた状態で、挿入角度を変更してもよい。前者の場合には、y軸方向に沿って挿入角度の変更が行われ、後者の場合には、x方向に沿って挿入角度の変更が行われる。
【0071】
(5)上述した本実施例では、ステップS4で挿入角度を変更したが、挿入角度を変更せずに、一連の撮影の間、挿入角度を一貫して一定にしてもよい。
【0072】
同様に、本実施例装置では、挿入角度を一定に保つ機能を備えるとともに、X線管とX線検出器とを結ぶ軸線を被検体に対して動かさずに挿入角度を変更可能にする機能をも備えていたが、挿入角度を一定に保つ機能、または上記軸線を被検体に対して動かさずに挿入角度を変更可能にする機能のいずれか1つのみを備えていてもよい。
【0073】
(6)上述した本実施例では、本発明における保持部材として、C型アーム8を備えたC型保持部材3を用いたが、X線管とX線検出器とを保持する部材であれば、特に限定されない。
【0074】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、第1〜第3の基台部を鉛直軸心周りにそれぞれ回転させ、挿入角度が一定に保った状態で、第3の基台部に連結された保持部材を移動させるように、制御手段が駆動手段を制御(請求項1に記載の発明)しているので、X線管・X線検出器の位置で決まる撮影領域について、任意の方向に容易に移動させることができる。また、挿入角度が一定に保った状態で、保持部材を移動させるように、駆動手段を制御する機能の他に、第1〜第3の基台部を鉛直軸心周りにそれぞれ回転させ、X線管とX線検出器とを結ぶ軸線を動かさずに、挿入角度を変更するように、制御手段が駆動手段を制御する機能をも備え(請求項2に記載の発明)ているので、撮影を容易に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るX線撮影装置の概略構成を示した側面図である。
【図2】(a)〜(i)は、本実施例装置における動作態様の一例を示した平面図である。
【図3】挿入角度が一定に保った状態でC型保持部材が移動しながら被検体の撮影を行う具体的な手法の説明に供する平面図である。
【図4】天板への被検体の乗降を含んだ一連の制御方法を示すフローチャートである。
【図5】(a)〜(c)は、挿入角度を変更する動作態様の一例を示した平面図である。
【図6】(a)〜(i)は、本実施例装置における動作態様の一例を示した平面図である。
【図7】(a)〜(b)は、本実施例装置に係るC型保持部材の待避態様の一例を示した平面図である。
【図8】変形例に係るX線撮影装置の概略構成を示した側面図である。
【図9】1軸の回転軸を有するX線撮影装置の概略構成を示した側面図である。
【図10】2軸の回転軸を有するX線撮影装置の概略構成を示した側面図である。
【図11】(a)〜(e)は、2軸の回転軸を有するX線撮影装置における動作態様の一例を示した平面図である。
【符号の説明】
2 … 基台部材
3 … C型保持部材
4 … 第1の基台部
5 … 第2の基台部
6 … 第3の基台部
4a,5a,6a … 回転軸
4A … 第1の駆動部
5A … 第2の駆動部
6A … 第3の駆動部
8 … C型アーム
9 … X線管
10 … X線検出器
11 … 軸線
12 … 制御部
φ … 挿入角度
M … 被検体
Claims (2)
- X線を被検体に照射するX線管と、前記被検体に照射されたX線を検出するX線検出器と、前記X線管およびX線検出器を保持する保持部材と、第1の基台部,第2の基台部,および前記保持部材を連結する第3の基台部から構成される基台部材と、前記基台部材に配設される駆動手段と、前記駆動手段を制御する制御手段とを備えているX線撮影装置であって、前記駆動手段は、水平面に対して前記第1の基台部を鉛直軸心周りに、第1の基台部に対して前記第2の基台部を鉛直軸心周りに、第2の基台部に対して前記第3の基台部を鉛直軸心周りにそれぞれ回転させ、前記制御手段は、平面視した場合に前記被検体の体軸と前記保持部材の水平軸とがなす角度である挿入角度が一定に保った状態で、保持部材を移動させるように、駆動手段を制御することを特徴とするX線撮影装置。
- 請求項1に記載のX線撮影装置において、前記制御手段は、前記挿入角度が一定に保った状態で、前記保持部材を移動させるように、前記駆動手段を制御する機能の他に、前記X線管と前記X線検出器とを結ぶ軸線を動かさずに、前記挿入角度を変更するように、前記駆動手段を制御する機能をも備えたことを特徴とするX線撮影装置。
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