JP3959013B2 - 電池装置および作業機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池を備えた電池装置およびこれを備えた作業機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ショベルは、自走可能な下部走行体に対して上部旋回体が旋回可能に取り付けられており、この上部旋回体上にはエンジンなどを収容したボディが設けられている。
【0003】
また、ボディの前部にて、油圧アクチュエータにより作動可能なフロント作業装置が上部旋回体に取り付けられており、ボディ内には、エンジン、および、作動油を吐出する油圧ポンプなどが収容されている。
【0004】
さらに、ボディ内には、エンジンのスタータモータ、コントローラ、各種センサ、油圧ショベルの計器、あるいはライトなどの電装部へと電力を供給するバッテリが取り付けられている。
【0005】
そして、このバッテリをバッテリ支持台上に載置し、このバッテリの上面全体を被覆するカバーをこのバッテリの上側から取り付け、かつこのカバーをボルトおよび蝶ナットによりバッテリ支持台に着脱可能に固定した構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
また、ボディ内における開閉可能なバッテリカバーを備えたバッテリ室内にL字金具を配設し、上記バッテリの下端部の両角部をこれらL字金具で支持し、かつこれらL字金具の上端部間に開閉可能なロック金具を取り付けた構成も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−8613号公報(第3頁、図1)
【0008】
【特許文献2】
実開平6−83507号公報(第2頁、図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献1に記載された油圧ショベルでは、蝶ナットを弛めてカバーを取り外さないとバッテリが露出しないので、バッテリの日常点検が容易でないという問題点を有している。
【0010】
また、上述の特許文献2に記載された油圧ショベルでは、バッテリカバーに鍵部を設けないと、バッテリ室内に収容されたバッテリを簡単に取り外しでき、盗難などにあうおそれがあるという問題点も有している。
【0011】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、電池を容易に日常点検でき、かつ電池の簡単な取り外しを防止できる電池装置およびこれを備えた作業機械を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、開口部を備えたフレームと、フレームの開口部の内側に着脱可能に配設され、電装部に電力を供給する電池と、フレームの開口部に固定部材により着脱可能に設けられ、電池の一部を係止可能に被覆してフレームの開口部の一部を閉塞する被覆部材と、フレームの開口部に開閉自在に設けられ、閉じ状態で被覆部材に係止されてフレームの開口部を閉塞する開閉部材とを具備した電池装置であり、フレームの開口部の内側に着脱可能に配設された電池の一部を係止可能に被覆してフレームの開口部の一部を閉塞する被覆部材をフレームの開口部に固定部材で着脱可能に設け、閉じ状態で被覆部材に係止されてフレームの開口部を閉塞する開閉部材をフレームの開口部に開閉自在に設けることにより、開閉部材を開閉させることで開口部の一部から電池を容易に日常点検でき、かつ固定部材を取り外して被覆部材を取り外さなければ開口部が全て開かないので、電池の簡単な取り外しを防止できる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電池装置において、開閉部材が、開閉部材の閉じ状態での可動操作により少なくとも一部が被覆部材に係合して開閉部材を被覆部材に係止させる係合操作部を備えた電池装置であり、開閉部材を閉じた状態で係合操作部の可動操作により開閉部材が被覆部材に係止されるので、開閉部材を容易に開閉できる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の電池装置において、被覆部材が、電池の端子を被覆する裏板部を備えた電池装置であり、被覆部材に設けた裏板部で電池の端子を被覆することにより、開閉部材を開けただけでは電池の端子に触れることができないので、電池の端子に作業者などが誤って触れることを防止できるとともに、例えば電池の端子に接続された電線などを裏板部の内側に閉じ込めるので、開閉部材を開閉する際にこれら電線などが損傷することを防止できる。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3いずれか一に記載の電池装置を備えた機械本体と、機械本体に作動可能に設けられた作業装置とを具備した作業機械であり、請求項1ないし3いずれか一に記載の電池装置を機械本体に設けることにより、電池を容易に日常点検できるとともに、電池の簡単な取り外しを防止して例えば盗難などに合うことを抑制できるなど、使い勝手を向上できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1乃至図5に示された実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図5は、作業機械としての油圧ショベル1を示し、自走可能な下部走行体2上に上部旋回体3が旋回可能に設けられている。また、上部旋回体3上には、ボディ4が設けられており、これら下部走行体2、上部旋回体3およびボディ4により機械本体5が構成されている。
【0018】
また、上部旋回体3の前側には、突出可能な掘削用の作業装置としてのフロント作業装置6が作動可能に設けられている。
【0019】
一方、ボディ4の後側には、上部旋回体3の上側面よりも上方に向けて突出した動力装置収容部11が設けられている。この動力装置収容部11は、図1乃至図3に示すように、この動力装置収容部11の枠部となるフレームとしての座席用フレーム12を備えている。この座席用フレーム12は、略矩形環状の枠体13を備えており、この枠体13の各角部には、板状の脚部14の長手方向を互いに平行にした状態で、これら脚部14それぞれの長手方向における一端部が一体的に接続されている。ここで、前方に位置する一対の脚部14間の幅寸法は、後方に位置する一対の脚部14間の幅寸法よりも大きく形成されている。
【0020】
また、この座席用フレーム12は、上部旋回体3上の後方においてこの上部旋回体3上に下端部が接続されて上端部が上方に向けて突出した細長棒状の支持体としての一対の支持フレーム15を備えている。この支持フレーム15は、座席用フレーム12の後方に位置する一対の脚部14を構成する。
【0021】
さらに、この支持フレーム15には、略L字状の一対の縁フレーム16間が板状の図示しない梁フレームにより平行に連結されて構成された取付フレーム21が取り付けられている。
【0022】
ここで、この取付フレーム21における一対の縁フレーム16は、座席用フレーム12の前方に位置する一対の脚部14と、これら一対の脚部14を座席用フレーム12の後方に位置する一対の脚部14に連結させる枠体13の両側とを構成している。また、梁フレームは、座席用フレーム12の前側に位置する一対の脚部14間を連結させる枠体13の前側とこの枠体13の後側とを構成している。したがって、これら縁フレーム16および梁フレームにて構成された取付フレーム21は、座席用フレーム12の前方に位置する一対の脚部14と、これら一対の脚部14の上端部に連結された枠体13とを構成している。
【0023】
さらに、この取付フレーム21の縁フレーム16における枠体13の両側部および後側の外側面には、細長平板状の当接片部22が形成されている。この当接片部22は、枠体13の両側部から後部に亘って湾曲して連続した略U字状に形成されている。
【0024】
そして、取付フレーム21は、一対の縁フレーム16それぞれの鉛直下方に位置する前側の脚部14の下端部である一端部23が、上部旋回体3上の中央部近傍から上方へと突出して取り付けられたフレーム接続部としてのフレーム取付台24にボルト締めにて着脱可能に取り付けられて連結されている。
【0025】
またさらに、この取付フレーム21の一対の縁フレーム16それぞれの水平方向における後方に位置する枠体の後側である他端部25の下側面は、支持フレーム15の鉛直上方に位置する後側の脚部の上端部26にボルト締めにて着脱可能に取り付けられて連結されている。
【0026】
また、取付フレーム21および支持フレーム15にて形成される空間31には、上部旋回体3内に下側略半分程度が収容されたエンジン32の上側略半分程度が収容されて、これら取付フレーム21および支持フレーム15にて覆われている。
【0027】
さらに、エンジン32には、図2に示すように、このエンジン32にて駆動される流体圧ポンプとしての油圧ポンプであるメインポンプ33が取り付けられている。また、このメインポンプ33には、流体圧ポンプとしての油圧ポンプである図示しないパイロットポンプが内蔵されている。したがって、このメインポンプ33もまた、取付フレーム21および支持フレーム15にて形成される空間31に収容されている。
【0028】
またさらに、エンジン32の上方には、図4に示すように、略円筒状のエアフィルタ34が図示しない接続管を介して取り付けられている。
【0029】
そして、座席用フレーム12および支持フレーム15にて形成される空間31には、図1乃至図4に示すように、メインポンプ33にて給排、すなわち循環される作動油とパイロットポンプにて循環されるパイロット油とのそれぞれを貯溜する作動流体タンクとしての作動油タンク41が収容されている。この作動油タンク41は、上部旋回体3上であるエンジン32の左側に取り付けられている。
【0030】
また、この作動油タンク41の前側下方には、凹状に窪んだ収容凹部42が設けられている。この収容凹部42は、作動油タンク41の前方および下方に向けて開口しており、この収容凹部42内には、エンジン32に取り付けられたメインポンプ33が嵌合されて収容されている。
【0031】
また、作動油タンク41の収容凹部42の下側には、図2および図3に示すように、細板状の下側タンク取付ブラケット47が溶接されて取り付けられており、この下側タンク取付ブラケット47は、下端部が上部旋回体3の上側面の一部にボルト締めにて固定されて作動油タンク41の下側が上部旋回体3上に固定されている。
【0032】
また、作動油タンク41の前側面の若干下寄り、かつ作動油タンク41の前側面から前方へと水平に突出された戻し管48の上方の位置には、板状のタンク取付ブラケット51が溶接されている。このタンク取付ブラケット51は、図2に示すように、作動油タンク41の前側面に沿って取り付けられた取付基端部52を備えており、この取付基端部52の先端側には、この取付基端部52からL字状に屈曲されて水平方向に突出し戻し管48の先端部よりも前方まで延在した支持部53が一体に設けられている。
【0033】
さらに、支持部53の先端側には、戻し管48の先端部と縁フレーム16との間で鉛直下方向へと屈曲され戻し管48よりも下側の位置まで延在した屈曲部54が一体に設けられており、この屈曲部54の先端側には、ボディ4の前方へと屈曲されフレーム取付台24の後部に設けられた後方取付台55に取り付けられた取付部56が一体に設けられている。すなわち、タンク取付ブラケット51は、戻し管48の上方および前方に沿って側面視でクランク状に屈曲されており、戻し管48を避けるように設けられている。
【0034】
したがって、作動油タンク41の前側は、タンク取付ブラケット51により上部旋回体3上に固定されている。
【0035】
また、タンク取付ブラケット51には、屈曲部54の前側面にリブ板状の一対の前側支持部61がそれぞれ溶接されている。これら前側支持部61は、屈曲部54の前側面に沿って溶接された前側溶接部62の先端側からボディ4の前方へとL字状に屈曲されて脚部14の幅方向の中心域まで前方へと延在してそれぞれ設けられている。
【0036】
さらに、座席用フレーム12の枠体13の前部と前側の一対の脚部14とで形成される前方には、図1乃至図3に示すように、開口部としての前方開口部63が設けられている。この前方開口部63は、下端部がタンク取付ブラケット51の支持部53の上面と略面一となっており、上端部が枠体13の前側から上側に亘って切り欠き形成されている。すなわち、前方開口部63の縁部は略L字状に形成されている。
【0037】
そして、この前方開口部63の内側であるタンク取付ブラケット51の支持部53の上方には、電池空間部としてのバッテリスペース64が形成されており、このバッテリスペース64内には、タンク取付ブラケット51の支持部53上の前側寄りから前側支持部61上に亘って、エンジン32のスタータモータ、コントローラ、各種センサ、油圧ショベル1の計器、あるいはライトなどの電装部へと電力を供給させる電池としてのバッテリ65が載置されている。
【0038】
このバッテリ65は、図2および図3に示すように、ボディ4の幅方向に幅方向を有した略矩形状に形成されており、座席用フレーム12の内部、すなわち取付フレーム21および支持フレーム15にて形成される空間31のバッテリスペース64内に着脱可能に収容されている。このバッテリ65により、エンジン32が始動されるとともに、このバッテリ65は、エンジン32により駆動された図示しない発電機により充電される。
【0039】
また、バッテリ65の上側には、枠体13の下側面の近傍まで鉛直上方向に突出した一対の略円柱状の端子66がバッテリ65の幅方向に離間されて設けられている。この端子66には、先端側が電装部へと電気的に接続された電線としての図示しないケーブルの基端側が電気的に接続されている。
【0040】
またさらに、バッテリ65は、図2に示すように、前側面が前側支持部61の前端部と略面一に位置して載置されており、このバッテリ65の上側は、作動油タンク41の上側と略面一に位置している。
【0041】
さらに、タンク取付ブラケット51には、バッテリ65の下側の側部である後側面の位置、かつボディ4の幅方向における前側支持部61の位置に対応して支持部53の上側面にリブ板状の一対の当接部71が溶接されて一体に設けられている。これら当接部71は、バッテリ65の幅方向に互いに離間されて支持部53の上側面に溶接された各溶接部72から支持部53に対して略垂直にL字状にそれぞれ屈曲されている。
【0042】
また、これら当接部71の上端部は、タンク取付ブラケット51の取付基端部52の上端部と略面一となる位置まで延在して設けられている。さらに、バッテリ65をタンク取付ブラケット51上に載置した際に、これら当接部71がバッテリ65の後側面にそれぞれ当接してこのバッテリ65の後側面を支持する。
【0043】
そして、バッテリ65の上部前側には、上側支持部材としての上側支持ブラケット73が固定部材としての線材である一対のボルト74によりタンク取付ブラケット51の支持部53に取り付けられている。
【0044】
ここで、上側支持ブラケット73は、タンク取付ブラケット51の当接部71に対したバッテリ65の上部の反対側であるバッテリ65の側部としての上側面前側から、バッテリ65の上部としての前側面上側に亘ってL字状に屈曲されている。
【0045】
また、この上側支持ブラケット73は、バッテリ65の幅方向に長手方向を有し、バッテリ65の幅寸法よりも大きい長手寸法に形成されている。すなわち、上側支持ブラケット73は、図1および図3に示すように、バッテリ65の上側に取り付けた状態でバッテリ65の幅方向にバッテリ65よりもそれぞれ突出している。
【0046】
さらに、上側支持ブラケット73は、バッテリ65の一対の端子66に対応した位置が円弧状に切り欠き形成されている。
【0047】
そして、一対のボルト74は、図2に示すように、上側支持ブラケット73の屈曲された部分における長手方向の両端部に設けられた図示しない貫通孔にそれぞれ挿通されており、タンク取付ブラケット51の当接部71に向かって上側から下側に亘って略対角線状に延在している。すなわち、一対のボルト74は、側面視でそれぞれバッテリ65の前側上部の角から後側下部の角近傍へと、ボディ4の後方に向かって下方向に傾斜してバッテリ65の側方に設けられている。
【0048】
さらに、各ボルト74の一端側である下側には、図1および図2に示すように、タンク取付ブラケット51の支持部53における当接部71の近傍であるこの当接部71の側方前側に設けられた細長円形状の取付孔75にそれぞれ挿通され、これら取付孔75の下側でボディ4の前側へと鋭角状に屈曲された折返部76が設けられている。そして、ボルト74の他端側である上側は、図2および図3に示すように、ナット77により上側支持ブラケット73に着脱可能にそれぞれ取り付けられている。
【0049】
この結果、上側支持ブラケット73はボルト74によりタンク取付ブラケット51の支持部53に固定されてバッテリ65の上部および前部に当接しており、これら上側支持ブラケット73およびタンク取付ブラケット51の当接部71により、バッテリ65の上下方向及び前後方向を挟持して支持している。
【0050】
またさらに、作動油タンク41の前側面には、図2に示すように、接続部材としての板状の接続リブ81が2箇所に溶接されており、これら接続リブ81の屈曲された先端側には、板状の背面ブラケット82が図示しないボルトなどを介して取り付けられている。
【0051】
この背面ブラケット82は、バッテリ65の後側面全体に対向して配設されており、エンジン32側の端部がバッテリ65のエンジン32側の側面部に沿って前方にL字状に屈曲されている。
【0052】
そして、縁フレーム16におけるバッテリ65の側方には、一対の貫通孔83が設けられており、板状の図示しない側面被覆ブラケットをこれら貫通孔83にボルト締め付けして着脱可能に取り付けることにより、バッテリ65の側面全体を被覆している。
【0053】
さらに、前方開口部63の上端部には、図1乃至図3に示すように、被覆部材としての被覆ブラケット84が、固定部材としてのボルト85にて着脱可能に取り付けられている。この被覆ブラケット84は、前方開口部63の幅寸法よりも大きい長手寸法を有しており、側面視で略L字状に形成されている。そして、この被覆ブラケット84は、前方開口部63の上端部から前側に亘って前方開口部63の一部である上部全体を閉塞している。
【0054】
また、ボルト85は、被覆ブラケット84の前側下部の長手方向の両端部に設けられた図示しない貫通孔に挿通されて、前方開口部63の縁部を形成する脚部14に締め付けられて被覆ブラケット84を前方開口部63の上部に着脱可能に固定している。
【0055】
またさらに、被覆ブラケット84の裏側である後側の下部には、平板状の裏板部91が鉛直下方向に突出されて溶接されている。この裏板部91は、前方開口部63の幅寸法よりも若干小さい寸法を有しており、下端部が上側支持ブラケット73の上端面よりも若干上側に位置している。したがって、バッテリ65の端子66は、裏板部91により係止可能に被覆されており、バッテリ65の前側面のみが被覆ブラケット84により被覆されていない前方開口部63の一部から前方に露出している。
【0056】
そして、裏板部91の下端部における長手方向の中心域には、図1および図3に示すように、凸方向を上方向に向けた半円状の切欠部92が切り欠き形成されている。この切欠部92は、正面視で被覆ブラケット84の下端部よりも若干上側まで切り欠き形成されている。
【0057】
また、被覆ブラケット84の後側、かつ裏板部91の切欠部92の上方には、図2および図3に示すように、リブ板状の係合リブ93が溶接されて設けられている。この係合リブ93は、裏板部91の切欠部92の切り欠き幅寸法よりも小さい幅寸法を有している。
【0058】
さらに、この係合リブ93は、図2に示すように、被覆ブラケット84に溶接された溶接部94を備えており、この溶接部94の先端側には、裏板部91の切欠部92の直上部で溶接部94から後方に略L字状に屈曲して水平に突出された突出部95が一体に形成されている。
【0059】
またさらに、この突出部95の先端側である後部には、鉛直下方向に略L字状に屈曲された係合部96が一体に設けられている。したがって、係合リブ93は、側面視で後方に突出したクランク状に形成されている。また、係合部96は、正面視で裏板部91の切欠部92の上端部よりも若干下側に位置し、被覆ブラケット84よりも下側に突出されている。
【0060】
そして、前方開口部63には、図1乃至図3に示すように、開閉部材としてのカバー体、すなわちアクセスカバーである矩形平板状のバッテリカバー101が、このバッテリカバー101の幅方向に互いに離間されこのバッテリカバー101の下端部に取り付けられた一対のヒンジ体102により開閉自在に取り付けられている。
【0061】
このバッテリカバー101は、図3に示すように、被覆ブラケット84の長手寸法と略等しい幅寸法を有しており、高さ寸法が被覆ブラケット84の下端部から前方開口部63の下端部までの寸法よりも大きく形成されている。したがって、バッテリカバー101は、閉じ状態で上端部、すなわちヒンジ体102と反対側の端部が被覆ブラケット84の裏板部91に当接して、被覆ブラケット84とで前方開口部63全体を閉塞するとともに、バッテリカバー101を開けた状態でバッテリカバー101の前側面が前方開口部63の一部から露出する。
【0062】
さらに、バッテリカバー101の上端部における幅方向の中心域には、図1乃至図3に示すように、係合操作部としての操作部103がバッテリカバー101の面方向に対して平行に回動可能に取り付けられている。
【0063】
この操作部103は、バッテリカバー101の外側面である前側面に円形状の基端部104を備え、この基端部104には、バッテリカバー101の面方向に垂直な方向に向かって幅寸法が小さくなるように形成された略矩形状の操作つまみ105が一体に設けられている。
【0064】
また、操作つまみ105の基端部104と反対側、すなわち後側の端部は、バッテリカバー101に設けられた図示しない貫通孔に挿通されており、バッテリカバー101の後面にて六角ナット106で抜け止めされている。またさらに、操作つまみ105の後端部には、操作つまみ105の径方向に突出した板状の係合突部107が設けられている。
【0065】
したがって、バッテリカバー101の閉じ状態で操作部103の操作つまみ105を可動操作、すなわち回動させることにより、操作つまみ105の後端部の係合突部107が操作つまみ105とともに回動し、係合リブ93の係合部96に係合させることでバッテリカバー101が被覆ブラケット84の裏板部91に係止されてバッテリカバー101が前方開口部63を閉塞する。
【0066】
さらに、バッテリカバー101の縁フレーム16側の上側部には、図2に示すように、略矩形状の切欠側部111が、バッテリカバー101の上端部まで切り欠き形成されている。この切欠側部111により、縁フレーム16にバッテリカバー101側から取り付けられたボルト112とバッテリカバー101とが開閉の際に干渉しないようになっている
そして、上記座席用フレーム12、前方開口部63、被覆ブラケット84、ボルト85およびバッテリカバー101などにより、電池装置としてのバッテリ装置113が構成されている。
【0067】
次に、上記図1乃至図5に示された実施の形態の作用効果を説明する。
【0068】
座席用フレーム12の前方開口部63の内側にバッテリ65を着脱可能に配設し、このバッテリ65の端子66を係止可能に被覆して前方開口部63の上端部を閉塞する被覆ブラケット84を前方開口部63にボルト85で着脱可能に設け、閉じ状態で被覆ブラケット84に係止されて前方開口部63を閉塞するバッテリカバー101をヒンジ体102により前方開口部63に開閉自在に設ける。この結果、バッテリカバー101を開閉させることで前方開口部63の一部からバッテリ65の液面を容易に日常点検でき、かつボルト85を取り外して被覆ブラケット84を取り外さなければ前方開口部63が全て開かないので、バッテリ65の簡単な取り外しを防止でき、バッテリ65の盗難などを防止できる。
【0069】
また、バッテリカバー101を閉じた状態で操作部103の操作つまみ105を回動させることにより、操作部103の係合突部107が被覆ブラケット84の係合リブ93の係合部96に係合させるだけでバッテリカバー101が被覆ブラケット84に係止されるので、バッテリカバー101を容易に開閉できる。
【0070】
さらに、被覆ブラケット84に設けた裏板部91でバッテリ65の端子66を被覆したことにより、バッテリカバー101を開けただけでは作業者などがバッテリ65の端子66に触れることができず、被覆ブラケット84を取り外すためには工具が必要となるため、バッテリ65の端子66に作業者などが誤って触れることを防止できるとともに、バッテリカバー101を開閉する際に、例えばバッテリ65の端子66に接続されたケーブルなどを被覆し、これらケーブルなどが損傷することを防止できる。
【0071】
そして、バッテリカバー101の下端部をヒンジ体102により前方開口部63の下端部に取り付けたことにより、操作部103を操作して係合突部107と係合リブ93の係合部96との係合を外すだけでバッテリカバー101が自重で開くため、バッテリカバー101を容易に開閉できる。
【0072】
なお、上記一実施の形態において、被覆ブラケット84で前方開口部63の一部を閉塞し、バッテリカバー101を被覆ブラケット84に係止させることで前方開口部63全体を被覆できれば、被覆ブラケット84とバッテリカバー101の位置関係は上下方向に限定されない。
【0073】
また、操作部103は、例えばバッテリカバー101に対して摺動、すなわちスライドさせることで係止させるものなど、可動操作のみでバッテリカバー101を被覆ブラケット84に係止できるものであれば、回動だけでなく他の操作方法のものでもよい。
【0074】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、フレームの開口部の内側に着脱可能に配設された電池の一部を係止可能に被覆してフレームの開口部の一部を閉塞する被覆部材をフレームの開口部に固定部材で着脱可能に設け、閉じ状態で被覆部材に係止されてフレームの開口部を閉塞する開閉部材をフレームの開口部に開閉自在に設けることにより、開閉部材を開閉させることで開口部の一部から電池を容易に日常点検でき、かつ固定部材を取り外して被覆部材を取り外さなければ開口部が全て開かないので、電池の簡単な取り外しを防止できる。
【0075】
請求項2記載の発明によれば、開閉部材を閉じた状態で係合操作部の可動操作により開閉部材が被覆部材に係止されるので、開閉部材を容易に開閉できる。
【0076】
請求項3記載の発明によれば、被覆部材に設けた裏板部で電池の端子を被覆することにより、開閉部材を開けただけでは電池の端子に触れることができないので、電池の端子に作業者などが誤って触れることを防止できるとともに、例えば電池の端子に接続された電線などを裏板部の内側に閉じ込めるので、開閉部材を開閉する際にこれら電線などが損傷することを防止できる。
【0077】
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし3いずれか一に記載の電池装置を機械本体に設けることにより、電池を容易に日常点検できるとともに、電池の簡単な取り外しを防止して例えば盗難などに合うことを抑制できるなど、使い勝手を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る作業機械の一実施の形態の電池装置を示す斜視図である。
【図2】同上作業機械の電池装置を示す側面図である。
【図3】同上作業機械の電池装置を示す正面図である。
【図4】同上作業機械の一部を示す斜視図である。
【図5】同上作業機械を示す側面図である。
【符号の説明】
1 作業機械としての油圧ショベル
5 機械本体
6 作業装置としてのフロント作業装置
12 フレームとしての座席用フレーム
63 開口部としての前方開口部
65 電池としてのバッテリ
66 端子
84 被覆部材としての被覆ブラケット
85 固定部材としてのボルト
91 裏板部
101 開閉部材としてのバッテリカバー
103 係合操作部としての操作部
113 電池装置としてのバッテリ装置
Claims (4)
- 開口部を備えたフレームと、
フレームの開口部の内側に着脱可能に配設され、電装部に電力を供給する電池と、
フレームの開口部に固定部材により着脱可能に設けられ、電池の一部を係止可能に被覆してフレームの開口部の一部を閉塞する被覆部材と、
フレームの開口部に開閉自在に設けられ、閉じ状態で被覆部材に係止されてフレームの開口部を閉塞する開閉部材と
を具備したことを特徴とする電池装置。 - 開閉部材は、開閉部材の閉じ状態での可動操作により少なくとも一部が被覆部材に係合して開閉部材を被覆部材に係止させる係合操作部を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の電池装置。 - 被覆部材は、電池の端子を被覆する裏板部を備えた
ことを特徴とする請求項1または2記載の電池装置。 - 請求項1ないし3いずれか一に記載の電池装置を備えた機械本体と、
機械本体に作動可能に設けられた作業装置と
を具備したことを特徴とする作業機械。
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