JP4234972B2 - 作業機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池および作動流体タンクを備えた作業機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の作業機械としては、自走可能な下部走行体を備え、この下部走行体の上側に上部旋回体が旋回可能に設けられた油圧ショベルが知られている。
【0003】
さらに、上部旋回体の旋回フレームに設けられた上板および下板の間には、エンジンのスタータモータ、コントローラ、各種センサ、およびライトなどの電装部に電力を供給するバッテリなどが搭載されている。このバッテリは、上部旋回体の下板上に取り付けられたバッテリ載置板上に配設されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−64346号公報(第5−6頁、図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の油圧ショベルでは、バッテリを載置するためのバッテリ載置板などの専用の構造物が必要になるとともに、このバッテリ載置板などとともにバッテリを収容するためのスペースが必要となり、省スペース化することが容易でないという問題点を有している。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、電池の取り付け構造を簡略化でき、かつ省スペース化できる作業機械を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、内部に空間を有する機械本体と、流体圧アクチュエータにより作動可能な作業装置と、機械本体の空間内に位置し、流体圧アクチュエータに給排される作動流体を貯留した作動流体タンクと、この作動流体タンクを機械本体に固定するタンク支持部材と、電装部に電力を供給する電池とを具備し、タンク支持部材が、作動流体タンクに対して側方に延設されこの作動流体タンクに対して離隔され、かつ周囲全体に空間部を介する位置に電池を支持する支持部を備えている作業機械であり、流体圧アクチュエータに給排される作動流体を貯留した作動流体タンクを機械本体に固定するタンク支持部材の支持部上に、電装部に電力を供給する電池を作動流体タンクに対して離隔されかつ周囲に空間部を介する位置で支持することにより、タンク支持部材を作動流体タンクと電池との支持に共用できるとともに、例えば電池を配設する電池室などを別個に設ける場合と比較して電池の取り付け構造を簡略化でき、かつタンク支持部材上のスペースを有効利用したので電池室などを別個に設けるスペースを機械本体内に必要としないため省スペース化できる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の作業機械において、タンク支持部材は、電池の下側の側部に当接して支持する当接部を支持部上に備え、当接部に対し電池の上部の反対側の側部から上部に亘って配設され、電池の上部および側部に当接して電池の上部および側部を支持し、当接部との間で電池を挟持する上側支持部材を具備したものであり、電池の下側の側部に当接して電池の下側の側部を支持する当接部をタンク支持部材の支持部上に設け、電池の上部および側部に当接して電池の上部および側部を支持する上側支持部材を当接部に対し電池の上部の反対側の側部から上部に亘って配設することにより、当接部および上側支持部材で電池の対向する側部、上部および下部を挟持して固定できるため、例えばエンジンの震動などによる電池の動きを抑制できる。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の作業機械において、電池の側方に上側から下側に亘って略対角線状に設けられ、一端部がタンク支持部材の当接部近傍にて支持部に取り付けられ、他端部が上側支持部材に着脱可能に取り付けられて上側支持部材を着脱可能に固定する固定部材を具備したものであり、固定部材の一端部をタンク支持部材の当接部近傍にて支持部に取り付け、他端部を上側支持部材に着脱可能に取り付けて、電池の側方に略対角線上に設けられた固定部材で上側支持部材をタンク支持部材に固定することにより、例えば電池に対してエンジンの震動などで生じた力が作用した際に上側支持部材にかかる力を固定部材を介してタンク支持部材の当接部近傍で支持するため、当接部および上側支持部材で電池をより確実に挟持して固定できるとともに、固定部材の他端部を上側支持部材に着脱可能に取り付けることにより、上側支持部材を取り外して電池のメンテナンス、あるいは交換などを容易にできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1乃至図4に示された実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図4は、作業機械としての油圧ショベル1である。この油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2の上側に旋回部3を介して上部旋回体4が旋回可能に取り付けられている。また、上部旋回体4上には、ボディ5が設けられており、下部走行体2、旋回部3、上部旋回体4およびボディ5にて機械本体6が構成されている。
【0012】
さらに、上部旋回体4の前側に突出された突出部11の先端側には、スイングブラケット12が図示しない油圧シリンダであるブームスイングシリンダにより水平方向に揺動可能に軸支されている。
【0013】
そして、上部旋回体4の前側には、作業装置としてのフロント作業装置13が突出して設けられている。このフロント作業装置13は、ブーム14、アーム15およびバケット16をそれぞれ備えている。また、フロント作業装置13には、流体圧アクチュエータとしてのブームシリンダ21、アームシリンダ22およびバケットシリンダ23がそれぞれ設けられており、これらブームシリンダ21、アームシリンダ22およびバケットシリンダ23によりブーム14、アーム15およびバケット16をそれぞれ回動させる。
【0014】
一方、ボディ5の後側に設けられた図示しない動力装置収容部は、この動力装置収容部の枠部となる座席用フレーム32を備えている。この座席用フレーム32は、図1乃至図3に示すように、略矩形環状の枠体33および支持体としての一対の支持フレーム34を備えている。これら支持フレーム34は、座席用フレーム32の後方に位置する一対の脚部35を構成する。
【0015】
また、支持フレーム34には、一対の縁フレーム36を平行に連結して構成された取付フレーム41が取り付けられている。この取付フレーム41は、上部旋回体4上に突出して取り付けられたフレーム取付台44に脚部35の下端部が着脱可能に取り付けられて連結されている。
【0016】
さらに、取付フレーム41および支持フレーム34にて形成される空間51には、上部旋回体4内に下側略半分程度が収容されたエンジン52の上側略半分程度が収容されて、これら取付フレーム41および支持フレーム34にて覆われている。
【0017】
そして、エンジン52には、図1に示すように、このエンジン52にて駆動される流体圧ポンプとしての油圧ポンプであるメインポンプ53が取り付けられている。
【0018】
また、座席用フレーム32および支持フレーム34にて形成される空間51には、図1乃至図3に示すように、メインポンプ53にて給排、すなわち循環される作動油とメインポンプ53に内蔵された図示しないパイロットポンプにて循環されるパイロット油とのそれぞれを貯溜する作動流体タンクとしての作動油タンク61が収容されている。この作動油タンク61は、上部旋回体4上であるエンジン52の左側に取り付けられている。
【0019】
また、この作動油タンク61の前側下方には、凹状に窪んだ収容凹部62が設けられている。この収容凹部62は、作動油タンク61の前方および下方に向けて開口しており、この収容凹部62内には、エンジン52に取り付けられたメインポンプ53が嵌合されて収容されている。
【0020】
さらに、作動油タンク61の上側面の一部には、座席用フレーム32の外側に向けて下方向へと傾斜した斜面部63が設けられており、この斜面部63には、戻り流体としての戻り油を濾過する円筒状のリターンフィルタ64が作動油タンク61に傾斜状に挿通されて着脱可能に取り付けられている。
【0021】
そして、このリターンフィルタ64には、戻り油が流過する戻し管65の一端部が取り付けられており、この戻し管65の他端部は、作動油タンク61の前側面から前方へと突出している。
【0022】
またさらに、作動油タンク61の収容凹部62の下側には、図1および図2に示すように、下側タンク支持部材としての細板状の下側タンク取付ブラケット66が溶接されて取り付けられている。この下側タンク取付ブラケット66は、鉛直下方向に延在して設けられており、この下側タンク取付ブラケット66の下端部には、ボディ5の前方へとL字状に屈曲された下側屈曲部66aが一体に形成されている。そして、この下側屈曲部66aの下側面は、上部旋回体4の上側面の一部にボルト締めにて固定されており、作動油タンク61の下側が上部旋回体4上に固定されている。
【0023】
また、作動油タンク61の前側面の若干下寄り、かつ戻し管65の上方の位置には、タンク支持部材としての板状のタンク取付ブラケット67が溶接されている。このタンク取付ブラケット67は、作動油タンク61の幅寸法と略等しい幅寸法を有しており、作動油タンク61の前側面に沿って取り付けられた取付基端部68を備えている。
【0024】
またさらに、この取付基端部68の先端側には、図1に示すように、この取付基端部68からL字状に屈曲されて作動油タンク61の前側面に対して垂直方向、かつ水平方向に延在した支持部69が取付基端部68と一体に設けられている。この支持部69は、戻し管65の先端部よりも前方、かつ縁フレーム36近傍まで延在している。
【0025】
さらに、タンク取付ブラケット67の支持部69の先端側には、戻し管65の先端部と縁フレーム36との間で鉛直下方向へと屈曲された屈曲部71が支持部69と一体に設けられており、この屈曲部71は脚部35の下端部および戻し管65よりも下側の位置まで延在している。
【0026】
そして、この屈曲部71の先端側には、ボディ5の前方へと屈曲された取付部72が屈曲部71と一体に設けられている。すなわち、タンク取付ブラケット67は、戻し管65の上方および前方に沿って側面視でクランク状に屈曲されており、戻し管65を避けるように設けられている。また、取付部72は、フレーム取付台44から後方へと突出して設けられた後方取付台73にボルト締めにて着脱可能に取り付けられて連結されている。したがって、作動油タンク61の前側は、タンク取付ブラケット67により上部旋回体4上に固定されている。
【0027】
また、タンク取付ブラケット67には、屈曲部71の前側面にリブ板状の一対の前側支持部74がそれぞれ溶接されている。これら前側支持部74は、屈曲部71の前側面に沿って溶接された前側溶接部75の先端側からボディ5の前方へとL字状に屈曲されて設けられており、これら前側支持部74の上側面は、タンク取付ブラケット67の支持部69の上側面と略面一になっている。さらに、これら前側支持部74の先端側は、脚部35の幅方向の中心域まで前方へと延在してそれぞれ設けられている。
【0028】
そして、タンク取付ブラケット67の支持部69の上方には、電池空間部としてのバッテリスペース76が形成されており、このバッテリスペース76内である座席用フレーム32の縁フレーム36の内側には、タンク取付ブラケット67の支持部69上の前側寄りから前側支持部74上に亘って、エンジン52のスタータモータ、コントローラ、各種センサ、油圧ショベル1の計器、あるいはライトなどの電装部へと電力を供給させる電池としてのバッテリ77が載置されている。
【0029】
このバッテリ77は、図2に示すように、ボディ5の幅方向に長手方向を有した略矩形状に形成されており、座席用フレーム32の内部、すなわち取付フレーム41および支持フレーム34にて形成される空間51のバッテリスペース76内に取り外し可能に収容されている。このバッテリ77により、エンジン52が始動されるとともに、このバッテリ77は、エンジン52により駆動された図示しない発電機により充電される。
【0030】
また、バッテリ77は、図1に示すように、前側面が前側支持部74の前端部と略面一に位置して載置されており、このバッテリ77の上側は、作動油タンク61の上側と略面一に位置している。
【0031】
さらに、タンク取付ブラケット67には、図1および図2に示すように、バッテリ77の下側の側部である後側面の位置、かつボディ5の幅方向における前側支持部74の位置に対応して支持部69の上側面にリブ板状の一対の当接部81が溶接されて一体に設けられている。これら当接部81は、バッテリ77の幅方向に互いに離間されて支持部69の上側面に溶接された各溶接部82から支持部69に対して略垂直にL字状にそれぞれ屈曲されている。
【0032】
また、これら当接部81の上端部は、タンク取付ブラケット67の取付基端部68の上端部と略面一となる位置まで延在して設けられている。さらに、バッテリ77をタンク取付ブラケット67上に載置した際に、これら当接部81がバッテリ77の後側面にそれぞれ当接してこのバッテリ77の後側面を支持する。
【0033】
またさらに、バッテリ77の上部前側には、上側支持部材としての上側支持ブラケット83が固定部材としての線材である一対のボルト84およびナット85によりタンク取付ブラケット67の支持部69に取り付けられている。
【0034】
ここで、上側支持ブラケット83は、タンク取付ブラケット67の当接部81に対したバッテリ77の上部の反対側であるバッテリ77の側部としての上側面前側から、バッテリ77の上部としての前側面上側に亘ってL字状に屈曲されている。
【0035】
また、この上側支持ブラケット83は、バッテリ77の幅方向に長手方向を有し、バッテリ77の幅寸法よりも大きい長手寸法に形成されている。すなわち、上側支持ブラケット83は、図2および図3に示すように、バッテリ77の上側に取り付けた状態でバッテリ77の幅方向にバッテリ77よりもそれぞれ突出している。
【0036】
さらに、上側支持ブラケット83は、バッテリ77の上側に突出された略円柱状の一対の端子86に対応した位置が円弧状に切り欠き形成されている。
【0037】
また、一対のボルト84は、図3に示すように、上側支持ブラケット83の屈曲された部分における長手方向の両端部に設けられた図示しない貫通孔にそれぞれ挿通されており、タンク取付ブラケット67の当接部81に向かって上側から下側に亘って略対角線状に延在している。すなわち、一対のボルト84は、図1に示すように、側面視でそれぞれバッテリ77の前側上部の角から後側下部の角近傍へと、ボディ5の後方に向かって下方向に傾斜してバッテリ77の側方に設けられている。
【0038】
さらに、各ボルト84の一端側である下側には、図3に示すように、タンク取付ブラケット67の支持部69における当接部81の近傍であるこの当接部81の側方前側に設けられた細長円形状の取付孔87にそれぞれ挿通され、これら取付孔87の下側でボディ5の前側へと鋭角状に屈曲された折返部88が設けられている。そして、ボルト84の他端側である上側は、図1および図2に示すように、ナット85により上側支持ブラケット83に着脱可能にそれぞれ取り付けられている。
【0039】
この結果、上側支持ブラケット83はボルト84およびナット85によりタンク取付ブラケット67の支持部69に固定されてバッテリ77の上部および前部に当接しており、これら上側支持ブラケット83とタンク取付ブラケット67の当接部81との間で、バッテリ77の上下方向及び前後方向を挟持して支持している。
【0040】
またさらに、作動油タンク61の前側面には、接続部材としての板状の接続リブ91が2箇所に溶接されている。これら接続リブ91は、それぞれクランク状に屈曲されて形成されており、一方がタンク取付ブラケット67の上方に水平方向に対して傾斜して取り付けられており、他方が作動油タンク61の前側面の上部に鉛直方向に取り付けられている。そして、これら接続リブ91は、タンク取付ブラケット67の当接部81よりも後側に延在し、これら接続リブ91の屈曲された先端側には、板状の背面ブラケット92が図示しないボルトなどを介して取り付けられている。
【0041】
この背面ブラケット92は、バッテリ77の後側面全体に対向して配設されており、エンジン52側の端部がバッテリ77のエンジン52側の側面部に沿って前方にL字状に屈曲されている。
【0042】
そして、図1に示す縁フレーム36におけるバッテリ77の側方には、一対の貫通孔93が設けられており、板状の図示しない側面被覆ブラケットをこれら貫通孔93にボルト締め付けして着脱可能に取り付けることにより、バッテリ77の側面全体を被覆している。
【0043】
また、バッテリ77は、図2および図3に示すように、座席用フレーム32の枠体33の前部と前側の一対の脚部35とで形成される前方に位置する前方開口部94に前側面が臨んで収容されている。この前方開口部94は、下端部がタンク取付ブラケット67の支持部69の上面と略面一となっており、上端部がバッテリ77の枠体33の前側から上側に亘って切り欠き形成されている。
【0044】
さらに、前方開口部94の上端部には、被覆部材としての被覆ブラケット95がボルトなどにて着脱可能に取り付けられている。この被覆ブラケット95は、前方開口部94の上部全体を閉塞しており、下端部がバッテリ77の端子86の一部を平面視で被覆している。すなわち、この被覆ブラケット95により、前方開口部94の一部が閉塞されているため、被覆ブラケット95を前方開口部94から取り外すことにより、バッテリ77を前方開口部94から取り外すことが可能になる。
【0045】
そして、この前方開口部94には、開閉部材としてのカバー体である平板状のバッテリカバー96が開閉自在に直接取り付けられている。このバッテリカバー96は、座席用フレーム32内に収容された主としてバッテリ77を平面視で被覆して保護する。
【0046】
また、このバッテリカバー96は、座席用フレーム32の前側の脚部35の下方に取り付けられたヒンジ体97に下端部が連結されており、このバッテリカバー96の上端部が、被覆ブラケット95の下端部に当接してこの被覆ブラケット95に係止されることにより、前方開口部94を閉塞する。
【0047】
一方、動力装置収容部の座席用フレーム32の上側部には、油圧ショベル1を運転および操作する作業者としての運転手であるオペレータが座る座席としての運転席101が運転席ヒンジ体102により後方に向けて回動可能に取り付けられている。この運転席101を後方に向けて回動させることにより、座席用フレーム32の枠体33にて形成される上方開口部103が開閉可能に開口される。
【0048】
また、上部旋回体4上における運転席101に座るオペレータの足元の下側、すなわち作動油タンク61の前方の上部旋回体4上には、コントロール弁としての図示しないコントロールバルブが搭載されている。このコントロールバルブは、下部走行体2を走行させる走行モータおよび上部旋回体4を旋回させる旋回モータなどの各種油圧モータ、およびブームスイングシリンダ、ブームシリンダ21、アームシリンダ22およびバケットシリンダ23などの各種油圧シリンダへとメインポンプ53から加圧供給させる作動油を制御する。
【0049】
この結果、これら各種油圧モータおよび各種油圧シリンダの作動が制御されることにより、下部走行体2が走行し、上部旋回体4が旋回するとともに、フロント作業装置13が作動される。
【0050】
また、コントロールバルブは、図示しないリターンホースを介して戻し管65と接続されており、この戻し管65には、コントロールバルブから戻り油が戻される。
【0051】
次に、上記図1乃至図4に示された実施の形態の作用効果を説明する。
【0052】
作動油タンク61を上部旋回体4上に固定するタンク取付ブラケット67の支持部69および前側支持部74上に亘ってバッテリ77を配設したことにより、タンク取付ブラケット67を作動油タンク61とバッテリ77との支持に共用できるとともに、例えばバッテリ77を配設するバッテリ室などを座席用フレーム32内に別個に設ける場合などと比較してバッテリ77の取り付け構造を簡略化でき、かつタンク取付ブラケット67の上側のバッテリスペース76を有効利用したのでバッテリ室などを別個に設けるスペースを座席用フレーム32内に必要としないため座席用フレーム32内を省スペース化でき、機械本体6の小型化が可能になる。
【0053】
また、タンク取付ブラケット67の支持部69上にバッテリ77の下側の後側面に当接してバッテリ77を支持する当接部81を設け、バッテリ77を支持する上側支持ブラケット83をバッテリ77の上側面前部および前側面上部に亘って配設してボルト84によりタンク取付ブラケット67の支持部69に取り付けたことにより、当接部81と上側支持ブラケット83との間でバッテリ77の上側、下側、前側および後側を挟持して固定できるため、フロント作業装置13の作動による震動およびエンジン52の震動などに対してバッテリ77を動かないようにできる。
【0054】
さらに、バッテリ77の側方に上側から下側に亘って対角線状に設けたボルト84の下端部に、タンク取付ブラケット67の支持部69における当接部81の側方前側の取付孔87に挿通して屈曲させた折返部88を設け、この折返部88を取付孔87の縁部に係合させて、ボルト84およびナット85で上側支持ブラケット83をタンク取付ブラケット67の支持部69に固定することにより、バッテリ77にフロント作業装置13の作動による震動およびエンジン52の震動などにより生じた力が作用した際に上側支持ブラケット83にかかる力をボルト84を介してタンク取付ブラケット67の当接部81近傍で支持するため、当接部81および上側支持ブラケット83でバッテリ77をより確実に挟持して固定できる。
【0055】
そして、ボルト84の上端部を上側支持ブラケット83にナット85で着脱可能に取り付けたことにより、上側支持ブラケット83を容易に取り外すことができ、バッテリ77のメンテナンス、あるいは交換などを容易にできる。
【0056】
なお、他の実施の形態として、タンク取付ブラケット67の当接部81を、例えばバッテリ77の前側など、タンク取付ブラケット67のバッテリ77の動きを抑制できる他の位置に設ける構成も可能である。
【0057】
また、さらに他の実施の形態として、上側支持ブラケット83を脚部35などに取り付ける構成も可能である。
【0058】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、流体圧アクチュエータに給排される作動流体を貯留した作動流体タンクを機械本体に固定するタンク支持部材の支持部上に、電装部に電力を供給する電池を作動流体タンクに対して離隔されかつ周囲全体に空間部を介する位置で支持することにより、タンク支持部材を作動流体タンクと電池との支持に共用できるとともに、電池を配設する電池室などを別個に設ける場合と比較して電池の取り付け構造を簡略化でき、かつタンク支持部材上のスペースを有効利用したので電池室などを別個に設けるスペースを機械本体内に必要としないため省スペース化できる。
【0059】
請求項2記載の発明によれば、電池の下側の側部に当接して電池の下側の側部を支持する当接部をタンク支持部材の支持部上に設け、電池の上部および側部に当接して電池の上部および側部を支持する上側支持部材を当接部に対し電池の上部の反対側の側部から上部に亘って配設することにより、当接部および上側支持部材で電池の対向する側部、上部および下部を挟持して固定できるため、作業装置の作動による震動およびエンジンの震動などによる電池の動きを抑制できる。
【0060】
請求項3記載の発明によれば、固定部材の一端部をタンク支持部材の当接部近傍にて支持部に取り付け、他端部を上側支持部材に着脱可能に取り付けて、電池の側方に略対角線上に設けられた固定部材で上側支持部材をタンク支持部材に固定することにより、電池に対して作業装置の作動による震動およびエンジンの震動などで生じた力が作用した際に上側支持部材にかかる力を固定部材を介してタンク支持部材の当接部近傍で支持するため、当接部および上側支持部材で電池をより確実に挟持して固定できるとともに、固定部材の他端部を上側支持部材に着脱可能に取り付けることにより、上側支持部材を取り外して電池のメンテナンス、あるいは交換などを容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る作業機械の一実施の形態の一部を示す側面図である。
【図2】同上作業機械の一部を示す正面図である。
【図3】同上作業機械の一部を示す斜視図である。
【図4】同上作業機械を示す側面図である。
【符号の説明】
1 作業機械としての油圧ショベル
6 機械本体
13 作業装置としてのフロント作業装置
21 流体圧アクチュエータとしてのブームシリンダ
22 流体圧アクチュエータとしてのアームシリンダ
23 流体圧アクチュエータとしてのバケットシリンダ
51 空間
61 作動流体タンクとしての作動油タンク
67 タンク支持部材としてのタンク取付ブラケット
69 支持部
77 電池としてのバッテリ
81 当接部
83 上側支持部材としての上側支持ブラケット
84 固定部材としてのボルト
Claims (3)
- 内部に空間を有する機械本体と、
流体圧アクチュエータにより作動可能な作業装置と、
機械本体の空間内に位置し、流体圧アクチュエータに給排される作動流体を貯留した作動流体タンクと、
この作動流体タンクを機械本体に固定するタンク支持部材と、
電装部に電力を供給する電池とを具備し、
タンク支持部材は、作動流体タンクに対して側方に延設されこの作動流体タンクに対して離隔され、かつ周囲全体に空間部を介する位置に電池を支持する支持部を備えている
ことを特徴とする作業機械。 - タンク支持部材は、電池の下側の側部に当接して支持する当接部を支持部上に備え、
当接部に対し電池の上部の反対側の側部から上部に亘って配設され、電池の上部および側部に当接して電池の上部および側部を支持し、当接部との間で電池を挟持する上側支持部材を具備した
ことを特徴とする請求項1記載の作業機械。 - 電池の側方に上側から下側に亘って略対角線状に設けられ、一端部がタンク支持部材の当接部近傍にて支持部に取り付けられ、他端部が上側支持部材に着脱可能に取り付けられて上側支持部材を着脱可能に固定する固定部材を具備した
ことを特徴とする請求項2記載の作業機械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002305012A JP4234972B2 (ja) | 2002-10-18 | 2002-10-18 | 作業機械 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2002305012A JP4234972B2 (ja) | 2002-10-18 | 2002-10-18 | 作業機械 |
Publications (2)
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