JP3958627B2 - 溶融紡糸用口金パック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなどの熱可塑性ポリマーを溶融紡糸するための溶融紡糸用口金パックに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等の熱可塑性合成繊維の溶融紡糸において、紡糸融液中の異物を除去して良好に紡糸口金から紡糸融液を吐出させ、繊維を形成する為の紡糸口金パック(以下、単に“パック”と称することもある)が用いられている。
【0003】
このようなパックの構造としては、例えば、図4に例示したように、そのパック本体11a〜11cの内部に紡糸口金12、ポリマー分配板13、フィルター14a〜14c、メタルサンドなどからなる濾材15を含んで構成されているものが一般に使用されている。なお、図4ではパック本体11cはポリマー導入部材を兼用しており、一点鎖線で示した部分に設けられたパックの締結手段(例えば、六角孔付きボルト)などによって、締め付けられる。
【0004】
このようなパック10においては、メタルサンドなどからなる濾過層15が設けられているため、この部分におけるポリマーの滞留量が多くなって、それと共にポリマーの滞留時間が長くなると言う問題がある。
【0005】
また、ポリエステル、ポリアミドなどの熱可塑性ポリマーは、加熱状態で長時間に渡ってパック内に滞留すると、熱的に変質して糸切れや品質斑等を発生させる。更には、このようなポリマーは、高粘性体であるため、流路の壁面抵抗等によって流路外側の流速が低下し易い。その上、このようなパックでは、口金12のポリマー吐出面を除いて、パック本体11の外周面が保温加熱装置(図示せず)によって囲まれているため、パック中心部と周辺部との間で温度差が発生し、パック10の外側の内部流路を流れるポリマーの方が内側の内部流路を流れるポリマーよりも大きな熱を受けることになる。
【0006】
そして、このような状態において、パック10内での中心部と周辺部の内部流路で生じた熱履歴差と滞留時間差の要因が重ね合わさると、パック10の外周側に位置する内部流路の低流速部において、ポリマー劣化が起こり易くなる。そこで、このような事態を回避するために、従来より、パック本体11のポリマー導入部材11cから流入したポリマーが口金12まで長時間に渡って異常滞留することなく、パック10中で均等に加熱しながら円滑に流動させて、口金12から紡出するための様々な研究がなされてきた。
【0007】
例えば、上述の問題を解決する技術として、特開平11−810310号公報において、濾過層15下の分配板13にポリマーの流動方向に沿った複数個の溝を設け、互いに隣接する溝の山部分からなる接触部が面接触して、その面接触部にパリマーが入り込まないように、前記山部分に稜線部を形成させて、線接触させる分配板が提案されている。
【0008】
しかしながら、このような分配板であっても、その線接触部分において、ある程度のポリマーの異常滞留が発生することは回避することが困難であって、口金下から加熱するなどの過酷な条件下では一定経時後にポリマーの劣化が生じて糸切れを多発させるといった事態を惹起するため、その効果は十分ではない。
【0009】
また、特開2000−265316号公報では、寸法の規定された複数個の整流孔を有するポリマー分配板が開示されている。しかしながら、このような構造を有する分配板であっても、その上流側、特に滞留時間の長い濾過層15での中心部と周辺部における熱履歴差をそのまま保持した状態で、熱履歴差を有するポリマーが口金へと流入することとなる。このため、口金12の外周側に穿設された吐出孔から吐出されるポリマーと内周側に穿設された吐出孔から吐出されるポリマーとの間に斑を生じせてしまうという問題を有する。
【0010】
また、そもそもパック10内のある箇所でポリマーの異常滞留が発生した場合には、糸切れなどの工程調子の悪化のみならず、ポリマーの受熱量、すなわち熱履歴に偏りが生じる結果、局所的に、ポリマーが変質してゲル化したり、炭化したりして、糸品質そのものも悪化することとなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、前記の諸問題を解決のためには、パック内におけるポリマーの異常滞留を可能な限り減少させ、かつ、口金へポリマーを導入するまでの間にパックの中心部と周辺部とに生じる熱履歴差を極小化し、その滞留時間も可及的に短縮化するような構造が必要となる。
【0012】
そこで、本発明は、ポリマーの異常滞留とポリマーの劣化に起因する糸切れなどの工程調子の悪化と、糸質斑の発生とを低減することができる、溶融紡糸用口金パックを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
ここに、以上に述べた課題を解決するために、本発明として、「ポリマーを繊維状に吐出するための吐出孔が穿設された紡糸口金を備えた溶融紡糸用口金パックであって、
その際、該口金パックは、
ポリマーが流入する流入孔が穿設され、該流入孔の下部において流入したポリマーを拡流する拡流流路を備えたポリマー流入部材、
該ポリマー流入部材の下部で拡流されたポリマーを拡流状態で直接濾過する金網フィルター、
該金網フィルターをその直上で支持し、更に、該金網フィルターを通過したポリマーをその外周側へ分配する外周流路と、該外周流路へ分配されたポリマーを下流側へ流動させながら再合流させる再合流流路とが形成された分配部材、及び、
該分配部材を係合支持し、更に、該分配部材から再合流させて供給されたポリマーを前記紡糸口金の直上に設けられた口金直上フィルターへ供給するポリマー供給孔が穿設された係合支持部材を少なくとも備え、
更に、該口金パックは、メタルサンドなどからなる濾過層を持たず、かつ、前記ポリマー流入部材の流入孔下端のポリマーの拡流開始位置と前記金網フィルターの濾過面との間隔が0 . 1mm以上、5.0mm以下であることを特徴とする溶融紡糸用口金パック」が提供される。
【0014】
このとき、本発明の溶融紡糸用口金パックとしては、前記外周流路及び前記再合流流路の流路間隔を常に一定に維持するための流路間隔形成部材を該外周流路と該再合流流路の流路連結部に設けることが好ましく、更には、前記外周流路及び前記再合流流路の流路間隔が0.1mm以上、2mm以下であることが好ましい。
【0015】
また、本発明の溶融紡糸用口金パックは、前記ポリマー供給孔の内径が5mm以下であることが好ましく、更に、このポリマー供給孔内に静的混合素子を設けることが本発明の目的を達成する上で好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の溶融紡糸用口金パックに関する実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明のパックを説明するために例示した模式説明図であって、概略正断面を示す。この図において、参照符号1は溶融紡糸用口金パックを示し、このパック1は、パックケース2とこのパックケース2に組み込まれる各種のパック部材からなっている。
【0018】
ここで、このパックケース2に組み込まれる各種のパック部材は、図1において矢印で示したポリマーの導入方向へ順に、ポリマー流入部材3、外周縁にシール部材を有する金網フィルター4、分配部材5、ポリマー供給孔が穿設された係合支持部材6、口金直上フィルター7、口金8、そして、静的混練素子9から少なくとも構成されている。
【0019】
その際、この例において前記ポリマー流入部材3は、その機能によって役割分担させるために上下の部材に分割することは好ましい態様である。つまり、上部の分割部材は各種のパック部材をパックケース2に組み込んだ時に、パック1からポリマーが外部に洩れないように一定のトルクで締結するための締結部材3aとし、下部の分割部材は前記金網フィルター4の濾過面積を広くとるために、ポリマーの流れを拡流する拡流部材3bとすることが好ましい。なお、参照符号3cは、前記締結部材3aと前記拡流部材3bとを連結する連結部からポリマーが洩れないようにするためのシール部材である。
【0020】
このとき、前記ポリマー流入部材3は、図4に例示した従来のパック10のような濾過層15が形成されていないことが必要である。つまり、この従来パック10に見られるような濾過層15が設けられていると、濾過層15部でポリマーが長時間滞留することとなって、その熱履歴によってポリマーが劣化することとなる。したがって、本発明のポリマー流入部材3では、ポリマー流入孔に引き続く拡流部を設け、拡流が完了すると直ちに金網フィルター4へポリマーを通し、これによってポリマー中の異物を除去する。
【0021】
ただし、ポリマーを金網フィルター4へ通して異物を除去するためには、金網フィルター4に捕捉された異物が詰まって、その濾過圧力が上昇するのを防いだり、ポリマーの単位流量当りの濾過面積を大きくして濾過圧力の上昇を防いだりするために、前記金網フィルター4に入る前において、本例のようにポリマーを拡流することは必要な要件である。その際、前記ポリマー流入部材3の流入孔下端におけるポリマーの拡流開始位置と前記金網フィルター4の濾過面との間隔(図1において、参照符号Aで示したもの)については、この間隔Aは小さい方が良いが、実用上5.0mm以下であれば、ポリマーの滞留量と滞留時間とを考慮しても、ポリマーの熱劣化を防止する上で好ましい。ただし、このような条件は、ポリマーの熱に対する感受性にもよるため、間隔Aの値は、実使用条件に合わせて実験によって適宜決定することが好ましい。また、この間隔Aが5.0mmより大きい場合、特にフィルター中心部でのポリマー流速の低下が著しく、ポリマーの置換が行われ難いため、異常滞留を起こすため好ましくない。
【0022】
ただし、この間隔Aを余りにも小さくすることは、ポリマーの外周部への拡散を阻害し、金網フィルターの濾過面積を有効に使用することができなくなるため好ましくなく、0.1mm以上とすることが好ましい。
【0023】
なお、前記金網フィルター4の外周縁には、アルミニュウムなどの材料を使用したシール部材が形成されており、パックケース2と締結部材3aとがそのネジ部で互いに螺合して締結される際に、前記拡流部材3bの外側下端と前記係合支持部材6との間に、このシール部材が挟持され、これによってパック1の外部へのポリマー洩れを防ぐ役割を果たしている。
【0024】
次に、前記金網フィルター4をその直上で支持する前記係合支持部材6に関しては、口金8へポリマーを供給するポリマー供給孔に、静的混合素子(スタチック・ミキサー)9を設けることは好ましい態様である。何故ならば、このような態様を採ることによって、ポリマー流路の壁面側と中心側とを流れる各ポリマーの流線が互いに入れ替わらない高粘度の溶融ポリマーに対して、その流線を入れ替えることができる。更に、この静的混合素子9により、ポリマーを均一に混合することによって、異なった熱履歴を受けたポリマーを均一に混合し、これによってポリマーを均質化できるという効果がある。
【0025】
ここで、前記静的混合素子9としては、通常、公知のケニックス型やスルザー型の静的混合素子が使用され、その混合素子の分割数は多くなるほどポリマーの混合効果が向上するため好ましいが、分割数が多くなると静的混合素子の長さもこれに対応して長くなり、ポリマーの滞留長(長滞留時間)とパック1の全体高さも長くなると言う問題を有する。しかしながら、本発明のパック1では、図4に例示したような従来パック10と異なって、濾過層15を持たないため、この静的混合素子9の設置長を長く取ることができるため、その分割数も多くすることができ、しかも、パック1の全体高さも従来パック10と変わらないように設計することができる。なお、このような静的混合素子9を設けるポリマー供給孔の内径(図1では参照符号Dで示している)としては、このDの値を大きくしすぎるとポリマーの滞留量が増えるため、通常、5.0mm以下とすることが好ましく、また、静的混合素子9を設けない場合には更に小さくすることが好ましく、溶融紡糸におけるパックの使用条件にもよるが、例えば、2.0mm以下とすることもできる。ただし、この内径Dを余りにも小さくすることは、前記ポリマー供給孔の製作が難しくなり、その製作コストも大きくなるため好ましくなく、また、流路抵抗によってその上流側のパック圧力が上昇して、パックからのポリマー洩れなどの好ましくない問題を生じるため0.2mm以上とすることが好ましい。
【0026】
以上のように構成されるパック1において、本発明においては、分配部材5も、前記ポリマー流入部材3と共に極めて重要な役割を果たすので、この分配部材の実施態様について、図2を参照しながら以下に詳細に説明する。なお、図3は、前記ポリマー流入部材3、前記金網フィルター4、前記分配部材5、そして、前記係合支持部材6とを流れるポリマーの流動状態を説明するために、その要部を部分的に拡大した模式説明図(正断面図)である。なお、この図3において、図1では、その構造が分かり難い金網フィルター4に関して、該金網フィルターは、参照符号4aでしめした金網部と参照符号4bで示したリム部とで構成されていることを改めて明示した。
【0027】
図2は、前記分配部材3の実施態様を説明するための説明図であって、図(a)は平面図、図(b)は側断面図をそれぞれ示す。なお、この図2に、参照符号5aは分配部材本体、参照符号5bは前記係合支持部材6との間にポリマーが流動する流路の間隔を一定に維持するための流路間隔形成部材である。
【0028】
この流路間隔形成部材5bを設けることによって、本体5aが係合し、かつ、これを支持する係合支持部材6との間に、参照符号501で示した外周流路と、参照符号502で示した再合流流路の流路間隔を一定に維持することができる。なお、この流路間隔形成部材5bは、前記外周流路501と前記再合流流路502の流路連結部に設けることによって、図1に参照符号BとCとでそれぞれ示した外周流路501の間隔と再合流流路502の間隔とを所定の値に同時に設定することができる。
【0029】
ここで、前記流路間隔形成部材5bが具備するべき要件としては、間隔BとCとを確保することにあるから、この流路間隔形成部材5bが係合支持部材6と接触する部分は可及的に少ない方が好ましい。もし、設計上可能であれば、このような接触部分はなくすることが好ましい。何故ならば、ポリマーはこの接触部分に生じた僅かな間隙にも入り込んで長時間滞留する可能性があるからである。また、この流路間隔形成部材5bは、図3の例では、分配部材5の本体5a部に付設されているが、前記係合支持部材に付設しても良い。
【0030】
以上に述べたようにして形成された外周流路501の間隔Bと再合流流路502の間隔Cとに関し、その間隔はこの部分でのポリマーの滞留量を可及的に少なくして、熱劣化を防ぐために可及的に小さい方が好ましいが、その溶融紡糸条件によっても左右されるために、間隔Aの場合と同様に実験によって適宜決めることが好ましいが、実用上2.0mm以下であれば、特に大きな問題とはならない。
【0031】
ただし、この間隔B及びCを余りにも小さくすることはパックの製作寸法精度が要求されるため、好ましくなく、また、流路抵抗によってその上流側のパック圧力が上昇して、パックからのポリマー洩れなどの好ましくない問題を生じるため0.1mm以上とすることが好ましい。ただし、係合支持部材6との間で形成される再合流流路の間隔Cについては、2.0mmより大きいと、特に、ポリマー流速が低くなりやすい外周部でポリマー置換が損なわれ異常滞留が発生しやすいので好ましくない。
【0032】
以上に述べた本発明のパック1では、図1に矢印で示した方向からポリマーが流入し、パックケース2に組み込まれた前述のような形態を有する各種のパック部材を順次通過した後、前記口金直上フィルター7を通過して、前記紡糸口金8に穿設された吐出孔から繊維状に吐出されて溶融紡糸される。その際、本発明のパック1を従来のものと比較すると、その紡糸調子と、得られる繊維の品質とにおいて優れていたことは言うまでもない。そこで、この点について、以下に、本発明のパックを用いて実験した結果を実施例によって詳細に説明することにする。
【0033】
【実施例】
本発明の溶融紡糸用口金パックを用いて、紡糸温度295℃、その固有粘度(IV)が1.0であるポリエチレンテレフタレートを紡糸速度800m/分で溶融紡糸し、更に加熱ロールにて温度90℃で予熱後、4.0倍の延伸倍率にて延伸を行った。
【0034】
その際、パックとしては、図1に例示したものと実質的に同じ構造のものを使用した。このとき、静的混合素子9は使用せず、金網フィルター4として金属製の不織布から構成されるフィルターを用い、更に、口金8はポリマーの吐出孔が内周に5個と外周に10個の合計15個が、二重の同心円状に穿設されたものを用いた。
【0035】
その際、パック1内でのポリマーの異常滞留を可視化するために、前記の原料ポリマーに顔料を含むチップを少量混ぜて、公知の溶融混練押出機に供給し、計量ポンプで一定量の溶融ポリマーを連続的に本発明のパックを装着した溶融紡糸装置に供給すると言う公知の溶融紡糸方法に従った。このとき、ポリマーを一定時間パックへ供給し、十分な放流を行った後、パックを分解し、顔料チップに由来する着色が残っている部分をポリマーの異常滞留部として滞留部分の有無を判定した。また、紡糸調子の評価項目として、溶融紡糸中の単繊維切れの頻度を観察し、これについては、紡糸開始後、5日間での延伸糸切れ回数により評価した。更に、糸の品質を評価する項目として、糸斑を取り上げ、これについては、口金の内周側と外周側にそれぞれ穿設されたポリマー吐出孔から紡出された各単繊維(以下、“単糸”とも称する)を採取し、その単糸間のIV差大きさにより糸斑を判定した。なお、このようにして得られた結果を、図1に示したパックの流路パラメータであるA、B、C、及びD部の寸法と共に表1に示す。
【0036】
[実施例1、比較例1−3]
表1に示した比較例1での異常滞留部は、ポリマー流入部材3bの外周付近、および金網フィルター4の中央部にて観察された。また、比較例2の異常滞留部は係合支持部材6の外周下部にて微小に発生した。更に、比較例3では着色したポリマーでの放流テストの際に外周側吐出孔から出てくるポリマーと内周側吐出孔から出てくるポリマーとの間に着色に関して濃淡差が観察された。
【0037】
【表1】
Figure 0003958627
【0038】
【発明の効果】
以上に詳細に説明した本発明のパックは、従来のパックと比較して、パック内でのポリマー滞留量が格段に低減され、また、その平均滞留時間も極めて短縮されるため、ポリマーがパック内に滞留する間に受ける熱履歴による劣化を抑制することができる。このため、溶融紡糸工程を含んだ製糸工程において、その工程調子を良好に維持できると共に、得られる糸の品質もばらつくことなく均質かつ品位が優れたものを得ることができると言う格別顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパックを説明するために例示した模式説明図であって、概略正断面を示す。
【図2】本発明でいう分配部材の一実施態様を示した、(a)概略平面図と(b)概略側断面図である。
【図3】本発明のパック要部を流れるポリマーの流動状態を説明する部分拡大図(正断面図)である。
【図4】従来のパックを説明するために例示した模式説明図であって、概略正断面を示す。
【符号の説明】
1 パック
2 パックケース
3 ポリマー流入部材
4 金網フィルター
5 分配部材
6 係合支持部材
7 口金直上フィルター
8 紡糸口金
9 静的混合素子
501 外周流路
502 再合流流路
A、B、C、D ポリマーが流れる流路の流路パラメータ

Claims (5)

  1. ポリマーを繊維状に吐出するための吐出孔が穿設された紡糸口金を備えた溶融紡糸用口金パックであって、
    その際、該口金パックは、
    ポリマーが流入する流入孔が穿設され、該流入孔の下部において流入したポリマーを拡流する拡流流路を備えたポリマー流入部材、
    該ポリマー流入部材の下部で拡流されたポリマーを拡流状態で直接濾過する金網フィルター、
    該金網フィルターをその直上で支持し、更に、該金網フィルターを通過したポリマーをその外周側へ分配する外周流路と、該外周流路へ分配されたポリマーを下流側へ流動させながら再合流させる再合流流路とが形成された分配部材、及び、
    該分配部材を係合支持し、更に、該分配部材から再合流させて供給されたポリマーを前記紡糸口金の直上に設けられた口金直上フィルターへ供給するポリマー供給孔が穿設された係合支持部材を少なくとも備え、
    更に、該口金パックは、メタルサンドなどからなる濾過層を持たず、かつ、前記ポリマー流入部材の流入孔下端のポリマーの拡流開始位置と前記金網フィルターの濾過面との間隔が0 . 1mm以上、5.0mm以下であることを特徴とする溶融紡糸用口金パック。
  2. 前記外周流路及び前記再合流流路の流路間隔を常に一定に維持するための流路間隔形成部材を該外周流路と該再合流流路の流路連結部に設けた請求項1に記載の溶融紡糸用口金パック。
  3. 前記外周流路及び前記再合流流路の流路間隔が0.1mm以上、2.0mm以下である請求項1又は2に記載の溶融紡糸用口金パック。
  4. 前記ポリマー供給孔の内径が0.2mm以上、5.0mm以下である請求項1〜の何れか一項に記載の溶融紡糸用口金パック。
  5. 前記ポリマー供給孔内に静的混合素子を設けた請求項1〜の何れか一項に記載の溶融紡糸用口金パック。
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