JP5082783B2 - 矩形紡糸パックおよび矩形紡糸パックを用いた合成繊維の紡糸方法 - Google Patents
矩形紡糸パックおよび矩形紡糸パックを用いた合成繊維の紡糸方法 Download PDFInfo
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Description
(1)下部パックケース内に、紡糸されるポリマーの全体流れの方向に順に濾過材と、多孔板と、上面から見た孔配置が矩形である口金とをこの順序で配置し、これら濾過材と、多孔板と、口金とを上部パックケースで一体に組み立ててなる紡糸パックであり、前記上部パックケースはポリマー全体流れに直交する断面を見たとき、その断面形状が矩形であるポリマー流路を有しており、紡糸パックの中心軸を通り、ポリマー全体流れに平行な断面を見たとき、ポリマー流路壁面の傾斜が下流にいくにつれ緩やかになる末広がり状であることを特徴とする矩形紡糸パック。
ただし、X1:上部パックケース流出面におけるx軸方向の一辺長さの1/2
Y1:上部パックケース流出面におけるy軸方向の一辺長さの1/2
(3)前記ポリマー流路において、紡糸パックの中心軸をポリマー流れ方向を負とするz軸とし、z軸と上部パックケース流出面とが交わる点を原点、原点を通り上部パックケース流出面の一辺に平行な方向をx軸、原点を通り前記x軸に直交する方向をy軸、上部パックケース流出面からポリマー流入管流出面までの距離をL、ポリマー流入管半径をr、前記ポリマー流路を、z=0を1段目としてz軸方向にnmax段に分割すると、z=znであるn段目のz軸に直交するポリマー流路断面が、下記式(1)
ただし、X1:上部パックケース流出面におけるx軸方向の一辺長さの1/2
Y1:上部パックケース流出面におけるy軸方向の一辺長さの1/2
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の矩形紡糸パックを用いて紡糸することを特徴とする合成繊維の紡糸方法。
(実施例1)
図1に示す本発明のポリマー流路を有する上部パックケースを用いた矩形紡糸パックにおいて、濾過材2、多孔板3、口金4を多孔体媒質として疑似し、この多孔体媒質にかかる圧力損失ΔPはErgun方程式を適用させた下記式(2)
(実施例2)
上部パックケースの形状を図7に示す様な、z軸方向に対し多段には分割しない形式に代えた以外は、実施例1と同様の条件を用い数値解析を行った。得られた結果を図13(ポリマー流れが流速0.005m/s以上の成分をもつ範囲を斜線部で示すことも実施例1と同様である)に示す。実施例1と同様に非常に良好な結果が得られた。
(実施例3)
上部パックケースとして図10に示す式(1)のx、y、zの各値を(z=0とz=Lを除いて)+15%の値としたものに代えた以外は、実施例1と同様の条件を用い数値解析を行った。得られた結果を図14に示す。実施例1と同様に良好な結果が得られた。
(実施例4)
上部パックケースとして図10に示す式(1)のx、y、zの各値を(z=0とz=Lを除いて)−15%の値としたものに代えた以外は、実施例1と同様の条件を用い数値解析を行った。得られた結果を図15に示す。実施例1と同様に良好な結果が得られた。
(実施例5)
上部パックケースを図8に示すポリマー流路壁面が急に緩やかになる形式に代えた以外は、実施例1と同様の条件を用い数値解析を行った。得られた結果を図16に示す。ポリマー流路壁面が急に緩やかになる場合、ポリマーはポリマー流路壁面に沿って流れやすくなるので、空気が残存しやすい領域はなくなるが、実施例1と比較してポリマーが端部まで拡がりにくいため、口金における吐出孔を配置できる領域がやや限定されるという結果が得られた。かかる結果より、使用に当たっては口金の吐出孔の配置等に注意する必要はあるが、良好に使用できることが判った。
(実施例6)
上部パックケースを図9に示すポリマー流路壁面が少しずつ緩やかになる形式に代えた以外は、実施例1と同様の条件を用い数値解析を行った。得られた結果を図17に示す。ポリマー流路壁面が少しずつ緩やかになる場合、実施例5と比較してポリマーは端部まで拡がり易くなるが、特に短辺方向についてポリマーがポリマー流路壁面に沿って流れる難い部分があり、空気が残存しやすい領域が生じ、口金における吐出孔を配置できる領域がやや限定されるという結果が得られた。かかる結果より、使用に当たっては口金の吐出孔の配置等に注意する必要はあるが、良好に使用できることが判った。
(実施例7)
上部パックケースを図11に示す式(1)の値のx、y、zの各値を(z=0とz=Lを除いて)+20%の値に設定した形式に代えた以外は、実施例2と同様の条件を用い数値解析を行った。得られた結果を図18に示す。得られた結果は実施例3の上部パックケースを図10に示す式(1)の値の+15%の値に設定した形式と比較し、ポリマーの拡がり易さは変わらないが、やや、空気が残存しやすくなるため、口金における吐出孔を配置できる領域がやや限定されるという結果が得られた。かかる結果より、使用に当たっては口金の吐出孔の配置等に注意する必要はあるが、良好に使用できることが判った。
(実施例8)
上部パックケースを図11に示す式(1)の値のx、y、zの各値を(z=0とz=Lを除いて)−20%の値に設定した形式に代えた以外は、実施例2と同様の条件を用い数値解析を行った。得られた結果を図19に示す。得られた結果は実施例4の上部パックケースを図10に示す式(1)の値の−15%の値に設定した形式と比較し、空気が残存しやすい領域は見られないが、ポリマーが端部まで拡がりにくいため、口金における吐出孔を配置できる領域がやや限定されるという結果が得られた。かかる結果より、使用に当たっては口金の吐出孔の配置等に注意する必要はあるが、良好に使用できることが判った。
(比較例1)
上部パックケースを図6に示すポリマー流入管流出面から上部パックケース流出面まで単調に拡がる従来の上部パックケースの形状に代えた以外は、実施例1と同様の条件を用い数値解析を行った。得られた結果を図20(ポリマー流れが流速0.005m/s以上の成分をもつ範囲を斜線部で示すことも実施例1と同様である)に示す。図20に示すように従来の上部パックケースにおいては、ポリマーが端部まで拡がりにくいことが判る。このように、ポリマーが端部まで拡がりにくい場合、端部においてポリマーが滞留しやすくなるので、ポリマーゲルが発生しやすくなる。またポリマー流路壁面の上部にてポリマー流速が遅くなるため、空気が残存しやすくなり、残存した空気の気泡による糸切れが生じやすくなる。
2:濾過材
3:多孔板
4:口金
5:下部パックケース
6:ポリマー流入管
7:パッキン
8:締付ボルト
F1:ポリマー流路
Claims (4)
- 下部パックケース内に、紡糸されるポリマーの全体流れの方向に順に濾過材と、多孔板と、上面から見た孔配置が矩形である口金とをこの順序で配置し、これら濾過材と、多孔板と、口金とを上部パックケースで一体に組み立ててなる紡糸パックであり、前記上部パックケースはポリマー全体流れに直交する断面を見たとき、その断面形状が矩形であるポリマー流路を有しており、紡糸パックの中心軸を通り、ポリマー全体流れに平行な断面を見たとき、ポリマー流路壁面の傾斜が下流にいくにつれ緩やかになる末広がり状であることを特徴とする矩形紡糸パック。
- 前記ポリマー流路において、紡糸パックの中心軸をポリマー流れ方向を負とするz軸とし、z軸と上部パックケース流出面とが交わる点を原点、原点を通り上部パックケース流出面の一辺に平行な方向をx軸、原点を通り前記x軸に直交する方向をy軸、上部パックケース流出面からポリマー流入管流出面までの距離をL、ポリマー流入管半径をrとすると、z軸に直交するポリマー流路断面が、下記式(1)
ただし、X1:上部パックケース流出面におけるx軸方向の一辺長さの1/2
Y1:上部パックケース流出面におけるy軸方向の一辺長さの1/2 - 前記ポリマー流路において、紡糸パックの中心軸をポリマー流れ方向を負とするz軸とし、z軸と上部パックケース流出面とが交わる点を原点、原点を通り上部パックケース流出面の一辺に平行な方向をx軸、原点を通り前記x軸に直交する方向をy軸、上部パックケース流出面からポリマー流入管流出面までの距離をL、ポリマー流入管半径をr、前記ポリマー流路を、z=0を1段目としてz軸方向にnmax段に分割すると、z=znであるn段目のz軸に直交するポリマー流路断面が、下記式(1)
ただし、X1:上部パックケース流出面におけるx軸方向の一辺長さの1/2
Y1:上部パックケース流出面におけるy軸方向の一辺長さの1/2 - 請求項1〜3のいずれかに記載の矩形紡糸パックを用いて紡糸することを特徴とする合成繊維の紡糸方法。
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