JP3958231B2 - シート材固定装置、ドラム型露光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドラムに巻きつけられたシート材をドラムとの間に挟み込んで、シート材をドラム上に固定するシート材固定装置、および回転するドラムに巻きつけたシート状の感光材料を露光するドラム型露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、印刷の分野においては、PS版(Presensitized Plate)とよばれる、アルミニウムなどの薄板上に親水層と感光層とが順に重ねられた原版をドラムに巻き付け、ドラムを回転させながら原版を露光するドラム型露光装置が広範に用いられている。このドラム型露光装置は、ワークステーションなどから、印刷画像を構成するCMYK4色の各色版画像を表す各色用の画像データを取得し、各画像データに基づいた光ビームを原版にそれぞれ照射することにより、CMYK各色用の原版を露光する。露光された各原版は、さらに、現像装置に装着されて現像が行われ、各原版上の光ビームが照射された部分(各色版画像に相当する部分)のみ感光層が残り、それ以外の部分は感光層が除去されて親水層が露出した印刷版が生成される。これらの印刷版は印刷機に装着されて、印刷版の親水層が油性のインクをはじくことで印刷版の感光層にのみインクが塗布され、各色版画像が1版ずつ重ね合わさるように印刷されて印刷画像が形成される。
【0003】
ところで、ドラム型露光装置においては、ドラムが回転しているときに原版がずれるのを防ぐために、原版をドラム上に固定する機構が必要となる。この機構のひとつとして、ドラムとの間に原版を挟みこんでドラム上に着脱可能に固定されるチャックと、チャックをドラムに着脱するチャック着脱手段とを備えた原版固定装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
図1は、チャックとチャック着脱手段とを備えた原版固定装置を示す図である。図1の原版固定装置10は、チャック11とチャック着脱機構12とで構成されている。チャック11には、入口が狭くて内部が広い穴13と、チャック11を貫通するコマ14が備えられている。また、チャック着脱機構12には、L字形状を有し、チャック11の穴13に挿入されて回動することにより、底棒15aでチャック11を引っ掛けて保持するロックレバー15と、チャック11のコマ14を銜えるソケット16が備えられている。チャック11およびチャック着脱機構12は、チャック11の穴13にロックレバー15の底15aが引っ掛けられ、さらに、コマ14がソケット16によって銜えられて、ドラムの周面から所定程度離れた待機位置に配置されている。センサなどで原版の端が検知されると、チャック着脱機構12は、チャック11を保持したまま原版の端に向けて移動する。ドラムには、周面に沿って溝が刻まれており、チャック着脱機構12は、ドラムとチャック11との間に原版の端を挟み込んで、チャック11のコマ14をドラムの溝にはめ込み、チャック11をドラム上に装着する。チャック11がドラムに装着されると、チャック着脱機構12は、ロックレバー15を回動して底15aをチャック11の穴13から抜き、ソケット16をコマ14からはずして、チャック11をドラム上に残したまま元の待機位置に戻る。原版の露光が終了すると、チャック着脱機構12はドラム上のチャック11に向けて移動し、上記とは逆の動作を行ってチャック11をドラムからはずし、チャック11を保持したまま待機位置に戻る。原版固定装置10のようにチャックがドラム上に着脱可能な原版固定装置を用いると、原版がドラム上のどの位置に巻きついていても原版をドラムに固定することができ、例えば、数種のサイズの原版が混合して使用される場合などにも、この原版固定装置を適用することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−46890号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、図1に示すロックレバー15の底15aと穴13、およびソケット16とコマ14は、部品ごとの大きさの誤差を吸収するために、それぞれが正確に一致する大きさではなく、部品間に若干の隙間を持たせた大きさに設計されている。この部品間の隙間により、チャック着脱機構12がチャック11を正しく保持していても、チャック11の姿勢が保たれずにチャック11ががたついてしまい、チャック11で原版を挟み込む際に原版をたるませてしまったり、チャック11がドラム上に正しく装着されたことを検知するセンサが反応せず、露光処理が中断されてしまうなどという恐れがある。さらに、上記の部品間の隙間のため、チャック着脱機構12は、前後・左右・斜めにずれた位置でチャック11を保持してしまう恐れがある。チャック11が正確な位置で保持されていない場合に、そのままチャック11がドラム上に装着されると、原版を正しい位置で挟み込むことができず、チャック11が原版を挟み込むのに最小限必要な銜え代の他に無駄な銜え代が必要となってしまう。原版上の銜え代の領域は、露光できずに無駄になる領域であるが、近年では、露光可能な領域を増加させて原版を効率的に利用したいという要望が高まっている。
【0007】
また、上記のように、チャックの姿勢が正しく保たれずにチャックががたついてしまったり、チャックが正確な位置で保持されないなどという問題は、ドラム型露光装置だけに限らず、ドラム上に着脱可能に装着されるチャックによって、薄板などのシート材をドラム上に固定するシート材固定装置を備えた装置全般に共通する問題である。
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、チャックの姿勢を正しく保つとともに、正確な位置でチャックを保持することができるシート材固定装置、およびドラム型露光装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1のシート材固定装置は、
シート材を周面に巻き付けて回転するドラム上に着脱可能な、シート材をドラムとの間に挟み込んでドラム上に固定されることによりシート材をドラム上に固定する、シート材と接触する底面に対する上面に複数の窪みが設けられたチャックと、
上記の複数の窪みそれぞれに相応する複数の突起、およびチャックを引き付けて保持する保持具を備え、突起をその突起に相応する窪みに嵌入させて突起の外壁と窪みの内壁とを接触させるとともに保持具でチャックを引き付けることによって、チャックをドラムの周面と距離を置いた待機位置に保持し、保持したチャックを待機位置からドラム上に移動させてチャックをドラム上に固定するチャック保持機とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の第1のシート材固定装置は、チャックの上面に複数の窪みが設けられており、そのチャックを保持するチャック保持機に、チャックの各窪みにそれぞれ相応する複数の突起が備えられている。各突起を相応する窪みにそれぞれ嵌入させて、突起の外壁と窪みの内壁とを接触させることにより、チャック保持機に対してチャックの位置が正しく固定される。したがって、チャック保持機が正確な位置でチャックを保持することができ、原版上の正しい位置をチャックで挟み込むことができる。
【0011】
尚、本発明の第1のシート材固定装置における保持具は、例えばチャックをフックのように引っかけて引き付けることにより保持するものであってもよく、あるいは磁力などによってチャックを保持具に引き付けて保持するものであってもよく、チャックを保持する方法は問わない。また、本発明の第1のシート材固定装置における保持具は、チャックを保持具に接触させてから、突起の外壁と窪みの内壁を接触させてチャックの位置を正しい位置に修正するものであってもよく、逆に、突起の外壁と窪みの内壁を接触させてチャックの位置を正しい位置に固定した後に、チャックを保持具に接触させて引き付けるものであってもよい。
【0012】
また、本発明の第1のシート材固定装置において、
上記のチャックが、複数の窪みとして、内壁が円錐形状をなす円錐窪みと、内壁の断面がV字形状をなすV字溝とを少なくとも1組設けられたものであることが好ましい。
【0013】
嵌入された突起の位置を一意に決定する円錐窪みと、嵌入された突起が一方向に自由度を有するV字溝とを組み合わせて備えることにより、窪みに突起が嵌入される際に突起の位置が多少ずれてしまっていても、その誤差を吸収してチャックをチャック保持機に正しく固定することができる。
【0014】
また、本発明の第2のシート材固定装置は、
シート材を周面に巻き付けて回転するドラム上に着脱可能な、シート材をドラムとの間に挟み込んでドラム上に固定されることによりシート材をドラム上に固定する、シート材と接触する底面に対する上面に、開口が細くて内部が広がった穴を有するチャックと、
穴の開口よりも細い棒状の底棒部および底棒部の両端の間から伸びる柄部からなる保持具を有し、保持具の底棒部を穴の開口から挿入して内部で回動させることにより底棒部の両端を穴の内部に引っかけ、保持具の柄部を引いてチャックを引き付けることによってチャックをドラムの周面と距離を置いた待機位置に保持し、保持したチャックを待機位置からドラム上に移動させてチャックをドラム上に固定するチャック保持機とを備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明の第2のシート材固定装置は、チャックの上面に開口が細くて内部が広がった穴が設けられており、そのチャックを保持するチャック保持機に、柄部と底棒部とからなる保持具を備えている。この保持具は縦方向の断面がT字形状を有し、底棒部がチャックの穴に挿入されて内部で回動されることにより、底棒部の両端が穴の開口に引っかけられる。この状態で柄部を引くことによって、チャックをチャック保持機にがたつかないように固定することができ、原版をたるませることなくドラムに固定することができる。
【0016】
尚、上記「柄部を引いて」とは、「柄部を通してチャックを引っ張る力が伝わる」という意味であり、本発明の第2のシート材固定装置は、底棒部でチャックを引っかけた状態で、柄部の長さを伸縮させることによりチャックをチャック保持機に引き付けるものであってもよく、柄部の長さが固定長で、チャック保持機全体を移動させることにより、チャックをチャック保持機に引き付けるものであってもよい。
【0017】
また、本発明の第1のドラム型露光装置は、
シート状の感光材料を巻き付けたドラムを回転させるとともに、ドラム上の感光材料を光で照射して感光材料を露光するドラム型露光装置において、
ドラム上に着脱可能な、感光材料をドラムとの間に挟み込んでドラム上に固定されることにより感光材料をドラム上に固定する、感光材料と接触する底面に対する上面に複数の窪みが設けられたチャックと、
複数の窪みそれぞれに相応する複数の突起、およびチャックを引き付けて保持する保持具を備え、突起をその突起に相応する窪みに嵌入させて突起の外壁と窪みの内壁とを接触させるとともに保持具でチャックを引き付けることによって、チャックをドラムの周面と距離を置いた待機位置に保持し、保持したチャックを待機位置からドラム上に移動させてチャックをドラム上に固定するチャック保持機とを備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明の第1のドラム型露光装置によると、各突起を相応する窪みにそれぞれ嵌入させて突起の外壁と窪みの内壁とを接触させることにより、チャックをチャック保持機に固定して、感光材料上の正しい位置をチャックで挟み込むことができ、無駄な銜え代を必要とせずに、効率的に感光材料を使用することができる。
【0019】
また、本発明の第2のドラム型露光装置は、
シート状の感光材料を巻き付けたドラムを回転させるとともに、ドラム上の感光材料を光で照射して感光材料を露光するドラム型露光装置において、
ドラム上に着脱可能な、感光材料をドラムとの間に挟み込んでドラム上に固定されることにより感光材料をドラム上に固定する、感光材料と接触する底面に対する上面に、開口が細くて内部が広がった穴を有するチャックと、
穴の開口よりも細い棒状の底棒部および底棒部の両端の間から伸びる柄部からなる保持具を有し、保持具の底棒部を穴の開口から挿入して内部で回動させ、保持具の柄部を引いてチャックを引き付けることによってチャックをドラムの周面と距離を置いた待機位置に保持し、保持したチャックを待機位置からドラム上に移動させてチャックをドラム上に固定するチャック保持機とを備えたことを特徴とする。
【0020】
本発明の第2のドラム型露光装置によると、上下方向に対してチャックをチャック保持機に固定して、感光材料をたるませずにドラム上に固定することができ、露光の際のピントずれや画像のゆがみなどを防ぐことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0022】
印刷画像を作成する際には、上述したように、ドラム型露光装置において、感光材料が塗布されたシート状の原版が露光される。この原版は、本発明にいうシート材、および感光材料の一例に相当する。露光された原版は現像装置において現像されて印刷版が生成され、さらに、印刷機において印刷版にインクが塗布されて、印刷画像が印刷される。以下では、このドラム型露光装置について説明する。
【0023】
図2は、本発明の一実施形態が適用されたドラム型露光装置を示す概略構成図である。
【0024】
ドラム型露光装置20には、ドラム100、先端チャック110、給排版ユニット200、後端チャック保持部300、後端チャック310、先端チャック押離部400、ローラ500、および露光部600が備えられている。
【0025】
ドラム型露光装置20における本発明の一実施形態としての特徴は、後端チャック保持部300および後端チャック310にあるが、まず、ドラム型露光装置20の全体の構成について説明する。
【0026】
ドラム100は、原版を周面に巻き付けて矢印cの方向に回転するドラムである。ドラム100には、後述する後端チャック310を取り付けるために、ドラム100の周面に沿うように、ドラム100が回転する方向に延びる溝が設けられている。このドラム100は、本発明にいうドラムの一例に相当する。
【0027】
先端チャック110は、ドラム100上の回転軸方向に複数並べて搭載されており、原版の先端を把持して原版をドラム100に固定する。先端チャック110は、先端チャック押離部400によって押されると、チャックが開いてドラム100との間に原版を挟み込む隙間を形成し、先端チャック押離部400が離れるとチャックが閉じてドラム100との間の隙間を閉じる。
【0028】
給排版ユニット200には、原版をドラム100へ給版する給版ガイド220と、原版をドラム100から排版する排版ガイド210とが具備されている。
【0029】
先端チャック押離部400は、先端チャック110に1対1に相応して並べられた複数の突起410を備えている。ドラム100が回転して先端チャック110が先端チャック押離部400の真下に来ると、先端チャック押離部400は先端チャック110へ向けて移動し、突起410は相応する先端チャック110を押してチャックを開く。給版ガイド220から原版が給版され、原版の先端が先端チャック110とドラム100との間の隙間に装着されると、先端チャック押離部400は元の位置に移動し、突起410は先端チャック110を離してチャックを閉じる。
【0030】
後端チャック保持部300は、ドラム100の周面から所定距離hだけ離れた位置(以下、この位置を待機位置と称する)に、後端チャック310を保持している。この待機位置は、本発明にいう待機位置の一例にあたる。ドラム100が回転して、ドラム100に巻きつけられている原版の後端が後端チャック保持部300の真下に来ると、後端チャック保持部300はドラム100に向けて移動し、後端チャック310とドラム100との間に原版の後端を挟みこむようにして、後端チャック310をドラム100上に装着する。この後端チャック310は本発明におけるチャックの一例にあたり、後端チャック保持部300は本発明におけるチャック保持機の一例に相当する。後端チャック保持部300および後端チャック310の構成については、後で詳しく説明する。
【0031】
ここで、一旦図2の説明を中止し、図3を用いて後端チャック310をドラム100に固定する方法について説明する。
【0032】
図3は、後端チャックの側面図である。
【0033】
図3(A)に示すように、後端チャック310には、コマ部311とチャック部312とが備えられている。チャック部312は、原版を挟み込む部分であり、コマ部311が貫通している。コマ部311は、チャック部312のうちドラム100と接触しない面(以下、これを上面と称する)に近い上側が図2に示す後端チャック保持部300によって保持されており、保持されていない下側の底が楕円形を構成している。また、ドラム100の溝120は、入口ほど狭く奥ほど広い形状をしており、後端チャック保持部300は、コマ部311の下端を、楕円の長径が溝120の延びる方向に沿うように溝120に嵌入し、さらに、コマ部311を90度回動させる。
【0034】
図3(B)は、コマ部311を回動させたときの後端チャック310を示している。コマ部311が回動すると、底の楕円の長径が溝120の延びる方向と直交するように配置される。このとき、溝120の入口よりも楕円の長径の方が長くなり、コマ部311は溝120から抜けることのないように固定される。尚、本実施形態においては、コマ部311の底は楕円を形成しているが、コマ部の底は楕円形に限らず、例えば長円形や円の一部を削除した形状など、直交する各方向で一方がドラムの溝の入口より長く、一方が溝の入口より短い形状であればよい。
【0035】
図2および図3に示す後端チャック310は、本発明におけるチャックの一例に相当する。
【0036】
以上で図3の説明を終了し、図2に戻って説明する。
【0037】
ローラ500は、原版をドラム100に巻き付けるときにドラム100に向けて移動し、原版をドラム100に密着させるためのローラである。
【0038】
露光部600は、ワークステーション(図示しない)などから入力した画像データに基づいた光ビーム群を発射して、その光ビーム群でドラム100の周面を照射することにより、ドラム100に巻き付けられた原版を露光する。この露光部600は、本発明のドラム型露光装置における露光部の一例に相当する。
【0039】
ドラム型露光装置20は、基本的には以上のように構成されており、次に、ドラム型露光装置20に原版を巻き付けて、原版を露光する一連の手順について説明する。
【0040】
ドラム100が回転して、先端チャック110が先端チャック押離部400の真下に移動すると、先端チャック押離部400は先端チャック110へ向けて駆動し、各突起410が相応する先端チャック110を押すことにより先端チャック110が開く。
【0041】
図示しないカセット内に収容された原版は、給排版ユニット200の給版ガイド220によってドラム100へ給版されて、原版の先端が先端チャック110とドラム100との間に形成された隙間に装着される。原版の先端が正しい位置に装着されると、先端チャック押離部400は元の位置に移動し、その移動に伴って突起410が先端チャック110から離れて、先端チャック110とドラム100との間の隙間が閉じる。
【0042】
原版の先端が先端チャック110によって把持されると、ドラム100は矢印cの方向に回転し、ローラ500はドラム100との間に原版を挟んで原版をドラム100に密着させる。また、図示しないセンサによって原版の後端が後端チャック保持部300の真下に移動したことが検知されると、後端チャック保持部300は待機位置からドラム100に向けて移動する。後端チャック保持部300は、後端チャック310のコマ部311(図3参照)をドラム100の溝120に嵌入させて90度回動させることにより、後端チャック310をドラム100上に固定させる。後端チャック310がドラム100に固定されると、後端チャック保持部300は後端チャック310をドラム100に残して元の待機位置に移動する。原版の後端が後端チャック310に把持されると、ローラ500は元の位置に移動し、ドラム100は矢印cの方向に高速回転する。
【0043】
ドラム100が高速回転するのに伴い、露光部600は、光ビーム群の照射位置を回転軸に沿う方向に移動させながら、光ビーム群をドラム100へ向けて照射して原版を露光する。
【0044】
露光が終了すると、原版の後端が後端チャック保持部300の真下にくるようにドラム100が回転する。
【0045】
後端チャック保持部300は後端チャック310に向けて移動して、図2に示すコマ部311をドラム100に固定したときと逆に回動させ、後端チャック310をドラム100から取り外す。
【0046】
後端チャック310が取り外されると、ドラム100は、先端チャック110が先端チャック押離部400の真下にくるように回転する。先端チャック押離部400は、先端チャック110を開き、原版の先端を開放する。このとき、原版の後端は排版ガイド210上に乗っており、排版ガイド210が図示しない排版口へ向けて原版を運び、露光処理が終了する。
【0047】
ここで、後端チャック310が原版上の正しい位置を挟み込んでドラム上に装着されるためには、後端チャック保持部300が後端チャック310を正しく保持している必要がある。以下では、本発明の特徴である後端チャック保持部300および後端チャック310について詳しく説明する。
【0048】
図4は、後端チャック保持部の断面図であり、図5は、図3にも示す後端チャックの正面図である。
【0049】
図4に示すように、後端チャック保持部300は、先端が円錐形状を有する2本の位置決めピン301、2本の位置決めピン301にそれぞれ備えられたバネ302、図3および図5に示す後端チャック310のコマ部311を銜えるソケット303、および回動自在なロックレバー306を備えている。ロックレバー306は、底棒305と、底棒305の中心から伸びた保持棒304とで構成されており、ロックレバー306の断面はT字形状をなしている。この2本の位置決めピン301は、本発明にいう複数の突起の一例に相当し、ロックレバー306は、本発明にいう保持具の一例に相当する。さらに、底棒305は、本発明にいう底棒部の一例にあたり、保持棒304は、本発明にいう柄部の一例に相当する。
【0050】
後端チャック310には、図5に示すように、チャック部312の上側の表面に、内壁が円錐形状をなす円錐窪み313と、内壁の断面がV字形状をなすV字溝315と、入口が細長くて内側が広がったロックレバー用穴314が設けられており、さらに、図3にも示すコマ部311がチャック部312を貫通している。この円錐窪み313は、本発明にいう円錐窪みの一例にあたり、V字溝315は、本発明にいうV字溝の一例に相当する。また、円錐窪み313とV字溝315とをあわせたものは、本発明にいう複数の窪みの一例に相当する。
【0051】
図4の後端チャック保持部300が待機位置から図3の後端チャック310上に移動すると、図4のソケット303が図5のコマ部311を銜えて、後端チャック310は後端チャック保持部300に固定される。しかし、ソケット303とコマ部311との間には若干の隙間が備えられており、ソケット303とコマ部311だけで後端チャック310を後端チャック保持部300に固定しようとすると、後端チャック310は正しい位置からずれた位置で固定されてしまう恐れがある。ここで、ソケット303でコマ部311を銜えるとともに、まず、図4に示す2つの位置決めピン301を、図5に示す円錐窪み313およびV字溝315にそれぞれ嵌入する。このとき、各位置決めピン301に備えられているバネ302によって、2つの位置決めピン301は後端チャック310の方向に付勢される。この状態で、さらに、ロックレバー306の底棒305をロックレバー用穴314に挿入して底棒305を90度回動し、その後、後端チャック保持部300全体を待機位置へ待避させると、後端チャック310の方向に付勢された2つの位置決めピン301によって、ロックレバー306の底棒305に後端チャック310が押し付けられ、後端チャック310が後端チャック保持部300にしっかりと接触して保持される。尚、バネ302は、後端チャック310が正確な位置からずれた位置に配置されているときに、無理な力が加えられるのを防ぐ役割も兼ねている。
【0052】
図6は、後端チャック保持部で後端チャックを保持したときの後端チャックおよび後端チャック保持部を示す図である。
【0053】
後端チャック310の円錐窪み313およびV字溝315に、チャック保持部300の2本の位置決めピン301がそれぞれ接触しながら嵌入しており、少なくとも2点の位置を固定しているため、後端チャック310とチャック保持部300は、縦・横・斜めの方向に対して固定されている。また、嵌入された位置決めピン301の位置を一意に決定する円錐窪みと、嵌入された位置決めピン301が一方向に自由度を有するV字溝とを組み合わせて備えることにより、後端チャック310が多少ずれた位置に配置されていても、その誤差をV字溝315と位置決めピン301が吸収して、円錐窪み313の正しい位置に位置決めピン301を嵌入させ、後端チャック310を後端チャック300で正しく保持することができる。このように、後端チャック保持部301は、後端チャック310を正確な位置に固定して保持するため、後端チャック310で原版の正しい位置を挟み込むことができ、原版を効率的に使用することができる。さらに、ロックレバー306の底棒305が後端チャック310のロックレバー用穴314に引っかかることによって、後端チャック310と後端チャック保持部300は上下方向(あおり方向)に対しても固定されている。これにより、後端チャック保持部301は、後端チャック310を正しい姿勢で保持するため、後端チャック310で原版をたるませずに挟み込むことができ、露光の際のピントずれや画像のゆがみなどを抑えることができる。
【0054】
尚、上記では、本発明にいうチャックの一例を、原版の後端を挟み込む後端チャックに適用した例について説明したが、本発明にいうチャックは、原版の先端を挟み込む先端チャックに適用するものであってもよく、あるいは先端チャックおよび後端チャックの両方に適用するものであってもよい。
【0055】
また、上記説明では、本発明にいう複数の窪みおよび複数の突起の一例として、窪みおよび突起を2つずつ備えた例が示されているが、本発明にいう複数の窪みおよび複数の突起の数は3つ以上であってもよい。
【0056】
また、上記説明では、本発明にいう突起の一例として、先端が円錐形状を有する突起が示されているが、本発明にいう突起は、例えば、先端が半球状であってもよい。
【0057】
また、上記説明では、本発明にいう保持具の一例として、底棒部の中心から伸びた柄部を備えた保持具が示されているが、本発明にいう保持具は、柄部が底棒部の中心から伸びているものに限らず、柄部が底棒部の両端の間から伸びているものであればよい。
【0058】
また、上記説明では、上面に複数の窪みと開口が細くて内部が広がった穴が設けられたチャックと、複数の突起と底棒部および柄部を有する保持具とを備えたチャック保持機とを有するシート材固定装置およびドラム型露光装置について説明したが、本発明にいうチャックおよびチャック保持機は、上面に複数の窪みを有するが本発明にいう穴を備えていないチャックと複数の突起を備えたチャック保持機との組み合わせ、あるいは、開口が細くて内部が広がった穴が設けられているが本発明にいう窪みを備えていないチャックと底棒部および柄部を有する保持具を備えたチャック保持機との組み合わせであってもよい。
【0059】
さらに、上記では、本発明のシート材固定装置を画像露光装置に適用する例ついて説明したが、このシート材固定装置は、ドラムにシート材を固定して動作する装置であればよく、ドラム型露光装置以外の装置等に適用されてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、チャックの姿勢を正しく保つとともに、正確な位置でチャックを保持することができるシート材固定装置、およびドラム型露光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】チャックとチャック着脱手段とを備えた原版固定装置を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態が適用されたドラム型露光装置を示す概略構成図である。
【図3】後端チャックの側面図である。
【図4】後端チャック保持部の断面図である。
【図5】図3にも示す後端チャックの正面図である。
【図6】後端チャック保持部で後端チャックを保持したときの後端チャックおよび後端チャック保持部を示す図である。
【符号の説明】
10 原版固定装置
11 チャック
12 チャック着脱機構
13 穴
14 コマ
15 ロックレバー
15a 底
16 ソケット
20 ドラム型露光装置
100 ドラム
110 先端チャック
120 溝
200 給排版ユニット
210 排版ガイド
220 給版ガイド
300 後端チャック保持機
301 位置決めピン
302 バネ
303 ソケット
304 保持棒
305 底棒
306 ロックレバー
310 後端チャック
311 コマ部
312 チャック部
313 円錐窪み
314 ロックレバー用穴
315 V字溝
400 先端チャック押離部
410 突起
500 ローラ
600 露光部
Claims (5)
- シート材を周面に巻き付けて回転するドラム上に着脱可能な、該シート材を該ドラムとの間に挟み込んで該ドラム上に固定されることにより該シート材を該ドラム上に固定する、該シート材と接触する底面に対する上面に複数の窪みが設けられたチャックと、
前記複数の窪みそれぞれに相応する複数の突起、および前記チャックを引き付けて保持する保持具を備え、前記突起を該突起に相応する窪みに嵌入させて該突起の外壁と該窪みの内壁とを接触させるとともに前記保持具で該チャックを引き付けることによって、該チャックを前記ドラムの周面と距離を置いた待機位置に保持し、保持したチャックを該待機位置から前記ドラム上に移動させて該チャックを該ドラム上に固定するチャック保持機とを備えたことを特徴とするシート材固定装置。 - 前記チャックが、前記複数の窪みとして、内壁が円錐形状をなす円錐窪みと、内壁の断面がV字形状をなすV字溝とを少なくとも1組設けられたものであることを特徴とする請求項1記載のシート材固定装置。
- シート材を周面に巻き付けて回転するドラム上に着脱可能な、該シート材を該ドラムとの間に挟み込んで該ドラム上に固定されることにより該シート材を該ドラム上に固定する、該シート材と接触する底面に対する上面に、開口が細くて内部が広がった穴を有するチャックと、
前記穴の開口よりも細い棒状の底棒部および該底棒部の両端の間から伸びる柄部からなる保持具を有し、該保持具の底棒部を前記穴の開口から挿入して内部で回動させることにより該底棒部の両端を該穴の内部に引っかけ、該保持具の柄部を引いて前記チャックを引き付けることによって該チャックを前記ドラムの周面と距離を置いた待機位置に保持し、保持したチャックを該待機位置から前記ドラム上に移動させて該チャックを該ドラム上に固定するチャック保持機とを備えたことを特徴とするシート材固定装置。 - シート状の感光材料を巻き付けたドラムを回転させるとともに、前記ドラム上の感光材料を光で照射して該感光材料を露光するドラム型露光装置において、
前記ドラム上に着脱可能な、前記感光材料を該ドラムとの間に挟み込んで該ドラム上に固定されることにより該感光材料を該ドラム上に固定する、該感光材料と接触する底面に対する上面に複数の窪みが設けられたチャックと、
前記複数の窪みそれぞれに相応する複数の突起、および前記チャックを引き付けて保持する保持具を備え、前記突起を該突起に相応する窪みに嵌入させて該突起の外壁と該窪みの内壁とを接触させるとともに前記保持具で該チャックを引き付けることによって、該チャックを前記ドラムの周面と距離を置いた待機位置に保持し、保持したチャックを該待機位置から前記ドラム上に移動させて該チャックを該ドラム上に固定するチャック保持機とを備えたことを特徴とするドラム型露光装置。 - シート状の感光材料を巻き付けたドラムを回転させるとともに、前記ドラム上の感光材料を光で照射して該感光材料を露光するドラム型露光装置において、
前記ドラム上に着脱可能な、前記感光材料を該ドラムとの間に挟み込んで該ドラム上に固定されることにより該感光材料を該ドラム上に固定する、該感光材料と接触する底面に対する上面に、開口が細くて内部が広がった穴を有するチャックと、
前記穴の開口よりも細い棒状の底棒部および該底棒部の両端の間から伸びる柄部からなる保持具を有し、該保持具の底棒部を前記穴の開口から挿入して内部で回動させ、該保持具の柄部を引いて前記チャックを引き付けることによって該チャックを前記ドラムの周面と距離を置いた待機位置に保持し、保持したチャックを該待機位置から前記ドラム上に移動させて該チャックを該ドラム上に固定するチャック保持機とを備えたことを特徴とするドラム型露光装置。
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