JP3957618B2 - 多重光送信機及び多重光伝送システム - Google Patents

多重光送信機及び多重光伝送システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多重光送信機及び多重光伝送システムに係り、更に詳しくは、複数の入力信号について多重化及び光変換を行って、光伝送路による多重伝送を行う伝送システム、例えば遠隔監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバを介して光信号を伝送する光伝送方式は、電気信号の伝送方式に比べて外来ノイズに強いため、ノイズ環境下での信号伝送に適している。また、伝送損失が小さいため、中継設備なしにより遠くまで伝送することができ、遠距離通信に適している。
【0003】
図8は、従来の光伝送システムにおける送信側の構成を示したブロック図であり、映像信号を光伝送する場合の例が示されている。この光伝送システムでは、複数の映像信号が周波数帯域を異ならせて多重化され、光信号として光伝送路3を介して伝送される。図中の21は周波数変調器(FM変調器)、22は合成器、23は電気/光変換器(EL/OP)、3は光伝送路である。
【0004】
送信側では、複数の映像信号出力機器、例えば撮像装置や再生装置から出力された動画像データが映像信号として入力される。通常、これらの映像信号は、互いに周波数帯域が重複しており、また各機器から同時に出力されている。各映像信号は、それぞれに対応して設けられた周波数変調器21において周波数変調され、生成された全ての変調映像信号が合成器22で合成され、多重映像信号が生成される。
【0005】
周波数変調に用いられる各搬送波の周波数f〜fは、各周波数変調器21ごとに異なり、多重映像信号中の各変調映像信号は周波数に基づいて分離可能に多重化されている。すなわち、これらの映像信号は、周波数分割により多重化され、受信側では、受信信号から特定の周波数帯域を取り出して復調すれば、所望の映像信号が得られる。
【0006】
合成器22により生成された多重映像信号は、電気/光変換器23において光信号に変換され、受信機(不図示)に接続された光伝送路3、例えばシングルモードの光ファイバへ送出される。電気/光変換器23には、通常、レーザダイオードが用いられ、多重映像信号に基づく光の振幅変調(発光強度の変調)が行われている。
【0007】
ここで、電気/光変換器23としてノンリニアなレーザダイオードを使用したとすれば、その非直線性によって副次歪みと呼ばれる非直線歪みが生じ、光信号に歪み成分が混入する。多重映像信号を光変換した場合、この歪み成分が、いずれかの変調映像信号と周波数軸上で重複し、あるいは隣接していれば、当該変調映像信号のC/N(Carrier/Noise)比を低下させてしまう。つまり、信号の劣化により、受信側における映像品質を低下させてしまう。
【0008】
従って、光の振幅変調を利用して、電気信号を光信号へ変換する場合、電気/光変換器23の入出力特性の直線性(リニアリティ)が重要となる。このため、従来の多重光伝送システムでは、リニアリティを高めた特別なレーザダイオードを使用したり、特定波長のレーザダイオードが使用されている。
【0009】
一般に、リニアリティの低いレーザダイオードは安価であり、光の振幅を2値制御するデジタル信号伝送などに用いられている。この場合、伝送容量を増大させるには、波長の異なる2以上の光信号を混合して多重化する波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplier)が行われる。
【0010】
これに対し、周波数多重信号などのアナログ信号を伝送する場合には、レーザダイオードにリニアリティが要求され、デジタル信号伝送用よりも高価なアナログ信号用のレーザダイオードを用いる必要がある。このため、多重光伝送システムを廉価に提供することができないという問題があった。
【0011】
この様な問題点に鑑みて、周波数多重信号を光伝送するシステムにおいてリニアリティの低い安価なレーザダイオードを用いるための提案が、例えば、特許文献1に記載されている。
【0012】
図9は、改良された従来の多重光伝送システムの構成を示したブロック図である。この多重光伝送システムでは、送信側が、周波数変換器7及び電気/光変換器23により構成され、受信側が、光/電気変換器(OP/EL)41及び周波数変換器8により構成される。すなわち、送信側及び受信側にそれぞれ周波数変換器7,8を備えている。
【0013】
入力端子T1からは、信号周波数f〜fの多重映像信号が入力され、周波数変換器7に入力される。周波数変換器7は、発振器70、ミキサ71及びバンドパスフィルタ72からなり、多重映像信号は、ミキサ71において発振器70からの周波数信号と混合され、発振器70の発振周波数fだけ周波数をシフトさせた多重映像信号がバンドパスフィルタ72を通過する。この周波数変換後の信号が、電気/光変換器23において光信号に変換され、光伝送路3へ送出される。
【0014】
受信側では、受信信号を光/電気変換器41において電気信号に変換した後、周波数変換器8へ入力している。周波数変換器8は、発振器80、ミキサ81及びバンドパスフィルタ82により構成され、周波数変換器7とは、逆の周波数シフトが行われ、元の多重映像信号が再生され、出力端子T2から出力される。
【0015】
周波数変換器7において、周波数多重された各信号f〜fは、新しい周波数帯域f’〜f’にそれぞれ変換されるが、変換後の周波数帯域f’〜f’のうち最も低い周波数f’の2倍成分2f’が、最も高い周波数f’より高くなるように、発振器70の周波数fが設定されている。つまり、新しい信号周波数は、いずれも他の信号周波数の2倍にならないように周波数変換が行われる。このため、電気/光変換器23に安価なレーザダイオードを用いつつ、その2次歪みに起因するC/N比の低下を抑制することができる。
【0016】
【特許文献1】
特開平2−226921号
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
図8の従来の光伝送システムでは、電気/光変換器23において副次歪みが生ずるとC/N比が低下することから、この様な問題を回避するために、電気/光変換器23に高価なレーザダイオードを用いる必要があった。
【0018】
これに対し、図9の光伝送システムでは、送信側及び受信側にそれぞれ周波数変換器7,8を設け、多重化された各信号の副次歪みが、他の信号のC/N比に影響を与えないように周波数変換を行うことによって、送信側の電気/光変換器23に安価なレーザダイオードを適用可能とし、コストダウンを図ろうとしている。
【0019】
ところが、図9の光伝送システムでは、送信側及び受信側の両側にミキサー回路を新たに設ける必要があるため、回路の複雑化を招き、安価なレーザダイオードを適用しても、それによるコスト削減効果が十分には得られないという問題があった。
【0020】
また、その2次歪み成分には、各変調信号の2倍の周波数成分だけでなく、周波数差及び周波数和の成分も含まれている。このため、3以上の変調信号からなる周波数多重信号の場合、任意の2つの変調信号の周波数差及び周波数和の成分が、他の変調信号の帯域と重複しないように周波数変換を行わなければ、2次歪みにより信号が劣化するという問題があった。
【0021】
また、周波数変換器7及び8における周波数fは、多重化された各信号の周波数に応じて設定する必要があり、周波数変調器での搬送波の周波数が変更されるごとに、あるいは多重化される信号の数や帯域幅が異なるごとに、送信側及び受信側で再度設定を行わなければならず、周波数fの選定や、その設定作業が煩雑であるという問題があった。
【0022】
さらに、非直線性に伴う副次歪みは2次歪みだけでなく、より高次の歪みも存在する。この様な高次の歪み成分は、一般に、その電力が信号電力に比べて極端に小さく、C/N比への影響はほとんどないと考えられている。しかしながら、WDM用のレーザダイオードを用いた光振幅変調のように、非直線歪みが大きい場合であれば、3次歪み成分のうち、比較的電力の大きな成分のC/N比への影響が無視できなくなる。すなわち、3次歪みによる信号の劣化も無視できないという問題があった。
【0023】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、安価なレーザダイオードを用いて構成される安価な多重光送信機及び多重光伝送システムを提供することを目的とする。また、煩雑な設定作業を必要としない多重光送信機及び多重光伝送システムを提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
【0030】
発明による多重光伝送システムは、重光送信機と、この多重光送信機からの送信信号を受信し、復調する受信機により構成される。上記多重光送信機は、アナログ信号からなる入力信号が入力される3以上の信号入力端子ごとに設けられ、周波数の互いに異なる搬送波を用いて変調信号を生成する変調器と、各変調信号を合成して多重化信号を生成する合成器と、多重化信号に基づいて光信号の振幅変調を行う電気/光変換器とを備え、上記搬送波が、振幅変調に伴う各変調信号の2次歪み成分のうち、各変調信号の2倍の周波数、周波数和及び周波数差のいずれもが他の変調信号の帯域外となり、かつ、3次歪み成分のうち、任意の3つの変調信号の周波数について加算、減算及びこれらの組み合わせにより得られる周波数成分のいずれもが各変調信号の帯域外となる周波数に構成される。この様な構成により、安価な電気/光変換器を用いて多重化信号を光信号に変換し、光伝送路を介して伝送させることができる。この場合の各搬送波の周波数は、プリセットされていてもよいし、入力信号の数や帯域幅に応じて変更可能であってもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による多重光伝送システムの一構成例を示したブロック図である。この多重光伝送システムは、送信機2及び受信機4により構成され、送信機2及び受信機4は、光伝送路3を介して接続されている。また、送信機2には複数の撮像装置1が接続され、受信機4には表示制御装置5を介して表示装置6が接続されている。
【0032】
この図には、遠隔監視システムに適用された場合の例が示されている。例えば、プラント内に撮像装置1として複数の監視カメラを設置し、各監視カメラからの映像信号をプラント内のノイズ環境を経由して遠隔地の管理センターへ伝送するために光伝送路3が用いられている。管理センターでは、いずれかの映像信号を切り替えて画面表示させ、プラント内の監視を行っている。
【0033】
撮像装置1は、動画像を撮影して映像信号を出力する監視カメラである。各撮像装置1から出力される映像信号は、同一周波数帯を占有するベースバンド信号、例えば周知のビデオ信号である。例えば、撮像装置1が、水平解像度500本程度の映像信号を出力する場合、各映像信号は、それぞれ6〜7MHzの帯域幅を有するアナログの変調信号である。
【0034】
送信機2は、複数の映像信号を周波数分割により多重化し、光信号に変換して出力する多重光送信機である。この光信号は、光伝送路3を介して受信機4へ伝送される。受信機4は、受信信号を電気信号に変換し、多重化された各変調信号の分離及び復調が行われる多重光受信機であり、復調後の各映像信号が出力される。
【0035】
表示制御装置5は、オペレータの指示に基づいて、受信機4から出力される映像信号の選択や合成を行っている。例えば、複数の映像信号から指定された映像信号を選択し、選択された映像が表示装置6に表示される。また、2以上の映像信号を合成し、あるいは、順次に映像信号を切り替えて、表示装置6に表示させる。
【0036】
図2は、図1の送信機2の一構成例を示したブロック図である。この送信機2は、4つのFM変調器21、合成器22及び電気/光変換器23からなる。また、4つの入力端子20及び1つの出力端子24を有し、各FM変調器21は入力端子20ごとに設けられている。なお、図2では、4組のFM変調器21及び入力端子20を備えた送信機2を示したが、本発明は2組以上を備えた送信機に適用することができる。
【0037】
入力端子20には、異なる撮像装置1がそれぞれ接続され、4つの映像信号が入力される。すなわち、入力端子20には、互いに周波数帯域の重複する映像信号が入力される。これらの映像信号は、対応するFM変調器21において周波数変調され、全ての変調映像信号が合成器22で合成される。この様にして生成された多重映像信号は、電気/光変換器23のレーザダイオードによって光振幅変調され、光信号に変換される。
【0038】
各FM変調器は、それぞれ発振器(不図示)を備え、互いに異なる周波数f〜fの搬送波で映像信号を周波数変調しており、各映像信号は周波数分割により多重化された後、光信号に変換される。
【0039】
図3は、図1の受信機4の一構成例を示したブロック図である。この受信機4は、光/電気変換器41、4つのバンドパスフィルタ42及び複数のFM検波器43からなる。また、1つの入力端子40及び4つの出力端子44を有し、各出力端子44は、FM検波器43ごとに設けられている。なお、図3では、4組のFM検波器43及び出力端子44を備えた受信機4を示したが、本発明は2組以上を備えた受信機に適用することができる。
【0040】
入力端子40から入力された光信号は、光/電気変換器41により電気信号に変換され、各バンドパスフィルタ42により周波数帯域ごとに分離され、周波数f〜fの変調信号が生成される。これらの変調信号は、バンドパスフィルタ42に対応するFM検波器43により復調され、映像信号として各出力端子44から出力される。
【0041】
次に、光振幅変調を行う際、レーザダイオードの非直線性によって光信号に混入する歪み成分について説明する。レーザダイオードの入力信号をe、出力信号をe、利得をa、2次歪み係数をaとすれば、非直線性の入出力特性は次式(1)のように表わすことができる。
【数1】
Figure 0003957618
【0042】
入力信号eが、3つの信号の多重化信号であり、多重化された各信号の搬送波周波数(角速度)をα,β,γとし、それぞれの信号レベル(振幅)をA,B,Cとすれば、この入力信号eは、時間tの関数として次式(2)によって表される。
【数2】
Figure 0003957618
【0043】
式(2)を式(1)に代入して整理すれば、次式(3)が得られる。
【数3】
Figure 0003957618
【0044】
式(3)の右辺の第1項が振幅変調によって本来生成される光信号に相当し、第2項は2次歪み成分に相当する。2次歪み成分のうち、直流成分は問題とならないが、各信号周波数の2倍、周波数和及び周波数差の成分が、他の信号周波数に一致し、あるいは隣接するならば、当該他の信号のC/N比を低下させてしまう。
【0045】
このため、電気/光変換器23にノンリニアな特性を有する安価なレーザダイオードを使用する場合、各FM変調器21は、光変換に伴って生ずる変調映像信号の2次歪み成分が他の変調映像信号の帯域外となるように、各搬送波の周波数を予め定めておく必要がある。特に、3以上の映像信号が多重化されている場合には、2つの変調映像信号間の周波数和及び周波数差が、他の変調映像信号の帯域外となるように、各搬送波の周波数を予め定めておく必要がある。
【0046】
各搬送波の周波数を決定するためには、他のFM変調器21の搬送波周波数と、入力される全ての映像信号の周波数帯域幅が既知でなければならない。つまり、各入力端子20の入力帯域幅が既知であれば、各FM変調器21の搬送波周波数を予め設定しておくことも可能となる。
【0047】
このため、入力端子20に入力可能な映像信号の帯域幅を予め規定し、各FM変調器21の搬送波周波数を、この帯域幅に基づいてプリセットしておけば、安価なレーザダイオードを用いて光信号に変換しても、2次歪み成分の影響により信号を劣化させることなく、多重光伝送を行うことができる。
【0048】
図4は、本発明の実施の形態1による多重光伝送システムの他の構成例を示したブロック図である。この多重光伝送システムでは、映像信号とともに、音声信号や制御信号を伝送している。送信機2の入力端子20には合成器10が接続されている。撮像装置1からの映像信号や、マイクロフォン11からの音声信号や、制御接点12からの接点情報などが合成器10で合成され、送信機2へ入力される。例えば、映像信号の帯域幅6〜7MHzの場合、送信機2に入力可能な帯域幅として10MHzあれば、映像信号とともに、音声信号や接点情報なども伝送することができる。
【0049】
図5は、送信機2の出力信号に含まれる主な周波数成分の一例を示した図である。各入力端子20の帯域幅を10MHzとし、搬送波周波数f=180MHz、f=210MHz、f=250MHz、f=300MHzとした場合の変調映像信号が2次歪み成分とともに示されている。
【0050】
30〜120MHzの成分は、f〜fの周波数差として生ずる2次歪み成分であり、360MHz以上の成分は、周波数の2倍又は周波数和として生ずる成分であり、いずれも帯域幅10MHzからなる。これらの各成分は、搬送波周波数f〜fによる信号帯域と重複せず、隣接もしていない。
【0051】
つまり、各入力端子20に入力される映像信号の帯域幅が10MHzであれば、4つのFM変調器21における搬送波周波数としてf〜fを採用することにより、電気/光変換器23にリニアリティの低いレーザダイオードを用いたとしても2次歪み成分による信号劣化が生じない。
【0052】
この様にして、入力信号の数及び帯域幅を予め定めることによって、2次歪みの影響を受けない各FM変調器21の搬送波周波数の組合せを決定することができる。このとき、受信機4におけるバンドパスフィルタ42及びFM検波器43の特性も同時に決定される。従って、FM変調器21及びバンドパスフィルタ42、FM検波器43の周波数を予めプリセットしておくことができ、ユーザが調整作業を行う必要がない。
【0053】
本実施の形態によれば、複数の映像信号を周波数変調して合成し、合成信号に基づいて光信号の振幅変調を行う際、振幅変調に伴う2次歪み成分、つまり、信号周波数の2倍、和及び差の各成分が、他の信号の帯域外となるように変調を行っている。このため、2次歪み成分による信号劣化を防止しつつ、電気/光変換器23に比較的安価なレーザダイオードを用いることができる。
【0054】
また、従来の多重光伝送システムに比べて、送信側及び受信側に周波数変換器を設ける必要がないため、レーザダイオードのコスト低減により、安価な多重光伝送システムを提供することができる。
【0055】
また、入力数の最大値及び入力される帯域幅の最大値を予め定めることにより、信号劣化を防止可能な搬送波周波数の組合せを予め定めることができ、送信機及び受信機のいずれにおいても調整作業が不要となる。
【0056】
なお、本実施の形態では、映像信号を光伝送し、あるいは、映像信号とともに音声信号や接点情報等を光伝送する場合について説明したが、本発明は、この様な場合に限定されない。送信機2の入力端子20には、予め定められた帯域幅を越えない種々の信号を入力することができ、例えば2以上の音声信号を多重光伝送する場合にも本発明を適用することができる。
【0057】
実施の形態2.
実施の形態1では2次歪み成分による信号劣化を防止する光多重伝送システムの例について説明したが、レーザダイオードにおける非直線歪みが大きい場合には、3次歪みの影響を無視することができなくなる。このため、本実施の形態では、更に3次歪みによる信号劣化を防止する場合について説明する。
【0058】
3次歪みを考慮したレーダダイオードの入出力特性は、式(2)と同様、入力信号をe、出力信号をe、利得をa、2次歪み係数をaとするとともに、3次歪み係数をaとすれば、次式(4)のように表わすことができる。
【数4】
Figure 0003957618
【0059】
3つの信号が多重化された入力信号eを示す式(2)を式(4)に代入して整理すれば、次式(5)が得られる。
【数5】
Figure 0003957618
【0060】
式(5)の右辺の第1項が本来の変調信号に相当し、第2項が2次歪み成分に相当し、第3〜6項が3次歪み成分に相当する。一般に、3次歪み係数aは、利得a、2次歪み係数aに比べて小さいため、式(2)、(3)では省略している。
【0061】
しかしながら、送信機2の電気/光変換器23として非直線歪みの大きなレーザダイオードを用いる場合、3次歪み係数aも無視することができない。特に、式(5)における係数が3/2の項は、C/N比に与える影響が大きい。つまり、3つの変調信号の周波数の加減算により得られる周波数(α+β+γ)、(α+β−γ)、(α−β+γ)、(α−β−γ)の3次歪み成分が、いずれかの変調信号の周波数帯域に一致し、あるいは隣接すれば、当該変調信号のC/N比を低下させてしまう。
【0062】
このため、多重化された3以上の変調信号のうち、任意の3つの変調信号の組み合わせに関し、これらの周波数の加算、減算及びこれらの組み合わせによって得られる周波数がいずれも、多重化された各変調信号の周波数の帯域外となるように、各搬送波の周波数を予め定めておく必要がある。
【0063】
現実的な問題としては、加算のみ又は減算のみにより得られる周波数(α+β+γ)、(α−β−γ)よりも、加算及び減算の組合せである(α+β−γ)、(α−β+γ)が、元の周波数の近辺の周波数となり、C/N比に影響を与えると考えられる。このため、加算及び減算の組合せにより得られる周波数が各変調信号の周波数の帯域外となるように、各搬送波の周波数を予め定めておく必要がある。
【0064】
例えば、実施の形態1で示した搬送波周波数f=180MHz、f=210MHz、f=250MHz、f=300MHzを採用した場合、f−f+f=220MHzとなる。このため、各変調信号の帯域幅が10MHzであれば、この3次歪み成分の影響により搬送波fの変調信号のC/N比を低下させてしまうおそれがある。
【0065】
図6は、本実施の形態による送信機2の出力信号に含まれる主な周波数成分の一例を示した図である。各入力端子20の帯域幅を10MHzとし、搬送波周波数f=180MHz、f=200MHz、f=260MHz、f=300MHzとした場合の変調映像信号が2次歪み成分及び3次歪み成分とともに示されている。
【0066】
また、図7は、2次歪み成分及び影響の大きな3次歪み成分の周波数を求めて列挙した図であり、各搬送波f〜fについて、(a)2倍の周波数、(b)任意の2波の周波数和、(c)任意の2波の周波数差、(d)任意の3波の周波数和、(e)任意の3波の周波数差、(f)任意の3波の周波数和差が示されている。なお、この場合、任意の3波の周波数差は負の値となっているため、特に考慮する必要はない。
【0067】
この様にして、送信機2の各入力端子20における入力帯域幅を10MHzと予め定め、各周波数変調器21の搬送波周波数を上記f〜fのように予め定めておけば、2次歪み成分と、影響の大きな3次歪み成分が、ともに各変調信号の帯域に一致せず、隣接することもなくなる。従って、WDM用のレーザダイオードを用いた光振幅変調のように、非直線歪みが大きい場合であっても、多重化された各変調信号のC/N比を顕著に低下させることなく、多重光伝送を行うことができる。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、多重映像信号を光信号に変換して伝送する際における2次歪み成分による信号劣化を防止しているため、送信機の電気/光変換器にリニアリティの高い高価なレーザダイオードを用いる必要がない。従って、安価な多重光送信機及び多重光伝送システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による多重光伝送システムの一構成例を示したブロック図である。
【図2】 図1の送信機2の一構成例を示したブロック図である。
【図3】 図1の受信機4の一構成例を示したブロック図である。
【図4】 本発明の実施の形態1による多重光伝送システムの他の構成例を示したブロック図である。
【図5】 送信機2の出力信号に含まれる主な周波数成分の一例を示した図である。
【図6】 実施の形態2による送信機2の出力信号に含まれる主な周波数成分の一例を示した図である。
【図7】 2次歪み成分及び主な3次歪み成分の周波数を列挙した図である。
【図8】 従来の光伝送システムにおける送信側の構成を示したブロック図である。
【図9】 改良された従来の光伝送システムの構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
2 送信機
3 光伝送路
4 受信機
20 入力端子
21 FM変調器
22 合成器
23 電気/光変換器
24 出力端子
40 入力端子
41 光/電気変換器
42 バンドパスフィルタ
43 FM検波器
44 出力端子

Claims (1)

  1. 送信機及び受信機からなり、3以上の撮像装置から送信機へ入力されるアナログ信号からなる映像信号を多重化し、光伝送路を介して受信機へ伝送する多重光伝送システムにおいて、
    送信機が、映像信号ごとに周波数の互いに異なる搬送波を用いて変調映像信号を生成する周波数変調器と、各変調映像信号を合成して多重映像信号を生成する合成器と、多重映像信号に基づいて光信号の振幅変調を行う電気/光変換器とを備え、
    各搬送波が、振幅変調に伴う各変調映像信号の2次歪み成分のうち、各変調信号の2倍の周波数、周波数和及び周波数差のいずれもが他の変調映像信号の帯域外となり、かつ、3次歪み成分のうち、任意の3つの変調映像信号について周波数の加算、減算及びこれらの組み合わせにより得られる周波数成分のいずれもが、各変調映像信号の帯域外となる周波数であることを特徴とする多重光伝送システム。
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