JP3957597B2 - 可動ベッド - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、介護支援ベッドなどに用いられる可動ベッドに関し、特に、床部が両側方の2方向に傾斜する可動ベッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、介護支援ベッドに用いられる可動ベッド(以下、単に、「ベッド」という。)には、その使用者である被介護者の褥瘡、所謂、床ずれの発生を防止するために、被介護者の寝返りを支援する寝返り支援機構を備えたものがある。
この寝返り支援機構は、例えば、ベッドの床面が左右の2方向に傾斜するようになっており、ベッド上の被介護者をその傾斜方向に寝返らせて体位変換を支援する。
【0003】
図13は、寝返りを支援する介護支援ベッドを被介護者の頭部側から見た概略図である。
このようなベッドは、例えば、図13の(a)に示すように、床面を有する構成する床部1015と、この床部1015を支持する固定ステージ1030とを有している。固定ステージ1030は、床部1015が載置される支持台1032と、床部1015の左右の各側部を独立して上昇させる昇降部1035L、1035R)とを備える。床部1015の下部には、左右一対のローラ1202、1203が長手方向に複数取着されており、これらのローラ1202、1203を介して床部1015が支持台1032上に載置されている。
【0004】
床部1015を傾斜させる際には、図13の(b)及び(c)に示すように、床部1015の一方の側部(左側)を昇降部1035Lにより上昇させることで、他方側(右側)のローラ1202が支持台1032上を一方側(左側)に転動し、床部1015がローラ1202の中心を回転中心としてX方向に傾斜(回転)する。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−14824号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のベッドは、図13の(b)に示す傾斜状態では、右側のローラ1202の中心である回転中心廻りの回転モーメントM1は、反時計回り、つまり、昇降部1035Lが床部1015の側部を昇降させるのを抗する方向(図中のX方向と逆方向)に作用する。このため、昇降部1035Lは床部1015から圧縮の負荷を受けることになる。
【0007】
そして、図13の(c)のように、さらに、床部1015を傾斜させると、被介護者の重心と床部1015の重心との合力Wの位置が回転中心を通る垂線Cよりも右側になり、支点廻りの回転モーメントM1は、時計回り、つまり、昇降部1035Lが床部1015の側部を昇降させる方向(図中のX方向)に作用する。このため、昇降部1035Lは、これまでの圧縮の負荷から一転して引張りの負荷を受けることになる。
【0008】
通常、可動ベッドのような可動部を有する構造では、可動部分の連結には遊びがある。従って、図13に示したように、昇降部1035Lは、最初、床部1015から圧縮の負荷を受けるため、各連結部分には圧縮負荷が作用する。しかし、床部1015をさらに傾斜させて、図13の(c)のようになると、支点廻りの回転モーメントM1の方向が変わり、連結部分に作用する負荷が、これまでの圧縮負荷から引張り負荷に変化する。このとき、連結部分同士の接触位置が変わり、被介護者にショック(衝撃)を与えると共に、昇降部1035Lは、圧縮負荷が急になくなるので、傾斜速度が一瞬速まる。
【0009】
一方、このようなベッドは、介護を必要とする高齢者、重病人が使用することが多く、床部1015が傾斜中に生じるショックや傾斜速度の変化は、使用者に過度のストレスを与えるばかりではなく、傾斜動作中にいつショックが起こるのだろうかというような精神的不安を与えてしまう。当然、このようなストレス及び精神的不安を与えることは好ましくない。
【0010】
このようなストレス等を与えないために、各連結部分の精度を向上させれば、上記構造上の遊びを小さくできるものの、コストアップにつながり現実的ではない。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、使用者に余分なストレスを与えないように床部を傾斜できる可動ベッドを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る可動ベッドは、側方に傾斜可能な床部と、当該床部を側方に傾斜させる傾斜機構と、前記傾斜機構によって床部が傾斜される際に、その傾斜が所定角度の範囲内において、前記傾斜機構が床部から受ける圧縮負荷又は引張り負荷が他方の種類の負荷に反転しないように、前記床部の傾斜が小さくなる方向の負荷を与える負荷付与手段とを備えることを特徴としている。
【0012】
ここで、「所定の角度の範囲」は、前記負荷付与手段が非作用の状態において、傾斜動作中の床部の重心が、床部の回転中心を通る垂線を通過する際に相当する角度を含んでいる。より具体的には、水平状態を基準として、30度以上90度以下である。
この構成によれば、傾斜機構が床部から受ける負荷が同じ種類となる。このため、傾斜機構に構造上の遊びがあっても、例えば、ベッドの傾斜動作中に、ショックが生じたり、傾斜速度が急に変化したりすることがない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る可動ベッドを寝返り支援ベッドに適用した実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
1.寝返り支援ベッドの構造
図1は本実施の形態に係る寝返り支援ベッド1の概略を示す斜視図であり、図2は寝返り支援ベッド1の一部を切り欠いた斜視図である。
【0014】
寝返り支援ベッド1(以下、単に、「ベッド」という。)は、両図に示すように、可動な床面13(図2参照)を備えるベッド本体2と、床面13上に載置されたマット3と、床面13の動きを操作するためのリモコン4とを備えている。被介護者は、リモコン4を操作することにより、例えば、仰臥位の体勢から上体を起こしたり(上体を起こした体勢を、以下、「上体起こし体勢」という。)、膝を上げたり(膝を上げた体勢を、以下、「膝上げ体勢」という。)、さらには、図1に示すように、仰臥位から自己の身体を、例えば左向きにした側臥位に体位変換したりする。
【0015】
ここで、上体起こし体勢又は膝上げ体勢の少なくともいずれかを含む体勢を、「屈曲体勢」ともいい、このような体勢を採るために、ベッド本体2の床面13が長手方向に傾斜することを、「床面13が屈曲する」ともいう。
一方、被介護者の体勢を仰臥位から側臥位に体位変換することを、「寝返り」ともいい、このような体位変換するために、床面13が左右方向に傾斜させることを、上述の長手方向の傾斜と区別するために、「ローリング(する)」ともいう。
【0016】
1)リモコンの構成について
リモコン4は、被介護者の体勢を変えたり、体位変換したりする際に、ベッド本体2の床面13を屈曲させたり、昇降させたり、ローリングさせたりするための操作手段である。このリモコン4には、床面13を昇降させてその高低を調整する高さ操作部、被介護者の上体を起伏させる頭操作部、膝を屈伸させる足操作部及び被介護者を左又は右向きに寝返らせる寝返り操作部を有する。
【0017】
2)ベッド本体
ベッド本体2は、被介護者の上体起こし、或いは膝上げを支援するために床面13が屈曲したり、さらには、被介護者の仰臥位から側臥位への寝返りを支援するために床面13が左右にローリングしたりする。
ベッド本体2は、図2に示すように、可動な床面13を構成するベッドフレーム10と、このベッドフレーム10を動かすための可動ステージ20と、可動ステージ20を支持する固定ステージ30と、これらを囲むベッド枠40とを備えている。なお、床部は、ベッドフレーム10と可動ステージ20とから構成される。
【0018】
なお、図1に示すように、床面13が左向きにローリングしたときに、被介護者がベッド1から落下するのを防止するために、被介護者の身体側面(図1では左側面)をサポートするように床面13における左側の側部が立上るようになっている。
図3は、ベッド枠40を外したベッド本体2を示す斜視図である。
それでは、ベッドフレーム10、可動ステージ20及び固定ステージ30の構成についてそれぞれ説明する。
【0019】
2−1)ベッドフレーム
ベッドフレーム10は、上述のように床面13を屈曲・ローリングさせたり、ローリング時に側部を立ち上げたりするために、図2及び図3に示すように、ベッド1の横方向(図3のY方向で、「短手方向」ともいう。)に中央部11、右側部12R、左側部12Lの3つに分かれ、さらに、中央部11、右側部12R、左側部12Lは、ベッド1の縦方向(図3のX方向で、「長手方向」ともいう。)に被介護者の背中、腰、腿、膝下に対応して4つに分かれている。なお、本明細書において、左右を示す方向の基準は、ベッド1上の被介護者から見た方向である。
【0020】
ベッド1の横方向の中央に位置する中央部11において、図3に示すように、被介護者の背中に対応する部分を背中中央部11aといい、以下同様に腰、腿、膝下のそれぞれに対応する部分を腰中央部11b、腿中央部11c、膝下中央部11dという。右側部12Rについても、中央部11と同様に、背中、腰、腿、膝下のそれぞれに対応する部分を背中右側部12Ra、腰右側部12Rb、腿右側部12Rc、膝下右側部12Rdといい、さらに、左側部12Lについても、右側部12Rと同様、背中、腰、腿、膝下のそれぞれに対応する部分を背中左側部12La、腰左側部12Lb、腿左側部12Lc、膝下左側部12Ldという。
【0021】
なお、以下、単に、「中央部11」とするときは、上記の背中中央部11a、腰中央部11b、腿中央部11c、膝下中央部11dの4つを含んだ全体を意味し、また、単に、「右側部12R」とするときは、上記の背中右側部12Ra、腰右側部12Rb、腿右側部12Rc、膝下右側部12Rdの4つを含んだ全体を意味し、さらに、単に、「左・右側部12L、12R」とするときは、背中左側部12La、腰左側部12Lb、腿左側部12Lc、膝下左側部12Ld、背中右側部12Ra、腰右側部12Rb、腿右側部12Rc及び膝下右側部12Rdの8つを含んだ全体を意味するものとする。
【0022】
ベッドフレーム10の表面(床面13)は、図2に示すようにワイヤーメッシュが張られているが、図3では、他の部材、部位等の構成が分かるようにワイヤーメッシュの図示を省略している。
図4は、図3におけるA−A線におけるベッドフレーム10及び可動ステージ20の縦断面図で、(a)はベッドフレーム10が水平状態にある場合を示し、(b)はベッドフレーム10が屈曲状態にある場合を示す。
【0023】
各中央部11a〜11dは、図4の(a)に示すように、可動ステージ20に、間隔を置いた状態で、例えば、スペーサー25を介して支持されている。腰中央部11bは、可動ステージ20に固定されたスペーサー26に溶接等により固着されている。これにより、ベッドフレーム10が可動ステージ20に固定される。
【0024】
各中央部11a〜11dは、ベッド1の縦方向に隣り合う床部に、ヒンジ14を介して回動自在に連結されている。このヒンジ14は、その軸芯が横方向(紙面に対して直交する方向)に配されているため、図4の(b)に示すように、背中中央部11aが腰中央部11bに対して屈曲し、また、腿中央部11cが腰中央部11bに対して屈曲すると共に、この腿中央部11cに連動して膝下中央部11dも屈曲するようになっている。
【0025】
なお、背中中央部11a、腿中央部11c、膝下中央部11dの屈曲は、直動式のアクチュエータM1、M2によりなされ、このアクチュエータM1、M2は、リモコン4の頭操作部、足操作部のボタン操作に従って作動する。また、アクチュエータM1、M2を、後述する他のアクチュエータと区別するために、被介護者の頭部側のアクチュエータM1を頭部側アクチュエータM1と、また足部側のアクチュエータM2を足部側アクチュエータM2という。
【0026】
図5は、図3におけるB−B線におけるベッドフレーム10及び可動ステージ20の横断面図で、(a)はベッドフレーム10が水平状態にある場合を示し、(b)は左側部12Lが立上っている状態を示す。
各中央部11a〜11dは、図3及び図5に示すように、その左右両側の左右側部12Ra〜12Rd、12La〜12Ldともヒンジ15を介して回動自在に連結されている。このヒンジ15は、その軸芯が縦方向に配されているため、各側部12R、12Lが、中央部11に対して立ち上がるようになっている。なお、各側部12R、12Lの立ち上がりは、図5の(b)に示すように、アクチュエータM3R、M3Lにより立ち上がる左右の支持フレーム24R、24Lによりなされ、そのアクチュエータM3R、M3Lは、リモコン4の寝返り操作部のボタン操作に従って作動する。
【0027】
2−2)可動ステージ
図6は、図3においてベッドフレーム10を取り除いた状態におけるベッド本体2の平面図であり、図7は、図3においてベッドフレーム10を取り除いた状態におけるベッド本体2の斜視図である。
可動ステージ20は、図3、図5〜図7に示すように、ベッド1の長手方向に長い矩形状のステージ枠21と、ベッドフレーム10の左・右側部12L、12Rを支持して立ち上げさせる左右の支持フレーム24R、24Lとを備える。なお、図7では、左側の支持フレーム24Lの図示を省略している。
【0028】
ステージ枠21は、図6に示すように、長手方向に平行な一対の縦部材21R、21Lと、この一対の縦部材21R、21Lの両端同士を短手方向に連結する一対の横部材21F、21Bとを備え、縦部材21R、21L間の略中央で一対の横部材21F、21Bを連結する縦補強部材21Aと、足部側で2本の縦部材21R、21Lと縦補強部材21Aとをそれぞれ連結する横補強部材21C、21Cとにより補強されている。
【0029】
縦補強部材21Aの頭部側には、図4にも示すように、そのロッドの先端が背中中央部11aに連結された頭部側アクチュエータM1が取り付けられており、このロッドの伸縮により、図4の(b)のように、被介護者の上体起こしを支援すべく背中中央部11aが起伏(屈曲)する。
また、縦補強部材21Aの足部側には、図4に示すように、そのロッドの先端が腿中央部11cに連結された足部側アクチュエータM2が取り付けられており、このロッドの伸縮により、図4の(b)のように、被介護者の膝上げを支援すべく腿中央部11cが起伏(屈曲)する。
【0030】
支持フレーム24R、24Lは、図3、図5〜図7に示すように、ステージ枠21の左右の縦部材21R、21Lに連結部材236Ra、236Rb、236La、236Lbを介して取り付けられている。
支持フレーム24R、24Lは、その位置が左右と異なるだけであり、その構成は同じであるため、ここでは、右側の支持フレーム24Rについて説明する。なお、左側の支持フレーム24Lを構成する各部材の符号は、以下で説明する右側の支持フレーム24Rで使用する符号の語尾の「R」を「L」に変えたものとなる。
【0031】
支持フレーム24Rは、縦方向に配された一対の縦棒22R、23Rと、この一対の縦棒22R、23Rを横方向に連結する2本の横棒231R、232Rとから梯子状に構成される。そして、内側の縦棒22Rが、ステージ枠21の縦部材21Rに固定された連結部材236Ra、236Rbに回動自在に軸支されることにより、支持フレーム24Rが、内側の縦棒22Rを軸中心として回動可能となる。
【0032】
内側の縦棒22R、22Lには、図5に示すように、下方に延びる延伸部235R、235Lが固定されており、この延伸部235R、235Lに横方向伸縮する左・右アクチュエータM3R、M3Lのロッドが固定されている。左・右アクチュエータM3R、M3Lのロッドが伸びると、各支持フレーム24R、24Lが内側の縦部材22R、22Lを軸中心として回動することで立ち上がり、左・右側部12R、12Lを下側から支持して立ち上がらせる。なお、この左・右アクチュエータM3R、M3Lは、図5にも示すように、例えば、縦補強部材21Aと横補強部材21Cとに取り付けられ、リモコン4の寝返り操作部の操作ボタンの操作により作動するようになっている。
【0033】
2−3)固定ステージ
固定ステージ30は、図3及び図7に示すように、可動ステージ20を支持する支持台31と、この可動ステージ20を昇降させたり、左右に傾けたりするための左右一対の昇降部35R、35Lとからなる。
支持台31は、縦方向の両側に配された一対の立設枠32B、32Fと、これら立設枠32B、32Fを長手方向に連結する一対の連結部材33R、33Lとから構成される。昇降部35R、35Lは、支持台31の左右両端側であって立設枠32B、32F間に設けられており、可動ステージ20を昇降させるときは左右の両昇降部35R、35Lが作動し、可動ステージ20を左右に傾斜させるときは一方の昇降部35R、35Lが作動するようになっている。
【0034】
可動ステージ20が左右方向にローリングする際に、一方の昇降部35R、35Lが可動ステージ20の一方の側部を上昇させるため、可動ステージ20の他方の側部が一方側に近づくように移動しようとする。このため、立設枠31、32の上面300を右方向に転動するローラ200、201、202、203を可動ステージ20の下面に取着している。そして、この立設枠32B、32Fの上面300を転動するローラ(例えば、ローラ200とローラ202)の中心を結ぶ線分が、可動ステージ20が傾斜する際の回転中心(軸)となる。
【0035】
図8は、可動ステージ20を昇状態した固定ステージ30の斜視図であり、図9は、昇降部35Lを右側から見た側面図である。
次に、昇降部35R、35Lについて説明する。ここで、昇降部35R、35Lは、その位置が左右と異なるだけであるため、左側の昇降部35Lについて説明する。なお、右側の昇降部35Rを構成する各部材の符号は、以下説明する左側の昇降部35Lで使用する符号を、語尾の「L」を「R」に変えたものとなる。
【0036】
昇降部35Lは、図7に示すように、可動ステージ20の縦部材21Lに取り付けられたステージバー27Lをバー受け36Lで下から受けるようになっている。そして、この状態でバー受け36Lが上昇することで可動ステージ20が上昇する(バー受け36が上昇することを、「昇降部が伸長する」ともいう。)。なお、可動ステージ20のローリング時にステージバー27R、27Lがバー受け36R、36L内でスムーズに回転するように、例えば、ステージバー27R、27Lの横断面が円形状し、これに対応して、バー受け36Lの横断面形状がU字状になっている。
【0037】
次に、バー受け36Lには、図8に示すように、その縦方向の両端に起伏自在な一対の支持腕354L、356Lが連結されており、この支持腕354L、356Lが起伏することでバー受け36Lが昇降する。なお、支持腕354L、356Lの下端は、それが起伏する際に、縦方向のガイド部材32L内を移動するように構成されており、これによりバー受け36Lが鉛直(上下)方向に昇降可能となる。
【0038】
各支持腕354L、356Lは、一端がガイド部材32Lに連結されたL字部材351L、352Lの屈曲している部分に回動自在に連結されている。一対の支持腕354L、356Lに連結された両L字部材351L、352Lの他端同士は、水平方向のリンク部材353Lに連結されており、このリンク部材353Lとバー受け36Lとの間に、アクチュエータM4Lが斜交い方向に取着されている。そして、このアクチュエータM4Lのロッドが伸縮することで、L字部材351L、352Lが、そのガイド部材32Lとの連結部分を中心として回動し、これに連結された支持腕354L、356Lが起伏する。
【0039】
なお、受けバー36R、36Lがステージバー27R、27Lを下から受けた際に、ステージバー27R、27Lが受けバー36R、36Lから外れないように、ステージバー27R、27Lと、受けバー36R、36Lとの間には、ベルト、チェーン、ばね等の安全機構が設けられている。
昇降部35Lには、可動ステージ20を傾斜させる際に、可動ステージ20、被介護者の重力の合力が作用する位置が回転中心を通る垂線Cを通過する際の角度を含む、例えば、床部の水平状態を基準として、少なくとも30度以上90以下の範囲で、その傾斜を減する方向に負荷を付与する負荷付与手段50が設けられている。つまり、負荷付与手段50は、昇降部35Lのバー受け36Lの上昇を減する方向(下降方向)に負荷を付与している。
【0040】
なお、可動ステージ20、被介護者の重力の合力が作用する位置が回転中心を通る垂線Cを通過する際の床部の傾斜角度は、被介護者の重量、ベッド上の被介護者の位置等により変化し、これら被介護者及びその位置等を考慮すると、ベッド1の通常の使用においては、30度が最小の傾斜角度となる。また最大の角度については、安全性の面から床部を90度以上傾斜させて使用することは考え難い。
【0041】
具体的には、負荷付与手段50には、一対の支持腕354L、356Lに取り付けられた引張りばねSP1Lにより構成される。この引張りばねSP1Lは、アクチュエータM4Lのロッドの伸縮方向と略平行に配され、床部がローリングし始めると、昇降部35R、35Lに負荷を付与するようになっている。
なお、アクチュエータM4Lのロッドの伸縮は、リモコン4の高さ操作部及び寝返り操作部の操作により行われる。
【0042】
2−4)ベッド枠
このベッド枠40は、図1及び図2に示すように、被介護者の頭部側に配されたヘッドボード41と、足部側に配されたフットボード42と、ヘッドボード41とフットボード42とをマット3の側面の下側で連結する左右一対のサイドボード43R、43Lとから構成される。なお、ヘッドボード41、フットボード42、サイドボード43R、43Lは、ベッド1の設置面(床)と、上昇したベッドフレーム10の間等に人が挟まれるのを防止する共に、ベッド1の意匠性を高めている。
【0043】
2.寝返り支援ベッドの動作
1)昇降動作について
リモコン4の高さ操作部の操作があると、図8に示すように、昇降部35R、35Lの両アクチュエータM4R、M4Lのロッドが伸び、支持腕354R、354L、356R、356Lが立ち上がる。これによりバー受け36R、36Lが可動ステージ20のステージバー27R、27Lを下から受け、この状態でさらに上昇する。これにより可動ステージ20(ベッド1の床面13)が上昇する。
【0044】
一方、床面13が上昇した状態で、リモコン4の高さ操作部の押下操作があると、昇降部35R、35LのアクチュエータM4R、M4Lのロッドが縮み、床面13が下降し始める。
2)上体起こし動作について
リモコン4の頭操作部の操作があると、図4の(b)に示すように、頭部側アクチュエータM1のロッドが伸び、背中中央部11aがロッドの伸びに従って上体が起きる方向に起き始める。このとき、背中中央部11aの両側の背中左右側部12Ra、12Laは、背中中央部11aにヒンジ15を介して連結されているので、背中中央部11aと共に起きる。
【0045】
一方、背中中央部11a及び背中左右側部12Ra、12Laが起きた状態で、リモコン4の頭操作部の操作があると、頭部側アクチュエータM1のロッドが縮み、背中中央部11a及び背中左右側部12Ra、12Laが平坦な状態に戻り始める。
3)膝上げ動作
リモコン4の足操作部の操作があると、図4の(b)に示すように、足部側アクチュエータM2のロッドが伸び、腿中央部11c及び腿左右側部12Rc、12Lcがロッドの伸びに従って起き始め、これに連動して膝下中央部11c及び膝下左右側部12Rc、12Lcが起きる。
【0046】
一方、腿中央部11c、腿左右側部12Rc、12Lc、膝下中央部11d及び膝下左右側部12Rd、12Ldが起きた状態で、リモコン4の足操作部の操作があると、これらは平坦な状態に戻り始める。
4)寝返り動作
ここでは、図1に示すように、仰臥位の被介護者を左向きに寝返りさせる場合を例として、以下説明する。
【0047】
リモコン4の寝返り操作部の操作があると、まず、図5に示すように、左アクチュエータM3Lのロッドが伸長し、支持フレーム24Lが内側の縦棒22Lを軸中心として立ち上がり、やがて、図5の(b)の状態を経て、左側部12Lが略90°の角度に立上る。このように側部12Lを立ち上げる理由は、床面13が左向きにローリングしたときに、被介護者の左側面を支持して、被介護者がベッド1上から落ちないようにするためである。
【0048】
続いて、頭部側アクチュエータM1及び足部側アクチュエータM2のロッドが伸長し、上述の上体起こし動作及び膝上げ動作が行われる。このように、寝返り支援時に上体起こし及び膝上げが行われるのは、側臥位となる被介護者の最も安定な体勢は、膝を曲げて、腰を屈めた屈曲姿勢であり、この屈曲姿勢を採るためである。
【0049】
そして、以上の動作により、左側部12Lの立ち上げ状態、中央部11と右側部12Rの屈曲状態が整うと、右側の昇降部35Rに取着されたアクチュエータM4Rのロッドが伸長し、バー受け36Rがステージバー27Rを受けた状態でさらに上昇する。これにより可動ステージ20が、図10に示すように、左向きにローリングし始める。つまり、右側の昇降部35Rにより床部が右上がり状に傾斜する。
【0050】
図11は、可動ステージ20が右向きにローリングする際に発生する回転モーメントを模式的に示した図であり、(a)はローリングする前の水平状態、(b)はローリングを開始した後の状態、(c)は(b)からさらにローリングした状態を示している。
ローリングを開始した状態では、図11の(b)にも示すように、ベッドフレーム10、可動ステージ20、被介護者の重力の合力Wが作用する位置が、ローラ202(、200)の中心である回転中心を通る垂線Cよりも左側にあり、これらの合力Wによる回転中心廻りの回転モーメントM1は昇降部35Lを下降させる方向(X方向と反対方向)に作用する。このため、昇降部35Lは、可動ステージ20から圧縮の負荷を受けることになる。
【0051】
なお、昇降部35Lは、上述の回転モーメントM1より大きい回転モーメントが回転中心廻りに作用するようにバー受け36Lを昇降させている。ここでいう「ベッドフレーム10、可動ステージ20、被介護者の重力の合力Wは、負荷付与手段50が取着されていない(非作用)の場合に相当する。
さらに、可動ステージ20をローリングさせると、図11の(c)に示すように、ローラ202、200が、図11の(b)における位置よりもさらに左側に移動し、ベッドフレーム10、可動ステージ20、被介護者の重力の合力を示すWの位置が、そのときの回転中心を通る垂線Cを右側へと通過し、この合力Wによる回転中心廻りの回転モーメントM1は昇降部35Lを引き上げる方向(X方向)に作用する。
【0052】
しかしながら、昇降部35Lには、可動ステージ20、被介護者の重力の合力を示すWが回転中心を通る垂線Cを通過する際には、その伸長する方向と反対方向に負荷P1を付与する引張りばねSP1Lが取り付けられているので、昇降部35Lには、この引張りばねSP1Lによる圧縮の負荷P1が作用する。これにより、たとえ、昇降部35Lに上下方向の機械的な遊びがあっても、昇降部35Lには、ローリング開始から圧縮負荷が連続して作用することになり、ベッド1上の被介護者にショックを与えるようなことはなくなる。
【0053】
また、昇降部35Lには、可動ステージ20の傾斜中に可動ステージ20側に作用する回転モーメントM1の向きが反転しても、ローリング開始から圧縮負荷が連続して作用することになり、昇降部35LのアクチュエータM4Lには、絶えず、可動テーブル20の傾斜を抗する方向の負荷(圧縮)が作用しているため、負荷の種類の変化が無く、可動ステージ20のローリング速度(傾斜速度)が急に変化するようなこともなくなる。
【0054】
なお、本実施の形態では、引張りばねSP1Lを昇降部35Lに設けているため、床部のローリング中において、昇降部35L内での負荷の種類の変化はなくなるが、昇降部35Lと可動ステージ20との連結部で負荷の種類が変化する。しかしながら、従来のように、昇降部35L内での負荷の種類の変化がある場合に比べてベッド1全体としてショックは確実に小さくできる。
【0055】
なお、本実施の形態では、引張りばねSP1R、SP1Lは、床部のローリングの開始と共に、昇降部35R、35Lに負荷が付与し始める。しかしながら、負荷付与手段50は、床部をローリングさせたときに、負荷付与手段50が非作用の時に昇降部35R、35Lが床部から受ける負荷が反転する角度を含む所定の角度で、床部の傾斜を小さくする方向に負荷を付与し始めれば良いので、例えば、ばねの全長を長くして、床部の傾斜角度が小さいときは引張り負荷が作用しないようにしても良い。さらに、昇降部35R、35Lの上昇に合わせてばねの一端が移動するようにして、ばねが長くならないようにしても良い。ただし、この場合、床部の傾斜角度が所定の角度になる位置で、一端の移動が止まるようにする必要がある。
【0056】
また、寝返り動作は、上記で説明したように、床面13の側部立ち上げ、屈曲動作、ローリングの順となっているが、この順序に限定するものではなく、例えば、屈曲動作、側部立ち上げ、ローリングの順でも良く、或いは屈曲動作と側部立ち上げを同時に行い、次にローリングするようにしても良い。
(第2の実施の形態)
上記の第1の実施の形態では、負荷付与手段50として、床部がローリングし始めると、その傾斜を小さくするような負荷を付与する引張りばねSP1R、SP1Lを用いた。本実施の形態では、第1の実施の形態で用いた引張りばねSP1R、SP1Lの負荷付与手段50に変えて、床部をローリングさせたときに、負荷付与手段が非作用の時に昇降部35R、35Lが床部から受ける負荷が反転する手前から、床部の傾斜を小さくする方向に負荷を付与し始めるような負荷付与手段を用いている。
【0057】
図12は、第2の実施の形態における負荷付与手段を示す全体図である。
負荷付与手段150は、図12に示すように、第1の部材と第2の部材とを伸縮自在に組み合わせて、床部の傾斜の増加に従って伸長すると共に、床部の傾斜が増加して所定の傾きになると、第1の部材と第2の部材とを縮める方向に負荷を付与する圧縮ばねを備えている。
【0058】
負荷付与手段150は、具体的には、第1の部材である円筒状のシリンダ151と、このシリンダ151に対して挿抜される第2の部材であるピストン155とを備える。シリンダ151内に挿入されているピストン155の端部には、ピストン155の挿抜に伴ってシリンダ151の内周壁と摺動する摺動部材156が取着され、また、ピストン155が挿抜する側のシリンダ151の端部には、ピストン155をガイドするガイド部材152が取着されている。これにより、ピストン155がシリンダ151の軸芯方向に挿抜可能となり、負荷付与手段150が全体として、伸縮可能となる。
【0059】
シリンダ151内であって底側の端部寄りには、圧縮ばねSP3が挿着されており、ピストン155がシリンダ151内の奥に挿入されたときに、ピストン155の端部の摺動部材156が圧縮ばねSP3に当接して、ピストン155の挿入を抗するようになっている。
一方、シリンダ151内であって挿抜側の端部寄りにも、圧縮ばねSP2が挿着されており、ピストン155がシリンダ151から抜出されたときに、摺動部材156が圧縮ばねSP2に当接して、ピストン155の抜出を抗するようになっている。
【0060】
この負荷付与手段150は、上記第1の実施の形態と同様に、昇降部35R、35Lの上下方向の伸縮に従ってピストン155がシリンダ151から挿抜するように、一対の支持腕354R、354L、356R、356Lに取り付けられている。従って、負荷付与手段150の全長が最短となるようにピストン155がシリンダ151内に挿入された状態では、圧縮ばねSP3は、支持腕354R、354L、356R、356Lの間隔を広げる方向に負荷が働く。このため、昇降部35R、35Lが可動ステージ20をローリングし始めるときに、アクチュエータM4R、M4Lの負荷を低減できる。
【0061】
一方、負荷付与手段150の全長が最長となる手前までピストン155がシリンダ151から抜出されると、圧縮ばねSP2は、支持腕354R、354L、356R、356Lの間隔を狭める方向に負荷P1が働く。このため、図11の(c)に示すように、床部全体によるローラの中心(回転中心)廻りの回転モーメントM1が、たとえ、ローリング方向に変化しても、昇降部35R、35Lが可動ステージ20(床部)から受ける負荷は反転することはない。したがって、上記第1の実施の形態と同様に、ベッド1上の被介護者にショックを与えることはなくなり、また、ローリング中に傾斜速度が急に変わることもなくなる。
【0062】
負荷付与手段150を上記のような構成にすると、床部がローリングを開始して、その傾斜角度が、床部の重心が床部の回転中心を通る垂線を通過する角度になる前から、昇降部35R、35Lに対してその上昇を抗する方向に負荷を付与し始めるので、それまでの昇降部35R、35LのアクチュエータM4R、M4Lへの負荷を小さくできる。
【0063】
なお、負荷付与手段150が、昇降部35R、35Lに対して負荷を付与し始める位置、負荷の大きさ等は、床部の傾斜動作時の回転モーメント等により算出したり、実際の実験により求めたりして決定される。
負荷付与手段150が圧縮ばねSP2により昇降部35R、35Lに対して負荷を付与し始める床部の角度は、可動ステージ20、被介護者の重力の合力が作用する位置が回転中心を通る垂線Cを通過する際の角度より小であり、例えば、床部の水平状態を基準として30度のときである。これは、第1の実施の形態で説明したように、被介護者の重力の合力が作用する位置が回転中心を通る垂線Cを通過する際の床部の傾斜角度は、被介護者の重量、ベッド上の被介護者の位置等により変化し、これら被介護者及びその位置等を考慮すると、通常の使用においては、30度が最小の傾斜角度となる。
【0064】
また、第2の実施の形態では、負荷付与手段150は、シリンダ151とピストン155とを組み合わせて伸縮自在に構成しているが、一方の部材が、他方の部材に対して移動可能に支持されていれば、他の構成でも第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。例えば、棒材を少なくとも2箇所以上で挿抜自在に支持して、その支持部に、棒材の挿抜方向と反対方向に負荷を棒材に対して付与する圧縮ばねを取着しても良く、その構造は、負荷付与手段150の取り付け位置や取り付ける空間の大きさ等により適宜決定される。
【0065】
さらに、シリンダ151内の圧縮ばねSP2、SP3は、シリンダ151の両端部に1個ずつ設けられているが、各端部に複数、例えば、ばね定数の異なるばねを用いて、床部の傾斜角度に従って、付与する負荷の大きさを変化させても良い。
(変形例)
以上、本発明を各実施の形態に基づいて説明したが、本発明の内容が、上記各実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を実施することができる。
【0066】
(1)可動ベッドについて
上記の実施の形態では、可動ベッドを適用させた寝返り支援ベッドとして、被介護者の上体起こし体勢及び膝上げ体勢も支援できるように、床部がベッド長手方向に屈曲(傾斜)するようになっている。つまり、床部は可動な床面を有し、その床面を屈曲させて、上体起こし、膝上げの少なくともいずれかを含む屈曲体勢を形成する屈曲機構や、床部の側部材を中央部の床部に対して起こす側部起こし機構等を有している。
【0067】
しかしながら、本発明は、床部が側方にローリング(傾斜)のみする可動ベッドにも、当然適用することができる。つまり、少なくとも、床部が側方(床部に幅方向)に傾斜する機能を有する可動ベッドであれば良い。
(2)床部について
上記の実施の形態では、床面がベッド長手方向に屈曲する寝返り支援ベッドについて説明した。このため、床部は、ベッドフレームと可動ステージとから構成されている。しかしながら、本発明は、床面が側方にのみ傾斜する可動ベッドにも適用できる。このような側方にのみ傾斜する可動ベッドでは、本実施の形態で説明した可動ステージをなくして、左右一対の昇降部によりベッドフレームを傾斜させるような構成とすることも可能である。従って、この場合の床部は、ベッドフレームとなる。
【0068】
(3)負荷付与手段の位置について
上記の実施の形態では、負荷付与手段50、150を、床部を傾斜させるための昇降部(傾斜機構)35R、35Lに設け、昇降部35R、35Lが床部を上昇させるのを抗する方向に負荷を発生させているが、床部の傾斜が少なくなるような負荷を付与できれば、他の位置に負荷付与普段を設けても良い。
【0069】
このような他の位置としては、上記の実施の形態における構造では、例えば、ガイド部材32R、32Lとバー受け36R、36Lとの間、あるいは、連結部材33R、33Lとバー受け36R、36Lとの間に上下方向または斜め方向に設けても良い。さらに、支持腕354R、356R、354L、356Lとバー受け36R、36Lとの間、あるいは、支持腕354R、356R、354L、356Lとガイド部材32R、32L(連結部材33R、33Lでも可)との間に設け、支持腕354R、356R、354L、356Lの立ち上がり角度が小さくなる方向に負荷を付与しても良い。
【0070】
さらに、固定ステージと可動ステージとを直接連結するようにしても良い。この場合、上記の実施の形態では、可動ステージと昇降部との間にある遊びの影響を受けていたが、固定ステージと可動ステージとを直接連結すると、この間でのショックが無くなり、被介護者が受けるショックをより小さくできる。
(4)傾斜機構について
上記の第1の実施の形態における傾斜機構は、床部の側方部分を独立して昇降する昇降部35R、35Lを各側方に対応して設け、一方の昇降部が床部の側方部分を昇降させて床部を傾斜させているが、この方式に限定するものではない。ただし、この場合は、左右に独立した昇降部を備えているので、例えば、床面の高さ調整を行う機構も併用することができ、装置の簡略化、小型化を図ることができる。
【0071】
例えば、固定軸廻りに回動自在な軸受けに床部を固定し、床部の所定部位をアクチュエータによるロッドの伸縮を利用して床部を傾斜させるようにしても良い。この場合には、アクチュエータのロッドに伸縮を抗する方向に負荷を付与すれば良い。
また、上記の実施の形態では、昇降部は、床部を傾斜させるときに床部の側部を上昇させるようにしているが、例えば、逆に、床部を傾斜させるときに床部の側部を下降させるようにしても良い。この場合は、昇降部は、床面から引張り(上方向の)負荷が作用し、負荷付与手段は、床面を押し上げる負荷を付与するようにすれば良い。このような構成にしても上記実施の形態で説明した効果が得られる。
【0072】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る可動ベッドは、側方に傾斜可能な床部と、当該床部を側方に傾斜させる傾斜機構と、前記傾斜機構によって床部が傾斜される際に、その傾斜が所定角度の範囲内において、前記傾斜機構が床部から受ける圧縮負荷又は引張り負荷が他方の種類の負荷に反転しないように、前記床部の傾斜が小さくなる方向の負荷を与える負荷付与手段とを備えている。
【0073】
このため、傾斜機構が床部から受ける負荷が同じ種類となり、たとえ、傾斜機構に構造上の遊びがあっても、傾斜機構の連結部同士の接触位置が変わったり、傾斜する速度が急に変化したりすることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における寝返り支援ベッドの全体の概略を示す斜視図である。
【図2】本実施の形態における寝返り支援ベッドの一部を切り欠いた斜視図である。
【図3】本実施の形態におけるベッド枠を外したベッド本体を示す斜視図である。
【図4】図3におけるA−A線におけるベッドフレーム及び可動ステージの縦断面図で、(a)はベッドフレームが水平状態にある場合を示し、(b)はベッドフレームが屈曲状態にある場合を示す。
【図5】図3におけるB−B線におけるベッドフレーム及び可動ステージの横断面図で、(a)はベッドフレームが水平状態にある場合を示し、(b)は左側部が立上った状態を示す。
【図6】図3においてベッドフレームを取り除いた状態におけるベッド本体の平面図である。
【図7】図3においてベッドフレームを取り除いた状態におけるベッド本体の斜視図である。
【図8】本実施の形態における可動ステージを昇状態した固定ステージの斜視図である。
【図9】本実施の形態における左側の昇降部を内側から見た概略図である。
【図10】図3に示した床部をローリングさせた状態の斜視図である。
【図11】可動ステージが右向きにローリングする際に発生する回転モーメントを模式的に示した図である。
【図12】第2の実施の形態における負荷付与手段の断面図である。
【図13】従来の可動ベッドにおける床部が右向きにローリングする際に発生する回転モーメントを模式的に示した図である。
【符号の説明】
1 寝返り支援ベッド
2 ベッド本体
3 マット
35 昇降部
50、150 負荷付与手段
151 シリンダ
155 ピストン
SP1 引張りばね
SP2、SP3 圧縮ばね
【発明の属する技術分野】
本発明は、介護支援ベッドなどに用いられる可動ベッドに関し、特に、床部が両側方の2方向に傾斜する可動ベッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、介護支援ベッドに用いられる可動ベッド(以下、単に、「ベッド」という。)には、その使用者である被介護者の褥瘡、所謂、床ずれの発生を防止するために、被介護者の寝返りを支援する寝返り支援機構を備えたものがある。
この寝返り支援機構は、例えば、ベッドの床面が左右の2方向に傾斜するようになっており、ベッド上の被介護者をその傾斜方向に寝返らせて体位変換を支援する。
【0003】
図13は、寝返りを支援する介護支援ベッドを被介護者の頭部側から見た概略図である。
このようなベッドは、例えば、図13の(a)に示すように、床面を有する構成する床部1015と、この床部1015を支持する固定ステージ1030とを有している。固定ステージ1030は、床部1015が載置される支持台1032と、床部1015の左右の各側部を独立して上昇させる昇降部1035L、1035R)とを備える。床部1015の下部には、左右一対のローラ1202、1203が長手方向に複数取着されており、これらのローラ1202、1203を介して床部1015が支持台1032上に載置されている。
【0004】
床部1015を傾斜させる際には、図13の(b)及び(c)に示すように、床部1015の一方の側部(左側)を昇降部1035Lにより上昇させることで、他方側(右側)のローラ1202が支持台1032上を一方側(左側)に転動し、床部1015がローラ1202の中心を回転中心としてX方向に傾斜(回転)する。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−14824号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のベッドは、図13の(b)に示す傾斜状態では、右側のローラ1202の中心である回転中心廻りの回転モーメントM1は、反時計回り、つまり、昇降部1035Lが床部1015の側部を昇降させるのを抗する方向(図中のX方向と逆方向)に作用する。このため、昇降部1035Lは床部1015から圧縮の負荷を受けることになる。
【0007】
そして、図13の(c)のように、さらに、床部1015を傾斜させると、被介護者の重心と床部1015の重心との合力Wの位置が回転中心を通る垂線Cよりも右側になり、支点廻りの回転モーメントM1は、時計回り、つまり、昇降部1035Lが床部1015の側部を昇降させる方向(図中のX方向)に作用する。このため、昇降部1035Lは、これまでの圧縮の負荷から一転して引張りの負荷を受けることになる。
【0008】
通常、可動ベッドのような可動部を有する構造では、可動部分の連結には遊びがある。従って、図13に示したように、昇降部1035Lは、最初、床部1015から圧縮の負荷を受けるため、各連結部分には圧縮負荷が作用する。しかし、床部1015をさらに傾斜させて、図13の(c)のようになると、支点廻りの回転モーメントM1の方向が変わり、連結部分に作用する負荷が、これまでの圧縮負荷から引張り負荷に変化する。このとき、連結部分同士の接触位置が変わり、被介護者にショック(衝撃)を与えると共に、昇降部1035Lは、圧縮負荷が急になくなるので、傾斜速度が一瞬速まる。
【0009】
一方、このようなベッドは、介護を必要とする高齢者、重病人が使用することが多く、床部1015が傾斜中に生じるショックや傾斜速度の変化は、使用者に過度のストレスを与えるばかりではなく、傾斜動作中にいつショックが起こるのだろうかというような精神的不安を与えてしまう。当然、このようなストレス及び精神的不安を与えることは好ましくない。
【0010】
このようなストレス等を与えないために、各連結部分の精度を向上させれば、上記構造上の遊びを小さくできるものの、コストアップにつながり現実的ではない。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、使用者に余分なストレスを与えないように床部を傾斜できる可動ベッドを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る可動ベッドは、側方に傾斜可能な床部と、当該床部を側方に傾斜させる傾斜機構と、前記傾斜機構によって床部が傾斜される際に、その傾斜が所定角度の範囲内において、前記傾斜機構が床部から受ける圧縮負荷又は引張り負荷が他方の種類の負荷に反転しないように、前記床部の傾斜が小さくなる方向の負荷を与える負荷付与手段とを備えることを特徴としている。
【0012】
ここで、「所定の角度の範囲」は、前記負荷付与手段が非作用の状態において、傾斜動作中の床部の重心が、床部の回転中心を通る垂線を通過する際に相当する角度を含んでいる。より具体的には、水平状態を基準として、30度以上90度以下である。
この構成によれば、傾斜機構が床部から受ける負荷が同じ種類となる。このため、傾斜機構に構造上の遊びがあっても、例えば、ベッドの傾斜動作中に、ショックが生じたり、傾斜速度が急に変化したりすることがない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る可動ベッドを寝返り支援ベッドに適用した実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
1.寝返り支援ベッドの構造
図1は本実施の形態に係る寝返り支援ベッド1の概略を示す斜視図であり、図2は寝返り支援ベッド1の一部を切り欠いた斜視図である。
【0014】
寝返り支援ベッド1(以下、単に、「ベッド」という。)は、両図に示すように、可動な床面13(図2参照)を備えるベッド本体2と、床面13上に載置されたマット3と、床面13の動きを操作するためのリモコン4とを備えている。被介護者は、リモコン4を操作することにより、例えば、仰臥位の体勢から上体を起こしたり(上体を起こした体勢を、以下、「上体起こし体勢」という。)、膝を上げたり(膝を上げた体勢を、以下、「膝上げ体勢」という。)、さらには、図1に示すように、仰臥位から自己の身体を、例えば左向きにした側臥位に体位変換したりする。
【0015】
ここで、上体起こし体勢又は膝上げ体勢の少なくともいずれかを含む体勢を、「屈曲体勢」ともいい、このような体勢を採るために、ベッド本体2の床面13が長手方向に傾斜することを、「床面13が屈曲する」ともいう。
一方、被介護者の体勢を仰臥位から側臥位に体位変換することを、「寝返り」ともいい、このような体位変換するために、床面13が左右方向に傾斜させることを、上述の長手方向の傾斜と区別するために、「ローリング(する)」ともいう。
【0016】
1)リモコンの構成について
リモコン4は、被介護者の体勢を変えたり、体位変換したりする際に、ベッド本体2の床面13を屈曲させたり、昇降させたり、ローリングさせたりするための操作手段である。このリモコン4には、床面13を昇降させてその高低を調整する高さ操作部、被介護者の上体を起伏させる頭操作部、膝を屈伸させる足操作部及び被介護者を左又は右向きに寝返らせる寝返り操作部を有する。
【0017】
2)ベッド本体
ベッド本体2は、被介護者の上体起こし、或いは膝上げを支援するために床面13が屈曲したり、さらには、被介護者の仰臥位から側臥位への寝返りを支援するために床面13が左右にローリングしたりする。
ベッド本体2は、図2に示すように、可動な床面13を構成するベッドフレーム10と、このベッドフレーム10を動かすための可動ステージ20と、可動ステージ20を支持する固定ステージ30と、これらを囲むベッド枠40とを備えている。なお、床部は、ベッドフレーム10と可動ステージ20とから構成される。
【0018】
なお、図1に示すように、床面13が左向きにローリングしたときに、被介護者がベッド1から落下するのを防止するために、被介護者の身体側面(図1では左側面)をサポートするように床面13における左側の側部が立上るようになっている。
図3は、ベッド枠40を外したベッド本体2を示す斜視図である。
それでは、ベッドフレーム10、可動ステージ20及び固定ステージ30の構成についてそれぞれ説明する。
【0019】
2−1)ベッドフレーム
ベッドフレーム10は、上述のように床面13を屈曲・ローリングさせたり、ローリング時に側部を立ち上げたりするために、図2及び図3に示すように、ベッド1の横方向(図3のY方向で、「短手方向」ともいう。)に中央部11、右側部12R、左側部12Lの3つに分かれ、さらに、中央部11、右側部12R、左側部12Lは、ベッド1の縦方向(図3のX方向で、「長手方向」ともいう。)に被介護者の背中、腰、腿、膝下に対応して4つに分かれている。なお、本明細書において、左右を示す方向の基準は、ベッド1上の被介護者から見た方向である。
【0020】
ベッド1の横方向の中央に位置する中央部11において、図3に示すように、被介護者の背中に対応する部分を背中中央部11aといい、以下同様に腰、腿、膝下のそれぞれに対応する部分を腰中央部11b、腿中央部11c、膝下中央部11dという。右側部12Rについても、中央部11と同様に、背中、腰、腿、膝下のそれぞれに対応する部分を背中右側部12Ra、腰右側部12Rb、腿右側部12Rc、膝下右側部12Rdといい、さらに、左側部12Lについても、右側部12Rと同様、背中、腰、腿、膝下のそれぞれに対応する部分を背中左側部12La、腰左側部12Lb、腿左側部12Lc、膝下左側部12Ldという。
【0021】
なお、以下、単に、「中央部11」とするときは、上記の背中中央部11a、腰中央部11b、腿中央部11c、膝下中央部11dの4つを含んだ全体を意味し、また、単に、「右側部12R」とするときは、上記の背中右側部12Ra、腰右側部12Rb、腿右側部12Rc、膝下右側部12Rdの4つを含んだ全体を意味し、さらに、単に、「左・右側部12L、12R」とするときは、背中左側部12La、腰左側部12Lb、腿左側部12Lc、膝下左側部12Ld、背中右側部12Ra、腰右側部12Rb、腿右側部12Rc及び膝下右側部12Rdの8つを含んだ全体を意味するものとする。
【0022】
ベッドフレーム10の表面(床面13)は、図2に示すようにワイヤーメッシュが張られているが、図3では、他の部材、部位等の構成が分かるようにワイヤーメッシュの図示を省略している。
図4は、図3におけるA−A線におけるベッドフレーム10及び可動ステージ20の縦断面図で、(a)はベッドフレーム10が水平状態にある場合を示し、(b)はベッドフレーム10が屈曲状態にある場合を示す。
【0023】
各中央部11a〜11dは、図4の(a)に示すように、可動ステージ20に、間隔を置いた状態で、例えば、スペーサー25を介して支持されている。腰中央部11bは、可動ステージ20に固定されたスペーサー26に溶接等により固着されている。これにより、ベッドフレーム10が可動ステージ20に固定される。
【0024】
各中央部11a〜11dは、ベッド1の縦方向に隣り合う床部に、ヒンジ14を介して回動自在に連結されている。このヒンジ14は、その軸芯が横方向(紙面に対して直交する方向)に配されているため、図4の(b)に示すように、背中中央部11aが腰中央部11bに対して屈曲し、また、腿中央部11cが腰中央部11bに対して屈曲すると共に、この腿中央部11cに連動して膝下中央部11dも屈曲するようになっている。
【0025】
なお、背中中央部11a、腿中央部11c、膝下中央部11dの屈曲は、直動式のアクチュエータM1、M2によりなされ、このアクチュエータM1、M2は、リモコン4の頭操作部、足操作部のボタン操作に従って作動する。また、アクチュエータM1、M2を、後述する他のアクチュエータと区別するために、被介護者の頭部側のアクチュエータM1を頭部側アクチュエータM1と、また足部側のアクチュエータM2を足部側アクチュエータM2という。
【0026】
図5は、図3におけるB−B線におけるベッドフレーム10及び可動ステージ20の横断面図で、(a)はベッドフレーム10が水平状態にある場合を示し、(b)は左側部12Lが立上っている状態を示す。
各中央部11a〜11dは、図3及び図5に示すように、その左右両側の左右側部12Ra〜12Rd、12La〜12Ldともヒンジ15を介して回動自在に連結されている。このヒンジ15は、その軸芯が縦方向に配されているため、各側部12R、12Lが、中央部11に対して立ち上がるようになっている。なお、各側部12R、12Lの立ち上がりは、図5の(b)に示すように、アクチュエータM3R、M3Lにより立ち上がる左右の支持フレーム24R、24Lによりなされ、そのアクチュエータM3R、M3Lは、リモコン4の寝返り操作部のボタン操作に従って作動する。
【0027】
2−2)可動ステージ
図6は、図3においてベッドフレーム10を取り除いた状態におけるベッド本体2の平面図であり、図7は、図3においてベッドフレーム10を取り除いた状態におけるベッド本体2の斜視図である。
可動ステージ20は、図3、図5〜図7に示すように、ベッド1の長手方向に長い矩形状のステージ枠21と、ベッドフレーム10の左・右側部12L、12Rを支持して立ち上げさせる左右の支持フレーム24R、24Lとを備える。なお、図7では、左側の支持フレーム24Lの図示を省略している。
【0028】
ステージ枠21は、図6に示すように、長手方向に平行な一対の縦部材21R、21Lと、この一対の縦部材21R、21Lの両端同士を短手方向に連結する一対の横部材21F、21Bとを備え、縦部材21R、21L間の略中央で一対の横部材21F、21Bを連結する縦補強部材21Aと、足部側で2本の縦部材21R、21Lと縦補強部材21Aとをそれぞれ連結する横補強部材21C、21Cとにより補強されている。
【0029】
縦補強部材21Aの頭部側には、図4にも示すように、そのロッドの先端が背中中央部11aに連結された頭部側アクチュエータM1が取り付けられており、このロッドの伸縮により、図4の(b)のように、被介護者の上体起こしを支援すべく背中中央部11aが起伏(屈曲)する。
また、縦補強部材21Aの足部側には、図4に示すように、そのロッドの先端が腿中央部11cに連結された足部側アクチュエータM2が取り付けられており、このロッドの伸縮により、図4の(b)のように、被介護者の膝上げを支援すべく腿中央部11cが起伏(屈曲)する。
【0030】
支持フレーム24R、24Lは、図3、図5〜図7に示すように、ステージ枠21の左右の縦部材21R、21Lに連結部材236Ra、236Rb、236La、236Lbを介して取り付けられている。
支持フレーム24R、24Lは、その位置が左右と異なるだけであり、その構成は同じであるため、ここでは、右側の支持フレーム24Rについて説明する。なお、左側の支持フレーム24Lを構成する各部材の符号は、以下で説明する右側の支持フレーム24Rで使用する符号の語尾の「R」を「L」に変えたものとなる。
【0031】
支持フレーム24Rは、縦方向に配された一対の縦棒22R、23Rと、この一対の縦棒22R、23Rを横方向に連結する2本の横棒231R、232Rとから梯子状に構成される。そして、内側の縦棒22Rが、ステージ枠21の縦部材21Rに固定された連結部材236Ra、236Rbに回動自在に軸支されることにより、支持フレーム24Rが、内側の縦棒22Rを軸中心として回動可能となる。
【0032】
内側の縦棒22R、22Lには、図5に示すように、下方に延びる延伸部235R、235Lが固定されており、この延伸部235R、235Lに横方向伸縮する左・右アクチュエータM3R、M3Lのロッドが固定されている。左・右アクチュエータM3R、M3Lのロッドが伸びると、各支持フレーム24R、24Lが内側の縦部材22R、22Lを軸中心として回動することで立ち上がり、左・右側部12R、12Lを下側から支持して立ち上がらせる。なお、この左・右アクチュエータM3R、M3Lは、図5にも示すように、例えば、縦補強部材21Aと横補強部材21Cとに取り付けられ、リモコン4の寝返り操作部の操作ボタンの操作により作動するようになっている。
【0033】
2−3)固定ステージ
固定ステージ30は、図3及び図7に示すように、可動ステージ20を支持する支持台31と、この可動ステージ20を昇降させたり、左右に傾けたりするための左右一対の昇降部35R、35Lとからなる。
支持台31は、縦方向の両側に配された一対の立設枠32B、32Fと、これら立設枠32B、32Fを長手方向に連結する一対の連結部材33R、33Lとから構成される。昇降部35R、35Lは、支持台31の左右両端側であって立設枠32B、32F間に設けられており、可動ステージ20を昇降させるときは左右の両昇降部35R、35Lが作動し、可動ステージ20を左右に傾斜させるときは一方の昇降部35R、35Lが作動するようになっている。
【0034】
可動ステージ20が左右方向にローリングする際に、一方の昇降部35R、35Lが可動ステージ20の一方の側部を上昇させるため、可動ステージ20の他方の側部が一方側に近づくように移動しようとする。このため、立設枠31、32の上面300を右方向に転動するローラ200、201、202、203を可動ステージ20の下面に取着している。そして、この立設枠32B、32Fの上面300を転動するローラ(例えば、ローラ200とローラ202)の中心を結ぶ線分が、可動ステージ20が傾斜する際の回転中心(軸)となる。
【0035】
図8は、可動ステージ20を昇状態した固定ステージ30の斜視図であり、図9は、昇降部35Lを右側から見た側面図である。
次に、昇降部35R、35Lについて説明する。ここで、昇降部35R、35Lは、その位置が左右と異なるだけであるため、左側の昇降部35Lについて説明する。なお、右側の昇降部35Rを構成する各部材の符号は、以下説明する左側の昇降部35Lで使用する符号を、語尾の「L」を「R」に変えたものとなる。
【0036】
昇降部35Lは、図7に示すように、可動ステージ20の縦部材21Lに取り付けられたステージバー27Lをバー受け36Lで下から受けるようになっている。そして、この状態でバー受け36Lが上昇することで可動ステージ20が上昇する(バー受け36が上昇することを、「昇降部が伸長する」ともいう。)。なお、可動ステージ20のローリング時にステージバー27R、27Lがバー受け36R、36L内でスムーズに回転するように、例えば、ステージバー27R、27Lの横断面が円形状し、これに対応して、バー受け36Lの横断面形状がU字状になっている。
【0037】
次に、バー受け36Lには、図8に示すように、その縦方向の両端に起伏自在な一対の支持腕354L、356Lが連結されており、この支持腕354L、356Lが起伏することでバー受け36Lが昇降する。なお、支持腕354L、356Lの下端は、それが起伏する際に、縦方向のガイド部材32L内を移動するように構成されており、これによりバー受け36Lが鉛直(上下)方向に昇降可能となる。
【0038】
各支持腕354L、356Lは、一端がガイド部材32Lに連結されたL字部材351L、352Lの屈曲している部分に回動自在に連結されている。一対の支持腕354L、356Lに連結された両L字部材351L、352Lの他端同士は、水平方向のリンク部材353Lに連結されており、このリンク部材353Lとバー受け36Lとの間に、アクチュエータM4Lが斜交い方向に取着されている。そして、このアクチュエータM4Lのロッドが伸縮することで、L字部材351L、352Lが、そのガイド部材32Lとの連結部分を中心として回動し、これに連結された支持腕354L、356Lが起伏する。
【0039】
なお、受けバー36R、36Lがステージバー27R、27Lを下から受けた際に、ステージバー27R、27Lが受けバー36R、36Lから外れないように、ステージバー27R、27Lと、受けバー36R、36Lとの間には、ベルト、チェーン、ばね等の安全機構が設けられている。
昇降部35Lには、可動ステージ20を傾斜させる際に、可動ステージ20、被介護者の重力の合力が作用する位置が回転中心を通る垂線Cを通過する際の角度を含む、例えば、床部の水平状態を基準として、少なくとも30度以上90以下の範囲で、その傾斜を減する方向に負荷を付与する負荷付与手段50が設けられている。つまり、負荷付与手段50は、昇降部35Lのバー受け36Lの上昇を減する方向(下降方向)に負荷を付与している。
【0040】
なお、可動ステージ20、被介護者の重力の合力が作用する位置が回転中心を通る垂線Cを通過する際の床部の傾斜角度は、被介護者の重量、ベッド上の被介護者の位置等により変化し、これら被介護者及びその位置等を考慮すると、ベッド1の通常の使用においては、30度が最小の傾斜角度となる。また最大の角度については、安全性の面から床部を90度以上傾斜させて使用することは考え難い。
【0041】
具体的には、負荷付与手段50には、一対の支持腕354L、356Lに取り付けられた引張りばねSP1Lにより構成される。この引張りばねSP1Lは、アクチュエータM4Lのロッドの伸縮方向と略平行に配され、床部がローリングし始めると、昇降部35R、35Lに負荷を付与するようになっている。
なお、アクチュエータM4Lのロッドの伸縮は、リモコン4の高さ操作部及び寝返り操作部の操作により行われる。
【0042】
2−4)ベッド枠
このベッド枠40は、図1及び図2に示すように、被介護者の頭部側に配されたヘッドボード41と、足部側に配されたフットボード42と、ヘッドボード41とフットボード42とをマット3の側面の下側で連結する左右一対のサイドボード43R、43Lとから構成される。なお、ヘッドボード41、フットボード42、サイドボード43R、43Lは、ベッド1の設置面(床)と、上昇したベッドフレーム10の間等に人が挟まれるのを防止する共に、ベッド1の意匠性を高めている。
【0043】
2.寝返り支援ベッドの動作
1)昇降動作について
リモコン4の高さ操作部の操作があると、図8に示すように、昇降部35R、35Lの両アクチュエータM4R、M4Lのロッドが伸び、支持腕354R、354L、356R、356Lが立ち上がる。これによりバー受け36R、36Lが可動ステージ20のステージバー27R、27Lを下から受け、この状態でさらに上昇する。これにより可動ステージ20(ベッド1の床面13)が上昇する。
【0044】
一方、床面13が上昇した状態で、リモコン4の高さ操作部の押下操作があると、昇降部35R、35LのアクチュエータM4R、M4Lのロッドが縮み、床面13が下降し始める。
2)上体起こし動作について
リモコン4の頭操作部の操作があると、図4の(b)に示すように、頭部側アクチュエータM1のロッドが伸び、背中中央部11aがロッドの伸びに従って上体が起きる方向に起き始める。このとき、背中中央部11aの両側の背中左右側部12Ra、12Laは、背中中央部11aにヒンジ15を介して連結されているので、背中中央部11aと共に起きる。
【0045】
一方、背中中央部11a及び背中左右側部12Ra、12Laが起きた状態で、リモコン4の頭操作部の操作があると、頭部側アクチュエータM1のロッドが縮み、背中中央部11a及び背中左右側部12Ra、12Laが平坦な状態に戻り始める。
3)膝上げ動作
リモコン4の足操作部の操作があると、図4の(b)に示すように、足部側アクチュエータM2のロッドが伸び、腿中央部11c及び腿左右側部12Rc、12Lcがロッドの伸びに従って起き始め、これに連動して膝下中央部11c及び膝下左右側部12Rc、12Lcが起きる。
【0046】
一方、腿中央部11c、腿左右側部12Rc、12Lc、膝下中央部11d及び膝下左右側部12Rd、12Ldが起きた状態で、リモコン4の足操作部の操作があると、これらは平坦な状態に戻り始める。
4)寝返り動作
ここでは、図1に示すように、仰臥位の被介護者を左向きに寝返りさせる場合を例として、以下説明する。
【0047】
リモコン4の寝返り操作部の操作があると、まず、図5に示すように、左アクチュエータM3Lのロッドが伸長し、支持フレーム24Lが内側の縦棒22Lを軸中心として立ち上がり、やがて、図5の(b)の状態を経て、左側部12Lが略90°の角度に立上る。このように側部12Lを立ち上げる理由は、床面13が左向きにローリングしたときに、被介護者の左側面を支持して、被介護者がベッド1上から落ちないようにするためである。
【0048】
続いて、頭部側アクチュエータM1及び足部側アクチュエータM2のロッドが伸長し、上述の上体起こし動作及び膝上げ動作が行われる。このように、寝返り支援時に上体起こし及び膝上げが行われるのは、側臥位となる被介護者の最も安定な体勢は、膝を曲げて、腰を屈めた屈曲姿勢であり、この屈曲姿勢を採るためである。
【0049】
そして、以上の動作により、左側部12Lの立ち上げ状態、中央部11と右側部12Rの屈曲状態が整うと、右側の昇降部35Rに取着されたアクチュエータM4Rのロッドが伸長し、バー受け36Rがステージバー27Rを受けた状態でさらに上昇する。これにより可動ステージ20が、図10に示すように、左向きにローリングし始める。つまり、右側の昇降部35Rにより床部が右上がり状に傾斜する。
【0050】
図11は、可動ステージ20が右向きにローリングする際に発生する回転モーメントを模式的に示した図であり、(a)はローリングする前の水平状態、(b)はローリングを開始した後の状態、(c)は(b)からさらにローリングした状態を示している。
ローリングを開始した状態では、図11の(b)にも示すように、ベッドフレーム10、可動ステージ20、被介護者の重力の合力Wが作用する位置が、ローラ202(、200)の中心である回転中心を通る垂線Cよりも左側にあり、これらの合力Wによる回転中心廻りの回転モーメントM1は昇降部35Lを下降させる方向(X方向と反対方向)に作用する。このため、昇降部35Lは、可動ステージ20から圧縮の負荷を受けることになる。
【0051】
なお、昇降部35Lは、上述の回転モーメントM1より大きい回転モーメントが回転中心廻りに作用するようにバー受け36Lを昇降させている。ここでいう「ベッドフレーム10、可動ステージ20、被介護者の重力の合力Wは、負荷付与手段50が取着されていない(非作用)の場合に相当する。
さらに、可動ステージ20をローリングさせると、図11の(c)に示すように、ローラ202、200が、図11の(b)における位置よりもさらに左側に移動し、ベッドフレーム10、可動ステージ20、被介護者の重力の合力を示すWの位置が、そのときの回転中心を通る垂線Cを右側へと通過し、この合力Wによる回転中心廻りの回転モーメントM1は昇降部35Lを引き上げる方向(X方向)に作用する。
【0052】
しかしながら、昇降部35Lには、可動ステージ20、被介護者の重力の合力を示すWが回転中心を通る垂線Cを通過する際には、その伸長する方向と反対方向に負荷P1を付与する引張りばねSP1Lが取り付けられているので、昇降部35Lには、この引張りばねSP1Lによる圧縮の負荷P1が作用する。これにより、たとえ、昇降部35Lに上下方向の機械的な遊びがあっても、昇降部35Lには、ローリング開始から圧縮負荷が連続して作用することになり、ベッド1上の被介護者にショックを与えるようなことはなくなる。
【0053】
また、昇降部35Lには、可動ステージ20の傾斜中に可動ステージ20側に作用する回転モーメントM1の向きが反転しても、ローリング開始から圧縮負荷が連続して作用することになり、昇降部35LのアクチュエータM4Lには、絶えず、可動テーブル20の傾斜を抗する方向の負荷(圧縮)が作用しているため、負荷の種類の変化が無く、可動ステージ20のローリング速度(傾斜速度)が急に変化するようなこともなくなる。
【0054】
なお、本実施の形態では、引張りばねSP1Lを昇降部35Lに設けているため、床部のローリング中において、昇降部35L内での負荷の種類の変化はなくなるが、昇降部35Lと可動ステージ20との連結部で負荷の種類が変化する。しかしながら、従来のように、昇降部35L内での負荷の種類の変化がある場合に比べてベッド1全体としてショックは確実に小さくできる。
【0055】
なお、本実施の形態では、引張りばねSP1R、SP1Lは、床部のローリングの開始と共に、昇降部35R、35Lに負荷が付与し始める。しかしながら、負荷付与手段50は、床部をローリングさせたときに、負荷付与手段50が非作用の時に昇降部35R、35Lが床部から受ける負荷が反転する角度を含む所定の角度で、床部の傾斜を小さくする方向に負荷を付与し始めれば良いので、例えば、ばねの全長を長くして、床部の傾斜角度が小さいときは引張り負荷が作用しないようにしても良い。さらに、昇降部35R、35Lの上昇に合わせてばねの一端が移動するようにして、ばねが長くならないようにしても良い。ただし、この場合、床部の傾斜角度が所定の角度になる位置で、一端の移動が止まるようにする必要がある。
【0056】
また、寝返り動作は、上記で説明したように、床面13の側部立ち上げ、屈曲動作、ローリングの順となっているが、この順序に限定するものではなく、例えば、屈曲動作、側部立ち上げ、ローリングの順でも良く、或いは屈曲動作と側部立ち上げを同時に行い、次にローリングするようにしても良い。
(第2の実施の形態)
上記の第1の実施の形態では、負荷付与手段50として、床部がローリングし始めると、その傾斜を小さくするような負荷を付与する引張りばねSP1R、SP1Lを用いた。本実施の形態では、第1の実施の形態で用いた引張りばねSP1R、SP1Lの負荷付与手段50に変えて、床部をローリングさせたときに、負荷付与手段が非作用の時に昇降部35R、35Lが床部から受ける負荷が反転する手前から、床部の傾斜を小さくする方向に負荷を付与し始めるような負荷付与手段を用いている。
【0057】
図12は、第2の実施の形態における負荷付与手段を示す全体図である。
負荷付与手段150は、図12に示すように、第1の部材と第2の部材とを伸縮自在に組み合わせて、床部の傾斜の増加に従って伸長すると共に、床部の傾斜が増加して所定の傾きになると、第1の部材と第2の部材とを縮める方向に負荷を付与する圧縮ばねを備えている。
【0058】
負荷付与手段150は、具体的には、第1の部材である円筒状のシリンダ151と、このシリンダ151に対して挿抜される第2の部材であるピストン155とを備える。シリンダ151内に挿入されているピストン155の端部には、ピストン155の挿抜に伴ってシリンダ151の内周壁と摺動する摺動部材156が取着され、また、ピストン155が挿抜する側のシリンダ151の端部には、ピストン155をガイドするガイド部材152が取着されている。これにより、ピストン155がシリンダ151の軸芯方向に挿抜可能となり、負荷付与手段150が全体として、伸縮可能となる。
【0059】
シリンダ151内であって底側の端部寄りには、圧縮ばねSP3が挿着されており、ピストン155がシリンダ151内の奥に挿入されたときに、ピストン155の端部の摺動部材156が圧縮ばねSP3に当接して、ピストン155の挿入を抗するようになっている。
一方、シリンダ151内であって挿抜側の端部寄りにも、圧縮ばねSP2が挿着されており、ピストン155がシリンダ151から抜出されたときに、摺動部材156が圧縮ばねSP2に当接して、ピストン155の抜出を抗するようになっている。
【0060】
この負荷付与手段150は、上記第1の実施の形態と同様に、昇降部35R、35Lの上下方向の伸縮に従ってピストン155がシリンダ151から挿抜するように、一対の支持腕354R、354L、356R、356Lに取り付けられている。従って、負荷付与手段150の全長が最短となるようにピストン155がシリンダ151内に挿入された状態では、圧縮ばねSP3は、支持腕354R、354L、356R、356Lの間隔を広げる方向に負荷が働く。このため、昇降部35R、35Lが可動ステージ20をローリングし始めるときに、アクチュエータM4R、M4Lの負荷を低減できる。
【0061】
一方、負荷付与手段150の全長が最長となる手前までピストン155がシリンダ151から抜出されると、圧縮ばねSP2は、支持腕354R、354L、356R、356Lの間隔を狭める方向に負荷P1が働く。このため、図11の(c)に示すように、床部全体によるローラの中心(回転中心)廻りの回転モーメントM1が、たとえ、ローリング方向に変化しても、昇降部35R、35Lが可動ステージ20(床部)から受ける負荷は反転することはない。したがって、上記第1の実施の形態と同様に、ベッド1上の被介護者にショックを与えることはなくなり、また、ローリング中に傾斜速度が急に変わることもなくなる。
【0062】
負荷付与手段150を上記のような構成にすると、床部がローリングを開始して、その傾斜角度が、床部の重心が床部の回転中心を通る垂線を通過する角度になる前から、昇降部35R、35Lに対してその上昇を抗する方向に負荷を付与し始めるので、それまでの昇降部35R、35LのアクチュエータM4R、M4Lへの負荷を小さくできる。
【0063】
なお、負荷付与手段150が、昇降部35R、35Lに対して負荷を付与し始める位置、負荷の大きさ等は、床部の傾斜動作時の回転モーメント等により算出したり、実際の実験により求めたりして決定される。
負荷付与手段150が圧縮ばねSP2により昇降部35R、35Lに対して負荷を付与し始める床部の角度は、可動ステージ20、被介護者の重力の合力が作用する位置が回転中心を通る垂線Cを通過する際の角度より小であり、例えば、床部の水平状態を基準として30度のときである。これは、第1の実施の形態で説明したように、被介護者の重力の合力が作用する位置が回転中心を通る垂線Cを通過する際の床部の傾斜角度は、被介護者の重量、ベッド上の被介護者の位置等により変化し、これら被介護者及びその位置等を考慮すると、通常の使用においては、30度が最小の傾斜角度となる。
【0064】
また、第2の実施の形態では、負荷付与手段150は、シリンダ151とピストン155とを組み合わせて伸縮自在に構成しているが、一方の部材が、他方の部材に対して移動可能に支持されていれば、他の構成でも第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。例えば、棒材を少なくとも2箇所以上で挿抜自在に支持して、その支持部に、棒材の挿抜方向と反対方向に負荷を棒材に対して付与する圧縮ばねを取着しても良く、その構造は、負荷付与手段150の取り付け位置や取り付ける空間の大きさ等により適宜決定される。
【0065】
さらに、シリンダ151内の圧縮ばねSP2、SP3は、シリンダ151の両端部に1個ずつ設けられているが、各端部に複数、例えば、ばね定数の異なるばねを用いて、床部の傾斜角度に従って、付与する負荷の大きさを変化させても良い。
(変形例)
以上、本発明を各実施の形態に基づいて説明したが、本発明の内容が、上記各実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を実施することができる。
【0066】
(1)可動ベッドについて
上記の実施の形態では、可動ベッドを適用させた寝返り支援ベッドとして、被介護者の上体起こし体勢及び膝上げ体勢も支援できるように、床部がベッド長手方向に屈曲(傾斜)するようになっている。つまり、床部は可動な床面を有し、その床面を屈曲させて、上体起こし、膝上げの少なくともいずれかを含む屈曲体勢を形成する屈曲機構や、床部の側部材を中央部の床部に対して起こす側部起こし機構等を有している。
【0067】
しかしながら、本発明は、床部が側方にローリング(傾斜)のみする可動ベッドにも、当然適用することができる。つまり、少なくとも、床部が側方(床部に幅方向)に傾斜する機能を有する可動ベッドであれば良い。
(2)床部について
上記の実施の形態では、床面がベッド長手方向に屈曲する寝返り支援ベッドについて説明した。このため、床部は、ベッドフレームと可動ステージとから構成されている。しかしながら、本発明は、床面が側方にのみ傾斜する可動ベッドにも適用できる。このような側方にのみ傾斜する可動ベッドでは、本実施の形態で説明した可動ステージをなくして、左右一対の昇降部によりベッドフレームを傾斜させるような構成とすることも可能である。従って、この場合の床部は、ベッドフレームとなる。
【0068】
(3)負荷付与手段の位置について
上記の実施の形態では、負荷付与手段50、150を、床部を傾斜させるための昇降部(傾斜機構)35R、35Lに設け、昇降部35R、35Lが床部を上昇させるのを抗する方向に負荷を発生させているが、床部の傾斜が少なくなるような負荷を付与できれば、他の位置に負荷付与普段を設けても良い。
【0069】
このような他の位置としては、上記の実施の形態における構造では、例えば、ガイド部材32R、32Lとバー受け36R、36Lとの間、あるいは、連結部材33R、33Lとバー受け36R、36Lとの間に上下方向または斜め方向に設けても良い。さらに、支持腕354R、356R、354L、356Lとバー受け36R、36Lとの間、あるいは、支持腕354R、356R、354L、356Lとガイド部材32R、32L(連結部材33R、33Lでも可)との間に設け、支持腕354R、356R、354L、356Lの立ち上がり角度が小さくなる方向に負荷を付与しても良い。
【0070】
さらに、固定ステージと可動ステージとを直接連結するようにしても良い。この場合、上記の実施の形態では、可動ステージと昇降部との間にある遊びの影響を受けていたが、固定ステージと可動ステージとを直接連結すると、この間でのショックが無くなり、被介護者が受けるショックをより小さくできる。
(4)傾斜機構について
上記の第1の実施の形態における傾斜機構は、床部の側方部分を独立して昇降する昇降部35R、35Lを各側方に対応して設け、一方の昇降部が床部の側方部分を昇降させて床部を傾斜させているが、この方式に限定するものではない。ただし、この場合は、左右に独立した昇降部を備えているので、例えば、床面の高さ調整を行う機構も併用することができ、装置の簡略化、小型化を図ることができる。
【0071】
例えば、固定軸廻りに回動自在な軸受けに床部を固定し、床部の所定部位をアクチュエータによるロッドの伸縮を利用して床部を傾斜させるようにしても良い。この場合には、アクチュエータのロッドに伸縮を抗する方向に負荷を付与すれば良い。
また、上記の実施の形態では、昇降部は、床部を傾斜させるときに床部の側部を上昇させるようにしているが、例えば、逆に、床部を傾斜させるときに床部の側部を下降させるようにしても良い。この場合は、昇降部は、床面から引張り(上方向の)負荷が作用し、負荷付与手段は、床面を押し上げる負荷を付与するようにすれば良い。このような構成にしても上記実施の形態で説明した効果が得られる。
【0072】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る可動ベッドは、側方に傾斜可能な床部と、当該床部を側方に傾斜させる傾斜機構と、前記傾斜機構によって床部が傾斜される際に、その傾斜が所定角度の範囲内において、前記傾斜機構が床部から受ける圧縮負荷又は引張り負荷が他方の種類の負荷に反転しないように、前記床部の傾斜が小さくなる方向の負荷を与える負荷付与手段とを備えている。
【0073】
このため、傾斜機構が床部から受ける負荷が同じ種類となり、たとえ、傾斜機構に構造上の遊びがあっても、傾斜機構の連結部同士の接触位置が変わったり、傾斜する速度が急に変化したりすることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における寝返り支援ベッドの全体の概略を示す斜視図である。
【図2】本実施の形態における寝返り支援ベッドの一部を切り欠いた斜視図である。
【図3】本実施の形態におけるベッド枠を外したベッド本体を示す斜視図である。
【図4】図3におけるA−A線におけるベッドフレーム及び可動ステージの縦断面図で、(a)はベッドフレームが水平状態にある場合を示し、(b)はベッドフレームが屈曲状態にある場合を示す。
【図5】図3におけるB−B線におけるベッドフレーム及び可動ステージの横断面図で、(a)はベッドフレームが水平状態にある場合を示し、(b)は左側部が立上った状態を示す。
【図6】図3においてベッドフレームを取り除いた状態におけるベッド本体の平面図である。
【図7】図3においてベッドフレームを取り除いた状態におけるベッド本体の斜視図である。
【図8】本実施の形態における可動ステージを昇状態した固定ステージの斜視図である。
【図9】本実施の形態における左側の昇降部を内側から見た概略図である。
【図10】図3に示した床部をローリングさせた状態の斜視図である。
【図11】可動ステージが右向きにローリングする際に発生する回転モーメントを模式的に示した図である。
【図12】第2の実施の形態における負荷付与手段の断面図である。
【図13】従来の可動ベッドにおける床部が右向きにローリングする際に発生する回転モーメントを模式的に示した図である。
【符号の説明】
1 寝返り支援ベッド
2 ベッド本体
3 マット
35 昇降部
50、150 負荷付与手段
151 シリンダ
155 ピストン
SP1 引張りばね
SP2、SP3 圧縮ばね
Claims (8)
- 側方に傾斜可能な床部と、
当該床部を側方に傾斜させる傾斜機構と、
前記傾斜機構によって床部が傾斜される際に、その傾斜が所定角度の範囲内において、前記傾斜機構が床部から受ける圧縮負荷又は引張り負荷が他方の種類の負荷に反転しないように、前記床部の傾斜が小さくなる方向の負荷を与える負荷付与手段と
を備えることを特徴とする可動ベッド。 - 前記所定角度の範囲は、前記負荷付与手段が非作用の状態において、傾斜動作中の床部の重心が、床部の回転中心を通る垂線を通過する際に相当する角度を含むことを特徴とする請求項1に記載の可動ベッド。
- 前記所定角度の範囲は、床部の水平状態を基準として、30度以上90度以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の可動ベッド。
- 前記負荷付与手段は、引張りばねにより構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の可動ベッド。
- 前記負荷付与手段は、第1の部材と第2の部材とを伸縮自在に組み合わせて、前記床部の傾斜の増加に従って伸長すると共に、前記床部の傾斜が増加して所定の傾きになると、前記第1の部材と第2の部材とを縮める方向に負荷を付与する圧縮ばねを備え、
前記所定の傾きは、前記床面の傾斜動作中に、床部に作用する自重により発生する床部の回転中心廻りの回転モーメントの向きが反対向きとなるときの傾きの手前であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の可動ベッド。 - 前記負荷付与手段は、前記床部の傾斜開始時に、前記第1の部材と第2の部材とを伸長させる方向に負荷を与える圧縮ばねを備えることを特徴とする請求項5に記載の可動ベッド。
- 前記傾斜機構は、前記床部の側部を昇降させる昇降部を各側部に対応して備え、前記床部の傾斜は当該昇降部の一方により行われることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の可動ベッド。
- 前記床部は、その幅方向の両側に取着された一対のローラを長さ方向に複数備え、当該ローラを介して支持台上に載置され、前記床部の一方の側部を前記昇降部により上昇させたときに、他方側のローラが前記支持台上を一方側に転動し、前記床部が当該他方側のローラの中心を回転中心として傾斜することを特徴とする請求項7に記載の可動ベッド。
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