JP3957516B2 - オゾン処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板や液晶基板などの基板表面に、少なくともオゾンを含んだ処理ガスを吹きかけて、当該基板表面に酸化膜を形成したり、或いは基板表面に形成された酸化膜を改質したり、更には、基板表面に形成されたレジスト膜を除去するオゾン処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、上記オゾン処理装置として、特開平5−166718号公報に開示されたアッシング装置が知られている。このアッシング装置100は、図8に示すように、その上面にウエハWが載置される載置台101と、前記ウエハWの上方に、このウエハWと所定間隔gを隔てて設置された透明な石英板102と、この石英板102の前記ウエハWとの対向面に開口するように配設されたノズル103と、前記石英板102の上方に設けられた複数の紫外線ランプ104などから構成される。
【0003】
尚、前記載置台101,石英板102,ノズル103及び紫外線ランプ104は、閉塞空間を備えたチャンバ(図示せず)内に配設されている。また、前記載置台101にはヒータ(図示せず)が内蔵されており、前記ノズル103にはオゾンガス生成装置(図示せず)が接続されている。
【0004】
このように構成されたアッシング装置100によれば、前記載置台101の上面に載置されたウエハWが、前記ヒータ(図示せず)によって所定温度に加熱され、前記オゾンガス生成装置(図示せず)によって生成された所定濃度のオゾンガス(処理ガス)が、この加熱されたウエハWに向けて前記ノズル103から吐出される。
【0005】
このようにして吐出されたオゾンガスは、前記ウエハWに衝突した後、これに沿って流れるオゾンガス層を形成するとともに、前記紫外線ランプ104によって紫外線を照射される。このような流れの中で、オゾン(O3)はウエハWにより加熱され、このように加熱されたり、ウエハWやレジストと接触したり、或いは前記紫外線ランプ104より紫外線を照射されることによって酸素(O2)と活性酸素(O*)に分解され、ウエハW表面に形成されたレジスト膜が、この活性酸素との熱化学反応によって除去される。
【0006】
ところで、前記間隔gは、ウエハWに沿って流れるオゾンガス流の層厚を制御するものであり、間隔gが大きければ、オゾンガス流の層厚は厚くなる一方、間隔gが小さければ、オゾンガス流の層厚は薄くなる。
【0007】
本発明者らの知見するところによれば、図9に示すように、オゾンガス流中に存在するオゾンや活性酸素など(以下、単にオゾン分子Xという)は、基板Wの表面に近いものほど、当該基板W表面に到達しやすく、これから離れるほど到達し難くなる。これは、基板W表面から離れるほど、自身と基板W表面との間に存在する他の分子等が多くなり、これらが障害となって基板W表面に到達し難くなるものと思われる。したがって、オゾンガス流の層厚が厚くなればなるほど、基板W表面に到達し得るオゾン分子Xのガス流全体に占める割合が低下し、効率的なオゾン処理を行うことができない。また、前記オゾンガス流の層厚を薄くすべく、対向板40(石英板102)を基板Wに近づけると、基板Wから対向板40へ熱移動が生じ、対向板40の板厚によっては対向板40が熱平衡状態となるのに長時間を要するため、基板Wの温度が長時間に渡って一定せず、上記処理にムラを生じることになる。
【0008】
本発明者らは、効率的且つ均一なオゾン処理を行い得る適切な前記間隔や対向板の板厚について鋭意研究を重ねた結果、本発明を成すに至ったものであり、本発明は、オゾンガス流の層厚や対向板の板厚を適切に設定することで、オゾンの反応効率を最適にしたり、均一なオゾン処理を行い得るオゾン処理装置の提供をその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記目的を達成するための本発明の請求項1に記載した発明は、基板が載置される載置台と、
前記基板を加熱する加熱手段と、
前記載置台上の基板と対向して配設され、且つ前記基板との対向面に開口し、オゾンを含んだ処理ガスを前記基板に向けて吐出する吐出口を備えた対向板と、
前記対向板の吐出口に前記処理ガスを供給して吐出せしめるガス供給手段とを設けて構成するとともに、
前記対向板を、その板厚が0.1mm以上5mm以下となるように形成したことを特徴とするオゾン処理装置に係る。
【0010】
この発明によれば、オゾンを含んだ処理ガスが前記ガス供給手段によって供給され、供給された処理ガスが前記載置台上に載置された基板と対向して配設された対向板の吐出口から、前記基板に向けて吐出される。尚、前記基板は前記加熱手段によって加熱されている。
【0011】
このようにして吐出された処理ガスは、前記基板に衝突した後、これに沿って流れる処理ガス層を形成し、このような流れの中で、オゾン(O3)は基板により加熱され、このように加熱されたり、基板やレジストと接触することによって酸素(O2)と活性酸素(O*)に分解され、この活性酸素(O*)によって、基板表面に酸化膜が形成されたり、或いは基板表面上の酸化膜が改質されたり、更には、基板表面に形成されたレジスト膜が活性酸素との熱化学反応によって除去される。
【0012】
ところで、前記対向板は、前記基板表面に沿って流れる処理ガス流の層厚を制御する作用をなすものであり、その対向面と前記基板表面との間隔を狭めることで、前記処理ガス流の層厚を薄くし、当該処理ガス流の流速を速くすることができる。
【0013】
そして、処理ガス流の層厚を薄くすることで、基板表面に到達して上記酸化膜の形成やその改質、或いはレジスト膜の除去に寄与するオゾンの割合を増やすことができ、その反応効率を高めることができる。また、処理ガス流の流速が速くなることで、基板表面の処理範囲が広くなる。
【0014】
しかしながら、対向板を基板に近づけると、基板から対向板へ熱移動を生じるため、対向板は、その体積が小さく、短時間で熱平衡状態に達して基板の温度に悪影響を及ぼさないものを採用する必要がある。
【0015】
そこで、本発明では、前記対向板の板厚を0.1mm以上5mm以下としている。0.1mm未満では、温度上昇によって対向板に熱歪を生じ、5mmを越えると、対向板が熱平衡状態となるまでに長時間を要するため、基板の温度が長時間に渡って一定せず、上記処理にムラを生じることになる。尚、対向板の強度及び基板の温度安定性を考慮すると、前記板厚は1mm以上2mm以下であるのが好ましい。
【0016】
尚、前記対向板の対向面と前記基板表面との間隔は、請求項2に記載した発明のように、0.2mm以上1mm以下とするのが好ましい。前記間隔が1mmを超えると、オゾンの反応効率が極端に落ち、しかも、処理範囲が狭くなるため、これらの相乗作用によって、基板表面の所定範囲を処理するために必要な処理ガス量が極端に増え、処理コストが著しく高くなる。一方、前記間隔が0.2mm未満では、処理ガスの流速が極端に低下するため、前記処理範囲が極端に狭くなり、却って好ましくない。
【0017】
また、前記対向板は、請求項3に記載した発明のように、複数の前記吐出口が形成されるとともに、該吐出口間に表裏に貫通した貫通孔が形成され、前記ガス供給手段によって、前記各吐出口に前記処理ガスが供給されるように構成されたものとすることができる。
【0018】
このようにすれば、各吐出口から吐出され、基板に沿って流れる処理ガスが、その後、相互に衝突して貫通孔に向かう流れとなり、この貫通孔から対向板の裏面側に、即ち、基板と対向板との間から排気される。これにより、処理後の処理ガスが基板表面付近に滞留して、吐出口から吐出される処理ガスが前記基板表面に達し難くなるのが防止され、酸化膜の形成やその改質、レジスト膜の除去といった上記処理を効果的に行うことが可能となる。
【0019】
また、前記貫通孔は、請求項4に記載した発明のように、その複数個が前記対向板を複数の領域に区画するように連設され、更に、前記吐出口が、前記貫通孔によって区画される各領域にそれぞれ形成された構成とすることができる。
【0020】
このようにすれば、各吐出口から吐出された処理ガスを効果的に基板と対向板との間から排気することができる。尚、前記各領域は、これらが同じ大きさ(面積)となるように区画されているのが好ましい。このようにすれば、各領域に対応した基板表面部分をムラなく処理することができる。また、各領域の大きさは、要求される処理速度などに応じて適宜設定される。
【0021】
また、前記貫通孔の孔径を大きくし過ぎると、当該貫通孔部の基板表面に未処理部分が残ることがある。そこで、本発明の請求項5に記載した発明のように、前記貫通孔の孔径を0.5mm以上3mm以下とすれば、当該貫通孔に対応した基板表面を確実に処理することができ、未処理部分が残るといった不都合が生じるのを防止することができる。尚、前記孔径が0.5mm未満では、処理ガスの排気効率が極めて悪く、逆に処理ガスの処理効果が低下する。
【0022】
また、前記貫通孔は、本発明の請求項6に記載した発明のように、細長のスリット状に形成されていても良く、この場合は、本発明の請求項7に記載した発明のように、前記スリットの幅が0.5mm以上3mm以下となるようにするのが好ましい。
【0023】
更に、前記対向板は、本発明の請求項8に記載した発明のように、これをそれぞれ吐出口を備えた複数のものから構成するとともに、これら複数の対向板を、隣接する各対向板間に隙間が形成されるように、同一平面内に配設した構成としても良い。このように構成しても、上記と同様の効果が奏される。
【0024】
また、各対向板をそれぞれ同じ大きさ(面積)にすれば、各対向板に対応した基板表面部分をムラなく処理することができる。尚、前記対向板の大きさは、要求される処理速度などに応じて適宜設定すれば良い。
【0025】
また、前記隙間を大きくし過ぎると、当該隙間部の基板表面に未処理部分が残ることがある。そこで、本発明の請求項9に記載した発明のように、前記隙間を0.5mm以上3mm以下とすれば、当該隙間に対応した基板表面を確実に処理することができ、未処理部分が残るといった不都合が生じるのを防止することができる。尚、前記隙間が0.5mm未満では、処理ガスの排気効率が極めて悪く、逆に処理ガスの処理効果が低下する。
【0026】
また、前記対向板の好ましい材質としては、例えば、セラミック,ステンレス,シリコン,アルミニウム,チタン,ガラス及び石英などを挙げることができる。また、前記対向板の形状は、何ら限定されるものではなく、三角形や四角形,六角形の他、円形や楕円形のものであっても良い。
【0027】
また、前記基板の加熱温度は、200℃〜500℃の範囲が好ましい。この範囲内であれば、基板内に含まれる不純物の蒸発を上記処理と同時に行うことができる。また、前記処理ガスは、14重量%以上のオゾンを含むものが好適であり、オゾンとTEOS(Tetraethyl orthosilicate、ケイ酸テトラエチル、Si(C2H5O)4)の混合ガスであっても良い。
【0028】
ところで、近年、処理対象の基板は、その大きさが年々大きくなっている。上記請求項3乃至9に係る各発明では、複数の吐出口を設け、各吐出口から吐出される処理ガスにより基板表面を均一に処理し得る構成としているので、大型化した基板(例えば、730mm×920mm)に対しても、前記吐出口を基板の大きさに応じて適切に配置することで、当該基板表面を均一にオゾン処理することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施形態について、添付図面に基づき説明する。図1は、本実施形態に係るオゾン処理装置の概略構成を示した断面図であって、図2における矢示C−C方向の断面図である。また、図2は、図1における矢示A−A方向の断面図であり、図3は、図1における矢示B−B方向の断面図である。
【0030】
図1及び図2に示すように、本例のオゾン処理装置1は、所定の内容積を有する処理チャンバ10と、この処理チャンバ10内に配設され、その上面に基板Kが載置される載置台20と、この載置台20の上方に配設されたガス供給ヘッド30などを備える。
【0031】
前記処理チャンバ10は、蓋体11によって閉じられるとともに、排出口(図示せず)によって処理チャンバ10内のガスが外部に排出されるように構成されている。
【0032】
前記載置台20は、ヒータなどからなる加熱手段(図示せず)を内臓しており、上面に載置された前記基板Kを、この加熱手段(図示せず)によって加熱する。また、載置台20は、昇降手段21によって昇降自在となっており、この昇降手段21は、前記処理チャンバ10の底面を貫通して設けられる昇降ロッド22を備え、この昇降ロッド22により前記載置台20を支持している。尚、前記昇降手段21は、油圧シリンダや空圧シリンダなどから構成される。
【0033】
前記処理チャンバ10の底面には、先端が先鋭に形成され、その先端面に基板Kが仮置きされる複数の支持針23が立設されており、この支持針23は、前記載置台20が下降端位置にある時に、当該載置台20に形成された貫通孔(図示せず)に挿通されて、その先端が載置台20の上面より上方に突出する一方、前記載置台20が上昇端位置にある時に、前記貫通孔(図示せず)から抜き取られるようになっている。
【0034】
斯して、前記載置台20が下降端位置にある時に、前記支持針23上に基板Kが仮置きされた後、前記載置台20が上昇せしめられると、前記支持針23が載置台20に対して相対的に没して、前記基板Kが載置台20上に載置される。尚、前記昇降手段21は、前記載置台20が上昇端に位置したとき、後述する対向板40下面と基板K表面との間隔gが0.2mm以上1mm以下の範囲内の間隔となるように、前記載置台20を前記上昇端位置に上昇させる。
【0035】
図1乃至図3に示すように、前記ガス供給ヘッド30は、ブロック状のヘッド本体31と、このヘッド本体31の下方に、当該ヘッド本体31と所定間隔を隔てて、且つ前記載置台20上の基板Kと対向して配設された複数の対向板40などからなる。尚、前記ヘッド本体31は、固定部材12によって前記処理チャンバ10の内側壁に固定されている。
【0036】
前記ヘッド本体31には、その一方の側面から他方の側面に貫通した冷却液流路32が形成されており、この冷却液流路32には、図2に示した冷却液循環手段50から冷却液が供給され、当該冷却液が循環せしめられる。
【0037】
前記冷却液循環手段50は、順次接続された管継手56,配管57,管継手58,配管59,冷却液供給手段51,配管52,管継手53,配管54,管継手55などから構成され、前記管継手56が前記冷却液流路32の一方端に接続され、前記管継手55が前記冷却液流路32の他方端に接続されている。こうして、これら管継手56,配管57,管継手58,配管59,冷却液供給手段51,配管52,管継手53,配管54,管継手55、及び前記冷却液流路32によって冷却液の循環路が形成される。
【0038】
斯して、前記冷却液供給手段51から配管52,管継手53,配管54,管継手55を順次介して前記冷却液流路32に冷却液が供給され、供給された冷却液は、当該冷却液流路32内を流通した後、前記管継手56,配管57,管継手58,配管59を順次介して前記冷却液供給手段51に還流され、上記循環路内を循環する。
【0039】
また、前記ヘッド本体31には、その一方の側面に開口するオゾンガス流路33、及びこのオゾンガス流路33と連通し、下面に開口する導気孔34が形成されており、この導気孔34には、上面から下面に貫通した貫通孔36を備え、前記基板Kに向けて延設された導気管35が接続されている。
【0040】
前記各対向板40は、それぞれ矩形状をしており、隣接する各対向板40間に所定の隙間41が形成されるように、同一平面内に設けられ、前記ヘッド本体31の下面に固設された支持部材37に、例えば、ボルトなどでそれぞれ固定されている。前記ボルトによる固定の際には、当該ボルトの頭が前記各対向板40の下面より突出しないように、適宜座ぐり穴42が各対向板40にそれぞれ形成されている。尚、前記対向板40は、その板厚tが0.1mm以上5mm以下となるように形成されている。また、前記対向板40の好ましい材質としては、例えば、セラミック,ステンレス,シリコン,アルミニウム,チタン,ガラス及び石英などを挙げることができる。
【0041】
また、前記各対向板40には、その上面から下面に貫通する貫通孔43が形成され、この貫通孔43に前記導気管35の外周面が嵌挿されている。貫通孔43の前記下面開口部43aは、導気管35の下部開口部36aとともに、オゾンガスを吐出するための吐出口としての役割を果たす部分であり、図2に示したオゾンガス供給手段60から前記オゾンガス流路33,導気孔34,貫通孔36を順次介して供給されたオゾンガスが、この各吐出口43a(36a)から基板Kに向けて吐出される。
【0042】
前記オゾンガス供給手段60は、前記オゾンガス流路33に接続した管継手65と、管継手65に接続した配管64と、配管64に接続した管継手63と、管継手63に接続した配管62と、配管62に接続したオゾンガス生成装置61などから構成され、これら配管62,管継手63,配管64,管継手65を順次介して、オゾンガス生成装置61から所定濃度のオゾンガス(処理ガス)が前記オゾンガス流路33内に供給される。
【0043】
以上のように構成された本例のオゾン処理装置1では、まず、適宜手段によって基板Kが前記支持針23上に載置される。尚、この時、前記載置台20の位置は下降端に位置している。また、前記冷却液供給手段51から前記ヘッド本体31の冷却液流路32内に冷却液が供給,循環されており、この冷却液によってヘッド本体31が冷却されている。
【0044】
次に、前記昇降手段21によって載置台20が上昇せしめられると、支持針23が載置台20に対し相対的に没して、基板Kが載置台20上に載置されるとともに、載置台20が上昇端位置に達して、対向板40下面と基板K表面との間隔gが上記0.2mm以上1mm以下の範囲内となる。また、載置台20上に載置された基板Kは前記加熱手段(図示せず)によって加熱される。
【0045】
そして、所定濃度のオゾンガスが前記オゾンガス生成装置61から、前記配管62,管継手63,配管64,管継手65を順次介して、前記ヘッド本体31のオゾンガス流路33内に供給され、前記各導気孔34,貫通孔36を順次通って、各対向板40の吐出口43a(36a)から基板Kに向けて吐出される。
【0046】
このようにして吐出されたオゾンガスは、前記基板Kに衝突した後、これに沿って流れるオゾンガス層を形成し、このような流れの中で、オゾン(O3)は基板Kにより加熱され、このように加熱されたり、基板Kやレジストと接触することによって酸素(O2)と活性酸素(O*)に分解され、この活性酸素(O*)によって、基板K表面に酸化膜が形成されたり、或いは基板K表面上の酸化膜が改質されたり、更には、基板K表面に形成されたレジスト膜が活性酸素との熱化学反応によって除去される。
【0047】
そして、各吐出口43a(36a)から吐出され、基板Kに沿って流れるオゾンガスは、その後、相互に衝突して、前記対向板40間の隙間41に向かう流れとなり、この隙間41から対向板40の裏面(上面)側に、即ち、基板Kと対向板40との間から排気される。これにより、処理後のオゾンガスが基板K表面付近に滞留して、吐出口43a(36a)から吐出されるオゾンガスが前記基板K表面に達し難くなるのが防止され、酸化膜の形成やその改質、レジスト膜の除去といった上記処理を効果的に行うことが可能となる。
【0048】
かかる役割を担う前記隙間41は、これが0.5mm以上3mm以下の範囲であるのが好ましい。隙間41が0.5mm未満では、オゾンガスの排気効率が極めて悪く、オゾンガスの処理効果が低下する一方、これが3mmを越えると、当該隙間41に対応した基板K表面に未処理部分が残るといった不都合を生じるからである。
【0049】
ところで、前記対向板40は、前記基板K表面に沿って流れるオゾンガス流の層厚を制御する作用をなすものであり、その対向面と前記基板K表面との間隔gを狭めることで、前記オゾンガス流の層厚を薄くし、当該オゾンガス流の流速を速くすることができる。
【0050】
そして、オゾンガス流の層厚を薄くすることで、基板K表面に到達して上記酸化膜の形成やその改質、或いはレジスト膜の除去に寄与するオゾンの割合を増やすことができ、その反応効率を高めることができる。また、オゾンガス流の流速が速くなることで、基板K表面の処理範囲が広くなる。
【0051】
この意味で、前記対向板40の対向面と前記基板K表面との間隔gは、上述のように、0.2mm以上1mm以下とするのが好ましい。前記間隔gが1mmを超えると、オゾンの反応効率が極端に落ち、しかも、処理範囲が狭くなるため、これらの相乗作用によって、基板K表面の所定範囲を処理するために必要なオゾンガス量が極端に増え、処理コストが著しく高くなる。一方、前記間隔gが0.2mm未満では、オゾンガスの流速が極端に低下するため、前記処理範囲が極端に狭くなり、却って好ましくない。
【0052】
因みに、図4に、膜厚3.2μmのレジスト膜が形成された4インチSiウエハに対して、オゾン濃度250g/m3のオゾンガスを、内径φ3.85のノズルから流量1.3l/minで吐出した場合に、ノズル中心からレジスト膜を除去することができた範囲と、対向板40下面と基板K表面との間隔gとの関係をグラフで示している。同図4に示すように、前記間隔gが1mm以下の場合に、処理範囲が広く、効果的であることが分かる。
【0053】
その一方、上記のように、対向板40を基板Kに近づけると、基板Kから対向板40へ熱移動が生じるが、本例の対向板40はその体積が小さく、短時間の内に熱平衡状態に達するので、基板Kの温度に悪影響を及ぼすことはなく、上記処理にムラを生じることもない。
【0054】
この意味で、前記対向板40の板厚tは、上述のように、0.1mm以上5mm以下の範囲とするのが好ましい。板厚tが0.1mm未満では、温度上昇によって対向板40に熱歪を生じることとなる一方、これが5mmを越えると、対向板40が熱平衡状態となるまでに長時間を要するため、基板Kの温度が長時間に渡って一定せず、上記処理にムラを生じることになるからである。尚、対向板40の強度及び基板の温度安定性を考慮すると、前記板厚tは1mm以上2mm以下であるのが更に好ましい。
【0055】
また、前記各対向板40をそれぞれ同じ大きさ(面積)にすれば、各対向板40に対応した基板K表面部分をムラなく処理することができる。また、前記対向板40の大きさについては、要求される処理速度などに応じてこれを適宜適した大きさに設定すれば良い。
【0056】
また、前記処理チャンバ10内の雰囲気温度は、前記加熱手段(図示せず)によって昇温せしめられて高温となり、前記ヘッド本体31は、この高温となった雰囲気によって昇温せしめられるが、当該ヘッド本体31を、前記冷却液流路32内を流通する冷却液によって冷却するようにしているので、前記オゾンガス流路33内を流通するオゾンガスが、この冷却液によって冷却され、その温度が一定の範囲内に維持される。これにより、温度上昇に伴うオゾンの熱分解が防止され、前記オゾンガス中のオゾン濃度の低下が防止される。
【0057】
また、前記基板の加熱温度は、200℃〜500℃の範囲が好ましい。この範囲内であれば、基板K内に含まれる不純物の蒸発を上記処理と同時に行うことができる。また、前記オゾンガスは、14重量%以上のオゾンを含むものが好適であり、オゾンとTEOS(Tetraethyl orthosilicate、ケイ酸テトラエチル、Si(C2H5O)4)の混合ガスであっても良い。
【0058】
ところで、近年、処理対象の基板Kは、その大きさが年々大きくなっている。本例のオゾン処理装置1では、複数の対向板40及び吐出口43aを設け、各吐出口43aから吐出されるオゾンガスにより基板K表面を均一に処理し得る構成としているので、大型化した基板K(例えば、730mm×920mm)に対しても、前記対向板40及び吐出口43aを基板Kの大きさに応じて適切に配置することで、当該基板K表面を均一にオゾン処理することができる。
【0059】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
【0060】
例えば、前記対向板40の形状は、上述した矩形状に限定されるものではない。この矩形状の他、図5に示すように、六角形に形成され、それぞれ吐出口71が形成された対向板70を、隙間72が形成されるように配設しても良く、また、図6に示すように、三角形に形成され、それぞれ吐出口81が設けられた対向板80を、隙間82が形成されるように配設しても良い。また、三角形と四角形のように、形状の異なる対向板を組み合わせて構成することもできる。
【0061】
また、図7に示すように、前記複数の対向板40を一枚の対向板90から構成し、この対向板90に、これが複数の領域に区画されるようにスリット状の貫通孔92を形成するとともに、各領域にそれぞれ吐出口91を形成した構成としても良い。このようにしても上記と同様の効果が得られる。尚、この場合、貫通孔92の排気効率を考慮すると、そのスリット幅を0.5mm以上3mm以下とするのが好ましい。
【0062】
また、前記スリット状の貫通孔92は、これを複数の円穴を連設した構造で代えることができる。この場合にも、排気効率の面から、各円穴の内径は、これが0.5mm以上3mm以下であるのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るオゾン処理装置の概略構成を示した断面図であって、図2における矢示C−C方向の断面図である。
【図2】 図1における矢示A−A方向の断面図である。
【図3】 図1における矢示B−B方向の断面図である。
【図4】 対向板下面と基板表面との間隔と、処理範囲との関係を示したグラフである。
【図5】 本発明の他の実施形態に係る対向板を示した底面図である。
【図6】 本発明の他の実施形態に係る対向板を示した底面図である。
【図7】 本発明の他の実施形態に係る対向板を示した底面図である。
【図8】 従来例に係るオゾン処理装置の一部を示した正面図である。
【図9】 オゾンガス流の層厚と、処理に寄与するオゾンとの関係を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 オゾン処理装置
10 処理チャンバ
20 載置台
21 昇降手段
30 ガス供給ヘッド
31 ヘッド本体
32 冷却液流路
33 オゾンガス流路
34 導気孔
35 導気管
40 対向板
41 隙間
43 吐出口
50 冷却液循環手段
60 オゾンガス供給手段
K 基板
Claims (9)
- 基板が載置される載置台と、
前記基板を加熱する加熱手段と、
前記載置台上の基板と対向して配設され、且つ前記基板との対向面に開口し、オゾンを含んだ処理ガスを前記基板に向けて吐出する吐出口を備えた対向板と、
前記対向板の吐出口に前記処理ガスを供給して吐出せしめるガス供給手段とを設けて構成するとともに、
前記対向板を、その板厚が0.1mm以上5mm以下となるように形成したことを特徴とするオゾン処理装置。 - 前記対向板を、その対向面と前記基板表面との間隔が0.2mm以上1mm以下となるように配設したことを特徴とする請求項1記載のオゾン処理装置。
- 前記対向板に複数の前記吐出口を形成するとともに、該吐出口間に表裏に貫通した貫通孔を形成し、
前記ガス供給手段が、前記各吐出口に前記処理ガスを供給するように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のオゾン処理装置。 - 前記対向板を複数の領域に区画するように前記貫通孔の複数個が連設され、
前記吐出口が、前記貫通孔によって区画される各領域にそれぞれ形成されてなることを特徴とする請求項3記載のオゾン処理装置。 - 前記貫通孔の孔径を0.5mm以上3mm以下としたことを特徴とする請求項4記載のオゾン処理装置。
- 前記貫通孔が細長のスリット状に形成されるとともに、前記対向板が該貫通孔によって複数の領域に区画されてなり、
前記吐出口が、前記貫通孔によって区画される各領域にそれぞれ形成されてなることを特徴とする請求項3記載のオゾン処理装置。 - 前記スリットの幅を0.5mm以上3mm以下としたことを特徴とする請求項6記載のオゾン処理装置。
- 前記対向板を複数備え、
該複数の対向板を、隣接する各対向板間に隙間が形成されるように、同一平面内に配設するとともに、
前記ガス供給手段が、前記各対向板の吐出口に前記処理ガスを供給するように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のオゾン処理装置。 - 前記隙間を0.5mm以上3mm以下としたことを特徴とする請求項8記載のオゾン処理装置。
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