JP2005009749A - 加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の温度上昇を速くして熱処理能率を良くする。
【解決手段】加熱装置は、基板Wの表面WaをIRヒータ3の加熱面31に対向させてこの面で加熱すると共に、送気室42から多数の送気孔43を介して基板Wの裏面Wbに熱風を放出し、この熱風を、加熱面31の側に開けられた吸気孔52からその上に配設された排気室51に入れるように構成されている。
【効果】裏面の熱風加熱により、基板表面に形成されているレジスト剤に影響を与えることなく、IRヒータによる表面加熱を補助し、昇温速度を速くして熱処理能率を良くすることができる。又、昇華ガス等を効率的に排出することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面と裏面とを備えていて前記表面が熱処理される側になる被処理物の前記表面を熱処理室に設けられた赤外線加熱器の加熱面に対向させて配置して前記被処理物を熱処理するようにした加熱装置に関し、特に、LCD、有機EL、PDP等のフラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス基板であって製造工程においてフォトレジストを用いたフォトリソグラフィ処理を行うものの熱処理工程に好都合に利用される。
【0002】
【従来の技術】
FPDガラス基板等の熱処理工程では、基板に平行に熱風を流す熱風加熱式装置や、遠赤外線加熱器であるIRヒータを多段に積層支持し、その間に多数枚の基板を配置し、IRヒータで基板を所定の温度まで加熱して熱処理するようにした加熱装置が一般的である(例えば特許文献1参照。)。しかしながら、このような従来の一般的な加熱装置では、基板の温度上昇時間が長くかかり、熱処理能率が低いという問題がある。そして、熱風加熱式装置では、基板の上流側では熱風の温度が高く下流側では温度が低くなり、特に大型の基板では基板面の温度分布差が大きくなるという問題がある。又、IRヒータを用いた加熱装置では、基板の自由端になっている周囲の部分は速く昇温するが、中心部分の昇温が遅れるため、それによっても、基板全体が一様に設定温度に到達するまでの時間が遅くなるという問題がある。
【0003】
又、基板の温度上昇速度の速いホットプレート加熱式の加熱装置も使用されているが、この装置では、特に基板サイズが大型化すると基板面の温度分布を均一にするのが難しくなり、コストの高いものになるという問題がある。
【0004】
これらの従来の加熱装置に対して、基板面に平行な方向に熱風を供給して循環させるが、熱処理室内で熱風の流れ方向を基板の表面に向かうように直角方向に曲げると共に、熱風を熱処理室内で再加熱したり蓄熱板を設けることにより、大型基板でも良好な温度分布が得られるようにされた熱処理装置も提案されている。(例えば特許文献2参照。)。
【0005】
しかしながら、この装置では、熱風加熱であるため基本的に温度上昇時間が長いという問題が完全に解決されていなく、又、基板表面の加熱効率を良くする必要があるためにその表面側に熱風を吹きつけているので、液晶表示パネルが製作されたときにその表示面の正常度に悪影響が出る可能性があるという問題がある。
【0006】
更に、このような基板はフォトリソ処理をされているために、熱処理中に高温に加熱されると、フォトレジスト中に含まれる昇華性のガスや各種溶剤から揮発したガスが発生するので、これらのガスを排除して熱処理室内を一定のガス濃度以下に維持する必要があるが、従来の各種装置ではこのガスが効果的に排除されていない。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−203365号公報(図5、6及び関連説明)
【0008】
【特許文献2】
特開平11−85063号公報(図1及び関連説明)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、従来技術における上記問題を解決し、被処理物の表面状態に影響を与えることなく、被処理物の温度上昇が速く従って処理能率が高く、温度分布が良く従って熱処理精度が良く、大型の被処理物の熱処理が可能で、更に昇華性の特殊ガスを効果的に排除できる加熱装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、請求項1の発明は、表面と裏面とを備えていて前記表面が熱処理される側になる被処理物の前記表面を熱処理室に設けられた赤外線加熱器の加熱面に対向させて配置して前記被処理物を熱処理するようにした加熱装置において、
前記裏面に向かって加熱された気体を均一状に放出可能にする加熱気体放出部材と、前記放出された気体を前記熱処理室の外に排出可能にする気体排出部材と、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、上記に加えて、前記表面はレジスト剤が付着した面であることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明の特徴に加えて、前記気体排出部材は前記赤外線加熱器の前記加熱面の反対側に設けられた排気室を有し、前記赤外線加熱器は前記熱処理室と前記排気室との間を導通させ前記放出された気体を通過可能にするように前記加熱面の側に開いた多数の開口を有する、ことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を適用した加熱装置の全体構造の一例を示す。
加熱装置は、表面Waが熱処理される側として本例ではレジスト剤が付着した面であり液晶表示面になる被処理物として平板状の物品であるフラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス基板W(以下単に「基板W」という)の表面Waを本体部1の熱処理室2に設けられた赤外線加熱器3(以下「IRヒータ3」という)の加熱面31に対向させて配置して基板Wを熱処理するようにした装置であり、加熱気体放出部材としての送気体4、気体排出部材としての排気体5、等を有する。
【0014】
本体部1には、熱処理室2に隣接して操作制御部6が配置されている。送気体4の上面には、基板Wを乗せてその裏面Wb側を支持する支持ピンPが取り付けられている。なお図では、支持ピンPを含めて実際よりも高さを高くして示している。
【0015】
熱処理室2は、図1では、図面を分かりやすくするためにIRヒータ3の間隔を広くして基板Wが2枚だけ配置された状態に示されているが、例えば10枚程度の多数枚の基板の熱処理が可能なように多段に形成される。熱処理室2は、図示を省略しているが断熱構造になっている。
【0016】
図2は、IRヒータ3、送気体4及び排気体5の部分の構成例を示す。なお、図2(b)は(a)及び(c)のb−b線断面図であるが、図面を分かりやすくするために拡大して示している。
【0017】
IRヒータ3は、図2(b)及び(c)に示す如く、ステンレス等からなるベース材5a、その外面にスクリーン印刷によって薄膜状に形成された絶縁体32、保護コーティングからなる前記加熱面31、これらの間の端子部33と抵抗体34と接続用配線35、等によって構成されている。絶縁体32及び加熱面31をなす保護コーティングは、抵抗体34の発熱によって遠赤外線((以下では「IR」と略称する)を発生させるIR放射材になるようにガラスやセラミック等の適当な材料にされる。IRは加熱面31から図1及び図2(b)において主として下方に放射される。なお、以上のようなIR放射材は薄膜状で厚みが数十ミクロン程度のごく薄いものであるが、構造を明瞭にするために図面では厚みが厚いように示している。ベース材5aの厚みは0.6〜3mm程度である。
【0018】
送気体4は、図2(a)及び(b)にも示す如く、基板Wの裏面Wbに向かって加熱された気体である熱風を均一状に放出可能にする部材である。そのため、送風路41、裏面Wbに対向するように配設された風箱状に形成されている送気室42、多数の送気孔43、等で構成されている。基板Wは通常角形のものであり、送気体4は、その全面に熱風を供給できるように、その装置の処理対象になる基板Wのうちの最大のものと少なくとも同程度の大きさにされる。又、通常ステンレス鋼やアルミニウムのような金属製にされるが、本例のものはステンレス製である。送気室42の上面42aには、前記支持ピンPがねじ止め等により取り付けられている。
【0019】
送気体4には、本例では本体部1の外に設けられ電熱線71を内蔵した電気式の加熱器7から熱風が供給される。加熱器7には、図示しない送風機又は圧縮機から高性能フィルタを介して通常外気が供給される。送風路41は、本例では各段の送気室42に対して二箇所に設けられていて、これらが加熱器7に結合されている。
【0020】
送気孔43は、基板Wの全体に均一状に熱風を放出するように、図示の如く縦横に一定のピッチp及びpで整列して配置されている。本例ではp=pである。このような送気孔43は、送気室42内に適当な静圧が形成され、主としてその静圧により、図示の如く熱風ができるだけ基板Wに直角な方向に吹き出すように多孔板状に形成されている。図1に示している範囲では、加熱器7から送風路41、送気室42等を介して熱処理室2に熱風を放出する部分が熱風加熱系を構成している。
【0021】
排気体5は、図2(b)及び(c)にも示す如く、送気孔43から放出された熱風を熱処理室2の外に排出可能にする部材であり、本例では送気体4と同様に多孔板状に形成されている。即ち、IRヒータ3の加熱面31の反対側である図において上側にIRヒータ3と一体的に排気室51が設けられていると共に、IRヒータ3には、熱処理室2と排気室51との間を導通させ送気体4から放出された熱風を通過可能にするように加熱面31の側に開いた多数の開口である吸気孔52が設けられている。吸気孔52は図2(c)に示す如くIRヒータ3の抵抗体34の間の部分に形成される。このような排気体5は、送気体4と同様にステンレス鋼やアルミニウムのような金属製にされるが、本例のものは前述の如くステンレス製である。
【0022】
多段に配設されている排気室51のそれぞれには排気管53が結合されていて、それぞれの排気管53は排気集合管54に結合されている。排気集合管54内の排気は図示しない排気送風機で吸引され排出される。図1に示している範囲では、熱処理室2から排気室51、排気管53等を介して排気集合管54に到る部分が熱風及び発生ガス排出系を構成している。
【0023】
以上のような加熱装置は次のように使用されてその作用効果を発揮する。
熱処理されるべき基板Wは、通常ロボットハンドに吸着支持され、図1において紙面に直角な方向から熱処理室2に挿入され、多段に配設された基板支持ピンP上に乗せられる。
【0024】
IRヒータ3では、端子部33に電源が供給され、抵抗体34が発熱し、その熱によって絶縁体32及び加熱面31を形成している保護コーティングからなるIR放射材が本例では250℃程度の制御された温度になり、下方の基板Wの表面Wa側にIRを放射し、基板Wを230℃程度の目的とする熱処理温度に加熱する。FPD等の基板Wは、画像ディスプレイのためにフォトリソ処理をされ、その表面Waにはレジスト剤による配向膜や偏向膜が形成されていて、基板Wの表面を加熱することにより、レジスト剤が加熱されて焼成される。
【0025】
一方、図示しない送風機及び排気送風機が運転され、熱風加熱系と熱風及び発生ガス排出系が使用される。即ち、高性能フィルタを介して取り入れられた清浄な外気は、加熱器7で加熱されて本例では250℃程度の熱風にされ、2本の送風路41に送られ、送気室42内に分散されて供給され、その中で静圧を形成し、多孔状に均一に配列されている送気孔43から送気室42の上面42aに直角に近い範囲内の角度で且つある程度の流速を持って吹き出し、図1の矢印yで示すように基板Wの裏面Wbに当たってその面に拡散し、裏面Wbの全体を均一的に加熱し、その後裏面Wbと前記上面42aとの間の部分である基板下間隔部分に出てここを通過し、この部分の周囲から熱処理室2の側部に出て行き、同図の矢印yで示す如く、基板Wの表面WaとIRヒータ3との間の部分である基板上間隔部分に流入する。
【0026】
この間に、熱風は230℃程度までの温度になり、基板Wに熱を供給してこれを昇温させると共に基板Wの昇温後の温度を保持する作用をなす。その結果、IRによる加熱だけでは長くかかる昇温時間を十分短縮し、熱処理時間を短縮して熱処理能率を向上させることができる。
【0027】
即ち、熱処理室2内には多段に多数枚の基板Wが入れていて、最初に入れられた基板Wの熱処理されるべき所定の時間である1タクト時間が経過すると、基板Wを取り出して新たな基板Wnを入れ、順次このような処理が繰り返され基板Wが熱処理されて行くが、上記のようにIR加熱の補助として熱風加熱を追加することにより、入れられた新たな基板が目的とする熱処理温度である前記230℃程度の温度に到達するまでの時間を早くし、レジスト剤を焼成するための1タクト時間を短縮して熱処理能率を上げることができる。なお、上記のような枚葉処理ではなく、全段の基板を同時に熱処理するバッチ処理の場合には、熱処理室2の全体的な昇温速度の関係で、基板の昇温時間が短いことが全体の熱処理時間に対してそれ程大きく影響しないが、後述するように熱風加熱によって基板の温度分布が改善されるので、本発明はバッチ処理式の装置に対しても有効なものである。
【0028】
一方、IRヒータによる加熱にこのような熱風加熱を併用するに当たって、本発明では、熱風を基板の裏面Wbに当てるようにしているので、基板Wの表面側は風の影響を受けない。基板Wの表面Waには前記の如くレジスト剤の膜が形成されていて、この部分に直接的に風が当たると、その焼成状態が不均一になったり膜の形状が変形したり壊されるおそれがあるが、風の直接的影響をなくすることにより、そのような不具合を確実に防止し、基板Wの焼成品質を良好に維持することができる。
【0029】
又、裏面Wbに熱風を当てるときには、膜への影響を考慮することなく最適な風速及び風量で熱風を供給できるので、熱風を基板Wに平行に流す場合に較べて熱風から基板への熱伝達率が格段に向上し、加熱効果が大きくなって前記の如く基板Wを速く昇温させることができる。
【0030】
基板Wを加熱した後基板Wの表面WaとIRヒータ3との間の基板上間隔部分に流入した熱風は、前記の如く表面Waに殆ど風の影響を与えることなく、矢印yで示す如く、IRヒータ3に形成されている多数の吸気孔52から排気室51内に吸入される。その結果、基板の表面状態は良好に維持される。
【0031】
又、熱風は主として基板の裏面Wbに接触することによってこれを加熱するので、その加熱状態は基板面の全体に均一的になる。又、裏面Wbが多数の送気孔43から独立して熱風を受けるので、その面全体が同じ温度の熱風によって加熱される。その結果、IRヒータ3の加熱で基板の中心部より周辺部の温度が高くなる温度分布の不均一性を修正し、温度分布を良くすることができる。
【0032】
一方、基板Wが高温に加熱されると、フォトレジストから出る昇華ガスや各種溶剤から出る揮発ガスからなる特殊気体が発生する。この特殊気体は、物質に特有の固体化温度以下で一定の濃度以上になると再凝固し、熱処理装置関係の各部を汚染したり、トランジスタ回路の形成等の以後の工程で有害物になるため、その濃度を一定以下にするように排除される必要がある。
【0033】
これに対して本例の加熱装置では、基板WがIRヒータ3の加熱面31に対向して配置され、排気室51に通じる吸気孔52が加熱面31の側にIRヒータ3を貫通して形成されているので、基板の表面Waで発生した特殊気体は対向している吸気孔52に直接的に吸入される。又、基板とIRヒータとの基板上間隔部分では、熱風が周囲から流入する状態になるので、特殊気体は熱風の流入に対抗できず、上記間隔部分から出て熱処理室2の全体に拡散することがない。
【0034】
その結果、フォトレジスト等から出る特殊気体を極めて効率良く排除することができる。従って、この気体を排除するための送風量を少なくすることができる。そしてそれにより、熱風としては、IRヒータによる基板Wの温度上昇を補助するために必要なだけの量を流せばよいことになるので、高い加熱効率の下に熱風の供給量を少なくすることができる。
【0035】
又、熱風の供給量が少ないため、その量を、熱処理室内の特殊ガス濃度を一定以下に維持するための換気量よりもそれ程多くする必要がなくなり、熱風を全量廃棄することが可能になるので、加熱装置の本体部1が大型になり構造も複雑になる熱風循環方式を採用する必要がなくなり、IR加熱式装置の大型化を防止することができる。
【0036】
更に、熱風がIRヒータ3の部分を通過すると共にその加熱側とは反対側の部分に一体的に排気室51が形成されているので、IRヒータ3の熱で熱風排気の温度を維持して排出することができる。その結果、排気が低温になって熱処理室内外の排気系の各部分で特殊ガスが固形化して付着することがなくなり、気体の状態を維持して外部に排出したり適当な処理を加えることにより、昇華性ガスの固化による周辺の汚染を防止することができる。
【0037】
なお、本例の装置では、最下段にもIRヒータ3及び排気体5を設けて熱処理室2の温度を維持するようにしている。
【0038】
図3及び図4はそれぞれ図1及び図2に対応する図で、本発明を適用した加熱装置の他の例を示す。
本例の装置では、図1、2の装置に較べて、送気体4側にもIRヒータ3’が設けられている点が相違する。IRヒータ3’はIRヒータ3と同じ構造のものである。送気孔43はIRヒータ3’を通過するように設けられる。本例の装置によれば、基板Wの裏面WbにもIRヒータ3による直接的な加熱効果を与えることができる。又、送気孔43から放出される熱風にもIRヒータ3による加熱効果が加わる。その結果、基板Wの温度上昇を一層速くすることができる。
【0039】
図5は本発明を適用した加熱装置の熱風排出系の他の例の示す。
本例の加熱装置では、図1に示す排気体5に代えて、熱処理室2の側壁から排気する外部排気系8を設けている。外部排気系8は、熱処理室2の側壁21に開けられた排気口81、排気集合管82〜84、これらを連結する接続管85、等で構成されている。
【0040】
この加熱装置でも、図1の装置と同様に基板Wの裏面Wbを加熱することによる作用効果を得ることができる。この装置では、裏面Wbを加熱した後の熱風は、IRヒータ3の部分から熱処理室2の周囲に出て排気口81から排出される。このとき、レジスト剤等から発生した特殊ガスも熱風と共に排出される。なお、この装置では、特殊ガスの排出効率が図1の装置の場合よりも低くなるので、通常図1の装置の場合よりも熱風の排出量が多くなる。従って、この装置は、特殊ガスの発生量の少ない基板に対して使用されることが望ましい。
【0041】
なお以上では、熱風として通常の外気を使用する例を示したが、基板Wには例えば500℃のような高温で熱処理されるものもあり、そのような場合には、空気に代えて、基板Wの酸化防止等のために、気体として窒素のような不活性ガスや酸素濃度の低い酸素貧化空気が用いられることがあり、そのときには、外気に代えてそのようなガスが使用される。その場合には、必要に応じて、基板裏面を加熱した後の熱風を循環させつつ、その一部分を換気として排出する方式を用いることができる。その場合でも、図1の装置によれば、特殊気体の回収率が高いので、その濃度を一定以下にするために排出する換気量を少なくすることができる。
【0042】
又以上では、被処理物がFPD基板である例について説明したが、本発明は、ウエハ等の半導体製品で表面にレジスト剤等が使用される平板状の物品に対して広く好都合に適用される。更に、本発明によれば、基板の表面に多数個のICを搭載し基板の裏面にその駆動回路等が形成され全体として平板状をなすバーンインボードのような被処理物に対しても、表面側の無風IR加熱と裏面側の熱風補助加熱との併用によって昇温速度を速くし温度分布を均一化する効果が得られるので、本発明を適用することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、請求項1の発明においては、加熱装置は、表面が熱処理される側になる被処理物の表面を熱処理室に設けられたIRヒータと通称される赤外線加熱器の加熱面に対向させて配置してこれを熱処理するようにした装置であり、被処理物の裏面に向かって均一状に加熱された気体である熱風を放出可能にする加熱気体放出部材を有するので、IRヒータによる直接的な表面加熱に加えて、被処理物の裏面に均一状に熱風を当て、裏面側から被処理物を加熱し、その加熱効果を表面側に及ぼして、表面の熱処理される対象部分を加熱することができる。
【0044】
その結果、IRヒータの加熱面に対向していてIRヒータで直接的に加熱される表面側のIRヒータによる加熱効果を補助し、IRヒータだけの加熱では不十分な昇温速度を十分速くし、被処理物の熱処理能率を上げることができる。
【0045】
この場合、加熱気体放出部材が被処理物の裏面に向かって熱風を放出可能にするものであるため、加熱効果が高いと共に、表面には直接熱風が当たらないので、表面は熱風の影響を受けない。その結果、表面状態を良好に維持して能率良く熱処理することができる。
【0046】
又、被処理物の裏面に熱風を均一状に放出可能にするので、被処理物を全体的に良好な温度分布で加熱することができる。その結果、精度の良い熱処理をすることができる。又、熱処理精度の向上により、大型の被処理物を熱処理することができる。
【0047】
そして、放出された熱風を熱処理室の外に排出可能にする気体排出部材を設けているので、排出された気体を循環供給したり、必要に応じてその全部又は一部分を外部に放出して気体を一定の性状に維持することができる。
【0048】
請求項2の発明においては、加熱装置は、表面の熱処理される側がレジスト剤の付着した面として例えば液晶表示面になる被処理物としての液晶ガラス基板等の基板表面を熱処理室に設けられたIRヒータと通称される赤外線加熱器の加熱面に対向させて配置してこれを熱処理するようにした装置であり、基板の裏面に向かって均一状に加熱された気体である熱風を放出可能にする加熱気体放出部材を有するので、IRヒータによる直接的な表面加熱に加えて、基板の裏面に均一状に熱風を当て、裏面側から基板を加熱し、その加熱効果を表面側に及ぼして、基板表面に液晶表示のための配向膜や偏向膜を形成しているレジスト剤を加熱することができる。
【0049】
その結果、IRヒータの加熱面に対向していてIRヒータで直接的に加熱される表面側のIRヒータによる加熱効果を補助し、IRヒータだけの加熱では不十分な昇温速度を十分速くし、液晶表示のために表面側に付着しているレジスト剤の焼成時間を短縮し、基板の熱処理能率を上げることができる。
【0050】
この場合、加熱気体放出部材が基板の裏面に向かって熱風を放出可能にするものであるため、加熱効果が高いと共に、基板の表面には直接熱風が当たらないので、表面に形成されたレジスト剤は熱風の影響を受けない。その結果、基板の表面状態を良好に維持して能率良く熱処理することができる。
【0051】
又、基板裏面に熱風を均一状に放出可能にするので、基板を全体的に良好な温度分布で加熱することができる。その結果、レジスト剤の焼成むらを防止して精度の良い熱処理をすることができる。そして、熱処理精度の向上により、大型の基板を熱処理することができる。
【0052】
そして、放出された熱風を熱処理室の外に排出可能にする気体排出部材を設けているので、基板の加熱時にレジスト剤等から発生する昇華性の特殊ガスを熱風に随伴させて排出し、熱処理室内を清浄な状態に維持することができる。この場合、熱風加熱はIRヒータ加熱を補助するものであると共に加熱効率が良いので、熱風の供給量が少なくなり、その全量を排出することが可能になり、特殊ガスの濃度を十分低くすると共に排出系を簡単にすることができる。
【0053】
請求項3の発明においては、上記の気体排出部材はIRヒータの加熱面の反対側に設けられた排気室を有し、IRヒータは熱処理室と排気室との間を導通させ放出された熱風を通過可能にするように加熱面側に開いた多数の開口を有するので、IRヒータの加熱面側から開口を介して熱風を排気室に入れて、これを熱処理室の外に排出することができる。
【0054】
この場合、開口が加熱面側に開いているので、熱風を熱処理室の全体に散逸させることなく効率良く回収することができる。又、熱処理時に加熱面に対向して配置される基板表面のレジスト剤等から発生する特殊ガスを直接的に効率良く開口に導入して排出することができる。又、基板の裏面側に放出された熱風が基板の側面から熱処理室へ出て基板の表面と加熱面との間に入って来るので、特殊ガスは熱処理室に拡散することなく排出される。その結果、特殊ガスを排出するための熱風量を少なくすることができる。そして、加熱効果が良いこと及び特殊気体の排出性が良いことにより、少ない熱風量で少ない熱損失の下に基板の昇温速度を速くして熱処理能率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した加熱装置の全体構成の一例を示す説明図である。
【図2】上記加熱装置のIRヒータ、送気体及び排気体の部分の構成例を示し、(a)は平面図で(c)は底面図で(b)は(a)及び(c)のb−b線断面図である。
【図3】本発明を適用した加熱装置の全体構成の他の例を示す説明図である。
【図4】上記加熱装置のIRヒータ、送気体及び排気体の部分の構成例を示し、(a)は平面図で(b)は(a)のb−b線断面図である。
【図5】本発明を適用した加熱装置の排気部分の他の例の横断面状態を示す説明図である。
【符号の説明】
2 熱処理室
3 赤外線加熱器、IRヒータ(赤外線加熱器)
4 送気体(加熱気体放出部材)
5 排気体(気体排出部材)
31 加熱面
51 排気室
52 吸気孔(開口)
W 基板(被処理物)
Wa 表面
Wb 裏面

Claims (3)

  1. 表面と裏面とを備えていて前記表面が熱処理される側になる被処理物の前記表面を熱処理室に設けられた赤外線加熱器の加熱面に対向させて配置して前記被処理物を熱処理するようにした加熱装置において、
    前記裏面に向かって加熱された気体を均一状に放出可能にする加熱気体放出部材と、前記放出された気体を前記熱処理室の外に排出可能にする気体排出部材と、を有することを特徴とする加熱装置。
  2. 前記表面はレジスト剤が付着した面であることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. 前記気体排出部材は前記赤外線加熱器の前記加熱面の反対側に設けられた排気室を有し、前記赤外線加熱器は前記熱処理室と前記排気室との間を導通させ前記放出された気体を通過可能にするように前記加熱面の側に開いた多数の開口を有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱装置。
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