JP3957351B2 - 対物レンズの開口数可変の光学顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、対物レンズの開口数可変の光学顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体DRAMの高集積化に伴い、プロセスウェーハは平坦化による低段差と多層化による高段差の二極化する方向にある。
上記ウェーハを検査する装置として微少位置ズレ検査装置が用いられている。この検査装置は光学顕微鏡を主構成要素としており、上記低段差,高段差の両ウェーハいずれに対しても最適なコントラストを得ることが必要である。
低段差のウェーハに対しては焦点深度が浅く解像度が高くなるように光学系を設定し、高段差のウェーハに対しては解像度は少し低下するが焦点深度を深くなるように設定することとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この場合、光学顕微鏡の対物レンズの開口数を変えなければならない。
しかしながら、従来は1本の対物レンズでは対応しきれず、同一倍率で異なる開口数の対物レンズに付け変える必要があり、一般には、レボルバに開口数の異なる対物レンズを取り付け、切り換える方法が考えられる。しかし、レボルバの切り換え時の光軸変化があるため、微少位置ズレ検出装置では使用できない。また、同一倍率の対物レンズで開口数の異なるものが多数供給されている訳ではない。
【0004】
本発明の課題は、上記欠点を解決するもので、対物レンズを交換しなくても、簡単に対物レンズの開口数を変えることができる光学顕微鏡を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明による光学顕微鏡は、対物レンズの後焦点位置をリレーレンズにより観察側方向に移動させて光学的共役点を形成し、前記共役点に絞りを配置し、前記絞りによって前記対物レンズの開口数を変更するように構成してある。
上記構成において、前記共役点に絞り脱着機構を設け、絞りの脱着により絞り値を変更するように構成してある。
【0006】
【作用】
上記構成によれば、使用した対物レンズの開口数以下の任意の開口数にすることができ、1台の顕微鏡で、絞りを入れ焦点深度を深くして高段差の試料の観察が、絞りを外して解像力を必要とする低段差の試料の観察が可能となる。
また、本光学系にオートフォーカス系を組み込んだときは、開口数を下げたときでも対物レンズ部は、レンズそのものの開口数であるので、瞳径の大きい分、フォーカス系の光路の成す角度は、開口数の小さいレンズを使ったときよりも大きくとれ、検出に有利である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、レンズの開口数の求め方を説明するための図である。
屈折率nの媒質中にある光軸上の物点が入射瞳の半径を見込む角をαとするとき、開口数(NA)はn×sinαとなる。
【0008】
焦点深度は次の式で計算される。
Df=λ/(NA)2
ここで Df:焦点深度 (μm)
λ :光線の波長(μm)
NA:レンズの開口数
また、解像力は(暗黒の背景に明るい2点が近接して存在するとき、その2点が2点として見分けられる最小距離)は、次の式であらわされる。
d=0.61λ/(NA)
ここで d :解像力 (μm)
λ :光線の波長(μm)
NA:レンズの開口数
【0009】
具体的な数値を入れてレンズの開口数と焦点深度および解像力を比較すると以下の通りである。
【表1】
λ=0.55μmとすると
【0010】
図2は、本発明による対物レンズの開口数可変の光学顕微鏡の基本構成を説明するための光路概略図である。
試料8に対し対物レンズ7が対面している。対物レンズ7の上方にはリレーレンズ4が配置されている。リレーレンズ4は、リレーレンズ4の焦点距離fの2倍の位置と対物レンズ7の後焦点位置が一致する位置に配置されている。
さらにリレーレンズ4の上方にはリレーレンズ4の焦点距離fの2倍の位置に絞り2が配置されている。この位置に結像レンズ3も配置されることとなる。
結像レンズ3の上方の像面1にはCCDカメラ等が設置される。
【0011】
リレーレンズ4は対物レンズ7の後焦点を等倍で結像レンズ3の位置にリレーする。すなわち、後焦点の共役点は結像レンズ3の位置に形成される。
リレーレンズ4と対物レンズ7の間には半透過形ミラー6が挿入されており、照明光10が照明用絞り9を通り照明レンズ5を介して試料8の面を照明する。
絞り2により対物レンズ7の開口数を変化させることができる。
ここで、所定の総合倍率となるようにリレーレンズと結像レンズの焦点距離を決め、使用する対物レンズの開口数を0.8、この時のレンズの瞳径を、φ5.76とすると、挿入すべき絞りの径は、
5.76÷0.8×(NA)
で求めることができる。
【0012】
上記説明では、等倍で対物レンズの後焦点をリレーする例を説明したが、等倍である必要はない。対物レンズの後焦点の共役点をリレーレンズで形成し、その位置に絞りを配置すれば同様に開口数を変更することができる。
【0013】
図3は、本発明による対物レンズの開口数可変の光学顕微鏡の第1の実施の形態を示す光路概略図である。
この例は、反射形の光学顕微鏡であり、図2と構成は同じである。
ただし、リレーレンズ15の配置位置から対物レンズ17の後焦点までの距離は2f(等倍)の距離も含め種々の距離を取ることができる。
照明光20はコンデンサレンズ19により集光され、半透過形ミラー16を介して試料18に達する。対物レンズ17の後焦点に対しリレーレンズ15により結像レンズ14の位置に共役点が形成される。
絞り13は絞り脱着機構により脱着が可能であり、絞りを外したり絞り値を変えたりすることにより対物レンズ17の開口数を変えることができる。
結像レンズ14と共役点の位置(絞り13の設置位置)は同じ位置となるので、レンズの主点の位置を変えることによりレンズと干渉しない位置に絞りを入れることができる。
【0014】
図4は、本発明による対物レンズの開口数可変の光学顕微鏡の第2の実施の形態を示す光路概略図である。
この例は、透過形の光学顕微鏡である。
透過形の試料26の下方に、照明光28とコンデンサレンズ27が配置されている。
リレーレンズ24の配置位置から対物レンズ25の後焦点までの距離は2fの距離も含め種々の距離を取ることができる。
照明光28はコンデンサレンズ27により集光され、試料26を照明する。対物レンズ25の後焦点に対しリレーレンズ24により結像レンズ23の位置に共役点が形成される。
絞り22は図3と同様、絞り脱着機構により脱着が可能であり、絞りを外したり絞り値を変えたりすることにより対物レンズ25の開口数を変えることができる。
【0015】
上述したように光学顕微鏡の焦点深度と解像力は、対物レンズの開口数(NA値)により決定される。本発明では、対物レンズの後焦点をリレーし、そこに絞りを入れることにより、使用した対物レンズの開口数以下の任意の開口数にすることができ、1台の顕微鏡で、絞りを入れて焦点深度を深くして厚みのある試料の観察を、絞りを外して解像力を必要とする試料の観察を、それぞれ可能にする。
【0016】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、一本の対物レンズで開口数を小さくできるので、解像力は低下するが、焦点深度を深くすることができ、厚みのある試料でも観察が可能となる。
また、絞りを外せば、対物レンズ本来の開口数となり、焦点深度は浅いが解像力を必要とする試料に対して、本来の機能を引き出すことができる。
したがって、従来のように倍率が同一の開口数が異なる対物レンズを用意する必要はなく、対物レンズを交換しなくても簡単に開口数を変えることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】対物レンズの開口数の求め方を説明するための図である。
【図2】本発明による対物レンズの開口数可変の光学顕微鏡の基本構成を説明するための光路概略図である。
【図3】本発明による対物レンズの開口数可変の光学顕微鏡の第1の実施の形態を示す光路概略図である。
【図4】本発明による対物レンズの開口数可変の光学顕微鏡の第2の実施の形態を示す光路概略図である。
【符号の説明】
1…像面
2,13,22…絞り
3,14,23…結像レンズ
4,15,24…リレーレンズ
5…照明レンズ
6,16…半透過形ミラー
7,17,25…対物レンズ
8,18,26…試料
9…照明用絞り
10,20,28…照明光
12,21…CCDカメラ
19,27…コンデンサレンズ
Claims (2)
- 対物レンズの後焦点位置をリレーレンズにより観察側方向に移動させて光学的共役点を形成し、
前記共役点に絞りを配置し、
前記絞りによって前記対物レンズの開口数を変更することを特徴とする対物レンズの開口数可変の光学顕微鏡。 - 前記共役点に絞り脱着機構を設け、絞りの脱着により絞り値を変更することを特徴とする請求項1記載の対物レンズの開口数可変の光学顕微鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02010797A JP3957351B2 (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | 対物レンズの開口数可変の光学顕微鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02010797A JP3957351B2 (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | 対物レンズの開口数可変の光学顕微鏡 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10206741A JPH10206741A (ja) | 1998-08-07 |
JP3957351B2 true JP3957351B2 (ja) | 2007-08-15 |
Family
ID=12017902
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP02010797A Expired - Lifetime JP3957351B2 (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | 対物レンズの開口数可変の光学顕微鏡 |
Country Status (1)
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1997
- 1997-01-17 JP JP02010797A patent/JP3957351B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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