JP3695818B2 - 顕微鏡用焦点検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡に用いられる焦点検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、顕微鏡には、試料の観察像を写真撮影したり、あるいはテレビ(TV)画面により観察可能にしたものがあるが、このような写真撮影やTV観察を可能にしたものでは、顕微鏡本体の対物レンズとして低倍対物レンズを用いたような場合、ピント合わせが難しいといわれている。
【0003】
その理由として低倍対物レンズを用いると、対物レンズの試料側でNA(開口数)が小さいため、被写界深度が深くなり、接眼レンズを通して観察像を見ながら焦点合わせを行うと、目によるピント補正機能も加わって、焦点が外れていても焦点が合っている様に見えることがあり、一方、対物レンズの像側では焦点深度が浅くなって焦点のずれが目立ってしまうなどの点が挙げられる。
【0004】
このために、このような低倍対物レンズを採用した顕微鏡では、焦点を検出するための顕微鏡用の焦点検出装置が重要なアプリケーションの一つと考えられている。
【0005】
特開昭61−143710号公報は、このような顕微鏡用焦点検出装置の一例を示すもので、高低差のある試料表面に対しても速やかに焦点合わせを行うことができるようになっている。
【0006】
一方、顕微鏡を使用して生体組織や生物細胞を観察するような場合、これら生体組織や生物細胞を蛍光染色し、この状態で観察を行う蛍光観察が行われている。この場合、これら生体組織や生物細胞からは、赤外光による光像が発生する。ところが、このような赤外光による光像を写真撮影やテレビ観察するような場合、肉眼でピント合わせを行うことは不可能であり、このことからも顕微鏡用の焦点検出装置が必要になっている。
このように顕微鏡に用いられる焦点検出装置では、一般用途を含めると可視光から可視外までの焦点検出が可能であることが必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際の問題として、写真撮影やTV観察を可能にしたものでは、写真撮影装置とTVカメラ装置と焦点検出装置のそれぞれの結像光学系の色補正不足により色収差が生じるため、ピント精度を確保するのが難くなるという問題があった。
【0008】
図7は、ある写真システムにおける光像の波長に対するピント位置の変化を示したモデルで、縦軸に結像光学系のピント位置、横軸に光像の波長を示している。この場合、図からも明らかなように、結像光学系の色収差により、基準位置に対するピント位置が変化していることがわかる。
【0009】
また、図8は、図7に示したモデルaに、AF(オートフォーカス)システムの波長に対するピント位置の変化を示したモデルbを破線で書き加えたもので、この場合、同図に示すようにAFシステムと写真システムの結像光学系が異なるため、AFシステムと写真システムの光像の波長に対するピント位置の変化曲線は一致していない。
【0010】
このような場合、写真システムとAFシステムの合焦精度保証範囲cは、焦点深度を考慮して、例えば同焦ずれが±1.0[mm]まで許容されるとすると、460〜600[nm]の波長の範囲でAFの合焦精度が保証されることになるが、460[nm]以下または600[nm]以上では、両者の曲線の間隔が±1.0[mm]を超えるため、AFの合焦精度は保証できない。すなわちAFによる写真は460[nm]以下または600[nm]以上の範囲では、いわゆるピンぼけになってしまう。
【0011】
このようにAFシステムと写真システムを組み合わせた場合、システムの結像光学系が異なるため、上述の理由により合焦精度の保証条件として必ず波長の制限が存在することになり、このことから、色収差によるピントずれを生じる波長域では、本来のAFの目的性能を発揮できないという問題があった。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、写真システムなどの周辺システムに対する焦点検出手段での合焦精度を保証する光像の波長域の制限を大幅に拡大できる顕微鏡用焦点検出装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、標本の観察光像を受光手段に結像する結像光学系を有し前記受光手段の出力に対する合焦度評価値に基づいて前記標本に対する前記結像光学系の焦点状態を検出する焦点検出手段と、この焦点検出手段の結像光学系と異なる結像光学系を有する周辺システムと、前記標本の観察光像の前記受光手段に結像する光像の波長を選択するキューブ装置と、このキューブ装置によって前記周辺システムに対する前記焦点検出手段の光路長あるいは色収差補正量を決定する決定手段と、この決定手段により決定した光路長あるいは色収差補正量を補正する補正手段とにより構成している。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載において、前記補正手段は、材質が異なるくさび型の2つのプリズムを平行平面になるように一体化してなり、これら2つのプリズムの各厚さの割合が変化するように光軸に対して垂直方向に移動可能としている。
【0015】
請求項3記載の発明は、標本の観察光像を受光手段に結像する結像光学系を有し前記受光手段の出力に対する合焦度評価値に基づいて前記標本に対する前記結像光学系の焦点状態を検出する焦点検出手段と、この焦点検出手段の結像光学系と異なる結像光学系を有する周辺システムと、前記焦点検出手段の合焦度合に応じて前記結像光学系あるいは前記標本側の少なくとも一方を駆動して合焦点サーチを行なうサーボ手段と、前記標本の観察光像の前記受光手段に結像する光像の波長を選択するキューブ装置と、このキューブ装置によってオフセット量を決定する決定手段と、前記サーボ手段による合焦点サーチにより前記焦点検出手段が合焦と判断した位置に対して前記決定されたオフセット量だけ前記結像光学系あるいは前記標本の少なくとも一方を駆動する手段とにより構成している。
【0016】
この結果、本発明によれば、焦点検出手段と結像光学系が異なる周辺システムに対し、色収差補正不足によって生じる光像の波長に関する焦点検出手段と周辺システムのピントずれを補正することが可能となり、光像の波長によらず周辺システムに対する焦点検出手段での合焦精度を確保することができる。
【0017】
また、本発明によれば、焦点検出手段と結像光学系が異なる周辺システムに対し、色収差補正不足によって生じる光像の波長に関する焦点検出手段と周辺システムのピントずれを、標本像の波長に基づいて自動的に補正することが可能となる。
【0018】
また、発明によれば、焦点検出手段と結像光学系が異なる周辺システムに対し、色収差補正不足によって生じる光像の波長に関する焦点検出手段と周辺システムのピントずれを、焦点検出手段が合焦と判断した位置から一定のオフセット量だけさらに駆動させることにより補正することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の顕微鏡用焦点検出装置を落射/透過観察用写真顕微鏡に適用した例を示している。
【0020】
図において、1は顕微鏡本体で、この顕微鏡本体1には、ステージ2を設けている。このステージ2は、観察標本である試料Sを載置するとともに、光軸方向に上下方向に移動可能にしている。
【0021】
また、ステージ2の下方部には、透過検鏡の際の透過用光源3を、ステージ2の上方部には、落射蛍光検鏡の際の落射用光源4をそれぞれ配置し、透過検鏡の際は、透過用光源3からの光束を試料Sを透過させ対物レンズ5を通して観察光像を得、また、落射蛍光検鏡の際は、落射用光源4からの光束を試料Sで反射させ対物レンズ5を通して観察光像を得るようにしている。
【0022】
また、対物レンズ5を通過した光束を投光管6のキューブレンズ7に与え、さらにキューブレンズ7を通過した光束の一部を接眼レンズ8に与えるとともに、写真システム9および焦点検出器10に与えるようにしている。
【0023】
ここで、キューブレンズ7は、落射蛍光検鏡の際に励起光の波長を選択可能にしたものである。また、写真システム9は、結像レンズ91を有し、対物レンズ5からの観察光像を結像レンズ91を介してフィルム面に結像させるようにしている。また、焦点検出器10は、同焦調整ユニット101および結像レンズ102、イメージセンサ103を有し、対物レンズ5からの観察光像を結像レンズ102を介してイメージセンサ103に結像させるようにしている。
【0024】
同焦調整ユニット101は、焦点検出器10が合焦と判断するステージ位置において写真システム9の試料Sの写真ピントが合うように、焦点検出器10が合焦と判断するステージ位置を調整するもので、その詳細は後述する。また、イメージセンサ103は、投影された光像の入射光量と蓄積時間に応じた電圧に相当するアナログ信号を出力するようにしている。
【0025】
イメージセンサ103には、アナログ信号処理回路11を接続し、このアナログ信号処理回路11に評価関数演算器12を接続するとともに、CPU13を接続している。
【0026】
アナログ信号処理回路11は、イメージセンサ103からのアナログ信号を増幅するとともに、フィルタ処理等のアナログ処理を実行する。また、評価関数演算器12は、アナログ信号処理回路11で処理されたアナログ信号を取り込み、所定の評価関数に基づいて、試料Sの合焦度を示すデフォーカス量を算出し、そのデフォーカス信号をCPU13へ送信するようにしている。
【0027】
CPU13は、イメージセンサ103の出力するアナログ信号をアナログ信号処理回路11のレンジに適合させるための制御を行うとともに、評価関数演算器12からのデフォーカス信号に基づいて試料Sを合焦とするようなステージ2の移動量および移動方向の信号をステージ駆動装置14に送信するようにしている。このステージ駆動装置14は、CPU13からの移動量および移動方向の信号に基づいてステージ2を上下方向に移動させ、合焦調整を行うものである。
【0028】
また、CPU13は、外部コントローラ15、キューブ駆動・検出器16、カメラコントローラ17を接続していて、外部コントローラ15からの制御開始スイッチにより、上述の合焦検出制御の他に、励起光キューブ駆動・検出器16によるキューブ駆動制御や、カメラコントローラ17により写真システム9のカメラ露出制御などを行うようにしている。
【0029】
図2は、上述した同焦調整ユニット101の細部構成を示している。
この場合、同焦調整ユニット101は、材質の異なるくさび型のプリズム21、22を上下に重ね一体化することで平行平板プリズム20を形成しており、このような平行平板プリズム20を支持枠23中に支持するとともに、この支持枠23中を図示矢印方向に平行移動可能にしている。
【0030】
また、支持枠23は、側壁231を有し、この側壁231にネジ部24を介して操作軸25を貫通して設けていて、この操作軸25の摘み251を回して軸先端の支持枠21中での突出量を変えることにより、平行平板プリズム20の支持枠23中での図示矢印方向の移動量を調整できるようにしている。
【0031】
なお、支持枠23の底面には、対物レンズ5からの光像が通過する穴部232を形成し、また、側壁231上には、平行平板プリズム20を上部から押さえるための押え板26を設けている。
【0032】
従って、摘み251を回して、平行平板プリズム20に対する入射光の光軸を、例えばaまたはbの位置に設定すれば、材質の異なる2枚のくさび型のプリズム21、22の厚さの割合から、平行平板プリズム20を通過する光路長の割合が変化することで、写真システム9の光路長に対する焦点検出器10の光路長を可変できるので、これにより写真システム9での試料Sの写真ピントを合うようにして焦点検出器8が合焦と判断するステージ位置を調整できることになる。
【0033】
なお、操作軸25を回す摘み251またはその近傍には、摘み251の回転量を示す目盛(図示せず)が設けられていて、この目盛により平行平板プリズム20の移動量を確認できるようになっている。
【0034】
この場合、同焦調整ユニット101を手動で調整するには、試料Sの光像、つまり標本像の波長に基づいて、この摘み251を頼りに調整量を求める。標本像の波長は、キューブレンズ7の種類によってほぼ決まっているので、これに基づいて調整するようになる。また、波長が分からない時は、周知の方法により像の分光特性を調べ、その結果に基づいて調整するようになる。
【0035】
使用する写真システム9に合わせて予め試料Sの光像の波長と摘み251の回転量の関係を調べておき、前述の目盛として光像の波長を記載するようにすれば、さらに操作し易いものが得られる。
【0036】
一方、同焦調整ユニット101を自動的に調整するには、例えば摘み251のモータなどの駆動源を接続して駆動するようになる。この場合、外部コントローラ15より使用するキューブレンズ7の情報や標本像の波長情報などをCPU13に入力し、この情報に基づいてCPU13が上述した駆動源に対して制御量を指令するようになる。
【0037】
なお、使用するキューブレンズ7の情報は、キューブ駆動検出器16からCPU13に送られるものを使用してもよい。
次に、このように構成した第1の実施の形態の動作を図3に示すフローチャートにより説明する。
【0038】
まず、ステップ301で、検鏡者が既知の標本波長から同焦調整ユニット101を設定する。この場合の同焦調整ユニット101の設定方法は、具体的には、図4に示すように行われる。この場合、同図(a)、(b)は、同焦調整ユニット101によるカメラに対するAFの光路長を変化させたモデルであり、上述した図7と同様にして、縦軸にピント位置、横軸に標本の波長を示している。また、これらの図中の実線は写真システムa、破線はAFシステムbの入射波長に対するピント位置を示している。次に、同図(b)は同図(a)のAFシステムbのピント位置曲線をy軸方向に光路長を変えることにより移動させたものである。つまり、AFシステムの光路長を変化させることにより、ピント位置許容を1.0[mm]とした場合、合焦精度保証範囲c´、c´´となり、同図(a)と比較して図中 (i)で示した約425〜455[nm]と、図中(ii)で示した約600〜650[nm]の範囲での合焦精度保証が可能となる。すなわち顕鏡者か上述の(i) と(ii)のAFを用いて写真撮影または観察を行う際には同焦調整ユニット101を所定の値に設定する。
【0039】
このようにして顕鏡者が同焦ユニット101を所定の値に設定した後、外部コントローラ15からの信号によりステップ302でAFを開始すると、ステップ303で、イメージセンサ103からのアナログ画像信号を読み込み、ステップ304で、イメージセンサ103のアナログ信号がアナログ信号処理回路11のレンジに適合しているかチェックする。
【0040】
ここで、レンジが適合していない場合には、レンジが適合するまでイメージセンサ103の蓄積時間を制御する。一方、レンジが適合している場合には、ステップ305で、イメージセンサ103の信号より所定の評価関数に伴い合焦度を示すデフォーカス量を演算する。そして、ステップ306で、算出されたデフォーカス量から合焦判定を行い、合焦していないと判定した場合は、ステップ307で、デフォーカス量に応じたステージ駆動を行うとともに、ステップ303に戻って、ステージ駆動を含めた一連の動作を合焦と判定されるまで繰返し、ステップ306で、合焦と判定するのを待って、ステップ308に進み制御を終了する。
【0041】
従って、このようにすれば、透過用光源3または落射用光源4により照明される試料Sの光像の少なくとも一部分を対物レンズ5より結合レンズ102を有する結像光学系によりイメージセンサ103上に投影して試料像の光強度分布に対応する出力信号を得るとともに、これら出力信号をアナログ信号処理回路11、評価関数演算器12により所定の評価関数に従って演算処理し、ここで得られる合焦度評価値に基づいて試料Sに対する結像光学系の焦点状態を検出するようにした焦点検出器10に対し、この焦点検出器10と異なる結像光学系を有する周辺システムとして写真システム9を設けていて、この写真システム9に対する焦点検出器10での光路長を同焦調整ユニット101の平行平板プリズム20を移動させることで変化させるようにしているので、色収差補正不足によって生じる光像の波長に関する焦点検出器10と写真システム9のピントずれを補正することが可能となり、光像の波長によらず写真システム9に対する焦点検出器10での合焦精度を確保することができる。
【0042】
なお、上述の実施の形態では、同焦調整ユニット101による合焦精度保証範囲の設定を光路長を可変することによって行うようにしているが、これをイメージセンサ103自体を動かしたり、波長別の色収差補正レンズを用いても同様の効果を得ることができる。
【0043】
また、上述の実施の形態では、同焦調整ユニット101の平行平板プリズム20の摘み251を回転することで調整量を求めるようにしたが、図2と同一部分には同符号を付して示す図5に示すように摘み251をクリック機構を有する押し込み・引き出し式に構成してもよい。この場合、摘み251を有する操作軸25に複数のクリック溝252を設け、これらクリック溝252を係合するボールプランジャ27を支持枠21側に設けている。このようにすれば、観察する頻度の多い像の波長に応じて位置にそれぞれクリック溝252を設けておけば、さらに調整を簡単にできる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。この場合、第2の実施の形態での顕微鏡用焦点検出装置の概略的構成については、第1の実施の形態の図1で述べたものと同様なので、同図を援用するものとし、ここでの説明は省略する。
【0044】
そして、このように構成した第2の実施の形態の特徴である被写体の波長による合焦精度保証方法について図6に示すフローチャートにより説明する。
まず、ステップ601で、外部コントローラ15からの信号により、AFを開始する。すると、ステップ602で、イメージセンサ103からのアナログ画像信号を読み込み、ステップ603で、イメージセンサ103のアナログ信号がアナログ信号処理回路11のレンジに適合しているかチェックする。
【0045】
ここで、レンジが適合していない場合には、レンジが適合するまでイメージセンサ103の蓄積時間を制御する。一方、レンジが適合している場合には、ステップ604で、イメージセンサ103の信号より所定の評価関数に従い合焦度を示すデフォーカス量を演算する。そして、ステップ605で、算出されたデフォーカス量から合焦判定を行い、合焦していないと判定した場合は、ステップ606で、デフォーカス量に応じたステージ駆動を行うとともに、ステップ602に戻って、ステージ駆動を含めた一連の動作を合焦と判定されるまで繰り返す。
【0046】
一方、合焦と判定すると、ステップ607で、励起キューブ情報から、あるいは被写体の波長を直接検出し、ステップ608で、被写体の波長によるピント位置ずれ量を検出し、さらにステップ609で、算出したオフセット量分だけステージを駆動して、ステップ610に進んで制御が終了する。
【0047】
従って、このようにすれば、被写体Sを載置するステージ2を焦点検出器10による合焦度合を示す合焦信号に基づいてサーボ系により合焦点サーチを行い、合焦と判断したステージ2の上下方向位置に対して試料像の波長により決定したオフセット量により強制的にステージ2を駆動するようになるので、色収差補正不足によって生じる光像の波長に関する焦点検出器10と写真システム9のピントずれを合焦と判断した位置から一定のオフセット量だけさらに駆動させることにより補正することが可能となり、光像の波長によらず写真システム9に対する焦点検出器10での合焦精度を確保することもでき、さらに、同焦調整ユニットの様な特殊なユニットを必要とすることもなくなり、さらに低コスト化を実現できる。
【0048】
なお、上述した実施の形態では、波長によるピントずれ量のステージ強制駆動を合焦制御の後に行っているが、これを評価関数の要素とすれば強制駆動動作を省略しても目的を達成することが可能となる。また、上述の実施の形態では、合焦制御をステージ駆動で行っているが、これをレンズ駆動による制御としても同様の効果を得られる。
【0049】
以上、実施例に基づいて説明したが、本発明中には以下の発明も含まれる。
(1)請求項1記載の顕微鏡用焦点検出装置において、周辺システムに対する焦点検出手段の光路長あるいは色収差補正量の決定は、標本に照明光を照射する照明光学系の情報として励起光キューブまたはフィルタの情報によって行う。
【0050】
このようにすれば、色収差補正不足によって生じる光像の波長に関する焦点検出手段と周辺システムのピントずれを、照明光学系の情報から自動的に補正することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、写真システムなどの周辺システムに対して焦点検出手段での合焦精度を保証する光像の波長域の制限を大幅に拡大でき、合う焦精度の高い焦点検出を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施の形態の概略構成を示す図。
【図2】 第1の実施の形態に用いられる同焦調整ユニットの概略構成を示す図。
【図3】 第1の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図4】 第1の実施の形態での同焦調整ユニットの設定方法を説明するための図。
【図5】 第1の実施の形態に用いられる同焦調整ユニットの他例の概略構成を示す図。
【図6】 本発明の第2の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図7】 従来の写真システムの光像の波長に対するピント位置の変化を示したモデルの図。
【図8】 図7に示すモデルにAFシステムの波長に対するピント位置の変化を示したモデルを書き加えた図。
【符号の説明】
1…顕微鏡本体、
2…ステージ、
3…透過用光源、
4…落射用光源、
5…対物レンズ、
6…投光管、
7…キューブレンズ、
8…接眼レンズ、
9…写真システム、
91…結合レンズ、
10…焦点検出器、
101…同焦調整ユニット、
102…結像レンズ、
103…イメージセンサ、
11…アナログ信号処理回路、
12…評価関数演算器、
13…CPU、
14…ステージ駆動装置、
15…外部コントローラ、
16…キューブ駆動・検出器、
17…カメラコントローラ、
20…平行平板プリズム、
21、22…くさび型プリズ、
23…支持枠、
231…側壁、
232…穴部、
24…ネジ部、
25…操作軸、
251…摘み、
252…クリック溝、
26…押え板、
27…ボールプランジャ。
Claims (3)
- 標本の観察光像を受光手段に結像する結像光学系を有し前記受光手段の出力に対する合焦度評価値に基づいて前記標本に対する前記結像光学系の焦点状態を検出する焦点検出手段と、
この焦点検出手段の結像光学系と異なる結像光学系を有する周辺システムと、
前記標本の観察光像の前記受光手段に結像する光像の波長を選択するキューブ装置と、
このキューブ装置によって前記周辺システムに対する前記焦点検出手段の光路長あるいは色収差補正量を決定する決定手段と、
この決定手段により決定した光路長あるいは色収差補正量を補正する補正手段と、
を具備したことを特徴とする顕微鏡用焦点検出装置。 - 前記補正手段は、材質が異なるくさび型の2つのプリズムを平行平面になるように一体化してなり、
これら2つのプリズムの各厚さの割合が変化するように光軸に対して垂直方向に移動可能であることを特徴とする請求項1記載の顕微鏡用焦点検出装置。 - 標本の観察光像を受光手段に結像する結像光学系を有し前記受光手段の出力に対する合焦度評価値に基づいて前記標本に対する前記結像光学系の焦点状態を検出する焦点検出手段と、
この焦点検出手段の結像光学系と異なる結像光学系を有する周辺システムと、
前記焦点検出手段の合焦度合に応じて前記結像光学系あるいは前記標本側の少なくとも一方を駆動して合焦点サーチを行なうサーボ手段と、
前記標本の観察光像の前記受光手段に結像する光像の波長を選択するキューブ装置と、
このキューブ装置によってオフセット量を決定する決定手段と、
前記サーボ手段による合焦点サーチにより前記焦点検出手段が合焦と判断した位置に対して前記決定されたオフセット量だけ前記結像光学系あるいは前記標本の少なくとも一方を駆動する手段と、
を具備したことを特徴とする顕微鏡用焦点検出装置。
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1996
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