JP3957289B2 - スライドドアの開閉治具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の製造時において自動車用のスライドドアを自動車本体に仮付けすることが可能で、しかもスライドドアを開閉することのできるスライドドアの開閉治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車におけるスライドドアの開閉機構にはスライド用のベアリングが設けられているが、該ベアリングは、精密部品であることから塗料等が付着しないことが好ましい。従って、自動車の製造時における塗装工程の前後では、ベアリングを有する開閉機構によらずに、スライドドアを治具によって仮付けすることがある。このようにスライドドアを仮付けした状態で塗装を行うと、ボディに対する色差がなく、しかも、精密部品であるベアリングを塗料から保護することができる。
【0003】
また、塗装の工程に前後して車室内の内装または溶接等の作業を行うことがあるので、スライドドアは開閉自在なように仮付けすることが望ましい。さらに、仮付けしたスライドドアは不用意に開閉してしまうことがないように、開状態と閉状態においてロックされることが望ましい。
【0004】
これらの要求から、スライドドアを開閉自在に仮付けする機構(例えば、特許文献1参照)やスライドドアを開いた状態でロックする手段(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−206644号公報(段落[0017]〜[0019])
【特許文献2】
特開2001−205150号公報(段落[0024]、[0025])
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記の特許文献1または特許文献2で開示されている機構によれば、スライドドアを車体に対して開閉自在に仮付けすることができ、さらにロックピンを挿入することによりロックを行い、開いたスライドドアが不用意に閉じることを防止できて好適である。
【0007】
しかしながら、前記特許文献1で開示されている機構では、仮付けされたスライドドアは車体側方に張り出すとともに後方へ移動するという2段階の操作が必要である。作業員によれば、この開閉操作は比較的スムーズに行うことができるが、ロボットではやや時間がかかる。すなわち、ロボットにとっては人間(作業員)のように複雑かつスムーズな動作を行うことが困難であり、2段階の操作では速度が遅くなる。また、複雑な動作を行うためにはティーチング作業が繁雑になる。従って、仮付けされたスライドドアは1回の単純な操作で開閉できることが望ましい。
【0008】
さらに、特許文献1で開示されている機構によれば、スライドドアを開いた状態において開口面積が狭く車室内の作業が不便である。
【0009】
前記特許文献2で開示されている手段では、スライドドアを開いた状態ではロックをすることができるが、スライドドアを閉じた状態でのロックができない。また、ピンを挿入することによってロックを行うが、この処理はロボットには非常に困難であるとともに、リンク機構とピンとは別体なのでそれぞれ個別に管理する必要がある。
【0010】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、自動車用のスライドドアを仮付けするとともに、単純な操作で開閉を行うことを可能にするスライドドアの開閉治具を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明の他の目的は、仮付けしたスライドドアを所定の開度において簡便な操作でロックすることを可能にするスライドドアの開閉治具を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスライドドアの開閉治具は、自動車用のスライドドアが取り付けられるドア取付部材と、自動車に固定される取付ベース部と、前記ドア取付部材と前記取付ベース部とを接続し、リンク動作により前記ドア取付部材が所定の回転中心点を中心として回動するように設定された複数のアームからなるリンク機構と、を有し、前記リンク機構は、第1アーム、第2アーム、第3アームおよび第4アームからなり、前記第1アームおよび第2アームの一端部は、前記ドア取付部材の異なる2点に回動自在に接続され、前記第3アームは、前記第1アームおよび前記第2アームにおける軸に回動自在に接続され、前記第4アームの一端部は、前記第1アームまたは前記第2アームの他端部と回動自在に接続され、前記第3アームの一端部および前記第4アームの他端部が、前記取付ベース部の異なる2点に回動自在に取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
このように、ドア取付部材を回転中心点に対して回動するように設定することにより、スライドドアの開閉を単純な操作で行うことができる。
【0015】
また、複数のアームのリンク動作によってドア取付部材を回動させるようにすると、ドア取付部材およびスライドドアを大きく移動させることができ、車室内に対する開口面積を大きくすることができる。
【0016】
また、前記回転中心点がセンターピラーより外側、かつ、センターピラー後端面より前方に設定するとよい。なお、前記スライドドアは前端部が前記回転中心点と一致するように前記ドア取付部材に取り付られているとよい。
【0017】
このようにすることによって、スライドドアの前端部の位置が固定され、ドア取付部材およびスライドドアがセンターピラー等に干渉することなく回動することができる。
【0018】
さらに、前記リンク機構を2組有し、前記2組のリンク機構により、前記スライドドアの上下2箇所を支持し、開閉動作を行うようにすると、スライドドアが大きい場合、または重い場合でも安定して開閉させることができる。
【0019】
さらにまた、前記アームの回動する軸に樹脂ブッシュが挿入されていると、軸の回動を滑らかにするとともに塗料や粉塵の進入を防ぐことができ、塗料かす等の落下がない。
【0020】
さらにまた、前記スライドドアを所定の開度でロックするロック装置を有し、前記ロック装置は、前記アームまたは前記ドア取付部材に設けられたピンと、前記スライドドアの開閉操作に伴い前記ピンに対して距離が変化する位置に設けられた支持ポールと、前記支持ポールに回動可能に設けられ、弾性体によって引き寄せられることにより前記ピンを挟む一対のピン挟持アームと、を有し、前記一対のピン挟持アームは、前記ピンを挟持する面に前記ピンが係合する複数の切欠部を備えるようにするとよい。
【0021】
このように、ピンを複数の切欠部で係合させることにより、仮付けしたスライドドアを所定の開度において簡便な操作でロックすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスライドドアの開閉治具10について好適な実施の形態を挙げ、添付の図1〜図10を参照しながら説明する。
【0023】
図1に示すように、本実施の形態に係るスライドドアの開閉治具10は、自動車用のスライドドア12を開閉するための治具であり、上下一対のリンク機構14a、14bと、該リンク機構14a、14bがそれぞれ取り付けられるブラケット16a、16bと、該ブラケット16a、16bを接続する支柱18と、リンク機構14aおよび14bの先端部をそれぞれ接続する支柱20とを有する。下側のリンク機構14bには、スライドドア12の開状態および閉状態においてロックを行うロック装置22が設けられている。リンク機構14aとリンク機構14bはロック装置22の有無が異なり、他の箇所は同構造である。ブラケット16aおよび16bはそれぞれ自動車のセンターピラー24に仮付けされている。
【0024】
図2に示すように、リンク機構14aは、ブラケット16aに固定された取付ベース部26と、スライドドア12に対して仮付けされるドア取付部材28と、取付ベース部26とドア取付部材28とを接続する第1アーム30、第2アーム32、第3アーム34および第4アーム36とを有する。
【0025】
ブラケット16aは、センターピラー24に対して車室方向である矢印A1方向に延在するように設定されており、該ブラケット16aに沿って取付ベース部26が固定されている。取付ベース部26の矢印A1方向端部および外側を示す矢印A2方向はそれぞれ軸38および軸40で第4アーム36および第3アーム34の一端と軸支されている。第4アーム36の他端は軸42によって第2アーム32の一端と軸支されている。第3アーム34の他端は軸44によって第1アーム30の一端と軸支されている。
【0026】
また、第1アーム30および第2アーム32の他端は、それぞれドア取付部材28の異なる2点に設けられた軸46および軸48と軸支されている。第2アーム32と第3アーム34は、回動可能な軸50で交差している。スライドドア12が閉じた状態では、ドア取付部材28の軸48は取付ベース部26の軸40に近い箇所に存在し、軸48に軸支されている第2アーム32は、取付ベース部26と干渉することがないように屈曲部33を有する。第1〜第4アーム30、32、34、36には、軽量化のために適当な孔を設けてもよい。
【0027】
図3に示すように、軸38には、回動を滑らかにするとともに塗料や粉塵の進入を防ぐ樹脂ブッシュ51が挿入されている。樹脂ブッシュ51は、軸38における隙間が存在しないように設定されている。また、図示はしていないが、他の軸40、42、44、46、48、50にも同様に樹脂ブッシュ51が挿入されている。
【0028】
図4に示すように、スライドドア12は作業員またはロボット(図示せず)により開閉可能である。つまり、スライドドア12の所定の箇所(例えば、ドアノブ)を引くことにより、第3アーム34および第4アーム36は、軸40および38を中心として時計方向に回転し、これに伴い第1アーム30および第2アーム32が取付ベース部26から離間するとともにやや回転する。第1アーム30および第2アーム32に軸支されたドア取付部材28およびスライドドア12は、取付ベース部26から離間するとともに、回転しスライドドア12が次第に開くことになる。
【0029】
図5に示すように、スライドドア12を全開にした状態では、スライドドア12は閉位置に対して大きな角度を有し、車室内に対する広い開口面積が得られる。また、スライドドア12およびドア取付部材28は回転中心点Oを中心として回転動作するように設定されている。
【0030】
上側のリンク機構14aの動作について説明したが、下側のリンク機構14bは上側のリンク機構14aと同様に支柱20によって接続されており、同じ動作を行うのでその詳細な説明を省略する。下側のリンク機構14bが有するロック装置22の構成および作用については後述する。
【0031】
次に、回転中心点Oの設定位置について、図6を参照しながら説明する。図6の矢印B1は自動車の前方、矢印B2は後方を示す。矢印A1、矢印A2は図1および図2に示す向きと同じである。
【0032】
図6において、二点鎖線で示すスライドドア12aは、自動車の完成時におけるスライドドア12の最終の取付位置を示す。スライドドア12を通常のヒンジ開閉式のドアと仮定し、かつ、同寸法のヒンジを用いて取り付けると仮定した場合、ヒンジはセンターピラー24の後端面24aに取り付けられる。この場合、回転中心点Oは、この後端面24aにヒンジを取り付けた場合にスライドドア12aが回転する中心位置として設定され、センターピラー24より外側(矢印A2側)、かつ、後端面24aよりやや前方に設定されている。
【0033】
このように、ヒンジによりスライドドア12aを回動させる場合には、スライドドア12aの前端部Pは、回転中心点Oに対して距離mの円形の軌跡を描く。この円はセンターピラー24に対する距離の余裕が小さい。
【0034】
実際上、完成車においてはスライドドア12aとして示す位置にスライドドア12が設定されるが、本実施の形態に係るスライドドアの開閉治具10では、スライドドア12bとして示す位置に設定されている。このように前端部Pおよび回転中心点Oの位置を設定することにより、前端部Pの位置は固定され、他の箇所もセンターピラー24から離間するように回動する。従って、スライドドア12をセンターピラー24や他のドア52と干渉することなく開閉することができる。また、スライドドア12は回転中心点Oを中心として回転動作をするので、ロボットに対する動作の教示が容易であるとともに、ロボットは高速に動作を行うことができる。また、作業員はスライドドア12の開閉操作をよりスムーズに行うことができる。
【0035】
さらに、回転中心点Oは、二点鎖線で示すスライドドア12aの前端部Pと一致させるように設定してもよい。
【0036】
次に、リンク機構14aの設定方法について図7および図8を参照しながら説明する。この設定方法は、計算または図面の操作に基づいて行われる。ここで、計算とは、コンピュータプログラムにより1つまたは複数のパラメータを変化させながら集束計算を行う等の処理により最適値を算出する手段を含む意味である。また図面の操作とは、CADを用いることにより、所定の条件を満たすように図面を構成する要素を変形、移動等の処理を行う手段を含む意味である。
【0037】
図7に示すように、まず、回転中心点Oと取付ベース部26の軸40とを設定する。ドア取付部材28の形状およびドア取付部材28における軸46、48の位置は予め設定されているものとする。
【0038】
次に、スライドドア12が閉じられている状態と仮定して、ドア取付部材28の位置を設定する。このとき、取付ベース部26は仮想部材54を介して回転中心点Oまで延在しているものとし、ドア取付部材28は仮想部材56を介して、回転中心点Oにおいて仮想部材54に軸支されているものとする。さらに、第1アーム30および第3アーム34を適当な長さに設定し、それぞれ軸40、44、46を接続する。このようにして、仮想部材54をベースとした、仮想部材56、第1アーム30および第3アーム34による4辺の仮想リンク58が構成される。なお、この時点では軸38、軸50、第2アーム32および第4アーム36(図2参照)は未設定である。
【0039】
次いで、スライドドア12が全開状態となるように、取付ベース部26および仮想部材54を基準として仮想リンク58をリンク動作させる。これによりドア取付部材28、第1アーム30および第3アーム34は、それぞれ符号28a、30aおよび34aで示す位置に移動する。また軸44、軸46および軸48は、符号44a、46aおよび48aで示す位置に移動する。
【0040】
さらに、第3アーム34上における軸50を設定する。この軸50は仮想リンク58をリンク動作させる前後において、軸48および位置48aに対して等距離Lである点として設定され、図面操作または計算によって求められる。
【0041】
次に、図8に示すように、軸48と軸50とに軸支される第2アーム32を設定する。上記のように、第2アーム32には、取付ベース部26に対する干渉を避けるように屈曲部33を設ける。また、第2アーム32は、軸50において第3アーム34に対して交差し、適当な長さが延在するように設定する。この延在する部分の先端に軸42を設定する。第2アーム32を設定することにより、第1アーム30、第2アーム32、第3アーム34およびドア取付部材28は4辺のリンクを構成する。
【0042】
次いで、取付ベース部26における軸38を設定する。この軸38は仮想リンク58をリンク動作させる前後において、軸42およびその移動後の位置42aに対して等距離rである点として設定され、図面操作または計算によって求められる。軸38の位置が設定されたのち、該軸38と軸42とを接続する第4アーム36(図5参照)を設定する。
【0043】
このようにしてリンク機構14aおよび14bの寸法および形状が設定されるが、予め想定した寸法や動作の条件を満たさない場合、例えば、最終的に設定される軸38の位置が不適当である場合には、軸40、42、44、46、48、50の位置を多少変更しながら再設定すればよい。
【0044】
また、スライドドア12を開く角度θ(図7参照)は、任意に設定可能であることから、作業に必要な十分な開口面積が得られるようにスライドドア12を開くことができる。
【0045】
なお、リンク機構14aおよび14bの設定方法は、上記の方法に限らず、例えば、取付ベース部26の軸38および40を最初の基準として設定してもよく、ドア取付部材28が回転中心点Oを基準とした回転動作を行うようにすればよい。
【0046】
上記のようにスライドドアの開閉治具10によれば、自動車の製造工程においてスライドドア12を開閉自在に仮付けすることができる。また、スライドドア12の開閉動作は、回転中心点Oを仮想の軸とした単純な回転動作でありロボットでも容易にかつ高速に開閉が可能である。さらに、回転中心点Oは、センターピラー24より外側、かつ、センターピラー24の後端面より前方に設定され、スライドドア12の前端部と一致しているので、スライドドア12はセンターピラー24等に干渉することなく開閉可能である。
【0047】
さらにまた、スライドドア12は、2組のリンク機構14a、14bにより2箇所が支持されているので、スライドドア12が大きい場合、または重い場合でも安定して開閉が可能である。リンク機構14a、14bは支柱18、20で連結されているので開閉時に歪みを生じない。
【0048】
また、スライドドアの開閉治具10には摺動部分がほとんどないので、付着した塗料のかすが剥がれ落ちることがなく、特に、回転部には樹脂ブッシュ51を挿入しているので塗料の進入および剥がれ落ちがない。
【0049】
次に、ロック装置22の構成および動作について、図1および図9A〜図10を参照しながら説明する。
【0050】
図1および図9Aに示すように、ロック装置22は、下側のリンク機構14bに設けられられており、取付ベース部26の上面に延在する支持ポール60と、該支持ポール60に対して回動自在な支持部材62と、第3アーム34の上面における軸40と軸50との略中間に設けられたピン64とを有する。また、ロック装置22は、一端が支持部材62に軸支され、上下2組のピン挟持アーム66a、66bおよび68a、68bと、先端部においてピン挟持アーム66aと68aとを連結する連結棒70aと、ピン挟持アーム66bと68bとを連結する連結棒70bと、連結棒70aと70bとに接続されたコイルスプリング(弾性体)72とを有する。
【0051】
支持部材62は上下2段の支持台74a、74bを有し、上の支持台74aにピン挟持アーム66aおよび66bが並列かつ回動自在に軸支され、下の支持台74bにピン挟持アーム68a、68bが並列かつ回動自在に軸支されている。以下の説明では、ピン挟持アーム66aおよび66bについてのみ説明するが、ピン挟持アーム68aおよび68bは、それぞれピン挟持アーム66aおよび66bと同形状であり同じ動作を行う。
【0052】
ピン挟持アーム66aおよびピン挟持アーム66bは左右対称に配置されている。ピン挟持アーム66aおよびピン挟持アーム66bは、コイルスプリング72により引き寄せられており、対向面76においてピン64を挟持している。対向面76において支持部材62に比較的近い位置には、ピン64の形状に適応した切欠部78が設けられている。また、対向面76における先端部に比較的近い位置には、ピン64の形状に適応した切欠部80が設けられている。
【0053】
スライドドア12が閉じられた状態(図1参照)においては、ピン64は切欠部78に位置しており、ピン挟持アーム66aと66bとは閉じている。このとき、スライドドア12に対して小さい外力(例えば、振動やファンによる風等)が働いても、外力がコイルスプリング72の弾性力より小さければピン64は切欠部78から離脱することがない。従って、スライドドア12が閉じられた状態では、スライドドア12が不用意に開いてしまうことがない。
【0054】
作業者またはロボットがスライドドア12を開ける操作をする場合、コイルスプリング72の弾性力より大きい力がピン64に加わる。これにより、該ピン64はピン挟持アーム66aおよび68aを開いて対向面76に沿って先端方向へ移動し(図9B参照)、スライドドア12は開き始める。
【0055】
スライドドア12が全開状態となったとき(図9Cおよび図10参照)、ピン64は切欠部80に係合する。ピン64が切欠部80内に係合することによりピン挟持アーム66aおよび68aは再び閉じる。これにより、スライドドア12が全開の状態では、スライドドア12に加わる外力がコイルスプリング72の弾性力より小さければピン64は切欠部80から離脱することがなく、スライドドア12が不用意に閉じてしまうことがない。
【0056】
スライドドア12を閉じる際には、作業者またはロボットは、コイルスプリング72の弾性力より大きい力でスライドドア12を操作し、これによってピン64は切欠部80から離脱する。ピン64は、対向面76に沿って支持部材62の方向へ相対的に移動し、スライドドア12を閉じることができる。
【0057】
このように、ロック装置22によれば、一対のピン挟持アーム66a、66bおよび68a、68bによってピン64を挟持し、ピン64が切欠部78または80に係合するようにしたので、スライドドア12の開状態および閉状態において該スライドドア12はロックされる。また、ロック処理は自動的に行われ、専用のロックピンを挿入するなどの操作が不要であり、操作が簡便であるとともにロック忘れやロックピンの喪失のおそれがない。
【0058】
また、ロック装置22は、ピン64を2組のピン挟持アーム66a、66bおよび68a、68bで挟持するようにしているので、歪みのない安定した動作を行うことができる。
【0059】
ロック装置22は、支持ポール60とピン64との相対的な距離が変化することを利用してロックを行うものである。従って、支持ポール60およびピン64が設定される箇所は、距離の変化する任意の2点に設定可能である。
【0060】
切欠部78と切欠部80との間には、切欠部78および70と同様の切欠部を設けてもよい。このようにすることによって、開状態と閉状態との間における適当な位置でスライドドア12をロックすることができる。
【0061】
なお、本実施の形態に係るスライドドアの開閉治具10は、スライドドア12に対して適用するものとして説明したが、必要に応じて一般的な回動式のドアやボンネットおよびトランク等に適用してもよい。
【0062】
本発明に係るスライドドアの開閉治具は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るスライドドアの開閉治具によれば、スライドドアを仮付けするとともに、単純な操作で開閉を行うという効果を達成することができる。
【0064】
また、本発明に係るスライドドアの開閉治具によれば、ロック装置によって、仮付けしたドアを所定の開度において簡便な操作でロックするという効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るスライドドアの開閉治具の斜視図である。
【図2】ドアが閉じた状態におけるリンク機構の平面図である。
【図3】軸に挿入された樹脂ブッシュを示す断面図である。
【図4】ドアが開閉途中の状態におけるリンク機構の平面図である。
【図5】ドアが開いた状態におけるリンク機構の平面図である。
【図6】センターピラーとスライドドアとの位置関係を示す概略断面平面図である。
【図7】設計段階初期におけるリンク機構の一部を示す設計構想図である。
【図8】設計段階終期におけるリンク機構の一部を示す設計構想図である。
【図9】図9Aは、ドアが閉じた状態におけるロック装置を示す概略平面図であり、図9Bは、ドアが開閉途中の状態におけるロック装置を示す概略平面図であり、図9Cは、ドアが開いた状態におけるロック装置を示す概略平面図である。
【図10】ドアが開いた状態におけるスライドドアの開閉治具の斜視図である。
【符号の説明】
10…スライドドアの開閉治具 12、12a、12b…スライドドア
14a、14b…リンク機構 22…ロック装置
24…センターピラー 24a…後端面
26…取付ベース部 28…ドア取付部材
30…第1アーム 32…第2アーム
33…屈曲部 34…第3アーム
36…第4アーム
38、40、42、44、46、48、50…軸
51…樹脂ブッシュ 60…支持ポール
62…支持部材 64…ピン
66a、66b、68a、68b…ピン挟持アーム
72…コイルスプリング 76…対向面
78、80…切欠部

Claims (6)

  1. 自動車用のスライドドアが取り付けられるドア取付部材と、
    自動車に固定される取付ベース部と、
    前記ドア取付部材と前記取付ベース部とを接続し、リンク動作により前記ドア取付部材が所定の回転中心点を中心として回動するように設定された複数のアームからなるリンク機構と、
    を有し、
    前記リンク機構は、第1アーム、第2アーム、第3アームおよび第4アームからなり、
    前記第1アームおよび第2アームの一端部は、前記ドア取付部材の異なる2点に回動自在に接続され、
    前記第3アームは、前記第1アームおよび前記第2アームにおける軸に回動自在に接続され、
    前記第4アームの一端部は、前記第1アームまたは前記第2アームの他端部と回動自在に接続され、
    前記第3アームの一端部および前記第4アームの他端部が、前記取付ベース部の異なる2点に回動自在に取り付けられていることを特徴とするスライドドアの開閉治具。
  2. 請求項1記載のスライドドアの開閉治具において、
    前記回転中心点がセンターピラーより外側、かつ、センターピラー後端面より前方に設定されていることを特徴とするスライドドアの開閉治具。
  3. 請求項1または2に記載のスライドドアの開閉治具において、
    前記スライドドアは前端部が前記回転中心点と一致するように前記ドア取付部材に取り付られていることを特徴とするスライドドアの開閉治具。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のスライドドアの開閉治具において、
    前記リンク機構を2組有し、
    前記2組のリンク機構により、前記スライドドアの上下2箇所を支持し、開閉動作を行うことを特徴とするスライドドアの開閉治具。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のスライドドアの開閉治具において、
    前記アームの回動する軸に樹脂ブッシュが挿入されていることを特徴とするスライドドアの開閉治具。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のスライドドアの開閉治具において、
    前記スライドドアを所定の開度でロックするロック装置を有し、
    前記ロック装置は、前記アームまたは前記ドア取付部材に設けられたピンと、
    前記スライドドアの開閉操作に伴い前記ピンに対して距離が変化する位置に設けられた支持ポールと、
    前記支持ポールに回動可能に設けられ、弾性体によって引き寄せられることにより前記ピンを挟む一対のピン挟持アームと、
    を有し、
    前記一対のピン挟持アームは、前記ピンを挟持する面に前記ピンが係合する複数の切欠部を備えることを特徴とするスライドドアの開閉治具。
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