JP3957084B2 - カチオン性の、アクリル酸エステルポリマー、アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びこれ等に対応するアクリルアミドポリマーを用いた合成トランスフェクション又はブロッキングシステム - Google Patents

カチオン性の、アクリル酸エステルポリマー、アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びこれ等に対応するアクリルアミドポリマーを用いた合成トランスフェクション又はブロッキングシステム Download PDF

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Description

本発明は、細胞、特に生体内の細胞への遺伝子構造体やDNA断片の運搬に有用な合成トランスフェクション又はブロッキングシステムに関する。更に詳細には、本発明は、様々な変性や様々な物性の調整が可能なカチオン性ポリマーを用いた、様々な条件に対応可能であり、遺伝子治療等に用いることができるDNA又は遺伝子運搬システムに関する。
遺伝子治療は、遺伝子欠陥、またはガンやAIDSのような致命的疾患の治療法として有望な方法である。遺伝子治療においては、標的細胞に、欠損遺伝子の代わりとなる遺伝子を移入するため、または新規な形質を導入するために、核酸の断片又は遺伝子構造体(gene construct)を標的細胞に移入する。このような核酸の断片又は遺伝子の構造体は、プラスミドに組み込まれていることが好ましい。
組換えプラスミドをそのままの形で生体に導入した場合、一般的に、導入遺伝子が発現されないこともあり、また、発現が認められても発現率は非常に低い。このような低い発現率の原因として以下の3つの理由が知られている。第1の理由として、プラスミドは生体の有する分解及び排除機能により、意図した細胞集団に到達しない。第2の理由として、プラスミドが標的細胞に到達した場合も、プラスミドの有する強い極性及び大きさのために、プラスミドは細胞膜を透過することができない。第3の理由として、もしプラスミドが標的細胞に侵入したとしても、通常、プラスミドは、後にリソソームとなるエンドソームに取り込まれる。プラスミドはリソソーム内で分解されるため、組み込まれた遺伝子は発現することができない。
上記の理由から、遺伝子治療において、プラスミド又はその他の遺伝子構造体はキャリアー又はビークル(vehicle)と共に用いられる。
近年、ウイルス由来及び非ウイルス由来(カチオン性脂質やカチオン性ポリマー)の適切と考えられるトランスフェクションシステムを開発するための研究が盛んに行われている。そのようなトランスフェクションシステムが開発されれば、これにより所望の遺伝子やDNA断片を標的細胞まで運搬し、高い効率で発現させることが可能になる。
ウイルスのベクターは、本質的にプラスミドを標的細胞に導入し、プラスミドの分解あるいはエンドソームのリソソームへの転換を防ぐ性質を有しているため、トランスフェクションに適している。しかし、一般によく知られているように、ウイルスのベクターは多くの問題点を有している。ウイルスのベクターを用いると、導入した遺伝子は標的細胞の染色体に組み込まれる。しかし、この遺伝子の組み込みが生じる染色体上の位置を予測又は制御することは(現状では)不可能であり、場合によっては、必須な遺伝子の破壊やガン遺伝子の活性化を起こすという危険性を伴う。又、ウイルスのベクターは工業規模での生産が難しい。更に、一般的にウイルスのベクターは生物の免疫反応を誘発するため、生体内で用いた場合、トランスフェクションシステムに対して免疫応答が生じる。ウイルスのベクターを用いて標的細胞に導入可能な遺伝子構造体の大きさに限界があるという問題点もある。
このようなウイルスのベクターが本質的に有する問題点を克服するために、合成トランスフェクションシステムに関する研究が行われてきた。
そのような研究の例として、E. Wagnerらによるプラスミド−ポリリジン複合体を用いた遺伝子運搬に関する研究が挙げられる[Curiel et al、Adenovirus Enhancement of Transferrin-Polylysine-Mediated Gene Delivery, Proc. Natl. Acad. Sci. 88(1991)8850-8854;
Plank et al. , Gene Transfer into Hepatocytes Using Asialoglycoprotein Receptor Mediated Endocytosis of DNA Complexed with an Artificial Tetra-Antennary Galactose Ligand, Bioconj. Chem. 3(1992)533-539;
Wagner et al.、Influenza Virus Hemagglutin HA2N-Terminal Fusogenic Peptides Augment Gene Transfer by Transferrin-Polylysine-DNA Compleses:Toward a Synthetic Virus-like Gene-Transfer Vehicle, Proc. Natl. Acad. Sci. 89(1992)7934-7938;及びCuriel et al., Gene Transfer to Respiratory Epithelial Cells via the Receptor Mediated Endocytosis Pathway, Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 6(1992)247-252]。ある種の細胞系を用いて、プラスミド−ポリリジン複合体の遺伝子移入能について試験した結果、少なくとも幾ばくかの遺伝子発現が認められた。更に、トランスフェリンがプラスミド−ポリリジン複合体に結合することにより、発現効率がかなり増加することが判明した。トランスフェリンは、トランスフェリンレセプターを有する細胞と複合体との接触を密なものとする。即ち、トランスフェリンは複合体全体をトランスフェリンレセプターに結合する。従って、上記の試験においては、少なくとも複合体の一部分がトランスフェクションに用いられた細胞に組み込まれていることがわかった。
しかしながら、ポリリジンを用いるトランスフェクションシステムや他の公知の合成トランスフェクションシステムにおけるトランスフェクション効率は、公知のウィルスベクターを用いた際の効率よりも遥かに低い。
本発明の目的は、有効かつ効率的な合成トランスフェクション又はブロッキングシステムを提供することである。DNA、例えば遺伝子構造体を組み込んだプラスミド、と結合してDNAを濃縮するためのキャリアーシステムは、生理的pH値において陽性に荷電されている必要がある。
本発明者らは、カチオン性置換基を含むアクリル酸エステルポリマー、アクリルアミドポリマー、C1-6アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及び/又はC1-6アルキル置換アクリルアミドポリマーを用いることにより、上記システムの調製が可能であることを知見した。具体的には、本発明は、水に対して可溶性又は分散性の、アクリル酸エステルポリマー、アクリルアミドポリマー、低級アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及び低級アルキル置換アクリルアミドポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーであって、カチオン性有機置換基がアクリル酸エステルポリマー又はアルキル置換アクリル酸エステルポリマーの骨格、もしくは対応するアクリルアミドポリマーの骨格に結合しているポリマーを用いたトランスフェクションシステムに関するものである。本発明において、「低級アルキル」は、C1〜C6アルキル基、好ましくはC1〜C4アルキル基を意味する。
本発明のシステムに用いるポリマーは、基本的に-[-CH2-C(R1)(COOR2)-]n-で表される構成単位からなる骨格を有し、ポリマー中のR1は同一であっても異なってもよく、R1は水素原子あるいは直鎖状又は分岐状C1-6アルキル基を表し、R2は同一であっても異なってもよく、ポリマーの総電荷が、少なくとも5モル%のカチオン性置換基の電荷に対応するように選択される。
「ポリマーの総電荷が、少なくとも5モル%のカチオン性置換基の電荷に対応する」とは、生理的条件下において、カチオン性置換基を有さない構成単位が中性の場合には、少なくとも5モル%の構成単位がカチオン性置換基を有することを意味し、又、Xモル%のカチオン性置換基を有さない構成単位がアニオン性置換基を有する場合には、少なくとも(5+X)モル%の構成単位がカチオン性置換基を有することを意味する。R2が生理的条件下でカチオンとならない置換基の場合は、R2は、水素原子、アリール基、グリコール基、直鎖状又は分岐状C1-6アルキル基等から選択することができ、これらの置換基はハロゲン原子等の不活性置換基で置換されていてもよい。
2で表されるカチオン性置換基は、次式:-R3-N(R4)(R5)(式中R3はC1-6アルキレン基またはC64の芳香族基を表し、これらの基の水素原子が不活性置換基で置換されていてもよく;R4とR5は、それぞれ独立して水素原子、C1-6アルキル基又はアリール基を表す。)で表わされる基であることが好ましい。
また、-[-CH2-C(R1)(COOR2-)-]n-単位以外の構成単位も、限られた量ならば、ポリマーの骨格に含まれていてもよい。
本発明に用いられるポリマーは、上述のアクリル酸エステルの構成単位の代わりに、アクリルアミド、好ましくはC(O)NR4R5で表される構成単位を用いてもよい。
本発明に用いられるポリマーが、プラスミド、遺伝子構造体、オリゴヌクレオチド又は他のDNA断片と結合して、これらを濃縮させるためには、用いるアクリル酸エステルポリマー、アクリルアミドポリマー、アルキル置換アクリル酸エステルポリマー又はC1-6アルキル置換アクリルアミドポリマーは、生理的pH値において、少なくとも(総電荷として)5モル%のカチオン性置換基R2がポリマー骨格に結合していなければならない。このようなポリマーを用いると、アクリルアミドポリマーやアルキル置換アクリルアミドポリマーは、DNAと静電気的に結合することにより、DNAを濃縮することができる。更に、このようなカチオン性のポリマーとDNAからなる複合体は、プラスミドのみの場合と比べて、標的細胞に取り込まれる量が顕著に高い。
上述したように、カチオン性の置換基は、好ましくは-R3-N(R4)(R5)で表される置換基、更に好ましくはジメチルアミノエチル基であり、アクリルアミド基に結合している置換基としては-(R4)(R5)で表される置換基が好ましい。
本発明で使用できるその他のカチオン性置換基R2としては、好ましくはアミノ基を有する化合物から誘導される置換基が挙げられる。このような化合物は生理的pH値で陽性の電荷を持つ。上記の有機化合物の例としては、アミノC1-10アルコールやアミノC1-10アルコキシC1-10アルコール、及びこれらの第2級、第3級及び第4級の誘導体が挙げられる。特に好ましくは第3級アミンが挙げられる。
ジメチルアミノエチル基は、他の第3級アミンと同様に、生理的条件下で少なくとも部分的に陽性に荷電され、DNAと結合してこれを濃縮することができるカチオン性の構造体となる。
ポリマーが全体として陽性に荷電されていることは重要であるが、分子骨格の構成単位であるアクリル酸エステル/アルキル置換アクリル酸エステルまたはアミドの置換基R2の全てがカチオン性ではないことが好ましい。本発明において用いるポリマーの好ましい一例としては、ポリマー骨格構成単位の一部、好ましくは少なくとも10モル%が、上記した構成単位以外の疎水性または親水性の構成単位であるポリマーが挙げられる。
本発明のトランスフェクション又はブロッキングシステムに用いるポリマーの具体例としては、アクリル酸エステル、アクリルアミド、C1-6アルキル置換アクリル酸エステル又はアルキル置換アクリルアミドの単独重合体;異なるアクリル酸エステル、アクリルアミド、アルキル置換アクリル酸エステル又はアルキル置換アクリルアミドからなる共重合体;及び、アクリル酸エステル、アクリルアミド、アルキル置換アクリル酸エステル又はアルキル置換アクリルアミド、と、その他の構成単位、例えば、メチルメタクリル酸エステル、トリエチレングリコールメタクリル酸エステル、ポリエチレングリコールメタクリル酸エステル、ヒロドキシエチルメタクリル酸エステル、グリセリルメタクリル酸エステル、ラウリルメタクリル酸エステル、ブチルメタクリル酸エステル、N−イソプロピルアクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノ)プロピルメタクリルアミド等、との共重合体が挙げられる。上述したように、ポリマー骨格の構成単位が全て上記のアクリル酸エステル系の単位である必要はない。構成単位の一部は、例えば、N−ビニルピロリドン又は酢酸ビニル等であってもよい。
N−イソプロピルアミドを構成単位に含む共重合体は、下部臨界完溶温度(LCST)挙動を示す。つまりこのような共重合体は比較的低温で水によく溶解するが、LCST以上の温度においては、相分離が起きる。この点に関しては、H.フェイルら[H.Feil et al. Macromolecules 26(1993)2496-2500]を参照できる。このLCST挙動が、ポリマーとプラスミドとの濃縮粒子の形成に好ましい影響を与える。
ポリマー中の置換基R2の少なくとも10モル%が、グリセロール、メトキシエトキシエタノール及びポリエチレングリコール(PEG)のような、本質的に電気的に中性の親水性の有機置換基であるポリマーを用いた場合に、本発明のシステムは特に優れた効果を発揮する。その理由は、プラスミドとポリマーとの結合力がそれ程強くないため、標的細胞内でプラスミドとポリマーが容易に分離するためであると考えられる。更に、PEGを用いた際には、PEGが、DNAが外来因子としてマクロファージに認識されることを防ぐ働きをする。
本発明に用いられるポリマーはカチオン性であり、水に対して可溶性または分散性である。特に、ポリマーが全体としてカチオン性であれば、置換基R2の5〜100モル%がカチオン性であり、95〜0モル%がアニオン性または中性である場合に、本発明のシステムは特に優れた効果を発揮する。
用いるポリマーの分子量及び/または数は、運搬されるプラスミドの性質に合わせて容易に調整することができる。通常、DNAキャリアーとして適切なポリマーの分子量は1,000〜500,000である。
本発明において、キャリアーとしてのポリマーとDNA断片の重量比は重要である。上記の重量比が0.1〜200、好ましくは1〜20、最も好ましくは2〜5であると本願発明のシステムは特に優れた効果を発揮する。アクリル酸エステルポリマーまたはアルキル置換アクリル酸エステルポリマーの分子量は、重合工程を適切な反応条件下で行うことにより制御することが可能である。本発明に用いるカチオン性ポリマーの分子量は80,000Da以上であり、好ましくは100,000Da以上、最も好ましくは、250,000Da以上である。
カチオン性且つ水に対して可溶性または分散性のアクリル酸エステルポリマー、アクリルアミドポリマー、C1-6アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びC1-6アルキル置換アクリルアミドポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1つのポリマーをキャリアーとして含む本発明の合成トランスフェクションシステムは、更に、プラスミド、遺伝子構造体またはオリゴヌクレオチドのようなDNA断片を含有する。オリゴヌクレオチドは細胞内において、例えば、タンパク質合成を制御するためのブロッキング剤として用いることができる。
アクリル酸エステル系ポリマーとDNA断片とを含む濃縮粒子を、例えば、リポソームやヒドロゲルのような公知の薬剤運搬用システム内に本発明のシステムを封入、または組み込むこともできる。
合成トランスフェクションシステムに用いる、キャリアーシステム又はビークルに組み込まれる遺伝子については以下の文献を参照することができる:
−McKusick, V.A. Mendelian inheritance in man, catalogs of autosomal dominant, autosomal recessive, and X-linked pheno-types. Eighth edition. John Hopkins University Press(1988)、及び
−Stanbury, J.B., Wyngaarden, J.B., Frederickson, D.S., Goldstein, J.L. and Brown, M.S. The metabolic basis of inherited disease. Fifth edition. McGraw-Hill(1983)。
本発明の一態様において用いることができるビークルの例としては、遺伝子の発現及び/または複製に関与するウィルス由来性及び非ウィルス由来の調節因子が挙げられる。このようなビークルは公知のものである。
適切なトランスフェクションシステムを用いることにより、遺伝子構造体を目的とする細胞群に送り込むことができる。従って、アクリル酸エステルポリマー、アクリルアミドポリマー、アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及び/又はアルキル置換アクリルアミドポリマーを用いたトランスフェクションシステムは、標的細胞の表面に関連のあるタンパク質を選択的に認識する少なくとも1つの手段を包含することが好ましい。このような手段は、標的決定因子又はホーミング手段として、当業者には知られており、例えば、トリ−及びテトラ−アンテナクラスターグリコシド(tri and tetra antennary cluster glycoside)、トランスフェリンまたは他のタンパク質構造体、細胞膜タンパク質に対するモノクローナル抗体、細胞表面の受容体に対するリガンド、及び上記の標的決定因子の誘導体である結合性の断片等が挙げられる。例えば、ガラクトース由来の因子を本発明のアクリル酸エステルまたはアルキル置換アクリル酸エステルからなる本発明のシステムに結合すると、運搬されるべき遺伝子断片は肝細胞のガラクトース受容体を介して肝細胞に到達する。更に、ポリマー/DNA複合体のポリマー部分に、標的細胞が認識可能な構造体が共有結合または非共有結合によって結合していると、標的細胞による遺伝子構造体等のDNA断片の取り込みが容易になる。
更に、遺伝子構造体が細胞内のエンドソームより放出されるように、トランスフェクションシステムを調製することもできる。そのようなトランスフェクションシステムは、細胞膜不安定化因子、特にポリペプチド断片を、本発明の水に対して可溶性又は分散性のカチオン性ポリマーシステムに結合させることによって得ることができる。このような不安定化因子は、エンドソームの細胞膜構造を乱し、不安定にする事が出来なければならない。エンドソームの細胞膜構造を不安定にした結果、遺伝子構造体を組み込んだプラスミドは、標的細胞の細胞質に到達し、その後、細胞核において発現される。本発明において好適に用いられる細胞膜不安定化因子の例としては、融合誘導性構造体、例えば、ある種のペプチド及びウイルス性のコートタンパク質(例えば、インフルエンザウイルスの赤血球凝集素タンパク質由来のペプチド)(の一部)を挙げることができる(例えば、Plank et al. The Influence of Endosome-Disruptive Peptides on Gene Transfer Using Synthetic Virus-Like Gene Transfer Systems, J. Biol. Chem. 269(1994), 12918-12924を参照)。
本発明において有効に用いられる他の化合物としては、例えば、クロロキン(chloroquine)のようなエンドソーム不安定化化合物を挙げることができる。なお、クロロキンは、生体において有毒なため、試験管内(in vitro)においてのみ適用できる。本発明は、生体内(in vivo)及び試験管内のいずれにも適用可能なので、上記のクロロキンを含むトランスフェクションシステムは本発明の範囲に含まれる。
本発明においてDNAのキャリアーとして用いられるアクリル酸エステルポリマー、アクリルアミドポリマー及びC1-6アルキル置換アクリル酸エステルポリマーは、それ自体公知である。これらのポリマーを調製する方法も同様に公知である。これらのポリマーを調製する好ましい方法としては、アクリル酸又はC1-6アルキル置換アクリル酸誘導体を、例えば、好適な溶剤[トルエン、アセトニトリル、DMSO(ジメチルスルホキシド)、又はTHF等]中において、開始剤として2,2’−アゾイソブチロニトリル(AIBN)を用いてラジカル重合に付す方法を挙げることができる。また、水を溶剤として用いることもできるが、この場合、AIBNを用いることはできない。好適な調製技術は、G.Odian, Principles of Polymerization, Chapter 3 “Radical chain Polymerization”,John Wiley and Sons, Inc. New York(1991)、及びこの文献に引用されている引用文献に記載されている。
上記のラジカル重合は、例えば、β−メルカプトエタノール、2−アミノエタンチオール又はメルカプト酢酸のような、連鎖移動剤の存在下で行うことが好ましい。共重合体を調製する際には、所望の割合及び量でモノマーを混合し、得られた混合物をラジカル重合に付すことにより得ることができる。
上記方法を用いると、例えば、−OH,−NH2,又は−COOH基のような末端官能基を含む単独重合体又は共重合体が得られるという更なる利点がある。上記の官能基は、ポリマーにモノクロナール抗体又は融合誘導性構造体等のホーミング手段を導入するためのカップリング反応において好適に用いられる。
融合誘導性ペプチド及び標的決定因子は、公知技術によって(アルキル置換)アクリル酸エステルポリマーに結合させることができる。上記の公知技術の例として、ポリマーに導入されたチオール、及びペプチド又は標的因子に導入されたマレイミド基を用いてポリマーとペプチド又は標的因子を結合させる技術が挙げられる。ホーミング手段及び/又は融合誘導性ペプチドは、公知のアビジン−ビオチンカップリング技術によってポリマー/プラスミド複合体にカップリングすることもできる。
このような運搬用システムそのものは、ポリマーとDNA片とを、ポリマーが陽性荷電された状態で、好ましくは、pH値が7.2の好適な緩衝液系(例えば、PBS又はHEPES緩衝液)中、室温で接触させることにより容易に調製できる。
本発明においては、ポリマー/ポリヌクレオチド複合体の調製は、増粘剤、好ましくはショ糖の存在下で行うことが望ましい。増粘剤を添加することにより、実施例6に具体的に示すように、ポリマー/ポリヌクレオチド複合体の微小な粒子を得ることができる。
運搬用システムの調製は、通常、10分以内で完了する。調製工程の後、DNAとは結合していないポリマーをDNA/ポリマー複合体から分離するための工程を行ってもよい。その後、本発明のDNA及びキャリアーとしてのポリマーからなる複合体を、好ましくはショ糖やマンニトールのような医薬的に許容される凍結乾燥保護剤の存在下で凍結乾燥してもよい。このように凍結乾燥させた複合体は、長期保存が可能である。
本発明は、ポリマーが陽性荷電される条件下で、請求項1〜7のいずれかに記載のカチオン性且つ水に対して可溶性又は分散性の、アクリル酸エステルポリマー、C1-6アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びこれ等に対応するアクリルアミドポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーとを、該ポリマーが陽性荷電される条件下で接触せしめることを特徴とする、合成トランスフェクション又はブロッキングシステムの調整方法にも関する。該接触は、増粘剤、好ましくはショ糖の存在下で行うことが好ましい。更に本発明は、上記のようにして得られるポリヌクレオチド/ポリマー複合体粒子にも関する。
本発明は、更に、DNA断片と、アクリル酸エステルポリマー、アクリルアミドポリマー、アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びアルキル置換アクリルアミドポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーであって、カチオン性置換基により少なくとも部分的に置換されているポリマーとを接触させることによりトランスフェクションシステムを得、続いて、得られたトランスフェクションシステムを標的細胞と接触せしめることを特徴とする、DNA断片を標的細胞に導入するための方法にも関する。
また更に、本発明は、アクリル酸エステルポリマー、アクリルアミドポリマー、C1-6アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びC1-6アルキル置換アクリルアミドポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーであって、カチオン性置換基によって少なくとも部分的に置換されているポリマーのトランスフェクション用キャリアー又はビークルとしての使用に関する。
本発明のシステムは、生体内あるいは試験管内のいずれにおいて用いることが可能である。
以下、実施例に参照して、本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 [ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)のホモポリマー及びコポリマーの合成]
DMAEMAのホモポリマー及びコポリマーの合成は、トルエン(溶媒)中にて2,2’−アゾイソブチロニトリル(AIBN)を開始剤として用いて、DMAEMAモノマーを(コポリマー合成の際はコモノマーと共に)常法によりラジカル重合することにより行った。
DMAEMAのホモポリマー及びコポリマーの合成に関して以下に詳細に説明する。
DMAEMAのホモポリマーの合成は以下のようにして行った。DMAEMAモノマー[フルカ(Fluka)社製、カタログNo.64140]を減圧下で蒸留することにより精製した。精製したDMAEMAモノマー5mlをトルエン20mlと混合し、得られた混合物を容量30mlのボトルに移した。直ちにボトルをシリコーンラバーセプタムにて封をした後、ボトル内を窒素置換した。ボトル中の混合物にAIBN(フルカ社製、カタログNo.11630)を加え、60℃に保ちながら22時間振盪することにより重合反応を行った。
DMAEMAのコポリマーの合成は上記の操作において、DMAEMAモノマーの1部を他のモノマー(コモノマー)に置き換えることによって行った。用いたコモノマーは以下の通りである。
メチルメタクリレート(MMA:フルカ社製、カタログNo.64200)
N−ビニル−2−ピロリドン[NVP:アクロス(Acros)社製、カタログNo.14909227]
エトキシトリエチレングリコールメタクリレート[triEGMA:ポリサイエンス(PolySciences)社製、カタログNo.18556]
ポリ(エチレングリコール)モノメチルエーテルモノメタクリレート(PEGMA:ポリサイエンス社製、カタログNo.16664)
ホモポリマー及びコポリマー(以後、屡々単に「ポリマー」と称す)の分子量の調整は、モノマーの開始剤に対する量比を変えること、及び連鎖移動剤(β−メルカプトエタノール、2−アミノエタンチオール又はメルカプト酢酸)を用いることにより行った。連鎖移動剤を用いると、上記のようにモノマーの開始剤に対する量比を変えることによって分子量を調整する場合に比較してより効率的に分子量の調整を行うことができるのみならず、得られたポリマーにホーミング手段(例えばモノクローナル抗体)や融合誘導構造体(例えばペプチド)をカップリングする際に利用することができる末端官能基(−OH基、−NH2基又は−COOH基)を有するポリマーが得られる点で有利である。
重合反応終了後、反応混合物に適当な非溶媒(例えば石油エーテル又はジエチルエーテル)を加えてポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物をろ過にて回収した。沈殿物を減圧下で乾燥させてポリマーを得、得られたポリマーを酸性水(水に酢酸を加えて得たもの)中に溶解し、得られた溶液を、水を外液として用いる透析に付して(微量の)有機溶媒や未反応モノマーを除去した。その後、ポリマーを凍結乾燥によって回収した。上記の重合反応をDMSO中で行う場合は、上記のようなポリマー回収作業は必要ない。即ち、得られた反応混合物を水と混合し、得られた混合物から水分を蒸発させ、公知の方法で凍結乾燥することにより目的のポリマーを得ることができる。
ポリマーの物性はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)及びNMR(核磁気共鳴)分析によって行うことができる。
GPC分析によりポリスチレン(溶媒:THF)又はデキストラン(溶媒:0.7M NaNO3及び0.1M Tris/HClの水溶液:pH7.0)に対するDMAEMAポリマーの分子量(数平均分子量:Mn;重量平均分子量:Mw)及び分子量分布を測定した。NMR分析は共重合体の組成を調べるために行った。
上記重合反応の反応条件及び上記分析の結果を表1に示す。
Figure 0003957084
Figure 0003957084
Figure 0003957084
実施例2[本発明のポリマーとDEAEデキストラン、ポリリジン及びリポフェクチンRの比較を目的としたトランスフェクション実験]
COS細胞[アフリカサル腎細胞(African monkey kidneycell)由来;J. C. Clevers, Department of Immunology, Academic Hospital Utrecht提供)を、重炭酸ナトリウム3.7g/l、L−グルタミン0.58g/l、及びグルコース1g/lを含有するDME培地(Dulbecco's Modified Essential Medium)[DMEM,ギブコ社製、カタログNo.31885)にペニシリン100U/ml、ストレプトマイシン100μg/ml、アムホテリシンB(ギブコ社製、カタログNo.15240)0.25μg/mlの及び、5%(v/v)の加熱不活性化ウシ胎児血清(FBS, Bockneck)を添加した培地中で培養した。
対数増殖期の細胞を確保するために、トランスフェクションの2日前に、最大細胞密度のおよそ50%となるように経代時に細胞を希釈した。トランスフェクションの24時間前には、これらの細胞を、1cm2当たり3×104個(ウェル当たり1.14×104個)の密度で96穴プレート中に植えた。
プラスミドp(CMV.LacZ)をA.Bout(IntroGeneRijswijk社)から入手した。このプラスミドは、Exp. Lung Res. 19(1993)193-202に記載されている。このプラスミドは、サイトメガロウイルスのプロモーター/エンハンサーによって制御されているLacZを有する。LacZは、β−ガラクトシダーゼをコードしている。
上記のプラスミドを大腸菌で増幅し、Qiagen-kit 2500(Qiagen社製,カタログNo.12181)を用いて精製後、10mM トリス/1mM EDTA緩衝液(TE、pH8)を用いて2mg/mlとなるようにプラスミドを希釈した。その後、このプラスミドを、−20℃から4℃で貯蔵した。
トランスフェクションシステムの調製は、キャリアーとプラスミドを緩衝液(pH 7.2)中で、室温にて異なる時間インキュベートすることにより行った。ポリマーとしては、実施例1で調製したP(DMAEMA)、P(DMAEMA-co-NVP)、P(DMAEMA-co-MMA)、P(DMAEMA-co-triEGMA)、P(DMAEMA-co-PEGMA)を用いた。これらポリマーの構造式に関しては、図中のスキーム1及び2を参照。対照として、DEAE−デキストラン[ファルマシア(Pharmacia)社製、カタログNo.17-0350-01]及びポリ−L−リジン[E.R.Bloutの方法(J.Am. Chem. Soc. 83. 709-712, 1961に記載)に従い、無水(dry)ジオキサン中でトリエチルアミンを開始剤として用いたNCA-リジンの開環重合により合成;Mw=1.2×105g/mol]を用いた。さらに、市販のカチオン性脂質製剤(cationic lipid formulation)[リポフェクチンR(LipofectinR),ギブコ社製,カタログNo.18292]もキャリアーとして用いた。
具体的には、ポリマーを、PBS(リン酸緩衝化生理食塩水;0.9% NaCl、10mMリン酸、pH 7.2)中に、1〜2.5mg/mlの濃度となるように溶解し、トランスフェクション培地[plain Hepes buffered RPMI 1640(ギブコ社製、カタログNo.22511)、2%(v/v)FBS、及び、100μMクロロキン]を用いて、100μg/mlとなるように希釈した。保存プラスミド溶液(2mg/ml;上記参照)は、トランスフェクション培地を用いて20μg/mlとなるように希釈した。
xμlのプラスミド溶液をエッペンドルフ(Eppendorf)チューブにピペットで分注し、yμlのトランスフェクション培地を加え、さらに、zμlのポリマー溶液を添加し、プラスミドの最終濃度0〜.5μg/ml、ポリマーの最終濃度0〜200μg/mlである混合溶液を調製した。この混合溶液を室温にて15分〜60分間静置し、プラスミド/キャリアー複合体を形成させた。
トランスフェクションに付する直前に、培養細胞から培養液を吸引によって取り除いた。細胞をRPMIで洗浄した後、285μlのプラスミド/キャリアー複合体で細胞を覆った。
37℃(5%CO CO2及び湿気を含む雰囲気下)にて1〜1.5時間インキュベートした後、トランスフェクション培地を100μlの細胞培養用培地(37℃)で置換した。トランスフェクションに関しては、2枚のプレートを用意し、2組の実験を行った。
更に48時間インキュベートした後、一枚のプレートを用いて細胞の生存率及び増殖率を調べ(XTT試験、下記参照)、もう一方のプレートを用いて、トランスフェクトされた細胞の数を調べた(β-ガラクトシダーゼ染色)。
トランスフェクトされた細胞数を測定するために、細胞を100μlのPBSで洗浄した後、0.25%のグルタルアルデヒド(フルカ社製、カタログNo.49630)を含むPBS75μlを用いて、4℃で細胞を固定した。5分間のインキュベーション後、固定化剤を除去した。その後、細胞をPBSで2回洗浄し、50μlの染色液[5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド(X−Gal、ギブコ社製、カタログNo.15520)1mg/ml、フェロシアン化カリウム(Merck社製、カタログNo.104984)5mM、フェリシアン化カリウム(BDH社製、カタログNo.10204)5mM及び塩化マグネシウム[メルク(Merck)社製、カタログNo.5833)2mMを含む0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液]と共にインキュベートした。37℃で30〜50分間インキュベートした後、細胞をPBSで洗浄し(更に保存剤で細胞を覆い)、顕微鏡下で観察した。
トランスフェクトされた細胞の核は、顕微鏡下で明確な青色のスポットとして認められた。1ウェル(0.38cm2)当りのトランスフェクトされた細胞数を計数により求めた。
細胞の生存率及び増殖性に対するプラスミド/キャリアー複合体の影響を調べるため、ベーリンガー(Boehringer)社作成のプロトコール[Cell Proliferation Kit II(XTT),カタログNo.1465015]を基に、XTT比色試験により生細胞数の測定を行った。
各ウェルに、50μlのXTTラベリング混液(XTT labeling mixture)[3’−[1−(フェニルアミノカルボニル)−3,4−テトラゾリウム]−ビス(4−メトキシ−6−ニトロ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム水和物{sodium 3'-[1-(phenylaminocarbonyl)-3,4-tetrazolium]-bis(4-methoxy-6-nitro)benzene sulfonic acid hydrate}(XTT、シグマ社製、カタログNo.X4251)0.3mg/ml、メチル硫酸N−メチルジベンゾピラジン(N-methyl dibenzopyrazine methyl sulfate)(PMS、シグマ(Sigma)社製、カタログNo.p9625)2.6μl/mlを含む通常(plain)RPMI溶液]を添加した。細胞を(37℃、5% CO2及び湿気を含む雰囲気下で)1〜3時間培養し、生成したホルマザン色素(formazan dye)を分光光度法により定量した。即ち、ELISAプレートリーダーを用い、参照波長655nmにおいて、490nmに対する吸光度を測定した。新鮮(生)細胞を用いて検量線を作成し(1ウェル当りの細胞数0〜15×104個)、これを用いてトランスフェクション後の生存している細胞数を求めた。
実施例2a
図1は、P(DMAEMA)を既知の遺伝子移入用ポリマー2種(DEAE−デキストラン及びポリ−リジン)と比較するための遺伝子移入実験の結果を示す図である。この実験において、プラスミドの濃度は1.67μl/mlで一定であるが、ポリマー濃度は変化させている。この図から、P(DMAEMA)は遺伝子移入用高分子キャリアーとして、ポリ−リジン及びDEAE−デキストランよりも優れていると結論づけることができる。至適条件下[P(DMAEMA)/プラスミド比が5前後]では、トランスフェクトされた細胞数は約700である。このことは、全細胞の1〜2%が実際にトランスフェクトされたことを示す。
図2は、全生細胞数をキャリアー/プラスミド比に対して示す図である。P(Lys)の細胞毒性がP(DMAEMA)よりもはるかに高いことが図より明白である。P(DMAEMA)の濃度が、至適条件下でトランスフェクションを行えるような濃度ならば、わずかな細胞毒性しか観測されない。DEAE−デキストランの細胞毒性は低いが、このポリマーのトランスフェクション効率はP(DMAEMA)に比べて低い。
実施例2b
図3は、2種のP(DMAEMA)共重合体、具体的にはP(DMAEMA-co-NVP)[共重合体組成:DMAEMA/NVP=0.3mole/mole]及びP(DMAEMA-co-triEGMA)(モル比:0.8mole/mole)それぞれによるトランスフェクションの効率を、P(DMAEMA)単独重合体と比較した実験の結果を示す図である。図4は、全生細胞数をキャリアー/プラスミド比に対して示す図である。これらの図から明らかなように、いずれの共重合体のトランスフェクション効率も、P(DMAEMA)に比べて低い。しかしながら、細胞毒性に関しては、共重合体の方がP(DMAEMA)よりもかなり低い。
実施例2c
図5は、P(DMAEMA)/プラスミド複合体によるトランスフェクションの効率に対する血清の影響を示す図である。対照として、リポフェクチンR(LipofectinR)を用いた。図から明らかなように、トランスフェクションの際に血清が存在すると、トランスフェクトされた細胞数が減少する。しかし、リポフェクチンは血清に対する感受性がP(DMAEMA)に比べはるかに高く、2%の血清を添加しただけで、トランスフェクトされた細胞数は培地0.38cm2につきわずか10〜30個しか見出されなくなる(リポフェクチン/プラスミド比:3/1、プラスミド濃度:1.6及び5.0μg/ml)。
実施例3
図6は、プラスミド濃度に対するトランスフェクトされた細胞数を示す図である。プラスミドは、一定重量比のP(DMAEMA)との複合体として用いた。図6から明らかなように、プラスミド濃度が15μg/ml以下の条件では、プラスミド濃度の増加と共にトランスフェクトされた細胞数は増加した。15μg/mlを超えると、生細胞数の減少(生きている細胞は全体の20%)に伴い、トランスフェクトされた細胞数も減少した。本実施例で観測された細胞毒性は、遊離ポリマー(即ち、プラスミドと共に複合体を構成していないポリマー)によるものと考えられる。
実施例4
分子量(デキストランをに基づく)の異なるP(DMAEMA)によるトランスフェクションの効率を、COS細胞及びOVCAR−3細胞(Dr. Hamilton, National Cancer Institute, Bethseda, MD, USAより入手;R.C. Hamilton et al., Cancer Res. 43, 5379-5389, 1983参照)を用いて測定した。いずれの細胞も実施例1の方法で培養した。プラスミド(RPMI中に1.7μg/ml)及び重量平均分子量が156kDaのP(DMAEMA)からなる複合体と培養細胞をインキュベートすることによって得られたトランスフェクトされた細胞数を基準化して、トランスフェクションの効率を得た。結果を図7に示す。この結果から明らかなように、分子量が100kDaを超えるポリマーの方が低分子量のポリマーよりも優れたトランスフェクション作用を有する。動的光散乱に基づく測定結果から、このような高分子ポリマーは低分子ポリマー[ポリマー/プラスミド比が5/1(w/w);図8参照]よりも優れた濃縮試薬である。
実施例5
エンドソーム破壊性ペプチドのP(DMAEMA)/プラスミド複合体に与える影響について、実施例1の方法に従ってCOS−7細胞を用いて検討した。ペプチドとしてINF4-di(C. Plank et al., J. Biol. Chem., 12918-12924, 1994を参照)を使用した。
重量平均分子量(Mw)360kDaのP(DMAEMA)を用いた。結果を以下の表2に示す。
Figure 0003957084
実施例6
異なる条件下で調製したポリマー/プラスミド複合体の粒子径を表3にまとめる。
ポリマー重量平均分子量(Mw):360Da;プラスミドとポリマーを室温で30分間インキュベートした後、動的光散乱によって粒子径を求めた;RPMI又はpH7.4のHEPESに溶解したプラスミドとポリマーをそれぞれ用いた。
Figure 0003957084
上記の結果から、ショ糖存在下でポリマーとプラスミドの複合体を形成することにより、微少な粒子の調製が可能であると考えられる。

Claims (11)

  1. カチオン性且つ水に対して可溶性の、アクリル酸エステルポリマー、 1-4 アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びこれ等に対応するアクリルアミドポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一つであって、分子量が1,000〜500,000Daであるポリマー(a)をキャリアーとして含み、
    更にプラスミド、遺伝子構造体、DNA断片又はオリゴヌクレオチドであるポリヌクレオチド断片(b)を含み
    該ポリヌクレオチド断片(b)に対するポリマー(a)の重量比が0.1〜200であることを特徴とする、合成トランスフェクションシステム。
  2. 該キャリアーとしてのポリマーが、ジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体又は単独重合体であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
  3. 該キャリアーとしてのポリマーとDNA断片を包含してなる複数の濃縮粒子を、リポソームやヒドロゲルのような薬剤運搬用システム内に封入してなることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 該キャリアーとしてのポリマーが、ホーミング手段にカップリングされていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のシステム。
  5. 該ホーミング手段が、標的細胞の細胞膜に存在するタンパク質を認識しうるモノクローナル抗体であることを特徴とする、請求項4に記載のシステム。
  6. 該キャリアーとしてのポリマーが、融合誘導性構造体にカップリングされていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のシステム。
  7. ポリヌクレオチド断片(b)と、請求項1〜6のいずれかに記載の、カチオン性且つ水に対して可溶性の、アクリル酸エステルポリマー、 1-4 アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及びこれ等に対応するアクリルアミドポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一つであって、分子量が1,000〜500,000Daであるポリマー(a)とを、該ポリヌクレオチド断片(b)に対する該ポリマー(a)の重量比が0.1〜200となる量で、該ポリマー(a)が陽性荷電される条件下で接触せしめることを特徴とする、合成トランスフェクションシステムの調製方法。
  8. 該接触を、増粘剤の存在下で行うことを特徴とする、請求項7に記載の調製方法。
  9. DNA断片であるポリヌクレオチド断片(b)と、カチオン性且つ水に対して可溶性の、アクリル酸エステルポリマー、アクリルアミドポリマー、 1-4 アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及び 1-4 アルキル置換アクリルアミドポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一つであって、分子量が1,000〜500,000Daであるポリマー(a)とを、該ポリヌクレオチド断片(b)に対する該ポリマー(a)の重量比が0.1〜200となる量で接触させることによりトランスフェクションシステムを得、続いて、得られたトランスフェクションシステムを試験管内で標的細胞と接触せしめることを特徴とする、試験管内でDNA断片を標的細胞に導入するための方法。
  10. カチオン性且つ水に対して可溶の、アクリル酸エステルポリマー、アクリルアミドポリマー、 1-4 アルキル置換アクリル酸エステルポリマー及び 1-4 アルキル置換アクリルアミドポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一つであって、分子量が1,000〜500,000Daであるポリマーを用いた、DNAキャリアーシステム
  11. 該増粘剤がショ糖であることを特徴とする、請求項8に記載の調製方法。
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