JP3956585B2 - 調光器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明負荷の光出力を調節する調光器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、商用電源のような交流電源と照明負荷との間に挿入される双方向性3端子サイリスタ(以下、トライアックという)を備え、トライアックを位相制御することにより照明負荷への供給電力を制御し、照明負荷の光出力の調節を可能とした調光器が提供されている。
【0003】
この種の調光器としては、図26ないし図29に示す構成のものが提供されている。この調光器の器体1’は箱状であって、ともに合成樹脂成形品である前面開口したボディ10’と、ボディ10’の前面側に結合される後面開口したカバー20’とを金属製の組立枠100を用いて結合してある。器体1’の短手方向の寸法は、大角形連用配線器具用の取付枠(JIS C 8375参照)と称する埋込型の配線器具の施工時に用いる取付枠(金属製取付枠、合成樹脂製取付枠)に3個まで取着可能な寸法に形成してある。つまり、調光器の器体1の短手方向の寸法は上記取付枠の取付窓の長手方向の寸法の略3分の1の寸法になる。この寸法を大角連用形の配線器具と同様に、「1個モジュール寸法」と呼ぶ。
【0004】
カバー20’は、長手方向の中央部に形成された突台23’と、突台23’の両側にそれぞれ形成された肩部22’,22’とで構成されている。
【0005】
組立枠100は、図30に示すように、一対の枠片100a,100aの左端部同士および右端部同士をそれぞれ側片100b,100bで連続一体に結合することによって、カバー20’の突台23’の前面を露出させる長方形状の開口窓102を中央部に備えた横長の矩形枠状に形成されている。ここに、各側片100b,100bの後面はそれぞれカバー20’の肩部22’、22’の前面に当接する。組立枠100の各側片100bそれぞれの側縁には、合成樹脂製取付枠に設けられた器具取付用の保持孔に係止可能な取付爪105が2つずつ突設されている。また、各側片100bの開口窓102に臨む内側縁からは、突台23’の長手方向の両側面に当接する当接片103が前方に向かって突設され、各当接片103には金属製取付枠に設けられた器具取付用の保持爪が係合可能な保持孔104が形成されている。組立枠100の各枠片100a,100aの側縁からは組立片101が延設され、組立片101には、ボディ10’の短手方向の両側面に形成してある組立突起11’に係合可能な組立孔101aが形成されている。要するに、ボディ10’の前縁とカバー20’の後縁とを当接させた状態で組立枠100の組立片101を折曲して、組立片101に設けた組立孔101aをボディ10の組立突起11’に係合させることによりボディ10’とカバー20’とが結合されている。
【0006】
ボディ10’の内部空間は図27に示すように長手方向において2室に区画され、左側の区画は端子が収納される端子収納室13’となり、右側の区画はトライアックQ1などが収納される回路収納室14’となっている。ここに、回路収納室14’は端子収納室13’よりも深く形成されている。なお、端子収納室13’と回路収納室14’とは仕切壁12’により区切られている。
【0007】
端子収納室13’には、端子板15’と、器体1’の後壁に形成された電線挿入口13a’を通して器体1’に挿入された電線を端子板15’との間に保持する鎖錠ばね16’とが2個ずつ収納され、2個の鎖錠ばね16’に跨って1個の解除釦(図示せず)が収納されている。ここに、電線挿入口13a’は2つ形成されている。また、端子板15’と鎖錠ばね16’と解除釦とでいわゆる速結端子を構成している。
【0008】
回路収納室14’には、上述のトライアックQ1などが実装された第1のプリント配線板41’が収納され、回転式の可変抵抗VR、電源スイッチとしてのマイクロスイッチSWなどが前面に実装された第2のプリント配線板42’により前面開口を塞いである。第1のプリント配線板41’と第2のプリント配線板42’とは複数本のリード線(図示せず)により接続されている。第1のプリント配線板41’は、仕切壁12’に沿って配設され、第2のプリント配線板42’は、回路収納室14’の前面開口を塞ぐように配設されている。つまり、第1のプリント配線板41’と第2のプリント配線板42’とは略直交する形で配設されている。トライアックQ1は、L字状の放熱板30’が固着された状態で第1のプリント配線板41’に実装されている。放熱板30’は、トライアックQ1が固着された固定片31’がボディ10’の回路収納室14’の後壁に沿って配設され、固定片31’の一端部から曲成された放熱片32’がボディ10’の長手方向の一側壁に沿って配設されている。
【0009】
なお、上述の調光器において放熱性を向上させるためにボディ10’に複数のスリットを貫設したものも提案されている。
【0010】
ところで、カバー20’は、突台23’の略中央に、図31に示すように円形状の開口窓26’が形成されており、可変抵抗VRを操作するためのつまみ60’の一部が前面から露出している。つまみ60’は、図32に示すような有底円筒状に形成されており、可変抵抗VRの操作軸50が挿入嵌合されている。
【0011】
つまみ60’は、器体1’内に位置する後部に鍔片62’が突設され、可変抵抗VRの操作軸50を回転させて照明負荷の光出力をほぼ最小としたときにマイクロスイッチSWのレバー53に当接してマイクロスイッチSWをオフにするオフ操作部63’が鍔片62’の後面から突設されている。また、カバー20’の突台23’の後面には、つまみ60’の回転範囲を規制するための回転範囲規制リブ20d’(図31(c)参照)が突設されており、つまみ60’の鍔片62’の前面には、マイクロスイッチSWがオフとなる位置までつまみ60’が操作されたときに回転範囲規制リブ20d’に当接する位置決めリブ65’が突設されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の調光器は、ボディ10’とカバー20’とを結合するために図30に示すような組立枠100を必要とし、組立枠100の構造が複雑であり、組立作業性が悪いとともに部品点数が増えて低コスト化が難しいという不具合があった。
【0013】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、組立作業が容易で低コスト化が可能な調光器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、JISで規格化された大角形連用配線器具用の取付枠に取り付け可能な調光器であって、照明負荷の光出力を設定する設定部と、設定部の設定に応じて照明負荷の光出力を調節する調光回路と、少なくとも調光回路を構成する部品が収納された器体と、前記器体の前面から一部が露出し前記設定部を操作するつまみとを備え、前記器体の寸法は、前記取付枠の取付窓から器体の前面が露出する形で前記取付枠に最大3個まで連設して取り付けることができる単位寸法の配線器具の1個分に相当する寸法に形成され、前記器体は箱状であって、前面開口したボディとボディの前面側に結合される後面開口したカバーとからなり、カバーの短手方向の両側壁の後縁から後方に向かって延設した組立片に設けた組立孔とボディの短手方向の両側面に突設した組立突起との凹凸係合によりボディとカバーとが結合され、カバーには、前記取付枠に取り付けるための取付部が形成され、前記調光回路が交流電源と前記照明負荷との間に挿入される双方向性3端子サイリスタを備え、少なくとも前記双方向性3端子サイリスタが実装された第1のプリント配線板と、少なくとも前記設定部が実装された第2のプリント配線板とを備え、前記第2のプリント配線板と前記第1のプリント配線板とは前記器体内において前後方向に離間して配設され、前記第1のプリント配線板よりも前方に配設される前記第2のプリント配線板は、前後方向において前記第1のプリント配線板に重複する部位の一部に切欠部が形成され、前記双方向性3端子サイリスタは、前記第1のプリント配線板に立設されるとともに固定ねじにより放熱板が固着され、前記放熱板は、前記切欠部を通して前記カバーの内部空間まで延長されてなることを特徴とするものであり、コンセントやスイッチなどの埋込型の配線器具と同じ施工方法で施工することができ施工作業が容易になるとともに、コンセントやスイッチなどの埋込型の配線器具と連設することができ、また、ボディとカバーとを従来のような金属製の組立枠を用いずに簡単に結合することができるので、部品点数が削減され、組立作業の容易になるとともに低コスト化を図ることができる。また、前記双方向性3端子サイリスタの発熱によりボディの内部空間の温度が上昇すると、前記ボディの内部空間と前記カバーの内部空間との間で前記切欠部を通した空気対流が起こるから、従来のようにボディにスリットを設けることなしに放熱効果を向上させることができる。さらに、放熱板が切欠部を通してカバーの内部空間まで延長されているので、器体内の空気対流を促進することができ、放熱性をより向上させることができる。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ボディの前縁と前記カバーの後縁との一方に逆組防止用凸部が突設され他方に逆組防止用凸部に合致する逆組防止用凹部が形成され、前記逆組防止用凸部および前記逆組防止用凹部それぞれは前記器体の長手方向を左右方向とするとき左右非対称に形成されているので、組立時にボディとカバーとの逆組を防止することができる。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記調光回路は、交流電源と前記照明負荷との間に挿入される双方向性3端子サイリスタと、前記交流電源と前記照明負荷との直列回路と前記双方向性3端子サイリスタとの間に挿入される電源スイッチとを備え、前記つまみは、前記カバーの後面に摺接する鍔片と、該鍔片から突設され前記照明負荷への供給電力を最小にするように前記設定部を操作したときに電源スイッチをオフに操作するオフ操作部とを備え、前記オフ操作部の前面には、位置決め溝が形成され、カバーの後面側には、前記電源スイッチがオフとなる位置まで前記つまみが操作されたときに前記位置決め溝に係脱自在に係合する係合突起が突設されているので、前記つまみを操作することにより電源スイッチを連動させて操作することができ、一つのつまみで設定部と電源スイッチとの両方を操作することができ、操作が容易になり、しかも、電源スイッチがオフとなる位置までつまみを操作したときには、係合突起と位置決め溝とが係合するから、クリック感を得ることができ、照明負荷の消し忘れを防止することができる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記ボディの内部空間は、器体の長手方向において、一対の端子が収納される端子収納室と、前記調光回路の構成部品の一部が収納される回路収納室とに区画され、前記各端子は、ボディにおける回路収納室の後壁に設けた電線挿入口から挿入された電線が当接する端子板と、端子板との間に前記電線を保持する鎖錠ばねと、電線の引き抜き時に鎖錠ばねによる電線の保持力を弱めるための解除釦とからなり、前記ボディは、前記器体の長手方向を左右方向として前記器体を上下に関する正規の取り付け方向で前記取付枠に取り付けられたときに当該ボディの後面において左側となる部位に前記電線挿入口が設けられているので、コンセントやスイッチなどの埋込型の配線器具と連設する場合に、これらの配線器具の器体では後面における左側の部位に送り端子用の電線挿入口が形成されていることが多いから、送り配線がしやすくなるとともに、送り配線用の電線の長さを短くすることができ、取付枠を埋め込みボックスに取り付けたときに埋め込みボックス内に電線をすっきりと収めることができる。
【0020】
請求項の発明は、請求項の発明において、前記ボディの内部空間は、器体の長手方向において、一対の端子が収納される端子収納室と、前記調光回路の構成部品の一部が収納される回路収納室とに区画され、前記回路収納室が前記端子収納室よりも深く形成され、前記放熱板の一部が、前記回路収納室の周壁のうち前記回路収納室の後壁と前記端子収納室の後壁とを連続一体に連結する部位に沿って配設されているので、コンセントやスイッチなどの埋込型の配線器具と連設した場合でも、前記回路収納室の周壁のうち前記回路収納室の後壁と前記端子収納室の後壁とを連続一体に連結する部位は連設された配線器具により塞がれることがないから、前記双方向性3端子サイリスタで発生した熱を当該部位を通して放熱させることができる。
【0021】
請求項の発明は、請求項の発明において、前記調光回路は交流電源と前記照明負荷との間に挿入される双方向性3端子サイリスタを備え、前記放熱板は、L字状に形成され、前記ボディの短手方向の一側壁に沿って配設され前記双方向性3端子サイリスタが固着される固定片と、前記回路収納室の周壁のうち前記回路収納室の後壁と前記端子収納室の後壁とを連続一体に連結する部位に沿って配設される放熱片とからなるので、放熱性が向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】
本実施形態の調光器を図1乃至図16を参照しながら説明する。双方向性3端子サイリスタ(以下、トライアックという)を備え、トライアックを位相制御することにより照明負荷への供給電力を制御し、照明負荷の光出力の調節を可能とした
本実施形態の調光器は、器体1の前面から露出するつまみ60を操作することで器体1内に収納されたトライアックQ1を位相制御することにより照明負荷La(図16参照)への供給電力を制御し、照明負荷Laの光出力を調節するものである。
【0023】
器体1は箱状であって、合成樹脂製(例えば、メラミンフェノール樹脂のような熱硬化性樹脂製)の前面開口したボディ10と、ボディ10の前面側に結合される後面開口した合成樹脂製のカバー20(例えばPC−ABS樹脂のような熱可塑性樹脂製)とにより形成される。カバー20の短手方向の両側壁の後縁からは後方に向かってそれぞれ2つ組立片21が延設され、組立片21に設けた組立孔21aがボディ10の短手方向の両側面に2つずつ形成してある組立突起11にそれぞれ係合することによりボディ10とカバー20とが結合される。組立突起11にはボディ10からの突出寸法をカバー20に近い側ほど小さくする誘導面11aが形成され、カバー20をボディ10に近づけるように力を作用させるだけで組立片21が誘導面11aに沿って撓み、組立片21が組立突起11に簡単に結合されるようにしてある。すなわち、カバー20とボディ10とは組立片21に設けた組立孔21aと組立突起11との凹凸係合により結合されるようになっている。ここに、組立片21と組立突起11との組は4組設けられているので、カバー20とボディ10とは4箇所で結合されることになる。
【0024】
したがって、カバー20とボディ10とを従来のような組立枠100(図30参照)を用いずに簡単に結合することができる。また、従来の調光器では、図29に示すようにボディ10’の短手方向の両側面に金属製の組立枠100の組立片101に設けた組立孔101aに係合する組立突起11’を突設していたが、組立片101を折曲することにより組立孔101aと組立突起11’とを凹凸係合させる必要があるので、ボディ10’の両側面からの組立突起11’の突出寸法を比較的大きくする必要があり、組立突起11’の突出寸法の分だけ回路収納室14’(図27参照)の内部空間が狭くなっていた。
【0025】
これに対し、本実施形態の調光器では、上述のように、カバー20をボディ10に近づけるように力を作用させるだけで組立片21が誘導面11aに沿って撓み、組立片21が組立突起11に簡単に結合されるようにしてあるので、ボディ10の両側面に設けた組立突起11の突出寸法を従来の調光器の組立突起11’の突出寸法に比べて小さくすることができるので、回路収納室14の内部空間を上述の従来の調光器に比べて広くとれ、放熱性を向上させることができる。なお、図1(a)における上下方向を上下方向、図1(a)における左右方向を左右方向とすると、組立片21はカバー20の左右両端部における上下にそれぞれ設けられていることになる。
【0026】
カバー20の短手方向の両側壁の後縁における2つの組立片21の間の部位からは後方に向かって逆組防止用凸部20a(図1(b)および図6参照)が延設されており、ボディ10の短手方向の両側壁の前縁に設けた逆組防止用凹部10a(図1(a)および図10参照)に嵌合することにより、ボディ10に対するカバー20のがたつきを防止できるとともに、落下などに対する耐衝撃性を高めることができる。ここに、逆組防止用凸部20aの長手方向における中央は当該逆組防止用凸部20aが延設された側壁の後縁の長手方向における中央よりも左側にずらしてある。また、逆組防止用凹部10aの長手方向における中央は当該逆組防止用凹部10aが形成された側壁の前縁の長手方向における中央よりも左側にずらしてある。したがって、ボディ10へカバー20を結合する際の逆組みを防止することができる。なお、本実施形態では、カバー20の後縁に逆組防止用凸部20aが突設され、ボディ10の前縁に逆組防止用凸部20aに合致する逆組防止用凹部10aが形成され、逆組防止用凸部20aおよび逆組防止用凹部10aそれぞれが、器体1の長手方向を左右方向とするとき左右非対称に形成されているが、ボディ10の前縁に逆組防止用凸部を突設してカバー20の後縁に逆組防止用凸部に合致する逆組防止用凹部を形成してもよい。
【0027】
器体1の寸法は、大角形連用配線器具用の取付枠(JIS C 8375参照)と称する埋込型の配線器具の施工時に用いる取付枠(金属製取付枠、合成樹脂製取付枠)に3個まで取着可能な単位寸法に形成してある。すなわち、器体1の短手方向の寸法は、上記埋込型の配線器具の施工時に用いる取付枠(金属製取付枠、合成樹脂製取付枠)に3個まで取着可能な寸法に形成してある。つまり、本実施形態の調光器の器体1の短手方向の寸法は上記取付枠の取付窓の長手方向の寸法の略3分の1の寸法になる。この寸法を大角連用形の配線器具と同様に、「1個モジュール寸法」と呼ぶ。
【0028】
カバー20は、長手方向の中央部に形成された突台23と、突台23の両側にそれぞれ形成された肩部22,22とで構成され、突台23の両側面には、図17に示す金属製取付枠70の取付窓70aを囲む部位に設けた保持爪78a,78b(固着用つめ部)が係合可能な係止孔(固着用係止部)24が形成され、各肩部22,22の側面には、図18および図19に示す合成樹脂製取付枠80の取付窓80aを囲む部位に設けた保持孔88a,88bに係合可能な取付爪25がそれぞれ一対ずつ突設してある。
【0029】
金属製取付枠70は、図17に示すように、一対の枠片71a,71bの上端部同士および下端部同士をそれぞれ横片72,72で連続一体に結合することによって、器体1の前面(突台23の前面)を露出させる長方形状の取付窓70aを中央部に備えた縦長の矩形枠状に形成されている。金属製取付枠70の各横片72には、壁面などの造営面に埋込配置された埋め込みボックスに取り付けるためのねじが挿通されるボックス用孔73と、壁面などの造営面に直付けするためのねじが挿通されるねじ挿通孔74と、化粧プレートを取り付けるためのプレートねじが螺着されるプレートねじ孔76とが設けてある。また、各横片72には、造営面を形成する壁パネルなどに取り付ける際に使用するはさみ金具を係止するはさみ金具係止孔75が設けてある。取付窓70aの長手方向に沿った両枠片71a,71bには、カバー20の突台23の両側面に設けられた係止孔24,24と係合する保持爪78a,78bがそれぞれ設けてある。このうち一方の枠片71bにおいては、上記保持爪78bを幅細の支持片79,79で両側から支持するようにしてある。すなわち、器体1を金属製取付枠70に取り付ける際には、他方の枠片71aの保持爪78aを先に器体1の係止孔24に係合させ、マイナスドライバなどの工具を使って上記一方の枠片71bの保持爪78bを器体1の係止孔24に係合させることにより、器体1を金属製取付枠70に取り付けるようになっている。なお、金属製取付枠70には器体1を長手方向に直交する方向に3個並べて取り付けることができるように、一対の保持爪78a,78bを3組設けてある。
【0030】
合成樹脂製取付枠80は、絶縁性を有し、図18および図19に示すように、一対の枠片81a,81bの上端部同士および下端部同士をそれぞれ横片82,82で連続一体に結合することによって、器体1の前面(突台23の前面)を露出させる長方形状の取付窓80aを中央部に備えた縦長の矩形枠状に形成されている。合成樹脂製取付枠80の各横片82には、壁面などの造営面に埋込配置された埋め込みボックスに取り付けるためのねじが挿通されるボックス用孔83と、壁面などの造営面に直付けするためのねじが挿通されるねじ挿通孔84と、化粧プレートを取り付けるためのプレートねじが螺着されるプレートねじ孔86とが設けてある。また、各横片82には、造営面を形成する壁パネルなどに取り付ける際に使用するはさみ金具を係止するはさみ金具係止孔85が設けてある。取付窓80aの長手方向に沿った両枠片81a,81bに、それぞれ器体1の両側面に各一対ずつ突設された取付爪25が係合する保持孔88a,88bを有し、一方の枠片81bには他方の枠片81aとの距離を変えるように撓むことができる操作片87が形成される。合成樹脂製取付枠80に器体1を取り付けるときには、合成樹脂製取付枠80の後方から器体1を合成樹脂製取付枠80に押し付けるようにすれば操作片87が撓んで、突台23の前面を取付窓80aから露出させた形で合成樹脂製取付枠80に器体1を取着することができる。一方、合成樹脂製取付枠80から器体1を取り外すには、操作片87をマイナスドライバなどの先端部でこじればよい。なお、化粧プレートには、器体1の突台23を露出させる窓孔が形成されている。
【0031】
要するに、カバー20には、金属製取付枠70に取り付けるための係止孔24と合成樹脂製取付枠80に取り付けるための取付爪25とが形成されている。しかも、カバー20の短手方向の両側壁の後縁から後方に向かって突設された合計4つの組立片21にそれぞれ設けた組立孔21aがボディ10の短手方向の両側面に形成してある合計4つの組立突起11にそれぞれ係合することによりボディ10とカバー20とが結合されるので、従来のような金属製の組立枠100が不要であり、部品点数を削減できるとともに組立作業が容易になり、コンセントやスイッチなどの埋込型の配線器具と同じ施工方法で施工することができ施工作業が容易になるとともに、コンセントやスイッチなどの埋込型の配線器具と連接することができる。しかも、4箇所で組立片21の組立孔21aに組立突起11が係合しているので、カバー20のボディ10に対する結合強度を向上させることができる。
【0032】
ボディ10の内部空間は長手方向において2室に区画され、図2における右側の区画は端子が収納される端子収納室13となり、左側の区画は回路収納室14となっている。ここに、端子収納室13と回路収納室14とは、ボディ10の長手方向の中間部に設けた仕切壁12により分けられている。なお、仕切壁12は、ボディ10の右側壁よりもボディ10の後壁からの突出寸法がやや小さく設定されている。
【0033】
端子収納室13には、2個の端子板15(図2参照)と2個の鎖錠ばね16(図2参照)と解除釦(図示せず)とからなる一対の端子が収納される。また、端子収納室13に対応するボディ10の後壁には、図3に示すように、一対の電線挿入口13a,13aが貫設され、一対の電線挿入口13a,13aの近傍には1個の解除孔13bが貫設される。鎖錠ばね16は、弾性を有する導電性金属の帯板の両端部をそれぞれ曲成することにより、中央片16cの両端部に鎖錠片16aと接触片16bとをそれぞれ形成したものである。鎖錠片16aはJ字状に曲成され、中央片16cとの連結部位から先端に向かって中央片16cとの距離を広げるように傾斜する。また、接触片16bはS字状に曲成され、中央片16cの厚み方向に弾性を有している。
【0034】
一方、各端子板15は、全体形状としてはコ字状であって、中央片の両端部に互いに対向する押え片15bおよび当接片15cを備える。鎖錠ばね16の中央片16cは平板状であり、端子板15の当接片15cに当接し、鎖錠片16aおよび接触片16bを押え片15bに対向させる。端子板15および鎖錠ばね16と電線挿入口13aとの位置関係は、電線挿入口13aから器体1に導入される電線が鎖錠ばね16の鎖錠片16aおよび接触片16bと端子板15の押え片15bとの間に挿入されるように設定されている。したがって、器体1に電線が挿入されると、鎖錠片16aおよび接触片16bと端子板15の押え片15bとの間で電線が挟持され、鎖錠片16aの先端が電線の芯線に食い込んで抜け止めがなされるとともに、鎖錠片16aおよび接触片16bによって電線の芯線と端子板15との電気的接続がなされる。鎖錠ばね16のばね力を利用して端子ねじを用いることなく電線を接続することができるこの種の構造の端子は速結端子と呼ばれている。速結端子において電線の機械的接続状態および電気的接続状態として所要の性能を得るには、電線挿入口13aへの電線の挿入量を一定にする必要がある。そこで、電線の絶縁被覆を剥ぐ量が一定であるか否かを簡単に確認することができるように、ボディ10の後面にはゲージ溝17(図2および図3参照)が形成されている。絶縁被覆を剥ぐときには電線の端部をゲージ溝17に合わせて絶縁被覆を剥ぐ量を確認すればよい。
【0035】
上述の解除釦は、熱硬化性樹脂(例えば、ユリア樹脂)を用いて形成され、後部を解除孔13bに臨ませる形でボディ10の端子収納室13に収納される。解除釦の一部は鎖錠ばね16の鎖錠片16aに接触可能であって、解除孔13bを通してマイナスドライバのような工具の先端部で解除釦を押操作すれば、鎖錠片16aを端子板15の押え片15bから引き離して電線の保持力を弱め、この状態で電線を引き抜くことができる。ここに、解除釦は各端子板15に対応する一対の鎖錠ばね16に跨るように配置され、各端子板15に対応する2個の鎖錠ばね16の鎖錠片16aを同時に押すことができるようになっている。
【0036】
また、回路収納室14には、後述のチョークコイルLや、トライアックQ1などが実装された図12に示す第1のプリント配線板41が収納される。ボディ10の左端部には、ボディ10の短手方向の両側壁よりもボディ10の後壁からの突出寸法がやや小さく仕切壁12と同じ突出寸法に設定された支持壁18aがボディ10の短手方向の両側壁に連続一体に形成され、ボディ10の右端部には、ボディ10の短手方向の両側壁よりもボディ10の後壁からの突出寸法がやや小さく前縁が仕切壁12の前縁と同一平面上に揃うように突出寸法が設定された支持壁18bがボディ10の周壁に沿って周壁に連続一体に形成されている。器体1内には、後述のマイクロスイッチSW、可変抵抗VRなどが前面に実装された図13に示す第2のプリント配線板42が収納されるが、第2のプリント配線板42の外周形状は、ボディ10の内周形状に沿った形状に形成されており、第2のプリント配線板42は、ボディ10の支持壁18a.18bおよび仕切壁12により支持される。ここに、第2のプリント配線板42は、図2に示すように複数本のリード線45(図2では3本しか図示されていないが、実際には5本のリード線45)により第1のプリント配線板41と電気的に接続され、第1のプリント配線板41とともに図11に示すような回路ブロックを構成する。ここに、第2のプリント配線板42には、上述の端子板15の押え片15bの前縁から延設された接続片15dが半田付けされる。なお、図11に示した回路ブロックでは、リード線45、端子板15、後述のサージアブソーバZNRの図示を省略してある。
【0037】
回路ブロックには、図16に示すような回路が構成される。上述の一対の速結端子間には、例えば図16中に一点鎖線で示すように、白熱灯などの照明負荷Laと商用電源ACとの直列回路が上述の電線によって接続される。
【0038】
回路ブロックに構成される回路は、一対の速結端子間に、電源スイッチたるマイクロスイッチSWを介して電力制御素子としてのトライアックQ1とノイズフィルタを構成するチョークコイルLとの直列回路が挿入され、この直列回路にはチョークコイルLとともにノイズフィルタを構成するコンデンサC1が並列接続される。マイクロスイッチSWには抵抗R2と発光ダイオードLEとの直列回路が接続され、発光ダイオードLEにはダイオードDが逆並列に接続される。トライアックQ1の導通角は、集積回路よりなる制御部3により制御される。ここに、制御部3は、6個の端子P1〜P6を有し、2個の端子P1,P3がそれぞれトライアックQ1のT2端子,T1端子にそれぞれ接続され、1個の端子P3がトライアックQ1のゲートにそれぞれ接続される。さらに、2個の端子P4,P5間に可変抵抗VRが接続され、端子P5,P6間に抵抗R1が接続される。ここに、可変抵抗VRは、スライダ端子が制御部3の端子P5に接続されるので、可変抵抗VRを操作すると端子P5,P6間の電圧が変化する。制御部3は、端子P5,P6間の電圧値に応じてトライアックQ1の導通角を変化させるので、可変抵抗VRを操作するつまみ60を操作することにより、照明負荷Laの光出力を調節することができる。ここに、可変抵抗VRと抵抗R1とで照明負荷Laの光出力を設定する設定部を構成し、トライアックQ1と制御部3とで照明負荷Laの光出力を調節する調光回路を構成している。なお、上述の速結端子間には、サージ吸収素子としてのサージアブソーバZNRが接続されている。
【0039】
ところで、可変抵抗VRは、回転式であって、操作軸50には有底円筒状のつまみ60(図1、図2および図14参照)が嵌合される。つまみ60は後端部に鍔片62を有し、カバー20の突台23の前壁の略中央には、つまみ60を露出させるための円形状の開口窓26(図4、図6および図9参照)が貫設される。カバー20の突台23の前壁の後面には、開口窓26の周部の全周に亘って操作摘子60の鍔片62を案内する案内溝20bが形成されている。可変抵抗VRの操作軸50の先端面とつまみ60の前壁の後面から後方に向かって突設されたリブ64(図2参照)の後縁との間には鍔片62の前面と案内溝20bの底面との間に隙間が形成するのを防ぐ弾性材料よりなる隙間防止部材51が挟持される。したがって、鍔片62の前面と案内溝20bの底面との間に隙間が形成されるのを防ぐことができるとともに、カバー20に対するつまみ60のがたつき防止することができる。
【0040】
ここに、つまみ60は、操作軸50を回転させて照明負荷Laの光出力をほぼ最小としたときに図15に示すようにマイクロスイッチSWのレバー53に当接してマイクロスイッチSWをオフにする逆L字状のオフ操作部63が鍔片62の後面から突設されている(図14参照)。したがって、つまみ60を操作して照明負荷Laの光出力を調光し、調光量を小さくすればマイクロスイッチSWをオフにすることができ、1つのつまみ60で可変抵抗VRとマイクロスイッチSWとを連動して操作することができるのである。
【0041】
カバー20の突台23の前面には、開口窓26の周部に、つまみ60の回転位置による照明負荷への供給電力やマイクロスイッチSWがオフされる位置などを示す表記がなされ、つまみ60に形成した指示溝61が図1(a)のイの表記を指している場合には、マイクロスイッチSWがオフしていることを示し(つまり、照明負荷Laが消灯していることを示し)、指示溝61が図1(a)のハの表記を指している場合には、照明負荷Laの光出力がほぼ最大であることを示し、指示溝61が図1(a)のロの位置を指している場合には、照明負荷Laの光出力がほぼ最小であることを示す。したがって、照明負荷Laの光出力の大小をつまみ60の回転度合で視認することができる。
【0042】
ところで、従来の調光器では、図31(c)に示すようにカバー20’の突台23’の後面に、つまみ60’の回転範囲を規制するための回転範囲規制リブ20d’を突設し、図32に示すようにつまみ60’の鍔片62’の前面にマイクロスイッチSWがオフとなる位置までつまみ60’が操作されたときに回転範囲規制リブ20d’に当接する位置決めリブ65’が突設されているが、マイクロスイッチSWがオフとなる位置までつまみ60’を回転させてもわずかなクリック感しか得られないので、照明負荷を消灯させるためにつまみ60’を回転させたつもりでも実際にはマイクロスイッチSWがオフしていないことがあった。
【0043】
これに対し、本実施形態の調光器では、オフ操作部63の前面には断面U字状の位置決め溝63aが形成され、カバー20の突台23の前壁の後面には、マイクロスイッチSWがオフとなる位置(つまり、つまみ60の指示溝61が図1(a)のイを指す位置)までつまみ60が操作されたときに位置決め溝63aに係脱自在に係合する係合突起27(図6および図9参照)が突設されている。したがって、マイクロスイッチSWがオフとなる位置までつまみ60を操作したときには、係合突起27と位置決め溝63aとが係合するから、クリック感を得ることができ、マイクロスイッチSWのオンオフを操作感触で識別可能となり、操作性が向上し、照明負荷Laの消し忘れ(照明負荷Laへ通電させた状態)を防止することができる。なお、突台23の後面には、つまみ60の回転範囲を規制するための回転規制リブ28が突設されているので、つまみ60が必要以上に回転するのを防ぐことができ、可変抵抗VRに過負荷がかかるのを防止することができる。
【0044】
ところで、カバー20の突台23には、カバー20をボディ10に結合したときに発光ダイオードLEに対応する部位に円形状の表示窓29が貫設され、突台23の後面には突台23の周部に発光ダイオードLEを案内するためのガイド壁29a(図2および図9参照)が後方に向かって突設される。
【0045】
また、上述のトライアックQ1は、アルミニウムよりなる放熱板30が固着された状態で第1のプリント配線板41に実装される。放熱板30は、全体形状としては、L字状であって、第1のプリント配線板41に立設されてボディ10の短手方向の一方の側壁に対向しトライアックQ1が固定ねじ34を用いて固着される固定片31と、回路収納室14の周壁のうち回路収納室14の後壁と端子収納室13の後壁とを連結一体に連結する部位および仕切壁12に沿って配設される放熱片32とを備える。固定片31は、第2のプリント配線板42の短手方向の一側縁に形成した切欠部42aを通してカバー20内まで延長される。要するに、固定片31は、第2のプリント配線板42とボディ10の周壁との間に形成された隙間を通してカバー20内まで延長される。
【0046】
ところで、従来の調光器では、図27に示すように、第2のプリント配線板42’によってボディ10’の回路収納室14’の前面開口が覆われており、トライアックQ1で発生した熱が回路収納室14’にこもりやすいので、放熱性を向上させるためにボディ10’の周壁にスリットを貫設したものが提案されている。しかしながら、ボディ10’の周壁にスリットを貫設すると器体1内にごみや埃などが入り込んでしまうという不具合があった。また、従来より、1枚のプリント配線板に回路部品を全部実装したものも提案されているが、この場合にも放熱板はボディに収納され、ボディにスリットを貫設してある。
【0047】
これに対して、本実施形態では、トライアックQ1の発熱によりボディ10の内部空間の温度が上昇すると、上記切欠部42aを通した空気対流が起こるから、ボディ10にスリットを設けることなしに放熱効果を向上させることができ、第1のプリント配線板41に実装される部品を密集して実装することが可能になる。
【0048】
また、第2のプリント配線板42と第1のプリント配線板41とを器体1の前後方向に離間して配置してあり、トライアックQ1のように発熱しやすい部品はボディ10に収納される第1のプリント配線板41に実装し、カバー20に収納される第2のプリント配線板42には比較的発熱の少ない部品しか実装していない。しかも、第2のプリント配線板42は、複数本のリード線45のうちの2本のリード線45をそれぞれ第2のプリント配線板42の前方へ通すための切欠部42bが形成されている。さらに器体1内の放熱効果を高めるために第2のプリント配線板42のうちボディ10の回路収納室14に対応する部位の左右方向の幅を第1のプリント配線板41の左右方向の幅よりも小さく設定してあるので、第2のプリント配線板41の左端縁とボディ10の長手方向の側壁との間に隙間47が形成される。したがって、器体1内部の空気対流により放熱効果が向上する。
【0049】
また、回路収納室14の周壁のうち回路収納室14の後壁と端子収納室13の後壁とを連結一体に連結する部位は、上記取付枠(金属製取付枠70、合成樹脂製取付枠80)に3個連設して使用される場合でも、図20ないし図22に示すように、隣りの調光器の器体1によって塞がれることがないので、回路収納室14の周壁のうち回路収納室14の後壁と端子収納室13の後壁とを連結一体に連結する部位を通して効率良く放熱されるから、放熱性が向上する。
【0050】
また、スイッチやコンセントなどの埋込型の配線器具と連設した場合にも、回路収納室14の周壁のうち回路収納室14の後壁と端子収納室13の後壁とを連結一体に連結する部位を通して効率良く放熱される。図23および図24には、埋込型の配線器具であり前面にハンドル90を備えたスイッチの器体1”と連設した例を示す。なお、図23および図24中の105は従来の調光器と同様の取付爪である。図23および図24に示したスイッチは、3路スイッチであって、スイッチの器体1”には、左右方向の両端部にそれぞれ速結端子が収納されており、後面における左側の電線挿入口13a”,13a”からそれぞれ挿入される電線は1個の端子板(以下、共通端子板と称す)に個別の鎖錠ばねにより接続される。また、後面における右側の電線挿入口13c”,13c”からそれぞれ挿入される電線はそれぞれ別の端子板に個別の鎖錠ばねにより接続される。このスイッチは、電線挿入口13c”,13c”から挿入される電線が接続される各端子板が、ハンドル90の押操作毎に交互に共通端子板と電気的に接続されるような接点部が器体1”に収納されている。つまり、電線挿入口13a”,13a”に対応した2つの鎖錠ばね(図示せず)の一方を送り配線用の端子として用いることができる。なお、スイッチの器体1”の後面の適宜部位には、接点部の構成を示す表記56が設けられている。
【0051】
これに対して、本実施形態の調光器におけるボディ10は、器体1の長手方向を左右方向として器体1を上下に関する正規の取り付け方向(マイクロスイッチSWがオフのときに表示溝61が下側に位置し突台23の前面の表記の上下が正常となる方向)で取付枠に取り付けたときにボディ10の後面における左側の部位に上述の電線挿入口13a,13aが設けられているので、送り配線がしやすくなるとともに、送り配線用の電線の長さを短くすることができ、取付枠を埋め込みボックスに取り付けたときに埋め込みボックス内に電線をすっきりと収めることができる。したがって、例えば図25に示すようにスイッチAと照明負荷La’との直列回路に本実施形態の調光器Bと照明負荷Laとの直列回路を並列接続するような場合の送り配線に用いる電線の長さを短くすることができる。
【0052】
なお、可変抵抗VRとしてはスライド式のものを用いてもよく、この場合にはカバー20の前面にスライド溝を形成し、スライド溝を通して可変抵抗VRの操作軸とつまみとを連結すればよい。このような構成にすれば、可変抵抗VRとして回転式のものを用いた場合に比べて、照明負荷の光出力の大小(調光レベル)を感覚的に認識しやすくなる。
【0053】
【発明の効果】
請求項1の発明は、JISで規格化された大角形連用配線器具用の取付枠に取り付け可能な調光器であって、照明負荷の光出力を設定する設定部と、設定部の設定に応じて照明負荷の光出力を調節する調光回路と、少なくとも調光回路を構成する部品が収納された器体と、前記器体の前面から一部が露出し前記設定部を操作するつまみとを備え、前記器体の寸法は、前記取付枠の取付窓から器体の前面が露出する形で前記取付枠に最大3個まで連設して取り付けることができる単位寸法の配線器具の1個分に相当する寸法に形成され、前記器体は箱状であって、前面開口したボディとボディの前面側に結合される後面開口したカバーとからなり、カバーの短手方向の両側壁の後縁から後方に向かって延設した組立片に設けた組立孔とボディの短手方向の両側面に突設した組立突起との凹凸係合によりボディとカバーとが結合され、カバーには、前記取付枠に取り付けるための取付部が形成され、前記調光回路が交流電源と前記照明負荷との間に挿入される双方向性3端子サイリスタを備え、少なくとも前記双方向性3端子サイリスタが実装された第1のプリント配線板と、少なくとも前記設定部が実装された第2のプリント配線板とを備え、前記第2のプリント配線板と前記第1のプリント配線板とは前記器体内において前後方向に離間して配設され、前記第1のプリント配線板よりも前方に配設される前記第2のプリント配線板は、前後方向において前記第1のプリント配線板に重複する部位の一部に切欠部が形成され、前記双方向性3端子サイリスタは、前記第1のプリント配線板に立設されるとともに固定ねじにより放熱板が固着され、前記放熱板は、前記切欠部を通して前記カバーの内部空間まで延長されてなるものであり、コンセントやスイッチなどの埋込型の配線器具と同じ施工方法で施工することができ施工作業が容易になるとともに、コンセントやスイッチなどの埋込型の配線器具と連設することができ、また、ボディとカバーとを従来のような金属製の組立枠を用いずに簡単に結合することができるので、部品点数が削減され、組立作業の容易になるとともに低コスト化を図ることができるという効果がある。また、前記双方向性3端子サイリスタの発熱によりボディの内部空間の温度が上昇すると、前記ボディの内部空間と前記カバーの内部空間との間で前記切欠部を通した空気対流が起こるから、従来のようにボディにスリットを設けることなしに放熱効果を向上させることができるという効果がある。さらに、放熱板が切欠部を通してカバーの内部空間まで延長されているので、器体内の空気対流を促進することができ、放熱性をより向上させることができるという効果がある。
【0054】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ボディの前縁と前記カバーの後縁との一方に逆組防止用凸部が突設され他方に逆組防止用凸部に合致する逆組防止用凹部が形成され、前記逆組防止用凸部および前記逆組防止用凹部それぞれは前記器体の長手方向を左右方向とするとき左右非対称に形成されているので、組立時にボディとカバーとの逆組を防止することができるという効果がある。
【0055】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記調光回路は、交流電源と前記照明負荷との間に挿入される双方向性3端子サイリスタと、前記交流電源と前記照明負荷との直列回路と前記双方向性3端子サイリスタとの間に挿入される電源スイッチとを備え、前記つまみは、前記カバーの後面に摺接する鍔片と、該鍔片から突設され前記照明負荷への供給電力を最小にするように前記設定部を操作したときに電源スイッチをオフに操作するオフ操作部とを備え、前記オフ操作部の前面には、位置決め溝が形成され、カバーの後面側には、前記電源スイッチがオフとなる位置まで前記つまみが操作されたときに前記位置決め溝に係脱自在に係合する係合突起が突設されているので、前記つまみを操作することにより電源スイッチを連動させて操作することができ、一つのつまみで設定部と電源スイッチとの両方を操作することができ、操作が容易になり、しかも、電源スイッチがオフとなる位置までつまみを操作したときには、係合突起と位置決め溝とが係合するから、クリック感を得ることができ、照明負荷の消し忘れを防止することができるという効果がある。
【0056】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記ボディの内部空間は、器体の長手方向において、一対の端子が収納される端子収納室と、前記調光回路の構成部品の一部が収納される回路収納室とに区画され、前記各端子は、ボディにおける回路収納室の後壁に設けた電線挿入口から挿入された電線が当接する端子板と、端子板との間に前記電線を保持する鎖錠ばねと、電線の引き抜き時に鎖錠ばねによる電線の保持力を弱めるための解除釦とからなり、前記ボディは、前記器体の長手方向を左右方向として前記器体を上下に関する正規の取り付け方向で前記取付枠に取り付けられたときに当該ボディの後面において左側となる部位に前記電線挿入口が設けられているので、コンセントやスイッチなどの埋込型の配線器具と連設する場合に、これらの配線器具の器体では後面における左側の部位に送り端子用の電線挿入口が形成されていることが多いから、送り配線がしやすくなるとともに、送り配線用の電線の長さを短くすることができ、取付枠を埋め込みボックスに取り付けたときに埋め込みボックス内に電線をすっきりと収めることができるという効果がある。
【0059】
請求項の発明は、請求項の発明において、前記ボディの内部空間は、器体の長手方向において、一対の端子が収納される端子収納室と、前記調光回路の構成部品の一部が収納される回路収納室とに区画され、前記回路収納室が前記端子収納室よりも深く形成され、前記放熱板の一部が、前記回路収納室の周壁のうち前記回路収納室の後壁と前記端子収納室の後壁とを連続一体に連結する部位に沿って配設されているので、コンセントやスイッチなどの埋込型の配線器具と連設した場合でも、前記回路収納室の周壁のうち前記回路収納室の後壁と前記端子収納室の後壁とを連続一体に連結する部位は連設された配線器具により塞がれることがないから、前記双方向性3端子サイリスタで発生した熱を当該部位を通して放熱させることができるという効果がある。
【0060】
請求項の発明は、請求項の発明において、前記調光回路は交流電源と前記照明負荷との間に挿入される双方向性3端子サイリスタを備え、前記放熱板は、L字状に形成され、前記ボディの短手方向の一側壁に沿って配設され前記双方向性3端子サイリスタが固着される固定片と、前記回路収納室の周壁のうち前記回路収納室の後壁と前記端子収納室の後壁とを連続一体に連結する部位に沿って配設される放熱片とからなるので、放熱性が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図2】同上の断面図である。
【図3】同上の背面図である。
【図4】同上におけるカバーの正面図である。
【図5】同上におけるカバーの平面図である。
【図6】同上におけるカバーの断面図である。
【図7】同上におけるカバーの左側面図である。
【図8】同上におけるカバーの右側面図である。
【図9】同上におけるカバーの背面図である。
【図10】同上におけるボディの下面図である。
【図11】同上における回路ブロックを示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図12】同上における第1のプリント配線板を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図13】同上における第2のプリント配線板を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図14】同上におけるつまみを示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図15】同上におけるつまみとマイクロスイッチとの位置関係の説明図である。
【図16】同上の回路図である。
【図17】同上の器体を取付可能な金属製取付枠の斜視図である。
【図18】同上の器体を取付可能な合成樹脂製取付枠の斜視図である。
【図19】同上の器体を取付可能な合成樹脂製取付枠の正面図である。
【図20】同上の調光器を3個連設した場合の取付枠を省略した正面図である。
【図21】同上の調光器を3個連設した場合の取付枠を省略した側面図である。
【図22】同上の調光器を3個連設した場合の取付枠を省略した背面図である。
【図23】同上の調光器をスイッチと連設した場合の取付枠を省略した正面図である。
【図24】同上の調光器をスイッチと連設した場合の取付枠を省略した背面図である。
【図25】同上の調光器とスイッチとを連設した場合の送り配線の説明図である。
【図26】従来の調光器を示す正面図である。
【図27】同上の断面図である。
【図28】同上の側面図である。
【図29】同上の後方から見た斜視図である。
【図30】同上における組立枠を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は下面図である。
【図31】同上におけるボディを示し、(a)は正面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は下面図である。
【図32】同上におけるつまみを示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)は背面図である。
【符号の説明】
1 器体
10 ボディ
11 組立突起
11a 誘導面
20 カバー
21 組立片
21a 組立孔
24 係止孔
25 取付爪
60 つまみ

Claims (6)

  1. JISで規格化された大角形連用配線器具用の取付枠に取り付け可能な調光器であって、
    照明負荷の光出力を設定する設定部と、設定部の設定に応じて照明負荷の光出力を調節する調光回路と、少なくとも調光回路を構成する部品が収納された器体と、前記器体の前面から一部が露出し前記設定部を操作するつまみとを備え、前記器体の寸法は、前記取付枠の取付窓から器体の前面が露出する形で前記取付枠に最大3個まで連設して取り付けることができる単位寸法の配線器具の1個分に相当する寸法に形成され、前記器体は箱状であって、前面開口したボディとボディの前面側に結合される後面開口したカバーとからなり、カバーの短手方向の両側壁の後縁から後方に向かって延設した組立片に設けた組立孔とボディの短手方向の両側面に突設した組立突起との凹凸係合によりボディとカバーとが結合され、カバーには、前記取付枠に取り付けるための取付部が形成され
    前記調光回路が交流電源と前記照明負荷との間に挿入される双方向性3端子サイリスタを備え、少なくとも前記双方向性3端子サイリスタが実装された第1のプリント配線板と、少なくとも前記設定部が実装された第2のプリント配線板とを備え、前記第2のプリント配線板と前記第1のプリント配線板とは前記器体内において前後方向に離間して配設され、前記第1のプリント配線板よりも前方に配設される前記第2のプリント配線板は、前後方向において前記第1のプリント配線板に重複する部位の一部に切欠部が形成され、
    前記双方向性3端子サイリスタは、前記第1のプリント配線板に立設されるとともに固定ねじにより放熱板が固着され、前記放熱板は、前記切欠部を通して前記カバーの内部空間まで延長されてなることを特徴とする調光器。
  2. 前記ボディの前縁と前記カバーの後縁との一方に逆組防止用凸部が突設され他方に逆組防止用凸部に合致する逆組防止用凹部が形成され、前記逆組防止用凸部および前記逆組防止用凹部それぞれは前記器体の長手方向を左右方向とするとき左右非対称に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の調光器。
  3. 前記調光回路は、交流電源と前記照明負荷との間に挿入される双方向性3端子サイリスタと、前記交流電源と前記照明負荷との直列回路と前記双方向性3端子サイリスタとの間に挿入される電源スイッチとを備え、前記つまみは、前記カバーの後面に摺接する鍔片と、該鍔片から突設され前記照明負荷への供給電力を最小にするように前記設定部を操作したときに電源スイッチをオフに操作するオフ操作部とを備え、前記オフ操作部の前面には、位置決め溝が形成され、カバーの後面側には、前記電源スイッチがオフとなる位置まで前記つまみが操作されたときに前記位置決め溝に係脱自在に係合する係合突起が突設されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の調光器。
  4. 前記ボディの内部空間は、器体の長手方向において、一対の端子が収納される端子収納室と、前記調光回路の構成部品の一部が収納される回路収納室とに区画され、前記各端子は、ボディにおける回路収納室の後壁に設けた電線挿入口から挿入された電線が当接する端子板と、端子板との間に前記電線を保持する鎖錠ばねと、電線の引き抜き時に鎖錠ばねによる電線の保持力を弱めるための解除釦とからなり、前記ボディは、前記器体の長手方向を左右方向として前記器体を上下に関する正規の取り付け方向で前記取付枠に取り付けられたときに当該ボディの後面において左側となる部位に前記電線挿入口が設けられてなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の調光器。
  5. 前記ボディの内部空間は、器体の長手方向において、一対の端子が収納される端子収納室と、前記調光回路の構成部品の一部が収納される回路収納室とに区画され、前記回路収納室が前記端子収納室よりも深く形成され、前記放熱板の一部が、前記回路収納室の周壁のうち前記回路収納室の後壁と前記端子収納室の後壁とを連続一体に連結する部位に沿って配設されてなることを特徴とする請求項1記載の調光器。
  6. 前記調光回路は交流電源と前記照明負荷との間に挿入される双方向性3端子サイリスタを備え、前記放熱板は、L字状に形成され、前記ボディの短手方向の一側壁に沿って配設され前記双方向性3端子サイリスタが固着される固定片と、前記回路収 納室の周壁のうち前記回路収納室の後壁と前記端子収納室の後壁とを連続一体に連結する部位に沿って配設される放熱片とからなることを特徴とする請求項5記載の調光器
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