以下の実施形態は、一般に調光装置に関する。より詳細に、以下の実施形態は、電源回路及び信号生成回路を備える調光装置に関する。
本実施形態の調光装置について図1~図9を参照して説明する。
図1及び図2は、調光装置A1の構成を示す。図3及び図4に示すように、調光装置A1は、矩形枠状の取付枠6に取り付けられ、さらに調光装置A1の前面には化粧カバー7が取り付けられる。なお、以下の説明では、特に断りが無いかぎり、図1において上下左右前後の各方向を規定する。なお、本実施形態において言及する上下左右前後の各方向は、調光装置A1の説明のために便宜的に用いられており、調光装置A1の実施の形態を限定するために用いられていない。
調光装置A1は、図1に示すように、電源基板ユニット1と、制御基板ユニット2と、筐体3と、補助プレート4と、調光操作部5とを備える。
図5は、電源基板ユニット1及び制御基板ユニット2で構成される電気回路のブロック図を示す。なお、電源基板ユニット1と制御基板ユニット2との間は、電線の両端にコネクタをそれぞれ設けたワイヤハーネスWsによって電気的に接続される。
電源基板ユニット1は、電源端子台11、フィルタ12、整流回路13、DC電源回路14、信号端子台15、及びレセプタクル16を備える。そして、フィルタ12、整流回路13、DC電源回路14は、電源回路K1を構成する。電源基板ユニット1は、電圧が比較的高い強電系の回路(電源回路K1、電源端子台11など)を含んでおり、商用の交流電圧を主に扱う。
制御基板ユニット2は、DC変換回路21、マイクロコンピュータ22、調光用の可変抵抗器23、調光信号出力回路24、過電流検知回路25、及びレセプタクル26を備える。そして、DC変換回路21、マイクロコンピュータ22、調光信号出力回路24は、信号生成回路K2を構成する。制御基板ユニット2は、電圧が比較的低い弱電系の回路(信号生成回路K2など)を含んでおり、直流の低電圧を主に扱う。
電源端子台11は、一対の入力端子11a,11bを有している。一対の入力端子11a,11bには、一対の電源線W11,W12が接続される。一対の電源線W11,W12は、商用の電力系統に電気的に接続しており、一対の電源線W11,W12の線間には、交流電圧V1(実効値100V~240Vの範囲の交流電圧)が印加されている。したがって、一対の入力端子11a,11bの間にも交流電圧V1が印加される。
そして、一対の入力端子11a,11bは、電源回路K1に電気的に接続しており、電源回路K1は、交流電圧V1を直流電圧V3に変換する。
具体的に電源回路K1では、一対の入力端子11a,11bが、フィルタ12、及び整流回路13を介して、DC電源回路14に電気的に接続している。フィルタ12は、インダクタ及びコンデンサの両方、またはインダクタ及びコンデンサの一方を有しており、交流電圧V1からノイズ成分、高調波成分などの不要な成分を減衰させる。交流電圧V1は、フィルタ12を通過した後に、整流回路13によって全波整流(または半波整流)されて、整流電圧V2に変換される。整流回路13は、複数のダイオードを有するダイオードブリッジなどで構成される。
DC電源回路14は、整流電圧V2を直流電圧V3(例えば、13.5V)に変換する。本実施形態のDC電源回路14は、絶縁型のスイッチング電源回路であり、昇降圧チョッパ回路、または降圧チョッパ回路を構成している。なお、DC電源回路14の構成は、特定の構成に限定されず、絶縁型電源回路、非絶縁型電源回路、スイッチング電源回路、リニア電源回路、昇降圧チョッパ回路、降圧チョッパ回路、昇圧チョッパ回路などのいずれでもよい。直流電圧V3は、レセプタクル16、ワイヤハーネスWs、レセプタクル26を介して、信号生成回路K2に出力される。
信号生成回路K2は、駆動電源として直流電圧V3を入力されて、照明器具の調光レベルを指示するための調光信号Y2を生成する。
具体的に信号生成回路K2では、DC変換回路21が、直流電圧V3を直流の制御電圧V4(例えば、3.3Vまたは5V)に変換する。本実施形態のDC変換回路21は、降圧型のリニア電源回路であり、制御電圧V4は、マイクロコンピュータ22に出力されて、マイクロコンピュータ22の動作電源として用いられる。
そして、調光用の可変抵抗器23のアクチュエータは、後述の調光操作部5に機械的に接続しており、調光用の可変抵抗器23の抵抗値は、調光操作部5の回転に連動して変化する。
マイクロコンピュータ22は、コンピュータシステムであり、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。メモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本実施形態における調光信号の生成機能が実現される。マイクロコンピュータ22の入力ポートには、調光用の可変抵抗器23が電気的に接続しており、マイクロコンピュータ22は、調光用の可変抵抗器23の両端電圧Vsを検出することで、調光操作部5によって設定された調光レベルを間接的に検出できる。マイクロコンピュータ22は、調光操作部5によって設定された調光レベルに対応するデューティ(オンデューティまたはオフデューティ)にPWM(Power Width Modulation)変調された電圧信号であるPWM信号Y1を調光信号出力回路24へ出力する。
調光信号出力回路24は、PWM信号Y1を増幅して調光信号Y2を生成する。すなわち、調光信号Y2は、調光レベルに対応するデューティにPWM変調された電圧信号である。調光信号Y2は、レセプタクル26、ワイヤハーネスWs、レセプタクル16を介して、信号端子台15に出力される。
信号端子台15は、一対の出力端子15a,15bを有しており、一対の出力端子15a,15bを介して、調光信号Y2が出力される。そして、一対の出力端子15a,15bには、一対の信号線W21,W22が接続される。一対の信号線W21,W22は、照明器具の制御装置に電気的に接続しており、調光信号Y2は、一対の出力端子15a,15bから一対の信号線W21,W22に出力される。照明器具の制御装置は、調光信号Y2に基づいて、照明器具の調光レベルを調整する。
過電流検知回路25は、出力端子15a,15bを流れる電流(出力電流)の値を検出しており、出力電流の値が閾値以上になると、調光信号出力回路24の出力を停止させる。したがって、一対の信号線W21,W22が短絡または地絡した場合には、調光信号出力回路24の出力が停止することで、安全性が確保される。
次に、電源基板ユニット1及び制御基板ユニット2の各配置について説明する。
まず、図6、図7に示すように、筐体3は、ケース31と、隔壁32とを具備している。そして、ケース31と隔壁32とが組み合わされることで、筐体3は、中空の矩形箱状に形成されており、電源基板ユニット1を収納する。ケース31及び隔壁32は、難燃性の合成樹脂成型品であり、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT:Polybutylene
terephthalate)樹脂などを材料とする。また、ケース31と補助プレート4とで調光装置A1の外殻を構成する装置本体(ハウジング)8を構成している。
電源基板ユニット1は、上下方向の寸法が左右方向の寸法より長い矩形板状の第1基板10を備える。そして、電源端子台11、電源回路K1(フィルタ12、整流回路13、DC電源回路14)、信号端子台15、及びレセプタクル16などをそれぞれ構成する電気部品P1は、第1基板10に実装されている。第1基板10の第1面(後面)10a及び第2面10b(前面)には導体が形成されており、複数の電気部品P1は、導体を介して電気的に接続している。
電源端子台11は、第1基板10の第1面10aの左下に実装されており、信号端子台15は、第1基板10の第1面10aの右上に実装されている。フィルタ12、整流回路13、DC電源回路14は、第1基板10の第1面10a及び第2面10bに実装されている抵抗、コンデンサ、コイル、IC(Integrated Circuit)素子などの電気部品P1によってそれぞれ構成されている。なお、第1基板10は、内部に導体を形成している多層基板であってもよい。
第1基板10は、上下方向に沿った左辺及び右辺の各中央に台形板の形状の突片101をそれぞれ有している。また、第1基板10は、左右方向に沿った上辺の左側に矩形状の切り欠き102を有している。
隔壁32は、上下方向の寸法が左右方向の寸法より長い矩形板状の隔壁本体321を備える。隔壁本体321の第1面32a(後面)は、第1基板10の第2面10bに対向し、隔壁本体321の第2面32b(前面)は、制御基板ユニット2に対向する。
隔壁本体321の上辺の左側には、矩形状の配線用凹部32cが形成されている。隔壁本体321の左辺及び右辺の各中央には、上下方向に長い矩形板状の凸部32eがそれぞれ形成されている。凸部32eのそれぞれの先端には、矩形板状の載置板32fが後方に突出するようにそれぞれ設けられている。載置板32fの後端(先端)の上下方向の中央には、矩形状の切り欠き32gが形成されている。隔壁本体321の第1面32aの周縁(一対の載置板32fの間)では、側壁32hが後方に向かって形成されている。さらに、側壁32hには、後端(先端)から前方に向かって矩形状に切り欠かれた4つの切り欠き32iが形成されている。切り欠き32iは、隔壁本体321の左辺における載置板32fの上側、隔壁本体321の右辺における載置板32fの上側及び下側、隔壁本体321の下辺の中央にそれぞれ形成されている。側壁32hの左辺の下側には、側壁32hが内側に迂回したU字状のリブ32mが形成されている。また、隔壁本体321の第1面32aには、一対の載置板32fの間に左右方向に延びた直線状のリブ32jが形成されており、リブ32jの右端側には後方へ突出した載置片32kが形成されている。
第1基板10は、第2面10bが隔壁32の第1面32aに対向するように、隔壁32の後方に配置される。隔壁32の側壁32hの後端(先端)は、第2面10bの外縁に当接する。さらに、載置板32fの切り欠き32gには、第1基板10の突片101が嵌まり込む。また、隔壁32の載置片32kは、第2面10bに当接する。また、隔壁本体321の左側端及び右側端は、載置板32fの内側面に当接する。上述のように、第1基板10は隔壁32に対して位置決めされており、第1基板10の前方向、左右方向、及び上下方向への移動が規制されている。そして、隔壁本体321の第1面32aと第1基板10の第2面10bとの間には、側壁32h及び載置片32kによって空間が形成されており、第1基板10の第2面10bに実装されている電気部品P1と隔壁本体321との干渉を防止している。なお、上述の側壁32h、切り欠き32g、及び載置片32kが、第1基板10を支持する支持部に相当する。
ケース31は、図6、図7に示すように、矩形箱状のケース本体311を有し、ケース本体311の前面には開口310が形成されている。ケース本体311は、矩形板形状の底壁31aと、底壁31aの左右の両側縁から前方に向かってそれぞれ設けられた板状の側壁31b,31cと、底壁31aの上下の両側縁から前方に向かってそれぞれ設けられた板状の側壁31d,31eとを有する。
ケース本体311の内面には、前後方向に延びた柱形状の6つのリブ31fが形成されている。3つのリブ31fは、側壁31bの内面に上下方向に沿って並んで配置されている。3つのリブ31fは、側壁31cの内面に上下方向に沿って並んで配置されている。リブ31fの各前端は、前後方向の位置が等しくなる。さらに、側壁31b,31cの各内面の上部及び下部には、前後方向に沿って延びた四角錘台形状の凸部31gがそれぞれ形成されている。そして、側壁31b,31cの各内面には、一対の凸部31gの間に凹部31qが形成されている。
さらに、底壁31aの内面の左下隅には、矩形状の突台31hが形成されており、突台31hには前後方向に挿通する矩形状の孔31iが形成されている。また、底壁31aの内面の右上隅には、矩形状の突台31jが形成されており、突台31jには前後方向に挿通する矩形状の孔31kが形成されている。
そして、電源基板ユニット1に組み合わされた隔壁32は、第1基板10の第1面10aが底壁31aに対向するようにケース31の開口310を覆う。このとき、隔壁本体321の外縁は開口310の内縁に嵌まり込み、隔壁32の凸部32eがケース本体311の凹部31qにそれぞれ嵌まり込み、1つの筐体3が構成される。そして、第1基板10の第1面10aがリブ31fの前端(先端)に当接することで、第1基板10の後方向への移動が規制されている。また、第1基板10の左側端及び右側端が凸部31gに当接することで、第1基板10の左右方向への移動が規制されている。また、第1基板10の上端及び下端が側壁31d,31eの内面に当接することで、第1基板10の上下方向への移動が規制されている。
このように、電源基板ユニット1は、筐体3に収納され、ケース31及び隔壁32に対して位置決めされる。
電源基板ユニット1が筐体3に収納されると、図8に示すように、電源端子台11の後部は孔31iに嵌まり込み、電源端子台11の後面は、後方に向かって筐体3外に露出している。ケース31の底壁31aの外面の左下隅には、底壁31aの内面の突台31hに対応する凹部31mが形成されている。ケース31の外面において、孔31iは凹部31mに形成されている。
そして、電源端子台11の後面には、一対の入線口111,111が形成され、解除釦112が配置されている。一対の入線口111は一対の入力端子11a,11bにそれぞれ対応している。そして、解除釦112が押下された状態で電源線W11,W12(図5参照)が入線口111に挿入され、解除釦112の押下状態が解除されると、電源線W11,W12が入力端子11a,11bに接続される。また、解除釦112が押下されることによって、入力端子11a,11bのそれぞれに対する電源線W11,W12の接続状態が解除され、電源線W11,W12を入線口111から引き抜くことができる。
さらに、隔壁32のリブ32m(図6参照)は、電源端子台11の前方に対向している。したがって、電源線W11,W12の結線作業及び取り外し作業時に、電源端子台11に前方向の力が加わっても、リブ32mによって第1基板10の変形を抑えることができる。
また、図8に示すように、信号端子台15の後部は孔31kに嵌まり込み、信号端子台15の後面は、後方に向かってケース31外に露出している。底壁31aの外面の右上隅には、底壁31aの内面の突台31jに対応する凹部31nが形成されている。ケース31の外面において、孔31kは凹部31nに形成されている。
そして、信号端子台15の後面には一対の入線口151,151が形成され、ねじ152が配置されている。一対の入線口151は一対の出力端子15a,15bにそれぞれ対応している。そして、ねじ152が緩められた状態で信号線W21,W22が入線口151に挿入され、ねじ152が締め込まれると、信号線W21,W22が出力端子15a,15bに接続される。また、ねじ152が緩められることによって、出力端子15a,15bのそれぞれに対する信号線W21,W22の接続状態が解除され、信号線W21,W22を入線口151から引き抜くことができる。
次に、図9に示すように、制御基板ユニット2は、補助プレート4に取り付けられる。
制御基板ユニット2は、上下方向の寸法が左右方向の寸法より長い矩形板状の第2基板20を備える。第2基板20の四隅には、切り欠き201~204がそれぞれ形成されている。そして、信号生成回路K2(DC変換回路21、マイクロコンピュータ22、調光信号出力回路24)、調光用の可変抵抗器23、過電流検知回路25、及びレセプタクル26をそれぞれ構成する電気部品P2は、第2基板20の第1面(前面)20a及び第2面20b(後面)に実装されている。第2基板20の第1面20a及び第2面20bには導体が形成されており、複数の電気部品P2は、導体を介して電気的に接続している。DC変換回路21、マイクロコンピュータ22、調光信号出力回路24、過電流検知回路25は、第2基板20の第1面20a及び第2面20bに実装されている抵抗、コンデンサ、コイル、IC(Integrated Circuit)素子などの電気部品P2によってそれぞれ構成されている。なお、第2基板20は、内部に導体を形成している多層基板であってもよい。
調光用の可変抵抗器23、及びレセプタクル26は、第2基板20の第1面20aに実装されている(図1参照)。そして、レセプタクル26には、ワイヤハーネスWs(図5参照)の一端のコネクタが接続され、ワイヤハーネスWsの他端側は、切り欠き204を通って第2基板20の第2面20b側へ引き出される。そして、ワイヤハーネスWsは、配線用凹部32c、切り欠き102を通り(図1参照)、ワイヤハーネスWsの他端のコネクタは、レセプタクル16(図6参照)に接続する。したがって、隔壁32によって電源基板ユニット1と制御基板ユニット2とを隔離し、且つ電源基板ユニット1と制御基板ユニット2とを電気的に接続することができる。
補助プレート4は、矩形箱状のプレート本体41を有し、プレート本体41の後面には開口410が形成されている。プレート本体41は、矩形板形状の底壁41aと、底壁41aの左右の両側縁から前方に向かってそれぞれ設けられた板状の側壁41b,41cと、底壁41aの上下の両側縁から前方に向かってそれぞれ設けられた板状の側壁41d,41eとを有する。補助プレート4は、合成樹脂成型品であり、例えばABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂、またはASA(Acrylate Styrene Acrylonitrile)樹脂、またはPBT樹脂を材料とする。
側壁41b,41cの各内面には、上下方向に延びたリブ41fがそれぞれ形成されている。すなわち、リブ41fによって、側壁41b,41cの各内面の前部が後部より内側に突出した段構造になっている。そして、リブ41fの後端に第2基板20の第1面20aが当接し、第2基板20の前方向への移動が規制されている。
底壁41aには、円形状の孔41g,41hが形成されている。そして、制御基板ユニット2が有する調光用の可変抵抗器23の軸23a(図1参照)が孔41gを後方から前方へ挿通する。軸23aが回転すると、調光用の可変抵抗器23の抵抗値が変化する。また、下限値設定用の可変抵抗器27が、第2基板20の第1面20aに実装されており(図1参照)、可変抵抗器27の軸27a(図1参照)が孔41hを後方から前方へ挿通する。軸27aが回転すると、調光用の可変抵抗器27の抵抗値が変化する。そして、マイクロコンピュータ22は、可変抵抗器27の両端電圧に基づいて調光の下限レベルを制御する。
底壁41aに内面には、円柱状のボス41i、41jが設けられており、ボス41i、41jの先端面から前後方向(ボス41i、41jの軸方向)に沿ってねじ孔がそれぞれ形成されている。第2基板20は、ボス41iに対向する位置に、切り欠き204に連続した円弧形状の切り欠き20cが形成されており、ボス41jに対向する位置に円形状の孔20dが形成されている。そして、2本のねじ91,91が、切り欠き20c、孔20dをそれぞれ後方から前方へ挿通し、ボス41i、41jの各ねじ孔に締め込まれる。この結果、制御基板ユニット2は、2本のねじ91,91によって補助プレート4に固定される。
また、補助プレート4の下部には、照明器具の点灯、消灯を切り換えるためにユーザが操作するハンドル41kが、前後方向において移動自在な状態で取り付けられている。ハンドル41kの後面には、操作片41mが形成されている。一方、第2基板20の第1面20aには、操作片41mに対向して押し釦スイッチ28(電気部品P2)が実装されている。そして、ハンドル41kの操作時に、操作片41mの先端が押し釦スイッチ28のアクチュエータを押下することで、制御基板ユニット2のマイクロコンピュータ22は、ハンドル41kの操作の有無を検出できる。マイクロコンピュータ22は、ハンドル41kの操作によって、PWM信号Y1の出力開始、出力停止を行う。
また、第2基板20の第1面20aには、LED素子(電気部品P2)が実装されている。そして、ハンドル41kの操作によって照明器具を消灯制御しているときに、LED素子が点灯する。ハンドル41kの左側には、透光性を有するランプカバー41nが取り付けられている。LED素子が発する光は、ランプカバー41nを透過して、ハンドル41kの前方に出射される。なお、ハンドル41kの操作によって照明器具を点灯制御しているときに、LED素子が点灯してもよい。
そして、図1に示すように、筐体3の前面がプレート本体41の後面に対向して、筐体3と補助プレート4とが組み合わされる。プレート本体41の内面の四隅には、前後方向に延設された柱形状の4つのリブ41p(図9参照)がそれぞれ形成されている。一方、隔壁本体321の第2面32bの周縁には、線形状の凸壁32n(図7参照)が形成されており、さらに、第2面32bの左上隅、右上隅、及び下縁には、凸壁32nから前方へ延びるリブ32p(図7参照)がそれぞれ形成されている。そして、筐体3と補助プレート4とが組み合わされると、ケース31の前端とプレート本体41の後端とが互いに嵌まり込み、リブ32pの端面とリブ41pの端面とが互いに対向または当接する。
ケース31には、側壁31b,31cの各々の外面に一対の組立突起31pが設けられている。側壁31b,31cにおいて、一対の組立突起31pは、ケース31の長手方向(上下方向)に並んで設けられている。
補助プレート4の側壁41b,41cのそれぞれには、後縁から後方に向かって一対の組立片41qが延びて設けられている。各組立片41qには、組立孔41rが形成されている。組立孔41rに、対応する組立突起31pが係合することにより、筐体3(ケース31)と補助プレート4とが結合される(図10参照)。
調光操作部5は、補助プレート4の前方から、調光用の可変抵抗器23の軸23aに取り付けられる。そして、調光操作部5が回転すると、軸23aも同方向に回転し、調光用の可変抵抗器23の抵抗値が変化する。調光操作部5が一方向に回転すると、可変抵抗器23の抵抗値が増大し、調光操作部5が他方向に回転すると、可変抵抗器23の抵抗値が減少する。調光操作部5は、合成樹脂成型品であり、例えばABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂、またはASA(Acrylate Styrene Acrylonitrile)樹脂、またはPBT樹脂を材料とする。
したがって、上述の調光装置A1では、電源基板ユニット1と制御基板ユニット2とのうち、電源基板ユニット1が筐体3に収納されている。すなわち、電源基板ユニット1と制御基板ユニット2との間には隔壁32が配置されており、隔壁32が電源基板ユニット1と制御基板ユニット2とを機械的に互いに隔離している。さらに、電源基板ユニット1には、電源端子台11だけでなく、信号端子台15も実装されており、隔壁32が信号端子台15と制御基板ユニット2とを機械的に互いに隔離している。
したがって、調光装置A1は、信号端子台15に電源線W11,W12が誤って接続された場合でも、隔壁32によって制御基板ユニット2への影響を抑えることができる。すなわち、調光装置A1は、信号端子台15に電源線W11,W12が誤って接続された場合でも、制御基板ユニット2に生じる不具合を低減できる。
この結果、調光装置A1は、保護装置を簡略化できるので、従来に比べて小型化を図ることも可能になる。
上述の調光装置A1は、図3、図4に示すように取付枠6に取り付けられる。
取付枠6は、溶融亜鉛めっき鋼板(SGCC)により、調光装置A1が取り付けられる窓孔61を有した矩形枠状に形成される。この取付枠6は、長手方向(上下方向)において窓孔61を挟んで対向する一対の第1梁部6aと、一対の第1梁部6aが対向する方向と交差する方向(左右方向)において、窓孔61を挟んで対向する一対の第2梁部6bとを備える。つまり、一対の第1梁部6aと、一対の第2梁部6bとで囲まれた空間が窓孔61となっている。
一対の第1梁部6aの各々には、第1梁部6aの裏面側を造営材(例えば壁材)の表面に当てた状態で、第1梁部6aを造営材に固定するためのネジ(図示せず)を挿入する挿入孔6cが設けられている。また、一対の第1梁部6aの各々には、挿入孔6cよりも外側であって、左右方向の中央にネジ孔6dが設けられている。
一対の第2梁部6bの各々は、上下方向から見て、L字の断面形状に形成されている。補助プレート4の前部の左右方向の寸法は、補助プレート4の後部の左右方向の寸法より短く、側壁41b,41cには段部41sが形成されている。そして、一対の第2梁部6bの間に補助プレート4の前部が挿入され、第2梁部6bが段部41sに嵌まり込む。このとき、窓孔61の4隅にそれぞれ設けられた挿通孔6eと、補助プレート4の段部41sの上側及び下側にそれぞれ設けたねじ孔41tとが前後方向に連通する。そして、4本のねじ92が、4つの挿通孔6eをそれぞれ前方から後方へ挿通し、4つのねじ孔41tにそれぞれ締め込まれる。
このように、調光装置A1は、4本のねじ94によって取付枠6に固定されており、補助プレート4の前端部が窓孔61から前側に突出した状態で調光装置A1が取付枠6に取り付けられる。
そして、取付枠6は、後面側を造営材の表面に当てた状態で造営材に固定され、調光装置A1は、造営材に形成された埋込用の孔に調光装置A1の後部を収納した状態で造営材の表面に取り付けられる。すなわち、調光装置A1は、埋め込み型の配線器具として用いられる。
次に、取付枠6の前面側に取り付けられる化粧カバー7について説明する。化粧カバー7は、図3、図4に示すように、前壁7aと側壁7bとが合成樹脂成形体として一体に構成されている。補助プレート4の側壁41d、41eの各前端には、係止突起41uが形成されており、前壁7aの後面には、一対の係止突起41uに係止する一対の係止爪が形成されている。そして、前壁7aの後面に設けた一対の係止爪が一対の係止突起41uにそれぞれ係止することで、化粧カバー7が調光装置A1の前面に取り付けられる。化粧カバー7は、合成樹脂成型品であり、例えばABS樹脂、またはASA樹脂、またはPBT樹脂を材料とする。
また、前壁7aは、前後方向に挿通する円形状の孔7c及び矩形状の孔7dが形成されている。そして、孔7cには調光操作部5が挿通し、調光操作部5が孔7cから前側に突出した状態で化粧カバー7が調光装置A1に取り付けられる。さらに、孔7dにはハンドル41kが挿通し、ハンドル41kが孔7dから前側に突出した状態で化粧カバー7が調光装置A1に取り付けられる。
(まとめ)
上述の実施形態に係る第1の態様の調光装置A1は、電源端子台11と、電源回路K1と、信号端子台15と、信号生成回路K2と、筐体3と、を備える。電源端子台11は、電源線W11,W12が接続されて交流電圧V1を入力される。電源回路K1は、交流電圧V1を直流電圧V3に変換する。信号端子台15は、信号線W21,W22を接続される。信号生成回路K2は、駆動電源として直流電圧V3を入力されて、照明器具の調光レベルを指示するための調光信号Y2を生成し、信号端子台15から信号線W21,W22を介して調光信号Y2を出力する。筐体3は、電源端子台11、電源回路K1、及び信号端子台15を収納する。そして、筐体3は、電源端子台11、電源回路K1、及び信号端子台15と信号生成回路K2とを隔てる隔壁32を備える。
上述の調光装置A1では、電源回路K1と信号生成回路K2とのうち、電源回路K1が筐体3に収納されている。すなわち、電源回路K1と信号生成回路K2との間には隔壁32が配置されており、隔壁32が電源回路K1と信号生成回路K2とを機械的に互いに隔離している。さらに、筐体3には、電源端子台11だけでなく、信号端子台15も収納されており、隔壁32が信号端子台15と信号生成回路K2とを機械的に互いに隔離している。
したがって、調光装置A1は、信号端子台15に電源線W11,W12が誤って接続された場合でも、隔壁32によって信号生成回路K2への影響を抑えることができる。すなわち、調光装置A1は、信号端子台15に電源線W11,W12が誤って接続された場合でも、信号生成回路K2に生じる不具合を低減できる。
また、実施形態に係る第2の態様の調光装置A1では、第1の態様において、信号生成回路K2は、隔壁32より前方に配置され、筐体3は、信号端子台15を露出させる孔31kを後面に設けていることが好ましい。
上述の調光装置A1では、信号端子台15が筐体3の後方に露出しており、信号生成回路K2は、隔壁32より前方に配置されている。したがって、信号端子台15に電源線W11,W12が誤って接続された場合でも、信号生成回路K2に生じる不具合をより低減できる。
また、実施形態に係る第3の態様の調光装置A1では、第2の態様において、筐体3が直接または間接に取り付けられて造営材の前面に固定される取付枠6を備え、筐体3が造営体の開口に埋込配設されていることが好ましい。
したがって、信号端子台15は、造営体(例えば壁面など)の裏側に位置するので、信号端子台15に電源線W11,W12が誤って接続された場合でも、造営体の表側(例えば室内空間)への影響をより低減できる。
また、実施形態に係る第4の態様の調光装置A1では、第1乃至第3のいずれかの態様において、電源基板ユニット1と、制御基板ユニット2と、を備えて、筐体3は、電源基板ユニット1を収納することが好ましい。電源基板ユニット1は、電源端子台11、電源回路K1、信号端子台15が実装された第1基板10を有する。制御基板ユニット2は、信号生成回路K2が実装された第2基板20を有する。
上述の調光装置A1では、電源基板ユニット1と制御基板ユニット2とのうち、電源基板ユニット1が筐体3に収納されている。すなわち、筐体3が電源基板ユニット1と制御基板ユニット2とを互いに隔離している。したがって、調光装置A1は、信号端子台15に電源線W11,W12が誤って接続された場合でも、制御基板ユニット2に生じる不具合を低減できる。
また、実施形態に係る第5の態様の調光装置A1では、第4の態様において、筐体3は、前面に開口310を有して、開口310を隔壁32によって覆われたケース31を備えることが好ましい。そして、隔壁32は、板状の隔壁本体321と、隔壁本体321の外縁から後方に向かって突出している側壁32hと、第1基板10を支持する支持部(側壁32h、切り欠き32g、及び載置片32k)と、を有する。
したがって、上述の調光装置A1では、隔壁32をケース31に取り付けることで、第1基板10を支持でき、電源基板ユニット1の位置決めを容易に行うことができる。
また、実施形態に係る第6の態様の調光装置A1では、第5の態様において、隔壁本体321は、電源端子台11に対向する箇所にリブ32mを有することが好ましい。
したがって、上述の調光装置A1では、電源線W11,W12の結線作業及び取り外し作業時に、電源端子台11に力が加わっても、リブ32mによって第1基板10の変形を抑えることができる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。