本発明に係る光源ユニット及び照明器具の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態では、天井に取り付けられる照明器具の実施形態を例示するが、本実施形態の照明器具は、壁などの天井以外の場所に取り付けられる照明器具であっても構わない。また、以下の説明では、特に断りのない限り、図2に示す向きにおいて上下左右の方向を規定し、さらに図2中の紙面に垂直な方向を前後方向(手前側が前側)と規定する。
本実施形態の照明器具Aは、図1及び図2に示すように光源ユニット2と、器具本体1とで構成される。器具本体1は、吊りボルト200に固定され、天井100に直付けされる。光源ユニット2は、器具本体1に対して着脱可能に取り付けられる。
器具本体1は、板金に曲げ加工を施すことで長尺且つ上面(天井100との対向面)が開口する扁平な箱状に形成される。また、器具本体1は、天井100と反対側(下側)には光源ユニット2を収容するための矩形の凹部11が長手方向(前後方向)の全長に亘って設けられている。また、器具本体1の左右方向(幅方向)における凹部11の両側には、凹部11の開口端縁から延出し且つ外側に向かって上方へ傾斜する傾斜部12がそれぞれ設けられている。
また、凹部11の底板111には、電源線30を通すための孔111Aが前後方向(長手方向)におけるほぼ中央に設けられている。さらに、この底板111には、前後方向における両端寄りの位置に吊りボルト200を通すための孔111Bがそれぞれ設けられている。そして、底板111の下面には端子台25が取り付けられる。端子台25は、電源線30と電気的に接続される。また、端子台25から接地線を含む3本の電線250が引き出されている。さらに、これら3本の電線250の先端にプラグコネクタ251が電気的に接続されている。
光源ユニット2は、図1及び図2に示すように、複数(例えば、2つ)のLEDモジュール22、取付部材21、カバー23、電源装置(電源ユニット4及び機能モジュール5)などを備える。
LEDモジュール22は、前後方向に長い矩形板状に形成された実装基板221を有する。実装基板221は、その下面に複数のLED(発光ダイオード)222が前後方向(長手方向)に沿い且つ2列に並べて実装されている。また、一方のLEDモジュール22の前端部には、電源ユニット4との間を電気的に接続するためのコネクタが実装されている。このコネクタには、後述する電源ユニット4の出力線43が電気的に接続される。
また、各LEDモジュール22において隣接するLEDモジュール22と対向する端部には、電源供給用のコネクタ224がそれぞれ実装されている(図2参照)。そして、両LEDモジュール22のコネクタ224同士が電気的に接続されることで、一方のLEDモジュール22から他方のLEDモジュール22に点灯電力が中継される。
取付部材21は、板金に曲げ加工を施すことでU字状に形成され、長尺且つ矩形板状に形成された底板211と、底板211の左右方向(幅方向)における両端から上下方向(底板211と直交する方向)に延出する一対の側板212とで構成される。各側板212の先端(上端)には、図2に示すように、互いに離れる向き(外向き)に傾斜する傾斜部212Aがそれぞれ全長に亘って設けられている。
底板211の前端部には、電源ユニット4の出力線43を通すための孔が設けられている。また、底板211の前後方向における中央部には、底板211の一部を上向きに突出させることで形成された矩形の凹部が設けられている。この凹部は、両LEDモジュール22を取付部材21に取り付けた状態で、コネクタ224と取付部材21の底板211との間の絶縁距離を確保するために設けられる。なお、上述したLEDモジュール22は、例えば取付部材21の底板211の一部を切り起こすことで形成された爪により取付部材21に固定される。
また、取付部材21は、長手方向における両端寄りの位置において幅方向の一端側に延びる一対の引掛金具214と、幅方向の他端側に配置される一対の引掛ばね215とを有している。
カバー23は、拡散性を有する材料(例えば乳白色のアクリル樹脂)により上面(取付部材21側の面)が開口する長尺の箱形に形成されている。また、カバー23は、左右方向(幅方向)において両端側から中央側に行くほど下側への突出量が大きくなるような凸レンズ形状の曲面部231を有している(図2参照)。
カバー23の左右方向における両端部には、図2に示すように、光源ユニット2を器具本体1に取り付けた状態で、上下方向において器具本体1の凹部11の開口端縁と重なる延出部232がそれぞれ設けられている。さらに、カバー23の左右方向において各延出部232の内側には、上側(取付部材21側)に突出する突壁部233がそれぞれ全長に亘って設けられており、各突壁部233の先端には内向きに突出する突起部233Aがそれぞれ設けられている。また、各突壁部233の根元近くには、それぞれ内向きに突出する支持片233Bが突出している。
電源ユニット4は、第1プリント配線板40に電子部品が実装されて構成される電源回路と、前記電源回路を収納する第1ケース42とを有する。電源回路の回路図を図3に示す。この電源回路は、入力コネクタ400、フィルタ回路401、整流器402、昇圧回路403、降圧回路404、出力コネクタ405、主制御回路406、制御電源回路407、調光制御回路408、消灯制御回路409、制御用コネクタ410などを備える。
入力コネクタ400は、レセプタクルコネクタからなり、端子台25から引き出された電線250と電気的に接続されているプラグコネクタ251が差込接続される。フィルタ回路401は、コモンモードチョークコイル4010と、アクロス・ザ・ラインコンデンサ4011とで構成される。整流器402は、ダイオードブリッジで構成され、フィルタ回路401及び入力コネクタ400を介して交流電源と交流入力端子が電気的に接続され、交流電源3から供給される交流電圧・交流電流を全波整流して直流出力端子から出力する。
昇圧回路403は、チョークコイルL1、スイッチ素子Q1、整流素子D1、平滑コンデンサC1などで構成される、従来周知の昇圧チョッパ回路(力率改善回路)である。また、降圧回路404は、スイッチ素子Q2、インダクタL2、整流素子D2、抵抗R1、平滑コンデンサC2などで構成される、従来周知の降圧チョッパ回路(バックコンバータ)である。整流器402から出力される脈流電圧が昇圧回路403で昇圧され、昇圧回路403から出力される直流電圧が降圧回路404で降圧される。出力コネクタ405は、レセプタクルコネクタからなり、降圧回路404の出力端子(平滑コンデンサC2の両端)と電気的に接続される。
主制御回路406は、昇圧回路403のスイッチ素子Q1並びに降圧回路404のスイッチ素子Q2をそれぞれスイッチングし、昇圧回路403の出力電圧を一定に維持するとともに、降圧回路404の出力電流を目標値に一致させるように構成される。制御電源回路407は、昇圧回路403の出力電圧から制御電圧(例えば、5V〜3V程度の直流電圧)を生成するように構成される。主制御回路406は、制御電源回路407から供給される制御電圧で動作する。
制御用コネクタ410は、レセプタクルコネクタからなり、機能モジュール5のプラグコネクタ504が差込接続される。後述するように、機能モジュール5から出力される制御信号が制御用コネクタ410を介して調光制御回路408と消灯制御回路409に入力される。
消灯制御回路409は、制御信号に応じて、点灯中のLEDモジュール22を消灯させるための消灯信号を生成して主制御回路406に出力するように構成される。主制御回路406は、消灯信号を受け取ると、スイッチ素子Q2のスイッチングを中止して降圧回路404を停止させ、LEDモジュール22を消灯するように構成される。ただし、主制御回路406は、消灯信号を受け取った場合、スイッチ素子Q2だけで無くスイッチ素子Q1のスイッチングも中止して昇圧回路403と降圧回路404を双方とも停止させてもよい。このように昇圧回路403と降圧回路404の双方が停止すれば、降圧回路404のみが停止する場合と比較して、消灯中における電源ユニット4の消費電力が削減される。
また、調光制御回路408は、制御信号に応じて、LEDモジュール22の光出力(調光レベル)を指示する調光信号を生成して主制御回路406に出力するように構成される。なお、調光レベルは、定格電力が供給されているときのLEDモジュール22の光出力を100%としたとき、LEDモジュール22に供給される単位時間当たりの平均電力の定格電力に対する比率(%)で表される。例えば、LEDモジュール22に供給される単位時間当たりの平均電力が定格電力の半分のとき、調光レベルが50%となる。言い換えると、調光制御回路408は、制御信号で指示される調光レベルが50%であれば、降圧回路404からLEDモジュール22に供給される単位時間当たりの平均電力を定格電力の半分にするように指示する調光信号を生成する。主制御回路406は、調光制御回路408から受け取る調光信号に応じて、スイッチ素子Q2のオンデューティ比を調整するように構成されることが好ましい。さらに詳しく説明すると、調光制御回路408は、抵抗R1の両端電圧から降圧回路404の出力電流を検出し、当該出力電流の平均値を調光レベルに対応した目標値に一致させるように、調光信号を生成するように構成されることが好ましい。
第1プリント配線板40は、図4に示すように、長尺の矩形平板状の絶縁基板の裏面に配線用の導体(銅箔)がプリントされて構成される。第1プリント配線板40の表面に、コネクタや平滑コンデンサ、コモンモードチョークコイル4010などの、いわゆるリード部品が実装される。そして、第1プリント配線板40の裏面に、整流器402、主制御回路406、調光制御回路408、消灯制御回路409などの表面実装部品が実装される。ここで、入力コネクタ400は、第1プリント配線板40の長手方向の端部(以下、第1端部と呼ぶ。)の表面に実装される。一方、出力コネクタ405及び制御用コネクタ410は、第1プリント配線板40の長手方向の他端部(以下、第2端部と呼ぶ。)の表面に実装される。そして、第1端部から第2端部に向かって、フィルタ回路401、整流器402、昇圧回路403、降圧回路404、出力コネクタ405が順番に第1プリント配線板40に実装される。また、主制御回路406、制御電源回路407、調光制御回路408、消灯制御回路409は、整流器402から第2端部に向かって順番に第1プリント配線板40に実装される。なお、整流器402は、第1プリント配線板40の裏面に実装されているため、図4には図示されていないが、おおよそコモンモードチョークコイル4010から若干第2端部寄りの位置に実装されている。
第1ケース42は、図4及び図5に示すように、底板420と、底板420の短手方向に沿った端縁から立ち上がる一対の第1側板421A、421Bと、底板420の長手方向に沿った端縁から立ち上がる一対の第2側板422A、422Bとを有する。すなわち、第1ケース42は、底板420の前方が開放された長尺の箱形に形成されている。また、第1ケース42は、片方の第2側板422Aの先端から外向きに突出する固定板423を備えている。固定板423は、図5に示すように角樋状に形成されている。
第1プリント配線板40は、裏面を底板420に対向させ、且つ第2端部を第1側板421A側とする向きで第1ケース42内に収納され、一対の第2側板422A、422Bから切り起こされる4つの爪4220で第1ケース42に固定される。なお、入力コネクタ400の差込口は、第1端部側の第1側板421Bに設けられた矩形の窓孔を通して第1ケース42の外に突出する。
電源ユニット4は、図2に示すように、第1ケース42の底板420が上になるように、光源ユニット2の取付部材21に取り付けられる。具体的には、第2側板422B及び固定板423が取付部材21の各側板212にねじ止めされることによって、第1ケース42が取付部材21に固定される。また、取付部材21に取り付けられた状態において、第1ケース42の開口が取付部材21の底板211で塞がれる。
機能モジュール5は、第2プリント配線板50に電子部品が実装されて構成される回路部と、前記回路部を収納する第2ケース51とを有する。回路部の回路図を図3に示す。この回路部は、信号入力部500、フォトカプラ501、抵抗R2、R3、信号出力部502、信号ケーブル503などを備える。
信号入力部500は、従来周知の速結式の端子台で構成され、制御信号が伝送される一対の信号線と電気的に接続される。また、信号入力部500には、フォトカプラ501の入力端子と、限流用の抵抗R2とが電気的に直列接続される。つまり、フォトカプラ501の入力端子には、信号線に伝送される制御信号が信号入力部500を介して入力される。
信号出力部502は、信号ケーブル503を介して電源ユニット4の制御用コネクタ410と電気的に接続される。信号ケーブル503は3本の電線503A〜503Cで構成される。そして、電源回路のグランドとフォトカプラ501の負極側の出力端子(フォトトランジスタのエミッタ)とが1本の電線503Aで電気的に接続される。また、制御電源回路407の出力端子と抵抗R3の一端との接続点が、他の1本の電線503Bで電気的に接続される。さらに、抵抗R3の他端とフォトカプラ501の正極側の出力端子(フォトトランジスタのコレクタ)の接続点が、残り1本の電線503Cで調光制御回路408及び消灯制御回路409と電気的に接続される。つまり、抵抗R3とフォトトランジスタの直列回路には常に一定の制御電源電圧が印加される。そのため、調光制御回路408及び消灯制御回路409に入力される制御信号は、フォトカプラ501の入力電圧がハイレベルのときにローレベルとなり、フォトカプラ501の入力電圧がローレベルのときにハイレベルとなる。例えば、外部から機能モジュール5に入力される制御信号(以下、外部制御信号と呼ぶ。)がパルス幅変調(PWM)信号である場合を想定する。この場合、機能モジュール5から電源ユニット4に出力される制御信号(以下、内部制御信号と呼ぶ。)のデューティ比(パルス幅)は、100%(1周期の長さ)と、外部制御信号のデューティ比(パルス幅)との差になる。例えば、外部制御信号のデューティ比が5%のときの調光レベルを100%とし、調光レベルが低く(暗く)なるにつれてデューティ比が減少する場合を想定する。この場合、調光制御回路408は、内部制御信号のデューティ比が95%のときに調光レベルを100%とし、デューティ比が減少するにつれて調光レベルを減少させればよい。また、消灯制御回路409は、内部制御信号のデューティ比が下限値(例えば、10%)以下のときに、消灯信号を出力すればよい。
次に、機能モジュール5の構造について、図6〜図10を参照して詳細に説明する。ただし、以下の説明では、特に断りの無い限り、図7において上下、左右、前後の各方向を規定する。
第2プリント配線板50は、図8に示すように、矩形平板状の絶縁基板の裏面(下面)に配線用の導体(銅箔)がプリントされて構成される。第2プリント配線板50の表面(上面)に、信号入力部500と信号出力部502が実装される。そして、第2プリント配線板50の裏面(下面)に、フォトカプラ501や抵抗R2、R3などの信号入力部500及び信号出力部502以外の部品が実装される。ここで、信号入力部500は、第2プリント配線板50の後端(図8における上端)の左側に実装される。信号入力部500の上部には、それぞれに信号線の導体が差し込まれる差込孔5000と、解除釦5001とが左右方向に並べて、各々4つずつ設けられている。すなわち、信号入力部500は、速結式の端子台で構成されるので、差込孔5000に差し込まれる信号線の導体と電気的に接続され、解除釦5001が押操作されると差込孔5000から信号線の導体を引き抜くことができるように構成されている。
信号出力部502は、第2プリント配線板50の後端の右側に実装される。また、信号出力部502から引き出されている信号ケーブル503の先端に、プラグコネクタ504が電気的に接続される。さらに、第2プリント配線板50の前端(図8における下端)における左右両端には、それぞれ前方に突出する突部505が設けられることが好ましい。
第2ケース51は、図6及び図7に示すように、下壁52、一対の側壁53、後壁54、上壁55、傾斜壁56を有し、前面が開放された箱形に形成される。さらに、第2ケース51は、第2プリント配線板50の周縁部分と嵌合する一対の嵌合部530と、第2プリント配線板50と各嵌合部530との嵌合状態を保持する保持部531とを有する。なお、第2ケース51は、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂材料からなる合成樹脂成形体として構成されることが好ましい。
嵌合部530は、図7に示すように、各側壁53に設けられる一対のリブ5300で構成される。各リブ5300は、一対の側壁53から、前後方向に沿って外向きに突出し、且つ上下方向に間隔を空けて対向するように形成される。そして、図9に示すように、上下方向に並ぶ2つのリブ5300の間に第2プリント配線板50の周縁部分が挿入される。つまり、嵌合部530は、上下方向に並ぶ2つのリブ5300により、第2プリント配線板50の周縁部分を厚み方向(上下方向)に沿って挟むように構成される。ただし、リブ5300同士の間隔は、第2プリント配線板50の厚みよりも大きい。
保持部531は、図7、図9及び図10に示すように、上側のリブ5300の後側の下面から下向きに突出するように設けられる。保持部531は、三角柱の前端に三角錐を繋げたような形状に形成されることが好ましい。而して、保持部531が設けられることにより、嵌合部530の後端側の隙間(一対のリブ5300の間隔)が狭くなる。そのため、第2プリント配線板50の後方の周縁部分が、保持部531と下側のリブ5300との間に圧入され、第2プリント配線板50が嵌合部530から抜け難くなる。つまり、保持部531は、嵌合部530と第2プリント配線板50の嵌合状態を保持(維持)するように構成される。なお、保持部531の前端が三角錐状に形成されているため、第2プリント配線板50の周縁部分が挿入される際、第2プリント配線板50の後端が保持部531の前端に引っ掛かり難い。さらに、各リブ5300の前端部は、図10に示すように、前方(図10における右方)に向かって、互いの間隔を徐々に拡げるように傾斜している。このため、第2プリント配線板50の周縁部分がリブ5300の前端部に案内されてリブ5300の間の溝にスムーズに挿入される。
第2ケース51には、矩形の貫通孔550が上壁55と傾斜壁56に跨がるように形成されている。この貫通孔550を通して、信号入力部500の上部(差込孔5000と解除釦5001)が第2ケース51の外に露出する(図6参照)。
また、第2ケース51の各側壁53の前端部分には、図7に示すように、電源ユニット4の第1ケース42と機械的に結合する結合オス部57がそれぞれ設けられることが好ましい。結合オス部57は、図7に示すように、一対の支持片570、固定部571、規制片572を有している。固定部571は、左右方向から見てT字形状に形成され、且つ側壁53と一体に形成される。一対の支持片570は、固定部571の上下両端から前方に突出し、前方に向かうに連れて、互いの間隔を狭くするように形成される。また、各支持片570の前端には、外向きに突出する三角柱形状の凸部5700が設けられる。規制片572は、固定部571の前端から前方に突出し、一対の支持片570の動きを規制するように構成される。すなわち、一対の支持片570が互いに近付く向きに撓むとき、規制片572に当たることで撓み量が規制される。
ここで、第2ケース51は、左右方向における2つの結合オス部57の間隔が、第2プリント配線板50の左右方向の幅寸法よりも小さくなるように構成されることが好ましい。第2ケース51は、上述のように構成されることにより、左右方向における小型化が図られる。この場合、第2ケース51は、第2プリント配線板50の厚み方向(上下方向)において、結合オス部57と重なる位置に、第2プリント配線板50との間に隙間Xを空けるように構成されることが好ましい(図9参照)。具体的には、側壁53における嵌合部530と結合オス部57の間の部位に段差532が設けられることが好ましい。上述のように、第2ケース51の側壁53と第2プリント配線板50との間に隙間Xが形成されれば、この隙間Xと対応する第2プリント配線板50の周縁部分に、背の低い部品の実装や、配線用の導体の形成が可能になる。
一対の結合オス部57は、電源ユニット4の第1ケース42に設けられる一対の結合メス部424と機械的に結合される。一対の結合メス部424は、図5に示すように、第1側板421Aとの間に僅かな隙間を空けて対向し、且つ矩形の孔4240が貫通した平板状に形成されることが好ましい。ただし、各結合メス部424は、第2側板422A、422Bの端縁と連結されている。また、第1側板421Aには、結合メス部424の孔4240と対向する矩形の孔4211が設けられる。
而して、各結合メス部424の孔4240にそれぞれ支持片570が挿入されると、孔4240の上下両側の縁に押されて支持片570が内向きに撓み、凸部5700が孔4240の縁を乗り越えて結合メス部424に引っ掛かる。その結果、第1ケース42の結合メス部424と第2ケース51の結合オス部57とが結合し、第1ケース42に第2ケース51が取り付けられる。ただし、結合オス部57の先端部分は、孔4211を通して第1ケース42内に進入する。
さらに、第2ケース51は、下壁52の前端部に引掛部520が設けられることが好ましい。引掛部520は、図7に示すように、左右方向から見てJ字形状に形成される。引掛部520は、図4に示すように、第1ケース42の第1側板421Aの先端に引っ掛けられる。
また、第2ケース51は、下壁52の前端部にケーブル保持部521が設けられることが好ましい。ケーブル保持部521は、図9に示すように、下壁52の下面から下向きに突出する柱部5210と、柱部5210の先端(下端)から下壁52の下面とほぼ平行に突出する梁部5211とを有し、前後方向から見てL字形に形成される。また、梁部5211の先端には、下壁52に向かって突出する三角柱状の突起(barb)5212が設けられる。すなわち、ケーブル保持部521は、図4に示すように、下壁52と梁部5211との間の空間に出力線43が挿通され、突起5212によって前記空間から出力線43が抜け出ないように保持する。
さらに、第2ケース51は、下壁52の後端部から下向きに突出する突部522が設けられる。なお、突部522の先端(下端)部分は、半球状に形成されることが好ましい。
次に、電源装置の組立手順を説明する。本実施形態の電源装置は、電源ユニット4と機能モジュール5とで構成される。
まず、作業者は、電源ユニット4の出力コネクタ405に、出力線43の一端を電気的に接続した後、第1側板421Aに設けられている保持溝4212に出力線43を挿通して保持させる(図5参照)。さらに、作業者は、出力線43を機能モジュール5の第2ケース51のケーブル保持部521に保持させる。続いて、作業者は、電源ユニット4の制御用コネクタ410に、機能モジュール5のプラグコネクタ504を差込接続する。さらに、作業者は、引掛部520を第1ケース42の第1側板421Aの先端に引っ掛けた後、結合オス部57の支持片570を結合メス部424の孔4240に挿入して、各結合オス部57を結合メス部424と結合する。以上の手順で電源ユニット4に機能モジュール5が取り付けられて電源装置の組立が完了する。
ここで、機能モジュール5の第2ケース51と隣り合う方の第1側板421Aは、図5に示すように、第2ケース51と隣り合わない方の第1側板421Bや第2側板422A、422Bよりも低く形成される。すなわち、第1側板421Aの一部4213が折り返し曲げ加工によってヘミング曲げ形状に形成されることで高さが低くなっている。ただし、第2ケース51の引掛部520が引っ掛かる第1側板421Aの端部4214は、他の第1側板421Bや第2側板422A、422Bとほぼ同じ高さに形成されることが好ましい。
次に、光源ユニット2の組立手順を説明する。作業者は、上述の手順で組み立てた電源装置(電源ユニット4)を取付部材21の上面側に取り付け、さらに、LEDモジュール22を取付部材21の底板211の下面に固定する(図11参照)。このとき、第2ケース51の下壁52に設けられる突部522の先端が取付部材21の底板211に当たるため、第2ケース51の下壁52と底板211との間に隙間が形成される。そして、この隙間に出力線43が配線される。続いて、作業者は、電源ユニット4の出力線43を取付部材21の底板211に設けられた孔に挿通し、出力線43の先端に設けられているプラグコネクタを、LEDモジュール22の端部に設けられているコネクタ(レセプタクルコネクタ)に差込接続する。
そして最後に、作業者は、開口側を上向きにした状態でカバー23を取付部材21に組み付ける。このとき、カバー23の各突壁部233にそれぞれ設けた突起部233Aが、取付部材21の各側板212の傾斜部212Aに引っ掛かり、カバー23が取付部材21に取り付けられる。以上のような手順で光源ユニット2が組み立てられる。
ここで、電源装置が取付部材21に取り付けられた状態では、図12〜図14に示すように、第2ケースの下壁52と取付部材21(底板211)との間に、出力線43が通線可能な空間が形成される。つまり、第1ケース42に対して、第2ケース51が上方に片寄せて取り付けられるため、第2ケース51と取付部材21の底板211との間に前記空間が形成される。
したがって、出力線43の移動範囲が、第2ケース51と取付部材21(の底板211)に規制されるので、出力線43が余計な場所に移動し難くなり、例えば、結束バンドで器具本体1に出力線43を括り付ける必要がなくなる。その結果、本実施形態の光源ユニット2は、従来例と比較して、出力線43に関する組立の作業性の向上を図ることができる。
次に、本実施形態の照明器具Aの施工手順を説明する。まず、施工者は、天井裏に先行配線された電源線30と信号線を器具本体1の孔111Aに挿通し、さらに室内側に露出する吊りボルト200を孔111Bに通した後、吊りボルト200にナット300をねじ込んで器具本体1を固定する。その後、施工者は、電源線30を端子台25に接続し、さらに端子台25のプラグコネクタ251を電源ユニット4の入力コネクタ400に差込接続する。続いて、施工者は、信号線を機能モジュール5の信号入力部500に接続する。
そして最後に、施工者は、器具本体1の一方の側板112に設けられた一対の挿通孔112Aにそれぞれ引掛金具214の先端を引っ掛けた後、一対の引掛ばね215を器具本体1の他方の側板112に設けられた引掛部1120に引っ掛ける。そして、施工者が、引掛金具214を支点とし光源ユニット2を持ち上げるように回転させると、引掛ばね215が引掛部1120に引っ掛かったままで元の状態に戻ることにより、引掛ばね215のばね力で光源ユニット2が器具本体1に保持される。以上のような手順で照明器具Aが天井に施工される。
上述のように本実施形態の光源ユニット2は、複数の固体発光素子(発光ダイオード)を有する光源(LEDモジュール22)と、光源(LEDモジュール22)を支持して照明器具Aの器具本体1に着脱自在に取り付けられる取付部材21とを備える。また、光源ユニット2は、少なくとも一部が透光性を有する材料で箱形に形成され、且つ光源(LEDモジュール22)を覆うように取付部材21に取り付けられるカバー23を備える。さらに、光源ユニット2は、取付部材21に取り付けられて光源(LEDモジュール22)に給電する電源ユニット4と、電源ユニット4と電気的に接続され、電源ユニット4に新たな機能を追加する機能モジュール5とを備える。電源ユニット4は、第1プリント配線板40に電子部品が実装されて構成される電源回路を有する。また、電源ユニット4は、前記電源回路を収納して取付部材21に取り付けられる第1ケース42と、第1ケース42から導出され、且つ前記電源回路を光源(LEDモジュール22)と電気的に接続する2本以上の電線(出力線43)とを有する。機能モジュール5は、前記機能を実現するための電子部品が第2プリント配線板50に実装されて構成される回路部と、前記回路部を収納して第1ケース42に隣り合うように配置される第2ケース51とを有する。第2ケース51は、取付部材21と対向する底壁(下壁52)を有し、底壁(下壁52)と取付部材21との間に、電線(出力線43)が通線可能な空間を設けるように構成される。
本実施形態の光源ユニット2は上述のように構成され、電線(出力線43)の移動範囲が、第2ケース51と取付部材21によって規制されるので、電線(出力線43)が余計な場所に移動し難くなる。その結果、本実施形態の光源ユニット2は、従来例と比較して、出力線43に関する組立の作業性の向上を図ることができる。また、機能モジュール5の第2ケース51が取付部材21と接しないため、LEDモジュール22の発する熱が取付部材21から機能モジュール5に伝わり難く、機能モジュール5の回路部に対する熱の影響が軽減される。さらに、取付部材21と第2ケース51が接する場合と比較して、取付部材21からの放熱性の低下が抑制される。
また、本実施形態の光源ユニット2において、第2ケース51は、底壁(下壁52)から取付部材21までの最短距離d1が、電線(出力線43)の直径φ1の2倍以上の寸法となるように構成されることが好ましい(図13参照)。
本実施形態の光源ユニット2が上述のように構成されれば、2本の出力線43が前記空間内で交差しても、出力線43の被覆が取付部材21(の底板211)及び第2ケース51に押し潰される虞がない。したがって、出力線43がLEDモジュール22と電気的に接続される際、出力線43に無理な力が加わることが回避される。
さらに、本実施形態の光源ユニット2において、第2ケース51は、電線(出力線43)が引っ掛けられて保持される保持部(ケーブル保持部521)を有することが好ましい。保持部(ケーブル保持部521)は、底壁(下壁52)から前記空間に突出するように設けられることが好ましい。
本実施形態の光源ユニット2が上述のように構成されれば、電線(出力線43)が第2ケース51の保持部(ケーブル保持部521)に保持されるので、機能モジュール5が電源ユニット4に取り付けられる際に、電線(出力線43)が邪魔になり難い。その結果、本実施形態の光源ユニット2は、組立作業性の向上を図ることができる。
ここで、本実施形態の光源ユニット2において、図13に示すように、保持部(ケーブル保持部521)は、2本以上の電線(出力線43)を底壁(下壁52)と平行に並べて保持するように構成されることが好ましい。例えば、ケーブル保持部521は、梁部5211から下壁52までの距離が、出力線43の直径φ1の2倍未満となるように構成されることが好ましい。ケーブル保持部521が上述のように構成されれば、出力線43が交差した状態でケーブル保持部521に保持される虞がなく、出力線43に無理な力が加わることが回避される。
また、本実施形態の光源ユニット2において、第2ケース51は、図13に示すように、底壁(下壁52)から突出して取付部材21に当たる1乃至複数の突部522を有することが好ましい。例えば、取付部材21の底板211に段差がある場合、図13に示すように、突部522は、ケーブル保持部521よりも高さ寸法が大きくなるように構成されることが好ましい。第2ケース51が上述のように構成されれば、第2ケース51に加わる力がケーブル保持部521に集中せずに分散されるため、ケーブル保持部521の破損等の不具合の発生が防止できる。
さらに、本実施形態の光源ユニット2において、少なくとも1つの突起が、保持部(ケーブル保持部521)に設けられることが好ましい。例えば、ケーブル保持部521が、柱部5210の先端(下端)を梁部3211よりも先(下)に突出させるように構成されることが好ましい。ケーブル保持部521が上述のように構成されれば、柱部5210の先端(下端)が取付部材21(の底板211)に当たるので、梁部5211が取付部材21から力を受け難くなる。故に、出力線43に不要な力が加わり難くなるので、出力線43がLEDモジュール22と電気的に接続される際の作業性の向上が図られる。
なお、本実施形態の照明器具Aは、光源(LEDモジュール22)と電源装置を備える光源ユニット2と器具本体1とで構成されているが、例えば、電源装置が器具本体1に取り付けられても構わない。
また、機能モジュール5は、本実施形態で例示した機能以外の機能、例えば、初期照度補正機能を電源装置(電源ユニット4)に追加するように構成されても構わない。初期照度補正機能とは、光源(LEDモジュール22)の使用開始から寿命末期までの間、光出力がほぼ一定(例えば、定格の85%)に保たれるように、累積点灯時間に対応して調光レベルを調整する機能である。