以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態にかかる調光制御装置1について、図1〜図6を用いて説明する。なお、以下の説明においては、図1の上下方向を調光制御装置1の上下方向とし、図6における左右方向を調光制御装置1の前後方向、紙面に対して垂直な方向を左右方向と規定して説明を行う。
本実施の形態にかかる調光制御装置1は、天井面や床などの室内空間に設置された複数の照明器具2と接続し、使用者の操作に応じて各照明器具2の調光レベルを個別に操作するための装置である。この調光制御装置1は、それぞれ位相制御回路とデューティ制御回路からなる調光回路を5回路分備える(図3を参照)。
この調光制御装置1に接続される照明器具2としては、例えば白熱灯などを光源(図示せず)として備え、電源線L1を介して調光制御装置1から供給される交流電源の導通角を変化させることによって調光される照明器具2aがある。また、発光ダイオードや蛍光灯などを光源(図示せず)と、商用電源ACからの供給電力を動作用電力として光源の調光レベルを調整するデューティ制御回路(図示せず)を備えた照明器具2bが接続される。照明器具2bのデューティ制御回路は、信号線L2を介して接続される調光制御装置1から入力される調光信号のデューティ比率に応じて、光源への供給電力を調整することで、光源の調光レベルを調整している。なお、このデューティ制御回路の構成や動作については、既知の技術であるので詳細な説明は省略する。
また調光制御装置1の各調光回路には、調光回路ごとに上述の照明器具2a又は照明器具2bの何れかが接続され、接続される照明器具2a、2bの種類に応じて位相制御回路又はデューティ制御回路の何れかを使用して調光制御を行う。ここで、調光制御装置1の調光回路について、図3に示す概略ブロック図を用いて説明を行う。
調光制御装置1は、図3に示すように、電源端子T1に接続された電力線L3を介して商用電源ACと接続し、商用電源ACから供給される交流電力をその動作電力として動作している。また調光制御装置1は、照明器具2aと商用電源ACとの直列回路に電力線L1を介して直列に接続されるトライアックTra…Treと、電源線L1が接続される位相制御端子T2a…T2eとを備える。また調光制御装置1は、各トライアックTrを駆動させる駆動回路DRと、交流電源波形のゼロクロスを検出するゼロクロス検出部Zと、フィルタ回路Fを介して入力されるゼロクロス検出部Zからの出力に基づいて駆動回路DRを制御する制御部CPUを備える。調光制御装置1は、これらの各回路を用いることで、商用電源ACから照明器具2aに供給される点灯電力の位相を制御することで照明器具2aの調光レベルを調整している
また調光制御装置1は、商用電源ACからの電力供給を動作電力として動作する照明器具2bが信号線L2を介して接続されており、信号線L2が接続される信号線用端子T3a…T3eを備える。また調光制御装置1は、調光レベルに応じたデューティ比の調光信号を照明器具2bに出力するデューティ信号出力部DUa…DUeを備え、この調光信号のデューティ比に応じて照明器具2bは調光制御を行う。
また調光制御装置1は、調光回路ごとに調光レベルの調整を行う為の調光操作部(図示せず)と、調光回路ごとに設けられた動作モードを切り替えるための設定操作部(図示せず)を少なくとも含む操作部STを備える。また操作部STは、操作に応じて複数の照明器具2a、2bの調光レベルを一括で変更するシーン設定部(図示せず)を有し、使用者により各種操作が行われる。
ここで制御部CPUには、調光回路ごとに動作モードがそれぞれ設定されており、その動作モードとして、位相制御により照明器具2aを調光する位相制御モードと、調光信号を出力して照明器具2bを調光するデューティ制御モードが設けられている。また他の動作モードとして、調光操作部の操作に応じて照明器具2の点灯・消灯を切り替える点灯切替モードが設けられている。使用者は、接続された照明器具2の種類や、その目的に応じて調光回路ごとに設定操作部を操作し、調光操作部を操作した際の動作を所望の動作となるよう動作モードを設定する。
また調光制御装置1は、現在の照明器具2に設定した調光レベルを表示するための表示部DSPが調光回路ごとにそれぞれ設けられている。また調光制御装置1は、現在の照明器具2ごとの調光レベルなどの各種情報を記憶する記憶部MEMを備える。また調光制御装置1は、他の調光制御装置などの外部機器(図示せず)との間で信号の授受を行う通信部CMと、この外部機器の通信線(図示せず)が接続される通信端子T4が設けられている。
また調光制御装置1は、図1に示すように、壁面などの造営面に設けられた取付孔(図6を参照)に埋め込み配置される器具本体100を備える。この器具本体100は、ケース10、取付枠20、及び、カバー30をその構成要素として備える。また調光制御装置1は、カバー30の表面に設けられた操作用カバー31を露出させた状態でカバー30に取り付けられる化粧板41と、化粧板41の下方側を軸として開閉自在に化粧板41の前面側に取り付けられる化粧扉42からなる化粧パネル40を備える。さらに調光制御装置1は、上述の調光回路を構成する各回路部品53が表面に実装された調光回路基板50と、操作部STを構成する回路部品が実装された入力回路基板60とを備える。
調光回路基板50は、5回路分の位相制御端子T2a…T2e及び電源端子T1を含む強電用端子51と、5回路分の信号線用端子T3を含む弱電用端子52が後方側の表面に実装されている。強電用端子51及び弱電用端子52は、何れも調光回路基板50の後方側表面で、且つ、下方側に所定の間隔を空けて略直線状に配置されている。これらの強電用端子51及び弱電用端子52には、それぞれ電源線L1、L3及び信号線L2が後方側から押し込むことにより接続される。
ケース10は、前面に開口する開口部11を有し、合成樹脂により略箱状に形成されている。ケース10は、図1に示すように、後述する調光回路基板50の各端子51、52が実装された側が後方側となるようにして、調光回路基板50を収納する配線収納領域12が形成されている。
またケース10の後方側の壁面には、強電用端子51及び弱電用端子52をそれぞれケース10の後方側に露出するための電源用端子孔14及び弱電用端子孔15が設けられている。ケース10は、ケース10の内側において強電用端子51と弱電用端子52との間の空間を配線収納領域17とし、調光制御装置1で用いる各種配線(図示せず)を収納している。この配線収納領域17の強電用端子51側の側壁には、ケース10の内側において他の部位よりも前方側に突出したリブ17aが設けられている。ケース10の後方側の強電用端子51と弱電用端子52との間は、強電用端子51及び弱電用端子52よりも後方側に突出した凸部16が形成されている。
またケース10の前面側の上下の縁部には、ネジ孔を有するネジ止め用の突起部13が形成されており、ケース10は、調光回路基板50を配線収納領域12に収納した状態で、突起13のネジ孔に後方側から挿入したネジにより取付枠20に取り付けられる。
またケース10の後方側の外壁には、電源線L1と信号線L3とを分離して配線する為のセパレータ5が取り付けられる取付溝19が形成されている。取付溝19は、セパレータ5の厚みよりもやや幅狭に形成されており、後方側からセパレータ5を押し込むことで取付溝19の内壁にセパレータ5が狭持される。
またケース10の下側の壁面には、ケース10の左右方向を長辺とする略矩形状に開口して、係止片80(図4(a)を参照)が挿入されるスリット18が、ケース10の左右方向に沿って複数個設けられている。各スリット18は、ケース10の内部に調光回路基板50を収納した状態において、調光回路基板50の前面側の表面と接する位置であって(図4(b)を参照)、各端子孔14、15の近傍に設けられている。
係止片80は、図4(a)に示すように、前後方向の幅がスリット18の幅と略等しい幅の平板状に形成されており、下方側に他の部位よりも広い鍔部84が形成されている。また係止片80の上方側に位置し、スリット18に挿入する際の先端部81には、後方側の側面が先端部81に近づくにつれて前方側に近づくことで幅狭に形成された傾斜部82を有する。また、係止片80の他端側には、スリット18に挿入された際にスリット18の内壁を外側に押圧する断面が略三角形の突起83が設けられている。
ここでケース10の内部に調光回路基板50が収納された状態で、ケース10の外部から内側に向けてスリット18に係止片80を挿入すると、係止片80の傾斜部82が調光回路基板を後方側に押しのけながらスリット18の内部に挿入される。さらに、係止片80をケース10の外壁と顎部84が当接するまで押し込むと、突起83がスリット18の内壁を外側に押圧することで、調光回路基板80の前面側が係止片80の後方側と当接した状態で、係止片80はケース10に保持される。
取付枠20は、中央が開口した四角形状の金属板からなり、背面側にケース10がネジ止めなどにより取り付けられる。また取付枠20は、左右両側の縁部から中央の開口に向けて突出したマウンタ21(21a、21b)が形成されている。このマウンタ21の前方側には入力回路基板60が配置され、マウンタ21の後方側には調光回路基板50及び後述する放熱板70が配置される。この放熱板70は、取付枠20のマウンタ21と熱的に結合するように取り付けられている。
入力回路基板60は、それぞれタクトスイッチからなるアップスイッチ61a及びダウンスイッチ61bで構成される調光スイッチ61と、上下方向に2個並んだディップスイッチからなるモード切替スイッチ62が照明器具2ごとに設けられている。また入力回路基板60は、複数の発光ダイオードからなるLED63が照明器具ごとに設けられており、各調光スイッチ61、モード切替スイッチ62、LED63は、対応する照明器具ごとにまとめて近い位置に設定されている。また入力回路基板60の表面には、調光シーンを設定するためのタクトスイッチからなるシーン選択スイッチ64が複数個設けられている。ここで、調光スイッチ61は上述の操作部STを構成する調光操作部に、モード切替スイッチ62は操作部STを構成する設定操作部に、LED63は表示部DSPにそれぞれ対応している。
放熱板70は、熱伝導率の高い平板状の金属を略L字状に折り曲げ加工して形成されたものであり、一方側が調光回路基板50の後方側に実装された回路部品53の近傍に位置し、他方側が取付枠20の開口に位置してマウンタ21に取り付けられる。また、放熱板70と調光回路基板50との間には、調光回路基板50と略等しい大きさに形成された絶縁シート71が配置されている。すなわち、放熱板70、絶縁シート71、及び、調光回路基板50は、マウンタ21の後方側表面にそれぞれスペーサ等を適宜介在させ、所定の空間を空けて重ねて取り付けられている。
取付枠20の上下の側辺には、厚み方向に貫通した楕円状のネジ挿通孔22と、後述する挟み金具3(図5(a)を参照)を係止させるための略L字状に形成された一対の挟み金具保持孔23が、それぞれ左右方向の両端付近に設けられている。挟み金具保持孔23は、左右方向の幅が後述する挟み金具3の係止突起3aの幅に合わせた大きさの幅狭部23aと、幅狭部23aの一端側から内側に延び、係止突起3aの爪3bに対応した幅の幅広部23bを有する。
カバー30は、後方が開口した略箱状であり、前後方向を厚み方向とする平板状に形成された合成樹脂成形品からなり、ケース10の開口部11を覆うようにして取付枠20の前面側に取り付けられる。カバー30は、調光スイッチ61を操作する為の操作用カバー31やモード切替スイッチ62を操作する為の操作用孔32など、各回路基板50、60の表面に実装された回路部品をカバー30の前面側から露出するための窓孔が適宜設けられている。
またカバー30は、前後方向に貫通する複数のスリットからなる通気孔33a、33bを有し、通気孔33aはカバー30の上方側、通気孔33bはカバー30の下方側のそれぞれの縁部に長手方向に並べて複数設けられている。各通気孔33は、カバー30の他の部位よりも後方側に陥没した凹部にそれぞれ設けられている。また通気孔33a、33bが設けられたこの凹部には、カバー30の中央に向けて前方側に傾斜した傾斜部36が設けられている。
また、カバー30は、カバー30を取付枠20に取り付けた状態において挟み金具保持孔23と対向する位置に、前後方向に貫通した取付窓枠34が設けられている。この取付窓枠34の内部の空間に挟み金具3やネジ締め用の工具を通すことで、カバー30を取付枠20に取り付けた状態で、器具本体100を造営面に取り付け、また造営面から取り外すことができる。
調光制御装置1を造営面に取り付ける際には、ケース10の内部に調光回路基板50を収納した状態で取付枠20にケース10及びカバー30を取り付け、ケース10の後方側を造営面内に収納し、例えば図5(a)に示す挟み金具3などを用いて固定する。挟み金具3は、図5(a)に示すように、平板状の金属片の一辺を前方側に突出させた略L字状に形成され、突出した辺の左右方向の両側には、さらに前方側に突出した係止突起3aが形成されている。係止突起3aの先端は、他の部位よりも内側方向に幅広に形成された爪3bが設けられている。また挟み金具3の他方側の辺の両端は、端に近づくに連れて前方側に向けて突出するよう折り曲げられた保持部3cが設けられている。
より具体的には、取付枠20、ケース10、及び、カバー30を組み合わせた状態で、器具本体100の後方側から前方側に向けて、挟み金具保持孔23の幅広部23bに挟み金具の爪3b側から係止突起3aを挿入する。その後、挟み金具3の係止突起3aを、挟み金具保持孔23の幅狭部23aに向けてスライドさせると、爪3bが幅狭部23aと係止する。この状態で、ネジ(図示せず)をケース30の取付窓枠34の前方側から通して、ネジ孔3cに軽くネジ止めする。次に、取付枠20の背面と挟み金具3の前面との間に造営面を構成する造営部材を差し込み、ネジを締めることで取付枠20の後方側面と挟み金具3の前面側とで造営部材を狭持する(図5(b)を参照)。ここでネジを締めると、挟み金具3はL字状に形成され、その下部にはケース10の外壁が存在するので、挟み金具3はネジを締めるごとに前方側に起き上がり、挟み金具3の係止突起3aが挟み金具保持孔23の幅狭部23b側に移動する。
なお、ケース本体100を造営面に取り付ける方法として、埋め込みボックスに取付枠20を取り付けることも可能であり、その場合には、取付窓枠34及びネジ挿通孔22を通したネジを、埋め込みボックスのネジ孔(図示せず)にネジ止めする。
また取付枠20の背面側には、器具本体100を造営面に取り付ける際に取付枠20の背面側にと造営面の表面との間に介在させる防気シート4が配置される。防気シート4は、例えばオレフィン系エラストマシートを真空形成により形成した略透明な成形品であり、中央が開口した矩形枠状に形成され、取付枠20の周囲の枠部分よりもやや大きなサイズに形成されている。
また防気シート4は、取付枠20のネジ挿通孔22に対応する位置に、十字型に切れ込まれたネジ用切込4aが設けられている。取付枠20を造営面に取り付ける際には、防気シート4のネジ用切込4aに固定用のネジが通される。
また防気シート4は、取付枠20の挟み金具保持孔23と対向する位置に、防気シート4の外側に近い一辺を残し、防気シート4の上下方向を長辺とする略矩形状の切れ込み金具用切込4b、4cが設けられている。金具用切込4bは、その幅は挟み金具保持孔23の幅狭部23bと略等しく、幅狭部23bの上下方向の長さと略等しい長さに設定されおり、金具用切込4cは、挟み金具保持孔23の幅広部23bの上下方向の長さと略等しい長さに設定されいる。
ここで、器具本体100を挟み金具3を用いて造営面に取り付ける場合には、防気シート4を取付枠20の背面側に重ねて配置し、挟み金具3の爪3bで防気シート4の金具用切込4b、4cを押しのけならがら、挟み金具3の係止突起3aを挿入する。次に、器具本体100を挟み金具3にネジ止めすると、係止突起3aが挟み金具保持孔23の幅狭部23b側に移動するので、金具用切込4cは係止突起3aによって押しのけられなくなる。また、金具用切込4bの先端部分も、徐々に係止突起3aによって押しのけられる度合いが低くなるので、防気シート4は気密性を保つことができる。
化粧パネル40の化粧板41及び化粧扉42は、例えば略平板状に形成された合成樹脂成形品からなり、化粧板41の背面側に設けられた係合突起(図示せず)によってカバー30の前面側を覆うようにして、カバー30に着脱自在に取り付けられる。また化粧板41及び化粧扉42は、化粧板41の下方側の両端に設けられた保持部44aと化粧扉42の下方側の両端に設けられた被保持部44bとが組み合うことで、化粧扉42が化粧板41の前面側表面を開閉自在に保持される。
また化粧板41には、操作用カバー31を前面側に露出させる為の操作孔43を含み、化粧板41を厚み方向に貫通して、カバー30の表面に設けられた各種操作素子を前面側から操作・表示する為の窓枠が適宜設けられている。また化粧扉42には、シーン選択スイッチ64に設けられた操作カバー36を前面側に露出するための操作孔47が化粧扉42の厚み方向に貫通している。また化粧パネル40及び下方側の側壁には、他の部位よりも前後方向の厚みを薄くした通気部45が設けられている。
ここで、調光制御装置1を造営面に取り付けた際の周囲の空気の流れについて、図6を用いて説明する。なお図6は、調光制御装置1を造営面に取り付けた状態において、調光制御装置1を左右方向の一方側から見た断面図である。
図6の断面図に示されるように、造営面内部と室内空間とは造営面及び調光制御装置1により隔てられている。ここで、ケース10の各端子孔14、15の大きさは各端子51、52の大きさよりもやや小さく設定されており、各端子51、52の表面の縁側が各端子孔14、15の縁部の内面と当接しており、ケース10の内面側と後方面側とは気密性が保たれている。また、調光制御装置1と造営面とが当接する部位(図中のA)には、調光制御装置1と造営面との間に防気シート4が介在しているので、造営面内部の空気は室内空間との間で対流せず、室内の気密性が保たれる。
また調光制御装置1の内部では、内部回路が動作することによって発熱し、この熱が放熱板70を伝ってケース10の開口部11付近や、取付枠20の周囲の空気を温める。この温められた空気は、カバー30に設けられた通気孔33aを通って上方側に流れ、カバー30の上方側から室内空間に放出される。この時、カバー30の上方側の壁面は化粧パネル40で覆われているが、通気孔33aと対応する位置に設けられた通気部45により上方側への空気の流れは阻害されない。またカバー30の通気孔33aの下側は、前方側に傾斜した傾斜部36が設けられているので、空気がより上方側に対流しやすくなっている。
また、ケース10内部の空気が調光制御装置1の上方側に対流することで、室内空間内の空気のうち化粧パネル40の通気部45の周囲の空気は、通気孔33bを通ってケース10の内側に引き込まれる。すなわち、調光制御装置1は室内空間との間に、放熱板70の近傍を通り、造営面内部の空間とは通じていない対流経路Rを形成している(図6を参照)。
上述のように、本実施の形態にかかる調光制御装置1は、位相制御に用いられる強電用端子51と、デューティ信号制御に用いられる弱電用端子52とが、所定の間隔を広げてケース後方面に略直線状に配置される。これにより、強電流配線である電源線L1と弱電流配線である信号線L2とを分離するとともに、強電流配線と弱電流配線の配線間違いを低減することができる。また、この各端子51、52を露出する電源用端子孔14及び弱電用端子孔15の間には、調光回路基板50及び入力回路基板60で用いる配線を収納する為の配線収納領域12が設けられているので、無駄なスペースの発生を低減することができる。
またケース10の後方には、各端子51、52よりも後方に突出した凸部16が形成されるとともに、背面にセパレータ5を保持する為の取付溝19が設けられており、セパレータ5を背面に取り付けて配線を行うことが出来る。これにより、配線時及び使用時において強電流配線と弱電流配線とを分離することができ、調光制御装置1の安全性を向上することができる。
またケース10の下方側に取り付けた係止片80によって、調光回路基板50及び入力回路基板60に電源線L1及び信号線L2を後方側から挿入する際に、各回路基板50、60の前方側への移動が抑制される。これにより、各回路基板50、60に負担をかけることなく、ケース10の内部に収納することができるとともに、配線時においても各回路基板50、60にかかるストレスを低減することができる。
またこの係止片80は、各回路基板50、60の表面に沿って幅広に形成された略矩形状であるので、各回路基板50、60の表面と係止片80とが接触する面積が大きく、配線時に各回路基板50、60にかかるストレスを更に低減している。また、係止片80に設けられた突起83が、ケース10のスリット18の内壁を押圧することで、ネジなどを用いることなく係止片80をケース10に取り外し可能な状態で取り付けることができる。
また係止片80の先端部81は、先端部81に近づくにつれて各回路基板50、60の表面から遠ざかるように形成された傾斜部82が設けられているので、スリット18に係止片80を挿入する際に各回路基板50、60を後方に押しのけることができる。
また器具本体100を造営面に取り付ける際には、取付枠20の背面と造営面の表面との間に介在する防気シート4を設けているので、室内と造営面内との対流を低減して、室内の気密性を高め、冷暖房の効率を向上することができる。
またこの防気シート4には、ネジ用切込4aが設けられているので、調光制御装置1を造営面にネジ止めする際にネジ穴を開けるなどの加工が不要で、容易に調光制御装置1を造営面にネジ止めすることができる。
またこの防気シート4には、それぞれ長さの異なる金具用切込4b、4cが設けられ、金具用切込4bと、金具用切込4cとの間に切り込みが設けられている。このため、調光制御装置1を挟み金具3を用いて造営面に取り付ける際に、金具用切込4bは戻り金具用切込4cのみがめくれた状態となるので、気密性を向上させることができる。
また調光制御装置1は、調光回路基板50に実装された回路部品53の近傍からカバー30の背面側にかけて配置される放熱板70を有し、カバー30には前後に貫通する通気孔33a、33bが設けられている。これにより、放熱板70の下方側から上方側に向けて室内の空気が対流する対流経路Rが形成され、室内の気密性が高を保ちつつ、器具本体100の内部で発生した熱を放熱することができる。
また器具本体100の前面を覆う化粧パネル40には通気部45が設けられており、造営面から所定の間隔を開けた位置に対流経路Rが形成されるので、回路部品53で発生した熱を効率よく放熱することができる。
また調光制御装置1は、接続される照明器具2ごとに設定される複数の動作モードが設けられ、その動作モードを変更する為のモード切替スイッチ62と、設定された動作モードに応じた操作を行う為の調光スイッチ61とを備えている。また各調光スイッチ61及びモード切替スイッチ62は、照明器具ごとに近い位置に配置されており、使用者は設定対象の照明器具を間違えることなく、調光制御の方式を設定することができる。
また、モード切替スイッチ62が照明器具2の点灯・消灯を切り替える点灯切替モードへの切替手段を兼用しているので、使用者は設定対象の照明器具をを間違えることなく、調光制御の方式を設定することができる。