JP3955869B2 - ガラスセラミック、ガラス又はセラミック製成形体における開口縁部の保護装置 - Google Patents

Description

本発明は、ガラスセラミック、ガラス、又はセラミック製の成形体における開口縁部、特に調理用ホブ（もしくは五徳）における大気ガスバーナ通路用の開口縁部を機械的損傷から保護し、且つ成形体の開口部からの液体の進入により成形体の下に位置する装置を汚染したり損傷したりすることを防ぐための装置に関する。

この種のバーナ装置を備えた公知のガスストーブや調理用ホブに関しては、各ガスバーナは支持フレームやハウジングに固定して取り付けられている。ここでは、ガスバーナを取り巻く領域を覆っているガラス板、特にプレストレスド（予め応力を加えられた）ガラス板には、各ガスバーナに対して実際に必要とされるよりもかなり大きい開口部が設けられている。このようにガスバーナと開口縁部との間に形成された広い環状の間隙は、板金から成る簡単な環状カラーで覆われている。これによってガラス板からガスバーナを機械的に分離できるが、ガラス板にガスバーナを備え付けるこの方法は、実用上、特に清掃性に関して不利である。これらの装置を用いた場合、例えば煮えこぼれた材料がプレストレスドガラス板と板金カラーとの間の継ぎ目に入ってしまうことがある。これらの装置を清掃するのは難しく、大抵少なくとも一部を分解する必要さえある。
さらに、上記のような接続形式は多数の個々の部品を有しており、その結果、高価となり、またそれらの組立ては非常に複雑である。

例えば、特許文献１には調理用ホブのためのバーナ装置が開示されており、少なくとも１つのガスバーナが支持フレームに取り付けられ、ガスバーナを取り巻く領域がガラス、ガラスセラミック又はセラミック製の成形体で覆われている。各ガスバーナは、成形体の開口部を通って成形体の上面より上に突出している。開口縁部領域上及びガスバーナによって形成される少なくとも１つの接続面にしっかりと液密に係合している接続封止要素を備えた永久弾性接続封止装置が、成形体と成形体によって支持されている各ガスバーナとの間に取り付けられている。また、安全保持装置がガスバーナと支持フレームとの間に取り付けられており、これらの装置は、成形体が破損して耐力を失った場合、各ガスバーナを回転させずに（同時に制限されたわずかな動きは許容するが）維持し、しっかり留めるようにするためのものである。
このバーナ装置の組み立ては複雑な作業であることに加え、接着により機械的に強固な結合を提供するという問題は解決されるものの、リサイクル、組み立て（例えば、シリコーン接着剤に必要とされる乾燥時間のため）及び手入れの面において不利である。

特許文献２には、ガスバーナを入れるのに必要とされるほどの大きさだけの開口部を設け、また封止するために開口縁部においてガスバーナをガラス又はガラスセラミック成形体にしっかり接続することにより、ガラス又はガラスセラミック成形体に対するバーナの封止が改善できることが開示されている。ガスバーナは、さらに支持フレームに接続されているブラケットに取り付けられている。
しかしながら、調理面が機械的又は熱的負荷を受けると、脆性成形体、支持フレーム及びガスバーナ間のこの種の機械的に強固な接続により成形体内に応力が生じる。調理用ホブ又はガスストーブの場合には、成形体が壊れる危険性は全ての場合にかなり増加するだろう。
ドイツ特許明細書第ＤＥ４１ ３３ ４０９ Ｃ２号 米国特許第５，０４６，４７７号明細書

従って、本発明の目的は、前記したようなタイプのバーナ装置において、実用上充分有効であり、清掃もし易いと共に、応力による破損の危険を排除できるガスバーナとガラスセラミック、ガラス又はセラミック製成形体との間の封止及び／又は断熱保護装置を提供することにある。それと同時に、接着作業を必要とせず、また、時間、材料並びにコストを殆ど費やすことなく簡単な方法で保護装置を組み立てることができなければならない。
さらに本発明の基本的な目的は、大気ガスバーナを成形体に通過させ、安全にかつ適切な方法でそれらを位置決めでき、また孔の縁部の保護装置を提供することである。

上記目的を達成するために、本発明によれば、ガラスセラミック、ガラス、又はセラミック製成形体の開口縁部、特に調理用ホブにおける大気ガスバーナの挿通用の開口縁部を機械的損傷から保護し、成形体の開口部からの液体の進入により成形体の下に位置する装置を汚したり損傷したりすることを防ぐための装置であって、各開口縁部を覆うように延在するカラーを有する環状の留め金と、該留め金の下端部に係合される部分的に切り欠かれたリング状の締結要素とからなり、上記カラーとリング状締結要素で成形体を挟持するように構成されていることを特徴とする保護装置が提供される。
特に好適な態様においては、封止及び／又は耐熱性材料が成形体と留め金及び／又はリング状締結要素との間に介在している。また、他の好適な態様においては、環状の留め金が切断箇所を有し、成形体の開口縁部を押圧する予め付勢された開放ばね要素として設計されている。

本発明は、ガスバーナがガラス又はガラスセラミック板を通過でき、組立ての際に開口縁部を保護し、使用中に液体の進入を防ぐ簡単で費用のかからない保護装置を提供する。この保護装置は、組み立てる時と手入れをする場合に有利であり、設計の自由を最大限に可能にすると共に、上品で、清掃し易く、また経済的に製造できる。

本発明の利点は以下の通りである。
（イ）ガラスセラミック又はガラスとガスバーナとの間は、機械的に硬直した接合となっていない。このことは、成形体が機械的負荷を受ける間に生じるエネルギーを成形体が破壊されることなく吸収するのに必要である。
（ロ）破損が生じた場合には、ガラス／ガラスセラミックと共に決して取り除かれることなく、ガスバーナへのガス供給管がそのままガス漏れを生ずることなく残ることが保証される。
（ハ）バーナ開口部の貫通孔の縁は許容し難い程高い機械的負荷から保護される。
（ニ）煮えこぼれた材料又は他の液体が調理装置の内部に達することができないことが保証される。
（ホ）複雑な組立て作業は殆ど無く、このことは、
（ヘ）欠陥のある構成要素の交換、或いは例えば異なる種類のガス用のノズルの交換に関わる整備作業が容易であり、且つ費用がかからないことも意味する。

前記したように、本発明の保護装置は、ガスバーナの挿通用の開口縁部を機械的損傷から保護し、成形体の開口部からの液体の進入により成形体の下に位置する装置を汚したり損傷したりすることを防ぐために、各開口縁部を覆うように延在するカラーを有する環状の留め金と、該留め金の下端部に係合される部分的に切り欠かれたリング状の締結要素とからなり、上記カラーとリング状締結要素で成形体を挟持するように構成されていることを特徴とする。

好ましい態様においては、留め金は、さらに開口部領域中に突出し、ガスバーナによって形成される面の支持体として供されるタブを有するか、或いは、開口部領域中に突出しているタブが、ガスバーナによって形成される面をその間に収容する２つの平行平面を形成するように構成することもできる。これにより、バーナの位置決め及びセンタリングがかなり簡単になる。

ガラスセラミック、ガラス又はセラミック製成形体の開口部は普通円形であるため、留め金は結果的に円筒形の本体を有する留め金リングとして設計され、好ましい態様では、留め金リングは、成形体の開口縁部に対してそれ自体押圧する予め付勢された（プレストレスド）開放ばね要素として設計することもできる。本発明のさらに有利な態様は、留め金が円筒形の本体の一端においてカラーを有し、本体を取り囲む簡単なリング状の締結要素、特に金属締結リングが本体の他端に位置し、締結要素が所定の方法、特に本体のノッチ及び／又は曲げによって本体に取り付けられることによって得られる。

本発明による保護装置の全ての態様は、封止（シール）及び／又は断熱材、特に温度安定性の黒鉛含有材料及び／又はセラミック複合繊維材料が成形体と留め金及び／又はリング状締結要素との間に簡便に挿入される点で共通している。
上面側において、封止は、留め金とガラスセラミック、ガラス又はセラミック等の成形体との間に、例えば煮えこぼれた材料及び／又は洗浄剤に対する液密バリヤーを形成する働きをし、また、下面側においては、封止は金属による機械的引掻き及び損傷から成形体を保護する。
留め金のカラーが空気供給用開口部を有し、特に本体を取り囲む領域にその空気供給用開口部が水分を通さないように配置されるか、或いは覆われることが有利である。
保護装置の特に好ましい態様においては、留め金のカラーの下縁部が、封止及び／又は断熱材が圧縮圧迫下に保持されるように成形体に向かって曲げられている。

以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施例についてさらに詳細に説明する。
図１乃至図３は、本発明の保護装置の一実施例を示しており、環状の留め金１（以下、留め金リングという）と、リング状締結要素６（以下、締結リングという）と、上記留め金リング１のカラー２とリング状締結要素６で成形体３を挟持するように構成されており、ガラスセラミック板等の成形体３の開口部５の縁部７にしっかり留められる。
留め金リング１は、ガラスセラミック板等の成形体３の上面周辺に延びて重なるカラー２と、孔（ガスバーナ用の開口部）５よりも小さい直径を有する本体４とからなる一個構成の留め金リングである。また、締結リング６は、部分的に切り欠かれたリング状の単純な構造の金属製締結要素であり、本体４の下端に位置し、本体４を囲んでいる。締結リング６は、ここでは所定の方法、例えば、留め金リング１の下端部の鼻の形に曲がった部分８に弾性的に係合して固定されている。

図４は、円筒形の軸線方向に切断された箇所９を有し、この部分で分割した留め金リング１が、成形体の開口縁部を押圧する予め付勢された開放ばね要素として設計されている本発明の変形例を図示している。この留め金リング１は、ばね付勢により孔５の縁部７に押し付けられ、固定される。

所望に応じて、留め金リング１と締結リング６は、はんだ付け又は接着により、或いはクリップを用いて結合できる。
検討された本発明による保護装置の全ての実施例においては、図２に示されるように、留め金リング１のカラー２と締結リング６の重なり部分と、例えばガラスセラミックからなる成形体３の上面、できれば更に下面との間に取り付ける封止材（シール）１０が必要である。
上面では、封止材１０は特に、例えば留め金リング１とガラスセラミック、ガラス又はセラミック等の成形体３との間において、煮えこぼれた材料及び／又は洗浄剤に対する液密バリヤーを形成する働きをし、また下面では、封止材は金属６による機械的引掻きや損傷から成形体３を保護する。
さらに図２に示す実施例では、留め金リング１のカラー２及びその縁部が成形体３の表面に向かって曲がっており、この設計により、圧力をかけて封止材１０を保持する。

図５に示す変形例では、空気孔１１がカラー２の円周部に均一に分布するように設けられている。必要に応じて、煮えこぼれた材料又は洗浄用の水が調理中又は洗浄中にホブの内部へ空気孔１１を通して入り込まないようにするために、装飾リングを留め金リング１の上部に単に置いてかぶせることもできる。装飾リングは留め金リング１の上部に単に緩く載置されているに過ぎず、バーナのハウジングに固定される。しかしながら、必要な１次空気を導入できるように、装飾リングとガラスセラミック等の成形体との間に所定の間隙を設けるようにこの装飾リングの周囲下端部に小さい足部が形成することもできる。

本発明に係る保護装置の一実施例を示す留め金リングの斜視図である。 本発明に係る保護装置を留め金リングと締結リングとで成形板の開口縁部を挟持するように装着した状態を示す部分断面図である。 図２に示す締結リングの平面図である。 ばね要素として設計された分割留め金リングの平面図である。 円周部に均一に分布した空気孔を有する留め金リングの斜視図である。

符号の説明

１ 留め金リング
２ カラー
３ 成形体
４ 本体
５ 開口部（孔）
６ 締結リング
７ 縁部
１０ 封止材

Claims (3)

1. ガラスセラミック、ガラス、又はセラミック製成形体の開口縁部、特に調理用ホブにおける大気ガスバーナの通路用開口縁部を機械的損傷から保護し、成形体の開口部からの液体の進入により成形体の下に位置する装置を汚したり損傷したりすることを防ぐための装置であって、各開口縁部を覆うように延在するカラーを有する環状の留め金と、該留め金の下端部に係合される部分的に切り欠かれたリング状の締結要素とからなり、上記カラーとリング状締結要素で成形体を挟持するように構成されていることを特徴とする保護装置。
2. 封止及び／又は耐熱性材料が、成形体と留め金及び／又はリング状締結要素との間に介在していることを特徴とする請求項１に記載の保護装置。
3. 環状の留め金が切断箇所を有し、成形体の開口縁部を押圧する予め付勢された開放ばね要素として設計されていることを特徴とする請求項１又は２に記載の保護装置。
   

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