JP3955785B2 - 作業車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、作業車の一形態として、直進動力伝達系の回転速度を増減速させる直進用無段変速装置と、旋回動力伝達系の回転速度を増減速させる旋回用無段変速装置と、これら直進動力伝達系と旋回動力伝達系との回転速度を合成して、この合成回転速度により左右の走行部を個別に駆動するミッション部とを具備し、上記旋回用無段変速装置に操向リンク機構を介してステアリングホイールを連動連結する一方、前記直進用無段変速装置に前後進切替・変速レバーを連動連結したものがある。
【0003】
このようにして、ステアリングホイールの回動操作に連動して回動方向側の走行部を減速させることにより、同ステアリングホイールの回動方向に車体を旋回させることができるようにしている。
【0004】
また、上記したクローラ式の走行部を具備する作業車では、前進走行時と後進走行時とでは、旋回操作方向と機体の旋回動作方向が反対になるため、操作性と安全性とを確保するために旋回動作方向を切り替えるための旋回動作方向切替手段を別途設けて、同旋回動作方向切替手段を手動操作により切り替えるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した作業車では、それぞれ独立している直進動力伝達系と旋回動力伝達系との回転速度をミッション部にて合成して、この合成回転速度により左右の走行部を個別に駆動するようにしているため、直進動力伝達系の回転速度が大きい場合には、ステアリングホイールの回動方向側の走行部が、他方の走行部に比べて減速はされるものの、左右側両方の走行部が前進方向に走行駆動されて、車体の旋回半径が大きくなるという不具合がある。
【0006】
すなわち、作業車を高速で直進させている状態から、ステアリングホイールを旋回操作した場合には、旋回方向側の走行部が走行駆動停止されると共に、他方の走行部が前進方向に走行駆動される、いわゆるピボットターンや、旋回方向側の走行部が後進方向に走行駆動されると共に、他方の走行部が前進方向に走行駆動される、いわゆるスピンターンを行うことができないために、車体の旋回半径が大きくなるという不具合がある。
【0007】
また、上記した旋回動作方向切替手段では、操作荷重があるために、オペレータにとって切替操作が楽にしかも円滑に行えず、繰り返し操作しているとオペレータの疲労が大きくなるという不具合がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、直進動力伝達系の回転速度を増減速させる直進用無段変速装置と、旋回動力伝達系の回転速度を増減速させる旋回用無段変速装置と、これら直進動力伝達系と旋回動力伝達系との回転速度を合成して、この合成回転速度により左右一対のクローラ式の走行部を個別に駆動するミッション部とを具備する作業車において、上記旋回用無段変速装置に操向リンク機構を介してステアリングホイールを連動連結する一方、前記直進用無段変速装置に前後進切替・変速レバーを連動連結し、上記操向リンク機構に、前後進切替・変速レバーの変速操作域に比例させて旋回用無段変速装置の旋回増速域を増大させる旋回増速域変更機構を設け、同旋回増速域変更機構に操作荷重軽減機構を設けたことを特徴とする作業車を提供するものである。
【0009】
また、本発明では、旋回増速域変更機構は、旋回用無段変速装置の正・逆回転作動を切り替える旋回方向切替機能を具備し、同旋回増速域変更機構に前後進切替・変速レバーを連動連結して、前後進切替・変速レバーの前・後進切替操作と、旋回増速域変更機構による旋回用無段変速装置の正・逆回転切替作動とを連動させたことにも特徴を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
すなわち、本発明に係る作業車は、基本的構造として、直進動力伝達系の回転速度を増減速させる直進用無段変速装置と、旋回動力伝達系の回転速度を増減速させる旋回用無段変速装置と、これら直進動力伝達系と旋回動力伝達系との回転速度を合成して、この合成回転速度により左右一対のクローラ式の走行部を個別に駆動するミッション部とを具備している。
【0012】
そして、特徴的構造として、上記旋回用無段変速装置に操向リンク機構を介してステアリングホイールを連動連結する一方、前記直進用無段変速装置に前後進切替・変速レバーを連動連結し、上記操向リンク機構に、前後進切替・変速レバーの変速操作域に比例させて旋回用無段変速装置の旋回増速域を増大させる旋回増速域変更機構を設け、同旋回増速域変更機構に操作荷重軽減機構を設けている。
【0013】
また、旋回増速域変更機構は、旋回用無段変速装置の正・逆回転作動を切り替える旋回方向切替機能を具備し、同旋回増速域変更機構に前後進切替・変速レバーを連動連結して、前後進切替・変速レバーの前・後進切替操作と、旋回増速域変更機構による旋回用無段変速装置の正・逆回転切替作動とを連動させている。
【0014】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1に示すAは、本発明に係る作業車であり、同作業車Aは、後方に作業装置としての耕耘装置Bを昇降連結機構Cを介して連結している。
【0016】
そして、作業車Aは、図2にも示すように、左右一対のクローラ式の走行部1,1間に車体フレーム2を架設し、同車体フレーム2上において、前部に運転部3を配置し、同運転部3の座席4の後方に原動機部5を配置すると共に、同座席4の下方に原動機部5と連動連設したミッション部6を配置し、同ミッション部6に各走行部1,1の駆動輪13,13をそれぞれ走行伝動機構7,7を介して連動連結している。
【0017】
また、車体の前部にフロントPTO軸8を前方に突出させて配置する一方、車体の後部にリヤPTO軸9を後方に突出させて配置して、両PTO軸8,9を前記ミッション部6に連動連結している。
【0018】
走行部1は、図1及び図2に示すように、前後方向に伸延する走行フレーム10と、同走行フレーム10の前・後端部にそれぞれ取り付けた前・後従動輪11,12と、両前・後従動輪11,12間でかつこれらよりも上方位置に配置した駆動輪13と、これら駆動輪13及び前・後従動輪11,12の間に巻回して側面視三角形状となした履帯14とを具備している。16はアイドラホーク、17はアイドラホーク進退調節用ボルト、18は転動輪、19は履帯外れ防止体である。
【0019】
車体フレーム2は、図1及び図2に示すように、左右一対の走行フレーム10,10間に、前部横フレーム形成片20と後部横フレーム形成片22とをそれぞれ前後方向に間隔を開けて横架して形成しており、前部横フレーム形成片20より上方に立ち上げた前部支持体23と、後部横フレーム形成片22より上方に立ち上げた後部支持体24との間に、平面視四角形リング状に形成したガードフレーム25を架設している。
【0020】
運転部3は、図1〜図3に示すように、ガードフレーム25の前部に床部26を張設しており、同床部26上において、床部26の前部にステアリングコラム27を立設し、同ステアリングコラム27中に上下方向に伸延するステアリングホイール支軸28を挿通して、同ステアリングホイール支軸28の上端部にステアリングホイール29を取り付けることにより、車体の最前部にステアリングホイール29を配置している。
【0021】
一方、床部26の下方において、ステアリングホイール支軸28の下端部に、リンクボックス30内に内蔵した操向リンク機構31を連動連結し、同操向リンク機構31に後述する旋回用無段変速装置76のトラニオンアーム76aを連動連結して、ステアリングホイール29の左・右回転操作と旋回用無段変速装置76の正・逆回転作動とを連動させている。
【0022】
そして、ステアリングホイール29の後方位置に座席4を配置しており、同座席4の左側方位置に前後進切替・変速レバー32を配置している。
【0023】
しかも、前後進切替・変速レバー32は、後述する直進動力伝達系の回転速度を増減速させる直進用無段変速装置77のトラニオンアーム77aに連動連結して、同前後進切替・変速レバー32の前・後進切替並びに変速操作と、直進用無段変速装置77の正・逆回転切替並びに増減速作動とを連動させている。
【0024】
さらには、図3に示すように、リンクボックス30に内蔵した操向リンク機構31に、前後進切替・変速レバー32の変速操作域に比例させて旋回用無段変速装置(76)の旋回増速域を増大させる旋回増速域変更機構34を設け、同旋回増速域変更機構34に操作荷重軽減機構57を設けている。
【0025】
そして、旋回増速域変更機構34は、旋回用無段変速装置76の出力軸(図示せず)の正・逆回転作動を切り替える旋回方向切替機能を具備しており、前後進切替・変速レバー32の前・後進切替操作と、旋回増速域変更機構34による旋回用無段変速装置76の出力軸の正・逆回転方向切替作動とを連動させている。
【0026】
ここで、リンクボックス30は、図3〜図5に示すように、平面視にて前後方向に伸延し、かつ、側面視にて扁平な箱形に形成して、ガードフレーム25にステー35を介して下方より取り付けている。
【0027】
しかも、リンクボックス30の前部には、上下方向に軸線を向けた連動軸36をその軸線廻りに回転自在に枢支し、同連動軸36の上端部をリンクボックス30の天井部30aに形成した突出孔40より上方へ突出させてステアリングホイール支軸28の下端部に同軸的に連動連結している。37は支軸ケースである。
【0028】
そして、連動軸36は、上部に出力ギヤ38を設ける一方、下部外周面に回転規制及び中立復帰用のコイルスプリング39を巻回しており、同コイルスプリング39の一端39aは連動軸36より側方へ突設した可動側係止片41に係止する一方、同コイルスプリング39の他端39bはリンクボックス30内に固設した固定側係止片42に係止している。
【0029】
また、リンクボックス30の底部30bの右側前部には、回転規制片43を上方へ向けて突設している。
【0030】
このようにして、ステアリングホイール29の回転操作に連動して連動軸36が回転して、可動側係止片41の先端部が回転規制片43に前後いずれか一方向から係合して、同ステアリングホイール29の左右の回転操作角がいずれも180度よりも小さい範囲内に規制されるようにしている。
【0031】
この際、ステアリングホイール29の回転操作に連動して回転する連動軸36は、コイルスプリング39の弾性付勢力に抗して回転しており、同ステアリングホイール29を中立方向に回動付勢しているため、ステアリングホイール29から手を離すと、同ステアリングホイール29はコイルスプリング39の弾性付勢力により中立位置に回動復帰される。
【0032】
また、かかるリンクボックス30に内蔵した操向リンク機構31は、図3〜図6に示すように、リンクボックス30の天井部30aの中央部に左右揺動自在に取り付けた揺動体45と、同揺動体45の直下方位置にてリンクボックス30の左右側壁30c,30d間にて左右方向に横移動自在に取り付けた横移動体46と、同横移動体46と上記揺動体45との間に配置して両者に係合する係合ピン47と、上記横移動体46に先端部を係合させ、かつ、リンクボックス30の底部30bに基端部を左右揺動自在に取り付けた連動アーム48とを具備している。
【0033】
揺動体45は、前後方向に伸延させて形成した揺動体本体45aと、同揺動体本体45aの上面中央部より上方へ軸線を向けて突設した揺動支軸45bとを具備して、同揺動支軸45bをリンクボックス30の天井部30aに枢支している。
【0034】
そして、揺動体本体4 5aは、前端縁部を円弧面に形成して、同円弧面に部分ギヤ45cを形成すると共に、下面に前後方向に伸延する揺動体側係合溝45dを形成している。
【0035】
また、部分ギヤ45cは、連動軸36の上部に設けた出力ギヤ38に噛合させて、同連動軸36に連動して揺動体45が揺動支軸45bを中心に揺動すべく構成している。
【0036】
横移動体46は、図6及び図7に示すように、左右方向に軸線を向けた筒状の移動体本体46aと、同移動体本体46aの上面に直交状態に連設した係合片46bとを具備して、移動体本体46aをリンクボックス30の左右側壁30c ,30d間に横架したスライド支軸49にスライド自在に取り付けている。
【0037】
そして、係合片46bは、前後方向に伸延する上面開口の箱形に形成して、内部に横移動体側係合溝46cを形成している。
【0038】
係合ピン47は、上下方向に軸線を向けて形成して、前記した係合片46bの横移動体側係合溝46c内に下端部を摺動自在に係合させる一方、前記した揺動体本体45aの揺動体側係合溝45d内に上端部を摺動自在に係合させている。
【0039】
連動アーム48は、図4及び図7に示すように、リンクボックス30の底部30bに軸線を上下方向に向けて挿通した枢軸50の上端部に基端部を取り付ける一方、前記した移動体本体46aの下端中央部に形成した二又状係合片46eに先端部を係合させている。
【0040】
そして、リンクボックス30の底部30bより外部へ突出させた枢軸50の下端部に右側方へ向けて伸延する作動アーム51の基端部を取り付けて、同作動アーム51の先端部と旋回用無段変速装置76のトラニオンアーム76aとを旋回用HST連動機構52を介して連動連結している。
【0041】
旋回用無段変速装置76の出力軸の正・逆回転方向を切り替える旋回増速域変更機構34は、図3〜図7に示すように、前記した前後進切替・変速レバー32と係合ピン47との間に介設している。
【0042】
すなわち、旋回増速域変更機構34は、図3に示すように、左右方向に軸線を向けたレバー支軸53に取り付けブラケット54を介して前後進切替・変速レバー32の下端部を取り付けると共に、同レバー支軸53に直進用HST作動アーム55を後下方へ向けて突設し、同直進用HST作動アーム55と直進用無段変速装置77のトラニオンアーム77aとの間に直進用HST連動機構58を介設している。
【0043】
そして、リンクボックス30内に設けた前記係合ピン47に係合ピン連結片5 6を介して操作荷重軽減機構57を連動連結している。
【0044】
ここで、操作荷重軽減機構57は、図3及び図7に示すように、直進用無段変速装置77内に設けた循環油路59に並列的に接続したシリンダ作動用循環油路60と、同シリンダ作動用循環油路60の中途部に設けた操作荷重軽減用油圧シリンダ61とを具備している。
【0045】
そして、図9に示すように、循環油路59は、直進用可変ポンプP2と直進用正逆回転モータM2とを連通連結しており、直進用可変ポンプP2には原動機部5に設けたエンジンEを連動連結すると共に、同直進用可変ポンプP2に設けた斜板(図示せず)に前記したトラニオンアーム77aを連動連結している。63は旋回用無段変速装置76の循環油路、P1は旋回用可変ポンプ、M1は旋回用正逆回転モータである。なお、本実施例では、ミッションケース70を油圧タンクとして使用している。
【0046】
また、操作荷重軽減用油圧シリンダ61は、図3に示すように、シリンダ本体61a内に前後方向に軸線を向けたピストンロッド61bを介してピストン61cを収容し、同ピストンロッド61bをロッド挿通孔61dを通してリンクボックス30内に挿通すると共に、係合ピン連結片56の後端部に連結ピン61eを介して連結している。
【0047】
しかも、旋回増速域変更機構34には中立位置仮止め手段62を設けて、前後進切替・変速レバー32を介した旋回増速域変更機構34の中立操作に、操向リンク機構31の下流側を中立位置に仮止めする中立位置仮止め手段62の仮止め作動を連動させている。
【0048】
すなわち、中立位置仮止め手段62は、図3に示すように、操作荷重軽減用油圧シリンダ61のシリンダ本体61a内に設けており、ピストン61cを間に挟んで対向状態に形成される二つの油室61f,61g内にそれぞれ中立復元用スプリング61h,61iを配置して、両中立復元用スプリング61h,61iによりピストン61cを介して操向リンク機構31の下流側を中立位置に仮止めすることができるようにしている。
【0049】
また、中立位置仮止め手段62は、図3に示すように、旋回増速域変更機構34の先端部にも設けており、上下方向に軸線を向けて形成した係合ピン47の下端部に下端開口の仮止め用ボール収容凹部47aを形成し、同仮止め用ボール収容凹部47a内に仮止め用ボール47bと、同仮止め用ボール47bを下方へ押圧状態に弾性付勢する押圧スプリング47cとを収容して、同仮止め用ボール47bを前記した係合片46bに形成した横移動体係合溝46cの中央部で、かつ、揺動支軸45bの仮想軸線上に形成した中立位置仮止め用凹部46dに係合・離脱自在に係合させて、係合ピン47を中立位置にて仮止めすることにより、操向リンク機構31の下流側を中立位置に仮止めしている。
【0050】
このように、本実施例では、旋回増速域変更機構34の二個所に中立位置仮止め手段62,62を設けて、前後進切替・変速レバー32を介した旋回増速域変更機構34の中立操作に、操向リンク機構31の下流側を確実に中立位置に仮止めすることができるようにしている。
【0051】
そして、前後進切替・変速レバー32を、図3に示すように、垂直方向に起立させた中立状態となしている場合には、中立位置仮止め手段62の仮止め用ボール47bが中立位置仮止め用凹部46dに係合して、係合ピン47が中立位置にて仮止めされた状態となっている。
【0052】
そして、かかる状態にてステアリングホイール29を左右いずれの方向に回転操作しても、揺動体45は、連動軸36の出力ギヤ38に噛合させた部分ギヤ45cにより揺動支軸45bを中心にして左右いずれかの方向に揺動するものの、揺動支軸45bと係合ピン47とが同一軸線上に位置しているため、横移動体46は横移動することがない。
【0053】
従って、同横移動体46に先端部を係合させている連動アーム48も作動しないことから、旋回用無段変速装置76は中立状態に保持される。
【0054】
次に、前後進切替・変速レバー32を前方へ回動操作して前進切替・高速状態となした場合には、直進用HST連動機構58を介して直進用無段変速装置77のトラニオンアーム77aを前進側へ切替作動させて、直進用可変ポンプP2を正回転させ、循環油路59を介して直進用正逆回転モータM2を正回転させると共に、シリンダ作動用循環油路60を介して操作荷重軽減用油圧シリンダ61のピストン61cを前方へ摺動させるため、図7に示すように、ピストンロッド61bと係合ピン連結片56とを介して係合ピン47を横移動体側係合溝46c内と揺動体側係合溝45d内の前端縁部45eの位置にスライド移動させることができる。
【0055】
そして、かかる状態にてステアリングホイール29を、例えば、左側へ回転操作すると、揺動体45が揺動支軸45bを中心に右側方へ揺動して、横移動体46を係合ピン47を介して右側方へ大きく横移動させる。
【0056】
そのため、同横移動体46に先端部を係合させた連動アーム48も右側方へ大きく回動し、同連動アーム48に枢軸50を介して連動連結した作動アーム51が左側方を向いた中立位置から前方へ向けて大きく回動して、旋回用HST連動機構52を介して旋回用無段変速装置76のトラニオンアーム76aを大きく左旋回作動させ、車体を前進直進状態から左旋回させることができる。
【0057】
このように、旋回増速域変更機構34は、前後進切替・変速レバー32の前進側への変速操作域に比例させて、旋回用無段変速装置76の旋回増速域を増大させることができ、上記のように前後進切替・変速レバー3 2を高速度域に変速操作している状態でステアリングホイール29を旋回操作した場合には、旋回増速域変更機構34により旋回用無段変速装置76の旋回増速域が増大されて、旋回速度が増速される。
【0058】
その結果、車体を高速度にて直進させている状態で旋回操作を行った場合でも、車体を所望の小さな旋回半径でスムーズに旋回させることができて、操作性及び作業能率性を向上させることができる。
【0059】
ここで、旋回用無段変速装置76の旋回増速域が最小となるのは、前後進切替・変速レバー32を中立位置となした状態であり、同前後進切替・変速レバー3 2を変速操作域である中立位置から前進側の最高速位置に変速操作すると、それに比例して旋回用無段変速装置76の旋回増速域が増大されようにしている。
【0060】
また、かかる状態にてステアリングホイール29を右側へ回転操作すると、上記した揺動体45、横移動体46、連動アーム48、作動アーム51、旋回用HST連動機構52、及び旋回用無段変速装置76のトラニオンアーム76aがそれぞれ上記とは反対方向に動作して、機体を前進直進状態から右旋回させることができる。
【0061】
次に、前後進切替・変速レバー32を後方へ回動操作して後進切替・変速状態となした場合には、直進用HST連動機構58を介して直進用無段変速装置77のトラニオンアーム77aを後進側へ切替作動させて、直進用可変ポンプP2を逆回転させ、循環油路59を介して直進用正逆回転モータM2を逆回転させると共に、シリンダ作動用循環油路60を介して操作荷重軽減用油圧シリンダ61のピストン61cを後方へ摺動させるため、図8に示すように、ピストンロッド61bと係合ピン連結片56とを介して係合ピン47を横移動体側係合溝46c内と揺動体側係合溝45d内の後端縁部45fの位置にスライド移動させることができる。
【0062】
そして、かかる状態にてステアリングホイール29を、例えば、左側へ回転操作すると、揺動体45が揺動支軸45bを中心に右側方へ揺動して、横移動体46を係合ピン47を介して左側方へ横移動させる。
【0063】
そのため、同横移動体46に先端部を係合させた連動アーム48も左側方へ大きく回動し、同連動アーム48に枢軸50を介して連動連結した作動アーム51が左側方を向いた中立位置から後方へ向けて大きく回動して、旋回用HST連動機構52を介して旋回用無段変速装置76のトラニオンアーム76aを右旋回作動させ、出力軸を逆回転方向に切替作動させて、機体を後進直進状態から後進左旋回させることができる。
【0064】
このように、旋回増速域変更機構34は、前後進切替・変速レバー32の後進側への変速操作域に比例させて、旋回用無段変速装置76の旋回増速域を増大させることができ、上記のように前後進切替・変速レバー32を高速度域に変速操作している状態でステアリングホイール29を旋回操作した場合には、旋回増速域変更機構34により旋回用無段変速装置76の旋回増速域が増大されて、旋回速度が増速される。
【0065】
その結果、車体を高速度にて後進させている状態で旋回操作を行った場合でも、車体を所望の小さな旋回半径でスムーズに旋回させることができて、操作性及び作業能率性を向上させることができる。
【0066】
ここで、旋回用無段変速装置76の旋回増速域が最小となるのは、前後進切替・変速レバー32を中立位置となした状態であり、同前後進切替・変速レバー32を変速操作域である中立位置から後進側の最高速位置に変速操作すると、それに比例して旋回用無段変速装置76の旋回増速域が増大されようにしている。
【0067】
この際、旋回増速域変更機構34は、旋回用無段変速装置76の正・逆回転作動を切り替える旋回方向切替機能を具備しているため、クローラ式の走行部1,1であるにもかかわらず、タイヤ式の走行部と同様に、後進直進状態にて旋回操作した場合にも、前進直進状態にて旋回操作した場合と同じ方向へ機体を旋回させることができて、操作性と安全性とを良好に確保することができる。
【0068】
また、かかる状態にてステアリングホイール29を右側へ回転操作すると、上記した揺動体45、横移動体46、連動アーム48、作動アーム51、旋回用HST連動機構52、及び旋回用無段変速装置76のトラニオンアーム76aがそれぞれ上記とは反対方向に動作して、機体を後進直進状態から後進右旋回させることができる。
【0069】
原動機部5は、図1及び図2に示すように、エンジンEと、同エンジンEの近傍に配設したラジエータやエアクリーナ等(図示せず)を具備している。
【0070】
ミッション部6は、図1及び図2に示すように、ミッションケース70を左右方向に伸延する左右方向伸延ケース71と、同左右方向伸延ケース71の右側端部に前端部を連通連設して後方へ伸延する後方伸延ケース72とから形成している。
【0071】
そして、左右方向伸延ケース71に設けた入力軸73と、エンジンEに設けた出力軸74との間にユニバーサルジョイント75を介設している。
【0072】
また、後方伸延ケース72内に旋回動力伝達系と直進動力伝達系(図示せず)とをそれぞれ形成し、これら旋回動力伝達系と直進動力伝達系の動力を後方伸延ケース72内に設けた遊星歯車機構(図示せず)により合流させて合成回転速度を形成し、この合成回転速度により左右の走行部1,1 を後述する走行伝動機構7,7を介して個別に駆動すべく構成している。
【0073】
しかも、後方伸延ケース72の右側壁には、旋回動力伝達系の一部を形成する静油圧式の旋回用無段変速装置76と、直進動力伝達系の一部を形成する静油圧式の直進用無段変速装置77とを連動連設して、旋回用無段変速装置76により旋回動力伝達系の回転速度を増減速させることができるようにしている。
【0074】
さらには、直進用無段変速装置77により直進動力伝達系の回転速度を増減速させることができるようにして、これら旋回用無段変速装置76と直進用無段変速装置77は、前記したようにステアリングホイール29と前後進切替・変速レバー32とにより増減速操作が行えるようにしている。
【0075】
走行伝動機構7,7は、図1及び図2に示すように、前記後方伸延ケース72の後部左右側壁よりそれぞれ左右外側方へ伸延させて形成した筒状の駆動軸ケース78,78の外側端部に前部ギヤケース79,79を連動連設している。
【0076】
一方、走行フレーム10,10の後部に左右方向に軸線を向けた筒状の駆動輪支軸ケース80,80をケースステー81,81を介して設け、各駆動輪支軸ケース80,80の内側端部に後部ギヤケース82,82を連動連設して、前後方向に対向する前・後部ギヤケース79,79,82,82間に伝動シャフト83,83を介設し、各駆動輪支軸ケース80,80中に駆動輪支軸84,84を挿通して、各駆動輪支軸84,84の内側端部を後部ギヤケース82,82に連動連結すると共に、各駆動輪支軸84,84の外側端部に駆動輪13,13を取り付けている。
【0077】
このようにして、後方伸延ケース72内の旋回動力伝達系と直進動力伝達系の回転速度を合成した合成回転速度を、駆動軸ケース78,78内に挿通した駆動軸(図示せず)→前部ギヤケース79,79→伝動シャフト83,83→後部ギヤケース82,82→駆動輪支軸84,84→駆動輪13,13→履帯14,14に伝達するようにしている。
【0078】
フロントPTO軸8は、図1及び図2に示すように、ミッション部6の左右方向伸延ケース71より前部減速ケース85を介して前方へ突出させており、同フロントPTO軸8より作業車Aの前方に連結した除雪装置(図示せず)等への動力取り出しを可能としている。
【0079】
リヤPTO軸9は、図1及び図2に示すように、車体フレーム2の後部に配設した後部減速ケース86の右側部より後方に向けて突出させており、同後部減速ケース86の左側部と左右方向伸延ケース71の左側部との間にはPTO伝動シャフト87を介設している。
【0080】
そして、本実施例では、リヤPTO軸9に、耕耘装置Bの耕耘ケース90より前方へ突設した入力軸91を耕耘装置伝動シャフト92を介して連動連結している。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0082】
(1)請求項1記載の本発明では、旋回用無段変速装置に操向リンク機構を介してステアリングホイールを連動連結する一方、前記直進用無段変速装置に前後進切替・変速レバーを連動連結し、上記操向リンク機構に、前後進切替・変速レバーの変速操作域に比例させて旋回用無段変速装置の旋回増速域を増大させる旋回増速域変更機構を設け、同旋回増速域変更機構に操作荷重軽減機構を設けている。
【0083】
このようにして、前後進切替・変速レバーの変速操作域に比例させて旋回用無段変速装置の旋回増速域を増大させる旋回増速域変更機構を設け、同旋回増速域変更機構に操作荷重軽減機構を設けているため、例えば、前後進切替・変速レバーを高速度域に変速操作している状態でステアリングホイールを旋回操作した場合には、旋回増速域変更機構により旋回用無段変速装置の旋回増速域が増大されて、旋回速度が増速される。
【0084】
その結果、車体を高速度にて直進させている状態で旋回操作を行った場合でも、車体を所望の小さな旋回半径でスムーズに旋回させることができて、操作性及び作業能率性を向上させることができる。
【0085】
(2)請求項2記載の本発明では、旋回増速域変更機構は、旋回用無段変速装置の正・逆回転作動を切り替える旋回方向切替機能を具備し、同旋回増速域変更機構に前後進切替・変速レバーを連動連結して、前後進切替・変速レバーの前・後進切替操作と、旋回増速域変更機構による旋回用無段変速装置の正・逆回転切替作動とを連動させている。
【0086】
このようにして、オペレータが前後進切替・変速レバーを操作した際には、旋回増速域変更機構により旋回用無段変速装置を正・逆回転切替作動させることができるため、オペレータは、何ら操作荷重を負担することなく楽にしかも円滑に操作することができて、繰り返しレバー操作した場合にも大きな疲労を感じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる作業車の一部切欠側面図。
【図2】同作業車の一部切欠平面図。
【図3】リンクボックスの断面側面説明図。
【図4】同リンクボックスの断面平面図。
【図5】同リンクボックスの断面平面図。
【図6】同リンクボックスの断面平面図。
【図7】旋回増速域変更機構の平面説明図(前進左旋回時)。
【図8】旋回増速域変更機構の平面説明図(後進左旋回時)。
【図9】油圧回路図
【符号の説明】
A 作業車
1 走行部
2 車体フレーム
3 運転部
4 座席
5 原動機部
6 ミッション部
Claims (2)
- 直進動力伝達系の回転速度を増減速させる直進用無段変速装置(77)と、旋回動力伝達系の回転速度を増減速させる旋回用無段変速装置(76)と、これら直進動力伝達系と旋回動力伝達系との回転速度を合成して、この合成回転速度により左右一対のクローラ式の走行部(1,1)を個別に駆動するミッション部(6)とを具備する作業車において、
上記旋回用無段変速装置(76)に操向リンク機構(31)を介してステアリングホイール(29)を連動連結する一方、前記直進用無段変速装置(77)に前後進切替・変速レバー(32)を連動連結し、
上記操向リンク機構(31)に、前後進切替・変速レバー(32)の変速操作域に比例させて旋回用無段変速装置(76)の旋回増速域を増大させる旋回増速域変更機構(34)を設け、同旋回増速域変更機構 (34) に操作荷重軽減機構 (57) を設けたことを特徴とする作業車。 - 旋回増速域変更機構(34)は、旋回用無段変速装置(76)の正・逆回転作動を切り替える旋回方向切替機能を具備し、同旋回増速域変更機構(34)に前後進切替・変速レバー(32)を連動連結して、前後進切替・変速レバー(32)の前・後進切替操作と、旋回増速域変更機構(34)による旋回用無段変速装置(76)の正・逆回転切替作動とを連動させたことを特徴とする請求項1記載の作業車。
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