JP3596686B2 - 油圧走行農作業機の操作部構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、クローラ式の走行部を備えた油圧走行農作業機の操作部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、左右独立のクローラ式走行部を備えた油圧走行農作業機として、例えば、コンバインがあり、同コンバインでは、左右一対のクローラ式の走行部に、それぞれ左右走行用油圧モータを設け、各走行用油圧モータにそれぞれ可変流量制御ポンプを閉回路油路を介して接続して、各可変流量制御ポンプにより各走行用油圧モータを走行駆動可能とし、各可変流量制御ポンプのトラニオンレバーに、左右独立して設けた二本の棒状の操作レバーを連動連結して、各操作レバーを前後方向に回動させることにより操向操作が行なえるようにしている。
【0003】
しかも、二本の操作レバーは、操作荷重を小さくするために、上下軸線方向に長く形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記したコンバインでは、操作レバーを長く形成しているために、可変流量制御ポンプの固有振動や、機体の走行時の振動が操作レバーに伝播した際に、同操作レバーの上端部に形成している把持部の振幅が大きくなり、同把持部を把持して操作を行なうオペレータが誤操作する虞れがあって、操作性が悪いという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、左右一対のクローラ式の走行部に、それぞれ左右走行用油圧モータを設け、各走行用油圧モータに一対の可変流量制御ポンプを閉回路油路を介して接続し、両可変流量制御ポンプに操作部を連動連結して、同操作部により上記操作部を操向・変速操作可能とした油圧走行農作業機において、操作部は、機体フレームに、操向操作機構と変速操作機構とに連動して前記一対の可変流量制御ポンプとの間に介設した一対のポンプ増減速機構を増減速作動させるステアリングボックスを取付け、同ステアリングボックスの上方位置に操向操作機構の一部を形成する円形状のハンドルを配置すると共に、同操向操作機構とステアリングボックスとの間に、振動を吸収する連動連結体を介設したことを特徴とする油圧走行農作業機の操作部構造を提供せんとするものである。
【0006】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0007】
図1及び図2に示すAは、本発明に係る操作部Mを具備する油圧走行農作業機としての農業用トラクタであり、同農業用トラクタAは、後方にロータリ耕耘作業機B等の各種作業機を三点リンク式の昇降機構Cにより昇降自在に連結して、各種作業機による作業が行なえるようにしている。
【0008】
農業用トラクタAは、図1及び図2に示すように、左右一対のクローラ式の走行部1,1の走行フレーム2,2間に、機体フレーム3を横架し、同機体フレーム3上の前部に原動機部4を設ける一方、後部に一体支持機枠5を前後側防振具(図示せず)を介して載置し、同一体支持機枠5上にキャビン8と燃料タンク9と作動油タンク10とを配設している。
【0009】
原動機部4は、図1及び図2に示すように、機体フレーム3の前端部より後方へ向けて順次、コンデンサ13、オイルクーラー14、ラジエータ15、エンジン16、マフラー17、メインクリーナ18、及びプレクリーナ19を配置して、エンジン16とメインクリーナ18との間にはエアカットプレート20を機体フレーム3より立上げて立設しており、同原動機部4は、ボンネット21と、同ボンネット21の前端縁に枢支ブラケット23を介して前方へ開閉自在に取付けたフロントグリル22とにより被覆している。
【0010】
しかも、エンジン16には、図3及び図4に示すように、ミッション部25と一対の可変流量制御ポンプPL,PR と作業機昇降用油圧ポンプP1とチャージポンプP2とを前後方向に一体的に連動連結して、機体フレーム3に防振具120,120,120,120 を介して一体的に支持させている。
【0011】
すなわち、機体フレーム3は、図3及び図4に示すように、前後方向に伸延する左右一対の機体フレーム形成体3a,3a と、両機体フレーム形成体3a,3a の中途部下面間に取付ブラケット3c,3c を介して横架した横フレーム形成体3bとから形成しており、各機体フレーム形成体3a,3a の前部にそれぞれステー121,121 を取付け、両ステー121,121 にエンジン16の左右側前部を防振具120,120 を介して支持させる一方、左側の取付ブラケット3cと横フレーム形成体3bの右側後面に取付けたステー122 とにミッション部25の左側後部と右側後部とをそれぞれ防振具120,120 を介して支持させている。
【0012】
そして、各防振具120 は、図3及び図4に示すように、上下一対の上下側カバー体123,124 と、両カバー体123,124 間に配置した上下一対のリング状の防振ゴム125,126 と、これらを上下縦断状態に貫通してステー121,122 又は取付ブラケット3cに固定する取付ボルト127 及び取付ナット128 とから形成している。
【0013】
しかも、上下一対の防振ゴム125,126 間には、エンジン16の左右側壁にそれぞれ水平方向に突設した防振具取付体16a,16a 、又は、ミッション部25の左側壁後部と後壁右側部とにそれぞれ水平に突設した防振具取付体25a,25b を介在させた状態で、各防振具取付体16a,16a,25a,25b と防振具120,120,120,120 とをステー121,121,122 又は取付ブラケット3cに取付ボルト127 により取付けている。
【0014】
このようにして、一体的に連動連結したエンジン16とミッション部25と各ポンプPL,PR,P1,P2 とから生起される振動を四個の防振具120,120,120,120 により防振して、機体フレーム3に振動が伝わらないようにしている。
【0015】
一体支持機枠5上には、図1及び図2に示すように、キャビン8を載置しており、同キャビン8内の床部F上に操作部Mを設け、同操作部Mにより、後述する左右走行用油圧モータML,MR の回転比を変更し、さらに、左右走行用油圧モータML,MR を同調させて増減速する左右走行用の可変流量制御ポンプPL,PR を制御して、機体を操向・変速操作可能とすると共に、同操作部Mの直後方位置に座席26を座席支持台27を介して配設して、運転部Qを構成している。
【0016】
次に、本発明の要旨をなす操作部Mについて、図5〜図8を参照しながら説明する。
【0017】
すなわち、操作部Mは、図5〜図8に示すように、左右一対の機体フレーム形成体3a,3a 間に、左右幅方向に伸延するステアリングボックス40をステー40a,40a を介して横架し、同ステアリングボックス40により後述する操向操作機構33と変速操作機構37とに連動して一対のポンプ増減速機構N,Nを増減速作動可能としている。
【0018】
そして、ステアリングボックス40上には、図5〜図7に示すように、ハンドルコラム28を立設し、同ハンドルコラム28の上端部に操向操作機構33の一部を形成する円形状のハンドル29を取付け、同ハンドル29の左側近傍位置に変速操作機構37の一部を形成する前後進速度調節レバー30を取付ける一方、右側近傍位置にアクセルレバー81を取付け、同アクセルレバー81の直下方位置にPTO入切レバー82を取付け、ステアリングボックス40の左側上方位置にブレーキペダル31を配設している。85はブレーキペダルロック機構、85a はロック用フック、85b はロック用フック回動操作レバーである。
【0019】
前記した操向操作機構33は、図5及び図7に示すように、ステアリングボックス40の天井壁の前側中央部より上方へ突出させたピニオン軸46a に、上下方向に伸延する下半部伝動軸33a の下端部を連動連結体33b を介して上下スライド自在連動連結し、同下半部伝動軸33a の上端部に後上方へ向けて伸延する上半部伝動軸33c の下端部をユニバーサルジョイント33d を介して連動連結し、同上半部伝動軸33c の上端に上記円形状のハンドル29の中心部を取付けて構成しており、上半部伝動軸33c は伝動軸挿通管33e 中に挿通し、同伝動軸挿通管33e をハンドルコラム28内に取付けた支持機枠32に支持させている。
【0020】
このようにして、ハンドル29を回動操作することにより、上半部伝動軸33c →ユニバーサルジョイント33d →下半部伝動軸33a →連動連結体33b →ステアリングボックス40のピニオン軸46a に回動操作力を伝達し、同ステアリングボックス40→一対のポンプ増減速機構N,N→一対の可変流量制御ポンプPL,PR →左右走行用油圧モータML,MR →クローラ式の左右走行部1,1の操向操作が行なえるようにしている。
【0021】
この際、機体フレーム3に取付けたステアリングボックス40のピニオン軸46a と、操向操作機構33の下半部伝動軸33a の下端部とは、連動連結体33b を介して連動連結して、走行中に発生する機体フレーム3の振動を連動連結体33b により吸収して、ハンドル29への振動の伝播を防止している。
【0022】
従って、ハンドル29を把持して操向操作を行なうオペレータの誤操作を防止することができて、機体の操作性を向上させることができる。
【0023】
しかも、円形状のハンドル29を操作することにより、ステアリングボックス40と一対のポンプ増減速機構N,Nを介して一対の可変流量制御ポンプPL,PR を増減速操作することができるために、操作荷重を小さくすることができ、ぬかるんだ湿地等においても円滑かつ確実に操向操作を行なうことができて、この点からも機体の操作性を向上させることができる。
【0024】
変速操作機構37は、図5及び図7に示すように、支持機枠32に左右幅方向に伸延する軸支持パイプ65を横架し、同軸支持パイプ65中に左右幅方向に伸延するレバー支軸66を挿通し、同レバー支軸66の左側端部に上方へ向けて伸延する前後進速度調節レバー30の下端を連結体34を介して連結し、同レバー支軸66の中途部に作動アーム67を前方へ向けて突設し、同作動アーム67の前端部に連結ロッド68の上端部を連結する一方、ステアリングボックス40の前壁左側部に左右幅方向に軸線を向けたボス部69を取付ブラケット70を介して取付け、同ボス部69に左右幅方向に伸延する支軸71を挿通し、同支軸71の右側端部に円弧状アーム72の基端を取付け、同円弧状アーム72の先端に上記連結ロッド68の下端を連結し、また、支軸71の左側端部にアーム73の基端をボス部74を介して連結し、同アーム73の先端に連結ロッド75の一端を連結し、同連結ロッド75の他端を、後述するステアリングボックス40の変速軸41の左側端部に設けたボス部76から突設したアーム77に連結している。
【0025】
このようにして、前後進速度調節レバー30を前進操作側である前方、又は、後進操作側である後方へ回動操作した際に、同レバー30の回動力がレバー支軸66→作動アーム67→連結ロッド68→円弧状アーム72→支軸71→ボス部74→アーム73→連結ロッド75→アーム77→ボス部76→変速軸41に伝達されて、同変速軸41を回動させるようにしている。
【0026】
しかも、変速操作機構37には、図5及び図7に示すように、レバー操作位置保持手段78を設けており、同レバー操作位置保持手段78は、軸支持パイプ65の左側端面にリング状の摩擦板受体79を取付け、同摩擦板受体79と作動アーム67との間にリング状の摩擦板80を介在させる一方、軸支持パイプ65中に挿通したレバー支軸66の右側端部に、スプリング支持突片66a を軸支持パイプ65の右側端より外側方へ突出させて設け、同スプリング支持突片66a の外側端部に取付けたスプリング受体66b と、軸支持パイプ65の右側端面に設けたスプリング受体66c との間にスプリング84をスプリング支持突片66a の周囲に巻回して介在させている。
【0027】
このようにして、レバー操作位置保持手段78では、スプリング84の押圧力により摩擦板受体79と作動アーム67とにより摩擦板80を挟圧させており、同摩擦板80により前後進速度調節レバー30を前後方向に回動操作して手を離した場合に、同摩擦板80により、同レバー30をその操作位置に保持することができるようにしている。
【0028】
さらに、前後進速度調節レバー30には、図5及び図7に示すように、レバー中立規制とレバー変速操作規制の範囲の調節が可能なレバー規制体110 を上記変速操作機構37とは別経路にて連結している。
【0029】
すなわち、レバー規制体110 は、図5及び図7に示すように、支持機枠32に左右幅方向に軸線を向けたボス部111 を取付け、同ボス部111 中に揺動支軸112 を揺動自在に枢支し、同揺動支軸112 の左側端に上下方向に伸延するスライドガイド筒113 の中途部を一体的に取付け、同スライドガイド筒113 の中途左側部と揺動支軸112 内にそれぞれ中立規制ボール収容部114,115 を形成し、各収容部114,115 内に相互に対向する方向にスプリング116,116 により押圧付勢された中立規制ボール117,117 を収容する一方、スライドガイド筒113 中には上端を作動アーム67に連結したスライドロッド118 を上下スライド自在に挿通し、同スライドロッド118 の中途部周面に中立規制ボール係合溝118aを形成し、上部と下端部とにそれぞれ前進速度規制体119 と後進速度規制体120 とをスライドロッド118 の軸線方向に進退位置調節自在に螺着している。
【0030】
このようにして、前後進速度調節レバー30が中立位置にある場合は、中立規制ボール係合溝118aに中立規制ボール117,117 が係合しており、同レバー30を前進側又は後進側へ切換操作する際には、スプリング116,116 の押圧付勢力に抗してスライドロッド118 をスライドさせて、中立規制ボール117,117 を中立規制ボール係合溝118aより係合解除する必要があるために、オペレータは、上記レバー30が中立位置にあること、又は、中立位置から前後進いずれかの側に切換えられることを容易に体感することができるようにして、誤操作の防止を図っている。
【0031】
そして、前後進速度調節レバー30を前進操作側である前方へ回動操作すると、スライドガイド筒113 の上端面に前進速度規制体119 が当接して、同レバー30の前進操作を規制する一方、同レバー30を後進操作側である後方へ回動操作すると、スライドガイド筒113 の下端面に後進速度規制体120 が当接して、同レバー30の後進操作を規制することができるようにしている。
【0032】
この際、前後進速度規制体119,120 は、それぞれスライドロッド118 の軸線方向に進退位置調節することにより、前後進規制の範囲をオペレータの好みに応じて適宜調節することができるようにしている。
【0033】
しかも、レバー規制体110 は、上下方向に揺動する作動アーム67と円弧状アーム72との先端間に介設した連結ロッドが楕円運動する変速操作機構37とは別経路、すなわち、上下方向に揺動する作動アーム67と固定された揺動支軸112 との間に介設しているために、スライドガイド筒113 が揺動支軸112 を中心に前後方向に揺動するにもかかわらず、同スライドガイド筒113 中をスライドロッド118 が円滑にスライドして、前後進速度調節レバー30の中立規制と前後進規制とを確実に行なうことができる。
【0034】
さらに、左右走行部1,1の前後進速度調節を行なうための前後進速度調節レバー30は、ハンドル29の左側近傍に配置すると共に、同前後進速度調節レバー30の先端把持部30a をハンドル29の把持部に近接させて配置することにより、オペレータは、右手でハンドル29を把持して操向操作を行ないながら、左手で前後進速度調節レバー30を楽に変速操作することができるようにしている。そのために、前後進切替操作を頻繁に行なう必要性のある作業においても、安全かつ確実な操向操作を行なうことができ、機体の操作性を向上させることができる。
【0035】
また、ブレーキペダル31は、図6及び図7に示すように、支持機枠32に軸線を左右幅方向に向けて突設したペダル支軸31a に、ボス部31b を介してペダルアーム31c を取付け、同ボス部31b に作動アーム31d を前下方へ向けて突設し、同作動アーム31d に連結ロッド31e の上端を連結する一方、ステアリングボックス40の前壁にパイロット油路切換バルブ94をステー40b を介して取付け、同バルブ94のスプール94a に上記連結ロッド31e の下端を連結している。31f はペダル復元用スプリングである
このようにして、ブレーキペダル31を踏込み操作することにより、ボス部31b →作動アーム31d →連結ロッド31e →スプール94a を作動させて、パイロット油路を切換えることができるようにしている。
【0036】
ここで、本発明の実施例では、図5及び図16に示すように、2ポンプ−2モーター式のHSTを無段変速装置とし、左右側の走行部1,1を別々に走行駆動可能とし、ハンドル29は回転式として、その回転量に応じて左右の走行部1,1の各クローラーの回転数や回転方向を変更することにより、機体を旋回させることができるようにし、同時に、前後進速度調節レバー30を回動操作することにより、左右走行用油圧モーターML,MR の回転数及び回転方向を変更できるようにしている。
【0037】
そして、前後進速度調節レバー30とハンドル29は別々に操作できるように構成しており、ステアリングボックス40内において左右一対のポンプ増減速機構N,Nに連動連結し、両ポンプ増減速機構N,Nを、図16に示すように、HSTの可変流量制御ポンプPL,PR の左右斜板98,99 に連動連結し、各ポンプPL,PR にそれぞれ左右走行用油圧モータML,MR を接続して、各油圧モータML,MR の左右斜板101,102 をそれぞれ制御して、左右側走行部1,1をそれぞれ前進・後進・停止させることができるようにしている。
【0038】
すなわち、ステアリングボックス40の内部構成は、図9〜図11に示すように、略左右対称に構成されているので片側について説明すると、断面視三角形状の変速軸41の前方位置に、同変速軸41と平行にスライド軸44が横架されている。同変速軸41には左右一対のスライド体43,43 を軸線方向に摺動可能に外嵌し、同スライド体43,43 の間にハンドル29と連動連結したスライド作用体45を配設して、各スライド体43,43 にそれぞれ一対のポンプ増減速機構N,Nを連動連結しており、各ポンプ増減速機構Nは、ガイド体50と回転子51と回転子支持アーム52と斜板作動用アーム55と第一連結ロッド56と第一アーム86と中間軸87と第二アーム88と第二連結ロッド89とを具備している。
【0039】
スライド作用体45は、スライド軸44に軸線方向に摺動可能に取付けた基部45a と、同基部45a に一体的に取付けて、同スライド軸44の直前方に配置した本体45b とから形設され、同本体45b は正面視略門型の形状であり、その上面には左右幅方向に伸延させて形成したラック45c が固定されている。
【0040】
そして、ラック45c にはピニオンギア46が噛合している。同ピニオンギア46はピニオン軸46a に固定され、同ピニオン軸46a は上方に配置した前記ハンドル29の下半部伝動軸33a の下端に連動連結体33b を介して連動連結している。よって、ハンドル29を回転させると同ピニオンギア46が回動し、ラック45c が連動して左右幅方向に摺動し、それに伴いスライド作用体45が摺動し、同スライド作用体45の左右側端部にそれぞれ係合しているスライド体43,43 の一方を牽引する。
【0041】
前記スライド体43の外周面の外側にはガイド支持アーム47のアーム支持部47a が遊嵌され、同アーム支持部47a の後側外周面部より変速軸41へ向けて廻止め体47b を伸延させ、同廻止め体47b を変速軸41に連動スライド体48を介して左右軸方向にスライド自在に遊嵌する。一方、アーム支持部47a の後部にボス部47d を形成し、同ボス部47d に上下方向に軸線を向けた枢支ピン47e の上端部を枢支し、同枢支ピン47e の下端にガイド体50の上壁中央部を回動自在に取付けている。同ガイド体50は左右方向に伸延し、下面を開放した断面視コ字状に形成している。
【0042】
また、前記連動スライド体48の外周面下部より下方に向かって揺動アーム48a が伸延され、同揺動アーム48a の下端に伸縮調節自在の揺動リンク48c の後端を連結ピン48b を介して連結し、同揺動リンク48c の前端は前記ガイド体50の上壁一側端部に連結ピン48d を介して枢支している。48e は、左右一対の連動スライド体48,48 間に介在させた中立復帰用スプリングである。
【0043】
また、前記ガイド体50の凹部内には、回転自在の回転子51が挿入されて、左右方向に摺動自在に嵌合しており、同回転子51の軸芯は左右幅方向に伸延する回転子支持アーム52の一側端部に取付けられ、同回転子支持アーム52の他側端部が前記ステアリングボックス40の底壁に固設するボス部53を介して、上下方向に軸線を向けたアーム支軸54により左右揺動自在に枢支され、同ステアリングボックス40の外側において、同アーム支軸54の端部に左右幅方向に伸延する斜板作動用アーム55の端部が固定ボルト55a により固定され、他端に第一連結ロッド56の一端が連結ピン56a を介して連結され、同第一連結ロッド56の他端に第一アーム86の先端が連結され、同第一アーム86の基端がHSTにステー130 を介して軸線を上下方向に向けて取付けられた中間軸87の上端に取付けられ、同中間軸87の下端に第二アーム88の基端が取付けられ、同第二アーム88の先端に第二連結ロッド89の一端が連結され、同第二連結ロッド89の他端がHSTのスプールコントロールレバー100 に連結されている。
【0044】
このような構成において、ハンドル29の回転により、スライド作用体45がスライドされて、スライド体43,43 の一方がスライド軸44及び変速軸41に沿って牽引され、同スライド体43と一体的に設けられたガイド体50がスライド移動される。
【0045】
そして、前後進速度調節レバー30により変速軸41が回動されると、スライド体43に連結した揺動リンク48c を介してガイド体50が前記枢支ピン47e を中心に前後方向に揺動され、斜板作動用アーム55がアーム支軸54を中心に揺動される。
【0046】
次に、ハンドル29及び前後進速度調節レバー30を操作した時のガイド体50の状態を図12〜図15を参照しながら説明する。
【0047】
すなわち、前後進速度調節レバー30を中立状態にし、同時に回転式のハンドル29も中立状態にした場合には、左右のガイド体50,50 、回転子支持アーム52,52 及び斜板作動用アーム55,55 は、図12に示すように、水平姿勢を保っている。
【0048】
この状態より前後進速度調節レバー30を前進側変速位置に変速操作すると、変速軸41が回動し、左右のスライド体43,43 、揺動アーム48a,48a 、揺動リンク48c,48c が連動し、左右のガイド体50,50 を枢支ピン47e,47e を中心に回動させ、さらに、左右の回転子51,51 を介して回転子支持アーム52,52 、アーム支軸54,54 、斜板作動用アーム55,55 は、図13に示すように、傾斜姿勢になる。この場合は、左右走行用油圧モータML,MR を制御する左右斜板101,102 が同一傾斜角度となって、左右側走行部1,1は同一速度にて前進走行して、機体は直進する。
【0049】
次に、上記直進状態から、ハンドル29を左回転させて左旋回操作すると、ピニオン軸46a が回動して、ピニオンギア46に噛合するラック45c が右方向に移動し、同ラック45a と共にスライド作用体45が左側のスライド体43を右側へ牽引・摺動させる。
【0050】
そして、左側のガイド体50がスライド体43と共に一体的に右方向に移動し、同ガイド体50は前記傾斜姿勢のまま右側へスライド移動する。そして、右側の同ガイド体50に嵌合していた回転子51は、図14に示すように、下方に押し下げられて、左側のガイド体50の略中央部位置に嵌合した状態となって、左側の回転子支持アーム52及び斜板作動用アーム55が回動されて水平姿勢に近づき、左走行用油圧モータMLを制御する左斜板98を中立状態に近づける。この場合は、左側の走行部1が直進状態から減速又は停止し、右側の走行部1が前進走行を持続するために、機体はゆっくり左旋回する。
【0051】
次に、上記左旋回状態において、ハンドル29をさらに左旋回方向に回転操作すると、左側のガイド体50は、前記傾斜姿勢のままさらに右側へスライド移動して、図15に示すように左の回転子51はガイド体50の左側部位に嵌合した状態となって、回転子支持アーム52と同斜板作動用アーム55は左高右低の傾斜姿勢となり、左斜板98を後進制御側に傾斜させる。この場合は、左側の走行部1は後進走行する一方、右側の走行部1は前進走行するために、機体はスピンターンをする。
【0052】
次に、図16において油圧回路Kを説明する。すなわち、油圧回路Kは、油圧タンクTにHST油圧回路90を接続し、同HST油圧回路90に左側走行部駆動用油圧回路91と右側走行部駆動用油圧回路92とをそれぞれ接続し、HST油圧回路90の一対の可変流量制御ポンプPL,PR に連動連結した作業機昇降用油圧ポンプP1に作業機昇降用油圧回路93を接続する一方、同可変流量制御ポンプPL,PR に連動連結したチャージポンプP2に、左右側走行部駆動用油圧回路91,92 にそれぞれ設けたブレーキ装置95,96 をパイロット油路135 を介して接続し、同パイロット油路135 の中途部にパイロット油路切換バルブ94を取付けている。97はバイパス作動切替弁、136 は斜板角制御手段、148 は、可変流量制御ポンプPLと左走行用油圧モータMLとの間に介設した閉回路油路、149 は可変流量制御ポンプPRと右走行用油圧モータMRとの間に介設した閉回路油路である。
【0053】
そして、パイロット油路切換バルブ94には、前記ブレーキペダル31を連動連結して、同ブレーキペダル31の踏込み操作に連動してパイロット油路切換バルブ94が切換作動し、ブレーキ装置95,96 がブレーキ作動すべく構成している。
【0054】
すなわち、ブレーキ装置95,96 は、それぞれシリンダ95a,96a 内にスプリング95b,96b により伸長方向に付勢されたピストンロッド95c,96c を設け、各ピストンロッド95c,96c の先端に圧接体95d,96d を取付けて、各圧接体95d,96d を各走行部1,1の駆動輪1a,1a に接離自在とし、各シリンダ95a,96a 内にパイロット油を供給することにより、スプリング95b,96b の付勢に抗してピストンロッド95c,96c を短縮作動させて、圧接体95d,96d を駆動輪1a,1a より離隔状態にして非ブレーキ作動状態となすことができるようにする一方、各シリンダ95a,96a 内よりパイロット油を排出することにより、スプリング95b,96b の付勢力によりピストンロッド95c,96c を伸長作動させて、圧接体95d,96d を駆動輪1a,1a に圧接状態にしてブレーキ作動状態となすことができるようにしている。
【0055】
このようにして、ブレーキペダル31を踏込み操作することにより、左右側走行部1,1の駆動を左右側のブレーキ装置95,96 により同時に停止させることができるために、緊急時にも自動車と同様の踏込み操作感覚でブレーキ踏込み操作を行なうことができて、安全性を良好に確保することができる。
【0056】
なお、本実施例では、ステアリングボックス40を機体フレーム形成体3a,3a 間に横架しているが、HSTの上部に一体的に設けることもできる。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0058】
すなわち、本発明では、ステアリングボックスと一対の可変流量制御ポンプとの間に一対のポンプ増減速機構を介設しているために、同可変流量制御ポンプに発生した固有振動は、ポンプ増減速機構により吸振されて、ステアリングボックスへの振動が減衰され、さらに、同ステアリングボックスと操向操作機構との間には、振動を吸収する連動連結体を介設しているため、同操向操作機構の一部を構成するハンドルへの振動の伝播を防止することができる。
従って、ハンドルを把持して操向操作を行なうオペレータの誤操作を防止することができて、機体の操作性を向上させることができる。
【0059】
また、機体の走行時の振動は、ステアリングボックスと操向操作機構の一部により吸振され、同操向操作機構の上端に取付けたハンドルには操作性に影響のない減衰された振動のみが伝播されるために、ハンドルを把持して操向操作を行なうオペレータの誤操作を防止することができて、機体の操作性を向上させることができる。
【0060】
しかも、ハンドル操作によりステアリングボックスとポンプ増減速機構とを介して可変流量制御ポンプを増減速操作することができるために、操作荷重を小さくすることができ、この点からも機体の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る操作部構造を具備する農業用トラクタの側面図。
【図2】同農業用トラクタの平面図。
【図3】エンジンの防振支持構造を示す側面図。
【図4】同エンジンの防振支持構造を示す平面図。
【図5】操作部の側面図。
【図6】同操作部の側面図。
【図7】同操作部の正面図。
【図8】同操作部の平面図。
【図9】ステアリングボックスの内部の構造を示す断面平面図。
【図10】同ステアリングボックスの内部の構造を示す断面正面図。
【図11】同ステアリングボックスの内部の構造を示す断面側面図。
【図12】中立状態のステアリングボックスの部分正面図。
【図13】直進状態のステアリングボックスの部分正面図。
【図14】右旋回状態のステアリングボックスの部分正面図。
【図15】ピボットターン時のステアリングボックスの部分正面図。
【図16】油圧回路図。
【符号の説明】
A 農業用トラクタ
1 走行部
2 走行フレーム
3 機体フレーム
4 原動機部
【産業上の利用分野】
本発明は、クローラ式の走行部を備えた油圧走行農作業機の操作部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、左右独立のクローラ式走行部を備えた油圧走行農作業機として、例えば、コンバインがあり、同コンバインでは、左右一対のクローラ式の走行部に、それぞれ左右走行用油圧モータを設け、各走行用油圧モータにそれぞれ可変流量制御ポンプを閉回路油路を介して接続して、各可変流量制御ポンプにより各走行用油圧モータを走行駆動可能とし、各可変流量制御ポンプのトラニオンレバーに、左右独立して設けた二本の棒状の操作レバーを連動連結して、各操作レバーを前後方向に回動させることにより操向操作が行なえるようにしている。
【0003】
しかも、二本の操作レバーは、操作荷重を小さくするために、上下軸線方向に長く形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記したコンバインでは、操作レバーを長く形成しているために、可変流量制御ポンプの固有振動や、機体の走行時の振動が操作レバーに伝播した際に、同操作レバーの上端部に形成している把持部の振幅が大きくなり、同把持部を把持して操作を行なうオペレータが誤操作する虞れがあって、操作性が悪いという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、左右一対のクローラ式の走行部に、それぞれ左右走行用油圧モータを設け、各走行用油圧モータに一対の可変流量制御ポンプを閉回路油路を介して接続し、両可変流量制御ポンプに操作部を連動連結して、同操作部により上記操作部を操向・変速操作可能とした油圧走行農作業機において、操作部は、機体フレームに、操向操作機構と変速操作機構とに連動して前記一対の可変流量制御ポンプとの間に介設した一対のポンプ増減速機構を増減速作動させるステアリングボックスを取付け、同ステアリングボックスの上方位置に操向操作機構の一部を形成する円形状のハンドルを配置すると共に、同操向操作機構とステアリングボックスとの間に、振動を吸収する連動連結体を介設したことを特徴とする油圧走行農作業機の操作部構造を提供せんとするものである。
【0006】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0007】
図1及び図2に示すAは、本発明に係る操作部Mを具備する油圧走行農作業機としての農業用トラクタであり、同農業用トラクタAは、後方にロータリ耕耘作業機B等の各種作業機を三点リンク式の昇降機構Cにより昇降自在に連結して、各種作業機による作業が行なえるようにしている。
【0008】
農業用トラクタAは、図1及び図2に示すように、左右一対のクローラ式の走行部1,1の走行フレーム2,2間に、機体フレーム3を横架し、同機体フレーム3上の前部に原動機部4を設ける一方、後部に一体支持機枠5を前後側防振具(図示せず)を介して載置し、同一体支持機枠5上にキャビン8と燃料タンク9と作動油タンク10とを配設している。
【0009】
原動機部4は、図1及び図2に示すように、機体フレーム3の前端部より後方へ向けて順次、コンデンサ13、オイルクーラー14、ラジエータ15、エンジン16、マフラー17、メインクリーナ18、及びプレクリーナ19を配置して、エンジン16とメインクリーナ18との間にはエアカットプレート20を機体フレーム3より立上げて立設しており、同原動機部4は、ボンネット21と、同ボンネット21の前端縁に枢支ブラケット23を介して前方へ開閉自在に取付けたフロントグリル22とにより被覆している。
【0010】
しかも、エンジン16には、図3及び図4に示すように、ミッション部25と一対の可変流量制御ポンプPL,PR と作業機昇降用油圧ポンプP1とチャージポンプP2とを前後方向に一体的に連動連結して、機体フレーム3に防振具120,120,120,120 を介して一体的に支持させている。
【0011】
すなわち、機体フレーム3は、図3及び図4に示すように、前後方向に伸延する左右一対の機体フレーム形成体3a,3a と、両機体フレーム形成体3a,3a の中途部下面間に取付ブラケット3c,3c を介して横架した横フレーム形成体3bとから形成しており、各機体フレーム形成体3a,3a の前部にそれぞれステー121,121 を取付け、両ステー121,121 にエンジン16の左右側前部を防振具120,120 を介して支持させる一方、左側の取付ブラケット3cと横フレーム形成体3bの右側後面に取付けたステー122 とにミッション部25の左側後部と右側後部とをそれぞれ防振具120,120 を介して支持させている。
【0012】
そして、各防振具120 は、図3及び図4に示すように、上下一対の上下側カバー体123,124 と、両カバー体123,124 間に配置した上下一対のリング状の防振ゴム125,126 と、これらを上下縦断状態に貫通してステー121,122 又は取付ブラケット3cに固定する取付ボルト127 及び取付ナット128 とから形成している。
【0013】
しかも、上下一対の防振ゴム125,126 間には、エンジン16の左右側壁にそれぞれ水平方向に突設した防振具取付体16a,16a 、又は、ミッション部25の左側壁後部と後壁右側部とにそれぞれ水平に突設した防振具取付体25a,25b を介在させた状態で、各防振具取付体16a,16a,25a,25b と防振具120,120,120,120 とをステー121,121,122 又は取付ブラケット3cに取付ボルト127 により取付けている。
【0014】
このようにして、一体的に連動連結したエンジン16とミッション部25と各ポンプPL,PR,P1,P2 とから生起される振動を四個の防振具120,120,120,120 により防振して、機体フレーム3に振動が伝わらないようにしている。
【0015】
一体支持機枠5上には、図1及び図2に示すように、キャビン8を載置しており、同キャビン8内の床部F上に操作部Mを設け、同操作部Mにより、後述する左右走行用油圧モータML,MR の回転比を変更し、さらに、左右走行用油圧モータML,MR を同調させて増減速する左右走行用の可変流量制御ポンプPL,PR を制御して、機体を操向・変速操作可能とすると共に、同操作部Mの直後方位置に座席26を座席支持台27を介して配設して、運転部Qを構成している。
【0016】
次に、本発明の要旨をなす操作部Mについて、図5〜図8を参照しながら説明する。
【0017】
すなわち、操作部Mは、図5〜図8に示すように、左右一対の機体フレーム形成体3a,3a 間に、左右幅方向に伸延するステアリングボックス40をステー40a,40a を介して横架し、同ステアリングボックス40により後述する操向操作機構33と変速操作機構37とに連動して一対のポンプ増減速機構N,Nを増減速作動可能としている。
【0018】
そして、ステアリングボックス40上には、図5〜図7に示すように、ハンドルコラム28を立設し、同ハンドルコラム28の上端部に操向操作機構33の一部を形成する円形状のハンドル29を取付け、同ハンドル29の左側近傍位置に変速操作機構37の一部を形成する前後進速度調節レバー30を取付ける一方、右側近傍位置にアクセルレバー81を取付け、同アクセルレバー81の直下方位置にPTO入切レバー82を取付け、ステアリングボックス40の左側上方位置にブレーキペダル31を配設している。85はブレーキペダルロック機構、85a はロック用フック、85b はロック用フック回動操作レバーである。
【0019】
前記した操向操作機構33は、図5及び図7に示すように、ステアリングボックス40の天井壁の前側中央部より上方へ突出させたピニオン軸46a に、上下方向に伸延する下半部伝動軸33a の下端部を連動連結体33b を介して上下スライド自在連動連結し、同下半部伝動軸33a の上端部に後上方へ向けて伸延する上半部伝動軸33c の下端部をユニバーサルジョイント33d を介して連動連結し、同上半部伝動軸33c の上端に上記円形状のハンドル29の中心部を取付けて構成しており、上半部伝動軸33c は伝動軸挿通管33e 中に挿通し、同伝動軸挿通管33e をハンドルコラム28内に取付けた支持機枠32に支持させている。
【0020】
このようにして、ハンドル29を回動操作することにより、上半部伝動軸33c →ユニバーサルジョイント33d →下半部伝動軸33a →連動連結体33b →ステアリングボックス40のピニオン軸46a に回動操作力を伝達し、同ステアリングボックス40→一対のポンプ増減速機構N,N→一対の可変流量制御ポンプPL,PR →左右走行用油圧モータML,MR →クローラ式の左右走行部1,1の操向操作が行なえるようにしている。
【0021】
この際、機体フレーム3に取付けたステアリングボックス40のピニオン軸46a と、操向操作機構33の下半部伝動軸33a の下端部とは、連動連結体33b を介して連動連結して、走行中に発生する機体フレーム3の振動を連動連結体33b により吸収して、ハンドル29への振動の伝播を防止している。
【0022】
従って、ハンドル29を把持して操向操作を行なうオペレータの誤操作を防止することができて、機体の操作性を向上させることができる。
【0023】
しかも、円形状のハンドル29を操作することにより、ステアリングボックス40と一対のポンプ増減速機構N,Nを介して一対の可変流量制御ポンプPL,PR を増減速操作することができるために、操作荷重を小さくすることができ、ぬかるんだ湿地等においても円滑かつ確実に操向操作を行なうことができて、この点からも機体の操作性を向上させることができる。
【0024】
変速操作機構37は、図5及び図7に示すように、支持機枠32に左右幅方向に伸延する軸支持パイプ65を横架し、同軸支持パイプ65中に左右幅方向に伸延するレバー支軸66を挿通し、同レバー支軸66の左側端部に上方へ向けて伸延する前後進速度調節レバー30の下端を連結体34を介して連結し、同レバー支軸66の中途部に作動アーム67を前方へ向けて突設し、同作動アーム67の前端部に連結ロッド68の上端部を連結する一方、ステアリングボックス40の前壁左側部に左右幅方向に軸線を向けたボス部69を取付ブラケット70を介して取付け、同ボス部69に左右幅方向に伸延する支軸71を挿通し、同支軸71の右側端部に円弧状アーム72の基端を取付け、同円弧状アーム72の先端に上記連結ロッド68の下端を連結し、また、支軸71の左側端部にアーム73の基端をボス部74を介して連結し、同アーム73の先端に連結ロッド75の一端を連結し、同連結ロッド75の他端を、後述するステアリングボックス40の変速軸41の左側端部に設けたボス部76から突設したアーム77に連結している。
【0025】
このようにして、前後進速度調節レバー30を前進操作側である前方、又は、後進操作側である後方へ回動操作した際に、同レバー30の回動力がレバー支軸66→作動アーム67→連結ロッド68→円弧状アーム72→支軸71→ボス部74→アーム73→連結ロッド75→アーム77→ボス部76→変速軸41に伝達されて、同変速軸41を回動させるようにしている。
【0026】
しかも、変速操作機構37には、図5及び図7に示すように、レバー操作位置保持手段78を設けており、同レバー操作位置保持手段78は、軸支持パイプ65の左側端面にリング状の摩擦板受体79を取付け、同摩擦板受体79と作動アーム67との間にリング状の摩擦板80を介在させる一方、軸支持パイプ65中に挿通したレバー支軸66の右側端部に、スプリング支持突片66a を軸支持パイプ65の右側端より外側方へ突出させて設け、同スプリング支持突片66a の外側端部に取付けたスプリング受体66b と、軸支持パイプ65の右側端面に設けたスプリング受体66c との間にスプリング84をスプリング支持突片66a の周囲に巻回して介在させている。
【0027】
このようにして、レバー操作位置保持手段78では、スプリング84の押圧力により摩擦板受体79と作動アーム67とにより摩擦板80を挟圧させており、同摩擦板80により前後進速度調節レバー30を前後方向に回動操作して手を離した場合に、同摩擦板80により、同レバー30をその操作位置に保持することができるようにしている。
【0028】
さらに、前後進速度調節レバー30には、図5及び図7に示すように、レバー中立規制とレバー変速操作規制の範囲の調節が可能なレバー規制体110 を上記変速操作機構37とは別経路にて連結している。
【0029】
すなわち、レバー規制体110 は、図5及び図7に示すように、支持機枠32に左右幅方向に軸線を向けたボス部111 を取付け、同ボス部111 中に揺動支軸112 を揺動自在に枢支し、同揺動支軸112 の左側端に上下方向に伸延するスライドガイド筒113 の中途部を一体的に取付け、同スライドガイド筒113 の中途左側部と揺動支軸112 内にそれぞれ中立規制ボール収容部114,115 を形成し、各収容部114,115 内に相互に対向する方向にスプリング116,116 により押圧付勢された中立規制ボール117,117 を収容する一方、スライドガイド筒113 中には上端を作動アーム67に連結したスライドロッド118 を上下スライド自在に挿通し、同スライドロッド118 の中途部周面に中立規制ボール係合溝118aを形成し、上部と下端部とにそれぞれ前進速度規制体119 と後進速度規制体120 とをスライドロッド118 の軸線方向に進退位置調節自在に螺着している。
【0030】
このようにして、前後進速度調節レバー30が中立位置にある場合は、中立規制ボール係合溝118aに中立規制ボール117,117 が係合しており、同レバー30を前進側又は後進側へ切換操作する際には、スプリング116,116 の押圧付勢力に抗してスライドロッド118 をスライドさせて、中立規制ボール117,117 を中立規制ボール係合溝118aより係合解除する必要があるために、オペレータは、上記レバー30が中立位置にあること、又は、中立位置から前後進いずれかの側に切換えられることを容易に体感することができるようにして、誤操作の防止を図っている。
【0031】
そして、前後進速度調節レバー30を前進操作側である前方へ回動操作すると、スライドガイド筒113 の上端面に前進速度規制体119 が当接して、同レバー30の前進操作を規制する一方、同レバー30を後進操作側である後方へ回動操作すると、スライドガイド筒113 の下端面に後進速度規制体120 が当接して、同レバー30の後進操作を規制することができるようにしている。
【0032】
この際、前後進速度規制体119,120 は、それぞれスライドロッド118 の軸線方向に進退位置調節することにより、前後進規制の範囲をオペレータの好みに応じて適宜調節することができるようにしている。
【0033】
しかも、レバー規制体110 は、上下方向に揺動する作動アーム67と円弧状アーム72との先端間に介設した連結ロッドが楕円運動する変速操作機構37とは別経路、すなわち、上下方向に揺動する作動アーム67と固定された揺動支軸112 との間に介設しているために、スライドガイド筒113 が揺動支軸112 を中心に前後方向に揺動するにもかかわらず、同スライドガイド筒113 中をスライドロッド118 が円滑にスライドして、前後進速度調節レバー30の中立規制と前後進規制とを確実に行なうことができる。
【0034】
さらに、左右走行部1,1の前後進速度調節を行なうための前後進速度調節レバー30は、ハンドル29の左側近傍に配置すると共に、同前後進速度調節レバー30の先端把持部30a をハンドル29の把持部に近接させて配置することにより、オペレータは、右手でハンドル29を把持して操向操作を行ないながら、左手で前後進速度調節レバー30を楽に変速操作することができるようにしている。そのために、前後進切替操作を頻繁に行なう必要性のある作業においても、安全かつ確実な操向操作を行なうことができ、機体の操作性を向上させることができる。
【0035】
また、ブレーキペダル31は、図6及び図7に示すように、支持機枠32に軸線を左右幅方向に向けて突設したペダル支軸31a に、ボス部31b を介してペダルアーム31c を取付け、同ボス部31b に作動アーム31d を前下方へ向けて突設し、同作動アーム31d に連結ロッド31e の上端を連結する一方、ステアリングボックス40の前壁にパイロット油路切換バルブ94をステー40b を介して取付け、同バルブ94のスプール94a に上記連結ロッド31e の下端を連結している。31f はペダル復元用スプリングである
このようにして、ブレーキペダル31を踏込み操作することにより、ボス部31b →作動アーム31d →連結ロッド31e →スプール94a を作動させて、パイロット油路を切換えることができるようにしている。
【0036】
ここで、本発明の実施例では、図5及び図16に示すように、2ポンプ−2モーター式のHSTを無段変速装置とし、左右側の走行部1,1を別々に走行駆動可能とし、ハンドル29は回転式として、その回転量に応じて左右の走行部1,1の各クローラーの回転数や回転方向を変更することにより、機体を旋回させることができるようにし、同時に、前後進速度調節レバー30を回動操作することにより、左右走行用油圧モーターML,MR の回転数及び回転方向を変更できるようにしている。
【0037】
そして、前後進速度調節レバー30とハンドル29は別々に操作できるように構成しており、ステアリングボックス40内において左右一対のポンプ増減速機構N,Nに連動連結し、両ポンプ増減速機構N,Nを、図16に示すように、HSTの可変流量制御ポンプPL,PR の左右斜板98,99 に連動連結し、各ポンプPL,PR にそれぞれ左右走行用油圧モータML,MR を接続して、各油圧モータML,MR の左右斜板101,102 をそれぞれ制御して、左右側走行部1,1をそれぞれ前進・後進・停止させることができるようにしている。
【0038】
すなわち、ステアリングボックス40の内部構成は、図9〜図11に示すように、略左右対称に構成されているので片側について説明すると、断面視三角形状の変速軸41の前方位置に、同変速軸41と平行にスライド軸44が横架されている。同変速軸41には左右一対のスライド体43,43 を軸線方向に摺動可能に外嵌し、同スライド体43,43 の間にハンドル29と連動連結したスライド作用体45を配設して、各スライド体43,43 にそれぞれ一対のポンプ増減速機構N,Nを連動連結しており、各ポンプ増減速機構Nは、ガイド体50と回転子51と回転子支持アーム52と斜板作動用アーム55と第一連結ロッド56と第一アーム86と中間軸87と第二アーム88と第二連結ロッド89とを具備している。
【0039】
スライド作用体45は、スライド軸44に軸線方向に摺動可能に取付けた基部45a と、同基部45a に一体的に取付けて、同スライド軸44の直前方に配置した本体45b とから形設され、同本体45b は正面視略門型の形状であり、その上面には左右幅方向に伸延させて形成したラック45c が固定されている。
【0040】
そして、ラック45c にはピニオンギア46が噛合している。同ピニオンギア46はピニオン軸46a に固定され、同ピニオン軸46a は上方に配置した前記ハンドル29の下半部伝動軸33a の下端に連動連結体33b を介して連動連結している。よって、ハンドル29を回転させると同ピニオンギア46が回動し、ラック45c が連動して左右幅方向に摺動し、それに伴いスライド作用体45が摺動し、同スライド作用体45の左右側端部にそれぞれ係合しているスライド体43,43 の一方を牽引する。
【0041】
前記スライド体43の外周面の外側にはガイド支持アーム47のアーム支持部47a が遊嵌され、同アーム支持部47a の後側外周面部より変速軸41へ向けて廻止め体47b を伸延させ、同廻止め体47b を変速軸41に連動スライド体48を介して左右軸方向にスライド自在に遊嵌する。一方、アーム支持部47a の後部にボス部47d を形成し、同ボス部47d に上下方向に軸線を向けた枢支ピン47e の上端部を枢支し、同枢支ピン47e の下端にガイド体50の上壁中央部を回動自在に取付けている。同ガイド体50は左右方向に伸延し、下面を開放した断面視コ字状に形成している。
【0042】
また、前記連動スライド体48の外周面下部より下方に向かって揺動アーム48a が伸延され、同揺動アーム48a の下端に伸縮調節自在の揺動リンク48c の後端を連結ピン48b を介して連結し、同揺動リンク48c の前端は前記ガイド体50の上壁一側端部に連結ピン48d を介して枢支している。48e は、左右一対の連動スライド体48,48 間に介在させた中立復帰用スプリングである。
【0043】
また、前記ガイド体50の凹部内には、回転自在の回転子51が挿入されて、左右方向に摺動自在に嵌合しており、同回転子51の軸芯は左右幅方向に伸延する回転子支持アーム52の一側端部に取付けられ、同回転子支持アーム52の他側端部が前記ステアリングボックス40の底壁に固設するボス部53を介して、上下方向に軸線を向けたアーム支軸54により左右揺動自在に枢支され、同ステアリングボックス40の外側において、同アーム支軸54の端部に左右幅方向に伸延する斜板作動用アーム55の端部が固定ボルト55a により固定され、他端に第一連結ロッド56の一端が連結ピン56a を介して連結され、同第一連結ロッド56の他端に第一アーム86の先端が連結され、同第一アーム86の基端がHSTにステー130 を介して軸線を上下方向に向けて取付けられた中間軸87の上端に取付けられ、同中間軸87の下端に第二アーム88の基端が取付けられ、同第二アーム88の先端に第二連結ロッド89の一端が連結され、同第二連結ロッド89の他端がHSTのスプールコントロールレバー100 に連結されている。
【0044】
このような構成において、ハンドル29の回転により、スライド作用体45がスライドされて、スライド体43,43 の一方がスライド軸44及び変速軸41に沿って牽引され、同スライド体43と一体的に設けられたガイド体50がスライド移動される。
【0045】
そして、前後進速度調節レバー30により変速軸41が回動されると、スライド体43に連結した揺動リンク48c を介してガイド体50が前記枢支ピン47e を中心に前後方向に揺動され、斜板作動用アーム55がアーム支軸54を中心に揺動される。
【0046】
次に、ハンドル29及び前後進速度調節レバー30を操作した時のガイド体50の状態を図12〜図15を参照しながら説明する。
【0047】
すなわち、前後進速度調節レバー30を中立状態にし、同時に回転式のハンドル29も中立状態にした場合には、左右のガイド体50,50 、回転子支持アーム52,52 及び斜板作動用アーム55,55 は、図12に示すように、水平姿勢を保っている。
【0048】
この状態より前後進速度調節レバー30を前進側変速位置に変速操作すると、変速軸41が回動し、左右のスライド体43,43 、揺動アーム48a,48a 、揺動リンク48c,48c が連動し、左右のガイド体50,50 を枢支ピン47e,47e を中心に回動させ、さらに、左右の回転子51,51 を介して回転子支持アーム52,52 、アーム支軸54,54 、斜板作動用アーム55,55 は、図13に示すように、傾斜姿勢になる。この場合は、左右走行用油圧モータML,MR を制御する左右斜板101,102 が同一傾斜角度となって、左右側走行部1,1は同一速度にて前進走行して、機体は直進する。
【0049】
次に、上記直進状態から、ハンドル29を左回転させて左旋回操作すると、ピニオン軸46a が回動して、ピニオンギア46に噛合するラック45c が右方向に移動し、同ラック45a と共にスライド作用体45が左側のスライド体43を右側へ牽引・摺動させる。
【0050】
そして、左側のガイド体50がスライド体43と共に一体的に右方向に移動し、同ガイド体50は前記傾斜姿勢のまま右側へスライド移動する。そして、右側の同ガイド体50に嵌合していた回転子51は、図14に示すように、下方に押し下げられて、左側のガイド体50の略中央部位置に嵌合した状態となって、左側の回転子支持アーム52及び斜板作動用アーム55が回動されて水平姿勢に近づき、左走行用油圧モータMLを制御する左斜板98を中立状態に近づける。この場合は、左側の走行部1が直進状態から減速又は停止し、右側の走行部1が前進走行を持続するために、機体はゆっくり左旋回する。
【0051】
次に、上記左旋回状態において、ハンドル29をさらに左旋回方向に回転操作すると、左側のガイド体50は、前記傾斜姿勢のままさらに右側へスライド移動して、図15に示すように左の回転子51はガイド体50の左側部位に嵌合した状態となって、回転子支持アーム52と同斜板作動用アーム55は左高右低の傾斜姿勢となり、左斜板98を後進制御側に傾斜させる。この場合は、左側の走行部1は後進走行する一方、右側の走行部1は前進走行するために、機体はスピンターンをする。
【0052】
次に、図16において油圧回路Kを説明する。すなわち、油圧回路Kは、油圧タンクTにHST油圧回路90を接続し、同HST油圧回路90に左側走行部駆動用油圧回路91と右側走行部駆動用油圧回路92とをそれぞれ接続し、HST油圧回路90の一対の可変流量制御ポンプPL,PR に連動連結した作業機昇降用油圧ポンプP1に作業機昇降用油圧回路93を接続する一方、同可変流量制御ポンプPL,PR に連動連結したチャージポンプP2に、左右側走行部駆動用油圧回路91,92 にそれぞれ設けたブレーキ装置95,96 をパイロット油路135 を介して接続し、同パイロット油路135 の中途部にパイロット油路切換バルブ94を取付けている。97はバイパス作動切替弁、136 は斜板角制御手段、148 は、可変流量制御ポンプPLと左走行用油圧モータMLとの間に介設した閉回路油路、149 は可変流量制御ポンプPRと右走行用油圧モータMRとの間に介設した閉回路油路である。
【0053】
そして、パイロット油路切換バルブ94には、前記ブレーキペダル31を連動連結して、同ブレーキペダル31の踏込み操作に連動してパイロット油路切換バルブ94が切換作動し、ブレーキ装置95,96 がブレーキ作動すべく構成している。
【0054】
すなわち、ブレーキ装置95,96 は、それぞれシリンダ95a,96a 内にスプリング95b,96b により伸長方向に付勢されたピストンロッド95c,96c を設け、各ピストンロッド95c,96c の先端に圧接体95d,96d を取付けて、各圧接体95d,96d を各走行部1,1の駆動輪1a,1a に接離自在とし、各シリンダ95a,96a 内にパイロット油を供給することにより、スプリング95b,96b の付勢に抗してピストンロッド95c,96c を短縮作動させて、圧接体95d,96d を駆動輪1a,1a より離隔状態にして非ブレーキ作動状態となすことができるようにする一方、各シリンダ95a,96a 内よりパイロット油を排出することにより、スプリング95b,96b の付勢力によりピストンロッド95c,96c を伸長作動させて、圧接体95d,96d を駆動輪1a,1a に圧接状態にしてブレーキ作動状態となすことができるようにしている。
【0055】
このようにして、ブレーキペダル31を踏込み操作することにより、左右側走行部1,1の駆動を左右側のブレーキ装置95,96 により同時に停止させることができるために、緊急時にも自動車と同様の踏込み操作感覚でブレーキ踏込み操作を行なうことができて、安全性を良好に確保することができる。
【0056】
なお、本実施例では、ステアリングボックス40を機体フレーム形成体3a,3a 間に横架しているが、HSTの上部に一体的に設けることもできる。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0058】
すなわち、本発明では、ステアリングボックスと一対の可変流量制御ポンプとの間に一対のポンプ増減速機構を介設しているために、同可変流量制御ポンプに発生した固有振動は、ポンプ増減速機構により吸振されて、ステアリングボックスへの振動が減衰され、さらに、同ステアリングボックスと操向操作機構との間には、振動を吸収する連動連結体を介設しているため、同操向操作機構の一部を構成するハンドルへの振動の伝播を防止することができる。
従って、ハンドルを把持して操向操作を行なうオペレータの誤操作を防止することができて、機体の操作性を向上させることができる。
【0059】
また、機体の走行時の振動は、ステアリングボックスと操向操作機構の一部により吸振され、同操向操作機構の上端に取付けたハンドルには操作性に影響のない減衰された振動のみが伝播されるために、ハンドルを把持して操向操作を行なうオペレータの誤操作を防止することができて、機体の操作性を向上させることができる。
【0060】
しかも、ハンドル操作によりステアリングボックスとポンプ増減速機構とを介して可変流量制御ポンプを増減速操作することができるために、操作荷重を小さくすることができ、この点からも機体の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る操作部構造を具備する農業用トラクタの側面図。
【図2】同農業用トラクタの平面図。
【図3】エンジンの防振支持構造を示す側面図。
【図4】同エンジンの防振支持構造を示す平面図。
【図5】操作部の側面図。
【図6】同操作部の側面図。
【図7】同操作部の正面図。
【図8】同操作部の平面図。
【図9】ステアリングボックスの内部の構造を示す断面平面図。
【図10】同ステアリングボックスの内部の構造を示す断面正面図。
【図11】同ステアリングボックスの内部の構造を示す断面側面図。
【図12】中立状態のステアリングボックスの部分正面図。
【図13】直進状態のステアリングボックスの部分正面図。
【図14】右旋回状態のステアリングボックスの部分正面図。
【図15】ピボットターン時のステアリングボックスの部分正面図。
【図16】油圧回路図。
【符号の説明】
A 農業用トラクタ
1 走行部
2 走行フレーム
3 機体フレーム
4 原動機部
Claims (1)
- 左右一対のクローラ式の走行部に、それぞれ左右走行用油圧モータを設け、各走行用油圧モータに一対の可変流量制御ポンプを閉回路油路を介して接続し、両可変流量制御ポンプに操作部を連動連結して、同操作部により上記操作部を操向・変速操作可能とした油圧走行農作業機において、
操作部は、機体フレームに、操向操作機構と変速操作機構とに連動して前記一対の可変流量制御ポンプとの間に介設した一対のポンプ増減速機構を増減速作動させるステアリングボックスを取付け、同ステアリングボックスの上方位置に操向操作機構の一部を形成する円形状のハンドルを配置すると共に、同操向操作機構とステアリングボックスとの間に、振動を吸収する連動連結体を介設したことを特徴とする油圧走行農作業機の操作部構造。
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- 1995-03-13 JP JP5306895A patent/JP3596686B2/ja not_active Expired - Fee Related
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