JP3955400B2 - 寸法測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザビームを用いて光ファイバなどの外径寸法を測定する寸法測定装置に係り、特に、レーザビームモニタ部を簡素化した寸法測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来の寸法測定装置を示す構成図である。
光源50のレーザビームは、所定周波数で振動する音叉偏向器51の先端に設けられたミラー51aで反射し、投光レンズ52を通し平行ビームとされる。
この平行ビームは、光ファイバ等の被測定物を挟んで対向配置された受光レンズ54でPDなどの受光素子55に集光され光電変換される。
【0003】
音叉偏向器51は、振動によりレーザビームの出射角度を掃引し、平行ビームは、被測定物を平行に走査する。
この走査により、受光素子55では、被測定物で遮られたとき低レベルになる陰影のエッジが得られる。このエッジ間隔に基づき、被測定物の外径を求めることができる。
【0004】
このような装置には、偏向部におけるビーム走査の変動状態を検知するため、モニタ部60が設けられる。音叉偏向器51で反射されたレーザビームは、ハーフミラー等の分岐手段61により一部が投光レンズ62側に分岐される。
投光レンズ62及び受光レンズ63間も平行ビームとされ、基準となるモニタ体(ピンゲージ)64が配置されている。受光レンズ63で集光されたビームは、受光素子65で光電変換される。
【0005】
これにより、モニタ部60側では、ピンゲージ64の外径が得られる。図示しない処理手段は、この基準の外径と被測定物の外径の比率の変化状態に基づき音叉偏向器51の偏向状態(走査振幅)の変動の影響を除去して寸法出力する構成となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のモニタ部60は、測定系と同様な構成を有しモニタする構成であるため、以下のような問題があった。
1)レーザビームを平行ビームに変換するため、一対の投光レンズ62,受光レンズ63が必要となる。また、これらを所定間隔を隔ててで配置されるため、スペースが必要である。さらに、集光側それぞれにおける焦点距離のバラツキの調整が必要となる。
2)ピンゲージ64が必要で一対の投光レンズ62,受光レンズ63の空間内に固定配置しなればならない。
【0007】
このように、従来のモニタ部60は、部品点数が多く組み立て及び調整に手間がかかるとともにコスト高であった。また、スペースが必要で装置を小型化することができなかった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、部品点数が少なく調整が容易であり小型化及び低コスト化できる寸法測定装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の寸法測定装置は、請求項1記載のように、光源(1)のレーザビームを偏向させる偏向部(2)と、被測定物に照射された前記レーザビームの陰影を検出する受光部(4)と、前記偏向部の偏向状態をモニタするために前記レーザビームの一部を分岐させてモニタ体に照射させ陰影を検出するモニタ部(5)と、前記受光部及びモニタ部で検出された陰影の両エッジに基づき被測定物の寸法を測定する処理部(7)を備えてなる寸法測定装置において、
前記モニタ部は、前記偏向部で偏向されたレーザビームを一部分岐させる分岐手段(20)と、
前記分岐されたレーザビームを直接受光し、該レーザビームの偏向幅に対応した受光面(22a)を有する受光素子(22)と、
前記受光素子の受光面に面接合されるものであり、レーザビームの偏向方向に垂直な方向に延出され互いが所定間隔を隔てて平行な一対の直線状のエッジ(24a,24b)を有し、該エッジ間が前記レーザビームを透過しない遮蔽部(B)とされ、他が一対の透過部(23a,23b)とされた平板状のモニタ板(23)と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2記載のように、前記モニタ板(23)は、前記一対の平行なエッジ(24a,24b)間が前記レーザビームを透過する1つの透過部(C)とされ、他が遮蔽部とされたものを用いることができる。
【0011】
また、請求項3記載のように、前記モニタ板(23)は、透明なガラスを基材として表面にレーザビーム遮蔽用の金属を薄厚に形成した後、前記透過部の範囲の金属を除去処理して形成されたものを用いることができる。
【0012】
また、請求項4記載のように、請求項1の前記受光素子(22)は、一対の透過部(23a,23b)にそれぞれ面するよう一対で設けられ、各受光素子は各透過部を透過するレーザビームより少なくとも大きな受光面を有したものを用いて構成できる。
【0013】
また、請求項5記載のように、請求項2の前記受光素子(22)は、前記透過部(C)に面して1個設けられ該透過部を透過するレーザビームより少なくとも大きな受光面を有したものを用いて構成してもよい。
【0014】
請求項6記載の発明は、光源(1)のレーザビームを偏向させる偏向部(2)と、被測定物に照射された前記レーザビームの陰影を検出する受光部(4)と、前記偏向部の偏向状態をモニタするために前記レーザビームの一部を分岐させてモニタ体に照射させ陰影を検出するモニタ部(5)と、前記受光部及びモニタ部で検出された陰影の両エッジに基づき被測定物の寸法を測定する処理部(7)を備えてなる寸法測定装置において、
前記モニタ部は、前記偏向部で偏向されたレーザビームを一部分岐させる分岐手段(20)と、
前記分岐されたレーザビームの偏向方向に垂直な方向に延出され互いが所定間隔を隔てて平行な一対の直線状のエッジ(24a,24b)を有し、該エッジ間が前記レーザビームを光電変換しない不感帯(B)とされ、他が前記レーザビームを直接受光する受光面(22a)とされた受光器(21)と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、モニタ部5は、偏向部2で偏向されたレーザビームの一部が分岐手段20により分岐され直接受光素子22に入射される。
また、受光素子22の受光面22aに面接合されるモニタ板23は、一対の平行なエッジ24a,24b間に遮蔽部Bが形成されており、従来用いられたモニタ体に相当するものであり、平板状に薄く設けることができる。これにより、レンズが不要となり部品点数の削減と小型化を図れる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の寸法測定装置の第1実施形態を示す構成図である。
装置は、大略して光源部1、偏向部2、測定部3、受光部4、モニタ部5、処理部7で構成される。
【0017】
光源部1は、半導体レーザを有し所定波長のレーザビームを偏向部2に向けて出射する。
偏向部2は、音叉偏向器10で構成される。音叉偏向器10は、所定周波数で振動する音叉を有し(例えば1.5kHzにより3000回の走査)、この音叉の先端にレーザビーム反射用のミラー11が設けられてなる。
音叉の振動により、ミラー11で測定部3側に反射されたレーザビームは正弦的に偏向される。
【0018】
測定部3は、一対の投光レンズ13,受光レンズ14を有する。
投光レンズ13は、音叉偏向器10のミラー11部分から焦点距離に対応した位置に配置され、平行な走査ビームに変換する。
投光レンズ13と受光レンズ14の間は、装置筐体の外部に表出しており、この部分に被測定物が配置される。被測定物は、この平行ビームの一部を遮るよう配置され、例えば2mmの光ファイバの外径寸法が測定できる。この被測定物は、平行ビームの走査幅に対応して所定の測定可能領域内に配置する。
受光レンズ14は、平行ビームを再度集光して受光部4の受光素子16上に集光する。
【0019】
受光部4の受光素子16としてはPDが用いられ、検出したレーザビームを光電変換しオブジェクト信号として処理部7に出力する。
受光素子16は、レーザビームが被測定物で遮られている期間中は低レベルを検出する。
【0020】
モニタ部5は、偏向部2のミラー11で反射されたビーム走査の変動状態を検知する。レーザビームの光軸上にはハーフミラー等の分岐手段20が設けられる。分岐手段20で分岐されたレーザビームは、受光器21に入射される。
受光器21は、PDからなる受光素子22と、受光素子22の受光面22a上に設けられたモニタ板23から構成されている。
これら受光素子22とモニタ板23の接合体からなる受光器21は、図示せぬ基板上に搭載され、モニタ板23の外周部に嵌まる固定板によって一体的に基板方向に押圧固定される。
【0021】
図2は、受光器21を示す平面図である。モニタ板23は、ガラスを基材とする平面略四角状に形成されている(例えば15〜20mmの略正方形状)。このモニタ板23の外径は、偏向部2で偏向されたレーザビームの偏向幅L1より広い幅L2を有している。
このモニタ板23の上面、あるいは裏面には、金属を薄厚に蒸着形成した後、エッチング処理で2つの透過部23a,23bが形成されている。金属が蒸着された面はレーザービームを透過せず、透過部23a,23bのみ透過させることができる。また、蒸着に限らず、メッキ処理で形成することもできる。
【0022】
透過部23a,23bは、それぞれレーザビームの偏向方向に対し垂直な方向に延びる直線状のエッジ24a,24bを有している。この透過部23a,23bは、図示の例では近設する両エッジ24a,24bからそれぞれ相対する方向に向けて略4角状に形成されている。
そして、これらエッジ24a,24bは、所定の間隔L3を有し互いが平行に設けられている。この間隔L3は例えば、3〜10mmに設定されており、従来用いられていたピンゲージ64に代えて基準となる所定幅のエッジを検出するための遮蔽部Bを形成している。即ち、遮蔽部Bの外縁がこれらエッジ24a,24bとなっており、遮蔽部Bはレーザビームを透過しない。
【0023】
受光素子22は、この実施形態では、各透過部23a,23bの位置に対応してそれぞれ4角状のものが設けられている。この受光素子22は、偏向されたレーザービーム全体を受光できるよう受光面22aが少なくとも、透過部23a,23bの開口径よりも大きく形成されている。
このように、モニタ部5は、分岐手段20により分岐され拡散するレーザビームを直接受光する。なお、2個の受光素子22の出力は加算されたモニタ信号として処理部7に出力される。
このモニタ部5においても、受光素子22は、レーザービームが遮蔽部B(エッジ24aとエッジ24bの間)を走査している期間は低レベルを検出する。
【0024】
図3は、検出信号と走査ビームとの関係を示す波形図である。
走査ビームの位置は、横軸に時間、縦軸に走査空間の検出方向をとると、図示のように、所定の振幅Aを有する正弦波形で表すことができる。
オブジェクト信号は、レーザビームが被測定物の両端のエッジ位置E1とE2の間を走査している期間中、レベルが低レベルとなる。
同様に、モニタ信号は、レーザビームが遮蔽部Bのエッジ24a(Em1),24b(Em2)間を走査している期間はレベルが低レベルとなる。
【0025】
処理部7は、これらのエッジ検出タイミングを、クロックカウンタを用いて数値データに変換してCPUに取り込み、被測定物のエッジ位置をモニタ部5の遮蔽部Bのエッジとの関係から算出する。
そして、得られた被測定物の両エッジ位置の間隔に基づき被測定物の外径値(寸法)が求められ外部出力される。
ここで、被測定物の外径値は、走査振幅に依存して変化するが、モニタ部5で基準として得られた遮蔽部Bの両エッジ24a,24b間の幅で除算することにより、偏向部2での偏向状態(走査振幅)の変動の影響を除去できるようになっている。
【0026】
上記第1実施形態では、受光素子22を2個用いる構成としたが、応答性の良好なものであれば、これら2個分の受光面を有する1個の受光素子を用いてもよい。一般的にPD等の受光素子22は、大型になるほど容量成分が多くなり応答性が低下する特性を有し、かつコスト高であるため、第1実施形態では、各透過部23a,23b部分にそれぞれ受光素子22を配置する構成とした。
【0027】
図4は、上記モニタ部5の変形例(第2実施形態)を示す平面図である。
図示のように、モニタ部5のモニタ板23は、上述した遮蔽部B部分を、逆に透過部Cとして形成したものである。この透過部Cは、前記同様のエッチング処理で容易に形成できる。また、受光素子22は、図示の如く受光面22aが透過部Cの面積より広いものを1個用いる。
【0028】
この構成の場合、透過部Cの両エッジ24a,24b間をレーザービームが偏向している期間は、そのままレーザビームが受光素子22に入射され高レベルを検出する。
対応してモニタ信号は、図3に記載した波形が逆転した形で現れることとなるが、反転素子等で波形逆転処理するれば同様な信号処理が行える。
【0029】
上記実施形態で説明したモニタ板23は、ガラス板の厚さが薄いほど内部でのレーザービームの不要な屈曲が防止できるようになる。また、図5の拡大側面図に示すように、ガラス板上の金属の厚さが薄いほど、偏向により角度をもって入射するレーザビームが、エッジ24a(24b)部分でこの金属の厚さ分に対応してカットされる量が少なくなり、その分エッジ検出精度を向上できるようになる。
【0030】
また、上記実施形態では、受光器21として、受光素子22とモニタ板23を接合させて用いる構成としたが、これらを一体化したものを用いることもでき、この場合、接合状態を保持し一体的に固定するための上記固定板は不要となり、受光器21を基板に配置するだけでよい。
【0031】
また、上記第1実施形態における他の一体の構造としては、一対の受光面22a,22aの間に一対のエッジ24a,24bが間隔L3で設けられた不感帯Bを有する受光素子22を用いる構成としてもよい。この不感帯Bは、上記遮蔽部Bに相当するものであり、レーザービームが照射されても光電変換しない部分である。
また、一対の受光面22a,22aのエッジが、それぞれ上記エッジ24a,24bの配置位置に正確に配置できる場合には、一対の受光素子22,22だけで受光器21を構成できる。この場合、上記モニタ板23を不要にできる。
同様に第2実施形態においても、受光面22aの両エッジが、上記エッジ24a,24bの配置位置に位置決めできれば、1個の受光素子22だけで受光器21を構成できる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の寸法測定装置によれば、モニタ部は、分岐手段で一部分岐されたレーザビームをモニタ板を介して直接受光素子で検出する構成であるため、部品点数が少なく低コストで小型化できる。
特に、従来モニタ部に用いられていたモニタ体及び投受光レンズが不要となるため、組み立て及び保守作業を容易化できる。また、モニタ板及び受光素子は面接合された板状であるため、薄く軽量化できる。このモニタ板は、ガラスの表面にレーザビーム遮蔽用の金属を薄厚に形成し、透過部の範囲の金属を除去するだけで簡単に形成することができる。
また、受光素子とモニタ板を一体化した構造にすることもでき、同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の寸法測定装置の実施の形態を示す構成図。
【図2】モニタ部を示す平面図。
【図3】検出信号と走査ビームとの関係を示す波形図。
【図4】モニタ部の変形例を示す平面図。
【図5】モニタ板の拡大側断面図。
【図6】従来の寸法測定装置の構成図。
【符号の説明】
1…光源部、2…偏向部、3…測定部、4…受光部、5…モニタ部、7…処理部、10…音叉偏向器、11…ミラー、13…投光レンズ、15…受光レンズ、16,22…受光素子、20…分岐手段、21…受光器、22a…受光面、23…モニタ板、23a,23b,C…透過部、B…遮蔽部、24a,24b…エッジ。

Claims (6)

  1. 光源(1)のレーザビームを偏向させる偏向部(2)と、被測定物に照射された前記レーザビームの陰影を検出する受光部(4)と、前記偏向部の偏向状態をモニタするために前記レーザビームの一部を分岐させてモニタ体に照射させ陰影を検出するモニタ部(5)と、前記受光部及びモニタ部で検出された陰影の両エッジに基づき被測定物の寸法を測定する処理部(7)を備えてなる寸法測定装置において、
    前記モニタ部は、前記偏向部で偏向されたレーザビームを一部分岐させる分岐手段(20)と、
    前記分岐されたレーザビームを直接受光し、該レーザビームの偏向幅に対応した受光面(22a)を有する受光素子(22)と、
    前記受光素子の受光面に面接合されるものであり、レーザビームの偏向方向に垂直な方向に延出され互いが所定間隔を隔てて平行な一対の直線状のエッジ(24a,24b)を有し、該エッジ間が前記レーザビームを透過しない遮蔽部(B)とされ、他が一対の透過部(23a,23b)とされた平板状のモニタ板(23)と、
    を備えたことを特徴とする寸法測定装置。
  2. 前記モニタ板(23)は、前記一対の平行なエッジ(24a,24b)間が前記レーザビームを透過する1つの透過部(C)とされ、他が遮蔽部とされた請求項1記載の寸法測定装置。
  3. 前記モニタ板(23)は、透明なガラスを基材として表面にレーザビーム遮蔽用の金属を薄厚に形成した後、前記透過部の範囲の金属を除去処理して形成されている請求項1又は2のいずれかに記載の寸法測定装置。
  4. 前記受光素子(22)は、一対の透過部(23a,23b)にそれぞれ面するよう一対で設けられ、各受光素子は各透過部を透過するレーザビームより少なくとも大きな受光面を有している請求項1記載の寸法測定装置。
  5. 前記受光素子(22)は、前記透過部(C)に面して1個設けられ該透過部を透過するレーザビームより少なくとも大きな受光面を有している請求項2記載の寸法測定装置。
  6. 光源(1)のレーザビームを偏向させる偏向部(2)と、被測定物に照射された前記レーザビームの陰影を検出する受光部(4)と、前記偏向部の偏向状態をモニタするために前記レーザビームの一部を分岐させてモニタ体に照射させ陰影を検出するモニタ部(5)と、前記受光部及びモニタ部で検出された陰影の両エッジに基づき被測定物の寸法を測定する処理部(7)を備えてなる寸法測定装置において、
    前記モニタ部は、前記偏向部で偏向されたレーザビームを一部分岐させる分岐手段(20)と、
    前記分岐されたレーザビームの偏向方向に垂直な方向に延出され互いが所定間隔を隔てて平行な一対の直線状のエッジ(24a,24b)を有し、該エッジ間が前記レーザビームを光電変換しない不感帯(B)とされ、他が前記レーザビームを直接受光する受光面(22a)とされた受光器(21)と、
    を備えたことを特徴とする寸法測定装置。
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