JP3955342B2 - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、ロープウェイ駆動装置または工場設備の駆動装置に組み込むための、ディスクブレーキ装置に関し、さらに詳細には、駆動軸または従動軸上に配置されたブレーキディスクと、制動時にレバーシステムを介してブレーキジョウ（brake jaw）を閉鎖させるブレーキばねとして形成された少なくとも１つのブレーキ力発生装置と、制動解除時に通気されて前記少なくとも左右一対のブレーキレバーを、前記ブレーキライニングが前記ブレーキディスクから離れる開放方向に揺動させる通気装置とを備え、かつ前記レバーシステムが、前記少なくとも左右一対のブレーキレバーのために前記ブレーキライニングの磨耗を自動的に補償する調節機構を備えたディスクブレーキ装置に関するものである。
【従来の技術】
ブーベンツァー・ブレムゼン・ゲルハルト・ブーベンツァー・インゲニア社のパンフレット「ディスクブレーキＳＢ１４」と「ドラムブレーキＥＢＮ」によって知られているこの分野のディスクブレーキおよびドラムブレーキはブレーキジョウを有し、ブレーキライニングの摩耗を補償するために、ブレーキレバーが閉鎖された後の通気装置に対する通気時にブレーキジョウを自動的な調節機構によってブレーキディスクないしはブレーキドラムに対して再調整するための固定ストッパ機構がブレーキジョウの下方端部に設けられており、この固定ストッパがブレーキ装置のベースフレームに設けられた相手側ストッパと協働して、それぞれのブレーキライニングの摩耗に応じて調整ねじを用いて手動で再調整される。
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、この分野のディスクブレーキ装置を全自動的な作動モードとなるようにさらに改良することである。
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、請求項１に記載のディスクブレーキ装置によって上述の課題が解決され、このブレーキ装置には、通気時におけるブレーキジョウの位置をブレーキライニングの磨耗に応じて再調整するために、少なくとも１つのブレーキレバーに、ブレーキレバーをライニングの磨耗を自動調節する際に自動的に調節可能なストッパ機構が設けられており、ベースフレームには相手側ストッパが設けられている。
通気装置とは反対側のブレーキレバーに取り付けられている自動的に調節可能なストッパ機構と、ベースフレームに取り付けられている相手側ストッパによって、ブレーキレバーを引き締めた後に、自動的な調節機構によってブレーキディスクに対して、ブレーキジョウを、ブレーキライニングに発生している摩耗に応じて自動的に再調整することが可能になる。ストッパ機構は６キロニュートンまでの大きい当接力を吸収し、駆動中にブレーキジョウのブレーキレバーとブレーキシューを開閉するレバーシステムに発生する弾性を補償することができる。
【発明の実施の形態】
次に、図面に示すディスクブレーキを用いて本発明を詳細に説明する。
コンベアベルト、クレーン装置、ロープウェイ、工作機械などの駆動装置に組み込むための、図１に示すベースフレーム２上に固定された部分的にライニングしたディスクブレーキ装置１には、主要部として駆動軸または従動軸上に配置されたブレーキディスク３と、さらに制動時に自動的なライニング摩耗調節機構７を備えたレバーシステム６を介してブレーキジョウ５を閉鎖するブレーキばね４が設けられ、その場合にブレーキジョウ５の２対のブレーキレバー８、８；９、９は、ブレーキレバー８、９上にリンク的に取り付けられた、交換可能な支持体１１上に固定されたブレーキライニング１２を有するブレーキシュー１０を介してブレーキディスク３の両面３ａ、３ｂの周辺領域に作用し、さらにディスクブレーキ装置１にはブレーキを緩める際にレバーシステム６を介してブレーキジョウ５を開放する通気装置１３が設けられている。
ベースフレーム２に軸承された、通気装置１３とは反対側の１つのブレーキレバー８の下方端部１４には、ベースフレーム２に設けられた相手側ストッパ１６と協働する自動的に調節可能なストッパ機構１５が結合されており、それにより２対のブレーキレバー８、８；９、９が引き締められた後に、ブレーキジョウ５が、ブレーキライニング１２に発生した摩耗に応じてその通気位置においてブレーキディスク３に対して再調節される。
図２に示す自動的に調節可能なストッパ機構１５には調整用溝付きリンク１７が設けられており、それの内側の、軸受孔１８を有する端部１７ａは遊び１９をもってストッパボルト２０上に揺動可能に軸承されており、ストッパボルトはブレーキレバー８、８間においてブレーキレバー揺動軸２１−２１とブレーキシュー１０との間に配置されて、２つのブレーキレバー８、８と螺合され、かつブレーキディスク平面２２−２２に対して平行な平面２３−２３においてディスクブレーキ装置１のベースフレーム２に対して平行に配置されている。
調整用溝付きリンク１７の軸受孔１８とストッパボルト２０との間の軸受の遊び１９は、ブレーキシュー１０ないしブレーキレバー８の開閉行程２４に相当し、ブレーキレバー８、８の動作に従って減少する。
調整用溝付きリンク１７の外側端部１７ｂはガイドカーブ面２５に接しており、このガイドカーブ面２５はディスクブレーキ装置１のベースフレーム２上に取り付けられたコンソール２６内の２つのブレーキレバー８、８の揺動平面に対して平行な平面内で、ストッパボルト２０の水平な平面２７−２７の領域に位置する上方の点Ａから、ブレーキディスク平面２２−２２方向へ内側に変位した下方の点Ｂまで延びている。調整用溝付きリンク１７の、ガイドカーブ面２５に接している外側端部１７ｂは、溝付きリンク平面に対して垂直に作用する、圧縮並びに摩擦ばねとして形成された調整ばね２８によって付勢されている。調整用溝付きリンク１７は、ストッパボルト２０に横方向に作用しかつ調整用溝付きリンク１７内において２つのブレーキレバー８、８の通気時の移動方向（非制動方向）に調整用溝付きリンク１７内において挿入された押圧ばね２９によってストッパボルト２０に押圧される。
調整用溝付きリンク１７の外側端部１７ｂを付勢する調整ばね２８は、調整用溝付きリンク１７の袋孔３０内と、ガイドカーブ面２５を有するコンソール２６に設けられた保持片３１のねじ孔３２内とに取り付けられている。調整ばね２８の付勢力は、コンソール２６の保持片３１のねじ孔３２内に螺合された調整ねじ３３によって調節可能であって、その場合に調整ねじ３３はロックナット３４によって保持固定されている。
ディスクブレーキ装置１の使用開始前に調整用溝付きリンク１７は次のように、すなわち、ブレーキジョウ５の通気時の位置においてブレーキディスクの両面３ａ、３ｂと２対のブレーキレバー８、８；９、９に設けられた支持体１１上のブレーキライニング１２との間にそれぞれ所定のエアギャップ３５が設けられるように調節される。ブレーキジョウ５のこの初期位置において２つのブレーキレバー８は位置８ａを占め、このブレーキレバーに取り付けられたストッパ機構１５の調整用溝付きリンク１７はほぼ水平の位置１７ｃをとり、この位置において調整用溝付きリンク１７の外側端部１７ｂはガイドカーブ面２５の上方の終端点Ａの領域に支持される。ディスクブレーキ装置１を操作すると、ブレーキジョウ５の通気時の位置においてはブレーキジョウ５を開閉するレバーシステム６に関する通気装置１３の配置と、レバーシステム６の運動作用とによって発生する当接力Ｃは常にブレーキレバーの対８、８に作用するので、２対のブレーキレバー８、８と９、９はブレーキレバー８に設けられたストッパ機構１５の調整用溝付きリンク１７によってブレーキディスク３に対して調整され、それによってブレーキの通気時の位置におけるブレーキジョウ５の振動動作が排除される。ブレーキライニング摩耗が発生しない最初の操作においては２つのブレーキレバー８、８は、ブレーキレバー８、８に取り付けられたストッパボルト２０の調整用溝付きリンク１７の軸受孔１８における軸受の遊び１９によって可能となる一定の閉鎖および通気行程で矢印ｂ方向への閉鎖動作と、矢印ａ方向の開放動作とを行う。長期間の使用によりブレーキライニング摩耗が発生した場合には、まずブレーキレバー８が矢印ｂ方向に閉鎖移動する際の閉鎖行程が、ライニング摩耗の厚みだけ増大し、それに応じてブレーキレバー８に固定されているストッパボルト２０がブレーキディスク３方向内側へ移動して、その際に調整用溝付きリンク１７を連動し、調整用溝付きリンク１７は当接力Ｃが無効にされた場合にその自重並びに調整ばね２８によって調整用溝付きリンク１７にもたらされる押圧力によってストッパボルト２０を中心にガイドカーブ面２５に沿って下方の位置１７ｄへ揺動し、２対のブレーキレバー８、８と９、９が自動的にライニング磨耗調節機構７によってライニング摩耗の寸法だけブレーキディスク両面３ａと３ｂの方向へ引き付けられて、それによって２つのブレーキレバー８は、通気装置１３への通気時にブレーキ摩耗に従って再調整された、内側の閉鎖方向ｂに揺動された位置８ｂを占め、ブレーキジョウ５の２対のブレーキレバー８、８と９、９はストッパ機構１５によって固定される。
上述した、ディスクブレーキ装置１のブレーキレバーの対８、８と９、９の通気時の位置の自動的な調整は、ライニング摩耗が更新される度に繰り返される。
摩擦ばねとして形成された調整ばね２８のばね力は調整ねじ３３によって調節可能であるので、調整用溝付きリンク１７とガイドカーブ面２５との間の摩擦値の変動も、ディスクブレーキ装置１のレバーシステム６の弾性が異なることも補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 自動的なストッパ機構を備えた本発明によるディスクブレーキ装置の実施形態の側面図
【図２】 図１に示すストッパ機構の拡大した縦断面図
【符号の説明】
１ ディスクブレーキ装置
２ ベースフレーム
３ ブレーキディスク
４ ブレーキばね
５ ブレーキジョウ
６ レバーシステム
７ ライニング磨耗調節機構
８，９ ブレーキレバー
１０ ブレーキシュー
１１ 支持体
１２ ブレーキライニング
１３ 通気装置
１５ ストッパ機構
１６ 相手側ストッパ
１７ 調整用溝付きリンク
１８ 軸受孔
２０ ストッパボルト
２５ ガイドカーブ面
２６ コンソール
２８ 調整ばね
２９ 押圧ばね
３０ 袋孔
３１ 保持片
３２ ねじ孔
３３ 調整ねじ
３４ ロックナット

Claims (2)

1. 駆動軸または従動軸上に配置されたブレーキディスクと、ブレーキライニングを備えたブレーキシューが固定され、かつベースフレームに揺動可能に軸承された少なくとも左右一対のブレーキレバーと、制動時にレバーシステムを介して前記少なくとも左右一対のブレーキレバーを、前記ブレーキライニングが前記ブレーキディスク上に作用する閉鎖方向に揺動させるブレーキばねとして形成された少なくとも１つのブレーキ力発生装置と、制動解除時に通気されて前記少なくとも左右一対のブレーキレバーを、前記ブレーキライニングが前記ブレーキディスクから離れる開放方向に揺動させる通気装置とを備え、かつ前記レバーシステムが、前記少なくとも左右一対のブレーキレバーのために前記ブレーキライニングの磨耗を自動的に補償する調節機構を備えたディスクブレーキ装置において、
   前記通気装置（１３）に対する通気時における前記少なくとも左右一対のブレーキレバー（８，９）の開放位置を自動的に調整するためのストッパ機構（１５）が、前記少なくとも左右一対のブレーキレバーのうちの１つのブレーキレバー（８）の、前記ディスクブレーキ装置（１）のベースフレーム（２）に軸承された下方端部に配置され、
   前記ストッパ機構（１５）は、
   一方のブレーキレバー揺動軸（２１−２１）と前記ブレーキシュー（１０）との間の位置においてかつブレーキディスク平面（２２−２２）に対して平行な平面（２３−２３）内で前記ベースフレーム（２）に対して平行に前記１つのブレーキレバー（８）に固定されたストッパボルト（２０）と、
   該ストッパボルト（２０）に遊び（１９）をもって軸承される軸受孔（１８）を一方の端部（１７ａ）に備えて、前記ストッパボルト（２０）上に揺動可能に軸承さたれた調整用溝付きリンク（１７）と、
   該調整用溝付きリンク（１７）の外側端部（１７ｂ）を当接させるガイドカーブ面（２５）を備えて前記ベースフレーム（２）に固定された相手側ストッパ（１６）と、
   前記調整用溝付きリンク（１７）の外側端部（１７ｂ）を垂直方向下方へ押圧する調整ばね（２８）と、
   前記軸受孔（１８）に前記ストッパボルト（２０）が挿入された状態の前記調整用溝付きリンク（１７）の外側端部（１７ｂ）を前記ガイドカーブ面（２５）に対して押圧すべく、前記調整用溝付きリンク（１７）と前記ストッパボルト（２０）との間に設けられた押圧ばね（２９）とを備え、
   前記ブレーキライニング（１２）の非磨耗時には、前記調整用溝付きリンク（１７）はその外側端部（１７ｂ）が前記相手側ストッパ（１６）の前記ガイドカーブ面（２５）の上方位置に当接した状態に支持され、かつ前記少なくとも左右一対のブレーキレバー（８，９）の開閉に伴う前記ストッパボルト（２０）の前記調整用溝付きリンク（１７）の軸受孔（１８）内における横方向の移動が、前記遊び（１９）によって許容され、
   前記ブレーキライニング（１２）の磨耗時には、前記１つのブレーキレバー（８）の閉鎖時における前記ブレーキライニング（１２）の磨耗の厚みだけ増大する前記１つのブレーキレバー（８）の閉鎖行程に応じて移動する前記ストッパボルト（２０）が前記調整用溝付きリンク（１７）を前記ブレーキディスク（３）に向かって移動させ、それにより前記調整用溝付きリンク（１７）はその外側端部（１７ｂ）が前記ガイドカーブ面（２５）に沿って下方位置へ移動するように揺動し、それによって、前記通気装置（１３）への通気時の前記少なくとも左右一対のブレーキレバー（８，９）を、前記ブレーキライニング（１２）の磨耗の寸法だけ前記ブレーキディスク（３）の方向へ移動した位置に固定するように構成されていることを特徴とするディスクブレーキ装置。
2. 前記調整ばね（２８）が、前記調整用溝付きリンク（１７）に形成された袋孔（３０）と、前記ガイドカーブ面（２５）を備えたコンソール（２６）に設けられた保持片（３１）のねじ孔（３２）との間に取り付けられ、該調整ばね（２８）の押圧力が、前記ねじ孔（３２）に螺装された調整ねじ（３３）によって調整可能であることを特徴とする請求項１記載のディスクブレーキ装置。

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