JP3955333B2 - 放射線硬化性の光ガラスファイバー被覆用組成物、被覆光ガラスファイバー、及び光ガラスファイバーアセンブリー - Google Patents

放射線硬化性の光ガラスファイバー被覆用組成物、被覆光ガラスファイバー、及び光ガラスファイバーアセンブリー Download PDF

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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C25/00Surface treatment of fibres or filaments made from glass, minerals or slags
    • C03C25/10Coating
    • C03C25/104Coating to obtain optical fibres
    • C03C25/1065Multiple coatings

Description

発明の分野
本発明は放射線硬化性の光ガラスファイバー内部1次被覆用及び外部1次被覆用組成物(radiation-curable inner and outer primary optical glass fiber coating compositions)に関する。さらに、本発明は、被覆光ガラスファイバー(coated optical glass fibers)及び光ガラスファイバーアセンブリー(optical glass fiber assemblies)に関する。より詳しくは、本発明は改良されたリボンストリッピング能力(ribbon stripping capabilities)を有するリボンアセンブリー(ribbon assembly)関する。
発明の背景
光ガラスファイバーは通常、合わせて1次被覆(primary coating)を成す2つの重ね合わされた放射線硬化被覆で被覆されている。ガラス表面に接している被覆が内部1次被覆(inner primary coating)と呼ばれ、そしてその上に載っている被覆が外部1次被覆(outer primary coating)と呼ばれる。
内部1次被覆は通常、マイクロベンディング抵抗性(resistance to microbending)を付与するように低いガラス転移温度(以後、「Tg」と記す)を有する軟質被覆(soft coating)である。マイクロベンディングは被覆光ガラスファイバーの信号伝送能力の減衰を導くことがあり、従って望ましくない。外部1次被覆は被覆ファイバーがケーブル化されたときに遭遇するような取扱上の力に対する所要の抵抗性を付与する、もっと硬質の被覆(harder coating)が一般的である。
多チャンネル伝送のためには、被覆光ファイバーを複数含有している光ガラスファイバーアセンブリーが使用されている。光ガラスファイバーアセンブリーの例には、リボンアセンブリー及びケーブルが包含される。代表的な光ガラスファイバーアセンブリーはマトリックス材料(matrix meterial)の中に一体になるよう結合された複数の被覆光ガラスファイバーから成る。たとえば、マトリックス材料はそれら光ガラスファイバーを一体になるよう長縁で結合させることができる。
光ガラスファイバーアセンブリーは光ガラスファイバーを個別に取り扱う必要性を解消することによって光ガラスファイバーの建造、架設及び保守を簡便にするモジュール設計を提供する。
光ガラスファイバーアセンブリーに使用するための被覆光ガラスファイバーは通常、個々の被覆光ガラスファイバーの識別を容易にするために、インキ層と呼ばれる外側の着色層によって被覆されているか又は代わりに外部1次被覆に着色剤が添加されている。かかるインキ被覆や着色された外部1次被覆はこの技術分野ではよく知られている。従って、被覆光ガラスファイバーを一体に結合させるマトリックス材料は外側のインキ層(存在するならば)に又は着色された外部1次被覆に接している。
アセンブリーの中の単一の光ガラスファイバーを別の光ガラスファイバーと又はコネクターと融合接続すべきときには、光ガラスファイバーを各々に分離させるためにマトリックス層の末端部分を除去することができる。
望ましくは、被覆光ガラスファイバー上の1次被覆及び存在する場合にはインキ被覆をマトリックス材料と同時に除去して光ガラスファイバーの表面の裸出部を提供する(以後、「リボンストリッピング(ribbon stripping)」と称する)。リボンストリッピングにおいては、マトリックス材料と1次被覆とインキ被覆が団結した一団として除去されて実質的に残留物の無い清浄な裸の光ガラスファイバーを提供することが望ましい。この残留物は光ガラスファイバーの素材融合スプライシング(mass fusion splicing)作業を妨害することがあり、従って通常はスプライシングに先立ってワイビング(wiping)によって除去されなければならない。しかしながら、残留物除去工程は裸の光ガラスファイバー上に磨滅部位を生じさせることがあり、従って接続の強度を弱める。今までは、リボンストリッピング中に残留物無しの清浄な裸の光ガラスファイバーを提供する本発明によるリボンアセンブリーの優れたストリッピング機能は得ることができないと信じられてきた。
リボンアセンブリーの末端でリボンストリッピングを実行するための普遍的方法は加熱された剥ぎ取り用ツール(stripping tool)を使用することである。かかるツールは約90℃〜約120℃に加熱するための加熱手段を備えた2枚のプレートからなる。リボンアセンブリーの末端部分を2枚の加熱プレートの問に噛ませ、そしてツールの熱によってマトリックス材料及び個々の光ガラスファイバー上の1次被覆を軟化させる。それから、熱軟化されたマトリックス材料と個々の光ガラスファイバー上の熱軟化された1次被覆を除去して裸の光ガラスファイバー末端部分を提供することができ、その裸の光ガラスファイバー端部で融合接続を行うことができる。内部1次被覆に至るまでのマトリックス材料の破壊を開始させるには、しばしばナイフカットが使用される。代表的には、マトリックス材料及び光ガラスファイバー上の被覆は約1〜4cmの区分だけ除去する必要がある。裸の個々の光ガラスファイバーの識別はインキ被覆又は着色された外部1次被覆が見えるところまで裸の光ファイバーに沿って逆上ることによって達成される。
米国特許第5,373,578号には、被覆光ガラスファイバーの複数を含有しているリボンアセンブリーが開示されている。光ガラスファイバーの各々は光ガラスファイバーに隣接する内部1次被覆と外部1次被覆とその上のインキ被覆によって被覆されている。内部1次被覆と光ガラスファイバーの間の接着性が減少するように内部1次被覆が改質されている。この接着性の減少は加熱ストリッピング法を用いたときの熱軟化された1次被覆の容易な除去を助長する。この特許の第5欄第10〜13行には、内部1次被覆と光ガラスファイバーの間の接着性は光ガラスファイバーからの内部1次被覆の離層(delamination)を防止するのに十分であるべきであるが、内部1次被覆と光ガラスファイバーの間の接着性の何らかの減少はかかる望ましくない離層の可能性を増加させる(特に、湿気の存在下では)ということが開示されている。光ガラスファイバーからの内部1次被覆の離層は、信号伝送の減衰という不利益ばかりでなく、光ガラスファイバーの強度の悪化を導くことがある。
刊行された欧州特許出願第0262340号には、リボンケーブルの中に含有されている光ガラスファイバーの各々の上の最も外側の被覆層として「ピール層(peel layer)」を有するリボンケーブルが開示されている。リボンストリッピング中に、ピール層が破壊され、そしてマトリックス材料が被覆光ガラスファイバーから除去される。しかしながら、このリボンストリッピング後には、光ガラスファイバーは1次被覆によってまだ被覆されている。すなわち、この刊行物に開示されたリボンアセンブリーにおいては1次被覆はマトリックス材料と同時に除去されない。
米国特許第5,011,260号には、被覆光ガラスファイバーとマトリックス材料の間に配置された「デカップリング層(decoupling layer)」を有するリボンケーブルが開示されている。この仕方では、低いストリッピング力(stripping force)の適用によってマトリックス材料が被覆光ガラスファイバーから容易に除去されるであろう。この特許には、光ガラスファイバー上の被覆はリボンストリッピング中にマトリックス材料と同時に除去できるという一般的記述が包含されている。しかしながら、この特許は従来のリボンアセンブリーをリボンストリッピングした後に裸の光ガラスファイバー上に残る残留物に関連した問題を解決する方法を教示できていない。
刊行された欧州特許出願第0407004号には、通常の使用中には接着したままであるようにインキ被覆光ガラスファイバーに対して十分な接着性を有するが被覆光ガラスファイバー上のインキ層の団結性(integrity)を損なうことなく容易に剥き取り可能なマトリックス材料を含有するリボンケーブルが開示されている。従って、この刊行物に開示されたリボンアセンブリーは残留物無しの裸の光ガラスファイバーを提供するようにリボンストリッピング中にマトリックス材料の除去と同時に光ガラスファイバー上の1次被覆を除去する能力を有しているのではない。
刊行された欧州特許出願第0527266号には、被覆光ガラスファイバーからマトリックス材料を分離する潤滑性の「界面層(interfacial layer)」を含有するリボンケーブルが開示されている。界面層は被覆光ガラスファイバーからのマトリックス材料の容易な除去を促進する。この刊行物の第3頁第15行には、緩衝層と第一保護被覆を一工程で剥ぎ取れると開示しているが、かかる操作を如何にして逐行するかを教示する開示が無い。更に、この潤滑性界面層は第一保護被覆とマトリックス材料の同時除去を阻害するであろう。従って、この刊行物は残留物無しの裸の光ガラスファイバーを提供するようにリボンストリッピング中にマトリックス材料と同時に光ガラスファイバー上の1次被覆を除去する能力を有するリボンアセンブリーを如何にして製造するかを教示していない。
米国特許第4,900,126号には、光ガラスファイバー上の1次被覆とインキ層の間の結合接着力(bonding adhesive force)がインキ層とマトリックス材料の間の結合より大きいリボンケーブルが開示されている。この仕方では、インキ被覆光ガラスファイバーからインキ層を除去することなく容易にマトリックス材料を除去できる。しかしながら、この特許は1次被覆をマトリックス材料と同時に除去することに関連した課題を取り扱っていない。
米国特許第4,660,927号は、軟質シリコーン被覆が指圧によって光ガラスファイバーの表面から容易に剥がされるシリコーン被覆光ファイバーを教示している。この被覆は脂肪族不飽和基を有する第一シロキサン成分とメルカプトアルキル基を有する第二シロキサン成分を含有している。かかる被覆は例えば指圧で擦ることによって容易に剥がれ得るので、この被覆は光ガラスファイバーの表面に対する接着性が大抵の使用中に離層を防止するには不十分である。更に、この特許はリボンストリッピングの課題を取り扱っておらず、むしろ単一の光ガラスファイバーのストリッピングだけを取り扱っている。許容できる単一ファイバーのストリッパビリティ(strippability)を有する3層被覆系(内部1次被覆と外部1次被覆とインキ被覆)がリボン形態で使用されたときには著しく異なるレベルのストリッパビリティ特性を示すであろうことは一般に知られている。
米国特許第4,496,210号は、ポリシロキサンを含有する放射線硬化性の光ファイバー被覆用組成物を提供する。しかしながら、この特許はリボンストリッピングに関連した課題を取り扱っていない。
日本特許出願平成3年第35210号は、内部1次被覆用組成物の中に液体シリコーン油又は液体脂肪族油のような液体潤滑剤をメルカプトシロキサン化合物と組み合わせることを教示している。ストリッピング中に、光ガラスファイバーの表面と内部1次被覆の間の結合が破壊されるとき、液体潤滑剤は光ガラスファイバーの表面と内部1次被覆の間の境界に侵入する。液体潤滑剤は内部1次被覆との相溶性が高くてはいけないか又はストリッピング中に内部1次被覆から浸出しないであろう。しかしながら、この文書は光ガラスファイバーと内部1次被覆との隣接表面間のファイバー摩擦(fiber friction)のレベルを、内部1次被覆の凝集強さ(cohesive strength)より小さい抵抗力(resistice force)を与えるレベルに調節するためのシステムを教示できていない。従って、この文書は液体潤滑剤化合物を組み入れることによって内部1次被覆をもっと容易に剥ぎ取ることができることを教示しているが、上記のファイバー摩擦力が内部1次被覆の凝集強さより大きい抵抗力を与えるレベルにある場合には、内部1次被覆は光ガラスファイバーの表面に不要残留物をやはり残すであろう。
リボンストリッピング中にリボンアセンブリーの性能を測定するのに使用される多数の試験方法が存在する。リボンのストリッピング性能を測定するのに適する試験方法の例は、G.ミルズ(Mills)の論説、「テスティング オブ 4−アンド 8−ファイバー リボン ストリッパビリティ(Testing of 4-and 8-fiber ribbon strippability)」、472 インターナショナル ワイヤー アンド ケーブル シンポジウム プロシーディングズ(International Wire & Cable Symposium Proceedings)(1992年)、の中に開示されており、その開示の全体は本願明細書中に組み入れられる。
リボンストリッピングに関連した課題を理解するために及びリボンストリッピング性能を高める解決法を見いだすために多数の試みがなされてきた。下記刊行物はリボンストリッピングに関連した課題を説明し解決することを試みている:K.W.ジャクソン等の「ザ イフェクト オブ ファイバー リボン コンポーネント マテリアルズ オン メカニカル アンド エンビロメンタル パフォーマンス」、28 インターナショナル ワイヤー アンド シンポジウムプロシーディングズ(1993年)(K.W. Jackson, et. a1.,″The Effect of Fiber Ribbon Component Materials on Mechanical and Enviromental Performance″, 28 International Wire & Symposium Proceedings (1993));H.C.チャンドン等の「ファイバー プロテクティブ デザイン フォ− エボルビングテレコミュニケーション アプリケーションズ」、インターナショナルワイヤー アンド シンポジウム プロシーディングズ(1992年)(H.C.Chandon, et. al., ″Fiber Protective Design for Evolving Telecommunication Applications″, International Wire & Symposium Proceedings (1992));J.R.トーラー等の「ファクターズ アフェクティング メカニカル ストリッピング オブ ポリマー コーティングズ フロムオプティカル ファイバーズ」、インターナショナル ワイヤー アンド ケーブル シンポジウム プロシーディングズ(1989年)(J.R. Toler, et. al., ″Factors Affecting Mechanical Stripping of Polymer Coatings From Optical Fibers″, International Wire & cable Symposium Proceedings (1989));およびW.グリフィンの「ストリッパビリティ オブ オプティカル ファイバーズ」、EFOC アンド N、イレブンス アニュアル コンファレンス、ハーグ(1993年)(W. Griffioen, ″Strippability of Optical Fibers″, EFOC & N, Eleventh Annual Conference, Hague (1993))。
リボンアセンブリーについては、実質的に残留物無しの裸の光ガラスファイバーを提供するように清浄にリボンストリップする能力は未だ予測不可能であり、また、リボンストリッピングに影響するファクターは十分に理解されていない。リボンストリッピングの問題が如何にして起こるかについての理解とこれら問題に対する解決法が依然要求されている。
発明の概要
本発明の目的は、改良されたリボンストリッピング能力を有する新規リボンアセンブリーを提供することである。本発明の別の目的は、個別の選ばれた裸の光ファイバーに対して接続を形成するのに先立って除去されなければならない残留物を実質的に有していない裸の光ガラスファイバーをリボンストリッピング後に与える新規リボンアセンブリーを提供することである。
驚くべきことには、上記目的及びその他目的は以下の記載によって得られる。
本発明は、
少なくとも一つの光ガラスファイバーが少なくとも内部1次被覆と外部1次被覆によって及び任意的にはインキ被覆によって被覆されている、複数の被覆光ガラスファイバー;及び
前記複数の被覆光ガラスファイバーを一体になるように結合させているマトリックス材料;
を含んでいるリボンアセンブリーであって、前記内部1次被覆が、
(i)取扱中の及び湿気の存在下での離層を防止するのに十分な、前記光ガラスファイバーに対する接着性;及び
(ii)前記リボンアセンブリーに前記内部1次被覆の凝集強さより小さいストリッピング力を適用したときリボンストリッピング中に前記光ガラスファイバーの表面に残留物を実質的に残さずに内部1次被覆が容易に光ガラスファイバーから滑り落ちる(slide off)のを許すように調節されている、前記光ガラスファイバーと前記内部1次被覆の間のファイバー摩擦力;
という性質の組み合わせを与えるのに適合している、新規リボンアセンブリーを提供する。
また、本発明は、
少なくとも一つの光ガラスファイバーが少なくとも内部1次被覆と外部1次被覆によって及び任意的にはインキ被覆によって被覆されている、複数の被覆光ガラスファイバー;及び
前記複数の被覆光ガラスファイバーを一体になるように結合させているマトリックス材料;
を含んでいるリボンアセンブリーであって、
前記内部1次被覆が、約0.1mm/秒の速度で約30g/mm以下のファイバー引抜摩擦(fiber pull-out friction)を、0.1mm/秒の速度で少なくとも約1mmのクラック成長特性(crack propagation characteristic)と組み合わせて付与するのに適合している、
新規リボンアセンブリーを提供する。
更に、本発明は、
光ガラスファイバー;
前記光ガラスファイバーの表面上の内部1次被覆;
前記内部1次被覆の外面と実質的に同一外延(co-extensive)の外部1次被覆;
を含んでおり、前記内部及び外部1次被覆は、(i)周囲温度からリボンストリッピング温度までの内部1次被覆の長さ変化/(ii)前記周囲温度から前記リボンストリッピング温度までの外部1次被覆の長さ変化の比が約1.5/1より小さくなるように配合及び選択されており;そして任意的には、前記外部1次被覆に隣接したインキ被覆を含んでいる、被覆光ガラスファイバーを提供する。
更に、本発明はこれら被覆光ガラスファイバーの少なくとも一つを含有しているリボンアセンブリーに関する。
更に、本発明は得られる接着抵抗力レベル(adhesive resistive force level)が内部1次被覆の凝集強さ未満であるようなレベルにファイバー摩擦を調節するのに使用することができる新規な放射線硬化性オリゴマーに関する。この新規な放射線硬化性オリゴマーは、
少なくとも一つのガラスカップリング部分(glass coupling moiety);
少なくとも一つのスリップ剤部分(slip agent moiety);及び
少なくとも一つの放射線硬化性部分
を含んでおり、前記のガラスカップリング部分スリップ剤部分及び放射線硬化性部分は各々が前記オリゴマーに共有結合している。
また、この複合オリゴマーを含有している放射線硬化性の内部1次被覆用組成物、この被覆用組成物から製造された被覆光ガラスファイバー、及び、少なくとも一つのかかる被覆光ガラスファイバーを含有しているリボンアセンブリーも提供される。
本発明はまた、少なくとも一つの放射線硬化性オリゴマーまたはモノマーとワックスを含んでいる放射性硬化性の内部1次被覆用組成物を提供する。好ましくは、存在するワックスの量は、前記組成物から形成された前記被覆の凝集強さより小さい抵抗力が示されるように、前記被覆から形成された内部1次被覆と光ガラスファイバーとの間のファイバー摩擦を付与するのに十分な量である。本発明はまた、ワックスを含有している内部1次被覆を有する被覆光ガラスファイバー及びかかる被覆光ガラスファイバーを少なくとも一つ含有しているリボンアセンブリーを提供する。
更に、本発明は、放射線硬化性シリコーンオリゴマー又はシリコーン化合物を含有している放射線硬化性の内部1次被覆用組成物から処方された内部1次被覆を有する被覆光ガラスファイバーを提供する。好ましくは、放射線硬化性シリコーンオリゴマー又はシリコーン化合物は、内部1次被覆の凝集強さより小さい抵抗力が示されるように内部1次被覆と光ガラスファイバーの間のファイバー摩擦を与えるのに十分な量で存在する。本発明はまた、少なくとも一つのかかる被覆光ガラスファイバーを含有しているリボンアセンブリーを提供する。
本発明はまた、放射線硬化性フッ素化オリゴマー又はフッ素化化合物を含有している放射線硬化性の内部1次被覆用組成物から処方された内部1次被覆を有する被覆光ガラスファイバーを提供する。好ましくは、放射線硬化性フッ素化オリゴマー又はフッ素化化合物は、内部1次被覆の凝集強さより小さい抵抗力が示されるように内部1次被覆と光ガラスファイバーの間のファイバー摩擦を与えるのに十分な量で存在する。本発明はまた、少なくとも一つのかかる被覆光ガラスファイバーを含有しているリボンアセンブリーを提供する。
本発明はまた、少なくとも一つの放射線硬化性のオリゴマー又はモノマーと、実質的に組成物には不溶性の固体潤滑剤とを含んでいる、放射線硬化性の内部1次被覆用組成物を提供する。好ましくは、存在する固体潤滑剤の量は、前記組成物から形成された前記被覆の凝集強さより小さい抵抗力が示されるように、前記被覆から形成された内部1次被覆と光ガラスファイバーとの間のファイバー摩擦を与えるのに十分な量である。本発明はまた、固体潤滑剤を含有している内部1次被覆を有する被覆光ガラスファイバー、及び少なくとも一つのかかる被覆光ガラスファイバーを含有しているリボンアセンブリーを提供する。
更に、本発明は、少なくとも一つの光ガラスファイバーが少なくとも内部1次被覆と外部1次被覆によって及び任意的にはインキ被覆によって被覆されている複数の被覆光ガラスファイバーと、前記複数の被覆光ガラスファイバーを一体になるよう結合させているマトリックス材料とを含んでいるリボンアセンブリーを提供する。内部1次被覆は、少なくとも一つのポリマーブロックと前記少なくとも一つのポリマーブロックに結合された化学線の存在下で重合可能な少なくとも一つの官能基とを含んでいる少なくとも一つの放射線硬化性ウレタンオリゴマーを含有する放射線硬化性の内部1次被覆用組成物から処方される。この被覆用組成物の中のウレタン基の濃度は、前記内部1次被覆の凝集強さより小さいストリッピングカを前記リボンアセンブリーに適用したときリボンストリッピング中に光ガラスファイバーから滑り落ちそして前記光ガラスファイバーの表面に残留物を実質的に残さない機能的能力を内部1次被覆に与えるクラック成長レベルと組み合わされた前記光ガラスファイバーと前記内部1次被覆の間のファイバー摩擦力を前記内部1次被覆に与えるように選ばれている。
更に、本発明は、少なくとも一つの光ガラスファイバーが少なくとも内部1次被覆と外部1次被覆によって及び任意的にはインキ被覆によって被覆されている複数の被覆光ガラスファイバーと、前記複数の被覆光ガラスファイバーを一体になるよう結合させているマトリックス材料とを含んでいるリボンアセンブリーを提供する。内部1次被覆は、少なくとも一つのポリマーブロックと前記少なくとも一つのポリマーブロックに結合された化学線の存在下で重合可能な少なくとも一つの官能基とを含んでいる少なくとも一つの放射線硬化性オリゴマーを含有する放射線硬化性の内部1次被覆用組成物から処方される。ポリマーブロックの分子量は、前記内部1次被覆の凝集強さより小さいストリッピングカを前記リボンアセンブリーに適用したときリボンストリッピング中に光ガラスファイバーから滑り落ちそして前記光ガラスファイバーの表面に残留物を実質的に残さない機能的能力を内部1次被覆に与えるクラック成長レベルと組み合わされた前記光ガラスファイバーと前記内部1次被覆の間のファイバー摩擦力を前記内部1次被覆に与えるように選ばれている。
また、本発明は、少なくとも一つのポリマーブロックと前記少なくとも一つのポリマーブロックに結合された化学線の存在下で重合可能な少なくとも一つの官能基とを含んでいる組成物から処方された放射線硬化性の内部1次被覆用組成物を提供する。この被覆用組成物の中のウレタン濃度は、前記内部1次被覆の凝集強さより小さいストリッピング力を前記内部1次被覆に適用したときリボンストリッピング中に光ガラスファイバーから滑り落ちそして前記光ガラスファイバーの表面に残留物を実質的に残さない機能的能力を内部1次被覆に与えるクラック成長レベルと組み合わされた光ガラスファイバーと前記被覆用組成物から形成された内部1次被覆との問のファイバー摩擦力を前記内部1次被覆に与えるように選ばれている。
更に、本発明は、少なくとも一つのポリマーブロックと前記少なくとも一つのポリマーブロックに結合された化学線の存在下で重合可能な少なくとも一つの官能基とを含んでいる組成物から処方された放射線硬化性の光ガラスファイバー内部1次被覆用組成物を提供する。ポリマーブロックの分子量は、前記内部1次被覆の凝集強さより小さいストリッピング力を前記内部1次被覆に適用したときリボンストリッピング中に光ガラスファイバーから滑り落ちそして前記光ガラスファイバーの表面に残留物を実質的に残さない機能的能力を内部1次被覆に与えるクラック成長レベルと組み合わされた前記光ガラスファイバーと前記内部1次被覆の間のファイバー摩擦力を前記内部1次被覆に与えるように選ばれている。
また、本発明は、上記の放射線硬化性内部1次被覆用組成物から形成された少なくとも一つの内部1次被覆を含有する被覆光ガラスファイバーを提供する。
【図面の簡単な説明】
図1は、被覆光ガラスファイバーの縦断面図を示す。
図2は、光ガラスファイバーの表面に沿って光ファイバーリボン被覆複合体を滑らせるのに必要な規格化されたストリッピング力の代表的なグラフを示す。
図3は、リボンストリッピング中に光ガラスファイバーから滑り落ちる内部1次被覆のラチェット効果を示す。
図4は、商業的に入手可能な外部1次被覆について温度上昇時の長さLの変化(「dL」)を示すグラフである。
図5は、被覆光ガラスファイバーの部分断面図を示す。
図6は、推定ストリップ清浄度(predicted strip cleanliness)を求めるための仮説等高プロット(hypothetical contour plot)を示す。
図7はウレタン濃度に対するファイバー引抜摩擦(fiber pull-out friction)のグラフを示す。
図8はウレタン濃度に対するファイバー引抜摩擦のグラフを示す。
図9はウレタン濃度に対するファイバー引抜摩擦のグラフを示す。
図10はウレタン濃度に対するファイバー引抜摩擦のグラフを示す。
図11はウレタン濃度に対するファイバー引抜摩擦のグラフを示す。
好ましい態様の詳細な説明
次に、添付図面を参照にして本発明を詳細に説明する。
広範囲にわたる実験に基づいて、今や、リボンストリッピングは機能的に2つの局面、即ち、第一の接着破壊局面(adhesion breaking phase)と第二の摩擦滑り局面(frictive sliding phase)を包含すると考えられる。これは次の式(1)によって特徴付けることができる:
stripping=Fadhesive+Ffriction (1)
式中、
strippingは、内部1次被覆に適用されたストリッピング力である;
adhesiveは、光ガラスファイバーと内部1次被覆の間の接着力を破壊するのに必要な力である;
frictionは、光ガラスファイバーの表面に対して内部1次被覆が出す垂直抗力(normal force)と、内部1次被覆の摩擦係数との関数であり、
frictionは、内部1次被覆が静止位置にあるときにはその状況として規定されたFstaticに等しく、そして
frictionは、内部1次被覆が光ガラスファイバーに対して運動状態にあるときにはそれとして規定されたFkineticに等しい。
接着破壊局面では、内部1次被覆を光ガラスファイバーの表面から離層させるために内部1次被覆と光ガラスファイバーの表面との間の接着力を破壊しなければならない。接着力が破壊され、そして内部1次被覆が光ガラスファイバーの表面から離層したら、次いで、内部及び外部1次被覆をマトリックス材料と共に光ガラスファイバーの表面から除去するために内部1次被覆と光ガラスファイバーの表面との間のファイバー摩擦力に打ち勝たなければならない。
内部1次被覆と光ガラスファイバーの表面との間の接着力は下記因子の増大によって一般的に増加する:
(1)共有結合、例えば、ガラス接着促進剤からの;
(2)弱い分子相互作用、例えば、ファンデルワールス引力、水素結合、静電気など;
(3)静止摩擦係数;
(4)内部1次被覆の表面エネルギーおよび光ガラスファイバーの表面エネルギー;
(5)表面荒さ;及び
(6)接着結合領域。
内部1次被覆と光ガラスファイバーの表面との間の接着力は一般的には温度上昇によって減少する。
内部1次被覆と光ガラスファイバーの表面との間のファイバー摩擦力は一般的には下記因子の一つ以上の増大によって増加する:
(1)リボンストリッピング温度における、光ガラスファイバーの表面に対する内部1次被覆の垂直抗力;
(2)リボンストリッピング温度における、静止及び動摩擦係数;
(3)表面荒さ;及び
(4)摩擦領域。
垂直抗力は光ガラスファイバーの表面と内部1次被覆との間の、ファンデルワールス引力、水素結合、静電気などのような弱い分子相互作用を包含する。一般的には、ファイバー摩擦力は温度上昇と共に減少する。
リボンストリッピング温度における外部1次被覆の剛性(rigidity)と団結性も摩擦力に影響することがある。リボンストリッピング中に、外部1次被覆、インキ被覆、およびその他の例えばマトリックス材料のような硬質被覆層は、マトリックス材料と内部及び外部1次被覆の無傷除去(intact removal)を考慮に入れて凝集チューブ(cohesive tube)(以後、「コーティングチューブ(coating tube)」と称する)を提供する緊張性骨格(stiffening backbone)を与える。剛性と団結性が不十分である場合には、外部1次被覆はリボンストリッピング中に曲がることがあり、そのことはファイバー摩擦力を有意に増加させ得るし、そして/又は光ガラスファイバーの表面上に望ましくない残留物を結果として生じる内部1次被覆の団結性破壊の原因となる勢断応力を誘発させる。
リボンストリッピング中に内部1次被覆が光ガラスファイバーの表面から離層することを確実にするためには、好ましくは、マトリックス材料とインキ被覆又は着色された外部1次被覆との間の接着力は、内部1次被覆と光ガラスファイバーの表面との間の接着力よりも大きい。同様に、リボンストリッピング中に凝集コーティングチューブを提供するためばかりでなく内部1次被覆が光ガラスファイバーの表面から離層するのを確実にするためには、インキ被覆と外部1次被覆の間の接着力及び外部1次被覆と内部1次被覆の間の接着力はどちらも、内部1次被覆と光ガラスファイバーの表面との間の接着力よりも大きくすべきである。通常、マトリックス材料と着色された外部1次被覆又はインキ被覆との間の接着力は、被覆層の各々の間の接着力同様に、リボンストリッピング中に内部1次被覆が光ガラスファイバーの表面から離層するのを確実にするのに十分である、その理由は、マトリックス材料及び被覆層は主に有機材料からなるからである。一般的に、隣接する有機層/有機層のように似た性質を有する材料の層は、有機層/無機層の結合のような非類似の性質を有する層よりも容易に結合し合う傾向がある。
図1は、内部1次被覆8と商業的に入手可能な外部1次被覆9によって被覆された光ガラスファイバー7を示す。図1では20で示されている内部1次被覆の長さは35mmであるように選択されており、その理由はリボンストリッピング中に光ガラスファイバーの端部から剥ぎ取られる被覆の典型的長さがこれであるからである。代表的なリボンストリッピング用ツールがリボンアセンブリーに適用されると、加熱プレート間でリボンアセンブリーに圧力が加わる。マトリックス材料及び内部及び外部1次被覆になされた切り口の近くのプレートの端では、内部1次被覆は光ガラスファイバー上に27及び28で示されている初期離層部位(デボンド領域(debond area)と称される)を形成することができる。内部1次被覆の領域27及び28は離層するので、それらは内部1次被覆と光ガラスファイバーの表面との間の接着結合領域を測定するときには光ガラスファイバーの表面になお結合されている内部1次被覆の領域から差し引かなければならない。22で示されている光ガラスファイバーの半径は62.5ミクロンである。24で示されている内部1次被覆の外面の半径は95ミクロンである。26で示されている外部1次被覆の外面の半径は125ミクロンである。図1からわかるように、接着結合領域はガラス表面積(13.744平方ミリメートル)からデボンド領域を差し引いたものに等しい。摩擦領域はリボンストリッピング中に剥ぎ取るべき区画のガラス表面積全体(13.744平方ミリメートル)である。
図2に示されているように、リボンストリッピング中に内部1次被覆が光ガラスファイバーからラチェット−オフする(ratchet off)と考えられる。図2はリボンストリッピング過程中に内部1次被覆に適用されたストリッピング力が接着力とファイバー摩擦力に打ち勝つことの証明である。剥ぎ取り用ツールから内部1次被覆にストリッピング力が適用されるにつれて、ストリッピング力は内部1次被覆と光ガラスファイバーの表面との間の接着力に打ち勝つレベル(1で示されている)に増加する。このレベルで、内部1次被覆は光ガラスファイバーの表面から離層し始める。次いで、ストリッピング力は内部1次被覆が光ガラスファイバーから離層するにつれて減少し、それは一般的に2で示されている。離層が完了したら(3で示されている)、内部1次被覆は光ガラスファイバーの表面に沿って滑り、そしてストリッピング力は4で示されたレベルに低下する。内部1次被覆を光ガラスファイバーから滑り落としていくとき、内部1次被覆を光ガラスファイバーに抗して滑らせるのに必要なストリッピング力は相対的に高い静止ファイバー摩擦力と低い動ファイバー摩擦力との間をラチェットする。
静止ファイバー摩擦力は内部1次被覆の静止摩擦係数と光ガラスファイバーに対する内部1次被覆の垂直抗力との関数である。動ファイバー摩擦力は内部1次被覆の動摩擦係数と光ガラスファイバーに対する内部1次被覆の垂直抗力との関数である。静止ファイバー摩擦力は初期滑り運動に抵抗し、そして動ファイバー摩擦力は後に続く滑り運動に抵抗する。すなわち、接着結合を破壊しそして静止ファイバー摩擦力に打ち勝つと(3に示されている)、内部1次被覆は動ファイバー摩擦力が更なる運動を妨げるまで所定距離を滑って、そして内部1次被覆は光ガラスファイバーの表面に逆らう適所にて瞬時に動けなくなる(4で示されている)。ストリッピング力が増加するにつれて、そして内部1次被覆が光ガラスファイバーに対してその運動を再開する前に、潜在エネルギーが内部1次被覆の中に蓄積され、それは内部1次被覆の中に引張力(tensile force)とストリッピング力を生じさせる。引張力は垂直抗力とは逆であり、そしてストリッピング力はファイバー摩擦力とは逆である。
内部1次被覆の運動力(「Fmotion」)は引張力(「Ftensile」)とストリッピング力(「Fstripping」)のベクトル和である。抵抗力(「Fresistive」)はファイバー摩擦力(「Ffriction」)と光ガラスファイバーの表面に対する内部1次被覆上の垂直抗力(「Fnormal」)とのベクトル和である。
運動力(「Fmotion」)が抵抗力(「Fresistive」)を越えると、内部1次被覆が滑り始める(5で示されている)。内部1次被覆は所定距離を急速に滑り次いで瞬時に動けなくなる(6で示されている)。図2の中のポイント5と6の間で内部1次被覆が光ガラスファイバーの表面に沿って滑る距離は、スリップ−スティック距離(slip-stick distance)と称される。スリップ−スティック距離は様々であり、内部1次被覆及び光ガラスファイバーに使用されている材料に依存するであろうし、また内部1次被覆と光ガラスファイバーの表面における非同質性による偶発的蓋然性にも依存するであろう。
更に、図3は具体例によってリボンストリッピング中のラチェット効果を説明する。図3に示す通り、光ガラスファイバーの部分縦断面が7で示されている。ここでは説明を容易にするために、二次元ベクトルの説明を使用する。しかしながら、被覆光ガラスファイバーは三次元対象物であること及び記載されたベクトルの全ては追加の次元を拡充される必要があることが理解される。
光ガラスファイバーは内部1次被覆(8で示されている)と外部1次被覆(9で示されている)によって被覆されている。内部1次被覆の厚さ「Y」(12で示されている)は約37.5ミクロンである。ストリッピング力が間接的に内部1次被覆に対して10で示された方向に適用されると、内部1次被覆は11で示されたプレ−スリップ距離(pre-slip distance)(「X」)変形され、その瞬間に内部1次被覆は離層し、そして光ガラスファイバーの表面に沿ってラチェットし始める。内部1次被覆が光ガラスファイバーの表面に沿ってラチェットし始めるようにするのに必要なストリッピングカは次のように算出することができる。内部1次被覆が光ガラスファイバーの表面で瞬時に動けなくなった後に滑り始めるようにするのに必要なストリッピング力のレベルにおける、変形した内部1次被覆の引張変形の長さ(「Z」)は13で示されている。変形した内部1次被覆の伸び%は下記の式(2)を使用して値ZとYから算出できる:
(Z−Y)/Y = 伸び% (2)
当業者は応力/歪み曲線から伸び%を容易に使用して、静止位置から内部1次被覆の滑りを開始させるのに必要な引張力(Ftensile)を算出できる。
静止ファイバー摩擦力Ffrictionについてのベクトルは19で示されている。FmotionがFresistiveより大きいときに、内部1次被覆は静止位置から滑り始めるであろう。15で示されているFmotionは、14で示されているFtensileと、16で示されているFstrippingとのベクトル和である。17で示されているFresistiveは、1.9で示されたFfrictionと、18で示されたFnormalとのベトクル和である。
ベクトル成分Fstripping又はFtensileのどちらかが、内部1次被覆の対応する抵抗ベクトル成分(それぞれ、剪断強さと引張強さ)より大きい場合には、内部1次被覆はリボンストリッピング中に凝集破壊して光ガラスファイバーの表面に望ましくない内部1次被覆の残留物を残すであろう。
同様に、ベトクル成分Ffriction又はFnormalのどちらかが、内部1次被覆の抵抗ベクトル成分(それぞれ、剪断強さと引張強さ)より大きい場合には、内部1次被覆はリボンストリッピング中に凝集破壊して光ガラスファイバーの表面に望ましくない内部1次被覆の残留物を残すであろう。
より一般的には、Fresistiveが内部1次被覆の凝集強さより大きい場合は、内部1次被覆は凝集破壊するであろう。従って、このような残留を防止するためには、Ffrectionおよび/またはFnormalは、内部1次被覆の凝集強さより小さいFresistiveを与えるように調節されるべきである。
用語、内部1次被覆の「凝集強さ」はここでは、内部1次被覆の団結性を破壊するのに必要な量の力を意味するのに使用されている。従って、より高い凝集強さは、内部1次被覆の団結性を破壊するためには、より大きい量の力を必要とするであろう。凝集強さは、(1)内部1次被覆の剪断強さ、(2)内部1次被覆の引張強さ、又は(3)内部1次被覆のクラック成長のいずれかを使用して測定することができる。好ましくは、凝集強さは下記に説明するようにクラック成長を使用して測定される。
この残留物は光ガラスファイバーリボン素材融合スプライシング作業を妨害することがあり、それ故にスプライシングに先立ってワイビングによって除去されなければならない。残留物の除去工程は裸の光ガラスファイバーの上に磨滅部位を生じさせることがあり、従って接続の強度をあやうくする。
接着結合が破壊され内部1次被覆が光ガラスファイバーの表面から離層した後では、リボンストリッピング中に清浄に皮剥ぎして実質的に残留物を含有しない裸の光ガラスファイバーを提供するリボンアセンブリーの能力は次の単純化された式(3)を使用して理解することができる:
friction = Cf×Fnormal (3)
式中、
frictionは、内部1次被覆と光ガラスファイバーの間の静止摩擦力であり;
fは、光ガラスファイバーの表面上の内部1次被覆の静止摩擦係数であり、そして
normalは、光ガラスファイバーの表面に対しての内部1次被覆の垂直抗力である。
以後、本明細書及び請求の範囲における用語「ファイバー摩擦」の使用は、静止ファイバー摩擦力を称している。
一般に、ファイバー摩擦が低いほど、抵抗力が低く、そして内部1次被覆が残留物を残さずに光ガラスファイバーの表面から容易に除去できる。式(3)からは、静止摩擦係数又は垂直抗力のどちらか又は両方を減少させることによってファイバー摩擦を低下させることができることは明白である。
各々の内部1次被覆は内部1次被覆の団結性を維持する特異な凝集強さを有する。内部1次被覆の凝集強さが大きいほど、内部1次被覆を破壊又は破砕するのに必要なエネルギーの量が大きくなる。従って、より低い凝集強さを有する内部1次被覆よりも、より高い凝集強さを有する内部1次被覆の方が、リボンストリッピング中により大きなストリッピング力に、破壊無しでそして光ガラスファイバーの表面に残留物を残すこと無しで、耐えることができる。
上記説明から、ファイバー摩擦が内部1次被覆の凝集強さより大きい抵抗力を与えるレベルにあるならば、内部1次被覆が破壊して光ガラスファイバーの表面に残留物を残すであろうことは明らかである。従って、内部及び外部1次被覆を選択又は処方する場合には、ファイバー摩擦レベルは内部1次被覆の凝集強さより小さい抵抗力をファイバー摩擦が与えるように内部1次被覆の凝集強さを考慮して調節されるべきである。
垂直抗力の最小化
上記式から、光ガラスファイバーと内部1次被覆の間のファイバー摩擦力は光ガラスファイバーの表面に対する内部1次被覆の垂直抗力を減少させることによって小さくすることができる。一般に、垂直抗力が大きいほど、光ガラスファイバーと内部1次被覆の間のファイバー摩擦力が大きい。すなわち、光ガラスファイバーの表面に対して内部1次被覆が強くプレスされているほど、光ガラスファイバーの表面に対して内部1次被覆を滑らせるのが難しく、そして光ガラスファイバーの表面上に内部1次被覆からの残留物を残す機会が大きくなる。垂直抗力はファイバー摩擦の成分であるので、垂直抗力を低くするとファイバー摩擦が低くなるであろう。従って、垂直抗力は内部1次被覆の凝集強さより小さいベクトル和(抵抗力)を与える垂直抗カベクトル成分とファイバー摩擦ベクトル成分を提供するように調節又は選択されるべきである。
リボンストリッピング中に、内部及び外部1次被覆は加熱される(代表的には約90〜約120℃に)。内部1次被覆は通常、外部1次被覆のTgよりも低いTgを有するので、内部1次被覆は通常、リボンストリッピング中の膨張度が外部1次被覆のものより大きい。従って、内部及び外部1次被覆が加熱されると、内部1次被覆は外部1次被覆よりも大きな度合に膨張し、内部1次被覆の中の及び光ガラスファイバーの表面と内部1次被覆との間の圧力蓄積を引き起こす。内部1次被覆の中でのこの圧力蓄積は光ガラスファイバーに対する内部1次被覆の垂直抗力を増加させ、それによって内部1次被覆と光ガラスファイバーの表面との間のファイバー摩擦力を増加させる。従って、抵抗力は垂直抗力ベクトル成分の増加及びファイバー摩擦ベクトル成分の増加によって増加するであろう。
内部1次被覆はリボンストリッピング中に外部1次被覆より大きな度合に膨張すると考えられ、それは少なくとも一部は下記の理由による。ポリマー性被覆のTgより低い温度では、被覆の中に存在するポリマーは「ガラス様(glass-like)」に作用する傾向があり、それ故に低い膨張係数を有する。しかしながら、ポリマー性被覆のTgより上の温度では、ポリマーは「ゴム様(rubber-like)」に作用する傾向があり、それ故に、ポリマー性被覆のTgより低いときよりも高い膨張係数を有する。リボンアセンブリーの温度はリボンストリッピング中に上昇するので、外部1次被覆の中に存在するポリマーがそれらのTgに到達する前に、内部1次被覆の中に存在するポリマーは通常それらのTgより上の温度にあり十分により「ゴム様」であるであろう。従って、適用ストリッピング温度が上昇すると、内部1次被覆の中に存在する「ゴム様」ポリマーは、外部1次被覆の中の「ガラス様」ポリマーよりも、はるかに大きな度合に膨張するであろう。
通常、内部1次被覆のTgと外部1次被覆のTgは調和できない、その理由は外部1次被覆は外部1次被覆の要求されたタッチ(touch)防護特性を付与するように、より高いTgを有すべきであるからである。一般に、外部1次被覆のTgは約60℃を越すのに、内部1次被覆のTgは通常、10℃未満、好ましくは、約0℃未満、より好ましくは、約−10℃未満、最も好ましくは、約−20℃未満である。
しかしながら、内部1次被覆と外部1次被覆の相対膨張特性は被覆のTgに実質的に影響することなく調節できる。所期の内部及び外部1次被覆の膨張特性はまず次のように測定されるべきである。一平面で測定したリボンアセンブリーの周囲作業温度からリボンストリッピング温度までの膨張の変化「dL」を、リボンアセンブリーの周囲作業温度で測定した一平面の初期長さ「L」で割り、以後「(dL/L)」と称する。リボンアセンブリーの周囲作業温度は通常、約0℃〜約30℃である。大抵の被覆用組成物については設計リボンストリッピング温度は通常、約90℃〜約120℃であるが、具体的被覆用組成物についての設計パラメーターに依存して異なるだろうことが認識されよう。
内部及び外部1次被覆は内部1次被覆の(dL/L)を最小にする一方で外部1次被覆の(dL/L)を最大にするように選択すべき又は処方し直すべきである。理想的には、外部1次被覆の(dL/L)は内部1次被覆のそれより大きくすべきであり、それによって、外部1次被覆は理論的には、リボンストリッピング中に光ガラスファイバーから離れる方向に垂直抗力を内部1次被覆上に出すであろう。しかしながら、外部1次被覆のためのかかる高い(dL/L)値は外部1次被覆の必要な靭性の保持と組み合わせては通常達成不可能である。それにもかかわらず、外部1次被覆の(dL/L)の増大はリボンストリッピング中に内部1次被覆上の垂直抗力の増加を有意に低減させて実質的に残留物のない清浄な光ガラスファイバーを提供することができる。
図4は、商業的に入手可能な外部1次被覆についての、温度上昇時のLの変化(「dL」)のグラフである。具体的に、23.2mmのLについては、25℃(周囲温度の例)から100℃(リボンストリッピング温度の例)までの温度変化のためのdLは次のように算出することができる:
dL/L = (デルタL)/L
= (0.4)/23.2
= 0.01724
dL/Lの値は測定のために選択した被覆の長さには依存しない。従って、様様なL値について、dL/Lは一定であろう。
リボンストリッピング中の内部1次被覆と外部1次被覆の膨張差によって起こる、光ガラスファイバーに対する内部1次被覆上の垂直抗力は次のように算出することができる。図5は、内部1次被覆8と外部1次被覆9によって被覆されている光ガラスファイバー7の断面図を示す。外部1次被覆9は図1及び図4の中のものと同じである。25℃における内部1次被覆の外面の半径は95ミクロンであり、40で示されている。外部1次被覆の内面の半径は25℃で95ミクロンであり、やはり40で示されている。リボンストリッピング中にリボンアセンブリーの温度が100℃に上昇すると、内部1次被覆及び外部1次被覆は膨張する。
外部1次被覆の内面の半径は100℃では96.379ミクロンであり、42で示されている。この値は次のように算出された。25℃から100℃に加熱された外部1次被覆材料についての(dL/L)は、図4から算出されるように、0.01724である。25℃における外部1次被覆の内面の半径(95ミクロン)は25℃から100℃への温度変化では(1+dL/L)(1.01724)を乗じられ、それは100℃における外部1次被覆の内面の半径96.638ミクロンを与える。しかしながら、この値は外部1次被覆の厚さの膨張を考慮して修正されなければならない。外部1次被覆は25℃で30ミクロンの厚さを有する。100℃における厚さを得るには、25℃の厚さ(30ミクロン)に、25℃から100℃への温度変化のための(1+dL/L)(1.01724)を乗じ、それは30.5172ミクロンの厚さを与える。従って、25℃から100℃に加熱されると外部1次被覆の厚さは0.5172ミクロン膨張する。この膨張の半分は内部1次被覆の方向に起こる。これは内部1次被覆が外部1次被覆の膨張に実質的に抵抗しないだろうと推定している。従って、96.379ミクロンの修正値を得るには、100℃における外部1次被覆の内面の半径について先に得た値(96.638ミクロン)から0.5172の半分を差し引かなければならない。次いで、25℃から100℃への温度変化による半径の変化「dR」を25℃における半径「R」で割って(dR/R)の値を算出する。
上記測定は内部1次被覆のための(dR/R)値を提供するために選ばれた内部1次被覆について行うことができる。100℃における内部1次被覆の半径は44に示されている。リボンストリッピング中に内部1次被覆と外部1次被覆の膨張差によって引き起こされる、光ガラスファイバーに対する内部1次被覆上の垂直抗力は46で示されている。
内部1次被覆の膨張%は次の式から算出できる:
((dR/R)inner primary−(dR/R)outer primary)×100%
当業者はリボンストリッピング中に内部1次被覆と外部1次被覆の膨張差によって引き起こされる、光ガラスファイバーに対する圧力を算出するのに膨張%を応力/歪曲線から容易に使用することができる。光ガラスファイバーに対する内部1次被覆の表面積を圧力に掛けると、光ガラスファイバーの表面に対する内部1次被覆の垂直応力が与えられる。
好ましくは、(dR/R)inner primaryを減少させ、および/または(dR/R)outer primaryを増加させて、リボンストリッピング中の内部1次被覆と外部1次被覆の膨張差を低下させ、それによって、光ガラスファイバーの表面に対する内部1次被覆の垂直抗力を低下させる。
上記に基づいて判明したのであるが、下記の性質の一つ又はそれ以上を与えるように内部1次被覆及び/又は外部1次被覆を処方し直すことにより、リボンストリッピング中の内部1次被覆の圧力増加を低減することによって、垂直抗力を減少させることができる:
(1)リボンストリッピング中の内部1次被覆の圧力蓄積のより多くを免れさせるために、外部1次被覆がより大きな度合にストレッチできるように外部1次被覆の(リボンストリッピング温度における)弾性率(elastic modulus)を減少させる、
(2)リボンストリッピング中の内部1次被覆のもっと大きな膨張に備えるために外部1次被覆がより大きな度合に膨張するように外部1次被覆の(dL/L)を増加させる、及び/又は
(3)内部1次被覆の圧力蓄積を低減するために内部1次被覆の(dL/L)を減少させる。
外部1次被覆の(リボンストリッピング温度における)弾性率は外部1次被覆の架橋密度を低下させることによって減少できる。弾性率は下記の試験方法の説明の中で論じる通り、エラスチック モジュラス テスト法(Elastic Modulus Test method)によって測定される。好ましくは、外部1次被覆の弾性率はリボンストリッピング温度において約10〜約40MPa、より好ましくは、約10〜約20MPaに調節される。約15〜約40MPa、より好ましくは、約30〜40MPa、の範囲の弾性率を有する外部1次被覆は、約25MPaより大きい弾性率を有する外部1次被覆と同じように適することも判明した。通常、望ましくない効果を引き起こすことなく外部1次被覆の架橋密度を低下させ得ることが判明した一方で、外部1次被覆のTgは光ガラスファイバーを保護するために必要な靱性関連の性質を外部1次被覆に与えるために高いままであるべきである。たとえば、Tgを許容できない低レベルにまで低下させずに外部1次被覆の架橋密度を低下させるには、硬化したときに高いTgを示す一官能性モノマー又はオリゴマーが使用できる。一官能性は化学線(actinic radiation)に露出されたときに重合可能な平均約一つの官能基を有するモノマー及びオリゴマーを包含すると、ここでは理解される。高Tgはここでは、少なくとも約40℃、好ましくは少なくとも約50℃であると理解される。
一官能性モノマー及びオリゴマーを生じる適する高Tgの例は、例えば、イソボルニルアクリレート及びビニルカプロラクタムを包含する。かかるモノマーは全組成物の約1重量%〜約80重量%、好ましくは、約10重量%〜約50重量%の量で利用できる。
多官能性モノマー又はオリゴマーを生じる非常に高いTg、例えば、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート トリアクリレートも、約30重量%以下の、好ましくは、約20重量%以下の量で使用できる、何故ならば、それらは架橋密度を過度に増加させずに外部1次被覆のTgを大いに高めることにおいて有効であるからである。
外部1次被覆の(dL/L)は、硬化したときに高い(dL/L)を示すモノマー又はオリゴマーを組み入れることによって有意に増加させることができる。例えば、外部1次被覆のための所期のリボンストリッピング温度における適する(dL/L)は少なくとも約0.017、好ましくは少なくとも約0.02、そして最も好ましくは少なくとも約0.023であることが判明した。これら量は100を掛けた長さの増加%として表すことができる。従って、外部1次被覆は好ましくは、周囲温度からリボンストリッピング温度までの温度変化での長さの増加(「dL/L」)が少なくとも1.7%、より好ましくは、少なくとも約2%、最も好ましくは、少なくとも約2.3%である。内部1次被覆の摩擦係数および/または内部1次被覆のdL/Lが十分に低いと、外部1次被覆のdL/Lは1.7%未満であることができ、それでも内部1次被覆の凝集強さより小さい抵抗力を生じるファイバー摩擦と垂直抗力をなお与える。
高い(dL/L)を生じるモノマー又はオリゴマーは硬化した外部1次被覆に所期レベルの(dL/L)を与える。例えば、高い(dL/L)のモノマー又はオリゴマーは約10重量%〜約70重量%、より好ましくは、約10重量%〜約50重量%の量で添加できる。
適する高い(dL/L)のモノマー又はオリゴマーの例は、イソボルニルアクリレート、ビニルカプロラクタム、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、及び、2モルのヒドロキシエチルアクリレートと1モルのイソホロンジイソシアネートの付加物を包含する。
内部1次被覆の(dL/L)は内部1次被覆の架橋密度を増加させることによって低下させることができる。しかしながら、内部1次被覆を架橋密度を増すように処方し直すとき、内部1次被覆のTgは光ガラスファイバーにマイクロベンディングを防ぐ十分な防護を付与するためには低いままでなければならない。多官能性モノマー及びオリゴマーを使用することによって架橋密度を増加できることが判明した。適する多官能性モノマー及びオリゴマーの例は、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチオールプロパントリアクリレート、及びトリプロピレングリコールジアクリレートを包含する。
所期のリボンストリッピング温度におけるdL/L(外部1次被覆)に対するdL/L(内部1次被覆)の比は、内部1次被覆と光ガラスファイバーの間の抵抗を内部1次被覆の凝集強さより小さいものとするファイバー摩擦と垂直抗力を提供するには十分に低いものであるべきである。一般に、dL/L(外部1次被覆)に対するdL/L(内部1次被覆)の比が低いほど、光ガラスファイバーの表面に抗しての内部1次被覆に適用されるであろう垂直抗力は小さい。従って、内部1次被覆の凝集強さよりも小さい抵抗力を結果として生じるファイバー摩擦力を与えるために要求される、dL/L(外部1次被覆)に対するdL/L(内部1次被覆)の比は内部1次被覆の摩擦係数に依存するであろう。内部1次被覆の摩擦係数が低いほど、我慢することができそれでもおな内部1次被覆の凝集強さより小さい抵抗力を結果として生じるファイバー摩擦力を与えるdL/L(外部1次被覆)に対するdL/L(内部1次被覆)の比は大きくなる。
所期のリボンストリッピング温度における、dL/L(外部1次被覆)に対するdL/L(内部1次被覆)の適する比は、約2未満、好ましくは、約1.7未満、最も好ましくは、約1.5未満である。
外部1次被覆は外部1次被覆の放射線硬化中に外部1次被覆の収縮によって起こる内部1次被覆上の力を出すこともできる。従って、この力を低減するには、オリゴマー及びモノマーは放射線硬化中に低下した収縮を示す放射線硬化性組成物を提供するように選ばれることができる。
インキ被覆が存在する場合には、インキ被覆もまた、外部1次被覆によって出される垂直抗力に似た仕方で内部1次被覆の上に垂直抗力を出すことができる。しかしながら、インキ被覆によって出される力は一般的には、外部1次被覆によって出される力よりも有意に小さいであろう、何故ならば、インキ被覆は一般的におおよそは、外部1次被覆より薄い大きさのオーダーである。インキ層の厚さは通常、約3ミクロン〜約8ミクロンに過ぎない。
望むならば、インキ被覆によって出される垂直抗力は外部1次被覆によって出される垂直抗力を調節するのと同じような仕方で調節することができる、何故なちば、インキ被覆も一般的には外部1次被覆を形成するのに使用されるものに似たモノマー及びオリゴマーから形成される。特に、インキ被覆の(dL/L)は上記に外部1次被覆を引用して記載したように、内部1次被覆の(dL/L)にもっと近い(dL/L)を有する被覆を生じるモノマー及び/又はオリゴマーを利用してインキ被覆を処理し直すことによって内部1次被覆の(dL/L)にもっと近づくように調節することができる。
本発明はさらに次の非限定的例により説明されるであろう。
比較例A−1〜A−2
表1に示された組成物は市販の被覆用組成物を表す。比較例A−1は外部1次被覆の一例であり、そして比較例A−2は内部1次被覆の一例である。
Figure 0003955333
それらの組成物はフュージョンDランプ(Fusion D lamp)からの紫外線光への露出により適当に硬化された。各被覆についてdL/Lは25C(室温)〜125C(通常の最高剥離温度)の温度範囲にわたって測定された。
比較例A−1について、室温(25C)よりリボン剥離温度(100C)までの温度変化につきdL/Lは1.42%であった。
比較例A−2について、室温(25C)よりリボン剥離温度(100C)までの温度変化につきdL/Lは2.3%であった。
従って、dL/L(内部1次)対dL/L(外部1次)の比は約1.6であったが、それはもし内部1次被覆の摩擦係数が十分低くあれば許容される値であったろう。しかし、内部1次被覆は余りに高い摩擦係数示した、何故ならば下記に記載の繊維引抜き摩擦法を用いることにより推定された繊維摩擦は余りに大きいものであったからである。その繊維引抜き摩擦は39g/mmであったが、それは結果として内部1次被覆の凝集強さよりも大きい抵抗力を生じた。従って、かなりの量の内部1次被覆残留物が上記の内部および外部1次被覆を用いるリボン剥離の後に光学ガラス繊維上に残された。
内部1次被覆の摩擦係数
前記の方程式から、光学ガラス繊維と内部1次被覆との間の繊維摩擦もまた光学ガラス繊維の表面に対する内部1次被覆の摩擦係数を減少させることにより調整されることができる。内部1次被覆の摩擦係数を減少させることにより、光学ガラス繊維上の内部1次被覆の「ゴム類似」の引っ張り抵抗が減ぜられる。
好ましくは、内部1次被覆の摩擦係数は光学ガラス繊維の表面への内部1次被覆の接着力を弱めることなしに減少されることである。もし接着力が弱められるならば、そのとき光学ガラス繊維の表面から内部1次被覆の望ましからぬ離層が起こることがあり得る。
繊維摩擦は、ここに記載の新規のスリップ剤の一種以上の使用により内部1次被覆の摩擦係数を調整することにより内部1次被覆の凝集強さより下の抵抗力を与える値に適当に調整されることができることが判った。意外にも、その摩擦係数は光学ガラス繊維の内部1次被覆の接着力を実質上弱めることなしに次のような水準にまで減少させられることができる。
好ましくは、dL/L(内部1次)対dL/L(外部1次)の比は、内部1次被覆の凝集力より弱い抵抗力を結果する繊維摩擦値を与えるため内部1次被覆の摩擦係数を調整することと組み合わせて調整される。
実際には、リボン集成体は一般に熱剥離工具を使用して剥離される。しかしここに述べられる本発明の概念を用いると、本発明は意外にもはるかに低い温度で、例えば室温で、リボン剥離されて、実質上残留物のない裸の光学ガラス繊維を与えることができるリボン集成体を含む。もし内部1次被覆と光学ガラス繊維の表面との間の繊維摩擦および/または法線力が、内部1次被覆の凝集強さよりも低い抵抗力を与える水準に調整されるならば、そのリボン集成体はリボン可剥性になるであろうことが判った。従って、もし室温においてリボン可剥性を与えるように適合するリボン集成体が望まれるならば、その繊維摩擦はここに論じられるようなスリップ剤を使用して内部1次被覆の凝集強さよりも低い抵抗力を与える水準に調整されることができる。またはその代わりに、もしそのリボン集成体が室温よりも高い温度においてリボン可剥性を与えるように適合するならば、dL/L(内部1次)対dL/L(外部1次)の比をより低い法線力および繊維摩擦を与えるように調整することにより、および/またはより低い繊維摩擦を与えるようにスリップ剤を使用して内部1次被覆の摩擦係数を調整することにより前記の抵抗力は内部1次被覆の凝集強さよりも低い水準に調整されることができる。
上記の概念を留意して、当業者は、下記の特定の手段の一つまたはそれより多く(単独で、または組み合わせて)を適用するとき、望みのリボンストリップ清浄度を達成することができるであろう。
新規な放射性硬化性、シリコーン−シランオリゴマー
本発明はまた内部1次被覆と光学ガラス繊維の表面との間の繊維摩擦を調整するために用いられることができる新規な種類の放射線硬化性オリゴマーを提供する。その放射線硬化性オリゴマーはガラスカップリング部分、スリップ剤部分、および放射線硬化性部分から成り、そしてそれぞれの部分は単独の複合オリゴマー分子に共有結合により結合されて複合オリゴマーを与える。すべて三種類の部分のそのような結合はこれまで知られていない。これらの部分の結合は、オリゴマーと部分との間にいかなる中間の結合基も必要でないように直接であることができる。またはその代わりに、しかし、その結合は中間の結合基を使用することにより間接であることができる。
多種類のガラスカップリング、スリップ剤、および放射線硬化性の各部分が当業界に知られている。本発明は複合オリゴマーを製造するためこれらの部分の異なる組み合わせを用いるいろいろな実施態様の使用により実行されることができる。当業者は容易に本開示および当業界の一般知識からこれらのいろいろな部分の組み合わせを調製することができるであろう。
放射線硬化は、その複合オリゴマーの放射線硬化性の部分のそれら自身との、またはある配合の他の成分に結合された放射線硬化性部分との反応により起こることができる。一般に、複合オリゴマーの硬化は他の放射線硬化性成分と協力して起こる。放射線硬化は、本発明において、放射線硬化性部分の反応と結びつけられるが、ガラスカップリングまたはスリップ剤の部分とは結び付けられない。例えば、ガラスカップリング部分はよく反応するであろう、そしてしばしば加水分解および縮合反応に敏感であるけれども、この型の反応は主要な硬化機構ではない。
オリゴマーの分子量は限定されない。一般に、しかし、その未硬化状態にあるオリゴマーの分子量は通常約200と約10,000の間に、好ましくは約500と約5,000の間にある。この開示全体を通して使用されるとき分子量とは一般に測定される場合は数平均分子量を、またはその複合オリゴマーを作るために使用された反応物および反応条件に基づく理論的の計算された分子量を意味する。
複合オリゴマーの分子構造について特別の制限はないが、一般に、線状または実質上線状のオリゴマー構造が非線状、環式、または枝分かれ構造よりもむしろ用いられる。しかし、発明概念が実施され得る程度まで、枝分かれのまたはその他の非線状構造もまた想像されそして除外されない。実質上線状の構造とは、主鎖の両端に「キャップ」されている単一の、支配的な線状オリゴマーの主鎖が存在することを意味する。その主鎖における枝分かれ単位の量は一般に約10モル%以下、そして好ましくは、約5モル%以下である。線状主鎖は一つまたはそれより多くの型の反復単位含むことができるが、好ましくは、一種の主な型の反復単位が用いられる。それにも係わらず、ブロックまたはランダム共重合体構造は必要ならば用いられることができる。実質上線状の構造と共に、主鎖における分岐点の数は最小に保たれるであろう、そして好ましくは、用いられないであろう。オリゴマー構造の合成上の簡単さは、コスト対性能比が達成されることができる程度まで好まれる。
用語「ガラスカップリング部分jは当業者により容易に理解されることができるものでり、そして既知でありまたは無機質表面へのあるいは無機質−有機質界面における、および特にガラス表面またはガラス−ポリマー界面における、接着力を改良する能力を有する官能基を意味すると理解される。そのようなガラスカップリング部分は、当業者に知られているように、従来慣用のカップリング剤または接着促進剤と結び付けて考えられる。これらの従来慣用のカップリング剤は一般に、(1)界面において有機材料と結合するか、または少なくともそれと会合させられる、有機官能基、および(2)界面において無機材料に、通常共有結合で、結合する無機部分、を有する。そのような結合の複雑性は十分に理解されていないが、通例として、無機表面への結合は加水分解および/または縮合反応の後に続いておこる。
典型的な慣用のシランカップリング剤はE.P. PlueddemannのSilane Coupling Agents, Plenum Press (1982)に開示されており、その完全な開示は引用によりここに組み込まれる。非シラン型のカップリング剤もまた知られており、そして、例えば、クロム、オルトケイ酸塩、無機エステル、チタン、およびジルコニウムの各系を含む。本発明はシランガラスカップリング部分を使用して実施されることが好ましいけれども、本発明はそのように限定されないので、当業者はこれらの他の系を同様に使用することを本開示により可能にされている。
本発明において、ガラスカップリング部分は従来慣用のカップリング剤の一部ではなくて、むしろ無機質表面に対しまたは無機質−有機質界面においてそれらのカップリング機能を保持している仕方でオリゴマー中に共有結合により取り込まれている。ある好ましい実施態様において、例えば、慣用のカップリング剤の有機部分は、直接にまたは間接にのいずれかで、スリップ剤および放射線硬化性部分と共に複合オリゴマーと共有結合で結合されている。この結合の後に、ガラスカップリング部分はなお無機質表面とのまたは無機質−有機質界面における結合のため有効なその無機部分を有しているであろう。しかし、本発明はそのように限定されない、そしてガラスカップリング部分は慣用のカップリング剤の有機官能基の反応により複合オリゴマーに必ずしも結合されない。
シランカップリング部分は特に好ましい。これらの部分は慣用のカップリング剤または接着促進剤をそのオリゴマーと共有結合で結合することにより造り出されることができる。シランカップリング部分の代表的な型は前記のPlueddmannの引用文献および″UNION CARBIDETMOrganofunctional Silanes Products andApplications″(1991,1992)と題するUnion Carbide社からの製品情報刊行物において既に開示されている。慣用のカップリング剤の無機部分は一般に次の式により表される。
−Si(OR)3
上式中 Rは従来の低級の、そして好ましくは、C1−C4の、アルキル基、例えば、メチルまたはエチルであって、それはそのシランに少なくとも若干の加水分解性を与える。しかし、その他の型のR基もまた当業界に知られており、そして本発明はガラスカップリングが起こり得る限り特別のR基またはシラン構造により特に限定されない。一般に、少なくとも一つの加水分解性の“−Si−O−R”結合はガラスカップリング部分内に存在して光学ガラス繊維の表面へのカップリングを促進するであろう。好ましくは、一つより多くのそのような結合が存在することである。加水分解性とは、この結合が水との反応に敏感であって“−Si−O−R”結合を発生することである。それに続いて、“−Si−O−R”結合は縮合して“−Si−O−Si−”結合を形成すると信じられる。多くの場合に、加水分解は大気中の湿気にへの露出により起こり始めることさえある。光学繊維コーティングに関連してシランの加水分解とガラス表面は、例えば、次の文献に論じられている。(i)「コーティングとジャケット」(″Coatings and Jack
ets″)と題する章、Chapter 10, Blyler etal. Optical Fivber Telecommunications, 1979, pgs. 299-341および(ii)S.Wu, Polymer Interface and Adhesion, Marcel Dekker, 1982, pgs, 406-434、これらの完全な開示はここに引用により組み込まれる。
シランカップリング剤の共通の有機官能基は、例えば、アミノ、エポキシ、ビニル、メタアクリルオキシ、イソシアナート、メルカプト、ポリスルフイド、およびウレイドを含む。当業界に既知の合成方法を用いて、有機官能基はオリゴマーと反応してガラスカップリング部分とオリゴマーとの間の共有結合を生成することができる。ある好ましい実施態様において、例えば、メルカプトプロピルシランはイソシアナート基を含むオリゴマーと結合されてメルカプト基とイソシアナート基の間にチオウレタン付加体を形成する。強い結合が好ましいけれども、本発明は、共有結合が形成されるけれども、その共有結合は強くないこともあり、そして、例えば、加熱による分解に敏感になることもあるという可能性を包含している。しかし、ガラスカップリング部分が接着を促進する望ましい効果を生み出すかぎり、共有結合は十分である。もし必要ならば、触媒を結合形成を促進するために使用してもよい。
本発明を実施するために使用されるときスリップ剤は光学ガラス繊維の表面への内部1次被覆の接着に本質的に影響を及ぼさない。その代わりに、ひとたび光学ガラス繊維の表面と内部1次被覆のあいだの結合が破られると(すなわち、内部1次被覆が離層されてしまった後)、スリップ剤は光学ガラス繊維の表面に対する内部1次被覆の滑り力を減少させる。
スリップ剤はまた当業界において、とりわけ、剥離剤、粘着防止剤、付着防止剤および離型剤としても知られている。スリップ剤は通例オリゴマーまたはポリマーであり、そして通常は本質上疎水性であり、最も普通の例としてシリコーン(またはポリシロキサン)、フルオロポリマー、およびポリオレフィンを含む。もし望ましければ、スリップ剤部分はシリコーン、フルオロポリマー、および/またはポリオレフィンをポリエステル、ポリエーテルおよびポリカーボネートと組み合わせて含むことができる。スリップ剤は、例えば、Encyclopedia of Polymer Science, 2nd Ed., Vol. 14, Wiley-Interscience, 1988, pgs. 411-421において発表された″Release Agents″と題された論文に開示されており、その完全な開示は引用によりここに組み込まれる。スリップ剤は広範な種類の界面上に作用するけれども、本発明は特にガラス表面の界面、そして特に、内部1次被覆と光学ガラス繊維の表面と間のガラス−有機コーティング界面に関する。スリップ剤は複合オリゴマー中にスリップ剤部分として共有結合により組み込まれることができる。
ある好ましい実施態様において、スリップ剤部分は重量百分率の点でオリゴマーの主要部分であるが、それはスリップ剤部分自身は通常本質上オリゴマーであり、そしてガラスカップリングおよび放射線硬化性部分は通常低分子量であるからである。例えば、それら三つの部分が直接結合されている場合にスリップ剤は複合オリゴマー全体の約95重量%までになることができる。しかし、オリゴマーの主鎖が存在する場合には、スリップは通常複合オリゴマーの約85重量%までになることができる。本発明の複合オリゴマーの分子量に関しては、スリップ剤部分の分子量は厳密に限定されないが、一般に約150と約9,500の間、好ましくは、約400と約4500の間になるであろう。
オリゴマーの分子構造に関して、スリップ剤部分の分子構造に特別の制限はないが、一般に、実質上線状の構造が使用されることができる。しかし、非線状または枝分かれ構造は除外されない。オリゴマースリップ剤部分は、存在する場合には、いろいろな種類の反復単位を含むことがあるが、好ましくは、一つの主な型の反復単位が存在する。
オリゴマーのシリコーンスリップ剤部分が好ましい、そしてメチル側基のかなりの割合を含むオリゴマーシリコーンが特に好ましい。それらの側基はシリコーンに疎水特性を与えることが好ましい。その他の好ましい側基はエチル、プロピル、フェニル、エトキシ、またはプロポキシを含む。特に、式“−OSi(CH32−”により表されるジメチルシロキサン反復単位が好ましい。
ある好ましい実施態様において、実質的に線状のオリゴマー上の末端基は一端において放射線硬化性部分とそして他の一端でスリップ剤部分と結合されることができる。そのような結合は中間結合基を含むことができる。シリコーンオリゴマー末端基が好ましいけれども、シリコーン部分は末端基以外のオリゴマー分子中の他の点でスリップ剤および放射線硬化性部分との結合に仕立てられることができる。例えば、官能基は放射線硬化性およびスリップ剤部分と結合されているシリコーンオリゴマーの分子構造全体にわたり組み込まれることができる。オリゴマー中に組み込まれることができる官能化されたシリコーンの例はポリエーテル、ポリエステル、ウレタレン、アミノ、およびヒドロキシルを含む。
フッ素化スリップ剤から造られたものを含むその他の型のスリップ剤部分もまた使用されることができる。適当なフッ素化スリップ剤の例に含まれるものはFC-430、FX-13、およびFX-189(Minnesota Mining and Manufacturing)、Flu-orolink E (Ausimont)、およびEM-6 (Elf Atochem)である。
一般に、本発明の複合オリゴマーはガラスカップリング部分の故に表面活性であり、そして特に、もし内部1次被覆内に束縛されていなければ、ガラス−被覆界面のような、被覆界面に集中される傾向があり得る。しかし、放射線硬化性部分のために、硬化の後の複合オリゴマーの共有結合はそのような表面活性または移行を妨害することがある。表面活性とは、複合オリゴマーは、配合物中に置かれたとき、その配合物全体に均一に分散されるよりはむしろ配合物の表面に移行する傾向があることを意味する。
放射線硬化性部分は、その複合オリゴマーが共有結合を破壊することなしには硬化された被覆から抽出または蒸発されることができないように複合オリゴマーが放射線硬化性被覆内に共有結合で結合されることを確実ならしめる助けとなるべきである。
放射線硬化性部分は、例えば、紫外線または電子線放射の影響下に重合できるすべての官能基を含むことができる。放射線硬化性官能基の一つの型は、例えば、エチレン不飽和であって、それは一般にラジカル重合により重合されるが、しかしカチオン重合により重合されることもできる。適当なエチレン不飽和の例はアクリラート、メタクリラート、スチレン、ビニルエーテル、ビニルエステル、N−置換アクリルアミド、N−ビニルアミド、マレイン酸エステルおよびフマル酸エステルを含む基である。好ましくは、エチレン不飽和はアクリラート、メタクリラートまたはスチレン官能性を含む基により与えられる。最も好ましくは、エチレン不飽和はアクリラート官能性を含む基により与えられる。
一般に用いられる他の一つの官能性は、例えば、エポキシ基、あるいはチオール−エンまたはアミン−エン系により与えられる。エポシ基は、一般に、カチオン重合により重合されることができるが、チオール−エンまたはアミン−エン系は通例ラジカル重合により重合される。エポシ基は、例えば、単独重合されることができる。チオール−エンまたはアミン−エン系においては、例えば、重合はアリル不飽和を含む基と第三級アミンまたはチオールを含む基の間に起こることができる。
複合オリゴマー中のガラスカップリング、スリップ剤および放射線硬化性部分の量または数は、もし本発明の諸利点が達成されることができかつ発明概念が実施されるならば、特に限定されない。したがって、複合オリゴマーの単一の分子は多数のガラスカップリング、スリップ剤、または放射線硬化性部分を含むことができるが、ある好ましい実施態様においては、単一の複合オリゴマーの分子は一つのガラスカップリング、一つのスリップ剤、および一つの放射線硬化性部分を含む。
ガラスカップリング、スリップ剤、および放射線硬化性部分はオリゴマー中で共有結合て互いに結合されるべきである。もし本発明の諸利点が達成されることができかつ発明概念が実施されるならば、いかにしてこの結合が達成されるかについて特に制限はない結合はオリゴマーへの直接の結合、またはその代わりに、オリゴマーへの間接結合、を伴うことができよう。間接結合基は一般に、例えば、放射線硬化性部分をスリップ剤部分と結合する、またはガラスカップリング部分をスリップ剤部分と結合することができる結合する化合物上の二つの官能基により作用するであろう。
代表的連結化合物はジイソシアナート化合物を含み、その場合に結合は、ヒドロキシル、チオール、およびアミノなどの基それぞれとイソシアナートとの反応によるウレタン、チオウレタン、または尿素結合の形成により生ずる。そのようなジイソシアナート化合物はポリウレタンおよび放射線硬化性コーティング業界において周知である。芳香族または脂肪族のジイソシアナートが使用されることができるが、脂肪族のジイソシアナートが特に好ましい。その他の結合は、例えば、カルボナート、エーテルおよびエステル基を通してできる。好ましくは、ウレタン、尿素またはチオウレタンが連結基として使用される。
オリゴマーは、それ故、次の式により表される少なくとも一つの連鎖をその構造内に含むことが好ましい。
−NH−CO−X−
上式中Xは酸素、硫黄、または窒素原子である。
ウレタンおよびチオウレタン基が最も好ましい。
ウレタンは、例えば、水素結合できる。
本発明は複合オリゴマーについて一つの特定の分子構造に限定されないけれども、中間の連結基を用いる好ましい実施態様において、複合オリゴマーは次の一般式により表されることができる。
R−L1−A−L2−C
式中 Aはスリップ剤部分を表し、
Rは放射線硬化性部分を表し、
Cはガラスカップリング部分を表し、そして
1およびL2は連結基を表す。
1およびL2は独立に、“R”部分と“A”部分の間にまたは“C”部分と“A”部分の間に共有結合を与えることができるすべての基であることができる。ここに提供される開示に基づいて、当業者は選択された特定の“A”、“C”および“R”のためいかなる連結基が適当であるかを容易に理解することができるであろう。
特に、ウレタンおよびチオウレタン基が好ましい。ウレタンおよびチオウレタン連結基は、例えば、(i)ヒドロキシル末端キャップされたオリゴマーを低分子量のジイソシアナート化合物とオリゴマーの両端でオリゴマーの広範囲のカップリングをすることなく連結すること、(ii)イソシアナート末端キャップされたオリゴマーを低分子量のヒドロキシアクリラート化合物と連結すること、または(iii)イソシアナート末端キャップされたオリゴマーを低分子量のメルカプト化合物と連結すること、により形成される。
しかし、それらの連結基は任意と考えられる。言い換えれば、オリゴマーはまた次の一般構造式により表されることができる。
R−L1−A−C,
R−A−L2−C,または
R−A−C
本発明は前述の基または部分の表現により開示されているけれども、その他の基は原則として、本発明の諸利点が達成されかつ発明概念が実施されることができる範囲まで分子構造中に組み込まれることができる。
本発明のある好ましい実施態様は次の部分を有する複合オリゴマーの製造である。すなわち、二つのヒドロキシル末端基(スリップ剤部分)、イソホロンジイソシアナート(結合)、ヒドロキシエチルアクリラート(放射線硬化性部分)、およびメルカプトプロピルシラン部分(ガラスカップリング部分)。イソホロンジイソシアナート(IPDI)はシリコーンジオールオリゴマーの両端を末端キャップするために役立ち、そしてシリコーンオリゴマーの一端でヒドロキシアクリラートとのおよび他端でメルカプトプロピルシランとの結合部位を与える。
複合オリゴマーの好ましい用途は、放射線硬化性コーティングにおける、そして特に、内部1次、光学ガラス繊維コーティングにおける、オリゴマー添加剤として、またはさらに主要なオリゴマー成分としてである。放射線硬化性マトリックス中へ組み込まれるオリゴマー添加剤の量は特に限定されないが、特定の用途の特有の性能目的を達成するために十分であるかまたは有効であることであろう。しかし、一般に、適当な量は放射線硬化性配合物の全重量に関して約0.5重量%と約90重量%の間、好ましくは約0.5重量%と約60重量%の間、そしてさらに好ましくは、約0.5重量%と約30重量%の間、にあるであろう。一般に、比較的高い分子量の複合オリゴマーは比較的低い分子量の複合オリゴマーよりも多くの重量百分率で放射線硬化性コーティング中に存在するであろう。
複合オリゴマーは、大き過ぎる摩擦係数または低く過ぎる接着力を示す配合物の特性を適応させるように作用する。特に、複合オリゴマーは、接着力が容認できないほど低い場合に、そして特に湿気の存在で容認できないほど低い場合に、その接着力を増加させることができる。またはその代わりに、複合オリゴマーは被覆の摩擦係数を減少させることができる。従来慣用のカップリング添加剤およびスリップ剤はこの二つの機能を果たすことができない。
もし望まれるならば、添加物の数の減少は望ましいけれども、複合オリゴマーは純粋な性能または価格対性能比を改良するため慣用のカップリングおよびスリップ剤と組み合わせて使用されることができる。ある好ましい実施態様において、例えば、複合オリゴマーは官能性オルガノシラン化合物、例えば、メルカプトプロピルシラン、と組み合わせて使用されることができる。例えば、OCN−(CH23Si−(OCH33とのヒドロシブチルビニルエーテル付加物もまた複合オリゴマーとともに使用されることができる。
複合オリゴマーは広範な種類の放射線硬化性配合物の中に組み込まれることができる。もし本発明の概念が実施されかつ諸利点が結果として発生するならば特別の制限は存在しない。放射線硬化性被覆を配合する当業者は容易にその中に複合オリゴマーを組み込んで望みの特性を与えることができるであろう。
光学ガラス繊維の被覆用途において、例えば、その他の配合成分は一般に次のものを含む。
(i)橋かけされた被覆を与えるための、本発明の複合オリゴマーとは異なるオリゴマーである、少なくとも一つの多官能放射線硬化性オリゴマー、
(ii)光学ガラス繊維へ適用するため許容される水準に粘度を調製するための少なくとも一つの反応性希釈剤、および
(iii)少なくとも一つの光開始剤。
酸化防止剤のような添加剤、および既に言及されたように、カップリングおよびスリップ剤もま利用されることもある。
放射線硬化は一般に紫外線光の使用により速やかに達成されるが、本発明はそれに限定されないし、また当業者は最良の硬化方法を決定することができる。放射線硬化は結果として、その複合オリゴマーをそれ自身にまたは、より好ましくは、その配合物中の他の放射線硬化性成分に共有結合により連結する複合オリゴマー中に存在する少なくとも若干の放射線硬化性部分の重合を生ずる。配合物を混合および硬化する際におこる化学過程はある場合には複雑であって十分に理解されないこともあろう。本発明は、しかし、理論により限定されないしかつ当業者により容易に理解されて実施されることができる。本発明の配合物は、まさに複合オリゴマーと同様に、予備硬化された、部分的に硬化された、および硬化された状態にあることができる。前記の配合物を調製するために使用される添加剤と化合物を定義する、用語の成分とは一般に混合前の出発原料のことを言う。混合の後、それらの成分の間の相互作用または反応さえもが起こることもある。
複合オリゴマーは内部1次被覆用組成物、外部1次被覆用組成物、インク組成物およびマトリックス形成組成物の中に組み込まれることができる。複合オリゴマーはまたいわゆる単一被覆系の中に組み込まれることもできる。
一般に、被覆支持体は無機またはガラス支持体になるであろうが、原則として、ポリマー支持体のようなその他の支持体もまた有効に使用されることができよう。支持体は好ましくはオリゴマー添加物のガラス被覆部分とカップリングする能力を有する。ある好ましい用途において、被覆支持体は光学ガラス繊維であり、そして特に、新しく引かれた、清純な光学ガラス繊維である。新しく製造されたばかりの光学ガラス繊維はガラスカップリング剤に対して敏感な反応を示すことが当業界において知られている。光学ガラス繊維を被覆する典型的な方法は、例えば、米国特許第4,474,830号および同第4,913,859号明細書に開示されており、その完全な開示は引用によりここに組み込まれる。
本発明はさらに次の非限定的例により説明されるであろう。
例2−1および比較例B−1とB−2
新規の複合オリゴマーの合成
1,000mLの四頸フラスコにイソホロンジイソシアナート(55.58g)を装入した。2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(0.12g)とジブチルスズジラウレート(.24g)をそのフラスコに加えた。温度を40℃以下に保ちながら14.51グラムのヒドロキシエチルアクリラートを90分間にわたり添加した。90分の終わりに、温度を40℃に上げ、そしてその混合物を40℃で1時間攪拌した。温度を約30℃まで下がることを許した。メルカプトプロピルシラン(28.13gの87.1%純度製品)を90分間にわたり加え、その間温度を40℃以下に維持した。メルカプトプロピルシランの添加の後、温度を40℃に上げ、そして反応混合物を40℃で17−18時間攪拌した。それから1200当量Q4−3667(Dow Corning)の50%エトキシル化ポリジメチルシロキサン300gを加え、そして温度を70℃に上げた。約6時間の後、そのイソシアナート含量を測定するとほとんど0%であった。温度を50℃に下げた。反応条件および反応物に基づいて、次の構造を有する複合シランアクリラートオリゴマーが形成された。
H−1−(Q4−3667)−I−M
上式中、
H=ヒドロキシエチルアクリラート、
I=イソホロンジイソシアナート、
Q4−3667=前記のシリコーンジオール、および
M=メルカプトプロピルシラン
予備硬化された配合物の調製
表2に示された成分を、複合オリゴマーとシランカップリング剤を除いて、配合した。それらの成分を約60℃まで加熱してから混合して均一な混合物を造った。その中に複合オリゴマーとシリコーンカップリング剤を混合してから、その混合物を60℃で約15分間加熱して改良された放射線硬化性の、内部1次、光学ガラス繊維被覆用組成物、例2−1、を造った。比較例B−1およびB−2を同様にして調製した。それらの組成物のドローダウン(drawdowns)を造ってから、紫外線光への露出により適当に硬化させて硬化被覆を形成した。それらの硬化被覆は次の方法を用いて離層に対する抵抗および繊維引抜き(pull-out)残留物につき試験された。
水浸漬離層試験
それぞれの内部1次被覆用組成物のドローダウンを造って顕微鏡スライド上に内部1次被覆用組成物の75ミクロンフィルムを形成させてから、次に窒素雰囲気の下でフュージョンDランプ(Fudion D lamp)、120W/cm、からの1.0J/sqcmへの露出により硬化させた。次に、それぞれの外部1次被覆のドローダウンを造って硬化された75ミクロン内部一次フィルム上に外部1次被覆用組成物の75ミクロンフィルムを形成させてから、次に内部1次被覆と同様にして硬化させた。
脱イオン水を500mlのビーカーに入れてから前記の被覆した顕微鏡スライドをその水の中に浸漬した。被覆したスライドを入れたビーカーを次に60℃の熱い水浴中に置いた。それらのフィルムを離層について定期的に観察した。離層の最初のしるしが現れた時間が記録された。
繊維引抜き残留物試験
光学繊維から被覆を剥がして裸のガラス表面を残す作業を、硬化された内部1次被覆の層から4本の裸のガラス繊維を引抜くことにより模擬試験した。引抜かれた繊維の顕微鏡検査は低い拡大率(例えば、10倍)でガラス表面上の残留破片の存在または不在を明瞭に示した。もし破片が存在したら、破片の量が記録された。
これらの試験の結果は表2に提供されている。
Figure 0003955333
比較例B−1は本発明の複合オリゴマーを含まないが、シランカップリング剤を含む配合物であった。しかし、接着力が強くあり過ぎたので引抜き試験において劣った結果が得られた。
比較例B−2は慣用のシリコーンスリップ剤を含む配合物であった。シリコーンスリップ剤は比較例Aと比べて引抜き試験の結果を改良したが、しかし加水分解の界面接着の犠牲においてのみである。
例2−1は本発明の複合オリゴマーを含む配合物であった。その複合オリゴマーは引抜き試験の結果を著しく改良したが、しかし加水分解の界面接着を犠牲にしなかった。
例2−2と2−3、および比較例B−3とB−4
これらの例および比較例はガラス板接着への複合オリゴマーの効果を証明するために行われた。表3に示されている配合物は例2−1および比較例B−1とB−2と同様にして調製された。シリコーンシランアクリラートオリゴマーは例2−1と同様にして調製されたが、但しシリコーンジオールHSi−2111(Tego Chemie)がQ4−3667(Dow Corning)の代わりに使用された。
被覆材料のフィルム(75ミクロン厚さ)が顕微鏡スライドの上で調製され、それから紫外線光への露出により硬化された。市販の外部1次被覆がそれらの被覆の表面上に形成された。それらのフィルムは60℃の水の中に浸漬され、それから離層につき検査された。さらに、接着力が50%および95%の相対湿度において測定された。それらの結果が表1に要約されている。
特許第5,336,563号(Coady et al.)および同第5,384,342号(Szum)によれば、湿潤および乾燥接着力は、バードバー(Bird Bar)で、ドローダウンにより調製された硬化フィルム試料、前記例2-1に述べたように、窒素雰囲気の下で、フュージョンDランプ(Fudion D lamp)、120W/cm、からの1.0J/sq cmへの露出により硬化させた、顕微鏡スライド上の被覆用組成物の75ミクロンフィルム、について試験された。
それらの試料は次に23±2℃の温度および50±5%の相対湿度で7日間状態調節された。そのフィルムの一部は乾燥接着力を試験するために使用された。乾燥接着力試験に続いて、湿潤接着力の試験をされるフィルムの残りはさらに23±2℃の温度および95%の相対湿度で24時間状態調節された。ポリエチレンワックス/水スラリーの層がさらに状態調節されたフィルムの上に塗布されて湿潤を維持した。
接着力試験は万能材料試験機、例えば、Instron Corp., Canton, Mass., より市販されているInstron Model 4201、を含む装置およびその試験機の中に配置された、水平支持材およびプーリーを含む機構を利用して行われた。
状態調節の後、均一で欠陥のないと見える試料をドローダウンの方向に切断した。それぞれの試料は長さ6インチと幅1インチであり、そして裂け目または切れ目がなかった。各試料の初めの1インチをガラスから剥がし返した。そのガラスをプーリーの近くで試料の貼り付けられた端で水平支持材に固定した。一本の針金を試料の剥がし返した端に付着させ、試料に沿って延ばし、それから試料に垂直の方向にプーリーを通って走らせた。針金の自由端を試験機の上のジョー中に掴ませてから、試験機を活動させた。試験は平均力値が、重量グラム/インチで相対的に一定になるまで続けられた。湿潤接着力について好ましい値は少なくとも約5g/inであり、そしてさらに好ましい値は12g/inである。
Figure 0003955333
表3の結果は、複合オリゴマーはガラス表面への接着力を改良するのみならず、また慣用のシランカップリング剤と相乗的に働くことができることを示す。
例 2−4
表4に示されている配合物は例2−1と同様にして調製された。シリコーンシランアクリラートオリゴマーは例2−1において調製されたものと同じである。
被覆材料のフィルム(75ミクロン厚さ)をガラス板の上に調製して、次に前記と同様にして紫外線光への露出により硬化させた。引っ張り強さ、伸びおよびモジュラスが測定された。
その被覆材料の75ミクロンフィルムをまた調製してから適当に硬化させた。それから亀裂生長が測定された。繊維引抜き摩擦試験もまた、前記のように、行われた。推定リボンストリップ清浄度が計算された。それらの結果が表4に示されている。
Figure 0003955333
上記の試験データより、意外にも、この新規のシリコーンシランアクリラートオリゴマーは、内部1次被覆の凝集強さよりも小さい抵抗力を与える繊維摩擦を有する内部1次被覆を与えるために使用されることができる。この発見は推定ストリップ清浄度が約3であることに基づく。約3またはそれ以下の値は非常に良くて、裸の光学ガラス繊維から残留物を拭い取る必要なしに、他の一つの光学ガラス繊維または光伝送装置の部品へ接続のため適当な裸の光学ガラス繊維をいつも提供するであろう。
ここに用いた試験方法の解説
推定ストリップ清浄度試験法
推定ストリップ清浄度は、内部1次被覆がリボンストリッピングの間に除去された後の、裸の光ガラスファイバーの推定清浄度の程度を示している。数値が低いほど良い結果を示す。
驚くべきことに、選択されたリボン組立品の裸の光ガラスファイバーの清浄度の程度は、内部1次被覆の次の二つの性質を測定することによって推定できることがみいだされた。
(1) ファイバーの引き抜き摩擦;及び
(2) クラックの成長
クラックの成長は、内部1次被覆の凝集強度の尺度である。内部1次被覆の凝集強度が大きければ大きいほど、内部1次被覆を破壊剥離するために要するエネルギー量は大きい。従って、高い凝集強度を有する1次の内部被覆は、リボンストリッピングの間に破れて剥がれることはなく、そして光ガラスファイバーの表面上に残留物を残すこともなく、低い凝集強度を有する内部1次被覆より大きな剥離力に耐えることができる。
クラックの成長は次のようにして測定することができる。最初、内部1次被覆用組成物の75ミクロン厚のドローダウンを作り、それから窒素雰囲気下でFusion Dランプから1.0J/cm2UVに曝露することによってフィルムを硬化する。35mm長さ、12mm巾、そして75ミクロン厚の寸法を有する三個の試験片に切断した。2.5mm長さの切りをそれぞれの試験片の側面に作る。試験片をRSA−IIレオメーターに装着し、温度を90℃(代表的なリボンストリッピング温度)にし、そして0.1mm/秒の一定の伸長速度が試験片に適用される。凝集強度の尺度は、クラックが試験片の巾方向を横切って成長する前の、長さLの増加である。ゲージ長さは23.2mmで一定である。報告された値は、今のところ三つの測定値の平均である。
内部1次被覆のファイバー引き抜き摩擦は、内部1次被覆と裸の光ガラスファイバーとの間のファイバー摩擦を推定しているものである。一般に、内部1次被覆のファイバー引き抜き摩擦が低いほど、光ガラスファイバー内部1次被覆との間のファイバー摩擦を低く、抵抗力も低く、そして内部1次被覆光ガラスファイバーの滑落を容易にしてしまう。また、ファイバー摩擦が低いほど、内部1次被覆に適用し、リボンストリッピングを行う力は小さくて済む。内部1次被覆に適用される力が小さければ小さいほど、内部1次被覆が凝集性に欠けるチャンスはより少なくなり、従って、光ガラスファイバーの表面に内部1次被覆の残留物が残るチャンスも更に少なくなるのである。
ファイバー引き抜き摩擦試験は以下の通りに行われる。サンプルは、一つの末端が試験される250ミクロン厚の硬化した内部1次被覆のシート中に埋め込まれた裸の清潔な光学ファイバーからなっている。この組立品はレオメーターRSA−IIのレオメーターのような適当な器具に装着し、そして温度を代表的なリボンストリッピング温度(例えば90℃)に上昇し、そしてファイバーを0.1mm/秒の速度でシートから徐々に引っ張る。器具は力対距離を記録し、プロットする。このプロットは一般に、負の傾斜の直線領域を示す。これはファイバーが引き出されるので、ファイバーと被覆間の接触面積が減少する結果である。傾斜が測定され、そしてこれがテストのアウトプットとなる。低い傾斜の値は低いファイバーの引き抜き摩擦力に対応し、その逆も同様である。三個の試験サンプルについて試験を行い、そしてその平均がテストのアウトプットとして最終的に用いられる。
クラック成長及び摩擦測定係数からの情報を用いる前に、予想する方法として補正が必要とされる。補正は、清浄性の性能が分かっている、少なくとも5個の内部1次被覆の試験データを取り、そして適当な統計的/プロッティングコンピュータプログラムで統計的な手順を用いて三次元表面にデータを適合させることから成る。三次元表面に対し便利な二次元描写は、輪郭のプロットであって、それぞれの輪郭は清浄性の割合の固定した値を表し、そして縦軸、横軸はそれぞれファイバー引き抜き摩擦及びクラック成長試験のアウトプットの値となる。
清浄性の等級は、例えば1〜5の数量的なスケールで表現されるべきである。適当な数量的なスケールの例としては、上記の背景の項で記載した“ミルの(Mi11's)”試験があり、この完全な開示をここに参考として引用する。ここでストリップの清浄度、及び推定ストリップ清浄度に言及する場合、数量的な値はミルのテストの値に相当している。
輪郭のプロット補正が得られた後に、清浄度の推定が望まれる内部1次被覆用調合物の、クラック成長及びファイバー引き抜き摩擦の測定データを用いて、その上に点がプロットされる。清浄性の推定は、最も近い輪郭の線に関係するポイントの位置を注意することによって得ることができる。
以下に記す仮定の例は、推定されるリボン−トリッピングの清浄度を得るための、補正の工程をそしてこのようにして作られた輪郭のプロットの使用法を説明するものである。A〜Hまでの8種の内部1次被覆が用意され、そして通常の方法で光学ファイバー上に塗布される。全て各々の内部1次被覆の上には同一の外側の1次被覆を有している。8種の内部1次被覆をそれぞれ示している塗布されたファイバーは、その後インキ層を塗布し、そしてその後リボン組立品に組み立てられた。インキのタイプ、及びリボン組立品の基盤材料は、8種の標本全てに対し同一であるべきである。それぞれのサンプルのうち3種のリボン組立品は、望みのリボンストリッピング温度で剥がされた。各々のサンプルの清浄度は、ミルのテスト法を用いて評価され、1が最良でそして5が最も悪い。8種の標本のそれぞれの最終の等級は、3種の複製品の等級の平均である。得られた仮定的な結果を表5に示す。
Figure 0003955333
次に、ファイバー引き抜き摩擦、及びクラック成長用のサンプルが、選択された内部1次被覆用組成物から作られた内部1次被覆から調製され、そしてそれぞれのテストに対するアウトプットの値がここに記載の方法によって得られた。この点に関して、8個のそれぞれのサンプルと関係づけられた三つのデータ値がある。仮定的な値、実際のケースの特徴を示して選ばれた、仮定的な値が表5に記録されている。統計学上のソフトウエアプログラムで作られた輪郭のプロットを図6に示す。
この輪郭のプロットは次のように用いられる。例えば、実験的な内部1次被覆のサンプルは、ファイバー引き抜き摩擦及びクラック成長試験が測定され、そして得られたデータ値はそれぞれ10及び1であった。これらの値に相当する点が輪郭のプロット上で位置が示され、そして2.5〜3の間の輪郭値にあることが分かる。二つの線に関連した位置から、予想される清浄性の等級が約2.7であることが見積もられる。
約3又はそれ以下の値は、光ガラスファイバーの接続に容認できると考えられる。
粘度試験法
粘度はフィジカMC10(Physica MC10)粘度計を用いて測定した。テストサンプルを試験し、そしてもし過剰の量の泡が存在するなら、泡の大部分を除去する工程が取られる。この工程では全ての泡を除去する必要はなく、何故ならサンプルを装填する時いくらか泡を取り込むからである。
用いる従来からのZ3システムに装置をセットアップする。サンプルを使い捨てのアルミニウムカップにスポイトを用い17cc測って装填する。カップ中のサンプルを検査して、もし過剰量の泡を含んでいるなら、遠心分離のような直接的な方法で除去するか、又は十分な時間経過させて泡を液体の大部分から逃がさせる。液体の表面上部の泡は許容できる。
回転子を静かに測定カップの液体中に下げ、そして回転子を装置に据え付ける。サンプルの温度が、循環液体の温度と平衡になるまで5分ほど待つ。その後、回転速度を望みの剪断速度を作る希望の値にセットする。剪断速度の希望の値は、サンプルの予測される粘度範囲から当業者らによって容易に決定される。
装置のパネルから粘度の値を読み出し、そしてもし粘度の値が15秒間僅かしか変化しなければ(相対的変動が2%以下)測定は完了する。そうでなければ、温度がまだ平衡の値に達していないか、又は材料が剪断によって変化していることが考えられる。後者の場合であるなら、サンプルの粘性特性を明らかにするため、更に試験を異なる剪断速度で測定する必要がある。報告された結果は、3種のテストサンプルの粘度の平均値である。
引っ張り強度、伸び、及びモジュラス試験方法
硬化したサンプルの引っ張り強度、伸び、及びモジュラスは一般的な試験装置、パーソナルコンピュータ及びソフトウエア“シリーズIV材料試験システム”を備えたインストロンモデル(Instron Modek)4201を用いて試験した。用いたロードセルは2及び20ポンド容量であった。ASTM D638Mに従ったが、以下の点を修正した。
試験するそれぞれの材料のドローダウンはガラスプレート上で作成し、そしてUV処理機を用いて硬化した。硬化したフィルムを22〜24℃、そして50±5%相対湿度で、試験する前最低限16時間コンディショニングを行った。
.5±0.002インチの巾、5インチの長さを有する、最低限8種の試験片を硬化したフィルムから切り取った。サンプルの目立たない欠点の影響を最小にするため、サンプル標本を硬化フィルムのドローダウンが作られた方向に平行に切り取った。もし硬化したフィルムが触れてくっつくようなら、少量のタルクを、綿を先端につけたアプリケーターを用いてフィルム表面に適用する。
その後試験標本を基材から除去する。基材から除去する間、試験標本が弾性限界を超えて引き延ばされないように注意を払う必要がある。もし基材から除去する間にサンプルの長さに何らかの顕著な変化が起きたなら、試験標本は廃棄される。
フィルムの上部表面をタルクで塗布し粘着性を除去しているなら、その場合は基材から取り去った後テスト標本の底部表面にも少量のタルクを適用した。
試験標本の平均フィルム厚さを測定した。試験する領域で(上部から底部に)少なくとも5カ所のフィルム厚さの測定を行い、そして平均値を計算に用いた。もしもフィルム厚の任意の測定値が相対的に10%以上平均から逸脱していた場合、テスト標本は廃棄した。全ての標本は同一のプレートから作成した。
適切なロードセルは次式を用いて決定した。
[A×145]×0.0015=C
A=製造物の最大予想引っ張り強度(Mpa);
145=Mpaからpsiへの変換因数;
0.00015=試験標本の概略断面積(in2);及び
C=lbs.
2ポンドのロードセルを、C=1.8 lbsの材料に用いた。20ポンドロードセルを、1.8<C<18 lbsである材料に用いた。もしC>19なら、より高い容量のロードセルが要求される。
クロスヘッドの速度を1.00インチ/分(25.4mm/分)にセットし、そしてクロスヘッドの働きを“破断時リターン”にセットした。クロスヘッドのジョー分離をを2.00インチ(50.8mm)に調節した。圧搾空気グリップの空気圧を入れ、そして次のように調節した。1次の光学ファイバーの被覆及び他の非常に柔らかい被覆に対しては概算20psi(1.5kg/cm2)にセットし、光学ファイバー単一塗布層には概算40psi(3kg/cm2)にセットし、そして二次の光学ファイバー被覆及び他の硬い被覆には概算60psi(4.5kg/cm2)にセットした。適切なインストロンコンピュータ法を被覆に読み込んで解析した。
インストロン試験装置を15分間ウォームアップさせた後、メーカーの操作手順に従って補正をしそして平衡を保たせた。
インストロン装置近傍の温度を測定し、そして湿度を湿度計の位置で測定した。これは最初の試験標本の測定を開始する直前に実施した。
標本は温度が23±1.0℃の範囲、そして相対湿度が50±5%内の場合にのみ解析された。温度が、それぞれのテスト標本に対し、この範囲内にあるものとして確かめられる。湿度の値は、一つのプレートからの一組の標本を試験する際の、最初と最後だけに確認された。
各々の試験標本は、横方向の中心でそして垂直に吊すようにして、上部の空気圧グリップの間の空間につるされて試験される。上部グリップのみが締められる。たるまず又は歪まないように、そして開放底部グリップ間のスペースで横方向で中心になるように、試験標本の底部末端が静かに引っ張られる。この位置で試験片を保持すると同時に低部のグリップが締められる。
サンプル数、及びサンプル寸法がデータシステム中に、ソフトウエアーパッケージで供給された説明書に従って入れられる。
現在のドローダウンからの最後の試験標本がテストされた後、温度及び湿度が測定される。引っ張り特性の計算が自動的にソフトウエアパッケージによって行われる。
引っ張り強度の値、%伸び、そして(セカント又はセグメント)モジュラスが照合され、それらのいずれかが“孤立値”として十分に平均値から逸れているかどうかが決定される。もしモジュラスの値が孤立しているなら、それは破棄される。引っ張り強度に対しデータの値が6個以下であるなら、その場合全てのセットのデータを処分して、そして新しいプレートを用いて試験を繰り返す。
弾性係数試験方法
弾性係数(E’)、粘性係数(E”)、及び実例の材料のTgを示しているタンデルタ(E”/E’)が、1)MS−DOS 5.0オペレーティングシステムを有し、そしてRhiosTMソフトウエア(バージョン4.2.2又はそれ以降)をロードしたパーソナルコンピュータ;2)低温操作のための液体窒素コントローラーシステムを装着した、レオメトリック固体アナライザー(RSA−11)を用いて測定される。
試験サンプルは材料のフィルムをガラスプレート上に流延する事によって作成され、0.02mm〜0.4mmの範囲の厚さを有している。サンプルフィルムはUV処理機を用いて硬化される。概略35mm(1.4インチ)長さ、そして概略12mm巾の試験片が硬化フィルムの欠点のない範囲から切り取られる。粘着性の表面を有する傾向の柔らかいフィルムに対しては、綿を先端につけたアプリケーターを用いて切断試料片をタルク粉で塗布する。
試料片のフィルム厚さは、長さに沿って5カ所以上の位置で測定した。平均フィルム厚さは±0.001mmまで計算した。厚さはこの長さ全体に亘って0.01mm以上変化することはなかった。もしこの条件に合致しない場合は他の試料片を用いた。試料片の巾は2カ所以上の位置で測定し平均値を土0.1mmまで計算した。
サンプルの幾何学的な値が計器に入力される。長さの欄は23.2mmの値にセットされ、そしてサンプル標本の巾及び厚さの測定値は適当な欄に入力される。
温度スイープを行う前に、試験サンプルを窒素雰囲気下で5分間80℃の温度に曝露して試験サンプルから水分を除去する。用いられる温度スイープはテストサンプルを約−60℃又は約−80℃に冷却すること、そして温度を約1/分の速度で温度が約60℃〜約70℃に達するまで上昇させることを含む。用いた試験頻度は1.0ラジアン/秒であった。
可溶性ワックス
ワックスを滑剤として加えることができ、内部1次被覆光ガラスファイバーの表面との間のファイバー摩擦を調節し、その値を内部1次被覆の凝集力より小さい抵抗力に結果として与えるものである。しかしながら、従来からのワックスは内部1次被覆との不相溶性に問題を示していた。多くのワックスは内部1次被覆に良く溶解せず、それ故これらは溶液から分離してしまう傾向がある。更に、通常のワックスは得られた内部1次被覆を外観的に霞んだものとする傾向があり、これは望ましいものではない。“可溶性のワックス”の用語は、望みのレベルのファイバー摩擦力を与えるために必要とされる濃度で、内部1次被覆組成物中に十分に溶解する、これらのワックスを明確に示すためにここに用いられる。“ワックス”の用語はHawleyの“Condensed Chemical Dictionary”、11版に定義されているワックスを含むと理解され、この定義をここに参考として引用する。
変性ワックス類を選択することによって、又はワックス類を変性することによって、不相溶性の問題は実質的に回避できることが見いだされた。変性ワックスを選択する際、望みの内部1次被覆用組成物中への変性ワックスの溶解度を第一に考慮すべきである。一般に、ワックスは内部1次被覆組成物に不溶の傾向がある。ワックスの内部1次被覆への溶解度は主に以下の事項に依存している。
(1)ワックスの相対的な極性及び内部1次被覆用組成物中に存在するモノマー及びオリゴマーの極性、
(2)ワックス中に存在する官能基の各々のタイプ、及び内部1次被覆用組成物中に存在するモノマー及びオリゴマー、及び
(3)ワックスの分子構造と内部1次被覆用組成物中に存在するオリゴマー又はモノマーとの間の類似性、例えば脂肪族/芳香族、不飽和/飽和、線状/枝分かれ等、エンティティ。
例えば、ワックスの溶解度は、内部1次被覆用組成物中に存在するオリゴマー又はモノマー中にあるそれと類似の官能基を組み入れることで上昇させることができる。もし内部1次被覆用組成物が、エステル基を有するモノマー又はオリゴマーを含むなら、その時にはエステル基をワックスの分子骨格構造中に組み入れることができ、成いはエステル基をワックスの骨格上にグラフト化する事ができる。代わりに、ワックス状長鎖脂肪エステルを用いることができる。市販の適当な脂肪エステルの例としては:
Laneto-50及び100 (PEG-75ラノリン)、
Laneto-AWS (PEG-12-PEG-50ラノリン)、
Ritacetyl (アセチル化ラノリン)、
Ritahydrox (ヒドロキシル化ラノリン)、
Ritasol (イソプロピルラノレート)、
Ritalan (ラノリンオイル)、
Ritalan AWS (PEG-12-PEG-65-ラノリンオイル)、
Ritawax (ラノリンアルコール)、
Supersat (水素化ラノリン)、
Forlan C-24 (choleth-24及びCeteth-24)、
Ritachol 1000 (セテアリールアルコール、ポリソルベート60、PEG-150ステアレート、及びsteareth-20)、
Ritapro 100 (セテアリールアルコール、steareth-20、及びsteareth-10)、
Pationic ISL (ナトリウムイソステアロイルラクチレート)、Pationic CSL (カルシウムステアロイルラクチレート)、
Pationic SSL (ナトリウムステアロイルラクチレート)、
Pationic SBL (ナトリウムベヘノイルラクチレート)、
Pationic 138C (ナトリウムラウロイルラクチレート)、
Pationic 122A (ナトリウムカプロイルラクチレート)、
Pationic SCL (ナトリウムココイルラクチレート)、
Ritox 36 (ラウレス-23)、
Ritox 52 (PEG-40ステアレート)、
Rita CA (セチルアルコール)、
Rita SA (ステアリールアルコール)、及び
Ritaセテアリールアルコール70/30、(RITA Corp.)があり、
好ましくは、脂肪エステル変性ワックスはイソセチルステアレートである。
もし内部1次被覆用組成物がアルコキシ又はヒドロキシ基を有するモノマー又はオリゴマーを含むなら、そのときにはワックスの溶解度を増すためにアルコキシ又はヒドロキシ基をワックスの骨格構造中に組み入れることができ、或いはアルコキシ基をワックスの骨格上にグラフト化する事ができる。このように変性されたワックスの市販の例としてはPetroliteからのアルコール変性ワックスのUnillnTMシリーズ、及び
Ritawax (ラノリンアルコール)、
Ritachol 1000 (セテアリールアルコール、ポリソルベート60、PEG-150-ステアレート、及びステアレス-20)、
Ritapro 100 (セテアリールアルコール、ステアレス-20、及びステアレス-10)、Rita CA (セチルアルコール)、
Rita SA (ステアリルアルコール)、及び
Rita セテアリールアルコール 70/30、(RITA Corp.)が含まれる。好ましくは、アルコキシ変性ワックスは、ポリプロピレングリコール 12ポリエチレングリコール50ラノリンである。
他の例として、もし内部1次被覆用組成物がアミン基を有するモノマー又はオリゴマーを含むなら、その時にはワックスの溶解度を上昇させるためアミン基がワックスの分子骨格構造中に組み入れられ、或いはアミン基をワックスの骨格構造上にグラフト化する事ができる。このように変性されたワックスの例として、アミン変性ワックス(Armak)のArmeenTMシリーズがある。例えば;
Armeen TD (タローアミン)、
Armeen O, OL, 又はOD (オレイルアミン)、
Armeen SD (ソーヤアミン)、
Armeen 18 (オクタデシルアミン)、
Armeen HT, HTD, 又は2HT (水素化タロウ)、
Armeen T, 又はTM-97 (タロウアミン)、
Armeen 12D (ドデシルアミン)、
Armeen C, 又はCD (ココアミン)、
Armeen 16D (ヘキサデシルアミン)、
Armeen 2C (ジココアミン)、
Armeen M2C (メチルジココアミン)、
Armeen DM 12D (ジメチルドデシルアミン)、
Armeen DMCD, 又はDMMCD (ジメチルココアミン)、
Armeen DM14D (ジメチルテトラデシルアミン)、
Armeen DM16D (ジメチルヘキサデシルアミン)。
Armeen DM18D (ジメチルオクタデシルアミン)、
Armeen DMHD (ジメチル(水素化タロウ)アミン)、
Armeen DMTD (ジメチルタロウアミン)、
Armeen DMSD (ジメチルソーヤミン)、
Armeen DMOD (ジメチルタローアミン)がある。好ましくは、アミン置換ワックスはメチルジ(水素化タロー)アミンである。
更にワックス中に組み入れることのできる官能基の例としてカルボキシリック酸を含む。飽和変性ワックスの適当な例として、カプリック酸、ラウリック酸、ミリスチック酸、パルミチック酸、及びステアリック酸を含む。適当な不飽和のワックスの例として、オレイック酸、リシノレイック酸、リノレイック酸、及びリノレニック酸を含む。
溶解度を増加を達成させるための、変性ワックスに存在する官能基は、内部1次被覆組成物のオリゴマー又はモノマー中に存在する官能基と同一である必要はない。水素結合、極性、等のような類似の性質を有する官能基が混合、調和されそして望みのように溶解度を増すのである。
ワックスを変性することによって、又は内部1次被覆用組成物中に存在するモノマー及びオリゴマーのそれと類似の分子構造を有するワックスを選択することによって、ワックスの溶解度をまた増加させることができる。例えば、もしモノマー及びオリゴマーが芳香族の基を含むなら、ワックスは芳香族基を含むように選択、又は変性する事ができる。もしモノマー又はオリゴマーが実質的な量の不飽和を含むなら、その時にはワックスは実質的な量の不飽和を含むように変性され又は選択される。更に、もしモノマー又はオリゴマーが実質的に線状であるなら、その時には実質的に線状のワックスが用いられる。市販されている実質的に線状のワックスの例として、Polymekon, Ceramer67及び1608、そしてPetrolite C−400,CA−11,WB−15,WB−11,及びWB−17(Petrolite)が含まれる。
ここに与えられた開示を基準にして、当業者らは望みのワックスに変性したり或いは選択して、そして内部1次被覆光ガラスファイバーの表面との間のファイバー摩擦を望みのレベルを与える量で、選択したワックスを用いることが可能である。内部1次被覆用組成物中に存在するワックスの量は、(1)内部1次被覆用光ガラスファイバー表面間のファイバー摩擦に望みの減少量を与えるワックスの能力、及び(2)内部1次被覆用組成物中のワックスの溶解度、に依存する。内部1次被覆用組成物中の溶解度が高ければ高いほど、存在することができるワックス量は増大する。ファイバー摩擦を減少させるワックスの能力が大きければ大きいほど、必要とされるワックス量は少なくてすむ。好ましくは、存在するワックス量はファイバー摩擦が必要とされるレベルを与えるために必要なほぼ最低限の量であり、リボンストリッピングの後、清浄な、残留物のない光ガラスファイバーを提供する抵抗力に帰着する。上記議論したように、リボンストリッピング後、清浄な、光ガラスファイバーを提供する抵抗力レベルに帰着するファイバー摩擦のレベルは、内部1次被覆の凝集力に依存している。内部1次被覆の凝集力が大きければ大きいほど耐性があり、そしてなおリボンストリッピングの後、清浄な、裸の光ガラスファイバーを与える抵抗力の量は大きくなる。抵抗力のそのようなレベルに帰着する、ファイバー摩擦を与えるために必要なワックス量は、内部1次被覆中に、異なる濃度で選択されたワックスを有する、リボン組立品のテストサンプルを作ることによって、当業者らによって容易に決定される。ワックスの量は、完全なリボン構造を用いて決定されるべきことが要求され、この後で議論するように、外部1次被覆の存在が、内部1次被覆の剥離能力に影響力を及ぼすからである。
適当なワックスの量はまた、ここに記載したファイバー引き抜き摩擦、及びクラック成長試験法を用いることによって、厳密に概算することができ、約3以下の推定されるストリップ清浄度を与えるワックス量が好ましい。
変性ワックスの適当な量は、合計の内部1次被覆用組成物の重量で約.01%〜約10%を含み、更に好ましくは約.01%〜約5%であり、そして最も好ましくは約.01%〜約2%であることを見いだした。
もし望むなら、ワックスは更に変性されることができ、内部1次被覆用組成物中に存在する放射線−硬化性のモノマー及びオリゴマーと、共重合することが可能な放射線−硬化型官能基を含む。このような放射線硬化性官能性ワックスの例は、ステアリールアクリレートである。一般に放射線−硬化性の官能基は、アクリレート基のみではなく、ここに記載のものを含む、任意の知られた放射線−硬化型官能基であることができる。
本発明を、ワックスの使用を説明する以下の実施例で更に明白にするが、この実施例に限定されるものではない。
実施例3−1〜3−4
表6に示す成分を結合して、4種の内部1次被覆用組成物を形成する。内部1次被覆組成物のドローダウンが作られ、そしてその後窒素雰囲気下で、Fusion DランプからのUV光に曝露されて硬化された。それぞれのフィルムのひび割れの成長、及びファイバー摩擦を上記の方法と同一の方法で試験を行い、そして推定ストリップ清浄度を計算した。結果を表6に示す。
Figure 0003955333
ジオール(三井、NY)、メチル基がオリゴマーから形成されたポリマーの配向を減少させる枝分かれを与える。
ファイバー引き抜き残留試験は、評価を0〜10のスケールで測定した点以外は、先に用いた試験と同一であり、0は最良(10×倍率の下で目に見える残留物なし)、そして10が最悪(倍率を使用することなく、目で見える多くの残留物)である。
表6の試験結果は、変性ワックスが内部1次被覆の凝集力より小さい抵抗力を与えるレベルに、ファイバー摩擦を調節するために用いることができることを示しており、そしてこれは約3より小さい優れた推定ストリップ清浄度の値によって示されている。
放射線−硬化型シリコン含有オリゴマー、及び非−放射線−硬化型シリコン化合物の使用
放射線硬化型シリコン含有モノマー及びオリゴマーもまた用いられ、ファイバー摩擦のレベルを調節し、内部1次被覆のリボン剥離性を改良する。放射線−硬化性シリコンオリゴマーは、それに少なくとも一つの放射線硬化性官能基が結合しているシリコン化合物を含有する。好ましくは、二種以上の放射線−硬化性官能基がシリコン本体に連結されているものである。
好ましくは放射線−硬化型官能基は、適当な放射線に曝露されたとき、内部1次被覆用組成物中に存在する、放射線硬化性モノマー及びオリゴマーと共重合する事が可能である。それ故に、官能基の選択は、内部1次被覆用組成物中に存在するモノマー又はオリゴマーに依存する。当業者らは容易にどの官能基が内部1次被覆用組成物中に存在する、モノマー又はオリゴマーと架橋するであろうか決定することができる。これらに限定されないとしても、適当な官能基の例としては、ビニル、アクリレート、メタクリレート、マレエート、ビニルエーテル、又はアクリルアミドを含む基であり、すでにここに記載のものである。
市販で入手できる、放射線硬化性の官能基を含む、シリコン化合物の例としては、シリコンアクリレートEbecryl 350及びEbecryl 1360 (Radcure Industries) 、Tego Rad 2100, 2200, 2500, 及び2600 (Tego Chemie)、そしてCoat-O-Si1 3503 (OSI Specialties)である。
選択的に、ここ開示した点を基準にして、当業者らは公知のシリコン化合物を、必要とされる放射線-硬化性の官能性を含むように変性することが可能である。例えば、ヒドロキシ官能性を与えられたシリコン化合物は、ジイソシアネート化合物と、そして前記のシリコン化合物にヒドロキシと放射線硬化性を与える、放射線-硬化性の官能性を含む化合物と反応することができる。特定の例としてヒドロキシ官能性を含むシリコン化合物と、ジイソシアネート及びシリコン化合物上にアクリレート官能性を与えるヒドロキシエチルアクリレート、又はイソシアネートとシリコン化合物にビニルエーテル官能性を与えるヒドロキシブチルビニルエーテルとの反応を含む。ヒドロキシル官能性を含む適当なシリコン化合物の例として、1200当量のポリジメチルシロキサンジオールQ4-3667, DC 193及びDC 1248 (Dow Corning)、Hsi2111 (TegoChemie)、及びCoat-O-Sil3500そして3505 (Osi Specialties) が含まれる。
選択的に、非−放射線−硬化型シリコン化合物(以下“非−反応性シリコン”と引用)がファイバー摩擦を調節し、そして内部1次被覆のリボン剥離性を改良するため用いられる。
米国特許第4,496,210号、ここに参考として引用する、は用いることができる、適当な非−反応性のシリコンの例を開示している。非−反応性のシリコンは別々に又はここに記載の放射線硬化型シリコンオリゴマーと一緒に用いることができる。
放射線−硬化型シリコンオリゴマー及び/又は非−反応性のシリコンは、ファイバー摩擦を与える量で存在すべきであり、これは内部1次被覆用組成物の凝集強度以下の抵抗力を結果としてもたらす。放射線−硬化型シリコンオリゴマー及び/又は非−反応性シリコンの量は、好ましくは必要とされる最低限の量であって、内部1次被覆用組成物の凝集強度以下の抵抗力を生ずるファイバー摩擦を与える量である。このような最低限の量は、その中に存在する放射線−硬化型シリコンオリゴマー及び/又は非−反応性シリコンの量を変化させ、内部1次被覆用組成物の試験の実験を行うことで容易に決めることができる。放射線−硬化型シリコンオリゴマー及び/又は非−反応性のシリコンが引き起こす最低の量は、内部の1次被覆の凝集強度以下の抵抗力を生ずるファイバーの摩擦を与えるもので、この量が好ましい量である。
シリコン化合物の末端近傍に結合した、平均で約一つの放射線−硬化の官能基(一官能性の)を含む長鎖シリコン化合物が、更に有利な点を与える。放射線-硬化型官能基から最も遠い長いシリコン鎖の末端が内部1次被覆中で機械的に結合される。しかしながら、リボンストリッピングの間の加熱の際には、放射線−硬化型官能基から最も遠い長いシリコン鎖の末端が、その結合が切れるようになり、そして熱が伝播する方向の光ガラスファイバー/内部1次被覆の境界面の方向に拡散して行くと信じられる。このシリコンの拡散がリボンストリッピングのきわどい瞬間に増加し、コーティングシステムに完全なきれいな除去を促進するのである。シリコンは光ガラスファイバー表面と内部1次被覆の間の潤滑剤としての作用を果たす。
内部1次被覆の厚さは、通常約10ミクロンから約35ミクロンまで変化する。従って、約50,000〜約350,000ドルトンの分子鎖長を有する、モノ−官能化されたシリコン流体が、リボンストリッピングの間にガラス/内部1次被覆境界面の方向に拡散して行く。
適当量の放射線−硬化型シリコンオリゴマー及び/又は非−反応性のシリコンは、またここに記載した摩擦とクラック成長の試験方法を用いることによって綿密に概算することができ、約3以下の推定ストリップ清浄度を与える放射線-硬化性のシリコンオリゴマー及び/又は非−反応性シリコンの量が好ましい。
放射線−硬化性のシリコンオリゴマー及び/又は非−反応性シリコンの量は、また内部1次被覆用組成物の選択に、特に選択された内部1次被覆組成物の初期のファイバー摩擦に依存する。通常、初期のファイバー摩擦が(滑剤添加なし)高いほど、放射線−硬化性のシリコンオリゴマー及び/又は非−反応性のシリコンの量は多くなり、内部1次被覆の凝集強度より低い抵抗力を与えるレベルにファイバー摩擦を下げるために必要とされる。
一般に、放射線硬化性のシリコンオリゴマーは非−反応性シリコンより多い量で用いられ、何故なら放射線硬化性のシリコンオリゴマーは硬化の問に内部1次被覆内で結合すると信じられており、一方非−反応性のシリコンは硬化した内部1次被覆の至る所で自由に移動するからである。選択的に、放射線−硬化性のシリコンオリゴマーは、内部の1次被覆を形成するために用いられる、主なオリゴマーであることができる。放射線−硬化性のシリコンオリゴマーの適当な量は、約0.1〜約90重量%の間、好ましくは約0.1〜約60重量%、そして更に好ましくは約0.1〜約30重量%である。一般に、高分子の放射線−硬化性のシリコンオリゴマーは、低分子複合物のオリゴマーより大きい重量パーセントで、放射線−硬化性のコーティング中に存在する。
適当量のモノ−官能化されたモノマーは、約0.1〜約20重量%、更に好ましくは約0.1〜約10重量%、そして最も好ましくは約0.1〜約5重量%であることが見いだされた。
非−反応性シリコンの適当な量は、約0.01〜約10重量%の間であり、好ましくは約0.01〜約5重量%、そして更に好ましくは約0.01〜約1重量%である。
シリコンエンティティの使用を説明している、以下の実施例によって、本発明を更に説明するが、これに何ら限定されるものではない。
実施例4−1
表7に示す成分を結合して、内部1次被覆用組成物を形成した。コーティング材料のフィルム(75ミクロン厚)をガラスのスライド上で作成し、それから上記同一の方法でUV光に曝露して硬化した。引っ張り強度、伸び、及びモジュラスを測定した。
コーティング材料の75ミクロンフィルムをまた、作成しそして適当に硬化した。クラックの成長をその後測定した。摩擦試験を又ここに記載の如く、実施した。推定されるリボンストリップの清浄度を計算した。その結果を表7に示す。
Figure 0003955333
実施例4−2〜4−10
表8に示した成分を結合させ、9種の内部1次被覆用組成物を形成した。組成物の粘度及び透明性を測定した。
コーティング材料のフィルム(75ミクロン厚)を顕微鏡スライド上で作成し、それから上記と同じ方法でUV光を曝露して硬化した。引っ張り強度、伸び及びモジュラスを測定した。
コーティング物質の追加のフィルムを又作り、そして適切に硬化した。クラックの成長を測定した。摩擦テストも又ここに記載の通りに実施した。推定のリボンストリップ清浄度を計算した。結果を表8に示す。
Figure 0003955333
Figure 0003955333
Figure 0003955333
オリゴマーは次の成分を反応させて形成した。
H=ヒドロキシエチルアクリレート
I=イソホロンジイソシアネート
PTHFCD2000=幾つかのカーボネート結合を含むポリTHF
PEG1025=1000の平均分子量を有するポリプロピレンオキシドジオール(Arco)
PEG2010=2000の平均分子量を有するポリプロピレンオキシドジオール(BASF)
PTGL2000=2000分子量、ポリメチルテトラヒドロフルフリール/ポリテトラヒドロフルフリールコポリマージオール(三井、NY)
TPE4542=ポリプロピレングリコールエチレンオキシド末端キャップされたトリオール(BASF)
Perm=Permanol KM10−1733 ポリカーボネート/ポリエーテルコポリマー ジオール
表8の試験結果は、放射線−硬化性のシリコンオリゴマー、及び非−反応性シリコンは、内部1次被覆の凝集強度より小さい抵抗力を与え、約3又はそれ以下の推定されるストリップの清浄度の値で示されるレベルに、ファイバー摩擦を調節する事に用いることができることを論証している。
放射線−硬化性のフッ素化されたオリゴマー及びフッ素化された材料
内部の1次被覆光ガラスファイバーの間のファイバー摩擦はまた、内部1次の被覆用組成物に、放射線−硬化性のフッ素化オリゴマー、モノマー及び/又は非−放射線硬化性のフッ素化材料を組み入れることによって、著しく減少される。放射線−硬化性の、フッ素化オリゴマー又はモノマーは、少なくとも一つの放射線硬化性の官能基が結合されている、フッ素化化合物を含有する。好ましくは、二種以上の放射線−硬化性の官能基がフッ素化された本体に結合されている。
好ましくは、放射線−硬化性の官能基は、適当な放射線に曝露されたとき、内部1次被覆用組成物中に存在する放射線−硬化型モノマー及びオリゴマーと共重合することが可能である。それ故、官能基の選択は内部1次被覆用組成物中に存在するモノマー又はオリゴマーに依存する。当業者らは、どの官能基が内部1次被覆用組成物中に存在するモノマー又はオリゴマーと架橋するか、容易に決めることが可能である。これに限定されることはないが、適当な放射線−硬化性の官能基の例としては、上記のように、ビニル、アクリレート、メタクリレート、マレエート、ビニルエーテル、又はアクリルアミドを含む基が、挙げられる。
少なくとも一つの放射線一硬化型の官能基を含む、市販され入手可能なフッ素化化合物の例としては、パーフルオロエチルアクリレート(DuPont)、2−(N−エチルパーフルオロオクタンスルホンアミド)エチルアクリレート(3M)、1H,1H−ペンタデカフルロクチルアクリレート(Oakwood Research Chemicals)、同様にこれらのメタクリレート又はNブチルアクリレートの変形品を含む。
ここに示した開示を基準にして、当業者らはフッ素化化合物を変性して、要求される放射線−硬化性の官能性を含ませることが可能である。例えば、ヒドロキシ官能性を与えられたフッ素化化合物を、ジイソシアネート化合物、及びヒドロキシと放射線−硬化性の官能性を含む化合物と反応させて、前記のフッ素化化合物に放射線−硬化性の官能性を与えることができる。特定の例として、ジイソシアネートと共にヒドロキシ官能性を含んでいるフッ素化化合物とヒドロキシエチルアクリレートを反応させ、フッ素化化合物上にアクリレート官能性を与え、或いはイソシアネートとヒドロキシブチルビニルエーテルと反応させてフッ素化化合物上にビニルエーテル官能性を与えることを含む。ヒドロキシ官能性を含む適当なフッ素化化合物の例は、Fluorolink E(Ausimont)、2−メチル−4、4,4−トリフルオロブタノール、1H,1H−ペンタデカフルオロ−1−オクタノール、1H,1H−ペンタフルオロプロパノール−1、及び1H,1H,12H,12H−パーフルオロ−1、12−ドデカンジオール(Oakwood Research Chemicals)を含有する。
選択的に、非−放射線硬化性のフッ素化化合物(以降簡単にフッ素化化合物と引用)を用いてファイバー摩擦を調節する事ができ、そして内部1次のリボン剥離性を改良する。
フッ素化化合物は別々に、又はここに記載した放射線硬化性のシリコンオリゴマー又はモノマーと一緒に用いることができる。
放射線−硬化性のフッ素化オリゴマー又はモノマー、及び/又はフッ素化化合物は、内部の1次組成物の凝集強度より小さい抵抗力をその結果として生ずる、ファイバー摩擦を与える量で存在すべきである。放射線−硬化型フッ素化オリゴマー及び/又はフッ素化化合物の量は、好ましくは、内部1次被覆用組成物の凝集強度以下の抵抗力を生ずるような、ファイバー摩擦を与えるために必要とされる最低量である。このような最低量は、放射線−硬化性のフッ素化オリゴマー又はモノマー、及び/又は存在するフッ素化物の量を変化させて、内部の1次組成物のテスト実験を行うことによって容易に決定することができる。存在する放射線−硬化型フッ素化オリゴマー又はモノマー、及び/又はフッ素化化合物の最低量は、内部1次被覆の凝集強度より小さい抵抗力を生ずる、ファイバー摩擦を提供する量が好ましい量である。
適当な放射線−硬化性のフッ素化オリゴマー又はモノマー及び/又はフッ素化化合物の量は、また、ここに記載の摩擦及びクラック成長の試験法を用いることによって綿密に概算することができ、ここにおいて約3以下の推定されるストリップ清浄度を提供する、放射線−硬化性のフッ素化オリゴマー又はモノマー及び/又はフッ素化化合物の量が好ましい。
放射線−硬化性のフッ素化オリゴマー又はモノマー及び/又はフッ素化化合物の量はまた、内部1次被覆用組成物の選択に依存し、特に選択された内部1次被覆の組成物の初期ファイバー摩擦に依存している。一般に、初期のファイバー摩擦が高いほど(滑剤添加なし)、放射線−硬化性のフッ素化オリゴマー及び/又はフッ素化化合物の量は多くなり、内部1次被覆の凝集強度より低い抵抗力を与えるレベルに、ファイバー摩擦を下げることが必要とされる。
一般に、放射線−硬化型のフッ素化オリゴマー又はモノマーは、非−反応性のフッ素化化合物より大量に用いられ、これは放射線−硬化性のフッ素化オリゴマー又はモノマーは、硬化の間に内部の1次被覆中で束縛されるようになるのに反し、非−反応性フッ素化化合物は硬化した内部1次被覆の至る所で、自由に移動すると信じられるからである。選択的に、放射線−硬化性のフッ素化オリゴマー又はモノマーは、内部1次被覆を形成するために用いられる主なオリゴマーであることができる。適当な量の放射線−硬化型フッ素化オリゴマー又はモノマーは、重量で約0.1〜約90%の間、好ましくは重量で約0.1〜約60%、そして更に好ましくは重量で約0.1〜約30%の範囲であることが見いだされた。一般に、より大きい分子量のオリゴマーは、より低い分子量オリゴマー又はモノマーよりより、多量に用いられる。
適当量のフッ素化化合物は、重量で約0.01〜約10%の間、好ましくは約0.01〜約5重量%、そして更に好ましくは重量で約0.01〜約1%であることが見いだされた。
フッ素化材料の使用を例示する以下の非限定的例により本発明をさらに説明する。
例5−1〜例5−3:
表9に示される成分を一緒に組み合わせて3種の異なる内部1次被覆用組成物を形成した。それらの組成物の粘度および透明度を測定した。
被覆用組成物のフィルム(75ミクロンの厚さ)をガラススライド上で造りそして次に上記と同じ方法でUV光に露光することにより硬化した。引っ張り強さ、伸びおよびモジュラスを測定した。
被覆用材料の追加のフィルムをまた造りそして適当に硬化した。次にクラック成長を測定した。摩擦試験を、本明細書に記載されたとおりにしてまた行なった。推定リボンストリップ清浄度を計算した。結果を表9に示す。
Figure 0003955333
Figure 0003955333
Figure 0003955333
固体潤滑剤
驚くべきことに、内部1次被覆と光学ガラス繊維の表面との間のファイバー摩擦を減少させるために固体潤滑剤を加えることが出来ることが分かった。用語“固体潤滑剤”は、潤滑剤が内部1次被覆用組成物中に不溶性でありそして内部1次被覆用組成物の硬化後に、固体潤滑剤の粒子またはフレーク形状が実質的に維持されることを意味するために本明細書において用いられる。
通常、固体潤滑剤は内部1次被覆用組成物の成分と非反応性である。適当な非反応性固体潤滑剤の例は次の通りであるがしかしそれらに限定されない:アルギン酸ナトリウムのような多糖類、ポリオレフィン類、ポリビニルアルコール、Orgasol(Elf Atochem製)のようなナイロン、固体テフロン粒子、およびRad Waxのような硬質ワックス類を包含する固体有機潤滑剤;二硫化モリブデン、グラファイト、タルクのような珪酸塩、カオリンのようなクレー、および雲母、シリカおよび窒化ほう素を包含する固体無機潤滑剤。
しかしながら、所望の場合、反応性固体潤滑剤を使用出来る。反応性固体潤滑剤は放射線硬化可能な官能性基を含有している。好ましくは、放射線硬化可能な官能基は、内部1次被覆用組成物中に存在する放射線硬化可能なモノマーまたはオリゴマーと共重合することが出来る。放射線硬化可能な官能基は、例えば、本明細書において記載された放射線硬化可能な官能基の任意のものであることが出来る。適当な反応性固体潤滑剤の特定な例は、アクリル酸亜鉛、アクリル酸モリブデン、アクリル酸アルミニウム、アクリル酸バリウムおよびアクリル酸クロウムを包含する。
粒子寸法は、使用中光学ガラス繊維の表面上に応力を及ぼす固体粒子により起こされる微小屈曲を避けるのに十分に小さいのが好ましい。さらに、粒子寸法は、内部1次被覆に、外観において曇りを生じさせるのを避けるのに十分に小さいのが好ましい。適当な粒子寸法の例は約10ミクロンまたはそれ以下、好ましくは約5ミクロンまたはそれ以下、そして最も好ましくは約2ミクロン未満であることが分かった。
粒子寸法とは別に、固体潤滑剤の硬度は使用中光学ガラス繊維の表面上に応力を及ぼす固体粒子により起こされる微小屈曲を避けるのに十分に低いのが好ましい。一般に一層軟かい固体潤滑剤はそのような微小屈曲を起こすのが一層少ないと思われる。
本明細書に提供された教示に基づいて、当業者は内部1次被覆と光学ガラス繊維の表面との間のファイバー摩擦の所望の水準を提供するための量で、選択された固体潤滑剤を容易に使用することが出来るだろう。内部1次被覆用組成物中に存在する固体潤滑剤の量は、内部1次被覆と光学ガラス繊維の表面との間のファイバー摩擦における所望の減少を与える固体潤滑剤の能力により左右されるだろうそしてその量は、ファイバー摩擦が内部1次被覆の凝集力より小さい抵抗力になるファイバー摩擦水準を提供するように減少されなければならない量である。一般に、ファイバー摩擦を減少させるための固体潤滑剤の能力が大きければ大きいほど、必要とされる固体潤滑剤は少なくなる。好ましくは、存在する固体潤滑剤の量は、リボンストリッピング後に、清浄な、残留物の存在しない光学ガラス繊維を提供するのに必要なファイバー摩擦の水準を提供するのに必要なおおよその最小量である。上に記載されたように、リボンストリッピング後に清浄な光学ガラス繊維を提供するファイバー摩擦水準は内部1次被覆の凝集力により左右される。内部1次被覆の凝集力が大きければ大きいほど、許容出来そしてリボンストリッピング後にいぜんとして清浄な裸の光学ガラス繊維を提供する、ファイバー摩擦の量が大きくなり且つ得られる抵抗力が大きくなる。そのような水準のファイバー摩擦を提供するために必要な固体潤滑の量は、内部1次被覆中に選択された固体潤滑剤の異なる濃度を有するリボンアセンブリの試験サンプルを造ることにより、当業者により容易に定されることが出来る。必要とされる固体潤滑剤の量は、本明細書において上記したように、外部1次被覆の存在が内部1次被覆のストリッピング能力に影響を有するので、完全なリボン構造物を用いて決定されるべきである。
固体潤滑剤の適当な量はまた、本明細書に記載されたファイバー引抜き(pull-out)摩擦試験方法およびクラック成長(crack Propagation)試験方法を用いることにより近似的に概算されることが出来、それにおいて約3未満の推定ストリップ清浄度を提供する固体潤滑剤の量が好ましい。
固体潤滑剤の適当な量は、合計内部1次被覆用組成物の重量により、約0.1%〜約20%、さらに好ましくは約0.1%〜約10%そして最も好ましくは約0.1%〜約5%であることが分かった。
好ましくは、界面活性剤が固体潤滑剤と組み合わせて使用される。適当な界面活性剤の例はフルオロスルホンアミド界面活性剤(3M製)、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール(Air Products製)、ビニルピロリドンとび長鎖アルファオレフインとの線状共重合体(Tnternational Specialty Products製)、Solsperse高MW重合体分散剤(Zeneca製)そして他の周知のアニオン性、カオチン性および非イオン性界面活性剤を包含する。
以下の非限定的例により、本発明をさらに説明する。
例6−1〜例6−3:
表10に示される成分を一緒に組み合わせて3種の異なる内部1次被覆用組成物を形成した。それらの組成物の粘度および透明度を測定した。
被覆用材料のフイルム(3ミル)を顕微鏡スライド上に造りそして次に上記方法と同じ方法でUV光に露光することにより硬化した。引っ張り強さ、伸びおよびモジュラスを測定した。
被覆用材料の75mmフイルムをまた造りそして適当に硬化した。クラック成長を次に測定した。ファイバー引抜き摩擦試験をまた、本明細書に記載されたとおりにして行なった。推定リボンストリップ清浄度を計算した。結果を表10に示す。
Figure 0003955333
Figure 0003955333
新規な滑り剤の使用
上に記載された新規な滑り剤(slip agents)は、ファイバー摩擦の所望の水準を提供するために所望に応じて、単独で、新規な滑り剤を組み合わせて、慣用の滑り剤と組み合わせての新規な滑り剤としてそして垂直力(normal force)の調節と組み合わせての新規な滑り剤として用いられることが出来る。
上記実験データに基づいて、90℃のような所望/計量リボンストリッピング温度で、約0.7mmより大きい、好ましくは約1mmより大きい、さらに好ましくは約1.5mmより大きいそして最も好ましくは約2mmより大きい内部1次被覆のクラック成長と組み合わせて、所望のリボンストリッピング温度で、約40(g/mm)またはそれ以下、好ましくは約30(g/mm)またはそれ以下、そしてさらに好ましくは約20(g/mm)またはそれ以下そして最も好ま約10(g/mm)またはそれ以下のファイバー摩擦を提供するように、内部1次被覆の組成物が、驚くべきことに配合されるかまたは選択されることが出来る。表11および例11−1はこの発明に従っての実施を例示する。
Figure 0003955333
線状オリゴマー
所望の場合、リボンストリッピング操作中に適用される力を伝達するための内部1次被覆の能力を増大させることによりリボンストリッピング能力が改良されることが出来る。一般には、内部1次被覆がリボンストリッピング操作中に適用される力を伝達するのに、効率が良ければ良いほど、内部1次被覆を除去するために適用されることを必要とするストリッピング力は小さくなる。
線状オリゴマー類の使用は、リボンストリッピング操作中に適用されるリボンストリッピング力を伝達するための、内部1次被覆の有効性そしてしたがって効率を改良することが出来ることがまた今や見い出された。一般に、オリゴマーの分子構造が一層線状であるようにデザインされる程度に、内部1次被覆を形成するときとき、オリゴマーは濃密に一緒にパックする。オリゴマーが一層濃密にパックされるようになるにつれて、リボンストリッピング中に適用されるストリッピング力を、内部1次被覆はそれだけ一層効率良く伝えることが出来ることが分かった。
リボンストリッピング中清浄にストリッピングするリボンアセンブリ(assembly)の能力は、外部1次被覆において結合された重合体が加熱の際に配向する能力を有しているならば、さらに改良されることが出来る。
高められたストリッピング能力を提供する、本発明に従う線状の、放射線硬化可能なオリゴマーの例は実質的に線状のバックボーンを含むのが好ましい。実質的に線状とはバックボーン実体(entity)(下記R2)における炭素原子の5%未満が主鎖に対するペンダントであることを意味する。適当なオリゴマーは下記式(4)により例示されることが出来る:
1−L−[R2−L]n−R3 (4)
(式中、R1およびR3は本明細書中に定義されたとおりの放射線硬化可能な官能基を有する有機基であり;
Lはウレタン、チオ−ウレタン、尿素またはエステル基、好ましくはウレタンのような、本明細書中に定義されたとおりの、架橋基を提供する結合基であり;
2は実質的に線状の炭素含有実体(entity)であり;そして
nは約1〜約40、好ましくは約1〜約20そして最も好ましくは約1〜約10であり;
しかも〔R2−L〕nの分子量が約500〜約20,000、好ましくは約1,000〜約10,000でありそして最も好ましくは約1,500〜約6,000である)。
nが1である場合、〔R2−L〕は例えば約500〜約20,000の分子量を有する、ポリオレフイン、ポリエーテル、ポリカーボネートまたはポリエステル構造を含有することが出来る。nが約2〜約5である場合、〔R2−L〕は、約500〜約10,000の分子量を有するポリオレフイン、ポリエーテル、ポリカーボネートまたはポリエステルを含むことが出来る。nが約5〜約30である場合、〔R2−L〕は約500〜約4000の分子量を有するポリオレフイン、ポリエーテル、ポリカーボネートまたはポリエステルを表わすことが出来る。清浄にストリッピングする能力はR2が例えばポリテトラメチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、等のような実質的に線状のポリエーテルである場合に非常に有効であるように、特に思われる。
この発明に従う線状オリゴマー類はリボンストリッピング性能の所望の水準を提供するために適当な量で使用されることが出来る。所望の量は、リボンアセンブリに入れられている光学ガラス繊維上の、内部1次被覆においてそして場合により、同様に外部1次被覆において、選ばれた線状オリゴマー(1種または複数種)の異なる量を試験することにより当業者により容易に見出されることが出来且つ決定されることが出来る。この発明に従う線状オリゴマー類は内部1次被覆用組成物または外部1次組成物の合計重量に基づいて、約0.1〜約90重量%、好ましくは約5〜約80重量%、さらに好ましくは約5〜約60重量%の量で使用されることが出来ることが一般的に分かった。
例7−1〜例7−2:
表12に示される成分を一緒に組み合わせて内部1次被覆用組成物を形成した。それらの組成物を硬化しそして本明細書において定義したとおりに、硬化被覆のファイバー引抜き摩擦を測定した。試験結果を表12に示す。
Figure 0003955333
末端線状部分
少なくとも1つの末端線状部分を含有する放射線硬化可能なオリゴマーの使用は、リボンストリッピング操作中適用されるストッピング力を伝達するための内部1次被覆の効率をまた、改良することが出来ることが分かった。
高められたストリッピング能力を提供する本発明に従う放射線硬化可能なオリゴマーの例は下記の式により例示されることが出来る:
4−x−L−x−〔R5−X−L−x〕n−R6
(式中、R4は少なくとも1つのヒドロキシル基で終わっている実質的に線状の長鎖アルキル基であり;
各々のLは独立して、好ましくはジイソシアネート前駆体反応体から由来する、分子架橋用基を表わし;
各々のxは、とりわけ、ウレタン、チオウレタンまたは尿素実体(entity)のような結果として得られた反応結合基を表わし;別法としてエステル結合がまた使用されることが出来;
5は線状または分枝鎖状または環式炭化水素であるか、あるいはジオールから由来されそして150〜10,000、好ましくは500〜5,000そして最も好ましくは1,000〜2,000ダルトンの分子量を有するポリエーテル部分であり;
6は本明細書に定義されたとおりの放射線硬化可能な官能基、好ましくはアクリレートまたはメタクリレートを担持しそしてまた該L実体(entity)に対するヒドロキシル結合を有する未端基である)。
4は直鎖中のその炭素原子の少なくとも約80%を有するのが好ましく、少なくとも約90%を有するのがさらに好ましく;そして
nはゼロ〜30の数を表わすことが出来る。
一層長い炭素鎖は油に対する抵抗を減少させる可能性があるので、好ましくは、R4は約C9〜約C20を有するアルキル基である。アルキルの適当な例は、ラウリル、デシル、イソデシル、トリデシルおよびステアリルである。ラウリルが最も好ましい。
5は約6〜約15個の炭素原子を有する分枝鎖または環式脂肪族基を含有することが出来る。特に、R5はイソホロンジイソシアネート、DesW、TMDIおよびHXDIのようなジイソシアネート化合物の脂肪族部分であることが出来る。もしR5が分枝鎖部分である場合は、好ましくは分枝鎖単位の程度はR5中の炭素原子の合計数に基づいて、少なくとも約10モル%そしてさらに好ましくは少なくとも約20モル%である。
上記式に従うオリゴマー類は、例えば、第1反応において、(R5を形成するための)ジイソシアネート化合物の1モルを、(1)(R4を形成するための)ヒドロキシル基を含有する長鎖アルキルの1モルあるいは(2)ヒドロキシ官能基および(R6を形成するための)放射線硬化可能な官能基を含有する化合物の1モルと反応させることにより造られることが出来る。“L”に結合されたウレタン結合用基“x”はイソシアネート基をヒドロキシル基と反応させることにより形成される。第2反応において、残っているイソシアネート基を化合物の他のまだ未反応のヒドロキシル基と反応させる。ヒドロキシ官能化合物とイソシアネート官能分子との反応は当業界に周知でありそして必要に応じて、既知の触媒を用いて触媒作用されることが出来る。放射線硬化可能な官能基およびヒドロキシ基を含有する反応体の適当な例はアクリル酸ヒドロキシエチルまたはアクリル酸2−ヒドロキシプロピルである。線状長鎖アルキル類の適当な例はラウリルアルコール、デシルアルコール、イソデシルアルコール、トリデシルアルコールおよびステアリルアルコールを包含する。
結果として得られる放射線硬化可能なオリゴマーは、最終被覆のストリッピング能力を高めそして高い硬化スピードを有することが出来る被覆用組成物を生ずるモノマーとして、光学ガラス繊維被覆において、特に内部1次被覆において使用されることが出来る。
したがって、この発明に従う放射線硬化可能オリゴマー類はリボンストリッピング性能の所望の水準を提供するために適当な量で使用されることが出来る。所望量はリボンアセンブリに入れられた光学ガラス繊維上で、内部1次被覆においてそして場合により、同様に外部1次被覆において、選択された線状オリゴマー(1種または複数種)の異なる量を単に試験することにより当業者により容易に決定されることが出来る。この発明により提供されるオリゴマー類は内部1次被覆用組成物または外部1次組成物の合計重量に基づいて、一般に約1〜約90重量%、好ましくは約5〜約80重量%、そして最も好ましくは約5〜約60重量%の量で使用されることが出来ることが分かった。
例8−1および比較例H−1〜比較例H−3:
表13に示される成分を一緒に組み合わせて内部1次被覆用組成物にした。
被覆用材料の75ミクロン厚さのフイルムを造りそして適当に硬化した。本明細書に記されたとおりにしてファイバー引抜き摩擦試験を行ないそしてその試験結果を表13に示す。
Figure 0003955333
Figure 0003955333
表13における試験結果は、線状部分の長さが増大するにつれてファイバー引抜き摩擦が減少することを示している。
芳香族基
内部1次被覆を形成させるために使用されるオリゴマーおよびモノマー中に高い濃度の芳香族基を導入することによりリボンストリッピング能力がまた高められることが出来る。組成物成分の分子量を用いて計算して、合計組成物の100グラム当たり約0.1またはそれ以上の芳香族基を含む被覆用組成物が高い濃度の芳香族基を有するものとして見なされることが認識されるだろう。光学ガラス繊維の表面の隣のフエニル環の平面性(Planarity)は、リボンストリッピング中に光学ガラス繊維から離れて内部1次被覆が良好に滑動する能力を可能にすることが出来ると信じられる。
例9−1:
表14に示される成分を一緒に組み合わせて内部1次被覆用組成物を形成した。
被覆用材料の75ミクロンの厚さのフイルムを造りそして適当に硬化した。次にクラック成長を測定した。本明細書に記載されたとおりにして、摩擦試験をまた行なった。結果を表14に示す。
Figure 0003955333
高分子量重合体プロットおよび減少した濃度のウレタン
放射線硬化可能な1次光学ガラス繊維被覆用組成物(以後、これを“内部1次被覆用組成物”と称する)は、今は当業界に周知である。そのような内部1次被覆用組成物は通常、本明細書において上記したような、少なくとも1種の放射線硬化可能なオリゴマー、そして場合により反応性希釈剤、光開始剤および添加剤を含有する。
内部1次被覆用組成物において使用される放射線硬化可能なオリゴマーを再配合することにより、有意義に減少させたファイバー摩擦と組み合わせて、有意義に増大されたクラック成長を有する内部1次被覆が形成されることが出来ることが今や、見い出された。さらに、内部1次被覆中に実質的な量の滑り剤を使用することなしに、リボンストリッピング中に光学ガラス繊維の表面からきれいにストリッピングする能力を有する内部1次被覆を提供する水準にまで、クラック成長が増大されそしてファイバー摩擦が減少されることが出来ることが見い出された。或る場合において、滑り剤の使用を実質的に避けることが出来る。用語滑り剤は、放射線硬化可能なオリゴマーならびに放射線硬化可能なオリゴマーに結合されることが出来る滑り剤部分とは別であり且つ異なる成分を包含する。滑り剤の使用は、シグナル伝達の微小屈曲および減衰に導く可能性がある、熱帯性環境のような、熱いそして湿っている環境においてリボンアセンブリの使用中に内部1次被覆の望ましくない層剥離を起す可能性がある。したがって、リボンストリッピング可能な内部1次被覆を提供するために滑り剤の使用を実質的に避けることにより、本発明はそのような望ましくない層剥離に対して高められた抵抗を示す、リボンストリッピング可能な内部1次被覆を提供することが出来る。
少なくとも1種の放射性硬化可能な官能基が結合されている炭素含有バックボーンを含む放射線硬化可能なオリゴマーは当業界に周知である。通常、放射性硬化可能なオリゴマーの炭素含有バックボーンは、各々約2000までの分子量を有しそしてカップリング基を介して一緒に結合されている1つまたはそれ以上の重合体ブロックを含有する。したがって、約6000分子量を有するオリゴマーは各々が、カップリングを介して結合されている約2000の分子量を有する3つの重合体ブロックを、通常含有するだろう。放射線硬化可能な官能基はまた、通常カップリング基を介して炭素含有バックボーンに結合されている。
広範囲にわたる実験により、重合体ブロックの分子量が増大するにつれて、内部1次被覆のクラック成長が増大しそして内部1次被覆のファイバー摩擦が減少することが今や見い出された。重合体ブロックの分子量は、リボンストリッピングのために適当であるファイバー摩擦およびクラック成長を有する内部1次被覆を提供する水準にまで調節されるべきである。例えば、重合体ブロックの分子量は、約3またはそれ以下そして好ましくは約2またはそれ以下の推定ストリップ清浄度を提供する、ファイバー摩擦とクラック成長との組み合わせを有する内部1次被覆を提供する水準より以上に調節されることが出来る。別法として、重合体ブロックの分子量は、リボンストリッピング温度で、0.1mm/秒の速度で少なくとも約1.3mmのクラック成長と組み合わせて、0.1mm/秒の速度で約30g/mmまたはそれ以下のファイバー摩擦を有する内部1次被覆を提供する水準より以上に調節されることが出来る。好ましくは、ファイバー摩擦は約25g/mmまたはそれ以下そしてさらに好ましくは約20g/mmまたはそれ以下である。好ましくは、クラック成長は少なくとも約1.5mmそしてさらに好ましくは少なくとも約2mmである。クラック成長は通常約4以下であるがしかしそれより高いことも可能である。
2000より大きい、好ましくは少なくとも約2500そして最も好ましくは少なくとも約3000の分子量を有する重合体ブロックを使用することにより、上記のようなファイバー摩擦およびクラック成長を有する内部1次被覆が提供されることが出来ることが分かった。前記重合体ブロックの分子量は通常約10,000未満、好ましくは約8,000未満である。
カップリング基は、複数の重合体ブロック間そして(または)放射線硬化可能な官能基と重合体ブロックとの間で結合を提供することが出来る任意の基であることが出来る。適当なカップリング基の例は、ウレタン、尿素およびチオウレタンである。重合体ブロックの分子量および(または)ウレタン濃度を用いて、クラック成長およびファイバー摩擦を調節することに関する、本発明を実施する目的のために、以下の基は重合体ブロックの分子量を測定するときに、カップリング基とは考えられない:カーボネート基、エーテル基およびエステル基。したがって、重合体ブロックの分子量を決定するとき、エーテル基、カーボネート基およびエステル基は重合体ブロックの部分と考えられる。ウレタン基、チオウレタン基および尿素基により分離される重合体化合物は、別々の重合体ブロックと考えられる。ウレタンは好ましいカップリング基である。
通常、ウレタン基は放射線硬化可能なオリゴマーにおけるカップリング基として用いられる。例えば、各々が約2000の数平均分子量を有する、3重合体ブロックからなりそして2つの放射線硬化可能な官能基を含有する約6000の数平均分子量を有するオリゴマーならば、4つのウレタン結合を有するであろう。ウレタン結合の2つは放射線硬化可能な基を重合体ブロックに連結させておりそしてウレタン結合の2つは3つの重合体ブロックを一緒に連結させている。
内部1次被覆用組成物中に存在するウレタン結合の濃度が減少されるにつれて、内部1次被覆のクラック成長が増大しそして内部1次被覆のファイバー摩擦が減少することが今や見い出された。したがって、用語ウレタン濃度は内部1次被覆用組成物の合計重量に基づいて、内部1次被覆用組成物中に存在するすべてのウレタン結合の重量パーセンテージを表わす。
この発見に基づいて、ウレタン濃度は、所望のリボンアセンブリをリボンストリッピングするために適当であるファイバー摩擦およびクラック成長を有する内部1次被覆を提供する水準より以下に調節されるべきである。例えば、ウレタン濃度は、約3またはそれ以下そして好ましくは約2またはそれ以下の推定ストリップ清浄度を提供するファイバー摩擦およびクラック成長の組み合わせを有す内部1次被覆を提供する水準より以下に調節されることが出来る。もしウレタン結合の濃度が約4重量%またはそれ以下であるならば、約3またはそれ以下の推定ストリップ清浄度を示す、ファイバー摩擦およびクラック成長を有する内部1次被覆が提供されることが出来ることが分かった。好ましくは、ウレタン濃度は約3.5重量%またはそれ以下、さらに好ましくは約2.5重量%またはそれ以下そして最も好ましくは約2重量%またはそれ以下である。
約3,000〜約10,000、さらに好ましくは約3,500〜約8,000のような一層高い分子量のオリゴマーについて、ファイバー摩擦およびクラック成長へのウレタン濃度の効果は一層顕著になる。したがって、好ましくは、ウレタンオリゴマーは、約4重量%またはそれ以下のウレタン濃度と組み合わせて約3,000〜約10,000の分子量、さらに好ましくは約3.5%またはそれ以下のウレタン濃度と組み合わせて約3,500〜約8,000分子量そして最も好ましくは約3%またはそれ以下のウレタン濃度と組み合わせて約3,500〜約8,000の分子量を有する。
重合体ブロックは、例えばポリエーテル類、ポリオレフイン類、ポリカーボネート類、ポリエステル類、ポリアミド類またはそれらの共重合体を含むことが出来る。好ましくは、重合体ブロックはポリエーテル類を含む。
使用される放射線硬化可能な官能基は活性照射線(化学線)に露出されたときに重合出来る任意の官能基であることが出来る。適当な照射硬化可能な官能基は今では周知でありそして当業者の技術の範囲である。
通常、使用される放射線硬化可能な官能性はラジカル重合またはカチオン重合により重合されることが出来る、エチレン不飽和である。適当なエチレン不飽和の特定な例はアクリレート、メタクリレート、スチレン、ビニルエーテル、ビニルエステル、N−置換アクリルアミド、N−ビニルアミド、マレイン酸エステルおよびフマル酸エステルを含有する基である。好ましくは、エチレン不飽和はアクレート、メタクレートまたはスチレン官能性そして最も好ましくはアクリレートまたはメタクリレートを含有する基により提供される。
一般に使用される他のタイプの放射線硬化可能な官能性は、例えばエポキシ基、あるいはチオール−エンまたはアミン−エンシステムにより提供される。エポキシ基はカオチン重合により重合されることが出来、それに対してチオール−エンおよびアミン−エンシステムは通常、ラジカル重合により重合される。エポキシ基は、例えば単独重合されることが出来る。チオール−エンおよびアミン−エンシステムにおいて、例えば、重合はアリル不飽和を含有する基と第三級アミンまたはチオールを含有する基のと間で起こる可能性がある。
放射線硬化可能なオリゴマーは、重合体ポリオール、放射線硬化可能な官能基とヒドロキシル基とを含有する化合物、およびポリイソシアネートを反応させることにより容易に形成されることが出来る。ウレタン結合を形成するためのイソシアネート官能基とヒドロキシル基との一般的反応は当業界に周知である。したがって、当業者は本明細書に提供された開示に基づいて、本発明に従う改良されたオリゴマーを造ることが出来るだろう。
放射線硬化可能なオリゴマーを形成するために使用されることが出来る適当な重合体ポリオールの例は、ポリエーテルジオール、ポリオレフインジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオールおよびそれらの混合物を包合する。ポリエーテルジオールおよびポリカーボネートジオールまたはそれらの組み合わせが好ましい。重合体ブロックは放射線硬化可能なオリゴマーを形成するための反応後の、重合体ポリオールの残分である。
もしポリエーテルジオールが使用されるならば、好ましくはそのポリエーテルは実質的に非結晶性のポリエーテルである。好ましくはそのポリエーテルは以下のモノマー基の1種またはそれ以上の繰り返し単位を含む:
Figure 0003955333
したがって、適当なポリエーテルは、エポキシ−エタン、エポキシ−プロパン、テトラヒドロフラン、メチル置換テトラヒドロフラン、エポキシブタン、等から造られることが出来る。使用されることが出来る適当なポリエーテルポリオールの市販の例はPTGL2500、PTGL3000、PTGL3500およびPTGL4000(保土ヶ谷化学カンパニー製)である。
もしポリオレフインジオールが使用される場合、そのポリオレフインは複数のヒドロキシル末端基を含有する線状または分枝鎖状炭化水素が好ましい。その炭化水素はオリゴマーのための炭素水素バックボーンを提供する。好ましくはその炭化水素は、過半数のメチレン基(−CH2−)を含有しそして内部不飽和および(または)ペンダント不飽和を含有することが出来る非芳香族化合物である。適当な炭化水素ジオールの例は、例えば、ヒドロキシル末端を有する;十分にまたは部分的に水素添加された1,2−ポリブタジエン;1,4−ポリブタジエンの共重合体;1,2−ポリブタジエンの共重合体;ポリイソブチレンポリオール;それらの混合物、等を包含する。好ましくは炭化水素ジオールは実質的に十分に水素添加された1,2−ポリブタジエン−エテン共重合体または1,2−ポリブタジエン−エテン共重合体である。
ポリカーボネートジオールの例には、ジエチレンカーボネートとジオールのアルコール分解により従来手法で作成するものがある。
ポリエステルジオールの例には、飽和ポリカルボン酸またはその酸無水物、とジオールの反応生成物がある。市場から入手できる例は、ポリカプロラクトンであり、ユニオンカーバイド社の商品名トーンポリロールシリーズ製品として入手でき、例えばトーン0200、0221、0301、0310、2201、と2221がある。トーンポリオール0301と0310は3官能性である。
全ての有機ポリイソシアネートは、単独または混合して、ポリイソシアネートとして使用できる。好適なジイソシアネートの倒には、
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、
トルエンジイソシアネート(TDI)、
ジフェニルメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、
シクロヘキシレンジイソシアネート、
メチレンジシクロヘキサンジイソシアネート、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
m−フェニレンジイソシアネート、
4−クロロ−1,3−フェニレンジイソシアネート、
4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、
1,5−ナフチレンジイソシアネート、
1,4−テトラメチレンジイソシアネート、
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、
1,10−デカメチレンジイソシアネート、
1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、と
ポリアルキルオキサイドとポリエステルグリコールジイソシアネート、例えば、それぞれTDI末端ポリテトラメチレンエーテルグリコールとTDI末端ポリエチレンアジペート、
がある。好適なイソシアネートはTDIまたはIPDIである。
ウレタン結合を含有するオリゴマー、モノマー及び/又は添加剤を前記放射線硬化性オリゴマーと混合して使用して内部1次被覆用組成物を作成する場合、それぞれのオリゴマー、モノマー及び/又は添加剤中に存在するウレタン結合の濃度は、ウレタン濃度の計算に含まなければならない。ウレタン結合を含有する通常のモノマーの例には、
トリメチロールプロパントリアクリレート、
ヘキサン−2,4,6−トリオール、またはグリセロール、エトキシル化グリセロール、またはプロポキシル化グリセロールからのトリアクリレートまたはメタクリレート、
ヘキサンジオールジアクリレート、
1,3−ブチレングリコールジアクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート、
ポリエチレングリコール−200ジアクリレート、
テトラエチレングリコールジアクリレート、
トリエチレングリコールジアクリレート、
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、
トリプロピレングリコールジアクリレート、
エトキシル化ビスフェノール−Aジアクリレート、
トリメチロールプロパンジアクリレート、
ジートリメチロールプロパンテトラアクリレート、
トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレート、
ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、
エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、
トリエチレングリコールジメタクリレート、
エチレングリコールジメタクリレート、
テトラエチレングリコールジメタクリレート、
ポリエチレングリコール−2000ジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
ポリエチレングリコール−600ジメタクリレート、
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
エトキシル化ビスフェノール−Aジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、
ジエチレングリコールジメタクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、
ジエチレングリコールジメタクリレート、
ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、
グリセリンジメタクリレート、
トリメチロールプロパンジメタクリレート、
ペンタエリスリトールトリメタクリレート、
ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートなど、とそれらの混合物、がある。
また、モノ(メタ)アクリレート類が使用でき、例えば、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
イソボルニル(メタ)アクリレート、
ラウリル(メタ)アクリレート、
アルコキシル化フェノールアクリレート、
イソオクチルアクリレート、
2−エチルヘキシル−アクリレート、
ヒドロキシエチルアクリレート、と
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、などがある。
ブロック高分子配合物の使用を説明する以下の例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明を以下の例に限定するものではない。
実施例10−1〜10−14、と比較例J−1〜J−11
前記したと同様な方法で、表15と16に示す成分を組み合わせて、内部1次被覆用組成物を作成した。組成物の粘度を前記したように測定して、表15と16に示した。前記したと同様な方法で、内部1次被覆用組成物をUV放射線に暴露し、ファイバー摩擦とクラック成長(propagation)特性を測定した。試験結果を表15と16に示した。
Figure 0003955333
Figure 0003955333
Figure 0003955333
Figure 0003955333
Figure 0003955333
実施例10−6〜10−8、と比較例J−10から判るように、ウレタンの濃度が減少すると、クラック成長が増加し、且つファイバー摩擦が減少する。さらに、高分子ブロックの分子量が増加すると、クラック成長が増加し、ファイバー摩擦が減少する。
同様に、実施例10−3〜10−5、と比較例J−11から判るように、ウレタン濃度が減少すると、クラック成長が増加し、ファイバー摩擦が減少する。さらに、高分子ブロックの分子量が増加すると、クラック成長が増加し、ファイバー摩擦が減少する。実施例10−3〜10−5は、実施例10−6〜10−8に比較して可なり多くの放射線硬化性オリゴマーを使用した、そしてファイバー摩擦とクラック成長に関して同様な傾向が明らかに強調された。この実験的証明によって、ファイバー摩擦とクラック成長の傾向は主にオリゴマーに依存していることが判る。さらに、これらの実施例では、ポリエーテル型高分子ブロックを用いた。
実施例10−1と10−2は、ポリエーテル型高分子ブロックとしてポリプロピレンオキサイド高分子ブロックを使用する時、クラック成長とファイバー摩擦が、高分子ブロック及び/又は所望により用いるウレタンの濃度になお依存することを強調している。特に、ウレタン濃度が減少するに従い、クラック成長が増加し、ファイバー摩擦が減少する。さらに、高分子ブロックの分子量が増加するに従い、クラック成長が増加し、ファイバー摩擦が減少する。
実施例10−4、10−7、と10−10〜10−14は、異なる量の同一放射線硬化性オリゴマーを使用した。実験結果は、クラック成長とファイバー摩擦に見られる傾向は、高分子ブロックの分子量及び/又はウレタン濃度に基づいていることを強調する。
表15の試験結果は、分子量及び/又はウレタン濃度に基づくクラック成長とファイバー摩擦に関する前記の傾向は、オリゴマーの種類に依存せず、そして一般的に異種のオリゴマー間の整合性を強調している。
図7は、上記の表15と16に示すデータを含むグラフを表す。図7から明らかなように、内部1次被覆用組成物中のウレタン濃度は、ファイバー引抜き摩擦に直接影響を及ぼしている。ウレタン濃度が減少するに従い、ファイバー引抜き摩擦が減少する。
図8は、実施例10−10〜10−14で、ウレタン濃度に対するファイバー摩擦をグラフで説明する。図8は、内部1次被覆用組成物中で、ファイバー引抜き摩擦とウレタン濃度間に直接的な相関関係があることを強調している。特に、ウレタン濃度が減少すると、ファイバー引抜き摩擦も減少する。
実施例10−15〜10−22
内部1次被覆用組成物を、上記と同様な方法で、表17に示す成分を組み合わせて作成した。組成物の粘度を上記のように測定し、結果を表17に示す。上記と同様な方法で、内部1次被覆用組成物をUV放射線に暴露して硬化させ、そしてファイバー摩擦とクラック成長特性を測定した。試験結果を表17に示す。
Figure 0003955333
図9は、実施例10−15〜10−22の実験結果をグラフにして説明している。図9から判るように、ウレタン濃度が減少するに従い、ファイバー引抜き摩擦は減少する。
実施例10−22A〜10−24
内部1次被覆用組成物を、上記と同様な方法で、表18に示す成分を組み合わせて作成した。組成物の粘度を上記のように測定し、結果を表18に示す。上記と同様な方法で、内部1次被覆用組成物をUV放射線に暴露して硬化させ、そしてファイバー摩擦とクラック成長特性を測定した。試験結果を表18に示す。
Figure 0003955333
実施例10−22Aと10−24を比較すれば、高分子量の高分子ブロックを使用することにより、即ち実施例10−22Aにおける2000g/モルに対する実施例10−24における4200g/モルでは、ファイバー摩擦が可なり減少し、クラック成長も減少する。ウレタン濃度は、両実施例10−22Aと10−24で同水準である。使用したオリゴマーはポリエーテル型バックボーンであった。
実施例10−25〜10−28
内部1次被覆用組成物を、上記と同様な方法で、表19に示す成分を組み合わせて作成した。組成物の粘度を上記のように測定し、結果を表19に示す。上記と同様な方法で、内部1次被覆用組成物をUV放射線に暴露して硬化させ、そしてファイバー摩擦とクラック成長特性を測定した。試験結果を表19に示す。
Figure 0003955333
図10は、実施例10−25〜10−28の実験結果をグラフにして説明している。図10から判るように、ウレタン濃度が減少するに従い、ファイバー引抜き摩擦は減少する。使用したオリゴマーはポリオレフィン型バックボーンである。
実施例10−29〜10−32
内部1次被覆用組成物を、上記と同様な方法で、表20に示す成分を組み合わせて作成した。組成物の粘度を上記のように測定し、結果を表20に示す。上記と同様な方法で、内部1次被覆用組成物をUV放射線に暴露して硬化させ、そしてファイバー摩擦とクラック成長特性を測定した。試験結果を表20に示す。
Figure 0003955333
図11は、実施例10−29〜10−32の実験結果をグラフにして説明している。図11から判るように、ウレタン濃度が減少するに従い、ファイバー引抜き摩擦は減少する。
実施例10−33〜10−36
内部1次被覆用組成物を、上記と同様な方法で、表21に示す成分を組み合わせて作成した。組成物の粘度を上記のように測定し、結果を表21に示す。上記と同様な方法で、内部1次被覆用組成物をUV放射線に暴露して硬化させ、そしてファイバー摩擦とクラック成長特性を測定した。試験結果を表21に示す。
Figure 0003955333
表21の試験結果は、ウレタン濃度が減少するに従い、ファイバー引抜き摩擦が減少し、クラック成長が増加することを表している。また、表21の試験結果は、高分子ブロックの分子量が増加するに従い、ファイバー引抜き摩擦が減少し、クラック成長が増加することを表している。用いた高分子ブロックは、ポリカーボネートであった。
リボンアセンブリー
現在では、業界ではリボンアセンブリーは、よく知られており、当業者は此処になされた開示に従い容易に、所望の用途に適した高められたリボンストリップ性をもつ新規なリボンアセンブリーを製造可能である。本発明に従い作成する新規リボンアセンブリーは、種々の遠距離通信システムに利用できる。通常、この遠距離通信システムは、光ガラスファイバーを使用するリボンアセンブリーを含み、送信機、受信機と交換機と組み合わせて使用する。被覆光ガラスファイバーを含有するリボンアセンブリーは、遠距離通信システムの基本的接続ユニットである。リボンアセンブリーは、都市間のような長距離接続のために、地下または水中に埋設される。また、リボンアセンブリーは、住宅間を直接接続するために用いることもできる。
また、本発明に従い作成する新規リボンアセンブリーは、ケーブルテレビジョンシステムでも使用できる。通常、ケーブルテレビジョンシステムは、光ガラスファイバーを用いたリボンアセンブリー、送信機、受信機と交換機を含んでいる。被覆光ガラスファイバーを用いたリボンアセンブリーは、このようなケーブルテレビジョンシステムの基本的接続ユニットである。リボンアセンブリーは、都市間のような長距離接続のために、地下または水中に埋設される。また、リボンアセンブリーは、住宅間を直接接続するために用いることもできる。
また、新規リボンアセンブリーは、広範囲な種々の技術にも利用でき、例えば種々のセキュリティシステム、データ送信ライン、高密度テレビジョン、とコンピューター応用システムなどに利用できるが、これらに限定するものではない。ここに記載した、ファイバー摩擦力とコーテイングの凝集力の関係、及びこのような特徴と機能を制御し定着させることを含む基本的な発見の結果として、光学ファイバー技術は重大な利益をもたらすと評価されている。これらは、以上に説明したように、ストリッピング(stripping)とケーブルスプライシング(splicing)に先ず現れているが、これらの操作は通信のリボン/ケーブルネットワークの構築には重要である。
本発明を詳細に、そして特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、発明の請求の範囲内で種々の変更と変性を成しうることは当業者には明白である。例えば、本発明は、主に光学ファイバーのリボン構成とアセンブリーを参照して説明したが、複数ファイバーのコンジットとケーブルの幾何学的、構造上の配置に同様に適用可能である。
従って、出願人は、本発明の範囲は下記の請求の範囲に記載した語句によって完全に限定され、そしてその他の方法では限定を受けないものと信じる。

Claims (28)

  1. 放射線の影響下で重合する少なくとも1種の官能基を有するオリゴマーを含有する、光ガラスファイバー用の放射線硬化性内部1次被覆用組成物であって、
    放射線の影響下で重合する少なくとも1種の官能基、及びポリエーテル類、ポリカーボネート類、ポリエステル類、ポリアミド類またはそれらの共重合を含む重合体ブロック、を有するオリゴマーと、
    シランカップリング剤と、を含有し、
    放射線硬化後に、
    (a)ストリッピング中に加熱される温度で20g/mm以下のファイバー引抜き摩擦、
    (b)ストリッピング中に加熱される温度で1.0mm以上のクラック成長、
    (c)10℃以下のガラス転移温度、と
    (d)取り扱い時に水分の存在下で層間剥離を防止するために前記ガラスファイバーに対する十分な接着力
    の特性の組合わせを有することを特徴とする前記組成物。
  2. 前記ストリッピング中に加熱される温度が90℃であり、
    放射線硬化後に、95%の相対湿度に条件設定した時、少なくとも12g/インチのガラスに対する接着力を有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
  3. 放射線の影響下で重合する少なくとも1種の官能基を有するオリゴマーを含有する、光ガラスファイバー用の放射線硬化性内部1次被覆用組成物であって、
    放射線の影響下で重合する少なくとも1種の官能基、及びポリエーテル類、ポリカーボネート類、ポリエステル類、ポリアミド類またはそれらの共重合を含む重合体ブロック、を有するオリゴマーと、
    シランカップリング剤と、を含有し、
    放射線硬化後に、
    (a)ストリッピング中に加熱される温度で20g/mm以下のファイバー引抜き摩擦、
    (b)ストリッピング中に加熱される温度で0.7mm以上のクラック成長、
    (c)0℃以下のガラス転移温度、と
    (d)取り扱い時に水分の存在下で層間剥離を防止するために前記ガラスファイバーに対する十分な接着力
    の特性の組合わせを有することを特徴とする前記組成物。
  4. 前記ストリッピング中に加熱される温度が90℃であり、
    放射線硬化後に、95%の相対湿度に条件設定した時、少なくとも5g/インチのガラスに対する接着力を有することを特徴とする請求項3記載の組成物。
  5. 少なくとも1種のオリゴマーが、
    少なくとも1種のガラスカップリング部分
    少なくとも1種のスリップ剤部分、と
    少なくとも1種の放射線硬化性部分
    を含有する放射線硬化性オリゴマーである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記内部1次被覆用組成物に溶解する可溶性ワックスを含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 少なくとも1種のオリゴマーが、
    シリコーン化合物、と
    少なくとも1種の放射線硬化性部分
    を含有するシリコーンオリゴマーである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 放射線硬化性シリコーン化合物を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 少なくとも1種のオリゴマーが、
    フッ素化化合物、と
    少なくとも1種の放射線硬化性部分
    を含有する放射線硬化性フッ素化オリゴマーである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  10. フッ素化化合物を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 固体潤滑剤を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 少なくとも1種のオリゴマーが実質的にリニアーである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 少なくとも1種のオリゴマーが、放射線の影響下で重合する少なくとも1種の官能基にウレタン基を介し結合した、少なくとも1種の高分子ブロックを有するウレタンオリゴマーであり、そして前記ウレタン基の濃度が前記内部1次被覆用組成物の総重量を基準にして4%またはそれ以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 少なくとも1種のオリゴマーが、放射線の影響下で重合する少なくとも1種の官能基に結合基を介して結合した、少なくとも1種の高分子ブロックを含み、そして前記少なくとも1種の高分子ブロックが少なくとも2000の分子量を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  15. オリゴマーとモノマー希釈剤を含有し、前記オリゴマーとモノマー希釈剤が、オリゴマーとモノマー希釈剤の混合された量を基準にして高芳香族含有量である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 前記シランカップリング剤がγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 前記オリゴマーがポリエーテル類を含む重合体ブロックを有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の組成物。
  18. 放射線硬化後のTgが−20℃未満である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の組成物。
  19. 前記オリゴマーは脂肪族ジイソシアネートを用いて得られたオリゴマーである、請求項18記載の組成物。
  20. 前記オリゴマーはイソホロンジイソシアネートを用いて得られたオリゴマーである、請求項18記載の組成物。
  21. ガラス表面に接している内部1次被覆を放射線硬化後に形成する請求項1〜20のいずれか一項に記載の放射線硬化性内部1次被覆用組成物と、内部1次被覆の上に載っている外部1次被覆を放射線硬化後に形成する放射硬化性外部1次被覆用組成物とを含む光ガラスファイバーのコーテイングシステムであって、
    前記外部1次被覆用組成物が、
    放射線の影響下で重合する少なくとも1種の官能基を有するオリゴマーを含有し、放射線硬化後の前記外部1次被覆用組成物が、
    (e)40℃以上のガラス転位温度、と
    (f)ストリッピング中に加熱される温度で10〜40MPaの弾性率の特性の組合わせを有し、そして
    前記硬化組成物を25℃からストリッピング中に加熱される温度に加熱した時に、放射線硬化後の前記内部1次被覆用組成物の長さ変化、対放射線硬化後の前記外部1次被覆用組成物の長さ変化の比率が、2以下であることを特徴とする前記システム。
  22. 放射線硬化後の前記外部1次被覆用組成物が、100℃で10MPa〜40MPaの弾性率を有する、請求項21記載のシステム。
  23. ガラス表面に接している内部1次被覆を放射線硬化後に形成する放射線硬化性内部1次被覆用組成物と、内部1次被覆の上に載っている外部1次被覆を放射線硬化後に形成する放射線硬化性外部1次被覆用組成物とを含む光ガラスファイバーのコーテイングシステムであって、
    前記内部1次被覆用組成物が、放射線の影響下で重合する少なくとも1種の官能基、及びポリエーテル類、ポリカーボネート類、ポリエステル類、ポリアミド類またはそれらの共重合を含む重合体ブロックを有するオリゴマーと、
    シランカップリング剤と、を含有し、
    放射線硬化後の前記内部1次被覆用組成物が、
    (a)ストリッピング中に加熱される温度で40g/mm以下のファイバー引抜き摩擦、
    (b)ストリッピング中に加熱される温度で1.0mm以上のクラック成長、
    (c)10℃以下のガラス転移温度、と
    (d)取り扱い時に水分の存在下で層間剥離を防止するために前記ガラスファイバーに対する十分な接着力
    の特性の組合わせを有し、そして
    前記外部1次被覆用組成物が、放射線の影響下で重合する少なくとも1種の官能基を有するオリゴマーを含有し、放射線硬化後の前記外部1次被覆用組成物が、
    (e)40℃以上のガラス転移温度、と
    (f)ストリッピング中に加熱される温度10〜40MPaの弾性率の特性の組合わせを有し、そして
    前記硬化組成物を25℃からストリッピング中に加熱される温度に加熱した時に、放射線硬化後の前記内部1次被覆用組成物の長さ変化、対放射線硬化後の前記外部1次被覆用組成物の長さ変化の比率が、2以下であることを特徴とする前記システム。
  24. 放射線硬化後の前記内部1次被覆用組成物が、
    (a)90℃で40g/mm以下のファイバー引抜き摩擦、
    (b)90℃で1.0mm以上のクラック成長、
    (c)10℃以下のガラス転移温度、と
    (d)95%の相対湿度に条件設定した時、少なくとも12g/インチのガラスに対する接着力
    の特性の組合わせを有し、
    放射線硬化後の前記外部1次被覆用組成物が、
    (e)40℃以上のガラス転移温度、と
    (f)100℃で10〜40MPaの弾性率の特性の組合わせを有する、請求項23記載のシステム。
  25. ガラス表面に接している内部1次被覆を放射線硬化後に形成する放射線硬化性内部1次被覆用組成物と、内部1次被覆の上に載っている外部1次被覆を放射線硬化後に形成する放射線硬化性外部1次被覆用組成物とを含む光ガラスファイバーのコーテイングシステムであって、
    前記内部1次被覆用組成物が、放射線の影響下で重合する少なくとも1種の官能基、及びポリエーテル類、ポリカーボネート類、ポリエステル類、ポリアミド類またはそれらの共重合を含む重合体ブロックを有するオリゴマーと、
    シランカップリング剤と、を含有し、
    放射線硬化後の前記内部1次被覆用組成物が、
    (a)ストリッピング中に加熱される温度で40g/mm以下のファイバー引抜き摩擦、
    (b)ストリッピング中に加熱される温度で0.7mm以上のクラック成長、
    (c)0℃以下のガラス転移温度、と
    (d)取り扱い時に水分の存在下で層間剥離を防止するために前記ガラスファイバーに対する十分な接着力
    の特性の組合わせを有し、そして
    前記外部1次被覆用組成物が、
    放射線の影響下で重合する少なくとも1種の官能基を有するオリゴマーを含有し、放射線硬化後の前記外部1次被覆用組成物が、
    (e)40℃以上のガラス転移温度、と
    (f)ストリッピング中に加熱される温度で25MPa以上の弾性率
    の特性の組合わせを有し、そして
    前記硬化組成物を25℃からストリッピング中に加熱される温度に加熱した時に、放射線硬化後の前記内部1次被覆用組成物の長さ変化、対放射線硬化後の前記外部1次被覆用組成物の長さ変化の比率が、2以下である
    ことを特徴とする前記システム。
  26. 放射線硬化後の前記内部1次被覆用組成物が、
    (a)90℃で40g/mm以下のファイバー引抜き摩擦、
    (b)90℃で0.7mm以上のクラック成長、
    (c)0℃以下のガラス転位温度、と
    (d)95%の相対湿度に条件設定した時、少なくとも5g/インチのガラスに対する接着力
    の特性の組合わせを有し、
    放射線硬化後の前記外部1次被覆用組成物が、
    (e)40℃以上のガラス転移温度、と
    (f)100℃で25MPa以上の弾性率
    の特性の組合わせを有することを特徴とする請求項25記載のシステム。
  27. 放射線硬化後のコーテイングシステムで被覆した被覆光ガラスファイバーであって、
    前記システムが請求項21〜26のいずれか一項に記載のシステムである、被覆光ガラスファイバー。
  28. 少なくとも内部1次被覆と外部1次被覆によって被覆されている複数の被覆光ガラスファイバーと、
    前記複数の被覆光ガラスファイバーを一体になるように結合させているマトリックス材料と、を含むリボンアセンブリーであって、
    少なくとも1種の被覆光ガラスファイバー請求項27記載の被覆光ガラスファイバーであることを特徴とする前記リボンアセンブリー
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