JP3954009B2 - 炭酸ガスの固定化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭酸ガスの固定化方法、アルカリ土類金属炭酸塩の製造方法、炭酸ガスの処理方法およびアルカリ土類金属の抽出方法に関する。
1957年以降世界各地で炭酸ガス濃度の正確な測定が行われてきている。その結果によると、夏は植物が繁茂し大気中の炭酸ガスは固定されて大気中の炭酸ガス濃度が減少し、冬は枯葉の分解等により炭酸ガス濃度が大きくなる。しかし、通年としては最近では確実に毎年炭酸ガス濃度が上昇している。地球表層の熱収支に重要な影響を持つ大気中の炭酸ガスの温室効果により平均気温の上昇、それに伴う種々の問題の発生が危惧され、国際的に緊急の課題とされるようになった。炭酸ガス濃度の増加原因は、化石燃料の消費と森林伐採にあるとされている。したがって、上記の如き現象に対する対策の一環として、炭酸ガスの分離・回収および固定化に関する研究が幅広く盛んに行われている。分離技術としては、主として(i)吸収法、(ii)吸着法および(iii)膜分離法、の手法に基づいて研究が進められている。炭酸ガスを吸収させることによって行う(i)の方法は、物理的方法と化学的方法に分けられる。前者は、液体媒体に対する炭酸ガスの吸収量が圧力と温度に依存することを利用したものであり、液体媒体として水、メタノール、ポリエチレングリコールジメチル等が用いられている。しかし、この方法は炭酸ガスを吸収させた液体をその後どのように処理するのかが未解決であり、また減圧によって炭酸ガスが再放出してしまう等の問題点があり、炭酸ガスを一時的に吸収しておく手段でしかない。後者の化学的方法は、モノエタノールアミン等のアミンで下記の反応式のように、炭酸ガスを化学的に吸収させるものである。しかし、この方法の場合にも物理的方法と同様の解決すべき問題点が残されている。
R−NH + HO + CO →R−NHHCO
このほか、化学的吸収法には、加圧下で約120℃の炭酸カリの水溶液と炭酸ガスを接触させ、下記の反応式のように炭酸ガスを吸収させる熱炭酸カリ法もある。
CO + CO + HO→2KHCO
しかし、この方法もコスト高であり、炭酸ガスを吸収させた後の液の処理や廃棄をどうするか等の問題点を抱えている。次いで炭酸ガスを吸着させることによって行う(ii)の方法は、炭酸ガスをゼオライト、活性炭等に吸蔵させる方法である。これはゼオライトや活性炭の分子篩としての性質を利用するもので、メタンガスや燃焼排ガス中の炭酸ガスの除去等がこれまでに試みられている。しかし、この方法は希薄なガスの分離には有効でないことや、ゼオライトや活性炭の再生において炭酸ガスを放出すること、およびゼオライトは炭酸ガスよりも水を優先的に吸着するため、微量の水の存在下においても炭酸ガスの吸着量が著しく低下する等の欠点を有している。さらに、(iii)は、膜中を通るガスの透過が物質毎に異なることを利用して炭酸ガスを分離する方法である。酢酸セルロース、ポリイミド、ポリスルフォン酸等の高分子膜が炭酸ガスの分離のために利用されている。しかし、この方法の場合、膜の安定性や耐久性に問題があること、分離した炭酸ガスの保存に大容量の容器が必要なこと、最終的には炭酸ガスを安定な形で固定化しなければならないこと等、系統的なプロセスの中の一部分を担う補足的なプロセスに過ぎないといった諸問題点を含んでいる。
次に、炭酸ガスの固定化技術としては、主として、(a)化学的固定化法、(b)生物的固定化法および(c)隔離貯留法、に基づいて研究が進められている。(a)の方法は、人工光合成を利用したり、工業用原料として再生したり、または炭酸塩化して炭酸ガスを固定化する方法であるが、反応効率が悪い、多大のエネルギーの投入が必要、または反応速度が小さいなどの問題点がある。特に地球に多産するケイ酸カルシウム(CaSiO)により、炭酸ガスを炭酸カルシウム(CaCO)として固定する方法は、炭酸塩が安定で無害であるので大変有望な固定化法であるとされており研究事例(非特許文献1および非特許文献2)が多い。しかしながら、炭酸ガスを炭酸カルシウムとして固定化する反応速度が遅く、高温高圧条件下にて反応を加速する必要があり、また固定化の反応を促進するために塩酸、酢酸等の酸が用いられる事例があるが、この場合酸の回収が難しい等、いずれも実用化には到っていない。(b)の方法としては、植林、細菌藻類利用等によるものであるが、この方法も効率が悪いという問題点を有している。(c)は、炭酸ガスを地中や海中に投棄する方法である。海中への投棄法は、火力発電所、製鉄所、セメント工場等の炭酸ガス大量発生源から炭酸ガスを分離回収し、これを500m以上の深海にパイプラインで送り込むことにより、炭酸ガスを液体のまま閉じ込めるというものである。しかし、この方法は環境に与える影響等が未検討であり、また巨額な設備費を必要とする等の問題点を有する。海中投棄、地中への圧入のいずれの場合も、炭酸ガスがその後漏れ出してくるという懸念がある。上記したように、現段階ではいずれも何らかの課題を抱えており、現状では、炭酸ガスの固定化技術としては実用化には到っていない。分離・回収技術および固定化技術の実用化のためには、簡便で低コストであること、化学的に安定な物質として固定化できること、固定化の結果得られる物質が有効利用できること等が重要である。このような実用化可能な炭酸ガスの分離・回収および固定化技術が強く求められている。
W. K. O’ Conner, D.C. Dahlin, G. E. Rush, C. L., Dahlin and W. K.Collins, Minerals & Metallurgical Processing, 19(2)、95-101(2002) 第18回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス、飯塚ら、2002.1.24〜25
本発明は、簡便、低コストで、化学的に安定な物質として炭酸ガスを固定化する炭酸ガスの固定化方法、有効利用可能なアルカリ土類金属炭酸塩の製造方法、簡便、低コストな炭酸ガスの処理方法またはアルカリ土類金属の抽出方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意・検討を行った結果、炭酸ガスを含む気体を、(イ)水と(ロ)アルカリ土類金属含有物質と(ハ)弱塩基と強酸の塩とから得られる水溶液に接触させてアルカリ土類金属の炭酸塩を生成させることを特徴とする炭酸ガスの固定化方法、アルカリ土類金属炭酸塩の製造方法、炭酸ガスの処理方法、およびアルカリ土類含有物質を弱塩基と強酸の塩から得られる水溶液に接触させてアルカリ土類金属をアルカリ土類金属強酸塩として水溶液中に移行させることを特徴とするアルカリ土類金属の抽出方法を開発することに成功すると共に、これらの方法が上記した種々の問題点を一挙に解決することを知見した。さらに検討を重ねて本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は、
(1)炭酸ガスを含む気体を、(イ)水と(ロ)アルカリ土類金属含有物質と(ハ)弱塩基と強酸の塩とから得られる水溶液に接触させてアルカリ土類金属の炭酸塩を生成させることを特徴とする炭酸ガスの固定化方法、
(2)炭酸ガスを含む気体を、(イ)水と(ロ)アルカリ土類金属含有物質と(ハ)弱塩基と強酸の塩とから得られる水溶液に接触させてアルカリ土類金属の炭酸塩を生成させることを特徴とするアルカリ土類金属炭酸塩の製造方法、
(3)炭酸ガスを含む気体を、(イ)水と(ロ)アルカリ土類金属含有物質と(ハ)弱塩基と強酸の塩とから得られる水溶液に接触させてアルカリ土類金属の炭酸塩を生成させることを特徴とする炭酸ガスの処理方法、
(4)アルカリ土類金属含有物質を弱塩基と強酸の塩から得られる水溶液に接触させてアルカリ土類金属をアルカリ土類金属強酸塩として水溶液中に移行させることを特徴とするアルカリ土類金属の抽出方法、
(5)アルカリ土類金属含有物質が天然鉱物、廃材または製造工程で排出される副生物であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の方法、
(6)アルカリ土類金属含有物質がケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、アルミン酸カルシウムおよびアルミン酸マグネシウムの群から選ばれる1または2以上の混合物、またはこれらの混合物を主体とする岩石あるいはこれらの岩石の風化物ないしは粉砕物であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の方法、
(7)アルカリ土類金属含有物質がセメント水和固形物で固化させたコンクリートまたは該コンクリートを含む建築廃材または粉砕物であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の方法、
(8)アルカリ土類金属含有物質が製鉄工程または製鋼工程で排出される鉄鋼スラグであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の方法、
(9)アルカリ土類金属含有物質がソーダ石灰ガラスまたはカリ石灰ガラスであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の方法、
(10)アルカリ土類金属含有物質が廃棄物の焼却灰または煤塵あるいはこれらの溶融スラグであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の方法、
(11)廃棄物が製紙工程で排出されるペーパースラッジ、都市ゴミまたは汚泥であることを特徴とする(10)に記載の方法、
(12)弱塩基と強酸の塩が塩化アンモニウムまたは硝酸アンモニウムであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の方法、
(13)アルカリ土類金属がカルシウムまたはマグネシウムであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の方法、
(14)炭酸ガスを含む気体が製造設備から排出される排ガスであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の方法、
(15)炭酸ガスを含む気体がさらにNOまたは/およびSOを含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の方法、
に関する。
本発明は、簡便、低コストで、化学的に安定な物質として炭酸ガスを固定化する固定化方法、有効利用可能なアルカリ土類金属炭酸塩の製造方法、簡便、低コストな炭酸ガスの処理方法およびアルカリ土類金属の抽出方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の最良の形態を説明する。
本発明は、炭酸ガスを含む気体を、(イ)水と(ロ)アルカリ土類金属含有物質と(ハ)弱塩基と強酸の塩とから得られる水溶液に接触させてアルカリ土類金属の炭酸塩を生成させることを特徴とする炭酸ガスの固定化方法、アルカリ土類金属炭酸塩の製造方法、炭酸ガスの処理方法、およびアルカリ土類含有物質を弱塩基と強酸の塩から得られる水溶液に接触させてアルカリ土類金属をアルカリ土類金属強酸塩として水溶液中に移行させることを特徴とするアルカリ土類金属の抽出方法に関する。
本発明でいう炭酸ガスを含む気体は、生物の呼吸をはじめ、燃焼廃棄物、あるいは火力発電所、製鉄プラントおよびセメントプラント等から発生する排気ガスを含む。排気ガス中の主成分含有量は、一概には言えないが、例えば石油を燃料とする火力発電設備からの排ガス(脱硫装置出口における排ガスで、排ガス温度:約60℃、排ガス圧力:大気圧)の場合、炭酸ガスが約12〜13容積%(ドライベース)、酸素が約2〜4容積%(ドライベース)、水が約9〜11容積%(ウェットベース)および残りが窒素である排ガスが一般的である。本発明が適用される炭酸ガスを含む気体は、炭酸ガスが含まれていれば、特に限定されるべきものではなく、種々の製造設備から排出される炭酸ガス含有排ガスが含まれる。
本発明で用いられるアルカリ土類金属含有物質として、例えば天然鉱物、廃材または製造工程で排出される副生物等が挙げられる。
本発明で用いられるアルカリ土類金属含有物としての天然鉱物は、例えばウォラストナイト、橄欖石、蛇紋石、曹灰長石、灰長石、普通輝石、透輝石、灰鉄輝石、ヨハンゼナイト、古銅輝石、珪灰石、ばら輝石、バビングトン石、普通角閃石、透角閃石、陽起石、藍閃石、菫青石、灰礬ざくろ石、クロムざくろ石、ベスブ石、だんぶり石、ダトー石、桃簾石、緑簾石、紅簾石、褐簾石、斧石、珪灰鉄鋼、魚眼石、輝沸石、束沸石、濁沸石、菱沸石、トムソン沸石、海緑石、オットレ石、緑泥石、菫泥石、温石綿、珪ニッケル鉱、沸石、モンモリロナイト、単斜頑火輝石等が挙げられる。これらの内、ウォラストナイト、橄欖石、蛇紋石が好ましい。
本発明で用いられるアルカリ土類金属含有物質としての廃材は、例えばセメント水和固形物で固化させたコンクリートを含む建築廃材またはこの粉砕物等を挙げることができる。
本発明で用いられるアルカリ土類金属含有物質としての廃材として、例えば建築廃材等の一つとして廃棄されたコンクリート廃棄物を含み、この主組成は3CaO・2SiO・3HO等である。年間排出量は約3,500万トンとされている。この結果、都市には多量のコンクリート構造物が毎年蓄積されている。また、日本においては高度成長期に建設された建造物が、近い将来更新時期を迎えると予想されており、建て替え需要の増加により、コンクリート消費量およびコンクリート廃棄量の大幅な増加が今後問題になると言われている。この膨大な量の廃棄されるコンクリートが本発明によって有効利用される。本発明において、廃材に限定されず、セメント水和固形物で固化させたコンクリートそのものを使用してもよい。
本発明で用いられるアルカリ土類金属含有物質として製造工程で排出される副生物は、例えば製鉄工程または製鋼工程で排出される鉄鋼スラグ等を挙げることができる。
本発明で用いられるアルカリ土類金属含有物質としての鉄鋼スラグは、例えば製鉄所等から発生する高炉スラグおよび製鋼スラグを含み、例えば2CaO・SiOあるいは3CaO・SiOを主組成とし、カルシウム含有量は高炉スラグで約30質量%、製鋼スラグで約18〜40質量%である。年間排出量(日本、2001年度)は高炉スラグ約2,330万トン、製鋼スラグ約1,372万トンとされている。
また、本発明で用いられるアルカリ土類金属含有物質として、例えばケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、アルミン酸カルシウムおよびアルミン酸マグネシウム等の群から選ばれる1または2以上の混合物、またはこれらの混合物を主体とする岩石あるいはこれらの岩石の風化物ないしは粉砕物等を挙げることができる。
また、本発明で用いられるアルカリ土類金属含有物質として、例えばソーダ石灰ガラスまたはカリ石灰ガラス等を挙げることができる。
さらに、本発明で用いられるアルカリ土類金属含有物質として、例えば廃棄物の焼却灰または煤塵あるいはこれらの溶融スラグ等を挙げることができる。廃棄物として、例えば製紙工程で排出されるペーパースラッジ、都市ゴミまたは汚泥(都市地下汚泥、浄水場汚泥等)を挙げることができる。具体的には焼却灰として、例えば製紙工場等から発生するペーパースラッジ焼却灰、火力発電所から発生する石炭灰(フライアッシュ)、または汚泥、都市ゴミ等の焼却灰等を挙げることができる。本発明で用いられるアルカリ土類金属含有物質として、ペーパースラッジの焼却灰のみならず、焼却前のペーパースラッジを用いてもよい。これらの焼却灰はCaO,SiO2,Al2O3等を主成分とし、例えばカルシウム含有量はペーパースラッジ焼却灰で約1〜70質量%(平均約30質量%)、フライアッシュのうち高含有率のもので約10〜30質量%、都市ゴミ焼却灰は約17〜40質量%程度である。年間排出量(日本、2000年度)はペーパースラッジ焼却灰として約89万トン、フライアッシュとして約630万トン、都市ゴミ焼却灰として約600万トンとされている。
本発明で用いられる塩としては、弱塩基と強酸から形成される塩であればどのようなものでも用いることができる。弱塩基としては、例えばアンモニア(NH)、メチルアミン(CHNH)、アニリン(CNH)、ピリジン(CN)、またはヒドラジン(N)、メチルヒドラジン、エチルヒドラジン等のヒドラジン誘導体等の有機塩基および水酸化マグネシウム(Mg(OH))、水酸化鉄(Fe(OH))、水酸化銅(Cu(OH))、水酸化亜鉛(Zn(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))等の金属水酸化物の如き無機化合物塩基等を挙げることができる。強酸としては、例えば塩酸(HCl)、硫酸(HSO)、硝酸(HNO)、クロム酸(HCrO)、過マンガン酸(HMnO)、塩酸(HCl)、ヨウ化水素酸(HI)、臭化水素酸(HBr)、過塩素酸(HClO)、塩素酸(HClO)、ヨウ素酸(HIO)、臭素酸(HBrO)、メタスルフォン酸(CHSOH)、トリフルオロメタスルフォン酸(CFSOH)、ベンゼンスルフォン酸(CSOH)等を挙げることができる。
本発明で用いられる塩としては、上記の弱塩基と強酸から形成される塩であれば何でも用いることができ、弱塩基と強酸とから形成される塩としては、例えば NHCl、NHNOCu(NO2、CuCl、MgCl、Mg(NO、Zn(NO2、Fe(NO、AlCl、塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン等が挙げられる。これらの内、NHCl、NHNO、Cu(NOが好ましい。
炭酸ガス固定化プロセスの好ましい一実施態様を説明する(図1参照)。反応容器1(図中の符号1)に入れた弱塩基と強酸から形成される塩の水溶液中にアルカリ土類金属含有物質である天然鉱物、セメント水和固形物で固化させたコンクリート、該コンクリートを含む建築廃材あるいは粉砕物、鉄鋼スラグ、ソーダ石灰ガラスあるいはカリ石灰ガラス、石炭灰(フライアッシュ)、または焼却灰(例えば、ペーパースラッジ、都市ゴミあるいは汚泥の焼却灰)ないしは煤塵から選ばれる一つまたはそれ以上の砕石粉を投入し、撹拌を行う。塩、水およびアルカリ土類金属含有物質の混合比率は好ましくは質量比約1:15:1である。塩の水溶液の温度は通常約室温〜100℃、好ましくは約60〜80℃である。比較的低温であるから低品位廃熱が利用され得る。通常工場から排出される炭酸ガス含有の排ガスの温度は通常約100〜200℃であるので、そのような排ガスを利用する場合は液を特に温める必要はない。本発明で用いられる砕石粉の粒子径には特に制約はないが、通常約6mm以下、約500μm以下が好ましい。尚、加熱によって発生するNHは常法によって回収され、再使用され得る。例えば、水、塩としてNHCl、アルカリ土類金属を含むものとして製鋼スラグ(主組成として2CaO・SiOあるいは3CaO・SiO)を用いた場合、次のような反応が起こっていると考えられる。
NHCl→NH↑ + HCl ・・・(1)
2CaO・SiO + 4HCl → SiO↓ + 2CaCl + 2HO ・・・(2)
Ca(OH) + 2HCl → CaCl + 2HO ・・・(3)
NH + HO → NHOH ・・・(4)
2CaO・SiO(あるいは3CaO・SiO)は存在するHOと反応してCa(OH)を生成し得る。ここで沈殿したSiOを常法により系外に分離し、CaClおよびNHOH(いずれも水溶液)を別に設けた反応容器2(図1中の符号2)に、反応容器1および反応容器2の間に設けた連通管4(図1中の符号4)を通して送り込む。反応容器2において、吹き込まれた炭酸ガスを含む気体を、連通管4(図1中の符号4)を通して送り込まれたNHOH/CaCl水溶液系と接触させる。反応容器2において、次のような反応が起こっていると考えられる。
2NHOH + CO →(NHCO+ HO ・・・(5)
(NHCO+ CaCl → CaCO↓ + 2NHCl ・・・(6)
このようにして、反応容器2においてCaCOを生成させて炭酸ガスを固定化する。生成した沈殿物CaCOは常法により系外に取り出され、同時に生成したNHClは反応容器1および反応容器2の間に設けられた別の連通管5(図1中の符号5)を通して反応容器1に返送される。このようにしてNHClはリサイクルされて繰り返し使用される。
かくして、反応容器1(図1中の符号1)においてアルカリ土類金属含有物質が水および強酸と弱塩基とから形成される塩の存在下にてアルカリ土類金属、例えばカルシウム含有化合物(例えばCaCl)に変換され得て、アルカリ土類金属含有物質の溶解反応が促進される。次いで、反応容器2(図1中の符号2)において、反応容器1(図1中の符号1)から送り込まれたNHOH/CaCl水溶液系がここで吹き込まれた炭酸ガスと接触することによりCaCOが生成し、上記したように炭酸ガスがCaCOとして固定化される。このように、本発明は、アルカリ土類金属含有物質および炭酸ガスを含む気体を所定量投入すると共に、生成するCaCOおよびSiOを常法により分離・回収することにより、連続的に行ない得ることを特徴とする炭酸ガスの固定化方法である。さらに、炭酸ガス吸収液の再生のために約120〜150℃の加熱が必要なアミン吸収法とは異なり、また炭酸ガスの液化・貯留の後処理過程を必要とせず、本発明は溶液の撹拌および循環のための動力を必要とする程度でほとんどエネルギーを必要としないことを特徴とする炭酸ガスの固定化方法である。また、本発明はアルカリ土類金属含有物質である廃棄物の再利用・減量化が図れ、天然に多産する、例えばウォラストナイト等の鉱物の利用も可能で、且つ生成する化学的に安定なCaCOおよびSiOの有効利用をも可能とすることを特徴とする炭酸ガスの固定化方法、アルカリ土類金属炭酸塩の製造方法、炭酸ガスの処理方法、または炭酸ガスの処理方法である。
本発明において、例えばSO、NO等の有害物質を含む排気ガス中の炭酸ガスを固定化する場合、反応容器1中においてSO、NOがHClと共に酸として働き、アルカリ土類金属含有物質の溶解反応の促進に寄与すると同時に、SOがCaSO(石膏)として固定化され、無害化される。
本発明により炭酸ガスの固定化の結果生成されるCaCOおよびSiOは無害で安定な物質で、種々の用途に再利用される。具体的には、CaCOの用途として、例えば製鉄用の副原料、セメント用原料、耐火物原料、製紙填料、地盤改良材、肥料等として大量に使用される。また、最近では、各種環境浄化プロセスに用いられる不可欠の原料として賞用される。そのほか、ゴム、プラスチック、紙等の充填材や各種の工業用原料として利用される。一方SiOの用途として、例えば塗料、インキ、化粧品、歯磨き粉などの充填剤、ワイン、ビール、日本酒、酢、醤油、油等の濾過材、各種の乾燥剤、クロマトグラフィ用充填剤、工業用触媒、抗菌剤等の担体、食品添加剤、食品香料、医薬品、農薬等の担体および絶縁被膜、撥水性被膜、保護膜等を挙げることができる。したがって、本発明において、炭酸ガスの固定化の結果得られる物質は炭酸カルシウムであり、二酸化ケイ素が副生するが、いずれも種々の工業分野で有効に再利用される。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例に基づいて、より具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
強酸と弱塩基の塩を含んだ水溶液によるスラグ溶解とアルカリ土類金属の抽出量の検討
1.下記実験方法に従って実験を行った。
(1)100mlの三つ口フラスコ(Pyrex)に40mlの蒸留水と2.2044gのNHCl(和光純薬株式会社製、試薬特級、No.017−02995)を加えて攪拌した(NHCl濃度は約1.02N)。NHClが溶解してから、表1に示す組成の3gのスラグ粉末(転炉スラグAの粒径500μm以下粉砕品)を加えて、均一になるように攪拌し、反応スラリーとした。
(2)その後、反応スラリーの入った三つ口フラスコを所定温度(60℃、80℃または91℃)に保った水浴(Water Bath)(Fine社製、FWB−24S)中に浸漬し、クランプにより固定しながらマグネチックスターラー(Fine社製、F−201N)により回転速度5(800rpm程度)で攪拌を行いながら所定時間(15分、30分、60分、180分または300分)溶解反応を行った。このときフラスコ内にテフロン(登録商標)製で直径13mmのスターヘッド形のものを投入し反応スラリーの攪拌を行った。また、溶解反応時には反応容器を密閉または、横口から長さ15cmの直管型冷却管を装着して水道水による冷却を行いながら実験を行った。
(3)所定の反応時間経過後、未反応スラグ等の固体と溶液(抽出液)を分離し、分離した溶液を下記の測定方法に基づいてICP(プラズマ発光分析)にかけて、スラグから溶液中に溶解した成分の定量を行った。
2.実験の結果、下記の内容が確認された。
(1)反応温度について
水浴の温度を60℃、80℃、または91℃に制御し、反応液の入ったフラスコに直管型冷却管を装着して各1時間溶解反応を行った結果を表2に示す。表2に示すようにICP分析により求めた各温度毎のカルシウムの溶解量は原料スラグ中に含まれるカルシウムの35〜45質量%程度、マグネシウムの溶解量は原料スラグ中に含まれるマグネシウムの13〜18質量%程度の値を示し、反応温度が高いほど概ね溶解率は高くなったが、80℃と91℃では顕著な差は見られなかった。また、本実験条件下では溶解反応時に反応容器を密閉した場合と冷却管を取り付けてアンモニアの蒸発を可能にした場合とでは顕著な差は見られなかった。表2において、wt%は原料スラグ中に含まれる各成分に対する各溶解量の質量%を表わす。これは表3〜表6についても同様である。
一方、いずれの実験条件の場合にも、原料スラグに含まれる陽イオンのうち、溶液中に溶出してきたカルシウムイオンとマグネシウムイオンの合計量はいずれの場合も99%以上の値を示し、アルカリ土類金属のみが選択的に抽出されることが確認された。
(2)塩化アンモニウム濃度について
40mlの蒸留水にNHClを3.026g(1.4N NHCl)加えて、水浴の温度を80℃、溶解反応時間を60分とした実験を追加して、上記実験方法に基づいて実験をおこなった。40mlの蒸留水に2.2044gのNHClを加えて(NHCl濃度は約1.02N)、水浴の温度を80℃、溶解反応時間を60分とした先の実験結果と比較してスラグ溶解に及ぼす塩化アンモニウム濃度の検討を行った。その結果、表3に示すように、本濃度範囲内ではスラグ溶解性能にほとんど差は見られなかった。
(3)反応時間について
反応温度80℃において、反応時間を15分、30分、60分、180分、300分と変化させたときの各イオンの溶出結果を表4に示す。反応温度が80℃の場合には原料スラグ中に含まれる45〜49質量%程度のカルシウムが抽出され、反応時間が15分でも45質量%のカルシウムが抽出されることから、本反応は極めて短時間で反応することが明らかとなった。
(4)スラグの繰り返し使用について
上記実験方法1.(1)〜(3)に基づいて、80℃にて、1時間溶解反応を行った(表4における反応時間60分の実験内容に相当)後に未反応スラグを回収、水洗したのちにオーブンにて110℃で一晩乾燥を行い、一度抽出済みスラグ粉末を得た。次に100mlの三つ口フラスコ(Pyrex)に20mlの蒸留水と1.1022gのNHCl(和光純薬株式会社製、試薬特級、No.017−02995)を加えて攪拌した(NHCl濃度は約1.02N)。NHClが溶解してから、先の使用済みスラグ1.5gを加えて、均一になるように攪拌し、反応スラリーとして、同様の手順で80℃にて、1時間溶解反応を行った。その結果を表5に示す。2回目の溶解反応においても未使用の原料スラグ中に含まれていたカルシウムの14質量%程度(一度抽出済みスラグ中に含まれるカルシウム含有量の26質量%程度に相当)が溶出することが明らかとなった。抽出溶液中のカルシウムイオンの選択性は低下するものの、アルカリ土類金属イオン(=カルシウムイオンとマグネシウムイオンの合計)の選択性は99質量%以上を維持していた。
(5)溶解液の種類(強酸と弱塩基の塩種類)について
100mlの三つ口フラスコ(Pyrex)に40mlの蒸留水と3.307gの塩NHNO(和光純薬株式会社製、試薬特級、No.017−03235)を加えて攪拌した。NHNOが溶解してから、表1に示す組成の3gのスラグ粉末(転炉スラグAの粒径500μm以下粉砕品)を加えて、均一になるように攪拌し、反応スラリーとした。上記実験方法1.(1)〜(3)に基づいて、80℃にて、1時間溶解反応を行った。表6に示すようにNHNOを用いた場合にもNHClと同様の結果が見られた。尚、ICPの測定方法は下記のように行われた。
(イ)反応後の懸濁液を速やかに0.2μmのメンブランフィルター(Millipore製、47mmφ)により濾過し、濾液を得た。
(ロ)濾液をまず蒸留水により20倍希釈して、20倍希釈液を調製した。さらに40倍希釈液を調整し、トータル800倍の希釈液を調製した。
(ハ)Ca,Mg,Al,Fe,Mnなどの陽イオン分析用には800倍希釈液、P, Siなどの陰イオン分析用には20倍希釈液を用いた。
(ニ)ICP分析装置はICPS−7000Ver.2(島津製作所製)を用いた。
(ホ)NHClの影響を削除するため、それぞれ800倍希釈、20倍希釈した場合のNHCl濃度を算出し、標準液に加えた。
抽出液を模擬した吸収液によるCO固定化反応と固定化量の検討
実施例1で示した溶解反応後の抽出液は、理想的には塩化カルシウム(または塩化マグネシウム)とアンモニア水の混合溶液となる。したがって、塩化カルシウムとアンモニア水の混合液による抽出液を模擬した吸収液によるCO固定化反応と固定化量の検討評価を行った。この場合の反応は、理想的には以下の式で表される。
2NHOH + CaCl + CO → (NHCO + CaCl → 2NHCl + CaCO
1.下記実験方法に従って実験を行った。
アンモニア水と塩化カルシウムの混合溶液を用いて炭酸カルシウムの生成実験を行った。25%アンモニア水(和光純薬株式会社製 カタログNo.018−05105)を希釈して調整した各種濃度のアンモニア水と塩化カルシウム(和光純薬株式会社製 カタログNo.039−00475)の混合溶液50mLを三角フラスコにいれ、流速90mL/minになるようCOガスの流量を調整した。ガラスフィルターを先端に備えたガラス管を溶液に導入し、COガス(住友精化株式会社製、純度99.999質量%)を吹き込んだ。COガスの吸収に伴い溶液の重量増加とpHが低下することから、そのときの吸収液の重量変化およびpH変化を5分おきに測定した。重量増加は反応容器ごとの重量増加を天秤(AND製、FA2000,Max=2100g,d=0.01g)により確認し、pHはpHメータ(METTLER TOLEDO製,MP120)により測定を行った。
また、沈殿物の同定のために、粉末X線回折装置(RIGAKU製、RINT2000)を用いて解析を行った。測定条件を以下に示す。
尚、粉末X線回折測定条件は下記の通りであった。
X線:Cu K−ALPHA/40kV/40mA
カウンタ:シンチレーションカウンタ
ゴニオメータ:RINT2000縦型ゴニオメータ
アタッチメント:標準試料ホルダ
発散スリット:1deg、散乱スリット:1deg
受光スリット:0.15mm、走査モード:連続
スキャンスピード:4°/min、スキャンステップ:0.01°
走査軸:2θ/θ、走査範囲:10〜70°
θオフセット:0°、回転速度:120.00rpm
2.実験の結果、下記の内容が確認された。
吸収液(アンモニア水とCaCl混合溶液)にCOガスを吹き込んだ結果、4%、7%および10%のすべての濃度の溶液に、全体に大量の白色の沈殿物が生じた。また、COの吸収にともない溶液の重量が増加した(図2参照)。重量の変化が一定になったとき、COガスの導入を停止し、0.2μmフィルター(ミリポア社製)により溶液を濾過回収し、ICPにより溶液中のカルシウム濃度を測定した。また、沈殿物は減圧濾過により回収後、軽く蒸留水で洗浄し、110℃で一晩乾燥させた。この白い結晶の同定には粉末X線回折装置を用いた。この結果、粉末X線回折パターンによりその結晶は炭酸カルシウムのカルサイトであることが判明した(図3参照)。また、ICPにより、沈殿物をとり除いたあとの溶液中のCa濃度を測定したところ、ほとんどCaは存在しなかった。
スラグ溶解―炭酸塩沈殿のシステム循環の検証(スラグ溶解→CO吸収→沈殿除去(炭酸塩として固定化)→スラグ再溶解→CO吸収→沈殿除去)
1.下記実験方法に従って実験を行った。
以下の実験手順(1)〜(4)にしたがって、本発明における(1)スラグ溶解・アルカリ土類カチオン抽出、(2)CO吸収・炭酸塩化固定および溶解液の再生、(3)再生液による再溶解、(4)CO再吸収・固定と再生、の一連の固定化システム循環の実施例を示す。
(1).転炉スラグの溶解
(イ)300mlの三つ口フラスコ(Pyrex)に120mlの蒸留水と6.6132gのNHCl(和光純薬株式会社製、試薬特級、No.017−02995)を加えて攪拌した(NHCl濃度は約1.02N)。NHClが溶解してから、表1に示す組成の5.58gのスラグ粉末(転炉スラグB、粒径500μm以下への粉砕品)を加えて、均一になるように攪拌し、反応液とした。
(ロ)その後、反応スラリーの入った三つ口フラスコを80℃に保った水浴(Water Bath)(Fine社製、FWB−24S)中に浸漬し、クランプにより固定しながらマグネチックスターラー(Fine社製、F−201N)により回転速度5(800rpm)で攪拌を行いながら30分間溶解反応を行った。このときフラスコ内にテフロン(登録商標)製で直径13mmのスターヘッド形のものを投入し反応スラリーの攪拌を行った。また、溶解反応時には横口から長さ15cmの直管型冷却管を装着して水道水による冷却を行いながら実験を行った。
(ハ)反応30分後、懸濁液を速やかに0.2μmのメンブランフィルター(Millipore製、47mmφ)により濾過し、濾液を得た。
(2).炭酸カルシウムの沈殿
(イ)上記で回収した濾液全てを300mlの三角フラスコ(Pyrex)に加えて、長さ2cmの攪拌子で攪拌しながら、フィルター付ガス濾過管より90mL/minの流量でCOガス(住友精化株式会社製、純度99.999質量%)を吹き込んだ。
(ロ)5分毎に、反応容器ごとの重量増加を天秤(AND製、FA2000,Max=2100g,d=0.01g)により確認し、重量増加が見られなくなるまで(15分)反応を続けた。
(ハ)反応後、懸濁液を速やかに0.2μmのメンブランフィルター(Millipore製、47mmφ)により濾過し、濾液を得た。
(3).転炉スラグの再溶解
(イ)300mlの三つ口フラスコ(Pyrex)に実験手順(2)において得た濾液を加えて、5.58gのスラグ粉末(転炉スラグB、粒径500μm以下への粉砕品)を加えて、均一になるように攪拌し、反応液とした。
(ロ)その後、実験手順(1)における転炉スラグの溶解の(ロ)、(ハ)と同様の手順で溶解反応を行い、濾液を得た。
(4).炭酸カルシウムの再沈殿
(イ)転炉スラグの再溶解より得た濾液すべてを再度300mlの三角フラスコ(Pyrex)に加えて、長さ2cmの攪拌子で攪拌しながら、フィルター付ガス濾過管より90mL/minの流量でCOガス(住友精化株式会社製、純度99.999質量%)を吹き込んだ。
(ロ)その後は実験手順(2)に示した(ロ)、(ハ)と同様の実験手順で実施した。
2.実験の結果、下記の内容が確認された。
上記手順にしたがってCOガスの固定化反応を行った結果、一回目の吸収反応、および2回目の吸収反応でそれぞれ、1.9gと1.7gの白色沈殿が得られた。実施例2と同様の手順で測定したX線回折測定により沈殿物は主に炭酸カルシウムであることを確認した。これらのことから、弱塩基と強酸の塩を含む水溶液を用いてCOガスの吸収固定化が可能であるとともに、沈殿の生成過程で溶解液が再生されるため、繰り返しサイクルでのCOガスの固定化が可能であることが明らかとなった。
廃コンクリートの溶解実験
1.下記実験方法に従って実験を行った。
(1)100mlの三つ口フラスコ(Pyrex)に40mlの水と2.2044gのNHCl(和光純薬株式会社製、試薬特級、No.017−02995)を加えて攪拌した(NHCl濃度は約1.02N)。NHClが溶解してから、7.898gの廃コンクリート粉末(表7参照)を加えて、均一になるように攪拌し、反応懸濁液とした。
(2)その後、反応懸濁液の入った三つ口フラスコを温度80℃に保った水浴(Water Bath)(Fine社製、FWB−24S)中に浸漬し、クランプにより固定しながらマグネチックスターラー(Fine社製、F−201N)により回転速度5(800rpm程度)で攪拌を行いながら1時間溶解反応を行った。このとき三つ口フラスコ内にテフロン(登録商標)製で直径13mmのスターヘッド形のもの投入し反応懸濁液の攪拌を行った。また、溶解反応時には反応容器の横口から長さ15cmの直管型冷却管を装着して水道水による冷却を行いながら実験を行った。
(3)所定の反応時間(1時間)経過後、未反応廃コンクリート等の固体と溶液を分離し、分離した溶液を上記の測定方法に基づいてICP(プラズマ発光分析)にかけて、廃コンクリートから溶液中に溶解した成分の定量を行ったところ、表8に示ように、カルシウムイオンとマグネシウムイオンのみが溶液中に選択的に溶解し、溶解率はそれぞれ44.9質量%と13.5質量%であることを確認した。表8中のwt%は、廃コンクリート中に含まれる各成分に対する各溶解量の質量%を表わす。
本発明にかかる炭酸ガス固定化プロセスの一実施態様の概略図面である。 室温下でのCOバブリングによるアンモニア水とCaCl混合溶液の重量の経時変化 アンモニア水とCaCl混合溶液へのCOバブリングにより生じた沈殿物の粉末X線回折パターン
符号の説明
1 反応容器1(ここで、スラグが溶解されカルシウムが抽出される。沈殿物(SiO等)が分離される。)
2 反応容器2(ここで、炭酸ガスが固定化され、CaCOが沈殿物として分離される。)
3 NHCl水溶液
4 反応容器1から反応容器2への連通管
5 反応容器2から反応容器1への連通管
6 炭酸ガス含有ガス導入ポンプ
7 スラグ投入口
8 溶液温度調整装置
9 沈殿物CaCO取り出し口
10 沈殿物取り出し口

Claims (15)

  1. 炭酸ガスを含む気体を、(イ)水と(ロ)アルカリ土類金属含有物質と(ハ)弱塩基と強酸の塩とから得られる水溶液に接触させてアルカリ土類金属の炭酸塩を生成させることを特徴とする炭酸ガスの固定化方法。
  2. 炭酸ガスを含む気体を、(イ)水と(ロ)アルカリ土類金属含有物質と(ハ)弱塩基と強酸の塩とから得られる水溶液に接触させてアルカリ土類金属の炭酸塩を生成させることを特徴とするアルカリ土類金属炭酸塩の製造方法。
  3. 炭酸ガスを含む気体を、(イ)水と(ロ)アルカリ土類金属含有物質と(ハ)弱塩基と強酸の塩とから得られる水溶液に接触させてアルカリ土類金属の炭酸塩を生成させることを特徴とする炭酸ガスの処理方法。
  4. ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、アルミン酸カルシウムおよびアルミン酸マグネシウムの群から選ばれる1または2以上の混合物、またはこれらの混合物を主体とする岩石あるいはこれらの岩石の風化物ないしは粉砕物であるアルカリ土類金属含有物質を弱塩基と強酸の塩から得られる水溶液に接触させてアルカリ土類金属をアルカリ土類金属強酸塩として水溶液中に移行させることを特徴とするアルカリ土類金属の抽出方法。
  5. アルカリ土類金属含有物質が天然鉱物、廃材または製造工程で排出される副生物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. アルカリ土類金属含有物質がケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、アルミン酸カルシウムおよびアルミン酸マグネシウムの群から選ばれる1または2以上の混合物、またはこれらの混合物を主体とする岩石あるいはこれらの岩石の風化物ないしは粉砕物であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  7. アルカリ土類金属含有物質がセメント水和固形物で固化させたコンクリートまたは該コンクリートを含む建築廃材または粉砕物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  8. アルカリ土類金属含有物質が製鉄工程または製鋼工程で排出される鉄鋼スラグであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  9. アルカリ土類金属含有物質がソーダ石灰ガラスまたはカリ石灰ガラスであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  10. アルカリ土類金属含有物質が廃棄物の焼却灰または煤塵あるいはこれらの溶融スラグであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  11. 廃棄物が製紙工程で排出されるペーパースラッジ、都市ゴミまたは汚泥であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 弱塩基と強酸の塩が塩化アンモニウムまたは硝酸アンモニウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  13. アルカリ土類金属がカルシウムまたはマグネシウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  14. 炭酸ガスを含む気体が製造設備から排出される排ガスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  15. 炭酸ガスを含む気体がさらにNOまたは/およびSOを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。

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