JP3953685B2 - 硬貨処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば自動預金支払機(ATM)や自動販売機に内部構成されるような硬貨処理装置に関し、さらに詳しくは複数金種の硬貨を放出部に円滑に放出する安定した放出性能が得られる硬貨処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の硬貨処理装置は、複数金種の多数枚を一括して出金処理するとき、図11に示すように、指定金種の硬貨111…を内部から放出搬送路112を介して1枚ずつ硬貨放出口のバケット113に放出している。
【0003】
この場合、バケット113は収納容積に余裕を持たせて確実に多数枚の出金硬貨を受入れている。ところが、機器の小型化に伴いバケット113の形状も小型化が要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、複数金種の硬貨111…をバケット113に放出する際、通常、高額硬貨順あるいは低額硬貨順に硬貨を放出しているため、重い外形の大きな金種の大型硬貨111aから放出されることがある。
【0005】
この場合、バケット113内で大型硬貨111aの上方に、軽い外形の小さな金種の小型硬貨111bが偏って堆積し、放出搬送路112の終端部と接続対応するバケット接続口114の付近で硬貨111…が滞留して、バケット113への円滑な放出動作を阻害することがあった。
【0006】
この結果、以下のような問題が発生していた。
【0007】
(1)バケット接続口114の付近に滞留した硬貨により、放出硬貨の通路が妨げられてジャムが発生することがある。
【0008】
(2)バケット113への搬入が阻止された硬貨111が跳ね返って、バケット接続口114の位置に配設された放出硬貨カウントセンサ115が重複計数してしまう。
【0009】
(3)バケット接続口114の付近に堆積した硬貨111…により、ここに導かれる硬貨の搬送が阻害され、硬貨が連鎖状になって切れ目がなくなり、このために実際の放出枚数より少なく放出したと誤計数してしまう。
【0010】
(4)偏った堆積状態によっては、バケットの上面を開閉するシャッタ116が開動作したとき、このシャッタ116に触れている硬貨を引っ掛けてバケットから硬貨を落下させる恐れがあった。
【0011】
このように、複数金種の硬貨の放出に際しては、放出された硬貨の滞留現象を解消することが重要になっていた。
【0012】
そこでこの発明は、放出される硬貨は金種別に物理的性質が異なることに着目し、各種硬貨の重量や外形などの物理的性質に応じて放出順序を設定することにより、偏った堆積を解消した安定した放出動作を得ることができる硬貨処理装置の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、複数金種の硬貨を放出処理する硬貨処理装置であって、上記硬貨自体の外形又は重量を金種別に記憶した記憶手段と、上記記憶手段の記憶情報に基づいて外形又は重量の小さい順に硬貨の金種別放出順序を定めると共に、放出する金種の外形が特定金種の外形より大きい場合、又は、放出する金種の重量が特定金種の重量より大きい場合、該放出する金種の硬貨の放出速度を加速する放出制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は硬貨放出部に搬送接続した搬送手段の接続ガイド部を変位させて振分け放出する振分け放出手段を備えて構成した放出制御手段であることを特徴とする。
【0015】
【発明の作用及び効果】
この発明によれば、複数金種の硬貨を放出する際、硬貨自体の外形又は重量を金種別に記憶した記憶手段の記憶情報に基づいて、硬貨の金種別放出順序を放出制御手段により外形又は重量の小さい順に定めて放出する。
【0016】
さらに、出する金種の外形が特定金種の外形より大きい場合、又は、放出する金種の重量が特定金種の重量より大きい場合、該放出する金種の硬貨の放出速度を加速する放出制御手段を備えるので、放出部分での放出速度を速めることによって硬貨の質量と速度とで決定される運動エネルギが増大し、この結果、放出された硬貨は勢いよく堆積位置へと放出されて、周辺の硬貨を弾き飛ばすなどの不安定に偏った堆積硬貨を崩すための振動や衝撃力付与作用が得られ、これにより均等に分散した集積が得られる。
【0017】
例えば、硬貨外形に着目した場合、硬貨は金種別に直径や厚さが異なることから外形の小さい順に放出順序を設定して放出する。この場合、先に放出された小さな硬貨が一か所に偏って不安定な状態に堆積したとしても、後から放出される大きな硬貨が小さな硬貨を押し退けたり崩して、偏った堆積現象を自然に崩壊するため、放出された硬貨は均等に分散されて集積される。このように、金種毎に異なった硬貨の大きさを有効に利用して集積性能を高めることができるため安定した集積を確保できる。このため、偏った堆積硬貨が引起すジャムの発生を完全に防止でき、また偏った堆積硬貨が引起す放出動作の阻害により硬貨が跳ね返ったり、硬貨間の切れ目のない連鎖状放出による誤計数を解消して、円滑な放出動作と信頼性の高い計数管理ができる。
【0018】
また、硬貨重量に着目した場合、硬貨は金種別に材質や大きさが異なることから重量の小さい順に放出順序を設定して放出する。この場合、既述した外形の小さい順に放出する放出順序と同様に、先に放出された軽い硬貨が一か所に偏って不安定な状態に堆積したとしても、後から放出される重い硬貨が軽い硬貨を押し退けたり崩して、偏った堆積現象を自然に崩すため放出された硬貨は均等に分散されて集積され、金種毎に異なった硬貨の重量を有効に利用して安定した集積性能が得られる。
【0019】
また、硬貨放出部に搬送接続した搬送手段の接続ガイド部を変位させて振分け放出する振分け放出手段を設けた放出制御手段によれば、放出部分で放出硬貨が振分けられて、各硬貨の放出方向が異なった位置に分散されるため均等に集積することができる。
【0020】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は多金種の硬貨を入出金処理する硬貨処理装置を示し、図1〜図3に示すように、この硬貨処理装置11は装置本体12の上部に入出金口13を有し、この入出金口13は多数枚の硬貨C…を受入れるバケット14と、その上面を開閉するシャッタ15とを備え、入金時にバケット14内に多数枚の硬貨C…が投入されると、一定時間経過後にシャッタ15を閉じてバケット14を反転動作させて受入れた多数枚の硬貨C…を下方の入金搬送ベルト16上に落下させる。全て落下させてバケット14が空になると、バケット14を元の待機位置に復帰させる。
【0021】
落下した硬貨Cは入金搬送ベルト16を介して入金識別部17に導かれ、ここで硬貨C…の真偽が識別される。このとき、適正な流通硬貨と識別された真硬貨は一旦、入金搬送用の一時保留部18に導いて一時保留させる。
【0022】
これに対し、異常硬貨と識別された偽硬貨は横搬送ベルト19を介して元のバケット14へと返却させる。このバケット14に硬貨が返却されたときはシャッタ14を開けて抜取り許容し、顧客に抜取り動作を促す。
【0023】
一時保留部18に保留された真硬貨は、入金搬送路20を介して1枚ずつ奥部内方へと搬送し、この搬送途中で金種判別部21により硬貨の材質、外形、穴の有無を検知して金種判別し、金種判別された硬貨はその後の搬送途中に設けられた金種別シュータ22…により振分けられて、金種別スタッカ23…に金種別に収納されて一入金処理が終了する。
【0024】
一方、入金取消しされた場合は、一時保留状態の硬貨を下方の水平な出金搬送ベルト24に落下させた後、入出金口13に接続された垂直搬送ベルト25に導き、この垂直搬送ベルト25から上方の入出金口13へと返却処理する。
【0025】
また、金種判別部21で判別不良と判定されたリジェクト硬貨が発生した場合は、垂直なリジェクト通路26を介して水平搬送ベルト27へと導き、これより下部の回収カセット28に回収処理する。また、金種別スタッカ23…に入りきらない溢れ硬貨も回収カセット28に回収する。
【0026】
これに対し、出金取引時には、1円、5円、10円、50円、100円、500円硬貨の全6金種を個別に収納する金種別スタッカ23…から指定された金種別の硬貨Cを下方の出金搬送ベルト24上へ落下させ、この出金搬送ベルト24から垂直搬送ベルト25及び横搬送ベルト19を経由させて、同出金硬貨を上部の入出金口13へと1枚ずつ出金処理し、そのときの出金枚数を放出硬貨カウントセンサSで計数している。
【0027】
上述の金種別スタッカ23…は3個ずつスタッカを並列配設して、現在流通している全6金種を区画して収納している。
【0028】
図中、29は補充カセット、30は保留シュート、31は返却シュート、32は回収シュート、33は電源部である。
【0029】
図4は硬貨処理装置11の制御回路ブロック図を示し、CPU41はROM42に格納されたプログラムに沿って各回路装置を制御し、その制御データをRAM43で読出し可能に記憶する。
【0030】
搬送モータM1 は、硬貨処理装置11の各硬貨搬送路を駆動し、CPU41の搬送指令に基づいて硬貨C…を指定された方向に搬送処理する。
【0031】
バケット駆動モータM2 は、多数枚の硬貨C…を受入れ許容する凹形状のバケット14を上向きの受入れ待機位置と下向きの反転落下位置とに切換え駆動する。
【0032】
シャッタ駆動モータM3 は、バケット14上のシャッタ15をスライド駆動して、バケット14の上面を開閉する。
【0033】
ソレノイド44は、硬貨を搬送処理する各硬貨搬送路、各シュート及び金種別スタッカ等の分岐位置に配設された振分け板や開閉板を駆動して、硬貨C…をCPU41の搬送指令方向に搬送処理する。
【0034】
ところで、複数金種の硬貨の放出に際しては、予め硬貨自体が保有する物理的性質の1つである外形を、6金種別にRAM43に記憶させ、このRAM43の記憶情報に基づいてCPU41は安定した堆積状態を得るため外形の小さい順に硬貨の金種別放出順序を設定している。
【0035】
これは、図5に示すように、出金すべき硬貨Cが横搬送ベルト19を経由してバケット14に1枚ずつ導かれたとき、先に放出された小さな硬貨C1 …がバケット14の一か所に不安定に偏って堆積したとしても、後から放出される大きな硬貨C2 …が小さな硬貨C1 …を押し退けたり崩して、偏った堆積現象を自然に崩しながら放出する偏り堆積を崩す作用を得るためである。
【0036】
この結果、放出された多数枚の外形の異なる硬貨C1 ,C2 …は均等に分散されて集積され、外形が異なった硬貨C1 ,C2 の大きさを有効に利用して集積性能を高めることができ、安定した集積を確保することができる。このため、偏った堆積硬貨が引起すジャムの発生を完全に防止でき、それゆえ放出部分での搬送障害により硬貨が跳ね返ることもなくなり、また前後の硬貨が連鎖状に放出されないため放出硬貨カウントセンサSは1枚ずつ区切って正確にカウントすることができ、円滑な放出動作と信頼性の高い計数管理ができる。
【0037】
これらの硬貨の直径や厚さを考慮して、現在流通されている全6金種を「外形」の小さい順に並べると、
「1円<50円<5円<100円<10円<500円硬貨」の順になる。
したがって、この順に各々の金種別スタッカ23…から金種別に区切って放出し、これより放出された硬貨は共通する1つのバケット14へと導かれる。
【0038】
このように構成された硬貨処理装置11の外形別の出金処理動作を図6のフローチャートを参照して説明する。
今、硬貨処理装置11に出金指令があると(ステップn1 )、
CPU41は複数金種の出金指令か、単金種の出金指令かを判定し(ステップn2 )、
複数金種の出金指令の場合は、該当する複数金種を外形の小さい順に放出するように指令し(ステップn3 〜n8 )、
また、単金種の出金指令の場合は、該当する単金種を特定の金種別スタッカ23から指定枚数だけ放出制御して1枚ずつバケット14へと搬送処理する(ステップn9 )。
【0039】
上述の複数金種から外形の小さい順に設定された該当金種を金種別放出順序で放出するとき、先ず、1円硬貨の出金指令がある場合は、この1円硬貨の大きさが最小のため1円硬貨を1番目の放出金種に設定して、出金すべき指定枚数を放出動作する。この1円硬貨の放出動作が終了すると、次に外形の小さい50円硬貨の出金指令があるか否かを判定し、50円硬貨の出金指令があれば、この50円硬貨の放出動作に移る。このとき、50円硬貨の出金指令がなければ次の硬貨の放出動作に移る。このようにして該当する金種を、予め定めた小形順の「1円<50円<5円<100円<10円<500円硬貨」の金種別放出順序にしたがって金種別に放出動作する(ステップn10〜n11)。
【0040】
この場合、バケット14には外形の小さい硬貨C1 が先に堆積され、後から外形の大きい硬貨C2 が入って堆積されるため、後から放出される大きな硬貨C2 …が小さな硬貨C1 …を押し退ける如く放出されるため、バケット14内では偏った堆積現象を自然に崩しながら堆積される。この結果、放出された多数枚の大きさの異なる硬貨C1 ,C2 …は均等に分散されて集積される。
【0041】
また、バケット14内への放出時には、放出硬貨カウントセンサSでバケット14内に放出された全放出枚数を計数し、この放出枚数と金種別スタッカ23…から繰出された放出枚数とが一致すれば、適正な出金動作がなされたと判定して、CPU41はバケット14上面のシャッタ15を開けて出金硬貨を抜取り待機し、このバケット上面の開口部から出金硬貨が抜取られることで一出金処理が終了する(ステップn12〜n13)。
【0042】
バケット14への放出時に、金種別スタッカ23…からの放出枚数と、放出硬貨カウントセンサSでの計数値とが不一致の場合は、計数誤作あるいはジャム等の不適な出金動作の発生と判定して、CPU41はバケット14に放出された硬貨を無効と判定して回収処理し(ステップn14)、
その後、再びリトライ処理を行い、正常な出金処理が得られるまでリトライ処理を繰返し実行する(ステップn15〜n16)。
【0043】
次に、重量の小さい順に硬貨の金種別放出順序を設定して安定した堆積状態を得る場合について説明する。
これは、先に放出された軽い硬貨がバケット14の一か所に不安定に偏って堆積したとしても、後から放出される重い硬貨が軽い硬貨を押し退けたり崩して、偏った堆積現象を自然に崩しながら放出する偏り堆積を崩す作用を得るためである。
【0044】
この結果、放出された多数枚の重さの異なる硬貨は均等に分散されて集積され、重さが異なった硬貨の重量を有効に利用して集積性能を高めることができ、安定した集積を確保することができる。このため、偏った堆積硬貨が引起すジャムの発生を完全に防止でき、それゆえ放出部分での搬送障害により硬貨が跳ね返ることもなくなり、また前後の硬貨が連鎖状に放出されないため放出硬貨カウントセンサSは1枚ずつ区切って正確にカウントすることができ、円滑な放出動作と信頼性の高い計数管理ができる。
【0045】
これらの硬貨の材質や大きさから決定される全6金種の「重量」を軽い順に並べると、
「1円<5円<50円<10円<100円<500円硬貨」の順になる。
【0046】
このように設定された硬貨処理装置11の重量別の出金処理動作を図7のフローチャートを参照して説明する。
今、硬貨処理装置11に出金指令があると(ステップn21)、
CPU41は複数金種の出金指令か、単金種の出金指令かを判定し(ステップn22)、
複数金種の出金指令の場合は、該当する複数金種を重量の軽い順に放出するように指令し(ステップn23〜n28)、
また、単金種の出金指令の場合は、該当する単金種を特定の金種別スタッカ23から指定枚数だけ放出制御して1枚ずつバケット14へと搬送処理する(ステップn29)。
【0047】
上述の複数金種から重量の軽い順に設定された該当金種を金種別放出順序で放出するとき、先ず、1円硬貨の出金指令がある場合は、この1円硬貨の重さが最軽量のため1円硬貨を1番目の放出金種に設定して、出金すべき指定枚数を放出動作する。この1円硬貨の放出動作が終了すると、次に重量の軽い5円硬貨の出金指令があるか否かを判定し、5円硬貨の出金指令があれば、この5円硬貨の放出動作に移る。このとき、5円硬貨の出金指令がなければ次の硬貨の放出動作に移る。このようにして該当する金種を、予め定めた軽量順の「1円<5円<50円<10円<100円<500円硬貨」の金種別放出順序にしたがって金種別に放出動作する(ステップn30〜n31)。
【0048】
この場合、バケット14には軽い硬貨が先に堆積され、後から重い硬貨が入って堆積されるため、後から放出される重い硬貨が軽い硬貨を押し退ける如く放出されて、バケット14内では不安定に偏った堆積現象を自然に崩しながら堆積される。この結果、放出された多数枚の重さの異なる硬貨は均等に分散されて集積される(図5参照)。
【0049】
また、バケット14内への放出時には、放出硬貨カウントセンサSでバケット14内に放出された全放出枚数を計数し、この放出枚数と金種別スタッカ23…から繰出された放出枚数とが一致すれば、適正な出金動作がなされたと判定して、CPU41はバケット14上面のシャッタ15を開けて出金硬貨を抜取り待機し、このバケット上面の開口部から出金硬貨が抜取られることで一出金処理が終了する(ステップn32〜n33)。
【0050】
バケット14への放出時に、金種別スタッカ23…からの放出枚数と、放出硬貨カウントセンサSでの計数値とが不一致の場合は、計数誤作あるいはジャム等の不適な出金動作の発生と判定して、CPU41はバケット14に放出された硬貨を無効と判定して回収処理し(ステップn34)、
その後、再びリトライ処理を行い、正常な出金処理が得られるまでリトライ処理を繰返し実行する(ステップn35〜n36)。
【0051】
次に、硬貨の放出速度を高速化することにより安定した堆積状態を得る放出速度の制御例について説明する。
【0052】
これは、図8に示すように、バケット14への放出用に接続された横搬送ベルト19の搬送速度を加速することによって、ここに導かれた硬貨Cの質量と速度とで決定される運動エネルギが増大し、この結果、放出された硬貨Cは勢いよくバケット14内の堆積位置へと放出されて、バケット14内に不安定に偏った堆積硬貨を崩すための衝撃力を付与してバケット14内に均等に分散集積させる作用効果が得られる。
【0053】
例えば、図8に想像線で示すように、先に放出された硬貨がバケット14の入口部分に不安定に偏って堆積した偏り堆積現象81が生じたとしても、後から放出された硬貨Cが偏り硬貨C3 …を弾き飛ばすなどの高速搬入力を有して導かれるため、偏り堆積現象81を自然に崩しながら放出することができる。
【0054】
この場合、搬送速度を当初より一定高速にしておくのも一つの方法であるが、最初に軽い金種の硬貨が放出されるような場合、バケット14内で硬貨が飛び跳ね、放出硬貨カウントセンサSを遮光してしまう恐れがあり、またバケットが空の状態のときに、高速放出すると硬貨のエッジがバケット14の内壁面に激しく衝突して損傷させる恐れがあるため、横搬送ベルト19の搬送速度を金種に応じて可変速制御する。
【0055】
この可変速制御するタイミングは、
(1)バケット収納容量が例えばA枚とすると、A/2枚以上の放出量が多いとき、搬送速度を速めるべく切換え制御を行う。
【0056】
(2)質量の軽い順、あるいは外形の小さい順に繰出すとき、100円硬貨以降の運動エネルギが大きく得られる金種のときに、搬送速度を速めるべく切換え制御を行う。
【0057】
したがって、硬貨の金種別放出順序は質量の軽い順あるいは外形の小さい順に設定する。これは、小さな運動エネルギで放出される軽い金種の硬貨を優先し、後に大きな運動エネルギで放出される金種の硬貨を放出する。これにより、質量や外形が異なった硬貨の運動エネルギを有効に利用して集積性能を高めることができ、安定した集積を確保することができる。
【0058】
このため、偏った堆積硬貨が引起すジャムの発生を完全に防止することができ、それゆえ放出動作の阻害により硬貨が跳ね返ることもなくなり、また硬貨がバケット内に連鎖状に放出されないため放出硬貨カウントセンサSは1枚ずつ正確に区切ってカウントすることができ、円滑な放出動作と信頼性の高い計数管理ができる。
【0059】
この硬貨の材質や大きさから決定される全6金種の質量を軽い順に並べると、既述した重量の軽い順と同じく、
「1円<5円<50円<10円<100円<500円硬貨」の順になる。
【0060】
また、既述した外形の小さい順に並べると、
「1円<50円<5円<100円<10円<500円硬貨」の順になる。
【0061】
次に、硬貨処理装置11の放出速度を加速設定した出金処理動作を図9のフローチャートを参照して説明する。
今、硬貨処理装置11に出金指令があると(ステップn41)、
CPU41は出金指令の内容が複数金種の出金指令か、単金種の出金指令かを判定し(ステップn42)、
複数金種の出金指令の場合は、該当する複数金種を質量の軽い順に放出するように指令し(ステップn43〜n48)、
また、単金種の出金指令の場合は、該当する単金種を特定の金種別スタッカ23から指定枚数だけ放出制御して1枚ずつバケット14へと搬送処理する(ステップn49)。
【0062】
上述の複数金種から運動エネルギの小さい順に設定された該当金種を金種別放出順序で放出するとき、先ず、1円硬貨の出金指令がある場合は、この1円硬貨の運動エネルギが最も小さいため1円硬貨を1番目の放出金種に設定して出金すべき指定枚数を放出動作する。この1円硬貨の放出動作が終ると、次に運動エネルギの小さい5円硬貨の出金指令があるか否かを判定し、5円硬貨の出金指令があれば、この5円硬貨の放出動作に移る。このとき、5円硬貨の出金指令がなければ、次の硬貨の放出動作に移る。
【0063】
このようにして該当する金種を、予め定めた運動エネルギの金種別放出順序にしたがって放出動作する。例えば、100円硬貨か、あるいはそれ以上の500円硬貨の運動エネルギが大きい重い質量の硬貨が出金されるとき(ステップn50)、
あるいは100円硬貨か、あるいはそれ以上の大きい500円硬貨の運動エネルギが大きい重い外形の硬貨が出金されるときは(ステップn51)、
運動エネルギが大きく得られるため横搬送ベルト19の搬送速度を加速して、硬貨放出時の運動エネルギを十分に増大させ、バケット14内での偏った硬貨の偏り堆積現象81を崩すのに適した高速搬入力が得られる。
【0064】
一方、100円硬貨より軽い質量の硬貨が出金されるとき、あるいは100円硬貨より小さい外形の硬貨が出金されるときは、初期集積段階であり、またその運動エネルギが小さく、偏り堆積現象81を崩すのに不適なため、加速することなく通常速度で放出動作させる(ステップn52)。
【0065】
このとき、バケット14には運動エネルギの小さい硬貨が先に堆積され、後から運動エネルギの大きい硬貨が入って堆積されるため、後から放出される運動エネルギの大きい硬貨が先に堆積された硬貨を押し退ける如く放出されるため、バケット14内では偏り堆積現象81を自然に崩しながら堆積される。この結果、放出された多数枚の硬貨は均等に分散されて集積される(ステップn53〜n54)。
【0066】
また、バケット14内への放出時には、放出硬貨カウントセンサSでバケット14内に放出された全放出枚数を計数し、この放出枚数と金種別スタッカ23…から繰出された放出枚数とが一致すれば、硬貨の適正な出金動作がなされたと判定して、CPU41は横搬送ベルト19を搬送停止した後、バケット14上面のシャッタ15を開けて出金硬貨の抜取りを待機し、このバケット上面の開口部から出金硬貨が抜取られたことを確認して一出金処理が終了する(ステップn55〜n57)。
【0067】
上述のバケット14への放出時に、CPU41は金種別スタッカ23…から放出した枚数と、放出硬貨カウントセンサSで計数した計数値とが不一致の場合は、計数誤作あるいはジャム等の不適な出金動作の発生と判定して、CPU41はバケット14に放出した硬貨を無効と判定して回収処理を行う(ステップn58)。
【0068】
この回収処理後は再びリトライ処理を行い、正常な出金処理が得られるまでリトライ処理を繰返し実行する(ステップn59〜n60)。
【0069】
また、横搬送ベルト19は加減速制御してバケット14内に導かれる硬貨をバケット14内の前後位置に均一に分布させることもできる。
【0070】
さらに、図10に示すように、横搬送ベルト19のベルト終端部のバケット接続側に首振りフラッパ101を取付け、この首振りフラッパ101を左右に首振り動作させて放出される硬貨を1枚ずつ振分け動作する。これにより、横搬送ベルト19から導かれた硬貨C…はバケット14内で放出方向が左右の異なった位置に分散されるため均等化させて集積することができる。
【0071】
このように、硬貨の放出処理に際しては、硬貨自体が保有する外形や重さの物理的性質を有効利用した場合と、加速放出や振分け放出のように搬送系を有効利用した場合とがある他、これらの放出処理条件を任意に組合わせて放出制御することもできる。
【0072】
例えば、(1)外形+重量とを組合せた場合は、金種別の運動エネルギの違いを正確に区別することができる。
【0073】
(2)外形+重量+加速度とを組合わせた場合は、(1)の効果に加えて運動エネルギを可変制御することができる。
【0074】
(3)外形+重量+振分け放出とを組合せた場合は、(1)の効果に加えて、より一層均一に分散させることができる。
【0075】
(4)外形+重量+加速度+振分け放出とを組合わせた場合は、(1)(2)(3)の効果が得られる。
【0076】
上述のように、複数金種の硬貨を放出する際、硬貨は金種別に直径や厚さが異なることから外形の小さい順に放出順序を設定して放出する。この場合、先に放出された小さな硬貨が一か所に偏って不安定な状態に堆積したとしても、後から放出される大きな硬貨が小さな硬貨を押し退けたり崩して、偏った堆積現象を自然に崩すため、放出された硬貨は均等に分散して集積される。このため、偏った堆積硬貨が引起すジャムの発生を防止でき、また偏った堆積硬貨が引起す放出動作の阻害により硬貨が跳ね返ったり、放出動作の阻害により前後の硬貨間に切れ目がなくなった連鎖状放出による誤計数を解消して、円滑な放出動作と信頼性の高い計数管理ができる。
【0077】
さらに、硬貨の放出速度を可変制御した場合は、放出部分での放出速度を速めることによって硬貨の運動エネルギを増大させることができる。この結果、放出された硬貨は勢いよく堆積位置へと放出されて、周辺の硬貨を弾き飛ばすなどの不安定に偏った堆積硬貨を崩すための振動や衝撃力付与作用が得られ、これにより均等に分散した集積が得られる。
【0078】
また、硬貨の物理的性質の1つである重量に着目した場合も既述した外形の違いと同様に重量の小さい順に放出順序を設定して放出すれば、後から放出される重い硬貨が軽い硬貨を押し退けたり崩して、偏った堆積現象を自然に崩すため放出された硬貨は均等に分散されて集積され、金種毎に異なった硬貨の重量を識別要素に有効利用して安定した集積性能が得られる。
【0079】
また、首振りフラッパを設けた場合は、放出部分で放出硬貨が左右に振分けられて、各硬貨の放出方向がバケット内に分散されるため均等に集積することができる。
【0080】
さらに、硬貨自体が持つ外形、重さの物理的性質と、この硬貨の放出速度や振分け動作を任意に組合わせて放出性能を高めたり、最適な放出条件で放出制御することができる。
【0081】
この発明と、上述の一実施例の構成との対応において、
この発明の記憶手段は、実施例のRAM43に対応し、
以下同様に、
放出制御手段は、CPU41に対応し、
硬貨放出部は、入出金口13のバケット14に対応し、
搬送手段は、横搬送ベルト19に対応し、
振分け放出手段は、首振りフラッパ101に対応するも、
この発明は請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、上述の一実施例の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の硬貨処理装置の内部構造を示す概略側面図。
【図2】 この発明の硬貨処理装置の内部構造を示す要部正面図。
【図3】 この発明の硬貨処理装置の内部構造を示す要部背面図。
【図4】 この発明の硬貨処理装置の制御回路ブロック図。
【図5】 この発明のバケットでの硬貨集積状態を示す要部縦断面図。
【図6】 この発明の硬貨処理装置の外形別の出金処理動作を示すフローチャート。
【図7】 この発明の硬貨処理装置の重量別の出金処理動作を示すフローチャート。
【図8】 この発明のバケットでの偏り堆積現象の一例を示す要部縦断面図。
【図9】 この発明の硬貨処理装置の放出速度を加速設定した出金処理動作を示すフローチャート。
【図10】 この発明の首振りフラッパの使用状態を示す要部平面図。
【図11】 従来のバケットへの硬貨放出状態を示す要部側面図。
【符号の説明】
11…硬貨処理装置
13…入出金口
14…バケット
19…横搬送ベルト
23…金種別スタッカ
41…CPU
43…RAM
81…偏り堆積現象
101…首振りフラッパ
S…放出硬貨カウントセンサ
C…硬 貨
C1 …小さな硬貨
C2 …大きな硬貨
C3 …偏り硬貨

Claims (2)

  1. 複数金種の硬貨を放出処理する硬貨処理装置であって、
    上記硬貨自体の外形又は重量を金種別に記憶した記憶手段と、
    上記記憶手段の記憶情報に基づいて外形又は重量の小さい順に硬貨の金種別放出順序を定めると共に、
    放出する金種の外形が特定金種の外形より大きい場合、又は、放出する金種の重量が特定金種の重量より大きい場合、該放出する金種の硬貨の放出速度を加速する放出制御手段とを備えた
    硬貨処理装置。
  2. 上記放出制御手段は、硬貨放出部に搬送接続した搬送手段の接続ガイド部を変位させて振分け放出する振分け放出手段を備えた
    請求項1記載の硬貨処理装置。
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