JP3952994B2 - 建設機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベルや自走式クレーン等の建設機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図3に示すように、油圧ショベルに搭載される作動油タンク50は、図示しない上部旋回体のフレーム51上に支持されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の作動油タンク50は、通常、高さhだけフレーム51より上方に支持されており、送油ポート52の取り回しや多数の油圧配管をそのフレーム1上に配索されるためのスペースが確保されている。
【0004】
作動油タンク50の片側を支持している支持部材53はパイプ材で構成されており、この支持部材53の上端は作動油タンク50の底面に接続され、下端はフレーム51上に接続されている。
【0005】
上記支持部材53は、作動油タンク50内の作動油を排出するためのドレン通路として機能させるために作動油タンク50内と連通しており、支持部材53が接続されるフレーム51には開口が設けられている。そしてこの開口を通して入れたドレンボルトを、支持部材53下部内壁に形成された雌ねじ部に着脱自在に取り付けるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−81093号公報(第(3)頁、図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の作動油タンク取付構造では、支持部材53を介して作動油タンク50とフレーム51を連結するとともに、フレーム51に開口を設け、さらに支持部材53にドレンボルト取付部を設ける必要があり、ドレン通路の構成が複雑になるという問題がある。
【0008】
しかも、ドレンボルトの取り付けは、左右のクローラに挟まれたロワーフレーム下方から行わなければならず、作業性が悪いという問題もある。
【0009】
本発明は以上のような従来の作動油タンク構造における課題を考慮してなされたものであり、ドレン通路の構成を簡略化することができ、且つドレン作業の効率を高めることのできる建設機械を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、作動油タンクと、機械の作動を制御する油圧制御系のパイロットラインを開閉する切換弁とを有し、この切換弁からの戻り油が戻り配管を通じて作動油タンクの底部から戻されるように構成された建設機械であって、上記戻り配管における上記作動油タンクよりも下方に配置される部位にドレン管を分岐して設け、このドレン管の出口にドレン管を開閉する開閉手段が設けられ、この開閉手段によって上記出口が開放された場合に、戻り配管を通じて作動油タンク内の油を排出できるように構成した建設機械である。
【0011】
本発明において、作動油タンクよりも下方とは、切換弁と作動油タンクとの間にその作動油タンク内の油を排出するのに十分な高低差が得られるように下方に配置すればよい。
【0012】
本発明に従えば、作動油タンクよりも下方に配置される部位の戻り配管にドレン管を分岐して設けたため、開閉手段によってそのドレン管の出口を開放すると、作動油タンク内の作動油が戻り配管を通してドレン管まで案内され、その出口から排出される。
【0013】
本発明において、作動油タンクよりも下方で且つ上部旋回体の旋回フレーム外周部に切換弁を配置すれば、戻り配管における切換弁側接続部にドレン管を分岐して設けることができる。
【0014】
本発明において、上記切換弁として、座席の乗降側に配置された乗降遮断レバーの開閉動作に連動してパイロットポンプからリモコン弁に至る油路を開閉し建設機械非操作時における油圧装置の誤動作を防止する電磁切換弁を設けることができる。
【0015】
本発明において、上記切換弁の外側に配置される上部旋回体の本体カバーを開閉自在に構成すれば、ドレン作業を機体外部から簡便に行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る作動油タンク構造の一実施形態を示したものである。
【0018】
同図は建設機械の上部旋回体内の構成を正面から見たものであり、1はその上部旋回体の旋回フレームである。
【0019】
この旋回フレーム1の略中央には、図示しないスイングブームを支持するためのスイングブラケット2が設けられ、旋回フレーム1から立設された支柱3上に上部プレート4が設けられている。
【0020】
この旋回フレーム1と上部プレート4との間の空間は、例えば多数の油圧配管をそのフレーム1上に配索されるためのスペースとして利用される。5は上部プレート4上に設置された作動油タンクである。
【0021】
また、支柱3から横方向に延設されたブラケット6には電磁切換弁(切換弁)7がボルト8を介して取り付けられている。
【0022】
この電磁切換弁7は、図示しない運転座席の乗降側に備えられている乗降レバーと連動してパイロットラインを開閉するものである。詳しくは、図示しないパイロットポンプとリモコン弁との間のパイロットラインに介設されるこの電磁切換弁7は、乗降レバーを上げた場合に、その電磁切換弁7のソレノイドに流れる電流が遮断されることによって各リモコン弁に通じるパイロットラインを遮断し、建設機械非操作時における誤操作を防止するようになっている。一方、乗降レバーを下げるとパイロットラインがつながり、建設機械を操作できる状態になる。
【0023】
この電磁切換弁7は、旋回フレーム1の外周部(外周側縁部1aの近傍)、換言すれば本体カバー9内壁に最も近い位置に配置されており、図2に示すように、本体上面にはパイロットポンプからの油が導入されるPポート7aを有し、本体側面には、導入された油を各リモコン弁に送るための第1ポート7b〜第3ポート7dが配設されている。また、本体下面には作動油タンク5に油を戻すためのTポート(切換弁側接続部)7eが設けられている。
【0024】
このTポート7eにはT字管7fが接続され、このT字管の一方(前側)の出口は、ホース10を介し作動油タンク5の底面から垂下されたL字状管11に接続されている。ホース10の先端部はTポート7eに接続されることになる。上記T字管7fおよびホース10は戻り配管として機能する。
【0025】
また、T字管7fの他方(後側)の出口にはドレン管7gが接続されており、このドレン管7gに開閉手段としてのドレンプラグ7hがねじ止めされている。
【0026】
次に、上記構成を有する建設機械におけるドレン作業について図1を参照しながら説明する。
【0027】
本体カバー9を開くと、電磁切換弁7が旋回フレーム1の外周側縁部1aから外側に張り出した状態で現れる。
【0028】
この状態で電磁切換弁7の下方に受け皿を用意し、ドレン管7gからドレンプラグ7hを取り外す。
【0029】
ドレンプラグ7hを取り外すと、作動油タンク5から斜め下向きに配索されているホース10を通して作動油タンク5内の油が流れ出し、ドレン管7gの開口から排出されて受け皿に蓄えられる。
【0030】
本実施形態では、ドレンプラグ7hを装着した状態では、戻り油がTポート7eからホース10を通じて作動油タンク5に戻る、いわゆる戻り油路として機能し、また、ドレンプラグ7hを取り外すと、ホース10を通じて作動油タンク5内の油がドレン管7gに案内され排出されるようになり、戻り油路をドレン通路として機能させることができる。
【0031】
また、本実施形態では作業者はクローラの外側に立ってドレンプラグ7hを取り外すだけの簡単な操作で作動油タンク5内の油を排出することができる。したがって作業者は、クローラの間のロワーフレーム下方にもぐり込み、上向き姿勢でドレンプラグを取り外すといった従来のドレン作業における繁雑な作業から解放される。
【0032】
なお、上記実施形態では、ドレン管7gを電磁切換弁7のTポート7eに直接取り付ける構成について説明したが、これに限らず、電磁切換弁7のTポート7eと作動油タンク5とを接続するホース10にドレン管を設けることもできる。この場合、ホース10へのドレン管の取付位置は、作動油タンク5よりも下方に位置するところが好ましく、より好ましくはホース10が最も垂下した部分である。
【0033】
また、上記実施形態では旋回フレームの外周部1aに配置されている電磁切換弁7からの戻り配管を利用することにより、ドレン配管および固定用ブラケットを排除できるように構成した。しかしながら、戻り配管とは別にドレン用の配管を設け、例えば旋回フレームの外周部1aに存在するフレームを利用してホース10の先端部を固定することもできる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、請求項1の本発明によれば、切換弁からの戻り油が戻り配管を通じて作動油タンクに戻される建設機械であって、戻り配管における作動油タンクよりも下方に配置される部位にドレン管を分岐して設け、このドレン管の出口に開閉手段を設けたため、この開閉手段によってドレン管の出口を開放することにより、作動油タンク内の作動油を戻り配管を通してドレン管の出口まで案内し、そのドレン管を通じて排出することができる。
【0035】
また、戻り配管をドレン通路としても使用することができるため、作動油タンクまわりの配管を簡素化することができる。
【0036】
請求項2の本発明によれば、作動油タンクよりも下方で且つ上部旋回体の旋回フレーム外周部に切換弁を配置すれば、その切換弁を利用して、戻り配管における切換弁側接続部にドレン管を分岐して設けることができる。
【0037】
請求項3の本発明によれば、上記切換弁として、座席の乗降側に配置された乗降遮断レバーの開閉動作に連動してパイロットポンプからリモコン弁に至る油路を開閉し建設機械非操作時における油圧装置の誤動作を防止する電磁切換弁を設けたため、既存の切換弁を利用して配管の先端部を固定することができる。
【0038】
請求項4の本発明によれば、上記切換弁の外側に配置される上部旋回体の本体カバーを開閉自在に構成したため、ドレン作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリターン配管構造の正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】従来の作動油タンクの構造を示す側面図である。
【符号の説明】
1 旋回フレーム
1a 旋回フレーム外周側縁部
2 スイングブラケット
3 支柱
4 上部プレート
5 作動油タンク
6 ブラケット
7 電磁切換弁
7a Pポート
7b〜7d 第1〜第3ポート
7e Tポート
7f T字管
7g ドレン管
7h ドレンプラグ
9 本体カバー
10 ホース
Claims (4)
- 作動油タンクと、機械の作動を制御する油圧制御系のパイロットラインを開閉する切換弁とを有し、この切換弁からの戻り油が戻り配管を通じて上記作動油タンクの底部から戻されるように構成された建設機械であって、上記戻り配管における上記作動油タンクよりも下方に配置される部位にドレン管を分岐して設け、このドレン管の出口に上記ドレン管を開閉する開閉手段が設けられ、この開閉手段によって上記出口が開放された場合に、上記戻り配管を通じて作動油タンク内の油を排出できるように構成したことを特徴とする建設機械。
- 上記作動油タンクよりも下方で且つ上部旋回体の旋回フレーム外周部に上記切換弁が配置され、上記戻り配管における上記切換弁側接続部に上記ドレン管が分岐して設けられる構成とした請求項1記載の建設機械。
- 上記切換弁として、座席の乗降側に配置された乗降遮断レバーの開閉動作に連動してパイロットポンプからリモコン弁に至る油路を開閉し建設機械非操作時における油圧装置の誤動作を防止する電磁切換弁が設けられている請求項1または2記載の建設機械。
- 上記切換弁の外側に配置される上記上部旋回体の本体カバーが開閉自在に構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の建設機械。
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