JP3952502B2 - 画像データ処理システム及び画像保存装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント処理と画像データ保存処理を同時並行に行う場合、画像データを保存する記憶媒体の容量が所定以下になった場合でもプリント処理を続行することのできる画像データ処理システム及び画像保存装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる画像保存装置は、写真プリントを作成するための画像データ処理システムにおいて用いられている。写真プリント作成手順の概略を説明する。まず、現像済みネガフィルムをスキャナーにセットし、これをスキャニングして、コマ画像の画像データを取得する。取得された画像データについては、モニターに画像表示させて、色・濃度が適切なプリントが作成されるか否かを判定する。オペレータは、必要に応じて色・濃度の補正値を入力する。そして、画像処理部において、上記色・濃度の補正値に基づく画像処理や、プリントサイズに合致した画像サイズに変換するための変換処理や、その他の適宜の画像処理を行い、プリント用画像データを作成する。このプリント用画像データは、プリント作成装置に送信されて、写真プリントが作成される。
【0003】
一方、ネガフィルム等から取得された画像データは、ハードディスクのような大容量記憶媒体にも保存される。プリント処理に使用する画像データをハードディスクにも保存するのは、次のような理由である。すなわち、 後日、顧客から焼き増し処理(リプリント)の依頼があった場合に、保存されている画像データを利用するためである。ハードディスクに保存させておくことで、顧客はネガフィルム等を持ち込まなくてもリプリント依頼ができる。また、ネガフィルムを再度スキャニングする必要がないので、焼き増し処理の作業効率がアップする。なお、ハードディスクに保存する場合は、プリント用画像データそのままの形態ではなく、これを適宜サイズ変更したり、JPEG等で圧縮して保存することもある。
【0004】
以上のように、取得した画像データをプリント作成用にも用い、ハードディスクへの保存用にも用いるようシステムの場合、画像処理部で作成したプリント用画像データを同時にプリント作成装置と画像保存装置の両方に送信可能にするシステム構成が考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように同時に2箇所にプリント用画像データを送信するように構成した場合、次のような課題がある。すなわち、 画像保存装置の記憶媒体に画像データを保存していくと、記憶容量には限界があるため、空き容量が次第に少なくなっていき、最後には空き容量がなくなる。空き容量がなくなると、画像保存装置へのプリント用画像データの送信ができなくなる。したがって、プリント用画像データをプリント作成装置と画像保存装置の両方に送信するシステムにおいては、一方の画像保存装置へのデータの送信が不能になれば、プリント作成装置へのデータ送信もできなくなる。その結果、プリント処理を中断せざるを得ず、プリント作成効率が低下する。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、プリント用画像データをプリント作成装置と画像保存装置の双方に同時送信可能なシステムにおいて、画像保存装置側の記憶容量が所定以下になった場合でもプリント処理を中断しなくてもすむ画像データ処理システム及び画像保存装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係る画像データ処理システムは、
画像データが入力される画像入力部と、
入力された画像データに対して画像処理を施してプリント用画像データを生成する画像処理部と、
前記プリント用画像データをプリント作成装置と画像保存装置の両方に同時送信可能な画像送信部と、
この画像送信部から前記プリント用画像データを前記プリント作成装置と前記画像保存装置の両方に送信する第1モードと、前記プリント作成装置のみに送信する第2モードとを設定可能なモード設定手段とを備え、
前記画像保存装置は、
前記画像送信部から送信されてくる前記プリント用画像データを受け取る画像受取部と、
受け取ったプリント用画像データを保存するための記憶媒体と、
この記憶媒体の空き容量を監視する容量監視手段とを備え、
前記第1モードに設定していたときに、前記容量監視手段により空き容量が所定容量以下になったことが検出されると、前記第1モードから前記第2モードにモードを変更するモード変更手段を備えたことを特徴とするものである。
【0007】
この構成による画像データ処理システムの作用・効果は、以下の通りである。このシステムでは、画像処理部にて生成したプリント用画像データをプリント作成装置と画像保存装置の両方に同時送信可能に構成されている。そして、モード変更手段を備えており、プリント用画像データをプリント作成装置と画像保存装置の両方に送信する第1モードと、プリント作成装置のみに送信する第2モードとを選択可能である。(なお、更に別の第3モードを備えていても良い。)
一方、画像保存装置は、記憶媒体の容量を監視する容量監視手段を備えており、第1モードによる処理を行っているときに、記憶容量が所定容量以下(0の場合を含む)になると第2モードに変更する。つまり、画像保存装置側にプリント用画像データを送信しなくても良いモードに自動的に切り替えるので、プリント処理を支障なく続行できる。その結果、プリント用画像データをプリント作成装置と画像保存装置の双方に同時送信可能なシステムにおいて、画像保存装置側の記憶容量が所定以下になった場合でもプリント処理を中断しなくてもすむ画像データ処理システムを提供することができる。
本発明の好適な実施形態として、前記容量監視手段により空き容量が所定容量以下になったことが検出されると、前記画像受取部が受け取ったプリント用画像データを記憶媒体へ転送する前に削除する画像削除手段とを備え、
前記モード変更手段を機能させることができない状況の時に、前記画像削除手段による画像データの削除を行うように構成したことものがあげられる。
【0008】
記憶容量が所定以下になった場合に、第1モードから第2モードへ変更することで、プリント処理を続行することができるが、モードを途中で変更できないような状況もある。1オーダー分(例えば、ネガフィルム1本、メディア1個)のプリント用画像データを送信している途中の場合、1オーダー分の処理が完了するまではモード変更をすることができない。上記構成によると、画像保存装置側に画像削除手段を備えており、記憶媒体へ画像データを送信する前に削除できる。つまり、画像保存装置では画像データを受け取っても削除するようにできるので、画像送信部は、引き続きプリント用画像データの同時送信を行うことができる。
【0009】
本発明に係る別の画像データ処理システムは、
画像データが入力される画像入力部と、
入力された画像データに対して画像処理を施してプリント用画像データを生成する画像処理部と、
前記プリント用画像データをプリント作成装置と画像保存装置の両方に同時送信可能な画像送信部とを備え、
前記画像保存装置は、
前記画像送信部から送信されてくる前記プリント用画像データを受け取る画像受取部と、
受け取ったプリント用画像データを保存するための記憶媒体と、
この記憶媒体の空き容量を監視する容量監視手段とを備え、
前記容量監視手段により空き容量が所定容量以下になったことが検出されると、前記画像受取部が受け取ったプリント用画像データを記憶媒体へ転送する前に削除する画像削除手段を備えていることを特徴とするものである。
【0010】
この構成によると、画像保存装置側に画像削除手段を備えており、記憶媒体へ画像データを送信する前に削除できる。つまり、画像保存装置では画像データを受け取っても削除するようにできるので、画像送信部は、引き続きプリント用画像データの同時送信を行うことができる。
【0011】
本発明の好適な実施形態として、前記画像受取部に設けられ、送信されてきたプリント用画像データを一時的に保存するバッファメモリと、
このバッファメモリに保存された画像データが前記記憶媒体に保存される前に移し替えられる本体メモリとを備え、
前記画像削除手段は、前記バッファメモリから前記本体メモリに画像データが移し替えられた後、当該画像データを削除するように作用するものがあげられる。
【0012】
この構成によると、画像送信部から画像データが送信されてくるとバッファメモリに保存される。このバッファメモリから本体メモリへと画像データを移し替える。画像削除手段は、本体メモリに展開された画像データを削除する。このように、バッファメモリを空けることができるので、記憶媒体の容量が所定以下になっても、バッファメモリは送信されてくる画像データを受け入れることができる。その結果、プリント処理を中断せず続けることができる。
【0013】
本発明に係る画像データ処理システムに用いられる画像保存装置は、
前記画像送信部から送信されてくる前記プリント用画像データを受け取る画像受取部と、
受け取ったプリント用画像データを保存するための記憶媒体と、
この記憶媒体の空き容量を監視する容量監視手段と、
前記第1モードに設定していたときに、前記容量監視手段により空き容量が所定容量以下になったことが検出されると、前記第1モードから前記第2モードにモードを変更させるために、検出信号を前記画像データ処理システムのイメージプロセッサーに送出する手段と、
前記容量監視手段により空き容量が所定容量以下になったことが検出されると、前記画像受取部が受け取ったプリント用画像データを記憶媒体へ転送する前に削除する画像削除手段とを備えていることを特徴とするものである。
かかる構成の作用・効果は、以下のとおりである。まず上記に記載の画像データ処理システムでは、画像処理部にて生成したプリント用画像データをプリント作成装置と本発明の画像保存装置の両方に同時送信可能に構成されている。そして、モード変更手段を備えており、プリント用画像データをプリント作成装置と画像保存装置の両方に送信する第1モードと、プリント作成装置のみに送信する第2モードとを選択可能である。(なお、更に別の第3モードを備えていても良い。)そして、本発明の画像保存装置は、記憶媒体の容量を監視する容量監視手段を備えており、第1モードによる処理を行っているときに、記憶容量が所定容量以下(0の場合を含む)になると第2モードに変更されるように、画像データ処理システムのイメージプロセッサーにその旨の検出信号を送出する。つまり、画像保存装置側にプリント用画像データを送信しなくても良いモードに自動的に切り替えることができる。また、画像削除手段を備えており、記憶媒体へ画像データを送信する前に削除できる。つまり、画像保存装置では画像データを受け取っても削除するようにできるので、画像データ処理システム側の画像送信部は、引き続きプリント用画像データの同時送信を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る画像データ処理システムの好適な実施形態を図面を用いて説明する。 図1は、画像保存装置が用いられる画像データ処理システムの全体構成を示す概念図である。 この画像データ処理システムは、画像データを入力して、これを用いて写真プリントを作成すると共に画像データを保存するためのシステムである。
<システムの構成>
システムを機能別に大きく分けると、イメージプロセッサーAと、画像保存装置Bと、プリンタプロセッサー(プリント作成装置)Cに分けられる。まず、イメージプロセッサーAについて説明する。イメージプロセッサーAは、プリント作成すべき画像データを取り込み、画像処理を行う機能を有する。画像入力部1は、画像形成媒体から画像データを入力し取り込むために設けられる。ネガフィルムFのような写真フィルムからコマ画像を読み取る場合には、フィルム専用のスキャナーが用いられる。 また、デジタル画像が記録されている各種のメディアM(MOディスク、フレキシブルディスク、デジタルカメラ用記憶媒体等)からも画像データを取り込むことができる。取り込んだ画像データは、一旦画像メモリ2に送られて記憶される。
【0015】
画像処理部3は、プリント作成に用いるプリント用画像データを生成するために種々の画像処理を行う機能を有する。画像処理の機能は、ハードウェアとソフトウェアとの適宜の組み合わせにより実現することができる。第1制御部4は、イメージプロセッサーAの内部の作動制御を行う機能を有する。第1制御部4は、1つ又は複数のCPUと、制御プログラム等を中核として構成されている。キーボード5は、システム内の各部に対する指令を与えたり、各種データの入力・設定を行うために用いられる。モニター6は、プリント処理の進行状況を確認したり、取り込んだ画像データを表示させて色・濃度の判定を行う場合等のために用いられる。 設定部7は、プリント処理のモードや画像データの保存形態等を設定するために設けられており、ソフトウェアの機能に基づくものである。
【0016】
画像処理部3で行う画像処理としては、例えば、次のようなものがあげられる。現像済みネガフィルムFからコマ画像の画像データを読み取り、モニター6に表示させる。オペレータは、表示された画面を見て、適切な色・濃度でプリントできるかを判定し、必要に応じて色・濃度の補正値をキーボード5により入力する。この補正値に基づいて、画像データの修正を行う。また、写真プリントを作成する場合は、そのプリントサイズに対応したサイズの画像データとしなければならない。そのために、取り込んだ画像データに対して拡大又は縮小処理を行う。これは、画像処理部3内における第1変換処理部3aの機能として行うものである。また、4BASEや16BASE(1BASE=512×768ピクセル)といった規格サイズへの拡大・縮小処理も行うことができる。さらに、JPEG等の圧縮処理を行うこともできる。画像送信部8からは画像処理部3で作成したプリント用画像データを送信する。
【0017】
プリンタプロセッサーCは、露光エンジン10、現像処理部11、乾燥処理部12を備えている。プリンタプロセッサーCの各部は、制御部13により制御される。露光エンジン10は、画像送信部8からプリント用画像データを受け取ると、これを用いて写真感光材料の乳剤面に画像を焼付露光する。露光エンジン10は、レーザーエンジン、PLZTエンジン、CRTエンジン等の適宜の方式のものを使用することができる。現像処理部11は、画像が焼付露光された写真感光材料に対して現像処理を施す。乾燥処理部12は、現像処理された写真感光材料に対して乾燥処理を行う。プリント排出部から、仕上がりの写真プリントが排出される。画像処理部3では、露光エンジン10でそのまま使用できる形のプリント用画像データを作成するようにしている。
【0018】
次に、画像保存装置Bを説明する。画像保存装置Bは、画像データを保存・管理することを主目的として使用する。画像保存装置Bは、例えば、一般的なパソコンにより構成することができる。したがって、画像の保存・管理以外の付加的な機能を備えていても良い。
【0019】
バッファ基板20は、画像受取部として機能し、画像送信部8から送信されてくる画像データ(プリント用画像データ)を受け取ることができる。バッファ基板20は、バッファメモリ20aを備えており、受け取った画像データを一時的に保存する。バッファメモリ20aは、画像数枚分の記憶容量を有していれば良い。第2変換処理部20bは、受け取った画像データに対する変換処理を行う機能を有する。この機能は、画像処理部3の第1変換処理部3aと同様である。第2変換処理部20bは、ハードウェアにより構成し、処理時間が速くなるようにしている。本体メモリ21(パソコンの主記憶装置に相当)は、バッファメモリ20aから画像データを受け取る。なお、第2変換処理部20bによる処理を行わずに、受け取ったプリント用画像データをそのままハードディスク22やCD−Rに保存・書き込みができる。
【0020】
本体メモリ21の中に展開された画像データは、ハードディスク22(記憶媒体に相当)及び/又はCD−R書き込み装置23(外部記録部に相当)のCD−R(外部記録媒体)に送られる。顧客から写真プリント作成の依頼を受けた写真店では、取り込んだ画像データを用いて写真プリントを作成するだけでなく、ハードディスク22へも保存するようにしている。これは、後日、顧客から焼き増し処理(リプリント)の依頼があった場合に、保存されている画像データを利用するためである。ハードディスク22に保存させておくことで、顧客はネガフィルム等を持ち込まなくてもリプリント依頼ができる。また、ネガフィルムを再度スキャニングする必要がないので、焼き増し処理の作業効率がアップする。
【0021】
また、顧客から写真プリントの作成のみならず、CD−Rへの画像データの書き込み処理の依頼を受けることもある。その場合も、画像保存装置Bを利用して画像データの書込みを行うようにしている。外部記録媒体の例としてCD−Rをあげているが、これに限定されるものではなく、DVD等の他の外部記録媒体に書き込むようにしても良い。
【0022】
第2制御部24は、画像保存装置Bの各部の制御を行う。第2制御部24は、CPU及び画像管理ソフトウェア(画像管理制御部に相当)等を中核として構成される。この画像管理ソフトウェアは、受け取った画像データをハードディスク22に保存し、データベース化する機能を有する。画像データは、オーダー単位で管理・保存される。保存された画像データには画像ID(コマ番号に対応)とオーダーIDが付与される。リプリントの際には、これらのIDをキーにすることで、データベースの検索を行い、リプリントすべき画像データを抽出することができる。第2制御部24には、モニター25と、キーボード26が接続されている。
【0023】
イメージプロセッサーAの設定部7では、画像データの処理モードを設定することができる。例えば、「写真プリント作成+ハードディスク保存+CD−R書き込み」を同時に行うモード(第1モード)、「写真プリント作成+ハードディスク保存」を同時に行うモード(別の第1モード)、「写真プリント作成+CD−Rへの書き込み」を同時に行うモード、である。また、写真プリント作成を行わない場合は、ハードディスク保存及び/又はCD−R書き込み、を行うモードである。通常は、ハードディスクへの保存は行うようにしている。さらに、写真プリント作成のみを行うモード(第2モード)もある。これらは、設定部7の処理モード選択手段7bの機能に基づく。
【0024】
また、設定部7の機能として、画像データの変換処理を第1変換処理部3aで行うか第2変換処理部20bで行うかの設定もできる。この変換処理部の選択は、必要とされる写真プリント作成能力に応じて、いずれかを選択することができる。これは、設定部7の変換処理選択手段7aの機能に基づく。また、例えば、ネガフィルムをスキャニングして取得した画像データを何らの処理も施さずCD−Rに書き込んで欲しいというユーザーのために、画像入力部1で取得した画像データをそのままの形で画像保存装置B側に送信できるモードも備えている。これも処理モード選択手段7bの機能により選択できる。
【0025】
さらに、画像データをJPEGのような画像圧縮モードで保存したり書き込んだりする場合は、その圧縮率を選択できる。これは、設定部7の圧縮率選択手段7cの機能に基づくものである。通常は、圧縮率の数値を大きく(例えば、90%程度)に設定しておくことが好ましい。圧縮方法はJPEGによるものでなく、他の圧縮方法を用いても良い。
【0026】
<画像保存装置の詳細構成>
次に、画像保存装置Bの詳細構成を図2により説明する。図2において、ハードディスクユニットHには、ハードディスク22と、予備ハードディスク27(予備記憶媒体に相当)が設けられており、これらは、ハードディスク・コントローラ28により制御される。予備ハードディスク27は、後述するデフラグメントをハードディスク22に行う場合、一時的に用いられる。したがって、予備ハードディスク27の容量としては、必要最小限に設定しておけばよい。なお、ハードディスク22と予備ハードディスク27を設けるという意味は、物理的に2つのハードディスクを設けるという意味に限定されるものではなく、論理的に(ソフト的に)2つに分けるような形でも良い。コントローラ28は、本体メモリ21にある画像データをハードディスク22に保存するのか、予備ハードディスク27に保存するのかを制御可能である。
【0027】
第2制御部24として、基本ソフトウェア(OS)30が設けられており、デフラグメントツール(手段)30bの機能を有している。画像管理ソフトウェア31は、前述したように、ハードディスク22に画像データベースを構築する機能を有している。バッファ基板20が受け取った画像データをバッファメモリ20aから読み出し、本体メモリ21に展開させる機能、本体メモリ21に展開されている画像データをハードディスクユニットHへ送信したり、CD−R書き込み装置23に送信したりする機能は、画像管理ソフトウェア31を用いることで実現している。
【0028】
また、画像管理ソフトウェア31の機能として、デフラグメントツールを起動させる起動手段31aと、デフラグメントツールを起動させる時期を設定する設定手段31bとを備えている。デフラグメントは、ハードディスク22を長期間使用することにより自然発生するフラグメントを解消する目的で行う。しかし、デフラグメントを行うタイミングをオペレータに完全に任せていると、デフラグメントを忘れてしまい、画像保存装置Bにおける画像データの保存や読み出しの処理効率が低下するという問題がある。そこで、定期的にデフラグメントを実施できるような仕組みを採用している。
【0029】
また、基本ソフトウェア30には、容量監視手段30aが設けられている。これは、ハードディスクユニットH内のハードディスク22の容量(空き容量)を監視する。ハードディスク22内の空き容量が少なくなると(あるいは、なくなると)、バッファ基板20で画像データを受け取っても保存できなくなるからである。ハードディスク22に画像データを保存できないということは、バッファ基板20が画像データを受け取れなくなる(バッファメモリ20aを空けることができない。)。したがって、画像送信部8からプリント用画像データをプリンタプロセッサーCと画像保存装置Bに同時送信するような場合には、画像送信部8からプリント用画像データを送信できなくなるため、プリント処理を中断せざるを得なくなる。そこで、ハードディスク22の空き容量が仮になくなったとしても、プリント処理を続行できるようなシステム構成が要求される。画像管理ソフトウェア31には、そのための対策機能が備えられている。
【0030】
空き容量設定手段31cは、上記対策機能を実行させるためのハードディスク22の空き容量を設定する。最低設定値は0であるが、有限値を設定することが好ましい。空き容量が設定容量以下になると、対策機能を実行する。対策機能の具体的な内容は後述する。
【0031】
警告手段31dは、空き容量が所定値以下になると警告を行う。警告の態様は種々考えられ、特定の態様に限定されるものではない。また、警告手段31dによる警告信号は、イメージプロセッサーA側にも送信される。
【0032】
画像削除手段31eは、ハードディスク22へ画像データが保存できない状態になると、画像送信部8から送信されてきた画像データを削除する機能を有する。この点についても後述する。
<画像データ処理システムの作用>
次に、図1の画像データ処理システムによる代表的な処理手順を図3のフローチャートにより説明する。まず、処理モードとして、「写真プリント作成+ハードディスク保存+CD−R書き込み」を同時並行して行うモード(第1モード)を選択する。また、画像データの変換処理は、画像保存装置側で行うように設定する。
【0033】
まず、画像入力部1であるスキャナーに現像済みネガフィルムFをセットして、スキャニングを行う(#1)。読み取ったネガフィルムの画像データを画像メモリ2に保存する(#2)。1オーダー分(ネガフィルム1本分)の画像データを取得すると、画像をモニター6に表示させる。オペレータは、モニター6の画像を見ながら、色・濃度を判定し必要に応じて色・濃度の補正値を入力する。
【0034】
画像処理部3は、入力された補正値に基づいて取り込んだ画像データに対する画像処理を行う(#3)。また、画像処理部3はその他の画像処理(カラーマネジメント処理や光源のγ補正等)を行い、プリントサイズに合致したサイズへの拡縮処理も行う。以上のようにして、最終的にプリント用画像データを生成する。
【0035】
画像送信部8は、画像処理部3により作成されたプリント用画像データをプリンタプロセッサーC側と、画像保存装置B側に同時に送信する(#4)。これは、両方へ送る画像データが同じであるので、同時に送信できるものである。プリント用画像データを送信した後、画像保存装置Bにおける各部の制御は、第1制御部4ではなく、第2制御部24により行われる。また、プリンタプロセッサーCの制御も制御部13により行われる。したがって、画像保存装置Bにより行われる画像の保存や書き込み処理により、画像入力部1や画像処理部3における処理が遅れてしまうこということがない。したがって、滞りなくプリント用画像データをプリンタプロセッサーCに送信することができるので、プリント作成効率を低下させなくてすむ。画像送信部8からプリント用画像データを画像保存装置B側に送信した後の処理は、基本的には、イメージプロセッサーA側では関与しない構成としているため、プリント作成処理と画像の保存・書き込み処理を同時に行ったとしても、システム全体の処理効率を低下させなくてもすむ。
【0036】
プリンタプロセッサーCでは、プリント用画像データを受け取ると、露光エンジン10により露光処理がされる(#5)。つまり、写真感光材料にプリント用画像データに基づいて画像が焼付露光される。ついで、写真感光材料の現像処理及び乾燥処理が施され、写真プリントが作成される(#6,7,8)。
【0037】
一方、画像送信部8から送信されたプリント用画像データは、バッファ基板20により受け取られる。バッファ基板20に設けられたバッファメモリ20aに一旦プリント用画像データが展開される。ここで、変換処理をすべきことが設定されていれば、第2変換処理部20bにおいてプリント用画像データの変換処理(JPEGによる圧縮や、サイズの拡縮処理等)が行われる(#10)。変換処理をしない場合は、ステップ#10の処理は実行されない。次に、画像管理ソフトウェアの機能により、バッファメモリ20aに展開されている画像データを読み出して、本体メモリ21に展開する(#11)。次に、この本体メモリ21のある画像データをハードディスク22に保存させると共に、CD−R書き込み装置23にも送り、CD−Rへ書き込む(#12、#13)。
【0038】
この処理手順によれば、バッファ基板20上で変換処理を行うような設定にしており、プリント作成効率を低下させなくてもすむ。従来技術では、バッファ基板20上で行う変換処理を画像処理部3で行わなければならないので、必然的に、プリント作成効率を低下させざるをえない。第2変換処理部20bを特にハードウェアで構成すれば、高速で処理を実行できるので好ましい。
【0039】
図1のシステム構成によると、画像入力部1においてネガフィルムのスキャニングをしながらも、ハードディスク22への保存やCD−R書き込み装置23への書き込みを行えるので、この点においても処理時間が高速になる。従来のシステムでは、これらを同時処理することが困難であった。
【0040】
図3のフローチャートでは、同じプリント用画像データを画像送信部8から同時送信する構成を説明した。双方へ異なる画像データが送信される場合は、同時送信ができないので、タイミングをずらして送信することになる。例えば、画像処理部3の第1変換処理部3aで変換処理を行った画像データを画像保存装置Bへ送信する場合は、プリンタプロセッサーCへ送信する画像データと、画像保存装置Bへ送信する画像データとは異なるものになるので、タイミングをずらして送信する。この場合であっても、同時送信の場合に比べると処理効率は低下するものの、従来システムに比べると効率は良い。
【0041】
<空き容量低下時の対策処理1>
次に、ハードディスク22の空き容量が設定した容量以下になった場合の第1の対策処理を図4のフローチャートで説明する。なお、プリント処理の処理モードは第1モード(写真プリント作成+ハードディスク保存の同時処理)に設定しているものとする。
【0042】
まず、容量監視手段30aは、ハードディスク22の空き容量が設定値以下になったか否かを判断する(#30)。設定した容量以下になった場合は、警告表示を行う(#31)。例えば、画像保存装置Bのモニター25に警告表示画面を出すようにする。警報音を出しても良い。ついで、イメージプロセッサーA側に警告信号を送信する(#32)。イメージプロセッサーAの第1制御部4は、この警告信号に基づいて、第1モードから第2モードへと自動的に切り換える(#33)。これは、モード変更手段4aの機能に基づく(図1参照)。また、イメージプロセッサー側のモニター6にも警告表示を行うことが好ましい。第2モードに切り換わることにより、画像送信部8からのプリント用画像データは、プリンタプロセッサーCにのみ送信され、画像保存装置Bには送信されない(#34)。したがって、ハードディスク22の記憶容量がなくなったとしても、プリント処理を続行することができる。
【0043】
図4のフローチャートにおいて、空き容量が設定した値になっても、直ちに第2モードに切り換えるのではなく、もう1ランク下の空き容量にまで低下した場合に(例えば、空き容量が0になった場合)第2モードに切り換わるようにしても良い。これは、オペレータに対して、ハードディスク22内の不要になった画像データを削除する時間的余裕を与えるためである。
【0044】
<空き容量低下時の対策処理2>
次に、ハードディスク22の空き容量が設定した容量以下になった場合の第2の対策処理を図5のフローチャートで説明する。なお、プリント処理の処理モードは第1モードに設定されているものとする。
【0045】
まず、容量監視手段30aは、ハードディスク22の空き容量が設定値以下になったか否かを判断する(#40)。設定した容量以下になった場合は、警告表示を行う(#41)。次に、画像データ削除処理を実行する(#42)。これは、画像管理ソフトウェア31の画像削除手段31eの機能に基づき行われる。なお、図4のフローチャートと同様に、警告信号をイメージプロセッサーAに送信して、警告表示をさせるようにしてもよい。
【0046】
<画像データ削除処理>
図6は、画像データ削除処理の具体的な処理手順を示すフローチャートである。
【0047】
まず、バッファ基板20は、プリント用画像データを受け取り、バッファメモリ20aに展開する(#50、#51)。次に、バッファメモリ20aにある画像データを本体メモリ21に移し替えて展開する(#52)。これにより、バッファメモリ20aを空けることができる。本体メモリ21に展開された画像データを削除する(#53)。次に、画像保存装置側からイメージプロセッサーA側に、画像データ受け入れ許可信号を出す(#54)。これにより、画像送信部8から引き続いて画像データを送信できる。以下、同じ処理を繰り返す。 このように、画像データを受け入れるたびにこれを削除してバッファメモリ20aを開放するようにしているので、画像送信部8は、プリンタプロセッサーCと画像保存装置Bへ画像データを同時送信できる。これにより、プリント処理を中断しなくてもすむ。
【0048】
<空き容量低下時の対策処理3>
次に、ハードディスク22の空き容量が設定した容量以下になった場合の第3の対策処理を図7のフローチャートで説明する。なお、プリント処理の処理モードは第1モードに設定されているものとする。図7の処理手順は、対策処理1と対策処理2とを組み合わせたものである。よって、同じ処理を行うステップには、同じステップ番号を付している。
【0049】
図7において、ステップ#39を設けていることが特徴である。つまり、1オーダーの処理途中であるか否かを判断している。これは、オーダーの途中では、第1モードから第2モードへと切り換えができない場合に対応するためである。空き容量が所定値以下になったのが、オーダーの切れ目のところであれば、モードを変更しても良いので、ステップ#33に移行し、第2モードに切り換える。また、オーダーの途中の場合は、モードを切り換えられないので、ステップ#42に移行し、画像データ削除処理を実行する。このように、状況に応じて、いずれかを選択するようにしている。
【0050】
なお、1オーダーの概念であるが、例えば、ネガフィルム1本、メディア1個を1オーダーと定義することができる。ただし、これに限定されるものではない。
【0051】
すでに説明したように、ハードディスク22の空き容量が所定値以下になると、モード変更とか、受け取った画像データの削除処理等を行って対処する。あわせて、警告表示もしている。オペレータは、かかる表示が出たあとは、ハードディスク22内の不要になった画像データを削除するなり、別の記憶媒体に移し替えるなどの処理を行うことで、元の正常な状態に復帰させることができる。
【0052】
<別実施形態>
(1)画像送信部8から画像保存装置Bへと画像データを送信する場合は、例えば、専用回線により接続するがこれに限定されるものではない。汎用的なネットワークによりイメージプロセッサーAと画像保存装置Bとを接続しても良い。また、この場合、接続される台数については、特定の数に限定されるものではない。
【0053】
(2)画像保存装置Bを一般的なパソコンで構成した場合、これを、インターネット等のネットワークに接続することが可能である。これにより、顧客がインターネットを介して、ハードディスク22に保存されている画像データを用いたリプリント処理を依頼することもできる。
【0054】
(3)対策処理を実行したり、警告表示を行ったりする場合の空き容量の設定値であるが、これはオペレータが自分で設定できるようにしてもよいし、画像管理ソフトウェアの内部で予め固定値が設定してあっても良い。また、固定値を内部で設定すると共に、オペレータが自分で設定できるようにされていても良い。
【0055】
(4)プリント作成装置としては、プリンタプロセッサーC以外のインクジェット、熱昇華式のプリンタであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像保存装置が用いられる画像データ処理システムの全体構成を示す概念図
【図2】画像保存装置の詳細構成を示す概念図
【図3】代表的な画像データ処理システムの処理手順のフローチャート
【図4】ハードディスクの空き容量が設定した容量以下になった場合の第1の対策処理を示すフローチャート
【図5】ハードディスクの空き容量が設定した容量以下になった場合の第2の対策処理を示すフローチャート
【図6】画像データ削除処理の具体的な処理手順を示すフローチャート
【図7】ハードディスクの空き容量が設定した容量以下になった場合の第3の対策処理を示すフローチャート
【符号の説明】
A イメージプロセッサー
B 画像保存装置
C プリンタプロセッサー
1 画像入力部
2 画像メモリ
3 画像処理部
4 第1制御部
4a モード変更手段
7 設定部
8 画像送信部
20 バッファ基板
20a バッファメモリ
21 本体メモリ
22 ハードディスク
24 第2制御部
30 基本ソフトウェア
30a 容量監視手段
31 画像管理ソフトウェア
31c 空き容量設定手段
31d 警告手段
31e 画像削除手段
Claims (3)
- 画像データが入力される画像入力部と、
入力された画像データに対して画像処理を施してプリント用画像データを生成する画像処理部と、
前記プリント用画像データをプリント作成装置と画像保存装置の両方に同時送信可能な画像送信部と、
この画像送信部から前記プリント用画像データを前記プリント作成装置と前記画像保存装置の両方に送信する第1モードと、前記プリント作成装置のみに送信する第2モードとを設定可能なモード設定手段とを備え、
前記画像保存装置は、
前記画像送信部から送信されてくる前記プリント用画像データを受け取る画像受取部と、
受け取ったプリント用画像データを保存するための記憶媒体と、
この記憶媒体の空き容量を監視する容量監視手段とを備え、
前記第1モードに設定していたときに、前記容量監視手段により空き容量が所定容量以下になったことが検出されると、前記第1モードから前記第2モードにモードを変更するモード変更手段を備えたことを特徴とする画像データ処理システム。 - 前記容量監視手段により空き容量が所定容量以下になったことが検出されると、前記画像受取部が受け取ったプリント用画像データを記憶媒体へ転送する前に削除する画像削除手段とを備え、
1オーダー分のプリント用画像データを前記画像送信部から送信している途中である時に、前記画像削除手段による画像データの削除を行うように構成したことを特徴とする請求項1に記載の画像データ処理システム。 - 請求項1または2に記載の画像データ処理システムに用いられる画像保存装置であって、
前記画像送信部から送信されてくる前記プリント用画像データを受け取る画像受取部と、
受け取ったプリント用画像データを保存するための記憶媒体と、
この記憶媒体の空き容量を監視する容量監視手段と、
前記第1モードに設定していたときに、前記容量監視手段により空き容量が所定容量以下になったことが検出されると、前記第1モードから前記第2モードにモードを変更させるために、検出信号を前記画像データ処理システムのイメージプロセッサーに送出する手段と、
前記容量監視手段により空き容量が所定容量以下になったことが検出されると、前記画像受取部が受け取ったプリント用画像データを記憶媒体へ転送する前に削除する画像削除手段とを備えていることを特徴とする画像保存装置。
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