JP3952140B2 - カード差し - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はカード差しに関し、詳しくは、格子状の基本枠から構成される側壁部に着脱自在に取り付けられるカード差しに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、食品を運搬する容器あるいは組立部品などを運搬する容器などには、収納物に関する必要な事項を記入した収納物表示用のカードが利用されている。
この種のカードは、一般にカード差しと称されるプラスチック製の内容物表示器に、抜き差し自在に保持された状態で収納容器の側壁部の外面に取り付けられ、目視あるいは光電管装置等の自動検索手段によって自動的に検索されている。
【0003】
一方、このようなカードが具備される容器としては、ボックスパレットと称される枠付きのパレットも物流分野で広く採用されている。ボックスパレットは、底板の上に立設される四側壁面が格子状のパンチングメタルから構成されるもので、このパンチングメタルは、ひし形などの基本枠が連続的に形成されることによって、堅牢でかつ通風性が良く、さらには内部の様子を確認することが可能とされている。
【0004】
ところで、このような鉄製のボックスパレットに取り付けられるカード差しとしては、格子を構成する基本枠が大型になることに伴って、カード差しも大型になる。このようなカード差しは、合成樹脂製の運搬用容器などに取り付けられるカード差しに比べても大きい。
図5は、合成樹脂製の運搬用容器に取り付けられる従来のカード差しを、ボックスパレットの側壁を構成するパンチングメタルに取り付けた状態を示したものである。
【0005】
ここで、パンチングメタル2は、例えば、上下方向に長く左右方向に短いひし形の基本枠4が連続的に形成されている。一方、これに取り付けられるカード差し6は、横方向に長い略矩形状の本体部8の四隅部に、水平方向の取付爪10を四方に突出形成したものである。このようなカード差し6は、パンチングメタル2の基本枠4を利用して、カード差し6の取付爪10を弾性的に引っ掛けることにより、取付られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにプラスチック製の運搬用容器に使用されている汎用のカード差し6の構造を、ボックスパレット用に利用しようとすると、パンチングメタル2の基本枠4が大きくなることに伴って、本体部8ならびに棒状の取付爪10の突出長さが長くなる。
【0007】
すると、このようなカード差し6をパンチングメタル2の基本枠4に取り付けようとすると、本体部8ならびに取付爪10をかなり変形させなければならなくなる。そのような作業を行なうことは、手間であり、かなりの力を要することから従来から改善が求められていた。また、変形させながら取付けたとしても、ガタつきが大きいという問題があった。
【0008】
本発明は上記に鑑み、ボックスパレットを構成するパンチングメタルのような大型の格子状の枠体に容易に取り付けることが容易であるとともに、がたつきの小さいカード差しを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係るカード差しは、
連続的に形成された格子状の基本枠により構成される側壁に対し、着脱自在に取り付けられるカード差しであって、
前記側壁に着脱自在に取り付けられる矩形状の第1の本体と、この第1の本体を介して前記側壁に取り付けられる第2の本体とからなり、
前記第1の本体には、前記側壁に対し着脱自在に取り付けられるフックと、前記第2の本体を着脱自在に支持するための突起とが形成され、
前記第2の本体には、前記突起を係合するための嵌合孔と、前記側壁に対して着脱自在に取り付けられるフックとが形成されており、
前記第1の本体と前記第2の本体とが一部ラップした状態で前記格子状の基本枠に取り付けられるとともに、前記第1の本体と前記第2の本体との面同士の間に設けられたカード挟持部内に、情報が記載されたカードが挿入されることを特徴としている。
【0010】
係る構成による本発明によれば、2つの本体を格子状の基本枠に互いに組み付けることにより、1つのカード差しを構成することができる。
また、本発明によれば、取り付けるにあたり、部分的に大きく変形させる必要がなく、取付作業を全て正面側から行なうことができるので、作業性が良好である。また、2つの本体部は、突起と嵌合孔との係合により固定することができ、さらには、カード差しを上下方向に引っ張っても、フックの係合によりカード差しが抜けることがない。
【0011】
また、本発明によれば、本体部などを力により変形させることなく容易に装着し、かつガタつかせずに保持することができる。
ここで、前記第1の本体のフックと、前記第2の本体のフックは、それぞれ内方を向いて互いに対向しあうコ字状に形成されていることが好ましい。
また、前記第1の本体のフックと、前記第2の本体のフックは、それぞれ外方を向いて突出したL字状に形成されていても良い。
【0012】
さらに、前記第1の本体のフックと、前記第2の本体のフックのうち、一方がコ字状に形成され、他方がL字状に形成されていても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。
図1は本発明の一実施例によるカード差しを示したものである。
このカード差し20は、第1の本体30と第2の本体40とから構成されるもので、互いにこの姿勢で組みつけられる。
【0014】
第1の本体30は、本体部32が略矩形状に形成され、その隅角部に略コ字状のフック34,34と突起36,36とがそれぞれ形成されている。
第2の本体40は、その本体部42が、第1の本体30の本体部32より一回り大きい矩形状に形成されている。そして、この本体部42には、前記フック34の開口と対向する方向に開口したフック44,44が形成されている。また、これと反対側の端部近傍に、嵌合孔46,46が形成されている。そして、これらの嵌合孔46,46に、突起36,36が挿入されることにより、両者が互いに組みつけられる。
【0015】
これら2つの部材から構成されるカード差し20は、コスト面を考慮すれば、それぞれ合成樹脂により一体成形されることが好ましい。
また、カード差し20は、図2に示したように、特に、パンチングメタル2により形成されたボックスパレットの側壁面に取り付けることができる。
ここで、このパンチングメタル2には、ひし形の基本枠4が縦横に連続して形成されている。そして、この基本枠4は、パンチングメタル2を引き伸ばして形成されることから、比較的大きく形成されている。
【0016】
パンチングメタル2からなるボックスパレット等の側壁面に対し、上記カード差し20を取り付けるには、先ず、第1の本体30を所定位置の基本枠4に取り付け、次いで第2の本体40を一部ラップさせた状態で取り付ける。第1の本体30を取り付けるにあたり、第1の本体30における略コ字状のフック34,34を水平方向の姿勢とし、これら水平方向のフック34,34を、パンチングメタル2の上方から所定の基本枠4、4をめがけて挿入する。次いで、第2の本体40の下端部を下方の基本枠4にあてがい、フック44,44を持ち上げるように引っ掛ける。こうして、フック44,44を引っ掛けてから、第2の本体40をパンチングメタル2側に回動させれば、第1の本体30の突起36に嵌合孔46を対向させることができる。したがって、突起36と嵌合孔46とを互いに合致させれば、図2に示したように、一体に組み付けることができる。なお、情報が記載されたカードは、第1の本体30と第2の本体40との間に設けられた図示しないカード挟持部内に挿入されるように形成されている。
【0017】
このような一連の取付作業においては、第1の本体30、第2の本体40、ならびにフック34,44などを無理に変形させる必要がない。また、パンチングメタル2に向かって全て正面側からの作業で取り付けることができる。したがって、取付作業は容易である。
また、取付け後においては、上下のフック34,44が互いに対向する方向に引き合っているので、がたつきが発生せず、また、このカード差し20が大型でいくら重くなるとしても、その荷重でカード差し自体が落下したり垂れ下がってしまうようなこともない。
【0018】
なお、取り外しに際しては、先ず、第2の本体40のフック44,44をパンチングメタル2から取り外し、その後、嵌合孔46から突起36を差し抜くとともに、最後に第1の本体30のフック34,34を上方に持ち上げて取り外せば良い。このように、本実施例では、取り付も取り外しも、容易に行なうことができる。
【0019】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されない。
例えば、上記実施例では、カード差し20をパンチングメタル2で囲まれたボックスパレットの側壁面に取り付ける例を示したが、合成樹脂製の運搬用容器などにも取り付けすることができる。
【0020】
その場合には、フック34,34間のピッチや、フック44,44間のピッチなどを適宜な寸法に合わせれば良い。
また、上記実施例では、第1の本体30と第2の本体40に、それぞれ2つの断面略コ字状のフック34,34、および断面略コ字状のフック44,44を設け、さらに2つの突起36,36と嵌合孔46,46とを設けているが、これらの数はともに限定されない。また、第1の本体30と第2の本体40とを同じ大きさに形成することもできる。
【0021】
さらに、上記実施例では、フック34とフック44は、断面略コ字状に形成されているが、これに代え、例えば、図3に示したように、第1の本体30aのフック34aを断面略L字状とし、これと同様に、第2の本体40aのフック44aを断面略L字状に形成することもできる。このような形状であっても、図4に示したように、パンチングメタル2の正面側から取り付け作業を行なうことができ、図2と同様の作用効果を奏することができる。
【0022】
また、第1の本体32と、第2の本体42に具備されるフック34、44のうち、一方のフックを断面L字状とし、他方のフックを断面コ字状に形成することもできる。この場合には、フックを設ける側が背中合わせの方向になるが、上記実施例と同様の作用効果を奏することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明に係るカード差しによれば、大型なカード差しを形成した場合であっても、簡単な作業で容易に、かつ強固に取り付けることができる。また、ガタつきが発生することもない。
さらに、全ての作業をパンチングメタルの正面側から行なうことができるので、作業性が良好である。
【0024】
したがって、ボックスパレットのカード差しとして有効に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例によるカード差しの分解斜視図である。
【図2】図2は図1のカード差しをパンチングメタルに取付た状態を示した正面図である。
【図3】図3は本発明の他実施例によるカード差しの分解斜視図である。
【図4】図4は図3のカード差しをパンチングメタルに取付た状態を示した正面図である。
【図5】図5は従来のカード差しがパンチングメタルに取付けられた状態を示す正面図である。
【符号の説明】
2 パンチングメタル
4 基本枠
30 第1の本体
32 本体部
34 断面略コ字状のフック
34a 断面略L字状のフック
36 突起
40 第2の本体
42 本体部
44 断面略コ字状のフック
44a 断面略L字状のフック
46 嵌合孔
Claims (4)
- 連続的に形成された格子状の基本枠により構成される側壁に対し、着脱自在に取り付けられるカード差しであって、
前記側壁に着脱自在に取り付けられる矩形状の第1の本体と、この第1の本体を介して前記側壁に取り付けられる第2の本体とからなり、
前記第1の本体には、前記側壁に対し着脱自在に取り付けられるフックと、前記第2の本体を着脱自在に支持するための突起とが形成され、
前記第2の本体には、前記突起を係合するための嵌合孔と、前記側壁に対して着脱自在に取り付けられるフックとが形成されており、
前記第1の本体と前記第2の本体とが一部ラップした状態で前記格子状の基本枠に取り付けられるとともに、前記第1の本体と前記第2の本体との面同士の間に設けられたカード挟持部内に、情報が記載されたカードが挿入されることを特徴とするカード差し。 - 前記第1の本体のフックと、前記第2の本体のフックは、それぞれ内方を向いて互いに対向しあうコ字状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカード差し。
- 前記第1の本体のフックと、前記第2の本体のフックは、それぞれ外方を向いて突出したL字状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカード差し。
- 前記第1の本体のフックと、前記第2の本体のフックのうち、一方がコ字状に形成され、他方がL字状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカード差し。
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