JP3952104B2 - 車両の走行制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の走行制御装置に係り、詳しくは走行制御のうちの減速制御技術に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
近年、自動車の運転操作を軽減するために、先行車の追尾走行を行うべく車間距離制御装置を備えた走行制御装置が開発され実用化されている。
【0003】
この車間距離制御装置を備えた走行制御装置は、例えば、カメラ、レーザレーダ等の前方認識装置からの情報に基づいて自車と先行車との間の車間距離を検出し、この車間距離が予め設定された目標車間距離となるようエンジン出力や制動力を調整し、これにより車両を加減速させ先行車を追尾するよう構成されている。
【0004】
通常このような追尾走行制御では、自車速と先行車速との相対速度に基づいて目標減速度を算出するようにしており、車両を減速させる際には、該目標減速度に基づいて制動力を調整し車両を減速制御するようにしている。
【0005】
しかしながら、このように目標減速度に基づいて減速制御を実施する場合、該減速制御を開始或いは解除する際において、大きな目標減速度が急に出現したり或いは消滅したりし、乗員が減速ショックやブレーキ抜けのような違和感を感じたりするという問題があった。
【0006】
この点に関し、主として減速制御(自動制動制御)の解除時期に関し、目標減速度(接近度)が所定値より小さくなり車間距離が大きくなった後運転者がアクセル操作した場合に減速制御を解除するよう構成した制御装置が特開平8−310359号公報等に開示されており、当該制御によれば、ブレーキ抜けのような違和感が解消されるとともに自動制動状態から運転者による手動制動状態への切換えがスムーズに行われることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、減速制御の開始や解除は、上記公報等に開示された場合に限られるものではなく、例えば、追尾走行制御の開始操作により減速制御が開始される場合や、減速制御中に一時的にアクセル操作して加速(オーバライド)した際に減速制御が一旦解除され再び開始される場合がある。また、種々の車両走行状態に応じて減速制御が開始或いは解除される場合もある。さらに、車両走行状態に応じて目標減速度を小さく抑えるべく減速制御を制限するような場合もある。
【0008】
そして、このような場合においても、やはり上記同様に乗員が減速ショックやブレーキ抜けのような違和感を感じる虞があり好ましいことではない。
【0009】
また、通常の制御中であっても、目標減速度の変化度合が大きいような場合には目標減速度が急激に変化し、これにより乗員が減速ショックに似た違和感を感じる虞もある。
【0010】
本発明は、上述した事情に基づきなされたもので、その目的とするところは、減速制御の開始、解除或いは制限時等において運転者が減速ショックやブレーキ抜けのような違和感を感じることがなく、且つ、解除時において自動制動状態から運転者による手動制動状態へのスムーズな切換えを実現可能な車両の走行制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、請求項1の発明によれば、自車と先行車との車間距離が目標車間距離となるよう自車の車速を制御して先行車の追尾走行制御を行う車両の走行制御装置において、目標減速度演算手段により、自車の目標減速度が自車速、先行車速、車間距離及び目標車間距離に基づいて演算され、制動制御手段により、制動装置が上記演算された目標減速度に基づいて作動制御されることになるのであるが、追尾走行制御が開始されたときのように上記演算される目標減速度が急変するようなときには、目標減速度制限手段により、目標減速度は、該開始後、経過時間に応じて該開始後の目標減速度に向けて変化する制限値によって制限される。
また、請求項2の発明によれば、追尾走行制御が中断したときのように上記演算される目標減速度が急変するようなときには、目標減速度制限手段により、目標減速度は、該中断後、経過時間に応じて該中断後の目標減速度に向けて変化する制限値によって制限される。
また、請求項3の発明によれば、自車速が所定車速以下となって追尾走行制御が解除されたときのように上記演算される目標減速度が急変するようなときには、目標減速度制限手段により、目標減速度は、該解除後、自車速に応じて該解除後の目標減速度に向けて変化する制限値によって制限される。
また、請求項4の発明によれば、先行車速が所定車速以下となって追尾走行制御が解除されたときのように上記演算される目標減速度が急変するようなときには、目標減速度制限手段により、目標減速度は、該解除後、先行車速に応じて該解除後の目標減速度に向けて変化する制限値によって制限される。
また、請求項5の発明によれば、車間距離が所定距離以上となって目標減速度が制限されたときのように上記演算される目標減速度が急変するようなときには、目標減速度制限手段により、目標減速度は、該制限後、車間距離に応じて該制限後の目標減速度に向けて変化する制限値によって制限される。
また、請求項6の発明によれば、目標減速度が変化するとき、目標減速度は、該変化後の目標減速度に応じて設定される目標減速度の変化勾配制限値によって制限される。
【0012】
従って、例えば、運転者の意思に基づき追尾走行制御が開始された直後や、追尾走行制御中に運転者がアクセルペダルを操作し加速(オーバライド)して追尾走行制御が一旦中断され、その後アクセルペダルを戻し追尾走行制御が再開された直後のように目標減速度が急激に発生するような場合において、該目標減速度が時間経過とともに徐々に増加するよう制限されることになり、減速ショックが防止される。さらに、目標減速度を徐々に変化させることで、制動が必要な場合に運転者にブレーキペダルの操作を余裕をもって喚起させることができ、運転者の意図を尊重した走行が可能とされる。
【0013】
また、自車速が所定の低車速以下にあるときには追尾走行制御を行わないよう構成した場合において、自車速が所定の低車速以下となった時点で目標減速度が大きなものとされていても、例えば該目標減速度が自車速の低下とともに徐々に減少するよう制限され、つまり制動が急に解除されることがなくなり、ブレーキ抜けのような違和感の発生が防止される。さらに、目標減速度を徐々に変化させることで、継続して制動が必要な場合に運転者にブレーキペダルの操作を示唆することができ、自動走行から運転者の操作に応じた走行への移行が滑らかに実現可能とされる。
【0014】
また、先行車速が所定の低車速以下では先行車が右左折するとみなして減速制御を中断するよう構成した場合において、先行車速が所定の低車速以下となった時点で目標減速度が大きなものとされていても、例えば該目標減速度が先行車速の低下とともに徐々に減少するよう制限され、やはり制動が急に解除されることがなくなり、ブレーキ抜けのような違和感の発生が防止される。さらに、上記同様、運転者にブレーキペダルの操作を示唆することができる。
【0015】
また、車間距離が大きいときには、自車が前方の車両以外の固定物を新たな先行車と誤認識して急制動しないよう目標減速度が適正な変化度合で徐々に小さく制限される。
【0016】
また、通常の減速制御中に目標減速度が大きく変化した場合であっても、目標減速度の立ち上がり勾配が目標減速度に応じて制限され、やはり走行フィーリングの悪化が防止される。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1を参照すると、車両1に搭載された本発明に係る走行制御装置の概略構成図が示されており、以下、同図に基づき本発明に係る走行制御装置の構成を説明する。
【0018】
車両1の前部には、前方に向けてレーザビームを発射し、このレーザビームをスキャニングすることで車両1の前方に位置する物体を認識し、さらに該物体までの距離を計測可能なスキャン式レーザレーダ2が設けられている。また、車室内のルーフ部には、車両1の前方を撮像するCCDカメラ4が取り付けられている。このCCDカメラ4は、前方に位置する物体及び車線(白線)等をも認識可能とされている。
【0019】
エンジン6には、エンジン6への吸気量を制御しエンジン出力を調節するスロットルバルブ8が連結されている。詳しくは、このスロットルバルブ8には、アクセルペダル(図示せず)の開度等に応じ、後述の電子制御ユニット(ECU)50から出力される作動信号に基づき自動的にバルブ開度を調節可能なスロットルアクチュエータ12が設けられている。
【0020】
左右一対の前輪(駆動輪)20,20及び左右一対の後輪(従輪)22,22には油圧ディスクブレーキ等のサービスブレーキ(制動装置)24がそれぞれ設けられており、このサービスブレーキ24は、負圧ブースタを有したブレーキマスタシリンダ26を介してブレーキペダル28に接続されている。また、ブレーキマスタシリンダ26には、ブレーキペダル28からの入力に拘わらず、ECU50からの作動信号に応じて自動的にサービスブレーキ24を作動可能な負圧式のブレーキアクチュエータ30が設けられている。
【0021】
また、従輪である上記後輪22,22近傍には、右車輪速VSR、左車輪速VSLを検出する車輪速センサ32がそれぞれの車輪に対応して設けられている。これら車輪速センサ32,32は、自車速Veを検出するための自車速検出手段として機能する。
【0022】
車両1の車室内に設けられたステアリングホイール34のステアリングコラム36には、車両1の走行制御装置を通常の走行状態と追尾走行制御による走行状態とに切換える追尾走行切換操作スイッチ38が設けられている。追尾走行切換操作スイッチ38をセット側に操作すると車間距離制御、即ち追尾走行制御が開始され、一方リセット側に操作するとその車間距離制御が解除されることになる。
【0023】
ECU50は、車両1の各種制御を司る主制御装置である。同図に示すように、ECU50の入力側には、上記スキャン式レーザレーダ2、CCDカメラ4、車輪速センサ32,32、追尾走行切換操作スイッチ38等の各種センサ、スイッチ類が接続され、一方、出力側には、スロットルアクチュエータ12、ブレーキアクチュエータ30等の各種駆動装置類が接続されている。
【0024】
以下、このように構成された走行制御装置の制御内容、即ち本発明に係る作用及び効果について説明する。
【0025】
図2を参照すると、追尾走行制御ルーチンのフローチャートが示されており、以下、図2を参照して本発明に係る追尾走行制御の制御手順を説明する。
【0026】
追尾走行切換操作スイッチ38がセット側に操作され、追尾走行制御が開始されると、先ず、ステップS10において、先行車の判定処理が行われる。詳しくは、当該ステップS10では、スキャン式レーザレーダ2やCCDカメラ4からの情報に基づき車両1の前方に物体が認識されると、この物体が車両であるか否かを判別し、該物体が車両であると判別された場合には当該車両を先行車と判定する。先行車が複数存在するような場合には、例えばCCDカメラ4により認識された自車レーン上或いは自車ハンドル角により推定された自車レーン上に位置する車両を先行車と判定する。これにより、先行車が確定される。なお、当該先行車の判定方法は本発明とは直接関わりがないため、その詳細についての説明は省略する。
【0027】
ステップS12では、上記車輪速センサ32,32からの情報に基づき、車両1の車速、即ち自車速Veを算出する(自車速検出手段)。ここでは、自車速Veは例えば次式(1)より算出される。
【0028】
Ve=(VSR+VSL)/2 …(1)
つまり、自車速Veは右車輪速VSRと左車輪速VSLの平均値とされる。
【0029】
そして、ステップS14において、スキャン式レーザレーダ2からの情報に基づき、自車から先行車までの距離、即ち車間距離Lが精度よく計測される。
【0030】
次のステップS16では、上記車間距離情報Lに基づき、自車と先行車との相対速度Vrが演算される。詳しくは、相対速度Vrは、当該ルーチンを前回実行したときの車間距離情報Lの値、即ち前回値と今回値との変化量ΔLに基づいて演算される。このとき、変化量ΔLが正で相対速度Vrが正であれば自車は先行車から離れつつあるとみなせ、変化量ΔLが負で相対速度Vrが負であれば自車は先行車に接近しているとみなすことができる。
【0031】
ステップS18では、上記自車速Veと相対速度Vrとに基づき、次式(2)から先行車速Vfが演算される(先行車速検出手段)。
【0032】
Vf=Ve+Vr …(2)
ここでは、さらに、先行車速Vfを微分処理することで先行車加速度αfも演算される。詳しくは、先行車加速度αfは、当該ルーチンを前回実行したときの先行車速情報Vfの前回値と今回値との変化量ΔVfから演算される。
【0033】
次のステップS20では、自車の目標減速度αeを演算する。
【0034】
図3を参照すると、目標減速度αeの演算処理ルーチンが示されており、以下、当該フローチャートに基づき目標減速度αeの演算手順を説明する。
【0035】
ステップS40では、先ず、先行車減速走行中の自車の目標減速度αerを次式(3)から算出する。
【0036】
αer=−Vr・Ve/(L−Lo) …(3)
ここに、Loは先行車が減速し停止に至ったと仮定した場合に自車と先行車との間に最小限確保されるべき最小車間距離を示している。
【0037】
なお、この最小車間距離Loは車間距離Lに応じて可変するようにされており、車間距離Lが値L1(例えば、25m)以上離れているような場合には、最小車間距離Loは値0とされ、車間距離Lが値L1未満になると、最小車間距離Loは値Lo1(例えば、10m)とされる。
【0038】
つまり、車間距離Lが小さくなり自車が先行車に接近したようなときには、少なくとも最小車間距離Loを確保すべく目標減速度αerを大きくするようにし、これにより自車が先行車に接触することのないようにしているのである。
【0039】
引き続き、ステップS42では、先行車定速走行中の自車の目標減速度αecを次式(4)から算出する(目標減速度演算手段)。
【0040】
αec=Vr2/2・(L−Lf・L/La)+αa …(4)
ここに、Lfは先行車速Vfに応じて算出された先行車速に基づく目標車間距離である。詳しくは、ECU50には図4に示すようなVfとLfとの関係を示すマップが予め設定され記憶されており、目標車間距離Lfは当該マップから求められる。
【0041】
つまり、上述した最小車間距離Loが値0である場合の目標車間距離Lf1と最小車間距離Loが値Lo1(例えば、10m)である場合の目標車間距離Lf2のうちいずれか大きい方の値(実線値)が目標車間距離Lfとして選択されるようにされており、先行車速Vfが大きいときには、目標車間距離Lfは、目標車間距離Lf1に基づいて設定され、先行車速Vfが小さくなると、少なくとも最小車間距離Lo以上を確保すべく目標車間距離Lf2に基づいて設定されることになる。
【0042】
ところで、同式には目標車間距離LfにL/Laが乗算されているが、このL/Laは、自車と先行車との間に他の車両が急に割り込んできたような場合を考慮して設けられた修正係数である。
【0043】
ここに、Laは、自車速Veと相対速度Vrとに基づき予め設定され、自車が先行車に接近したときの制動開始距離であり、図5に示すようなVe、VrとLaとの関係を示すマップに基づいて設定されるものである。
【0044】
つまり、他の車両が急に割り込んできたような場合、車間距離Lは新たに当該他の車両と自車との車間距離を示すことになり、該新たな車間距離Lは一気に制動開始距離Laの範囲内となる場合が多いのであるが、このような場合には、車間距離Lの制動開始距離Laに対する割り込みの度合、即ちL/Laに応じて目標車間距離Lfを修正(減縮)するのである。
【0045】
これにより、他の車両が急に割り込んできた場合には、目標車間距離が減縮されることで目標減速度αerが小さく変更され、自車が急制動することなく緩やかに減速することになり、車両1の乗員が減速ショックを感じることが好適に防止される。
【0046】
なお、他の車両の割り込みなく本来の先行車を良好に追尾している場合、或いは割り込みがあった後当該他の車両との車間距離Lが徐々に広がり制動開始距離Laよりも大きくなった場合のように修正係数L/Laが値1を超える場合には、該修正係数L/Laは値1にクリップされ、目標車間距離は図4のマップに基づく通常の目標車間距離Lfとされる。
【0047】
また、同式中のαaは先行車加速度αfの変動等に基づく補正値であり、次式(5)から算出される。
【0048】
αa=αf・(L−Le・L/La)/(L−Lf・L/La) …(5)
ここに、Leは自車速Veに基づき設定される追従制御時の目標車間距離である。詳しくは、ECU50には、図6に示すように上記図4と同様のVeとLeとの関係を示すマップが予め設定され記憶されており、当該目標車間距離Leは当該マップから求められる。
【0049】
なお、当該補正値αaの算出式においても、目標車間距離Le及び目標車間距離Lfは修正係数L/Laによって修正されており、故に、該補正値αaは他の車両の割り込みを考慮した適正な補正値とされている。
【0050】
以上のようにして先行車減速走行中の自車の目標減速度αerと先行車定速走行中の自車の目標減速度αecとが求められたら、次のステップS44及びステップS46において目標減速度αerと目標減速度αecに対する重みを求める。
【0051】
ステップS44では、先ず先行車加速度αfに基づく重みW1を算出する。
【0052】
詳しくは、ECU50には図7に示すような先行車加速度αfと重みW1との関係を示すマップが予め設定され記憶されており、重みW1は当該マップから求められる。
【0053】
つまり、重みW1は、先行車加速度αfが負側に小さくなり、つまり先行車減速度が大きくなって所定値αf1(例えば、−0.05G)以下になると値0から徐々に増加し、所定値αf2(例えば、−0.2G)に達したところで値1となるよう設定されている。
【0054】
さらに、ステップS46では、追尾状態カウンタCNTに基づく重みW2を算出する。
【0055】
詳しくは、ECU50には上記同様にして図8に示すような追尾状態カウンタCNTと重みW2との関係を示すマップが予め設定され記憶されており、重みW2は当該マップから求められる。
【0056】
ここに、追尾状態カウンタCNTは、車両1が先行車に対し追尾状態にあるときに当該ルーチンの実行周期毎に加算されるカウンタであり、少なくとも下記1)〜3)の条件が満たされると追尾状態と判定され加算されるようにされている。
【0057】
1) (制御状態)≠(制動制御)
2) L<Le・3/2
3) |Vr|<Vr1(例えば、5km/h)
即ち、車両1が追尾状態になると追尾状態カウンタCNTが加算され始めることになるのであるが、重みW2は、該追尾状態カウンタCNTが所定値CNT1(例えば、0.5secに対応する値)を超えると値0から徐々に増加し、所定値CNT2(例えば、2.0secに対応する値)に達すると値1となるよう設定されている。つまり、重みW2は追尾状態の継続時間が長くなるにつれて値1に近づくようにされている。
【0058】
このように、先行車加速度αfに基づく重みW1と追尾状態カウンタCNTに基づく重みW2とが各マップよりそれぞれ求められたら、次のステップS48において、重みW1、重みW2及び前回値Wn-1のうち最大のものを選択し、この値を重みWに設定する。
【0059】
そして、ステップS50において、当該重みWを加味するようにして先行車減速走行中の目標減速度αerと先行車定速走行中の目標減速度αecとの加重平均を次式(6)から求め、当該加重平均値を最終的に目標減速度αeとする。
【0060】
αe=αec・(1−W)+αer・W …(6)
このように、重みWを加味して目標減速度αeを求めるようにすることにより、例えば、自車が遠方から先行車に追いついて定速走行した後、先行車の走行状態に応じて減速走行し、目標減速度αeが目標減速度αecから目標減速度αerに切換わるような場合、該目標減速度αeが目標減速度αecから目標減速度αerへ急激に切換わることがなくなり、車両1の乗員が違和感を感じることが好適に防止されることになる。
【0061】
従って、例えば先行車が定速走行しており、自車が遠方から該先行車に追いつくような状況では、先行車加速度αf、つまり先行車減速度は小さく、重みW1は値0或いはその近傍となり、また、追尾状態カウンタCNTも上記各条件を満たさないことから、重みW2についても値0或いはその近傍となる。故に、この場合には、重みWは値0或いはその近傍とされ、目標減速度αeは主として目標減速度αecに基づいて設定される。
【0062】
一方、自車が上記先行車に追いつき追尾状態となると、追尾状態カウンタCNTが加算され始めることになり、この場合には、重みW2、ひいては重みWが徐々に増加し、目標減速度αeが目標減速度αecから目標減速度αerに徐々に移行することになる。即ち、追尾状態がある程度継続したら、目標減速度αeが徐々に目標減速度αerに基づき算出されるよう予め切換えられる。故に、その後先行車が減速した場合であっても、目標減速度αeが急激に切換えられるようなことがなくなり、乗員が違和感を感じることが好適に防止される。
【0063】
自車が上記先行車に追いつき追尾状態となった直後に先行車が減速したような場合には、先行車加速度αfが負側に小さくなり、つまり先行車減速度が大きくなり、重みW1が徐々に大きくなる。故に、この場合には、上記重みW2の増加を待たずとも重みWが徐々に値1となり、目標減速度αeは速やかにして徐々に目標減速度αecから目標減速度αerに移行することになる。従って、この場合においても、目標減速度αeが急激に切換えられるようなことがなくなり、乗員が違和感を感じることが好適に防止されることになる。
【0064】
ところで、以上のようにして目標減速度αeが演算されることになるが、当該追尾走行制御では、目標減速度αeを実際の制御に適用するにあたり、目標減速度αeの出力値、即ち目標減速度出力αe−outと目標減速度入力αe−inとの間にヒステリシスが設けられている。
【0065】
つまり、図9を参照すると、目標減速度出力αe−outと目標減速度入力αe−in間のヒステリシスの関係(実線矢印)が示されているが、同図に示すように、目標減速度αeが増加するときには、傾きKは値1(K=1)とされて目標減速度出力αe−outが目標減速度入力αe−inと同一の値とされる一方、目標減速度αeが減少する場合には、目標減速度入力αe−inが所定値Xi1以上では傾きKが値1(K=1)であるもののオフセットした線に沿い減少し、目標減速度入力αe−inが所定値Xi1よりも小さく目標減速度出力αe−outが所定値Xo1よりも小さい範囲では、傾きKが値K1(K1>1、例えば1.4)である線に沿って減少する。
【0066】
これにより、通常目標減速度入力αe−inは先行車の挙動変化やスキャン式レーザレーダ2から出力される信号のノイズによる乱れ等によって細かく変動しており、特に自車が先行車に接近するとノイズが大きくなり当該変動が大きくなるのであるが、このように目標減速度入力αe−inが変動するような場合であっても、目標減速度出力αe−out、即ち目標減速度αeが変動してしまうことが好適に防止される。
【0067】
図2に戻り、ステップS22では、上記ステップS12で検出した自車速Veが所定の低車速Ve0(例えば、40km/h)よりも大きいか否かを判別する。判別結果が偽(No)で自車速Veが所定の低車速Ve0以下の場合には、一般的には車両1は街中走行をしており運転者はブレーキペダル28を操作する頻度が高いと判断でき、追尾走行制御を実施せず当該ルーチンを抜ける。
【0068】
一方、ステップS22の判別結果が真(Yes)で自車速Veが所定の低車速Ve0よりも大きい場合には、次にステップS24に進む。
【0069】
ステップS24では、自車を減速すべきか否かの判別を行う。即ち、ここでは制動制御をすべきかスロットル制御をすべきかの判別を行う。詳しくは、下記1)〜3)の条件が成立した場合に制動制御を行うようにする。
【0070】
1) 追尾走行制御中
2) Vr<0
3) L<La 又は αer>αer1
つまり、当該ステップS24では、追尾走行制御中に相対速度Vrが負となり、車間距離Lが制動開始距離Laを割り込んだか否か、或いは先行車減速走行中の自車の目標減速度αerが予め設定した所定値αer1を超えたか否かを判別する。
【0071】
ステップS24の判別結果が偽(No)で、上記条件のいずれかが成立していない場合には、次にステップS26に進み、スロットル制御を行う。なお、スロットル制御は、走行状態に応じて上記スロットルアクチュエータ12を制御するものであるが、本発明とは直接関係ないためここでは説明を省略する。
【0072】
一方、ステップS24の判別結果が真(Yes)で、上記各条件が成立したと判定された場合には、次にステップS28に進み制動制御を実行する(制動制御手段)。
【0073】
ステップS28では、制動制御の実行にあたり、スロットル閉制御を実施する。つまり、スロットルアクチュエータ12によってスロットルバルブ8を閉作動させ、車両1が制動中に不用意に加速されることを防止する。
【0074】
次のステップS30では、各種クリップ制御を行う。詳しくは、当該ステップS28では、目標減速度αeについての各種クリップ制御、即ち各種制限制御を行う(目標減速度制限手段)。
【0075】
目標減速度αeの制限制御としては、例えば、追尾走行切換操作スイッチ38を操作し追尾走行制御を開始した直後に目標減速度αeを徐変させる制限制御、制動制御中に運転者がアクセルペダル(図示せず)を操作して加速(オーバライド)した後に目標減速度αeを徐変させる制限制御の他、自車速Veが上記所定の低車速Ve0(例えば、40km/h)以下となった直後にテーリングさせる制限制御、先行車速Vfが所定の低車速Vf0(例えば、25km/h)以下となった直後にテーリングさせる制限制御、車間距離Lが大きいときの制限制御、目標減速度αeの立ち上がり勾配制限制御等があり、以下、これら各制限制御について説明する。
【0076】
図10及び図11を参照すると、各種クリップ制御ルーチンのフローチャートが示されており、以下当該ルーチンに沿って説明する。
【0077】
ステップS60では、先ず、運転者が追尾走行切換操作スイッチ38を操作し追尾走行制御が開始された後、所定時間t1(例えば、4sec)経過したか否かを判別する。判別結果が真(Yes)で追尾走行制御が開始されてから所定時間t1(例えば、4sec)が経過したと判定された場合には、そのままステップS64に進む。一方、判別結果が偽(No)で追尾走行制御が開始されてから未だ所定時間t1が経過していないと判定された場合には、ステップS62を実行した後ステップS64に進む。
【0078】
ステップS62では、追尾走行制御を開始した直後に目標減速度αeを徐変させる制限制御を行う。詳しくは、図12に示すように、追尾走行制御を開始した直後の目標減速度制限値αemax(t)1の時間変化を示すマップが予め設定されており、目標減速度αeは当該図12のマップに基づき制限される。即ち、目標減速度制限値αemax(t)1は、所定時間t0(例えば、2sec)に達するまでは値0のままとされ、所定時間t0から所定時間t1までの間において時間tの経過につれ徐々に増加するようにされており、目標減速度αeは、所定時間t1が経過するまでの間、目標減速度制限値αemax(t)1によってその最大値が制限される(αe≦αemax(t)1)。
【0079】
つまり、当該クリップ制御によれば、追尾走行制御が開始された直後に大きな目標減速度αeが急激に発生することが抑止される。
【0080】
これにより、運転者が追尾走行切換操作スイッチ38を操作した直後に車両1が急制動するようなことがなくなり、乗員が減速ショックを感じることが好適に防止されて走行フィーリングの向上が図られる。
【0081】
また、車両1が徐々に減速することになるため、当該クリップ制御では、制動が必要な場合において運転者にブレーキペダル28の操作を喚起させる効果もあり、運転者の意図を尊重した走行が可能とされる。
【0082】
なお、当該追尾走行制御では、走行フィーリング等の要件に基づき目標減速度αeの最大値は所定値X1(例えば、0.25G)に制限されている。従って、目標減速度制限値αemax(t)1は値0から所定値X1の範囲で増加するようにされている(以下同様)。
【0083】
ステップS64では、制動制御中に運転者がアクセルペダルを操作してオーバライドしたか否かを判別する。判別結果が偽(No)でオーバライドが実施されていない場合には、そのままステップS70に進む。一方、判別結果が真(Yes)でオーバライド有と判定された場合にはステップS66に進む。
【0084】
ステップS66では、オーバライド終了後において所定時間t3(例えば、4sec)経過したか否かを判別する。判別結果が真(Yes)の場合にはそのままステップS70に進み、判別結果が偽(No)でオーバライドが終了してから未だ所定時間t3が経過していないと判定された場合には、ステップS68を実行した後ステップS70に進む。
【0085】
ステップS68では、オーバライド終了後において目標減速度αeを徐変させる制限制御を行う。詳しくは、図13に示すように、オーバライド終了後の目標減速度制限値αemax(t)2の時間変化を示すマップが予め設定されており、目標減速度αeは当該図13のマップに基づき制限される。即ち、目標減速度制限値αemax(t)2は、所定時間t2(例えば、2sec)に達するまでは値0のままとされ、所定時間t2から所定時間t3までの間において時間tの経過につれ徐々に所定値X1まで増加するよう設定にされており、目標減速度αeは、所定時間t3が経過するまでの間、目標減速度制限値αemax(t)2によってその最大値が制限される(αe≦αemax(t)2)。
【0086】
つまり、通常オーバライドが実施されるときには当該オーバライド走行が追尾走行制御に優先し、該追尾走行制御は中断されるのであるが、当該クリップ制御によれば、このオーバライドが終了し追尾走行制御が再開された時点において大きな目標減速度αeが急激に発生することが抑止される。
【0087】
これにより、オーバライド終了直後に車両1が急制動するようなことがなくなり、やはり乗員が減速ショックを感じることが好適に防止され、走行フィーリングの向上が図られる。特に、運転者がアクセルペダルを小刻みに操作するような場合、即ちオーバライドを一旦終了した後所定時間t2(例えば、2sec)以内に再びオーバライドを実施した場合には、目標減速度αeは値0に保持され、運転者の意図が尊重されることとなる。
【0088】
さらに、所定時間t2経過後は車両1が徐々に減速することになるため、当該クリップ制御では、制動が必要な場合において運転者にブレーキペダル28の操作を喚起させる効果もあり、上記同様に運転者の意図を尊重した走行が可能とされる。
【0089】
ステップS70では、自車速Veが上記所定の低車速Ve0(例えば、40km/h)以下となったか否かを判別する。判別結果が偽(No)で自車速Veが所定の低車速Ve0よりも大きい場合には、そのままステップS74に進み、判別結果が真(Yes)で自車速Veが所定の低車速Ve0以下と判定された場合には、ステップS72を実行した後ステップS74に進む。
【0090】
ステップS72では、自車速Veが上記所定の低車速Ve0(例えば、40km/h)以下となった直後にテーリングさせる制限制御を行う。詳しくは、図14に示すように、自車速Veが所定の低車速Ve0以下となった際の目標減速度制限値αemax(Ve)の変化を示すマップが予め設定されており、目標減速度αeは当該図14のマップに基づき制限される。即ち、目標減速度制限値αemax(Ve)は、自車速Veが所定の低車速Ve0に低下するまでは所定値X1とされているものの、所定の低車速Ve0から所定車速Ve1(例えば、25km/h)までの間において徐々に値0まで低下し所定車速Ve1以下では値0に保持されるよう設定されており、目標減速度αeは、自車速Veが所定の低車速Ve0以下になると、目標減速度制限値αemax(Ve)によってその最大値が制限されつつテーリング処理される(αe≦αemax(Ve))。
【0091】
つまり、当該クリップ制御によれば、自車速Veが上記所定の低車速Ve0(例えば、40km/h)以下となった時点で目標減速度αeが大きくされているような場合であっても、該目標減速度αeは追尾走行制御の解除に伴い値0に急減することなく徐々に減少させられる。
【0092】
これにより、減速走行中に乗員があたかも加速したかの如きフィーリング(ブレーキ抜け感)を感じることが好適に防止され、走行フィーリングの向上が図られる。
【0093】
また、車両1の減速状態が徐々に解除されることになるため、当該クリップ制御では、制動が必要な場合に運転者に継続的なブレーキペダル28の操作を示唆する効果もあり、追尾走行制御の解除時において自動走行から運転者の操作に応じた走行への移行が滑らかに実現可能とされる。
【0094】
ステップS74では、先行車速Vfが所定の低車速Vf0以下となったか否かを判別する。判別結果が偽(No)で先行車速Vfが所定の低車速Vf0よりも大きい場合には、そのままステップS78に進み、判別結果が真(Yes)で先行車速Vfが所定の低車速Vf0以下と判定された場合には、ステップS76を実行した後ステップS78に進む。
【0095】
ステップS76では、先行車速Vfが所定の低車速Vf0(例えば、25km/h)以下となった直後にテーリングさせる制限制御を行う。詳しくは、図15に示すように、先行車速Vfが所定の低車速Vf0以下となった際の目標減速度制限値αemax(Vf)の変化を示すマップが予め設定されており、目標減速度αeは当該図15のマップに基づき制限される。即ち、目標減速度制限値αemax(Vf)は、先行車速Vfが所定の低車速Vf0に低下するまでは所定値X1とされているものの、所定の低車速Vf0から所定車速Vf1(例えば、10km/h)までの間において徐々に値0まで低下し所定車速Vf1以下では値0に保持されるよう設定されており、目標減速度αeは、先行車速Vfが所定の低車速Vf0以下になると、目標減速度制限値αemax(Vf)によってその最大値が制限されつつテーリング処理される(αe≦αemax(Vf))。
【0096】
これは、例えば先行車が右左折すべく大きく減速したような場合を想定したクリップ制御である。つまり、先行車が右左折すべく大きく減速したような場合には自車を減速させる必要がないため、このように先行車速Vfが所定の低車速Vf0(例えば、25km/h)以下となったような場合には、一旦先行車に合わせて大きくした目標減速度αeを徐々に小さく戻すよう制限するのである。
【0097】
これにより、自車が右左折し直ぐに前方から消えるような先行車に追従し減速してしまわないようにされて運転者の意図に反した制動が好適に防止されるとともに、減速走行中において乗員があたかも加速したかの如きフィーリング(ブレーキ抜け感)を感じることが好適に防止され、走行フィーリングの向上が図られる。
【0098】
また、上記同様に車両1の減速状態が徐々に解除されることになるため、当該クリップ制御では、制動が必要な場合には運転者に継続的なブレーキペダル28の操作を示唆する効果もある。
【0099】
ステップS78では、車間距離Lが所定距離L0(例えば、50m)よりも大きいか否かを判別する。判別結果が偽(No)で車間距離Lが所定距離L0以下の場合には、そのまま図11のステップS82に進み、判別結果が真(Yes)で車間距離Lが所定距離L0よりも大きいと判定された場合には、ステップS80を実行した後ステップS82に進む。
【0100】
ステップS80では、車間距離Lが大きいときの制限制御を行う。詳しくは、図16に示すように、車間距離Lが大きいときの目標減速度制限値αemax(L)の変化を示すマップが予め設定されており、目標減速度αeは当該図16のマップに基づき制限される。即ち、目標減速度制限値αemax(L)は、車間距離Lが所定距離L0(例えば、50m)となるまでは所定値X1とされているものの、所定距離L0から所定距離L1(例えば、60m)までの間において徐々に値X2(例えば、0.1G)まで低下し、所定距離L1以上では当該値X2に保持されるよう設定されており、目標減速度αeは、車間距離Lが所定距離L0よりも大きくなると、目標減速度制限値αemax(L)によってその最大値が制限される(αe≦αemax(L))。
【0101】
つまり、車間距離Lが大きいようなときには、走行レーン推定が不正確となる等の理由から、遠方より接近する路側の固定物を新たな先行車と誤認識してしまうような場合があり、故に、このような誤認識により目標減速度αeが急激に大きくならないよう車間距離Lが所定距離L1(例えば、60m)以上のときには値X2に制限されることになるのであるが、当該クリップ制御によれば、その制限値は走行レーン推定の正確さの変化に応じて値X2に急減することなく適正な変化度合で徐々に減少させられる。
【0102】
ステップS82では、目標減速度αeの立ち上がり勾配制限制御の実施フラグFが値1であるか否かを判別する。該フラグFが値1である場合とは、目標減速度αeが変化する際に後述する目標減速度αeの立ち上がり勾配制限制御が実施されている場合を意味する。
【0103】
ステップS82の判別結果が偽(No)でフラグFが値1でない場合、即ち勾配制限制御が実施されておらずフラグFが値0である場合には、次にステップS84に進む。
【0104】
ステップS84では、目標減速度αeが変化する際の変化率Δαeが勾配制限値Δαemax(αe)以上であるか否かを判別する。
【0105】
通常、目標減速度αeが変化する際には、該目標減速度αeの変化率が大き過ぎると乗員が減速ショック等の違和感を感じる傾向にある。従って、当該追尾走行制御においては、目標減速度αeの変化率に勾配制限値Δαemax(αe)なる制限値を設けるようにしている。
【0106】
この勾配制限値Δαemax(αe)は、目標減速度αeに応じたものとされており、実際には、図17に示すように、実験等により目標減速度αeに応じて予めマップ化されている。詳しくは、図17に示すマップは、目標減速度αeに応じ車両1の乗員が違和感を感じない程度の変化率Δαeの最大値を示しており、勾配制限値Δαemax(αe)は当該変化率Δαeの最大値とされている。
【0107】
故に、ステップS84の判別結果が偽(No)で、変化率Δαeが勾配制限値Δαemax(αe)に満たない場合には、乗員が違和感を感じることはないと判断でき、そのまま当該ルーチンを終了する。
【0108】
一方、ステップS84の判別結果が真(Yes)で、変化率Δαeが勾配制限値Δαemax(αe)以上の場合には、次にステップS86に進む。
【0109】
ステップS86では、勾配制限値Δαemax(αe)に基づき次式(7)より目標減速度αe変化時の減速度αを演算する。
【0110】
α=Δαemax(αe)・T+α(n-1) …(7)
ここに、Tは当該ルーチンの実行周期であり、α(n-1)は減速度αの前回値である。
【0111】
つまり、図18中に破線で示すように、変化率Δαeが勾配制限値Δαemax(αe)以上になるような場合には、乗員が違和感を感じる可能性が高く、故に、このような場合には、変化率Δαeを図18中実線で示すように勾配制限値Δαemax(αe)に制限し、当該違和感を緩和するようにするのである。
【0112】
ステップS88では、上記ステップS86で求めた減速度αが変化後の目標減速度αeに達したか否かを判別する。判別結果が偽(No)で減速度αが目標減速度αe未満である場合には、ステップS90において上記フラグFに値1を設定する。
【0113】
そして、当該ルーチンが繰り返し実行され、上記ステップS82の判別によりフラグFが値1と判定される間は、ステップS86において減速度αを更新し続けることになるが、ステップS88の判別結果が偽(No)で減速度αが目標減速度αe以上となった場合には、ステップS92においてフラグFを値0にリセットし、減速度αの更新を終了する。
【0114】
上記各種クリップ制御が実施され、目標減速度αeが各種制限制御により適宜制限されたら、図2に戻り、ステップS32を実行する。
【0115】
ステップS32では、サービスブレーキ24によって発生させるべき制動力の演算を行う。詳しくは、上記のように求めた目標減速度αeを生起可能な制動力を算出し、該制動力に応じてブレーキアクチュエータ30に供給する信号値を決定する。
【0116】
そして、ステップS34において、ブレーキアクチュエータ30に上記制動力に応じた信号を供給する。これにより、ブレーキアクチュエータ30が適正に作動することになり、サービスブレーキ24によって良好且つ適正な制動力が生起される。
【0117】
以上説明した如く、本発明に係る走行制御装置では、目標減速度αeに基づいて制動力を決定し追尾走行制御の制動制御を行うようにしており、目標減速度αeが大きく変化するような場合には、各種クリップ制御を行うことで該目標減速度αeやその変化率Δαeに制限を加えるようにしている。
【0118】
従って、本発明に係る走行制御装置を用いるようにすれば、目標減速度αeの急激な変化が防止され、車両1が急に減速したり減速状態が急に解除されたりするようなことが好適に排除されることになり、追尾走行制御が違和感なく実現される。
【0119】
また、目標減速度αeを徐々に減少或いは増加させることにより、運転者にブレーキペダル28の操作を余裕をもって喚起させ或いは示唆する効果も併せ持つことになり、運転者の操作を尊重した追尾走行制御、即ちヒューマンインタフェースの向上を図った走行制御の実現が可能とされる。
【0120】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1乃至5の車両の走行制御装置によれば、自車と先行車との車間距離が目標車間距離となるよう自車の車速を制御して先行車の追尾走行制御を行う車両の走行制御装置において、自車の目標減速度は自車速、先行車速、車間距離及び目標車間距離に基づいて演算されるが、追尾走行制御が開始されたとき、追尾走行制御が中断したとき、自車速が所定車速以下となって追尾走行制御が解除されたとき、先行車速が所定車速以下となって追尾走行制御が解除されたとき、車間距離が所定距離以上となって目標減速度が制限されたときのように該演算される目標減速度が急変するようなときには、該急変後の目標減速度に向けてそれぞれ追尾走行制御の開始後或いは中断後の経過時間、自車速、先行車速、車間距離に応じて変化する制限値によって目標減速度を制限するようにしている。
請求項6の車両の走行制御装置によれば、上記急変後の目標減速度に応じて設定される目標減速度の変化勾配制限値によって目標減速度を制限するようにしている。
【0121】
従って、例えば、運転者の意思に基づき追尾走行制御が開始された直後や、追尾走行制御中に運転者がアクセルペダルを操作し加速(オーバライド)して追尾走行制御が一旦中断され、その後アクセルペダルを戻し追尾走行制御が再開された直後、或いは自車速が所定車速以下となって追尾走行制御が解除された直後、先行車速が所定車速以下となって追尾走行制御が解除された直後、車間距離が所定距離以上となって目標減速度が制限された直後のように目標減速度が急激に発生するような場合には、該目標減速度を時間経過とともに徐々に増加するよう、或いは自車速、先行車速、車間距離とともに徐々に減少するよう制限でき、減速ショックやブレーキ抜け感を好適に防止することができる。
【0122】
また、この際、目標減速度を徐々に変化させることになるので、制動が必要な場合に運転者にブレーキペダルの操作を余裕をもって喚起させることができ、運転者の意図を尊重した走行を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両に搭載された本発明に係る走行制御装置の概略構成図である。
【図2】本発明に係る追尾走行制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】図2中の目標減速度αeの演算処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】先行車速Vfと先行車に基づく目標車間距離Lfとの関係を示すマップである。
【図5】自車速Veと制動開始距離Laとの関係を示すマップである。
【図6】自車速Veと目標車間距離Leとの関係を示すマップである。
【図7】先行車加速度αfと重みW1との関係を示すマップである。
【図8】追尾状態カウンタCNTと重みW2との関係を示すマップである。
【図9】目標減速度出力αe−outと目標減速度入力αe−in間のヒステリシスの関係を示すグラフである。
【図10】図2中の各種クリップ制御の制御ルーチンを示すフローチャートの一部である。
【図11】図10のフローチャートに続く各種クリップ制御の制御ルーチンを示すフローチャートの残部である。
【図12】追尾走行制御を開始した直後の目標減速度制限値αemax(t)1の時間変化を示すマップである。
【図13】オーバライド終了後の目標減速度制限値αemax(t)2の時間変化を示すマップである。
【図14】自車速Veが所定の低車速Ve0以下となった際の目標減速度制限値αemax(Ve)の変化を示すマップである。
【図15】先行車速Vfが所定の低車速Vf0以下となった際の目標減速度制限値αemax(Vf)の変化を示すマップである。
【図16】車間距離Lが大きいときの目標減速度制限値αemax(L)の変化を示すマップである。
【図17】目標減速度αeと勾配制限値Δαemax(αe)との関係を示すマップである。
【図18】勾配制限値Δαemax(αe)を適用した場合の減速度αの時間変化を示す図である。
【符号の説明】
1 車両(自車)
2 スキャン式レーザレーダ
24 サービスブレーキ(制動装置)
28 ブレーキペダル
30 ブレーキアクチュエータ
32 車輪速センサ
38 追尾走行切換操作スイッチ
50 電子制御ユニット(ECU)
Claims (6)
- 自車と先行車との車間距離が目標車間距離となるよう自車の車速を制御して先行車の追尾走行制御を行う車両の走行制御装置において、
自車に制動力を自動的に付加する制動装置と、
前記車間距離を検出する車間距離検出手段と、
自車速を検出する自車速検出手段と、
先行車速を検出する先行車速検出手段と、
前記自車速及び前記先行車速のいずれか一方に基づき前記目標車間距離を演算する目標車間距離演算手段と、
前記自車速、前記先行車速、前記車間距離及び前記目標車間距離に基づき、自車の目標減速度を演算する目標減速度演算手段と、
前記追尾走行制御が開始されたとき、該開始後に、経過時間に応じて該開始後の目標減速度に向け変化する制限値で該目標減速度を制限する目標減速度制限手段と、
該目標減速度に基づき前記制動装置を作動制御する制動制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両の走行制御装置。 - 自車と先行車との車間距離が目標車間距離となるよう自車の車速を制御して先行車の追尾走行制御を行う車両の走行制御装置において、
自車に制動力を自動的に付加する制動装置と、
前記車間距離を検出する車間距離検出手段と、
自車速を検出する自車速検出手段と、
先行車速を検出する先行車速検出手段と、
前記自車速及び前記先行車速のいずれか一方に基づき前記目標車間距離を演算する目標車間距離演算手段と、
前記自車速、前記先行車速、前記車間距離及び前記目標車間距離に基づき、自車の目標減速度を演算する目標減速度演算手段と、
前記追尾走行制御が中断したとき、該中断後に、経過時間に応じて該中断後の目標減速度に向け変化する制限値で該目標減速度を制限する目標減速度制限手段と、
該目標減速度に基づき前記制動装置を作動制御する制動制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両の走行制御装置。 - 自車と先行車との車間距離が目標車間距離となるよう自車の車速を制御して先行車の追尾走行制御を行う車両の走行制御装置において、
自車に制動力を自動的に付加する制動装置と、
前記車間距離を検出する車間距離検出手段と、
自車速を検出する自車速検出手段と、
先行車速を検出する先行車速検出手段と、
前記自車速及び前記先行車速のいずれか一方に基づき前記目標車間距離を演算する目標車間距離演算手段と、
前記自車速、前記先行車速、前記車間距離及び前記目標車間距離に基づき、自車の目標減速度を演算する目標減速度演算手段と、
前記自車速が所定車速以下となって前記追尾走行制御が解除されたとき、該解除後に、前記自車速に応じて該解除後の目標減速度に向け変化する制限値で該目標減速度を制限する目標減速度制限手段と、
該目標減速度に基づき前記制動装置を作動制御する制動制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両の走行制御装置。 - 自車と先行車との車間距離が目標車間距離となるよう自車の車速を制御して先行車の追尾走行制御を行う車両の走行制御装置において、
自車に制動力を自動的に付加する制動装置と、
前記車間距離を検出する車間距離検出手段と、
自車速を検出する自車速検出手段と、
先行車速を検出する先行車速検出手段と、
前記自車速及び前記先行車速のいずれか一方に基づき前記目標車間距離を演算する目標車間距離演算手段と、
前記自車速、前記先行車速、前記車間距離及び前記目標車間距離に基づき、自車の目標減速度を演算する目標減速度演算手段と、
前記先行車速が所定車速以下となって前記追尾走行制御が解除されたとき、該解除後に、前記先行車速に応じて該解除後の目標減速度に向け変化する制限値で該目標減速度を制限する目標減速度制限手段と、
該目標減速度に基づき前記制動装置を作動制御する制動制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両の走行制御装置。 - 自車と先行車との車間距離が目標車間距離となるよう自車の車速を制御して先行車の追尾走行制御を行う車両の走行制御装置において、
自車に制動力を自動的に付加する制動装置と、
前記車間距離を検出する車間距離検出手段と、
自車速を検出する自車速検出手段と、
先行車速を検出する先行車速検出手段と、
前記自車速及び前記先行車速のいずれか一方に基づき前記目標車間距離を演算する目標車間距離演算手段と、
前記自車速、前記先行車速、前記車間距離及び前記目標車間距離に基づき、自車の目標減速度を演算する目標減速度演算手段と、
前記車間距離が所定距離以上となって目標減速度が制限されたとき、該制限後に、前記車間距離に応じて該制限後の目標減速度に向け変化する制限値で該目標減速度を制限する目標減速度制限手段と、
該目標減速度に基づき前記制動装置を作動制御する制動制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両の走行制御装置。 - さらに、前記目標減速度制限手段は、前記目標減速度演算手段により演算される目標減速度が変化するとき、該変化後の目標減速度に応じて目標減速度の変化勾配制限値を設定し、該変化勾配制限値で該目標減速度を制限することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか記載の車両の走行制御装置。
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1998
- 1998-06-15 JP JP16746198A patent/JP3952104B2/ja not_active Expired - Lifetime
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