JP3951584B2 - 改質された原料乳の製造方法及びそれを用いた乳製品 - Google Patents

改質された原料乳の製造方法及びそれを用いた乳製品 Download PDF

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    • C12Y203/02013Protein-glutamine gamma-glutamyltransferase (2.3.2.13), i.e. transglutaminase or factor XIII

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生乳などの原料乳にトランスグルタミナーゼ及び還元剤を添加し、作用させることで、従来に比べてより効果的に乳タンパク質の架橋を施した改質原料乳の製造方法に関する。本発明により製造された原料乳を用いると、物性が改良された乳製品、例えば、物性が改良され好ましい風味や食感が付与されたヨーグルト、チーズ、粉乳等の乳製品を提供することができる。
【0002】
【従来の技術】
乳製品の製造において、保水性、乳化安定性、粘度、なめらかさといった物性特性は、商品価値を大きく左右するものであり、乳製品の製造業者はより改良された物性をもつ乳製品を製造するために、様々な工夫を行っている。例えば、ヨーグルトやアイスクリームなどの食感改良や保水性向上には各種増粘多糖類の利用が広く知られ、また、ヨーグルトの離水低減のため特殊な乳酸菌スターターを利用した例(特開平5−268874)、滑らかなプロセスチーズを得るためのモノグリセリドの利用(特開平11−105)、アイスクリームの温度安定性を得るためのホエー蛋白の利用(特開平9−135664)、など様々な手法が報告されている。
【0003】
一方、タンパク質を架橋結合する作用を持つ酵素、トランスグルタミナーゼ(以下TGと称する)を用いて、乳製品の品質を改良しようとする試みが報告されている。例えば、ヨーグルトにTGを添加し粘度を増加、離水を低下させる(特開平6−197688)、TGを製造工程に利用してチーズカードの収率を向上させる(特開平8−173032)、などである。
【0004】
このようなTGによる品質改良は、様々な産業上の利点がある。まず第一に、非常に微量な添加量で効果を示し、また食品タンパク質に直接TGが作用して効果を示すので、食感への悪い影響は少ない。例えば、増粘多糖類をヨーグルトに添加して物性改良したときなどは、粘度上昇や離水防止などの効果が得られたとしても、増粘多糖類自体の糊的食感の為に、必ずしも全体としての品質向上につながらない場合がある。
【0005】
第二には、いわゆる食品添加物の摂取をなるべく減らそうとしている消費者のニーズに対して、このような酵素の使用は、天然感があり、商品の高付加価値化にもつながる。既に、天然の微生物由来のTGが商業化されており、各種食品加工に広く利用されている。
【0006】
これまでに、TGの乳タンパク質への反応性に関する報告は、主として、ホエータンパク質、特にその成分であるα−ラクトアルブミンおよびβ−ラクトグロブリン或いはホエータンパク質濃縮物などについて検討したものである。ホエータンパク質は、分子内にSS結合を持っているという構造上、TGの反応性が低いタンパク質として知られている(Fargemandら、J.Agric.Food Chem.(1997) 45,2514-2519,page2517 line41-53)。例えば、TraoreとMeunier(J.Agric.Food Chem.(1992) 40, 399-402)はFactorXIII(血液中のTG)をホエータンパク質に作用させる時には、還元剤存在下でないと架橋重合化が進行しないことを報告している。
【0007】
また、AboumahmoudとSavello(J. Dairy Sci.(1990) 73, 256-263)は、タンパク質ベースのフィルムを作成するという目的でα−ラクトグロブリン、β−ラクトアルブミンをモルモット肝臓由来TGで架橋反応する時に、予めこれらのホエイタンパク質を還元剤存在下で85℃15分間予備加熱することに関して報告している。
【0008】
Fargemandら(Food Hydrocolloids, (1997) 11, 19-25)は、ホエータンパク質とカルシウム非依存性TGの反応について報告しており、ジチオスレイトール(DTT)、システイン存在下での架橋重合物の増加、また、アルカリ性下でもある程度の架橋重合化物増加の効果があるとしている。
【0009】
乳タンパク質の主要蛋白質であるカゼインは、TGの反応性が高いタンパク質として既に知られている(Fargemand et.al., Food Hydrocolloids (1997) vol.11 no.3 pp.287-292)。例えば、Nioらは、モルモット由来の TGによるαS1‐カゼインの架橋重合化(Agrc.Biol.Chem.(1986),50,851-855)、Traoreらは、ヒト由来のFactor
XIIIaによる精製カゼイン、特にβ‐カゼインとκ‐カゼインの架橋重合化を報告している。
【0010】
一方、牛乳中のカゼインのTG反応性に関する研究例は少ない。唯一、Nonakaらが、TGによる還元脱脂粉乳の架橋重合化及びゲル化をカゼイネートと比べた例について報告している。この中で、還元脱脂乳中のカゼインはカゼイネートに比べて反応性が劣ると述べられている(J.Food.Sci., (1992), 57 (5), 1214-1218)。
【0011】
TGを作用させた牛乳由来のゲル或いは乳製品の物性特性に関する研究は少なくない。例えば、Fargemandらは、TGによる脱脂粉乳中のカゼインの架橋が酸性ゲル化に及ぼす影響ついて(Food Hydrocolloids (1997) vol.11 no.3 pp.287-292)、Lauberらは、TGによるカゼインの架橋とヨーグルトのゲル強度について(Eur.Food Res.Technol., (2000), 210(5),305-309)、Immらは、TGで処理した脱脂粉乳のゲル化および保水性について(J. Food Sci.,(2000) ,65(2),200-205)報告している。また、Lorenzenらは、TGで処理した牛乳でつくられるヨーグルトの特性、ホイッピングクリームの物理特性、そしてレンネットによるカード形成性を報告している(Kiel. Milchwirtsch. Forschungsber.(1997),49 (3), 221-227)。
【0012】
以上に述べたように、TGによる牛乳のタンパク質の架橋反応において、乳タンパク質、特にカゼインのTGの反応性を向上させることで、TGの必要量を低減、或いは反応時間を短縮しようとする試みは未だなされていない。この理由は、ゲルの機能などを評価するにあたり、原料として用いる乳がTGの添加効果を見るのに十分な反応性を有していたこと、また、TGにとって優良な基質であるカゼインの反応性をさらに向上させる必要性が認識されていなかったことなどが挙げられる。
【0013】
さて、グルタチオンなどの還元剤は、酵素反応において、酵素の安定化或いは酵素に対する反応性を高める目的で使用される。先に述べたように、ホエータンパク質をDTTのような還元剤で処理し、SS結合を還元することで反応性を向上させるのもその一例である。
【0014】
乳タンパク質以外の、食品タンパク質においてTGを使用する際に還元剤を一緒に用いて食品ゲル物性を改良した例として、冷凍すり身のゲル化形成性が、TGとプロテアーゼインヒビターと還元剤を組み合わせて用いることで改良されることが知られている (S.-T.Jiang.,et al.,J.Food Sci.(2000),65,241-245)。ここで使用されている還元剤は、亜硫酸塩であるが食品に添加できる量をはるかに上回る量で検討しており、実用面での課題を残している。
【0015】
また、TGと酸化還元酵素を用いた食品タンパク質の改質に、乳蛋白及びチオール基含有物を含むことが望ましいとされているが(特願平11−161849)、この場合チオール基含有物は酸化還元酵素の基質としての機能を果たすのみで、必須の要素ではない。また、これがTGの活性安定保持という役割を果たすとしても、食品タンパク質のTG反応性向上効果までは言及されていない。
【0016】
乳製品へのTG利用の利点が多いことは前述したが、実際にこれを利用した商品が市場にあまり出回っていないのが現状である。その原因として、生乳を使用した実際の乳製品製造において、期待したほどの効果が得られていない、あるいは産業的価値を持つほどの効果が得られていないことが考えられている。即ち、生乳を使用した実際の乳製品製造においては、TGを添加した効果が得られるにしても、産業的価値を持つほどの大きさではないということである。
【0017】
本発明者らは、上記の事情に鑑み、生乳および生乳使用の種々の原料乳のTG反応性およびTG処理法に関して種々検討を重ねた結果、生乳のような熱履歴の低い原料乳のTG反応性が低いことを確認した。
【0018】
本発明者らは、このような課題を解決するために、まず、乳に予備加熱処理を施すことでTGの反応性を高め、TGによる生乳の架橋反応を促進できることを確認した。
【0019】
例えば、低温殺菌牛乳(63℃30分間処理)と超高温殺菌牛乳(130℃2〜3秒処理)とでは、TGの反応性が異なり、後者は前者に比べるとTG反応性が高く、また、前者を加熱(90℃まで達温)処理するとTG反応性が著しく向上することを認めた。
【0020】
LorenzenらもTGを用いたヨーグルト製造において、原料乳をTGの反応前に予備加熱(95℃2秒)処理することを報告している。(Kieler Milchwirtschaftliche Forschungsberichte. (1999),51(1):89-97)。
【0021】
しかし、乳の予備加熱処理は、簡便ではあるけれどもTG反応とは別に予備加熱工程を取る必要があり、乳製品の製造工程に影響を与えること、また、熱エネルギーや時間も必要とする。さらに、加熱処理による乳タンパク質の変性が助長されるため、加熱による生乳風味の損失や食感への悪影響が懸念される。さらに、チーズのように製造上、過剰な加熱処理を好まない乳製品において、予備加熱処理は適用できないという課題があった。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の課題を改善することで、乳製品の物性改良において、生乳のような原料乳に対してより効果的にTG反応の効果を得ることができる乳製品の製造方法を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、TGの反応性の低い原料乳に対して、予備加熱をすることなしに、低添加量かつ短時間の反応でもより有効にTGの効果が得られるような方法を見出すべく、精力的に研究した結果、原料乳に還元剤及びTGを添加し反応させるという手法により、原料乳へのTGの反応性を著しく向上させるという技術的知見を見出した。
【0024】
さらに検討の結果、原料乳に添加する還元剤の濃度は、例えば還元型グルタチオンの場合では、無脂乳固形分1g当たり7×10-5g以上から反応性向上効果を確認した。この添加量は、原料乳(無脂乳固形分8.4%)の0.0006重量%に相当する。さらに、本発明者らは、食品への使用性、経済性、機能性、安定性という観点から、高濃度でグルタチオンを含有する酵母エキスについても検討したところ、対乳原料0.007%以上の添加で反応性向上効果を認めた。この添加濃度は、食味への影響を無視できる範囲であり、本発明が天然物を使用して実施できるという点で極めて実用性の高い技術であることを明らかにした。
【0025】
本発明による改質原料乳の製造法は、TGおよび還元剤を組み合わせて使用することを特徴とする。当該2つの物質は、同時に添加しても又はTGよりも還元剤を先に添加しても或いは後に添加してもよい。しかし、好ましくは、同時に添加して作用させる、或いは還元剤を添加した後TG処理を行うのがよい。
【0026】
即ち、特許を受けようとする発明は、実用レベルの還元剤とTGを添加、作用させて、原料乳中の乳蛋白質の架橋をより効率的に施すことで得られる改質乳、さらにはそれを用いて製造される乳製品の物性特性を改良することができるような新しい製造方法に関する。
【0027】
【発明の実施形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0028】
本発明に使用される原料乳は、牛、山羊等の動物から得られる乳であり、生乳、脱脂乳、部分脱脂乳、或いはこれらを加工処理した乳のことをいう。生乳とは、搾取したままの乳、いわゆる未加工乳である。脱脂乳は、生乳から脂肪分をほとんどすべて除去したもの、部分脱脂乳は部分的に除去したものをいう。
【0029】
加工処理とは主に、生乳を飲用する目的とした加熱殺菌処理のことをいい、牛乳はこれに該当する。牛乳は、直接飲用する目的で販売されている牛の乳をいい、62℃から65℃までの間で30分間加熱殺菌するか、またはこれと同等の殺菌効果を有する方法で加熱殺菌されたものである。
【0030】
この殺菌効果、すなわち加熱の程度の指標としては一般に、加熱により影響を受けやすい物理化学的性状、すなわちラクトフェリン濃度やラクチュロース濃度、レンネッタビリティー、ホエータンパク質の変性度などが用いられる(岩附ら、日本食品科学工学会誌 第46巻 第8号 (1999)pp.536‐542)。
【0031】
例えば、ホエータンパク質の変性度を指標として用いた場合、本発明では、生乳中に変性したホエータンパク質の割合が0〜70%含まれているような牛乳が好ましい。
【0032】
低温殺菌牛乳(62〜65℃、30分間処理)や高温短時間殺菌牛乳(75℃15秒処理)のホエータンパク質の変性度は、約10%〜12%であり(岩附ら、日本食品科学工学会誌 第46巻 第8号 (1999)pp.537)、これらは、本発明に使用できる原料乳として含まれる。
【0033】
ホエータンパク質の変性度(%)は、次式より算出することができる(岩附ら、日本食品科学工学会誌 第46巻 第8号 (1999)pp.536)。
変性度(%)=
【(生乳の吸光度−殺菌牛乳の吸光度)/生乳の吸光度】×100
【0034】
また、ホエータンパク質の変性度は以下の方法で測定できる(岩附ら、日本食品科学工学会誌 第46巻 第8号 (1999)pp.536)。すなわち、試料22gを37℃で30分間保持し、食塩8gを添加した後、濾過し、濾液1mlに酸性飽和食塩水(飽和食塩水1Lに氷酢酸4mlを添加したもの)10mlを添加し、分光光度計を用いて420nmにおける吸光度(ディスポセル、光路長10mm、室温)を測定する。
【0035】
また、加熱殺菌以外の加工処理としては、均質化、混合、脱塩、(膜)分離などが含まれる。
【0036】
上記に記載の原料乳から遠心分離などの加工処理を行うことで得られる、カゼインを含む溶液も本発明に使用できる原料乳に含まれる。
【0037】
本発明で使用される還元剤は、チオール系化合物、すなわち、グルタチオン、システイン、γ‐グルタミルシステイン、さらに、これらを高濃度で含む酵母エキス、ならびに食品添加物として使用が認められている亜硫酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸及びそれらの塩が含まれる。これらを含有してなる製剤もこれに含まれる。なお、ここで使用される還元剤は、還元作用を有するものであれば、上記に示したものに限定されない。
【0038】
還元剤の添加量は無脂乳固形分1g当たり1×10-5〜1×10-1 gの範囲で適用される。例えば、無脂乳固形分8〜10%程度の原料乳の場合、還元剤の添加量は原料乳に対して0.0001〜1.0重量%の範囲となる。添加量は、ここで示す範囲より少ないと効果が得られにくい。また、還元剤の添加量を多くすると食味へ悪影響を及ぼしたり、種類にもよるが、ある一定以上添加量を増やしても反応性向上効果は一定となる。
【0039】
原料乳に還元剤を添加する時期は、TGの添加時期によらず、いつでもよい。というのは、TGを添加する前でも、後でも、同時でも還元剤の添加による反応性向上効果は同じであるからである。ただ、還元剤をTGの後に添加した場合、TGを添加するまで原料乳はTG反応性が低いままであり、還元剤を添加して初めて反応性が高まるので、実質的な反応の促進は還元剤を添加してから始まる。実用面では、還元剤を同時にあるいはあらかじめ添加するのが望ましい。
【0040】
本発明に使用されるTGは、蛋白あるいはペプチド鎖中にあるグルタミン残基のγ−カルボキシアミド基中のアシル転移反応を触媒する酵素である。このTGがアシル受容体としてタンパク質中のリジン残基のε−アミノ基に作用すると、タンパク質分子中及び分子間においてε-(γ-グルタミル)-リジン結合が形成される。この架橋結合により、乳蛋白間に強固なネットワークが形成され、ゲル形成能や粘度が高く、かつ保水性の高い等の特性を持った、物性の改良された乳製品が製造できるのである。尚、本発明に使用される酵素であるTGは、トランスグルタミナーゼ活性を有するものであればいずれも使用することができ、既に公知のTGを使用すればよい。
【0041】
TGとしてはカルシウム非依存性のものとカルシウム依存性のものがあり、何れも本発明に使用することができる。前者の例としては、放線菌由来(登録2572716号公報参照)、枯草菌由来(特開平11−137254号公報参照)等の微生物由来のものをあげることができる。後者の例としてはモルモット肝臓由来のもの(登録1689614号公報参照)、卵菌等の微生物由来のもの(WO96/22366参照)、牛血液、豚血液等の動物由来のもの、サケ、マダイ等の魚由来のもの(N.Sekiら、Nippon Suisan Gakkaishi (1990) 56, 125-132)、カキ由来のもの(米国特許5736356号)、等をあげることができる。
【0042】
この他、遺伝子組み換えにより製造されるもの(例えば、特開平11−75876 号公報参照)等、をあげることができる。本発明には何れのTGでも使用することができ、起源及び製法に限定されることはない。ただし、食品用途としての機能性、使いやすさの点から、好ましくはカルシウム非依存性のものがよい。例えば、上記微生物由来のTGで放線菌由来のもの(登録2572716号公報参照)は何れの条件をも満足するものであり、現時点では最適ということができる。
【0043】
本発明に使用するTGの活性単位は、次のように測定され、かつ定義される。即ち、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミニルグリシンとヒドロキシルアミンを基質として反応を行い、生成したヒドロキサム酸をトリクロロ酢酸存在下で鉄錯体に変換させた後、525nmの吸光度で、その量を測定する。1分間に1マイクロモルのヒドロキサム酸を生成する酵素量をTGの活性単位、1ユニットと定義する。この測定法(いわゆるハイドロキサメート法)の詳細は既に報告されている通り(例えば、登録2572716号公報参照)である。
【0044】
既に述べたように、TGには様々な起源があることが知られており、起源によっては、上記のハイドロキサメート法により活性が定義できないような基質特異性を持つものもあるから、その場合には異なる方法でユニットが定義される場合もある。どのような活性測定法により定義されるにしろ、実質的に本発明でいう乳製品の物性改良効果を示す量であれば、本発明のTG添加範囲の範疇に入る。
【0045】
TGの添加量は、乳たんぱく質1gに対し0.001ユニット以上20ユニット以下、好ましくは0.01ユニット以上10ユニット以下である。0.001ユニット以下では期待する効果が得られず、20ユニット以上では過剰反応となり不経済であるばかりでなく期待する効果を得難くなる。
【0046】
反応温度は一般に、0℃〜60℃程度であり、反応時間は約5分〜約48時間程度とすることができる。しかし、好ましくは5℃〜50℃程度で約30分〜約24時間程度で反応させるのがよい。
【0047】
TGによる乳タンパク質の架橋程度、すなわち乳の改質度合いは、求められる乳製品の物性に応じて適宜、TGの添加量や反応時間、反応温度などの反応条件により調節することができる。乳タンパク質の架橋程度を調べる手段は、定量的方法と定性的方法がある。定量的方法としては、タンパク質中のε-(γ-グルタミル)リジン結合、すなわちG-L結合量の液体クロマトグラフィーによる分析(Griffin and Wilson, Molecular and Cellular Biochemistry(1984), 58, 37-49)、或いは架橋反応により生じるアンモニアの発生量の測定(Ikura et al., Agricultural and Biological Chemistry,(1980),45,2587-2592)がある。定性的方法としては、架橋度合い及び分子量を電気泳動により調べる方法(Traore and Meunier, Journal of Agricultural and Food Chemistry,(1991),39,1892-1890)がある。
【0048】
反応の停止は、通常、乳製品の製造において用いられる加熱殺菌条件が適用され、特に限定すべきものではない。勿論、このような加熱殺菌工程を採用しなくても、本発明の効果を得ることができる。
【0049】
このようにして得られる改質された原料乳も、本発明の製造方法により得られる乳製品に含まれる。
【0050】
本発明は、先にも述べたように、TGと還元剤をプレインキュベーションなしでも十分な反応性向上効果が得られることから、反応性を高めるための時間や工程、熱などのエネルギーを要しない点で利便性、実用性に優れている。例えば、TGと還元剤を一緒に配合した酵素製剤であれば、それを添加して反応工程を取るだけでよいのである。
【0051】
また、TGと還元剤を利用して食品へ応用した例については前述したが、従来の知見で使用されている還元剤の種類としては食品へ利用できるものでない、或いは食品添加物であっても使用許容範囲を越えるなどで実用性に欠けていた。
【0052】
本発明の優れたところは、必要とされる還元剤の量が食品に使用できる現実的なレベルである点にある。例えば、本発明において高グルタチオン含有酵母エキスやアスコルビン酸塩などを使用した場合は、乳および乳製品などの食味性にほとんど影響を与えない程度の添加量で適用できる。
【0053】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
【0054】
(実施例1) 低温殺菌牛乳(63℃30分保持殺菌;無脂乳固形分8.4%、乳蛋白質3.1%、乳脂肪分3.6%)5mlに還元型グルタチオンを乳中の濃度で0〜0.2mMになるように加え、それと同時にTG(味の素株製「アクティバ」TG、比活性1000ユニット/g品)を乳蛋白1g当たり、2ユニットの割合で加えた。反応は40℃で3時間行った。これらのタンパク質の架橋度合いをSDS-PAGE電気泳動によって確認した。蛋白質の検出は、電気泳動でゲル中に泳動されたタンパク質と特異的に結合する色素(クーマシーブリリアントブルー)を含む液に泳動後のゲルを浸漬し、その後、脱色することにより行った。
【0055】
図1には還元型グルタチオン0〜0.2mMまでの泳動パターンの結果を示した。
【0056】
この結果をもとに、デンシトメーターによるバンドの定量解析を行った結果を図2に示した。
【0057】
図2によると、カゼイン(α-カゼイン、β-カゼイン、κ-カゼイン)のバンド総量(相対値)は、還元型グルタチオンの添加量の増加に伴い減少した。その一方で、70キロダルトンおよび600キロダルトン以上のTGで架橋重合化した分子の割合が増加した。ホエータンパク質は、TGの架橋によるバンドの減少が見られるもわずかであった。
【0058】
還元型グルタチオンによるカゼインの架橋重合化の促進は、添加濃度が約0.02mMから確認された。この濃度は、無脂乳固形分1g当たり7×10-5g、すなわち、原料乳の重量に対して0.0006%である。
【0059】
(実施例2)実施例1と同様にして、低温殺菌牛乳5mlにアスコルビン酸ナトリウムを乳中の濃度で0〜1.0%になるように加え、それと同時にTG(味の素株製「アクティバ」TG、比活性1000ユニット/g品)を乳タンパク質1g当たり、2ユニットの割合で加えた。反応条件及びその後の電気泳動については上記記載の通りである。電気泳動の結果を図3に示す。
【0060】
図3によると、アスコルビン酸ナトリウムの場合、実施例1の還元型グルタチオンの場合に比べて、最大の反応性向上効果を得るために要する添加量は多かった。これより、反応性を向上させる効果は還元剤によって異なることがわかった。
【0061】
図示はしなかったが、システイン、γ‐グルタミルシステイン、ならびにチオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、トコフェロール、グリセリン脂肪酸エステル、レシチンについても試験したところ、同様の効果が認められた。とりわけ、大きな効果を示したのは、還元型グルタチオン、γ‐グルタミルシステイン等のチオール化合物であった。さらにグルタチオンを8%濃度で含有する酵母エキス(アロマイルドU、興人株製品)でも、還元型グルタチオンと同等の効果があった。
【0062】
以上に述べた本発明の基となっている事実は、従来にない新規な知見である。というのは、図2のデンシトメーターによるバンドの定量結果を見ると、本発明における原料乳のTG反応性向上の作用機構は、ホエータンパク質よりもむしろカゼインの反応性向上によるところが大きいと判断できる。したがって、先述したような従来の知見、すなわちホエータンパク質の還元剤によるTG反応性の向上などでは説明することができない。
【0063】
さらに、本発明における還元剤の必要量は、ホエータンパク質のTG反応性を高めるために必要とされる量としてはあまりに少ない。
【0064】
ホエータンパク質の還元剤によるTG反応性の向上は、分子内SS結合の開裂によることは前述したが、これは還元剤の処理時間に依存して変化することがわかっている。つまり、ホエータンパク質のTG反応性の向上は、還元剤とのインキュベート時間に比例して大きくなる。したがって、プレインキュベートなしで、還元剤とTGを同時に添加してもホエータンパク質のTG反応性の改善効果は小さい。
【0065】
ところが、本発明の場合、原料乳に還元剤とTGを同時に添加しても、原料乳と還元剤をプレインキュベートした後TGを添加しても、両者の反応性向上効果にはほとんど差がない。以上のことからも、本発明において、ホエータンパク質の還元処理によるTG反応性向上が寄与している可能性は低いと考えられる。
【0066】
酵素反応における還元剤の役割の一つに、酵素の活性化があることは前述したが、本発明における還元剤の役割はこれに該当しない。というのは、図示しなかったが、乳タンパク質非存在下において、TG活性は還元剤の添加による影響をほとんど受けないことを認めているからである。たとえ原料乳中で、TGが還元剤によって活性化或いは活性の低下を防ぐ効果はあったとしても、本発明のように反応量を劇的に変えるほどの効果があるとは考えにくい。
【0067】
そこで、還元剤処理による原料乳のTG反応性向上には、カゼイン、特にカゼインミセルの構造変化が深く寄与していると考えられる。つまり、カゼインはもともとTG反応性の高いタンパク質として知られているにも関わらず、原料乳中では反応性が低い。これは、カゼインの状態、すなわち、精製カゼインとカゼインミセルとの反応性の違いが関係していると推察される。
【0068】
カゼインの成分ごとの反応性、すなわち、α-カゼイン、β-カゼイン、κ-カゼインのそれぞれの反応性は、β-カゼインが最も大きく、α-カゼインとκ-カゼインについてはそれに比べて低いとされている。カゼインミセルは、κ-カゼインがミセル表面を覆っていることが知られており、これが原料乳全体のTG反応性が低い原因になっていると予想される。本発明では、還元剤はカゼインミセル構造を変化させる役割を果たし、反応性の高いβ-カゼインのミセルからの分離を促すなどして反応性向上をもたらすものと推察される。
【0069】
本発明者らの数多くの実験によれば、本発明の技術はヨーグルトの物性改良においてより顕著な効果を示した。ヨーグルトの製造において、本発明の実施例を以下に述べる。
【0070】
(実施例3)ヨーグルトの製造
低温殺菌牛乳(63℃30分保持殺菌;無脂乳固形分8.4%、乳蛋白質3.1%、乳脂肪分3.6%)300mlに対し、TG(味の素株製「アクティバ」TG、1000U/g品)を乳タンパク質1g当たり2ユニットの割合で加えると同時に、対乳原料で0.02%のアロマイルドU(興人株製品、グルタチオン8%含有酵母エキス)を添加し、品温を40℃に保って1、2、4時間攪拌し反応させた(試験区a、b、c:いずれも本発明品)。反応を停止させる目的で90℃に達温させ、直ちに47℃まで冷却した。市販の乳酸菌スターター「Yo ?Flex YC-370」(クリスチャンハンセン社製)を対乳原料で0.0063%添加し、容器に充填した後、44℃でpHが4.5になるまで発酵させてヨーグルトを作成した。
【0071】
比較のために、TGもアロマイルドUも無添加(対照区1)、TGのみ添加したもの(対照区2)、アロマイルドUだけ添加したもの(対照区3)について同様にヨーグルトを作成した。いずれも発酵終了後は冷蔵下(5℃)で静置保存し、2日後の破断強度および排出ホエー量(ヨーグルト全量に対する分離ホエーの重量比)を求めた。
【0072】
破断強度は、不動工業株レオメータを用いた。測定の条件は、テスト速度6cm/min、直径10mmの平板プランジャーで行った。排出ホエー量の測定は、一定量(30g)のヨーグルトを濾紙(Whatman#1)の上に置き、一定時間(15分間)に得られる濾液量のヨーグルト全量に対する割合いを求め、対照区1(TGおよび還元剤無添加)を100%としたときの相対値で表した。また、訓練されたパネル10名による官能評価を行った。その結果を表1及び表2に示した。
【0073】
【表1】
Figure 0003951584
【0074】
【表2】
Figure 0003951584
【0075】
表1に示したように、TG添加区(対照区2)および還元剤添加区(対照区3)の破断強度は、無添加区(対照区1)と比べて殆ど変わらず、TG或いは還元剤単独の添加ではヨーグルトの物性改良効果はほとんど認められなかった。試験区aからc(本発明品)については、TG反応の時間とともにカードの破断強度が増加し、特に、試験区cにおいては強固なゲルが形成された。
【0076】
一方、排出ホエー量は、対照区1から3の間に明確な差は認められず、外観上これらはホエーオフなどの離水を生じやすく、室温で1時間も放置すると離水が甚だしかった。一方、試験区aからc(本発明品)は、各ヨーグルト間に有意な差が認められ、TGの反応時間が増すほど排出ホエー量は減少した。これは原料乳がTGで改質されたことにより保水性が向上したためと考えられる。官能評価の結果では、対照区1から3はいずれも、柔らかい、水っぽい、脆いなど好ましくない評価であったが、一方で、本発明品、特に試験区aでは非常になめらかで、口溶けのよい、それでいて離水の少ないヨーグルトとして良好な結果を得た。
【0077】
試験区bは、いわゆるかたいヨーグルトとなり、嗜好性が大きく反映されたが、舌触りには全く問題なく、外観上は離水の少ない、しっかりした組織のカードとなった。試験区cは、破断強度および排出ホエー量という物性評価値ではよい結果であったが、試験区aやbと比較すればヨーグルトとしてはややかための食感を呈した。しかし、このようなかたいヨーグルトは、従来では乳タンパク質のみでは実現できず、何らかの添加物に頼らざるをえなかったことを考えると、本事実は新しいヨーグルトの商品形態あるいは食感を提供できる可能性を示唆している。
【0078】
ヨーグルトに対し、本発明の技術を実施した場合に最終製品に期待できる効果としては、まず、攪拌型ヨーグルトの粘度の上昇や静置型ヨーグルトの硬さの増加、好ましい食感の付与、固形分を低減しても物性改良される、または物性を維持しつつコストダウンができる、等がある。また、静置型ヨーグルトは、流通中に振動やその他物理的的力が加わった場合、容易に離水を生じ、商品価値を著しく減少させてしまうことがあるが、本発明によりカードの保水力を高めることで、その問題も解決できる。
【0079】
最近は、消費者の健康志向に合わせて脂肪分や糖分を低減したヨーグルトが数多く発売されているが、このような製品では、物性がしばしば損なわれることが知られている。しかし、本発明の技術を実施すると、より消費者に好まれる食感を維持しつつ、低脂肪あるいは低カロリーの商品を提供することができる。また、従来ヨーグルトの物性を改良する為に様々な増粘多糖類やその他の添加物が使用されてきたが、本発明により、それらを代替し、ヨーグルトにより自然な食感を付与することができる。
【0080】
さらに、従来、ヨーグルトのカード物性の強化や離水防止といった品質の安定性付与を目的に、上記のような方法の他に製造工程で加熱処理(ホエータンパク質変性処理)工程を必須としていた。これは原料の殺菌工程と兼ねることが多いが、ヨーグルト製造業社は、その最適条件の選定を余儀なくされている。
【0081】
本発明の何より優れた点として、殺菌以外の目的で加熱処理の必要性がないので余分な熱エネルギーを節約できる。また、加熱処理に伴う乳タンパク質、特にホエーの過剰な熱変性による商品価値の低下を防止することができ、それによって、より生乳に近い、あるいは生乳の風味を活かしたヨーグルトなどの乳製品の製造が容易に可能となる。
【0082】
本発明は、原料乳全般に適用できるものであるからその実施の形態はヨーグルトに限るものでない。
次に、粉乳やチーズの製造に本発明の技術を適用した場合について以下に述べる。
【0083】
(実施例4)粉乳の製造
低脂肪低温殺菌牛乳(63℃30分保持殺菌:無脂乳固形分8.4%、タンパク質含量3.1%、脂肪分1.5%)1Lに対し、TG(味の素株製「アクティバ」TG、1000U/g品)を乳タンパク質1g当たり2ユニットの割合で加えると同時に、それぞれ対乳原料で0.02%のアロマイルドU(グルタチオン8%含有酵母エキス)を添加し、品温を40℃に保って3時間攪拌し反応させた(2U品:本発明品)。反応の停止の目的で90℃に達温させ、直ちに冷却後、このTGで改質された牛乳を‐40℃で冷凍凍結した。次いで、これを真空凍結乾燥に供し、本発明品から製造された粉乳(試験品)を得た。一方、比較のためにTG、還元剤両方無添加(対照区1)、還元剤のみ添加(対照品2)、TGのみ添加(対照品3)についても同様に粉乳を調製した。さらに比較のために、TGのみを乳タンパク質1g当たり10ユニットを添加したもの(対照品4)についても同様に行った。
【0084】
(動的粘弾性装置による酸性ゲル化のカイネティクス解析)
ゲルの生成過程を調べるレオロジー的手法として、一定温度、一定周波数における弾性率の経時変化を追跡する方法がある(Dickinson et al., J. Agric. Food Chem. (1996),44,1371-1377)。本方法を用い、上記の方法で得られた粉乳(試験品)の15%(w/w)溶液の酸性化による貯蔵弾性率(G')の経時変化をモニターした。また、対照品1〜4についても同様に行った。使用した装置はStress
Tech レオメータ DAR-100(セイコー電子工業株)である。
【0085】
粉乳溶液の酸性化は、グルコノ-δ-ラクトン3.2%(w/w)の添加で開始し、試料を40℃に保ち、40分間(2400秒間)貯蔵弾性率(G')の変化をモニターした。その結果を図4に示す。試験品のゲル化速度は、対照品1〜3と比較してより速くゲル化が進行し、40分後のゲル粘度は約1.6倍高くなった。対照品2および3、すなわち還元剤、TGそれぞれの単独の添加効果はほとんど認められず、むしろ還元剤単独添加(対照品2)については若干ゲル化速度が低下した。また、比較のために、TGを単独で乳タンパク質1g当たり10ユニットの割合で添加した場合(対照品4)については、試験品と比べるとやや遅いながらも似たようなゲル化挙動を示した。このことから本発明により、TGの添加量を従来の約5分の1に低減できることが示された。
【0086】
このように酸性ゲル形成能の改善された粉乳は、乳製品をはじめ様々な食品の原料或いは素材となることが期待できる。例えば、ヨーグルトの製造には原料として脱脂粉乳などの粉乳がよく用いられるが、ゲル形成能の高い粉乳を使用することで、先に述べたようなゲル強化を目的とした添加物の使用を減らすことができる。しかも、この粉乳を用いるとヨーグルト製造工程において、TGの反応工程をとる必要はなく既存の製造条件の変更を必要としない。
【0087】
一般に、粉乳の食品への用途は実に幅広く、このように本発明により製造された改質粉乳の利用価値は、上で述べたヨーグルトの製造に限ったことではない。
【0088】
さて、チーズは一般に生乳よりつくられるが、衛生上及び品質一定化のため原料乳を加熱処理する。しかし、スイスエメンタール、フランスロックフォール、イタリアパルミジャーノ、レッジャーノなど伝統のあるものは、それぞれの発祥地で品質のよい生乳から注意深くつくられる。加熱温度は71〜75℃、15秒程度までの加熱が多く使用される(殺菌といえないほどの軽度の場合もある)。過加熱は、カルシウムイオンの非イオン化やホエータンパク質の変性、軟弱なカード形成、離しょうの遅延を引き起こし、チーズ品質を劣化させ特に苦味の生成原因となる。
【0089】
以上のように、チーズ製造において過度の加熱処理は好ましくないことから、本発明のように生乳にも適用できる技術はチーズの品質、物性改良という点で期待が大きい。
【0090】
また、チーズにTGを用いる利点には、カード収率の増加、風味、味、外観等の改良が挙げられるが(特開平7−134947)、本発明ではさらにTGの添加量を従来の技術よりも削減できる、或いは反応時間を短縮できるなどのメリットがある。
【0091】
以下に、チェダーチーズの製造において本発明の技術を適用した例をTGを従来の方法でチーズに利用する例(特開平7−134947)と比較しながら述べる。なお、従来の方法とは、TGのみを原料乳に添加する方法である。
【0092】
(実施例5)チェダーチーズの製造
低温殺菌牛乳(63℃30分:無脂乳固形分8.4%、乳脂肪分3.6%、タンパク質含量3.1%)11Lを33℃に加温し、TG(味の素株製「アクティバ」TG、1000U/g品)を乳タンパク質1g当たり1ユニット添加すると同時に、アロマイルドUを原料乳の重量に対して0.02%添加した。30分経過後、乳酸菌スターター(S. lactis, S. cremoris, Chris Hansen's Laboratories製)を対重量0.75%添加し、33℃で30分間保持した。次いで、子牛レンネット(single strength、 Chris Hansen‘s Laboratories製)0.004%及び塩化カルシウムを0.02%添加して、30分間静置させてカードを生成させた。このカードをカッティングした後、5分間静置してから静かに10分間攪拌し、引き続いて34℃まで加温した。その間、カード粒を壊さないようにゆっくりと攪拌し続けた。次いで、38℃で15分間攪拌し続け、5〜10分間静置してから分離したホエーを排出させた。
【0093】
ホエーを排出させて、カードを得たら、これを6インチ幅に切って積み重ねた。続いて、37から38℃に保持して15分おきに反転を繰り返し、ホエー排出を促した(チェダリング工程)。次に、カードを砕くミリング操作を行った。砕いたカードに食塩を徐々に混合し、食塩濃度がカードの4.5%になるように3回分けて食塩を加えた。その後、型詰めをし、圧縮、熟成、貯蔵し、チェダーチーズ製品とした(試験品)。
【0094】
比較として、TG及びアロマイルドを添加しないで同様に製造したチェダーチーズ(対照品)、及び従来の方法、すなわちTGを乳タンパク質1g当たり5ユニット添加して同様に製造したチーズ(従来品)を準備した。
【0095】
圧縮後のカード重量、乾燥重量を測定し、3週間熟成した後のチェダーチーズの官能評価を訓練されたパネル10名で行った。試験品、対照品そして従来品を比較し、その結果を表3に示す。
【0096】
【表3】
Figure 0003951584
【0097】
表3に示すように、試験品のカードの収率は対照品に比べておよそ15%増大した。また、硬さは十分であり、弾力がやや増していた。風味、外観はほとんど対照品と変わらなかった。一方、従来品のカード収率は、試験品と比べやや低いもほとんど同じであった。また、従来品と試験品はチーズの硬さ、外観、官能評価結果についてもほとんど違いがなかった。以上のことから、本発明は、従来のTGのみ添加する方法に比べてTGの添加量を約5分の1まで削減することが可能であることがわかった。
【0098】
チェダ‐チーズは、いわゆる硬質チーズ(水分量約40%以下)で、現在世界各地で最も大量に製造されているチーズであり、プロセスチーズの原料にも用いられ、そのマイルドな風味は多くの人の嗜好にも合い易い。
このようなチェダ‐チーズ等の硬質チーズについて、従来のTGの添加量を削減しつつ、カード収率を増大させ、硬さ、弾力とも良好なカード、或いは品質の高いチーズを提供できる本発明は産業上極めて有用性が高い。
【0099】
【発明の効果】
本技術によると、これまでTGの反応性が低かった生乳などの原料乳にTGと還元剤を添加、作用させることで、反応性を高め、従来よりも効果的に乳タンパク質の改質処理を施すことができる。また、還元剤の必要量も食品に添加可能なレベルであり実用性も高いことから、ヨーグルトをはじめ、生乳を使用した乳製品の物性改良に幅広く応用できる技術として期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】還元型グルタチオンによる原料乳のTG反応性向上を示す電気泳動パターン
【図2】還元型グルタチオンの添加量と架橋重合物の変化
【図3】アスコルビン酸ナトリウムによる原料乳のTG反応性向上を示す電気泳動パターン
【図4】TG処理凍結乾燥粉乳の貯蔵弾性率(G')の変化

Claims (4)

  1. 生乳、低温殺菌乳又は高温短時間殺菌乳にトランスグルタミナーゼを作用させ、乳タンパク質の改良を図る際に、還元剤を無脂乳固形分1g当たり1x10 −5 〜1x10 −1 添加する工程を含むことを特徴とする、物性が改良された乳製品の製造方法。
  2. 還元剤が、還元型グルタチオン、システイン、γ−グルタミルシステイン、亜硫酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上またはこれら還元剤の1種以上を含有する製剤であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. トランスグルタミナーゼを乳タンパク質1g当たり0.001ユニット以上20ユニット以下作用させることを特徴とする請求項1〜2記載の方法。
  4. 請求項1〜3何れか記載の方法により得られ、または得られうることを特徴とする乳製品。
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