JP3951472B2 - デファレンシャルの防振構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はデファレンシャルの防振構造に係り、特に、取付ボルトや取付マウント等の取付用部品を不要にし得て、部品点数・組付工数を削減し得て、ウエイト体の落下を防止し得て、防振部材の上下左右方向への占有スペースを小さくし得て、車体との干渉や最低地上高の確保に対して有利とし得て、支持体が切断した場合にも防振機能を確保し得るデファレンシャルの防振構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には、旋回走行等による左右の車輪の回転差を吸収するために、デファレンシャルを設けている。デファレンシャルとしては、図13に示すものがある。図13おいて、102はデファレンシャル、104はデフキャリヤ、106はキャリヤハウジングである。デファレンシャル102は、デフキャリヤ104にキャリヤハウジング106を取付けてキャリヤ室108を形成し、デフキャリヤ104の軸支部110に図示しないプロペラ軸に接続されるドライブ軸112を軸支して設けている。
【0003】
ドライブ軸112には、デフキャリヤ104から突出される外側端にプロペラ軸接続フランジ114を取付けて設け、キャリヤ室108内の内側端にドライブピニオン116を設けている。プロペラ軸接続フランジ114には、ダストカバー118を取付けて設け、軸支部110に取付けたシール部材120が摺接される。
【0004】
ドライブピニオン116は、デフケース122に取付けられたリングギヤ124に噛合される。デフケース122は、内蔵するデフギヤ列のデフサイドギヤ(図示せず)に左右のアクスル軸126を夫々連結して設けている。
【0005】
デファレンシャル102は、プロペラ軸から伝達される駆動力をドライブ軸112からドライブピニオン116、リングギヤ124を介してデフケース122に内蔵されるデフギヤ列に伝達し、このデフギヤ列によりアクスル軸126を介して左右の車輪(図示せず)を駆動するとともに、左右の車輪の回転差を吸収する。
【0006】
デファレンシャル102は、伝達する駆動力が急激に変化すると、デフキャリヤ104が上下方向や前後方向に振動しようとする。このような振動を防止するデファレンシャルの防振構造としては、図14・図15及び図16・図17に示すものがある。
【0007】
図14・図15に示すデファレンシャル202は、デフキャリヤ204の軸支部210の上側に取付ボス部228を設け、この取付ボス部228に防振部材であるダイナミックダンパ230を取付ボルト232により取付けて設けている。図16・図17に示すデファレンシャル302は、デフキャリヤ304の軸支部310の下側に取付ボス部328を設け、この取付ボス部328にダイナミックダンパ330を取付ボルト332により取付マウント334を介して取付けて設けている。
【0008】
これらデファレンシャル202・302の防振構造は、ダイナミックダンパ230・330によりデフキャリヤ204・304の振動を抑制して防振を果たすものである。
【0009】
このようなデファレンシャルの防振構造としては、特開平8−159246号公報に開示されるものがある。この公報に開示されるものは、デファレンシャルキャリヤに軸支されるアクスルシャフトの回転中心よりも前方側に向かうデファレンシャルキャリヤの肉厚を増し、ワインドアップ振動を減衰させるのに必要な重量を増加させたものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記図14・図15に示すデファレンシャル202の防振構造においては、デフキャリヤ204の軸支部210の上側にダイナミックダンパ230を取付ボルト232により取付けている。また、図16・図17に示すデファレンシャル302は、デフキャリヤ304の軸支部310の下側にダイナミックダンパ330を取付ボルト332により取付マウント334を介して取付けて設けている。
【0011】
このため、これら従来のデファレンシャル202・302の防振構造においては、ダイナミックダンパ230・330の取付けに取付ボルト232・332や取付マウント334等の取付用部品を要することにより、部品点数や組付工数が増大する不都合がある。
【0012】
また、図14・図15に示すデファレンシャル202の防振構造においては、デフキャリヤ204の上側にダイナミックダンパ230を突出させて取付けていることにより、車体との離間距離が小さくなって振動により車体との干渉を生じる不都合がある。一方、図16・図17に示すデファレンシャル302の防振構造においては、デフキャリヤ304の下側にダイナミックダンパ230を突出させて取付けていることにより、地面との離間距離が小さくなって最低地上高の確保が困難になる不都合がある。
【0013】
さらに、図14・図15及び図16・図17に示すデファレンシャル202・302は、ウエイト体236・336を弾性的に支持する支持体238・338の切断によってウエイト体236・336が落下するおそれがあり、ウエイト体236・336が落下した場合には防振機能が損なわれる不都合がある。
【0014】
また、前記特開平8−159246号公報に開示されるものは、デファレンシャルキャリヤに軸支されるアクスルシャフトの回転中心よりも前方側に向かうデファレンシャルキャリヤの肉厚を増して、ワインドアップ振動を減衰させるのに必要な重量を増加させていることにより、ダイナミックダンパとしての機能を果たし得ないものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、デフキャリヤのドライブ軸を軸支する軸支部に被圧入部を設け、この被圧入部に円環形状の防振部材を圧入している。
【0016】
この防振部材を、前記被圧入部に圧入される円筒形状の圧入体とこの圧入体の外周に配設される円環形状のウエイト体と前記圧入体に対してウエイト体を弾性的に支持する支持体とにより円環形状に形成し、前記支持体は、圧入体及びウエイト体に夫々固着される円筒形状の圧入体側固着部及びウエイト体側固着部と、これら圧入体側固着部及びウエイト体側固着部を円周方向において連絡する連絡部とを設け、前記圧入体には、この圧入体と前記ドライブ軸に取付けられたプロペラ軸接続フランジのシール面との間をシールするシール部材を取付けたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明のデファレンシャルの防振構造は、デフキャリヤのドライブ軸を軸支する軸支部の被圧入部に円環形状の防振部材を圧入して設けたことにより、取付ボルトや取付マウントを要することなく防振部材をデフキャリヤに取付け得て、ウエイト体を弾性的に支持する支持体の切断によるウエイト体の脱落を防止し得て、また、防振部材を円環形状としたことにより、デフキャリヤから上下左右方向への突出を小さくし得る。
【0018】
また、このデファレンシャルの防振構造は、圧入体とウエイト体と支持体とにより円環形状に形成される防振部材の圧入体及びウエイト体を支持体の連絡部によって円周方向において弾性的に支持していることにより、連絡部の一部が切断した場合にも他の残存する連絡部によりウエイト体を弾性的に支持でき、防振機能を確保することができる。
【0019】
さらに、このデファレンシャルの防振構造は、圧入体とプロペラ軸接続フランジのシール面との間をシールするシール部材を圧入体に取付けている。
【0020】
これにより、このデファレンシャルの防振構造は、シール部材を予め取付けた状態でダイナミックダンパ又はマスダンパをデフキャリヤに取付けることができ、他部品の組付作業を不要にして組付工数の削減を果たすことができる。
【0021】
【実施例】
以下図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。図1〜図6は、この発明の第1実施例を示すものである。図2において、2は車両(図示せず)のデファレンシャル、4はデフキャリヤ、6はキャリヤハウジングである。デファレンシャル2は、デフキャリヤ4にキャリヤハウジング6を取付けてキャリヤ室8を形成している。
【0022】
デフキャリヤ4は、キャリヤ室8を形成する拡開部10を設けるとともに略円筒形状の軸支部12を設けている。デフキャリヤ4は、軸支部12に図示しないプロペラ軸に接続されるドライブ軸14を円錐ころ軸受16・16により軸支している。ドライブ軸14には、デフキャリヤ4の軸支部12から突出される外側端のネジ部18にプロペラ軸接続フランジ20を取付ナット22により取付けて設け、キャリヤ室8に臨む内端側にドライブピニオン24を設けている。
【0023】
前記プロペラ軸接続フランジ20は、ドライブ軸14の固定部26に外嵌される小径部28を設け、この小径部28に連続する大径部30を設け、この大径部30に円板形状のフランジ部32を設けている。小径部28の外周のシール面34には、軸支部12に取付けたシール部材36が摺接される。
【0024】
前記ドライブ軸14のドライブピニオン24は、デフケース38に取付けられたリングギヤ40に噛合される。デフケース38は、デフキャリヤ4にデフ軸受42により軸支され、内蔵するデフギヤ列のデフサイドギヤ(図示せず)に左右のアクスル軸44を夫々連結して設けている。
【0025】
デファレンシャル2は、プロペラ軸から伝達される駆動力をドライブ軸14からドライブピニオン24、リングギヤ40を介してデフケース38に内蔵されるデフギヤ列に伝達し、このデフギヤ列によりアクスル軸44を介して左右の車輪(図示せず)を駆動するとともに、このデフギヤ列により左右の車輪の回転差を吸収する。
【0026】
このデファレンシャル2は、デフキャリヤ4のドライブ軸14を軸支する軸支部12に被圧入部46を設けている。被圧入部46は、図1に示す如く、プロペラ軸接続フランジ20の大径部30に重なるように設け、大径部30の外周面48に近接位置される内周面50を設けるとともに、防振部材54たる後述のダイナミックダンパ54a又はマスダンパ54bを圧入する外周面52を設けている。
【0027】
前記被圧入部46は、プロペラ軸接続フランジ20の大径部30に重なるように、大径部30の外周面48に近接位置される内周面50を設けていることにより、ダストカバーとして機能する。
【0028】
前記被圧入部46に圧入される防振部材54たるダイナミックダンパ54aは、特定周波数の振動を抑制すべく、図3・図4に示す如く、被圧入部46に圧入される円筒形状の圧入体56aと、この圧入体56aの外周に配設される円環形状のウエイト体58aと、圧入体56aに対してウエイト体58aを弾性的に支持する支持体60aと、により円環形状に形成して設けている。
【0029】
圧入体56aは、被圧入部46の外周面52に圧着される内周面62aを設け、支持体60aの固着される外周面64aを設けている。ウエイト体58aは、質量の大なる金属素材により円環形状に形成され、支持体60aの固着される内周面66aを設けている。
【0030】
支持体60aは、弾性素材により形成され、圧入体56aの外周面64a及びウエイト体58aの内周面66aに夫々固着される円筒形状の圧入体側固着部68a及びウエイト体側固着部70aを設け、これら圧入体側固着部68a及びウエイト体側固着部70aを円周方向において連絡する連絡部72aを設けている。このダイナミックダンパ54aの連絡部72aは、圧入体側固着部68a及びウエイト体側固着部70aを円周方向の特定位置である上下及び左右の位置において連絡すべく、空間を介装して複数、例えば4つ設けている。
【0031】
ダイナミックダンパ54aは、図1に示す如く、被圧入部46に円筒形状の圧入体56aを圧入し、被圧入部46の外周面52に圧入体56aの内周面62aを圧着させることにより、デフキャリヤ4に取付けられる。
【0032】
また、前記被圧入部46に圧入される防振部材54たるマスダンパ54b比較的広い周波数の振動を抑制すべく、図5・図6に示す如く、被圧入部46に圧入される円筒形状の圧入体56bと、この圧入体56bの外周に配設される円環形状のウエイト体58bと、圧入体56bに対してウエイト体58bを弾性的に支持する支持体60bと、により円環形状に形成して設けている。
【0033】
圧入体56bは、被圧入部46の外周面52に圧着される内周面62bを設け、支持体60bの固着される外周面64bを設けている。ウエイト体58bは、質量の大なる金属素材により円環形状に形成され、支持体60bの固着される内周面66bを設けている。
【0034】
支持体60bは、弾性素材により形成され、圧入体56bの外周面64b及びウエイト体58bの内周面66bに夫々固着される円筒形状の圧入体側固着部68b及びウエイト体側固着部70bを設け、これら圧入体側固着部68b及びウエイト体側固着部70bを円周方向において連絡する円環板形状の連絡部72bを設けている。このマスダンパ54bの連絡部72bは、圧入体側固着部68b及びウエイト体側固着部70bを円周方向の全周において連絡すべく、円周方向に連続して設けている。
【0035】
マスダンパ54bは、図1に示す如く、被圧入部46に円筒形状の圧入体56bを圧入し、被圧入部46の外周面52に圧入体56bの内周面62bを圧着させることにより、デフキャリヤ4に取付けられる。
【0036】
次に、第1実施例の作用を説明する。
【0037】
このデファレンシャル2の防振構造は、デフキャリヤ4のドライブ軸14を軸支する軸支部12に被圧入部46を設けている。この被圧入部46に圧入される防振部材54たるダイナミックダンパ54a又はマスダンパ54bは、圧入体56a・56bとウエイト体58a・58bと支持体60a・60bとにより円環形状に形成して設けている。
【0038】
ダイナミックダンパ54a又はマスダンパ54bは、被圧入部46に円筒形状の圧入体56a・56bを圧入することにより、デフキャリヤ4に取付けられる。デフキャリヤ4に圧入により取付けられたダイナミックダンパ54aは、デフキャリヤ4の特定周波数の振動を抑制してデファレンシャル2の防振を果たす。また、デフキャリヤ4に圧入により取付けられたマスダンパ54bは、デフキャリヤ4の比較的広い周波数の振動を抑制してデファレンシャル2の防振を果たす。
【0039】
このように、このデファレンシャル2の防振構造は、デフキャリヤ4のドライブ軸14を軸支する軸支部12に被圧入部46を設け、この被圧入部46に円環形状の防振部材54たるダイナミックダンパ54a又はマスダンパ54bを圧入して設けていることにより、従来の取付ボルトや取付マウント等の取付用部材を要することなく、ダイナミックダンパ54a又はマスダンパ54bをデフキャリヤ4に取付けることができる。
【0040】
また、このデファレンシャル2の防振構造は、軸支部12の被圧入部46に円環形状のダイナミックダンパ54a又はマスダンパ54bを圧入していることにより、ウエイト体58a・58bを弾性的に支持する支持体60a・60bの連絡部72a・72bが切断した場合にもウエイト体58a・58bが脱落することがなく、さらに、ダイナミックダンパ54a又はマスダンパ54bを円環形状としたことにより、軸支部12に近接するように配置してデフキャリヤ4から上下左右方向への突出を小さくすることができる。
【0041】
このため、このデファレンシャル2の防振構造は、取付ボルトや取付マウント等の取付用部品を不要にし得て、部品点数・組付工数を削減することができ、ウエイト体58の落下を防止することができ、また、防振部材54たるダイナミックダンパ54a又はマスダンパ54bの上下左右方向への占有スペースを小さくすることができ、フルバンプ時の車体との干渉や最低地上高の確保に対して有利とし得る。
【0042】
また、このデファレンシャル2の防振構造は、円環形状に形成されるダイナミックダンパ54aの圧入体56a及びウエイト体58aを支持体60aの複数の連絡部72aによって円周方向の特定位置において弾性的に支持し、また、円環形状に形成されるマスダンパ54bの圧入体56b及びウエイト体58bを支持体60bの連続する連絡部72bによって円周方向の全周において弾性的に支持していることにより、連絡部72a・72bの一部が切断した場合にも他の残存する連絡部72a・72bによってウエイト体58a・58bを弾性的に支持することができ、防振機能を確保することができる。
【0043】
さらに、このデファレンシャル2の防振構造は、被圧入部46の内周面50をプロペラ軸接続フランジ20の大径部30の外周面48に近接位置させて設けていることにより、ダストカバーとして機能させることができる。このため、ダストカバーを不要にし得て、他部品の機能を有せしめて部品点数の削減を果たすことができる。
【0044】
図7・図8は、この発明の第2実施例を示すものである。第2実施例のデファレンシャル2の防振構造は、デフキャリヤ4の軸支部12にプロペラ軸接続フランジ20の大径部30に重ならない被圧入部46を設けている。この被圧入部46に圧入される防振部材54たるダイナミックダンパ54aの圧入体56aには、ダストカバー部74aを設けている。また、防振部材54たるマスダンパ54bの圧入体56bには、ダストカバー部74bを設けている。ダストカバー部74a・74bは、プロペラ軸接続フランジ20の大径部30の外周面48に近接位置されるように、圧入体56a・56bの一側周縁を大径部30の外周面48に向かって湾曲させることにより形成して設けている。
【0045】
このように、第2実施例のデファレンシャル2の防振構造は、プロペラ軸接続フランジ20の大径部30の外周面48に近接位置されるダストカバー部74a・74bを圧入体56a・56bに設けたことにより、従来のダストカバーを不要にすることができ、他部品の機能を有せしめていることにより、部品点数の削減を果たすことができる。
【0046】
図9は、第2実施例の変形例を示すものである。図9に示す防振部材54たるダイナミックダンパ54aのダストカバー部74a又はマスダンパ54bののダストカバー部74bは、プロペラ軸接続フランジ20の大径部30の外周面48に近接位置されるように、圧入体56a・56bの一側周縁を大径部30の外周面48に向かって湾曲させた後に、さらに大径部30の外周面48に近接した状態で軸方向に延長して設けたものである。
【0047】
このように、この変形例の防振構造は、ダストカバー部74a・74bを大径部30の外周面48に近接して延長して設けることにより、従来のダストカバーを不要にすることができるとともに第2実施例よりもダストカバー部74a・74bの大径部30に近接する面積を拡大してダストカバー機能を向上することができ、他部品の機能を有せしめていることにより、部品点数の削減を果たすことができる。
【0048】
図10は、この発明の第3実施例を示すものである。第3実施例のデファレンシャル2の防振構造は、プロペラ軸接続フランジ20の小径部28と大径部30との間に中間部76を設け、この中間部76の外周にシール面34を設けている。
【0049】
デフキャリヤ4の軸支部12には、プロペラ軸接続フランジ20の中間部76に重ならないように被圧入部46を設け、この被圧入部46に圧入される防振部材54たるダイナミックダンパ54aの圧入体56a又はマスダンパ54bの圧入体56bの一側周縁を大径部30の外周面48に向かって延長して取付部78a・78bを設け、この取付部78a・78bに中間部76のシール面34との間をシールするシール部材36を取付けて設けている。
【0050】
また、圧入体56a・56bは、取付部78a・78bの先端をプロペラ軸接続フランジ20の大径部30の外周面48に近接位置されるように、大径部30の外周面48に向かって湾曲させてダストカバー部74a・74bを設けている。
【0051】
このように、第3実施例のデファレンシャル2の防振構造は、プロペラ軸接続フランジ20のシール面34との間をシールするシール部材36をダイナミックダンパ54aの圧入体56a又はマスダンパ54bの圧入体56bに取付けて設けたことにより、シール部材36を予め取付けた状態でダイナミックダンパ54a又はマスダンパ54bをデフキャリヤ4に取付けることができ、他部品の組付作業を不要にして組付工数の削減を果たすことができる。
【0052】
また、第2実施例と同様に、プロペラ軸接続フランジ20の大径部30の外周面48に近接位置されるダストカバー部74a・74bを圧入体56a・56bに設けたことにより、従来のダストカバーを不要にすることができ、他部品の機能を有せしめていることにより、部品点数の削減を果たすことができる。
【0053】
なお、上述各実施例においては、防振部材54たるダイナミックダンパ54a又はマスダンパ54bを円環形状に形成したが、振動方向が特定方向に限定されている場合は、ウエイト体58a・58bの荷重を振動方向に振り分けるように形成することもできる。
【0054】
例えば、図11に示す別の実施例のダイナミックダンパ54aは、デファレンシャル2の振動方向である上下方向にウエイト体58aの荷重を振り分けるように、ウエイト体58aを長軸が上下方向に指向する楕円形状に形成して設ける。図12に示すさらに別の実施例のダイナミックダンパ54aは、デファレンシャル2の振動方向である上下方向にウエイト体58aの荷重を振り分けるように、上下方向のウエイト体58aの厚さを大に形成するとともに左右方向のウエイト体58aの厚さを小に形成して設ける。
【0055】
このように、デファレンシャル2の振動方向が特定方向に限定されている場合は、ダイナミックダンパ54aのウエイト体58aの荷重を特定の振動方向に振り分けるように形成することにより、デファレンシャル2の振動を効率良く抑制して防振を果たすことができる。
【0056】
なお、図示しないが、マスダンパ54bについても、図11と同様に、デファレンシャル2の振動方向である上下方向にウエイト体58bの荷重を振り分けるように、ウエイト体58bを長軸が上下方向に指向する楕円形状に形成して設け、あるいは、図12と同様に、デファレンシャル2の振動方向である上下方向にウエイト体58bの荷重を振り分けるように、上下方向のウエイト体58bの厚さを大に形成するとともに左右方向のウエイト体58bの厚さを小に形成して設けることができる。
【0057】
これにより、デファレンシャル2の振動方向が特定方向に限定されている場合は、マスダンパ54bのウエイト体58bの荷重を特定の振動方向に振り分けるように形成することにより、デファレンシャル2の振動を効率良く抑制して防振を果たすことができるものである。
【0058】
【発明の効果】
このように、この発明のデファレンシャルの防振構造は、部品点数・組付工数を削減し得て、ウエイト体の落下を防止し得て、車体との干渉や最低地上高の確保に対して有利とし得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるデファレンシャルの防振構造の第1実施例を示すデフキャリヤの要部拡大断面図である。
【図2】デファレンシャルの垂直面における断面図である。
【図3】ダイナミックダンパの正面図である。
【図4】ダイナミックダンパの断面図である。
【図5】マスダンパの正面図である。
【図6】マスダンパの断面図である。
【図7】第2実施例を示すデフキャリヤの要部拡大断面図である。
【図8】デファレンシャルの垂直面における断面図である。
【図9】第2実施例の変形例を示すデフキャリヤの要部拡大断面図である。
【図10】第3実施例を示すデフキャリヤの要部拡大断面図である。
【図11】ダイナミックダンパの別の実施例を示す正面図である。
【図12】ダイナミックダンパのさらに別の実施例を示す正面図である。
【図13】従来のデファレンシャルの垂直面における断面図である。
【図14】従来例を示すデファレンシャルの平面図である。
【図15】図14のデファレンシャルの側面図である。
【図16】別の従来例を示すデファレンシャルの平面図である。
【図17】図16のXVII−XVII線による断面図である。
【符号の説明】
2 デファレンシャル
4 デフキャリヤ
12 軸支部
14 ドライブ軸
20 プロペラ軸接続フランジ
46 被圧入部
54 防振部材
54a ダイナミックダンパ
54b マスダンパ
56a・56b 圧入体
58a・58b ウエイト体
60a・60b 支持体
72a・72b 連絡部

Claims (1)

  1. デフキャリヤのドライブ軸を軸支する軸支部に被圧入部を設け、この被圧入部に円環形状の防振部材を圧入し、この防振部材を、前記被圧入部に圧入される円筒形状の圧入体とこの圧入体の外周に配設される円環形状のウエイト体と前記圧入体に対してウエイト体を弾性的に支持する支持体とにより円環形状に形成し、前記支持体は、圧入体及びウエイト体に夫々固着される円筒形状の圧入体側固着部及びウエイト体側固着部と、これら圧入体側固着部及びウエイト体側固着部を円周方向において連絡する連絡部とを設け、前記圧入体には、この圧入体と前記ドライブ軸に取付けられたプロペラ軸接続フランジのシール面との間をシールするシール部材を取付けたことを特徴とするデファレンシャルの防振構造。
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