JP3950857B2 - 新規エポキシ樹脂、中間体及び製造法、並びにこれを用いたエポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

新規エポキシ樹脂、中間体及び製造法、並びにこれを用いたエポキシ樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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本発明は、耐湿性、耐熱性、耐衝撃性等の機械的強度に優れた硬化物を与える多官能エポキシ樹脂及びその中間体並びにこれらの製造法、更にはそれを用いたエポキシ樹脂組成物及びその硬化物に関するものである。
近年、特に先端材料分野の進歩にともない、より高性能なベースレジンの開発が求められている。例えば、航空宇宙産業に利用される複合材マトリックス樹脂としてのエポキシ樹脂については、よりいっそうの高耐熱性、耐湿性が強く要請されている。しかしながら、従来より知られているエポキシ樹脂には、これらの要求を満足するものは未だ知られていない。例えば、周知のビスフェノール型エポキシ樹脂は、常温で液状であり、作業性に優れていることや、硬化剤、添加剤等との混合が容易であることから広く使用されているが、耐熱性、耐湿性の点で問題がある。また、耐熱性を改良したものとして、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が知られているが、耐湿性や耐衝撃性に問題がある。
そこで、耐湿性、耐衝撃性の向上を目的に、フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化合物が提案されている(特開昭63−238,122号公報)が、このエポキシ化合物も耐熱性の点で十分でない。また、高耐熱性を目的に、2価フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化合物が提案されている(特開昭64−79,215号)。しかし、このエポキシ化合物は、耐湿性の点で十分ではない。特公昭47−13782号公報(特許文献3)にはフェノ−ル、ジフェニルエ−テル及びパラキシリレングリコ−ルジメチルエ−テルを、酸触媒の存在下に反応させて固体状の樹脂を得、次いでこれをエピクロルヒドリンでエポキシ化するエポキシ化フェノ−ル樹脂の製造法が記載されているが、この方法ではジフェニルエ−テルとフェノ−ルの反応性に大きな差があるため、両者が架橋剤を介して交互に結合するような構造の樹脂は得られず、十分な性能の向上は望めない。また、特許文献3と同様な記載が特許文献4にもある他、このエポキシ化フェノ−ル樹脂の中間体であるフェノ−ル樹脂の製法に関しては特許文献5〜7にもある。
特開昭63−238122号公報 特開昭64−79215号公報 特公昭47−13782号公報 英国特許第1169045号明細書 英国特許第1228778号明細書 米国特許第4318821号明細書 特開昭51−133350号公報
従って、本発明の目的は、耐湿性、耐熱性に優れ、かつ耐衝撃性等の機械的特性に優れた性能を有し、積層、成形、注型、接着等の用途に有用なエポキシ樹脂及びその製造法を提供することにある。また、他の目的はこのエポキシ樹脂の中間体となる多価ヒドロキシ樹脂及びその製造方法を提供することにある。更に、他の目的はこれらを用いたエポキシ樹脂組成物及びこの硬化物を提供することにある。
下記一般式(2)
Figure 0003950857
(但し、Aは炭素数1〜6のアルキル基が置換していてもよいベンゼン環又はナフタレン環を示し、Bは芳香族基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、nは0〜15の整数を示す)で表される多価ヒドロキシ樹脂は、エポキシ樹脂中間体となる。
すなわち、本発明は、下記一般式(3)
H−B−H (3)
(但し、Bは2価の芳香族基を示す)で表される芳香族化合物1モルに対し、2〜30モルの下記一般式(4)
Figure 0003950857
(但し、Rは水素原子又は炭素数1〜6までの炭化水素基を示す)で表される化合物及びジビニルベンゼン類から選ばれる架橋剤の少なくとも1種とを反応させたのち、下記一般式(5)
H−A−OH (5)
(但し、Aは炭素数1〜6のアルキル基が置換していてもよいベンゼン環又はナフタレン環を示す)で表されるフェノ−ル類又はナフトール類を反応させることを特徴とする多価ヒドロキシ樹脂の製造方法である。
上記一般式(2)で表される多価ヒドロキシ樹脂と、エピクロルヒドリンとを反応させることにより下記一般式(1)で表される多官能エポキシ樹脂を製造することができる。また、上記多価ヒドロキシ樹脂の製造方法により得られた多価ヒドロキシ樹脂からも、下記一般式(1)で表される多官能エポキシ樹脂を含む多官能エポキシ樹脂を製造することができる。
Figure 0003950857
(但し、Aは炭素数1〜6のアルキル基が置換していてもよいベンゼン環又はナフタレン環を示し、Bは芳香族基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、Gはグリシジル基を示し、nは0〜15の数を示す)
なお、一般式(1)〜(3)中、Bは少なくとも2個の置換可能な水素を有する芳香族化合物から生じる2価の芳香族基を示すが、芳香族環ともいう。
上記多官能エポキシ樹脂又は多価ヒドロキシ樹脂の少なくともいずれか一方を必須成分として使用してエポキシ樹脂組成物並びにこれを硬化してなる硬化物を得ることができる。
一般式(2)で表される多価ヒドロキシ樹脂又は本発明も製法で得られる多価ヒドロキシ樹脂は、一般式(3)で表される芳香族化合物1モルに対し、2〜30モルの一般式(4)で表される化合物及びジビニルベンゼン類から選ばれる架橋剤の少なくとも1種とを反応させたのち、一般式(5)で表されるフェノ−ル類又はナフトール類を反応させることにより得られる。
一般式(3)で表される芳香族化合物としては、少なくとも2個の置換可能な水素を有する芳香族化合物があり、例えば、キシレン類、トリメチルベンゼン類、デュレン等のテトラメチルベンゼン類、ジエチルベンゼン類、トリエチルベンゼン類、テトラエチルベンゼン類、イソプロピルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン類、トリイソプロピルベンゼン類、ナフタレン、メチルナフタレン類、ジメチルナフタレン類、トリメチルナフタレン類、ビフェニル、ジフェニルエーテル、アセナフテン、フルオレン、ジベンゾフラン、アントラセン、フェナンスレンが挙げられ、これらの化合物は、単独又は混合物として使用される。場合により、これらの化合物を含む石油系、石炭系のタール留分を用いることができる。好ましくは、1〜3環の芳香族炭化水素などが挙げられる。
架橋剤としては、例えば、p−キシリレングリコール、α,α'−ジメトキシ−p−キシレン、α,α'−ジエトキシ−p−キシレン、α,α'−ジイソプロピル−p−キシレン、α,α'−ジブトキシ−p−キシレン、m−キシリレングリコール、α,α'−ジメトキシ−m−キシレン、α,α'−ジエトキシ−m−キシレン、α,α'−ジイソプロポキシ−m−キシレン、α,α'−ジブトキシ−m−キシレン、1,4−ジ(2−ヒドロキシ−2−エチル)ベンゼン、1,4−ジ(2−メトキシ−2−エチル)ベンゼン、1,4−ジ(2−ヒドロキシ−2−エチル)ベンゼン、1,4−ジ(2−エトキシ−2−エチル)ベンゼン、p−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼンあるいはこれらの混合物等が挙げられるが、反応中の架橋剤の自己重合を抑えるためには、キシリレングリコールジアルキルエーテル類が好ましい。
芳香族化合物と架橋剤の反応中間体の合成において、芳香族化合物に対して過剰量の架橋剤が使用される。架橋剤の使用量は、通常、芳香族化合物1モルに対して2〜30モルの範囲であるが、好ましくは、3〜15モルの範囲である。これより多いと芳香族基に由来する耐湿性、耐熱性等の樹脂性能の向上効果が少なく、これより少ないと得られる樹脂の官能基密度が小さくなり、耐熱性が低下する。
この反応は酸触媒の存在下に行う。この酸触媒としては、周知の無機酸、有機酸より適宜選択することができる。例えば、塩酸、硫酸、燐酸等の鉱酸や、ギ酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸や、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化鉄、三フッ化ホウ素等のルイス酸あるいは、活性白土、シリカ−アルミナ、ゼオライト等の固体酸等が挙げられる。
また、この反応は通常、10〜250℃で1〜20時間行われる。反応中間体合成時の反応の終点は通常、芳香族化合物の消失した時点、あるいは、架橋剤としてキシリレングリコール又はキシリレングリコールジアルキルエーテルを用いた場合は、芳香族化合物の2倍モル量の縮合水又はアルコールが生成した時点とする。これより反応率が低いと、未反応の芳香族化合物が残存することなり、エポキシ樹脂組成物として成形する際にブリードアウトの問題がある。また、これより反応率が高いとゲル化の恐れがある。反応の際には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のアルコール類や、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物等を溶媒として使用することができる。
芳香族化合物と架橋剤の反応により得られた反応中間体は、次に、一般式(5)で表されるフェノール類又はナフトール類と反応する。このフェノール類、ナフトール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、エチルフェノール類、イソプロピルフェノール類、ターシャリーブチルフェノール類、フェニルフェノール類、2,6−キシレノール、2,6−ジエチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール等が挙げられ、これらのフェノール性化合物は、1種又は2種以上の混合物として使用される。これらフェノール性化合物は、通常、用いた架橋剤に対して過剰量使用される。その使用量は、通常、架橋剤1モルに対して1〜15モルの範囲であるが、好ましくは1.2〜10モルの範囲である。これより少ないと樹脂の軟化点が高くなり成形作業性に支障をきたす。また、これより多いと反応終了後、過剰のフェノール性化合物の除く量が多くなり、工業的に好ましくない。この反応で、上記一般式(2)で表される多価ヒドロキシ樹脂又はこれを含む多価ヒドロキシ樹脂が生成する。これは、必要により触媒や過剰のフェノ−ル性化合物等を分離する精製を行う。固形分中の一般式(2)で表される多価ヒドロキシ樹脂の濃度が50重量%以上であることが好ましい。なお、一般式(1)及び(2)において、nは平均の繰り返し数を意味する。
本発明の多官能エポキシ樹脂は、上記多価ヒドロキシ樹脂をエピクロルヒドリンと反応させることにより製造される。この反応は、通常のエポキシ化反応と同様に行うことができる。例えば、上記多価ヒドロキシ樹脂を過剰のエピクロルヒドリンに溶解した後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下に50〜150℃、好ましくは、60〜120℃の範囲で1〜10時間反応させる方法が挙げられる。この際の、アルカリ金属水酸化物の使用量は、多価ヒドロキシ樹脂中の水酸基1モルに対して、0.8〜2モル、好ましくは0.9〜1.2モルの範囲である。また、エピクロルヒドリンは多価ヒドロキシ樹脂中の水酸基に対して過剰に用いられるが、通常、多価ヒドロキシ樹脂中の水酸基1モルに対して、1.5〜15モル、好ましくは2〜8モルの範囲である。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物をトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解し、濾過し、水洗して無機塩を除去し、次いで溶剤を留去することにより本発明のエポキシ樹脂を得ることができる。一般式(1)で表される多官能エポキシ樹脂の固形分中の濃度は、50重量%以上であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂成分として上記一般式(1)で表される多官能エポキシ樹脂又は上記製法で得られる多官能エポキシ樹脂、硬化剤成分として上記一般式(2)で表される多価ヒドロキシ樹脂又は上記製法で得られる多価ヒドロキシ樹脂の少なくともいずれか一方を必須成分として配合したものである。
上記多官能エポキシ樹脂を必須成分とする場合の硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものはすべて使用できる。例えば、ジシアンジアミド、多価フェノール類、酸無水物類、芳香族及び脂肪族アミン類等がある。具体的に例示すれば、多価フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4'−ビフェノール、2,2'−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類、あるいは、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノール類、更にはフェノール類、ナフトール類又は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4'−ビフェノール、2,2'−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類のホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−キシリレングリコール等の縮合剤により合成される多価フェノール性化合物、等があり、酸無水物としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸等がある。また、アミン類としては、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族アミン類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン類、あるいは上記一般式(2)で表される多価ヒドロキシ樹脂がある。本発明の樹脂組成物には、これら硬化剤の1種又は2種以上を混合して用いることができるが、本発明に関わるエポキシ樹脂の配合量はエポキシ樹脂全体中、5〜100重量%の範囲である。
上記多価ヒドロキシ樹脂を必須成分とする場合のエポキシ樹脂としては、分子中にエポキシ基を2個以上有する通常のエポキシ樹脂はすべて使用できる。例を挙げれば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4'−ビフェノール、2,2'−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン等の2価のフェノール類、あるいはトリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック等の3価以上のフェノール類、又はテトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類から誘導されるグルシジルエーテル化物、あるいは上記一般式(1)で表される多官能エポキシ樹脂等がある。これらのエポキシ樹脂は、1種又は2種以上を混合して用いることができるが、本発明に関わる多価ヒドロキシ樹脂の配合量はエポキシ樹脂全体中、5〜100%の範囲である。
また、上記多官能エポキシ樹脂又は上記多価ヒドロキシ樹脂を必須成分とする本発明の組成物中には、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン、石油樹脂、インデンクマロン樹脂、フェノキシ樹脂等のオリゴマー又は高分子化合物を適宜配合してもよいし、無機充填剤、顔料、難然剤、揺変性付与剤、カップリング剤、流動性向上剤等の添加剤を配合してもよい。
無機充填剤としては、例えば、球状あるいは破砕状の溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、水和アルミナ等が挙げられ、顔料としては、有機系又は無機系の体質顔料、鱗片状顔料等がある。揺変性付与剤としては、シリコン系、ヒマシ油系、脂肪族アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス、有機ベントナイト系等を挙げることができる。更に、必要に応じて、従来より公知の硬化促進剤を用いることができる。例を挙げれば、アミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸等がある。添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、0.2〜5重量部の範囲である。また、必要に応じて、本発明の樹脂組成物には、カルナバワックス、OPワックス等の離型剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、三酸化アンチモン等の難燃剤、シリコンオイル等の低応力化剤、ステアリン酸カルシウム等の滑剤等を配合することができる。
本発明の硬化物は、上記エポキシ樹脂組成物を注型、圧縮成形、トランスファー成形等の方法により、成形加工し得ることができる。生成する際の温度は、通常、120〜220℃の範囲である。
本発明のエポキシ樹脂、多価ヒドロキシ樹脂を硬化させて得られる硬化物は、耐湿性、耐熱性に優れ、かつ、耐衝撃性等の機械的特性にも優れた性能を有し、積層、成形、注型、接着等の用途に好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明を具体的に説明する。
(多価ヒドロキシ樹脂の製造)
実施例1
500mlの4口フラスコに、p−キシリレングリコールジメチルエーテル166g(1.0モル)、アントラセン44.5g(0.25モル)、p−トルエンスルホン酸8.4gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら150℃で反応させた。この間、生成するメタノールは系外に除いた。約2時間後、16gのメタノールが生成したところで、o−クレゾール216g(2モル)を添加し、更に、150℃で2時間反応させた。引続きこの間、生成するメタノールは系外に除いた。メタノールの生成が終了した時点で、炭酸ナトリウムにて中和し、更に、過剰のo−クレゾールを減圧留去し、褐色状樹脂200gを得た。得られた樹脂の軟化点は、84℃であり、ICIコーンプレート法に基づく150℃での溶融粘度は4.4pであった。得られた樹脂のGPCチャートを図1に示す。ここで、GPC測定は、装置:HLC−82A(東ソー(株)製)及びカラム:TSK−GEL2000×3本及びTSK−GEL4000×1本(何れも東ソー(株)製)を用い、溶媒:THF、流速:1.0ml/分、温度:38℃、検出器:RIの条件で行った。
実施例2
500mlの4口フラスコに、p−キシリレングリコールジメチルエーテル166g(1.0モル)、アントラセン59.3g(0.33モル)、p−トルエンスルホン酸9.0gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら150℃で反応させた。この間、生成するメタノールは系外に除いた。約2時間後、21gのメタノールが生成したところで、o−クレゾール206g(1.9モル)を添加し、更に、150℃で2時間反応させた。引続きこの間、生成するメタノールは系外に除いた。メタノールの生成が終了した時点で、炭酸ナトリウムにて中和し、更に、過剰のo−クレゾールを減圧留去し、褐色状樹脂260gを得た。得られた樹脂の軟化点は、97.4℃であった。得られた樹脂のGPCチャートを図2に示す。
実施例3
500mlの4口フラスコに、p−キシリレングリコールジメチルエーテル166g(1.0モル)、ジフェニルエーテル56.7g(0.33モル)、p−トルエンスルホン酸13.3gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら150℃で反応させた。この間、生成するメタノールは系外に除いた。約3時間後、21gのメタノールが生成したところで、o−クレゾール180g(1.67モル)を添加し、更に、150℃で2時間反応させた。引続きこの間、生成するメタノールは系外に除いた。メタノールの生成が終了した時点で、炭酸ナトリウムにて中和し、更に過剰のo−クレゾールを減圧留去し、褐色状樹脂216gを得た。得られた樹脂のOH当量は281.4、軟化点は96℃、150℃での溶融粘度は14pであった。得られた樹脂のGPCチャートを図3に示す。
実施例4
500mlの4口フラスコに、p−キシリレングリコールジメチルエーテル166g(1.0モル)、ジフェニルエーテル42.5g(0.25モル)、p−トルエンスルホン酸12.5gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら150℃で反応させた。この間、生成するメタノールは系外に除いた。約3時間後、16gのメタノールが生成したところで、o−クレゾール202.5g(1.88モル)を添加し、更に、150℃で2時間反応させた。引続きこの間、生成するメタノールは系外に除いた。メタノールの生成が終了した時点で、炭酸ナトリウムにて中和し、更に、過剰のo−クレゾールを減圧留去し、褐色状樹脂237.5gを得た。得られた樹脂のOH当量は248.9、軟化点は99.8℃、150℃での溶融粘度は19pであった。得られた樹脂のGPCチャートを 図4に示す。
実施例5
500mlの4口フラスコに、p−キシリレングリコールジメチルエーテル166g(1.0モル)、デュレン16.8g(0.125モル)、p−トルエンスルホン酸7.5gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら150℃で反応させた。この間、生成するメタノールは系外に除いた。約7時間後、10gのメタノールが生成したところで、o−クレゾール157.5g(1.46モル)を添加し、更に、150℃で3時間反応させた。引続きこの間、生成するメタノールは系外に除いた。メタノールの生成が終了した時点で、炭酸ナトリウムにて中和し、更に、過剰のo−クレゾールを減圧留去し、褐色状樹脂232.5gを得た。得られた樹脂のOH当量は225、軟化点は92℃、150℃での溶融粘度は11pであった。
実施例6
500mlの4口フラスコに、p−キシリレングリコールジメチルエーテル166g(1.0モル)、デュレン11.2g(0.083モル)、p−トルエンスルホン酸7gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら150℃で反応させた。この間、生成するメタノールは系外に除いた。約18.5時間後、5.8gのメタノールが生成したところで、o−クレゾール180g(1.67モル)を添加し、更に、150℃で6時間反応させた。引続きこの間、生成するメタノールは系外に除いた。メタノールの生成が終了した時点で、炭酸ナトリウムにて中和し、更に、過剰のo−クレゾールを減圧留去し、褐色状樹脂224.5gを得た。得られた樹脂のOH当量は225、軟化点は86℃、150℃での溶融粘度は8pであった。
(多官能エポキシ樹脂の製造)
実施例7
実施例1で得た樹脂100gをエピクロルヒドリン600gに溶解し、更に、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.25gを加え、減圧下(約150mmHg)、70℃にて48%水酸化ナトリウム水溶液33.1gを3.5時間かけて滴下した。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、溜出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、更に、30分間反応を継続した。その後、濾過により生成した塩を除き、更に、水洗したのちエピクロルヒドリンを留去し、エポキシ樹脂106gを得た。エポキシ当量は323.7であり、軟化点は61℃であった。得られた樹脂のGPCチャートを図5に示す。
本樹脂を用い、表1に示す配合で樹脂組成物とした後、成形(150℃、3分)し、硬化試験片を得た。試験片は180℃にて12時間ポストキュアを行った後、種々の物性試験に供した。結果を表1に示す。なお、ガラス転移点及び線膨張係数の測定は、熱機械測定装置を用いて7℃/分の昇温速度で測定した。また、吸水率は、不飽和型プレッシャークッカー装置を用いて、133℃、3気圧の条件で96時間吸湿させて測定した。更に、破壊靭性はA. F. Yee, R. A. Pearson, Journal of Materials Science, 21, 2462(1986)に記載の方法に従って測定した。
実施例8
実施例2で得た樹脂100g、48%水酸化ナトリウム水溶液28.7gを用いて実施例7と同様に反応を行い、エポキシ樹脂120gを得た。エポキシ当量は441であり、軟化点は76.4℃であった。得られた樹脂のGPCチャートを図6に示す。本樹脂を用い、実施例7と同様に種々の物性試験に供した。結果を表1に示す。
実施例9
実施例3で得た樹脂100g、48%水酸化ナトリウム水溶液31.9gを用いて実施例7と同様に反応を行い、エポキシ樹脂98gを得た。エポキシ当量は471.4であり、軟化点は75.0℃であった。得られた樹脂のGPCチャートを図7に示す。本樹脂を用い、実施例7と同様に種々の物性試験に供した。結果を表1に示す。
実施例10
実施例4で得た樹脂100g、48%水酸化ナトリウム水溶液32.8gを用いて実施例7と同様に反応を行い、エポキシ樹脂96gを得た。エポキシ当量は420.5であり、軟化点は78.5℃であった。得られた樹脂のGPCチャートを図8に示す。本樹脂を用い、実施例7と同様に種々の物性試験に供した。結果を表1に示す。
実施例11
実施例5で得た樹脂100g、48%水酸化ナトリウム水溶液36.2gを用いて実施例7と同様に反応を行い、エポキシ樹脂102gを得た。エポキシ当量は275であり、軟化点は70.5℃であった。また、150℃での溶融粘度は4.0ポイズであった。得られた樹脂のGPCチャートを図9に示す。本樹脂を用い、実施例5と同様に種々の物性試験に供した。結果を表1に示す。
実施例12
実施例6で得た樹脂100g、48%水酸化ナトリウム水溶液36.2gを用いて実施例7と同様に反応を行い、エポキシ樹脂103gを得た。エポキシ当量は277であり、軟化点は60.2℃であった。また、150℃での溶融粘度は2.0ポイズであった。得られた樹脂のGPCチャートを図10に示す。本樹脂を用い、実施例7と同様に種々の物性試験に供した。結果を表1に示す。
比較例1
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を使用し、実施例7と同様に種々の物性試験に供した。結果を表1に示す。
Figure 0003950857
実施例1で得られた樹脂(多価ヒドロキシ樹脂)のGPCチャート 実施例2で得られた樹脂(多価ヒドロキシ樹脂)のGPCチャート 実施例3で得られた樹脂(多価ヒドロキシ樹脂)のGPCチャート 実施例4で得られた樹脂(多価ヒドロキシ樹脂)のGPCチャート 実施例7で得られた樹脂(多官能エポキシ樹脂)のGPCチャート 実施例8で得られた樹脂(多官能エポキシ樹脂)のGPCチャート 実施例9で得られた樹脂(多官能エポキシ樹脂)のGPCチャート 実施例10で得られた樹脂(多官能エポキシ樹脂)のGPCチャート 実施例11で得られた樹脂(多官能エポキシ樹脂)のGPCチャート 実施例12で得られた樹脂(多官能エポキシ樹脂)のGPCチャート

Claims (1)

  1. 下記一般式(3)
    H−B−H (3)
    (但し、Bは芳香族基を示す)で表される芳香族化合物1モルに対し、2〜30モルの下記一般式(4)
    Figure 0003950857
    (但し、Rは水素原子又は炭素数1〜6までの炭化水素基を示す)で表される化合物及びジビニルベンゼン類から選ばれる架橋剤の少なくとも1種とを反応させたのち、下記一般式(5)
    H−A−OH (5)
    (但し、Aは炭素数1〜6のアルキル基が置換していてもよいベンゼン環又はナフタレン環を示す)で表されるフェノ−ル類又はナフトール類を反応させることを特徴とする多価ヒドロキシ樹脂の製造方法。
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