JP3949802B2 - 板ガラス保持具の取付装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、点押え方式で板ガラスを保持する板ガラス保持具を、建物等の構造部材に対して取り付けるための取付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、上下左右に並べた多数の板ガラスで外壁を構成した建物がよく見うけられる。この種の建物においては、開放感や美観の向上を図るために、板ガラスを方立や桟を用いずに、板ガラス保持具により点押さえ方式で支持するようにしたものがある。
【0003】
図4(a)、(b)はこの種の方式で板ガラスを支持した構造を示している。図において、符号1は板ガラス保持具であり、4枚の板ガラスG間の目地の交差部に配置され、各板ガラスGの隅部を保持している。符号2は板ガラス保持具1の水平な取付軸であり、取付装置5を介して建物の構造部材M(壁や柱等)に取り付けられている。
【0004】
取付装置5は、取付軸2が連結される連結筒6と、ベース板7とを備えており、ベース板7が、構造部材Mから突出した2つのボルト8およびこれらに螺合されたナット9により、座金11およびスペーサ(シム)12を介して構造部材Mに固定されている。この場合、スペーサ12の枚数を調節することにより、連結筒6の傾きが取付軸2に対応するよう調整されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の取付装置5においては、ベース板7と構造部材M間に配置するスペーサ12の枚数を調節することによって、取付装置1の連結筒6の傾きを調整していたが、調整作業が面倒である上、上下方向にしか調整することができず、調整の自由度が低いという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、請求項1に係る発明は、建物等の構造部材に対して板ガラス保持具を取り付ける取付装置において、上記構造部材に固定される取付ベースと、この取付ベースの前方に配置され、かつ取付ベースに螺合されたカバーと、上記取付ベースと上記カバーとによって挟持され、上記板ガラス保持具の取付軸が連結される連結部材とを備え、上記連結部材を挟持する上記取付ベースおよび上記カバーの各挟持部に球面座がそれぞれ形成され、上記連結部材に上記各球面座に球面接触する球面部が形成されていることを特徴としている。
【0007】
この場合、上記取付ベースまたは上記カバーと上記連結部材との間に、上記連結部材の回転姿勢を調節する調節機構を設けるのが望ましい。この調節機構については、上記球面部の前後方向における中央部外周面に突設された環状のフランジ部と、上記カバーにこれを前後方向に貫通した状態で螺合され、上記フランジ部の周方向に互いに離間して配置された3個以上の調節ネジとを有し、各調節ネジで上記フランジ部の前面を押圧することにより、上記連結部材の回転姿勢を調節するものであることが望ましい。
【0008】
また、上記構造部材に上記取付ベースを固定するための1本の固定軸を設け、上記取付ベースに上記固定軸が相対回転可能に、かつ長手方向へ相対移動可能に挿通される長孔を形成するのが望ましい。その場合には、上記固定軸に突き当たることにより上記取付ベースの上記固定軸に対する上記長孔の長手方向における位置を調節する固定位置調節ネジを上記取付ベースに螺合させるのが特に望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。ここで、図1は、この発明に係る取付装置50を用いて板ガラス保持具の取付軸2を建物の構造部材M側に対して取り付けた状態を示す図であり、図2は同取付装置50の分解斜視図であり、図3は同取付装置の主要部品の構成図である。
【0010】
図1および図2に示すように、取付装置50は、構造部材Mに固定されるカップ状の取付ベース21と、取付ベース21に螺合されるカップ状のカバー22と、先端部に板ガラス保持具の取付軸2が連結されるナット部材(連結部材)23とを主な構成要素としている。
【0011】
取付ベース21は、図3に示すように、円筒状をなす周壁21aと、この周壁21aの後端部に一体に設けられた後面壁21bと、周壁21aの前側の内周面に形成された環状の前面壁21cとを有しており、前面壁21cと後面壁21bとの間の周壁21aの内部が、ナット収容空間21dになっている。後面壁21bには長孔21fが形成されている。この長孔21fには、構造部材Mに水平に設けられたスタッドボルト(固定軸)18が長孔21fの長手方向へ相対移動可能に、かつ相対回動可能に挿通されている。このスタッドボルト18の先端部は、長孔ナット21dを貫通してナット収容空間21dに達しており、そこには、ナット24が螺合されている。そして、このナット24を締め付けて座金25を介して後面壁21bを構造部材Mに押し付けることにより、取付ベース21が構造部材Mに固定されている。この場合、スタッドボルト18が長孔21fに対して相対移動可能かつ相対回動可能であるから、取付ベース21はスタッドボルト18と直交する平面上において、かつ長孔21fの長さの範囲内において位置調節可能である。
【0012】
ナット収容空間21dに臨む周壁21aには、切欠き21eが設けられている。この切欠き21eは、ナット24を回動操作する工具(図示せず)を挿通するためのものであり、切欠き21eを通して工具を挿通し、その先端部をナット24の外周面に形成された孔24a(図2参照)に差し込むことにより、ナット24を回動操作することができるようになっている。また、周壁21aの上記長孔21fの長手方向の両端側に位置する箇所には、当該箇所を貫通するネジ孔21iが形成されており、このネジ孔21iには、固定位置調節ネジ27(図1参照)が螺合されている。そして、各固定位置調節ねじ27をナット24の外周面に突き当てた状態でねじ込量を加減することにより、長孔21fの長手方向における取付ベース21の位置調節を行うことができるようになっている。
なお、この実施の形態では、固定位置調節ねじ27が、ナット24を介してスタッドボルト18に突き当てられているが、スタッドボルト18に直接突き当てるようにしてもよい。
【0013】
環状をなす前壁部21cの内周面には、球面座21gが形成されている。この球面座21gは、球面の一部からなるものであり、球面座21gが前方へ向かうにしたがって開くよう、球面座21gの曲率中心は、前壁部21cより前方に位置している。
【0014】
カバー22は、環状の前面壁22aと、この前面壁22aから後方に延びる円筒状の周壁22bとを有しており、周壁22bの内周面に形成された雌ネジ部22fが、取付ベース21の先端部外周面に形成された雄ネジ21hに螺合することによって取付ベース21に取り付けられている。前面壁22aの中心開口22cの周囲には、前壁部22aを前後方向に貫通する3個以上(この実施の形態では4個)のネジ孔22dが円周方向に等間隔をもって形成されている。各ネジ孔22dには、調節ネジ26(図1参照)が螺合されている。
【0015】
また、中心開口22cの後端側の内周面には、球面の一部からなる球面座22eが形成されている。この球面座22eは、取付ベース21の球面座21gと同一の曲率半径をもって形成されており、球面座22eが後方へ向かって開くよう、その曲率中心は前面壁22aより前方に位置している。しかも、ネジ部21h,22fを所定量だけねじ込むと球面座21g,22eの曲率中心が互いに一致するようになっている。
【0016】
ナット部材23は略円筒状をなすもので、取付ベース21側の基端部外周面には、球面部23aが形成されている。この球面部23aは、球面座21g,22eと同一の曲率半径を有している。したがって、球面部23aは、カバー22を緩く締め付けた場合には、球面座21g,22eに回動可能に面接触し、制限された範囲内ではあるが上下左右の任意の方向に回動可能である。その一方、カバー22を強く締め付けた場合には、球面座21g,22eによって挟持固定される。
【0017】
球面部23aの外周面の前後方向における中央部には、環状のフランジ部23bが形成されている。このフランジ部23bは、ナット部材23の軸線方向と直交する平面内に配置されており、上記ネジ孔22dと対向している。したがって、各ネジ孔22dに螺合させた調節ネジ26をフランジ部23bの前面に適宜押し付けることにより、ナット部材23の回動位置を調節することができるとともに、調節後の回動位置に位置固定することができる。
【0018】
ナット部材23の内周面には、板ガラス保持具の取付軸2をねじ込むための雌ネジ孔23cが形成され、その周壁部には、取付軸2の回り止め用の止めネジ28(図2参照)を捩じ込むためのネジ孔23dが形成されている。そして、取付軸2を雌ネジ孔23cに適宜ねじ込んだ後、止めネジ28を締め付けることにより、取付軸2がナット部材23に固定されている。なお、ナット部材23の先端部には、取付軸2をねじ込む際にナット部材23が取付軸2と共回りするのを阻止するための工具を係合する係合部23eが設けられている。
【0019】
取付装置50を組み立てる場合は、図1に示すように、構造部材M側のスタッドボルト18を取付ベース21の長孔21fに通し、後面壁21bを構造部材Mの表面に密着させる。その後、ナット24を緩く締め付けて取付ベース21を構造部材Mに仮固定する。次に、取付ベース21の周壁21aのネジ孔21iに螺合した固定位置調節ネジ27の捩じ込み量を加減し、調節ネジ27の先端でナット24の外周を押圧することにより、長孔21fの長手方向に、スタッドボルト18に対する取付ベース21の位置を調節する。この位置調節に先立って、取付ベース21を適宜回動調節することにより、長孔21fの長手方向を変更することができる。したがって、取付ベース21は、構造部材Mの壁面に沿って任意の方向に位置調節可能である。取付ベース21の位置を調節したら、ナット24を締め付けて取付ベース21を構造部材Mに固定する。
なお、この操作は、板ガラス保持具の取付軸2をナット部材23に連結した後の最終調整段階で行うようにしてもよい。
【0020】
取付ベース21を固定したら、ナット部材23の先端部を中心開口22cから突出させた状態で、カバー22の内部にナット部材23の球面部23aを組み込んだ状態でカバー22を取付ベース21に螺合させる。カバー22を取付ベース21に緩く締め付けると、ナット部材23の球面部23aが、取付ベース21の球面座21gとカバー22の球面座22eとの間に緩く挟持される。したがって、この状態では、球面部23aが球面座21g,22eに所定の範囲内であらゆる方向に自由に回転できるように保持される。
【0021】
この状態で、取付軸2を、カバー22より突出したナット部材23の雌ネジ23cに螺合連結する。そして、予めカバー22の前面壁22aにセットした4個の調節ネジ26を操作して、フランジ部23bの前面を適宜押圧することにより、球面部23aを適宜回動させ、ナット部材23の姿勢を板ガラス保持具の取付軸2に合わせる。以上の調整が終わったら、取付軸2を止めネジ28で止めて、板ガラス保持具の取り付けを完了する。なお、ナット部材23の姿勢調節後、調節ネジ26を緩め、その後カバー22を締め付けることによりナット部材23を固定することも可能である。
【0022】
このように、上記構成の取付装置50においては、球面部23bと球面座21g、22eを設けることで、ナット部材23の姿勢をあらゆる方向に調節自在としたので、板ガラス保持具の取付軸2とスタッドボルト18の間に角度の不一致があっても、確実に板ガラス保持具を構造部材Mに固定することができる。また、角度合わせは調節ネジ26を前方から操作するだけで行えるので、ある程度組み付けた段階での調整が可能であり、従来のスペーサを用いる場合と違って、正確で容易な調整を行うことができる。また、長孔21fと固定位置調整ネジ27の存在により、スタッドボルト18に対する取付ベース21の固定位置を調節できるので、構造部材M側と板ガラス保持具の位置ずれを確実に吸収することができる。
【0023】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、取付軸2を連結する連結部材として雌ネジ孔23cを有するナット部材23を用いているが、ナット部材23の先端部外周面に雄ネジを形成し、この雄ネジが螺合する雌ネジを取付軸2に形成してもよい。また、ナット部材23の先端部をカバー22から前方へ突出させているが、必ずしも突出させる必要はない。つまり、ナット部材23は、球面部23aだけであってもよい。
さらに、取付ベース21を構造部材Mに固定するのにスタッドボルト18とナット24を用いたが、頭付きボルトを、構造部材側に埋め込んだインサートナットに螺合して固定してもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、連結部材の姿勢をあらゆる方向に自由に調整することができるので、連結軸に取付軸を確実にかつ容易に連結することができるという効果が得られる。
請求項2に係る発明によれば、調節機構によって連結部材の姿勢の調節を容易に行うことができるという効果が得られる。
請求項3に係る発明によれば、取付装置をある程度組み立てた状態で、連結部材の姿勢調節をカバーの前方から容易に行うことができるという効果が得られる。しかも、その状態で調節ネジによりフランジを固定することができるので、連結部材の動きを確実に防止することができる。
請求項4に係る発明によれば、構造部材に対する取付ベースの位置を構造部材の壁面に沿って任意の方向に調節することができ、これによって取付軸と連結部材との位置ずれを解消することができるという効果が得られる。
請求項5に係る発明によれば、連結部材の位置調節を容易に行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態の取付装置を構造部材に取り付けた状態で示す断面図である。
【図2】同取付装置の分解斜視図である。
【図3】同取付装置の主要構成を示す図であって、図3(a)は同取付装置の主要部品の断面図、図3(b)は図3(a)図のB−B断面図である。
【図4】従来の板ガラス支持装置を示し、図4(a)はその正面図、図4(b)は図4(a)のB−B断面図である。
【符号の説明】
2 取付軸
18 スタッドボルト(固定軸)
21 取付ベース
21f 長孔
21g 球面座
22 カバー
22e 球面座
23 ナット部材(連結部材)
23a 球面部
23b フランジ部
26 調節ネジ
27 固定位置調節ネジ
50 取付装置
M 構造部材
G 板ガラス

Claims (3)

  1. 建物等の構造部材に対して板ガラス保持具を取り付ける取付装置において、
    上記構造部材に固定される取付ベースと、この取付ベースの前方に配置され、かつ取付ベースに螺合されたカバーと、上記取付ベースと上記カバーとによって挟持され、上記板ガラス保持具の取付軸が連結される連結部材とを備え、
    上記連結部材を挟持する上記取付ベースおよび上記カバーの各挟持部に球面座がそれぞれ形成され、上記連結部材に上記各球面座に球面接触する球面部が形成され
    上記取付ベースまたは上記カバーと上記連結部材との間に、上記連結部材の回転姿勢を調節する調節機構が設けられ、
    上記調節機構が、上記球面部の前後方向における中央部外周面に突設された環状のフランジ部と、上記カバーにこれを前後方向に貫通した状態で螺合され、上記フランジ部の周方向に互いに離間して配置された3個以上の調節ネジとを有し、各調節ネジで上記フランジ部の前面を押圧することにより、上記連結部材の回転姿勢が調節されることを特徴とする板ガラス保持具の取付装置。
  2. 上記構造部材に上記取付ベースを固定するための1本の固定軸が設けられ、上記取付ベースに上記固定軸が相対回転可能に、かつ長手方向へ相対移動可能に挿通される長孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の板ガラス保持具の取付装置。
  3. 上記固定軸に突き当たることにより上記取付ベースの上記固定軸に対する上記長孔の長手方向における位置を調節する固定位置調節ネジを上記取付ベースに螺合させたことを特徴とする請求項に記載の板ガラス保持具の取付装置。
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