JP3949399B2 - セグメントの連結構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、相互に複数連結することにより掘削穴の軸方向に筒状壁体を構成するセグメントの連結構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トンネルを構築する方法としては、掘削穴の内面側にコンクリート製のセグメントを組み立てて筒状壁体を構築する、いわゆるシールド工法が一般的である。
このシールド工法に用いられるセグメントとしては平面長方形状で円弧版状のものが主流であり、これらセグメント同士をボルトによって接合していた。
このボルトでセグメント同士を接合する構造としては、セグメントの接合面の近傍に、セグメントの接合面同士を当接させた際に、互いに連通する孔部を有する継手板を埋め込んでおき、これら継手板の孔部へボルトを挿通させ、このボルトへナットを締結させて接合させる構造が一般的である。また、相互のセグメントにナット部材であるインサート金具を埋め込んでおき、隣接するセグメントに貫通させたボルトを締結させて互いに接合させる構造もある。
【0003】
しかしながら、このような構造では、構築現場にて継手の接合面に形成された孔部へボルトを挿通させ、このボルトへナットを締結させたり、相互のセグメントに埋め込んだインサート金具へボルトを締結させるという極めて煩雑な作業を要するため組立時間の短縮には限界があり、またロボットによる自動組み付けへの適応が困難であった。さらには、二次覆工を省略する場合にもボルト・ナットを取り付けるためにセグメントに形成したボルトボックスの閉塞作業を行わなければならず、施工の高速化、省力化を目指す上で新たな継手構造の開発が急務となっているのが現状であった。
【0004】
ここで、極めて容易にセグメント同士を接合させることができる接合構造として、セグメントの接合面の対向位置に、C型の接合金具を埋め込んでおき、これらC型の接合金具の対に両端部が係合するI型の連結金具を嵌め込むことにより、C型の接合金具同士をI型の連結金具によって連結させ、セグメント同士を接合面同士を接合させて連結させる構造が開発されている。そして、このようなセグメントの連結構造において、接合金具と連結金具とにテーパ面を形成しておき、連結金具を対をなす接合金具に押し込むことで、対をなす接合金具同士を近接させて、よりセグメント同士の接合力を高めるようにすることが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のセグメントの連結構造では、連結金具を対をなす接合金具に押し込み、対をなす接合金具同士を近接させて、セグメント同士の接合力を高める際に、連結金具に反力を付与する部材が、既設のセグメントに当接する構造になっているため、セグメントの反力付与部材が設けられる接合溝部を端部まで貫通させる必要があった。その結果、この接合溝部を介しての通水が発生する可能性があった。
したがって、本発明の目的は、施工の高速化、省力化を達成することができ、その上で止水性を向上することができるセグメントの連結構造を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載のセグメントの連結構造は、両側の接合面にそれぞれ端部が内方に屈曲した係止片部とされた一対の鉤形の係止部とこれら係止部の前記係止片部に対し反対側同士を連結させる連結部とを有する接合金具がそれぞれ二つ同一直線上に配置されたセグメントを、前記接合面同士を互いに突き合わせることで、前記接合金具の対向するものからなる対を二対形成し、これら接合金具の各対に、前記係止部同士の間に形成された係合空間内に配置されて前記係止片部と係合する係合部が板状の連結中間部の両側部に設けられてなる連結金具がそれぞれ接合されることで前記接合金具の対をなすもの同士を連結させるセグメントの連結構造であって、両連結金具は、それぞれ、一の押し込み方向に押し込まれることで前記接合金具の対向するもの同士を引き寄せ合うものとされ、前記両連結金具には、前記押し込み方向における後側に設けられて前記押し込み方向の反力を付与する反力付与部材がそれぞれ設けられており、両反力付与部材は、ともに、それぞれが設けられる前記セグメント自体に反力をとり、前記反力付与部材は、互いに底部を反対側にして摺動自在に嵌合される一対の有底筒状体と、嵌合状態のこれら有底筒状体内に内蔵されて底部同士を離間させる方向に付勢するバネ部材とを具備することを特徴としている。
【0007】
これにより、両反力付与部材は、ともに、それぞれが設けられるセグメント自体に反力をとることになるため、セグメントの反力付与部材が設けられる接合溝部を端部まで貫通させる必要がなくなる。
また、反力付与部材が、互いに摺動自在に嵌合される一対の有底筒状体と、これら有底筒状体内に内蔵されて底部同士を離間させる方向に付勢するバネ部材とを具備するものであるため、構造が簡素にできる。
【0008】
本発明の請求項2記載のセグメントの連結構造は、請求項1記載のものに関し、前記バネ部材は、弾性力の異なる2種類のバネ部材からなることを特徴としている。
【0009】
このように、バネ部材が、弾性力の異なる2種類のバネ部材からなるため、反力付与部材を連結金具の押し込み方向に対し反対側に保持させるためのバネ部材の付勢力を小さくすることが可能となり、反力付与部材で連結金具の押し込み方向への反力を保持するためのバネ部材の付勢力を大きくすることが可能となる。
【0010】
本発明の請求項3記載のセグメントの連結構造は、請求項1または2記載のものに関し、前記バネ部材として重ね皿バネを用いることを特徴としている。
【0011】
このように、バネ部材として重ね皿バネを用いるため、簡素な構成で十分な付勢力を発生させることができる。
【0012】
本発明の請求項4記載のセグメントの連結構造は、両側の接合面にそれぞれ端部が内方に屈曲した係止片部とされた一対の鉤形の係止部とこれら係止部の前記係止片部に対し反対側同士を連結させる連結部とを有する接合金具がそれぞれ二つ同一直線上に配置されたセグメントを、前記接合面同士を互いに突き合わせることで、前記接合金具の対向するものからなる対を二対形成し、これら接合金具の各対に、前記係止部同士の間に形成された係合空間内に配置されて前記係止片部と係合する係合部が板状の連結中間部の両側部に設けられてなる連結金具がそれぞれ接合されることで前記接合金具の対をなすもの同士を連結させるセグメントの連結構造であって、両連結金具は、それぞれ、一の押し込み方向に押し込まれることで前記接合金具の対向するもの同士を引き寄せ合うものとされ、前記両連結金具には、前記押し込み方向における後側に設けられて前記押し込み方向の反力を付与する反力付与部材がそれぞれ設けられており、両反力付与部材は、ともに、それぞれが設けられる前記セグメント自体に反力をとり、前記反力付与部材は、互いに締まりばめで嵌合される一対の部材を具備することを特徴としている。
【0013】
これにより、両反力付与部材は、ともに、それぞれが設けられるセグメント自体に反力をとることになるため、セグメントの反力付与部材が設けられる接合溝部を端部まで貫通させる必要がなくなる。
また、反力付与部材は、互いに締まりばめで嵌合される一対の部材を具備するため、さらに部品点数の少ない簡素な構成とすることができる。
【0014】
本発明の請求項5記載のセグメントの連結構造は、請求項1乃至4のいずれか一項記載のものに関し、前記接合面には、前記押し込み方向における中間所定範囲においてのみ窪む接合溝部が形成されており、該接合溝部に前記接合金具が設けられるとともに、前記両反力付与部材は、ともに、前記接合溝部の端面に反力をとることを特徴としている。
【0015】
このように、接合面には、押し込み方向における中間所定範囲においてのみ窪む接合溝部が形成されており、両反力付与部材は、ともに、接合溝部の端面に反力をとるため、反力付与部材の配設が容易となる。
【0016】
本発明の請求項6記載のセグメントの連結構造は、請求項1乃至5のいずれか一項記載のものに関し、前記連結金具の前記押し込み方向における後側に、前記反力付与部材を螺合させるネジが形成されていることを特徴としている。
【0017】
このように、連結金具の押し込み方向における後側に、前記反力付与部材を螺合させるネジが形成されているため、連結金具にあらかじめ反力付与部材を螺合させて取り付けておくことができる。
【0018】
本発明の請求項7記載のセグメントの連結構造は、請求項6記載のものに関し、前記連結金具は、両側の前記係合部が互いに幅を異ならせており、幅広側の前記係合部に、前記ネジが形成されていることを特徴としている。
【0019】
このように、連結金具には幅広側の係合部にネジが形成されるため、ネジの形成により連結金具の強度が落ちることを防止できる。
【0020】
本発明の請求項8記載のセグメントの連結構造は、請求項1乃至7のいずか一項記載のものに関し、前記接合金具には、前記連結部の前記係合空間を形成する底面に、前記押し込み方向における先方側が深くなるように傾斜するテーパ面が設けられていることを特徴としている。
【0021】
このように、接合金具には、連結部の係合空間を形成する底面に、押し込み方向における先方側が深くなるように傾斜するテーパ面が設けられているため、連結金具を係合空間により深く挿入させることができる。
【0022】
本発明の請求項9記載のセグメントの連結構造は、請求項1乃至8のいずか一項記載のものに関し、前記接合金具には、前記一対の係止部のそれぞれの前記係止片部の相互対向側かつ前記押し込み方向における手前側に、該手前側に位置するほど深くなるように傾斜する面取部が形成されていることを特徴としている。
【0023】
このように、接合金具には、一対の係止部のそれぞれの係止片部の相互対向側かつ押し込み方向における手前側に、該手前側に位置するほど深くなるように傾斜する面取部が形成されているため、連結金具を係止部の間に係合させる際の作業性を向上させることができる。
【0024】
本発明の請求項10記載のセグメントの連結構造は、請求項1乃至9のいずか一項記載のものに関し、前記接合金具は、前記接合面より深い位置にオフセットされていることを特徴としている。
【0025】
このように、接合金具は、接合面より深い位置にオフセットされているため、接合面側に変形することができ、その結果、対をなす接合金具に対して深く連結金具を押し込んで、接合金具を変形させ、その復元力で、対をなす接合金具および連結金具をより強固に連結させることができる。
【0026】
本発明の請求項11記載のセグメントの連結構造は、請求項1乃至10のいずか一項記載のものに関し、前記接合金具には、前記連結部の前記係合空間側に、型枠固定用のメネジが形成されていることを特徴としている。
【0027】
このように、接合金具には、連結部の係合空間側に、型枠固定用のメネジが形成されているため、このメネジを用いて型枠に容易かつ確実に接合金具を型枠に固定することができる。
【0028】
本発明の請求項12記載のセグメントの連結構造は、請求項1乃至11のいずか一項記載のものに関し、前記接合金具には、前記接合面に直交する方向に延在するリブが形成されていることを特徴としている。
【0029】
このように、接合金具には、接合面に直交する方向に延在するリブが形成されているため、強度を大幅に向上させることができる。
【0030】
本発明の請求項13記載のセグメントの連結構造は、請求項1乃至12のいずれか一項記載のものに関し、前記両連結金具は、互いに近接する方向に押し込まれることで前記接合金具の対向するもの同士を引き寄せ合うものとされ、前記両連結金具の相反する側にそれぞれ前記反力付与部材が設けられていることを特徴としている。
【0031】
このように、両連結金具は、互いに近接する方向に押し込まれることで前記接合金具の対向するもの同士を引き寄せ合うものとされ、両連結金具の相反する側にそれぞれ反力付与部材が設けられているため、両反力付与部材をバランスよく配置することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態のセグメントの接合構造を図1〜図13によって説明する。
図において、符号1は、セグメントである。このセグメント1は、平面視長方形状かつ側面視円弧版状に形成されたコンクリート製のものであり、これらセグメント1の周方向における端部の接合面2を互いに接合させることにより、掘削穴内にて筒状壁体を構成するリングが構築されるようになっている。そして、このリングを掘削穴の軸方向へ互いに接合させることにより、筒状壁体が構築されるようになっている。
【0033】
これらセグメント1の両側の接合面2は、ともに、図1および図3に示すような形状をなしている。すなわち、接合面2のセグメント1の軸線に沿う方向における両側の所定距離離間した各中間所定範囲に、セグメント1の軸線に平行に延在する断面矩形状の一対の接合溝部3が、各中間所定範囲においてのみ窪むように(すなわちセグメント1の軸線に沿う方向における端部に抜けないように)形成されている。これら一対の接合溝部3は、セグメント1の軸線に平行な同一直線上に互いに所定距離離間して形成されている。ここで、両接合溝部3は、セグメント1の厚さ方向(半径方向)における中央位置に形成されている。
【0034】
そして、これら接合溝部3には、接合溝部3内でセグメント1の軸線方向において互いに近接するようにC型の接合金具7がそれぞれ設けられており、一のセグメント1および他のセグメント1を掘削穴の軸線方向および半径方向における位置を合わせて接合面2同士を互いに突き合わせることで、接合金具7の対向するものからなる対を二対形成し、これら接合金具7の各対に、それぞれI型の連結金具8を接合させることで接合金具7の対をなすもの同士を連結させる。
【0035】
図5〜図7にも示すように、接合金具7は、端部に係止片部10を有する鉤形に形成された一対の係止部11が互いに対向するよう設けられたもので、一対の係止部11の係止片部10に対し反対側同士が連結部12で連結されることにより、側面視C型形状をなしている。これら係止部11および連結部12によって形成された係止片部10よりも連結部12側の空間は、連結金具8の係合部13が係合する係合空間14とされている。
【0036】
また、係止片部10の内面からなる係止面15は、連結金具8の挿入方向イへ向かって係合空間14を狭めるテーパ面とされている。つまり、セグメント1の接合面2同士を突き合わせた状態にて、互いに対向する接合金具7の対の係止面15同士が、連結金具8の挿入方向(図5におけるイ)の奥方へ向かって次第に離間するテーパ面とされている。
【0037】
この接合金具7には、連結金具8の挿入方向に沿って複数具体的には三カ所の突起部17が配列されており、これら突起部17には、ミリネジからなるアンカー筋連結メネジ部18がそれぞれ形成されている。そして、これらアンカー筋連結メネジ部18には、それぞれアンカー筋19が、係止部11に対し反対側に延在する状態でねじ込まれて連結されている。これらアンカー筋19の端部には、アンカー筋19の軸線と略直交する支圧板20が一体成形されている。
【0038】
また、この接合金具7には、アンカー筋19との連結位置に、連結金具8の挿入方向イと交差する方向に、複数のリブ21が形成されている。
【0039】
そして、このような接合金具7が、一対、互いの連結金具8の挿入方向を互いに近接する逆向きにするようにして各接合溝部3に、掘削穴すなわちセグメント1の軸線に平行な同一直線上に位置し、かつそれぞれ接合溝部3の他の接合溝部3側に位置するように埋設されている。ここで、セグメント1の軸線に平行な同一直線上に配置された各接合溝部3において、それぞれ他の接合金具7側に向けて連結金具8が挿入されるように、言い換えれば、係止片部10の内面からなる係止面15が、他の接合金具7側に近接するほど係合空間14を狭めるように接合金具7が配置されている。
【0040】
セグメント1同士で接合金具7を連結させる連結金具8は、図8にも示すように、断面I字型に形成されたもので、板状の連結中間部31の両側部が前述したように接合金具7の係合空間14内に嵌合する係合部13とされている。連結中間部31は、接合金具7を構成する係止部11の係止片部10同士の隙間よりも薄く形成されて挿通可能とされており、係合部13は、係止片部10同士の隙間よりも厚く形成されている。
【0041】
このような連結金具8は、図3に示すように、セグメント1を接合面2同士で互いに突き合わせることで接合金具7の対向するものからなる対を二対形成し、これら接合金具7の各対に、それぞれ接合されることになる。
【0042】
ここで、この接合時に接合金具7の係止片部10の係止面15と当接して係合する連結金具8の係合部13に形成された係合面32は、接合金具7の係止面15と同様、一端側に至るほど、係合部13の幅を狭め対向する係合面32同士が次第に離間するテーパ面とされている。この連結金具8は、係合部13の幅が狭い側から接合金具7に挿入されることになり、同一直線上に配置された接合金具7の各対に対し、逆向きにそれぞれ挿入されることになる。そして、これらの連結金具8は、互いに近接する方向に移動することで、テーパ面からなる両係合面32がテーパ面からなる対向する接合金具7の両係止面15に乗り上げ、接合金具7の対向するもの同士をそれぞれ引き寄せ合うことになる。
【0043】
そして、この第1の実施の形態における各接合溝部3には、接合金具7に挿入された状態で一方向に押し込まれることで接合金具7の対向するもの同士を引き寄せ合う連結金具8の前記押し込み方向における後側に一端側が当接し、他端側が接合溝部3の接合金具7に対向する端面35に当接するように配置されて各連結金具8へ前記押し込み方向の反力を付与する反力付与部材36が設けられている。ここで、反力付与部材36は、該反力付与部材36が設けられるセグメント1自体の接合溝部3の接合金具7に対向する端面35に当接することで、該反力付与部材36が設けられるセグメント1自体に反力をとるようになっている。
【0044】
この反力付与部材36は、図9に示すように、底部37と円筒部38とを有する形状に鋼管等で作製される外側の有底円筒体39と、底部40と円筒部41とを有する形状に鋼管等で作製される内側の有底円筒体42と有しており、これらは、互いに底部37,40を反対側にして摺動自在に嵌合されることになる。また、反力付与部材36は、嵌合状態のこれら有底筒状体39,42内に内蔵される、弾性力の異なる2種類のコイルスプリングからなるバネ部材43,44と、これらバネ部材43,44同士の間に介装される移動自在の仕切板45とを有しており、バネ部材43,44は、有底筒状体39,42をそれぞれの底部37,40同士を離間させる方向に付勢する。
【0045】
次に、セグメント1同士を接合する場合について図10〜図12によって説明する。なお、以下の説明においては、掘削穴の軸線方向において、地盤を掘削するシールドマシンが設けられている側を切り羽側と称し、逆側すなわち掘削穴の坑口が配置されている側を坑口側と称す。
【0046】
ここでは、掘削穴内にてすでにセグメント1で環状に構築された既設リング47の切り羽側にセグメント1(1A)を設置し、このセグメント1(1A)に次のセグメント1(1B)を周方向に接合させる場合について説明する。
【0047】
図10に示すように、セグメント1(1A)に対し以下の処理を行う。
すなわち、すでに設置されたセグメント1(1A)における次のセグメント1(1B)を接合させる接合面2(2A)に形成された坑口側(既設リング47側)の接合溝部3(3a)の坑口側の接合金具7(7a)よりも坑口側の部分に、坑口側の連結金具8(8a)を挿入し、該坑口側の連結金具8(8a)を切り羽側に移動させる。
【0048】
その結果、該坑口側の連結金具8(8a)の一方の係合部13が坑口側の接合金具7(7a)の係合空間14に挿入されるとともに他方の係合部13が坑口側の接合金具7(7a)から突出することになる。これにより、坑口側の接合金具7(7a)に坑口側の連結金具8(8a)が先付けされる。すなわち、セグメント1(1A)においては、坑口側の接合金具7(7a)が先付け側の接合金具となるのである。そして、この状態で、接合溝部3(3a)内に、連結金具8(8a)の押し込み方向における後側に一端側が当接し、他端側が接合溝部3(3a)の接合金具7(7a)に対向する端面35(35a)に当接するようにして反力付与部材36(36a)を配置する。ここで、反力付与部材36(36a)をこのように接合溝部3(3a)内に配置する際には、反力付与部材36(36a)は、弾性力の弱い一方のバネ部材43が縮長する範囲内で縮められるようになっており、これにより、容易に、かつ脱落しないように確実に反力付与部材36(36a)を取り付けることが可能となっている。
【0049】
他方、図10に示すように、セグメント1(1B)に対し以下の処理を行う。すなわち、セグメント1(1A)と軸線方向を合わせ、セグメント1(1A)の接合面2(2A)に対し該接合面2(2A)に接合させられる接合面2(2B)を対向させた接合直前状態の次のセグメント1(1B)について、接合面2(2B)に形成された切り羽側の接合溝部3(3b)の切り羽側の接合金具7(7b)よりも切り羽側の部分に、切り羽側の連結金具8(8b)を挿入し、該切り羽側の連結金具8(8b)を坑口側に移動させる。
【0050】
その結果、該切り羽側の連結金具8(8b)の一方の係合部13が切り羽側の接合金具7(7b)の係合空間14に挿入されるとともに他方の係合部13が切り羽側の接合金具7(7b)から突出することになる。これにより、切り羽側の接合金具7(7b)に切り羽側の連結金具8(8b)が先付けされる。すなわち、セグメント1(1B)においては、切り羽側の接合金具7(7b)が先付け側の接合金具となるのである。そして、この状態で、接合溝部3(3b)内に、連結金具8(8b)の押し込み方向における後側に一端側が当接し、他端側が接合溝部3(3b)の接合金具7(7b)に対向する端面35(35b)に当接するようにして反力付与部材36(36b)を配置する。ここで、反力付与部材36(36b)をこのように接合溝部3(3b)内に配置する際には、反力付与部材36(36b)は、弾性力の弱い一方のバネ部材43が縮長する範囲内で縮められるようになっており、これにより、容易に、かつ脱落しないように確実に反力付与部材36(36b)を取り付けることが可能となっている。
【0051】
以上のようにして準備が整えられたセグメント1(1A)とセグメント1(1B)とを以下のように接合させる。
すなわち、図11に示すように、セグメント1(1A)の切り羽側の接合溝部3(3b)の切り羽側の接合金具7(7b)よりも切り羽側の部分に、セグメント1(1B)の切り羽側の連結金具8(8b)を挿入させ、かつセグメント1(1B)の坑口側の接合溝部3(3a)の坑口側の接合金具7(7a)よりも坑口側の部分に、セグメント1(1A)の坑口側の連結金具8(8a)を挿入させつつ、セグメント1(1A)とセグメント1(1B)とを接合面2(2A,2B)同士突き合わせる。
【0052】
次に、この状態で、セグメント1(1B)を坑口側に移動させる。
すると、図12に示すように、セグメント1(1B)にセットされていた切り羽側の連結金具8(8b)が、セグメント1(1B)と一体に移動してセグメント1(1A)の切り羽側の接合金具7(7b)に入り込むとともに、セグメント1(1A)にセットされていた坑口側の連結金具8(8a)が、セグメント1(1B)の坑口側の接合金具7(7a)に入り込むことになる。そして、セグメント1(1B)を既設リング47に当接するまで移動させると、坑口側の接合金具7(7a)同士および切り羽側の接合金具7(7b)同士がそれぞれの位置を合わせた状態になるとともに、坑口側の連結金具8(8a)が、反力付与部材36(36a)の主に強い付勢力のバネ部材44の付勢力で反力を付与されながら、坑口側の接合金具7(7a)の対に同時に押し込まれた状態となるとともに、切り羽側の連結金具8(8b)が、反力付与部材36(36b)の主に強い付勢力のバネ部材44の付勢力で反力を付与されながら、切り羽側の接合金具7(7b)の対に同時に押し込まれた状態となる。
【0053】
このように、坑口側の連結金具8(8a)が、反力付与部材36(36a)で反力を付与されながら、坑口側の接合金具7(7a)の対に同時に押し込まれることで、その係合部13が坑口側の接合金具7(7a)の係合空間14内に嵌合して、坑口側の接合金具7(7a)の対を連結させるとともに、接合金具7のテーパ面からなる係止面15に連結金具8のテーパ面からなる係合面32が係合することで、坑口側の接続金具7(7a)同士を引き寄せ合うことになる。
【0054】
また、切り羽側の連結金具8(8b)が、反力付与部材36(36b)で反力を付与されながら、切り羽側の接合金具7(7b)の対に同時に押し込まれることで、その係合部13が切り羽側の接合金具7(7b)の係合空間14内に嵌合して、切り羽側の接合金具7(7b)の対を連結させるとともに、接合金具7のテーパ面からなる係止面15に連結金具8のテーパ面からなる係合面32が係合することで、切り羽側の接続金具7(7b)同士を引き寄せ合うことになる。
【0055】
以上のようにしてセグメント1(1A)とセグメント1(1B)とを接合させる。ここで、セグメント1(1A)においては、切り羽側の接合金具7(7b)が連結金具8が後付けされる後付け側の接合金具となるのである。セグメント1(1B)においては、坑口側の接合金具7(7a)が連結金具8が後付けされる後付け側の接合金具となるのである。
【0056】
上記第1の実施の形態によれば、反力付与部材36が、セグメント1の接合面2同士を突き合わせることで形成される接合金具7の各対に押し込まれた各連結金具8のそれぞれの押し込み方向における後側に当接して各連結金具8へ前記押し込み方向の反力を付与することになるため、両連結金具8が押し込み方向に対し反対側に移動することがない。
したがって、接合金具7に押し込まれた両連結金具8の接合金具7に対する抜け方向へのずれを防止して、セグメント1同士の接合力を高めた状態を維持することが容易かつ短時間の作業で可能になる。
【0057】
しかも、両反力付与部材36(36a,36b)が、ともに、それぞれが設けられるセグメント1(1A,1B)自体に反力をとることになるため、反力付与部材36(36a,36b)が設けられる接合溝部3(3a,3b)を端部まで貫通させる必要がなくなる。
したがって、接合溝部3(3a,3b)を介しての通水がなくなるため止水性を向上させることができる。加えて、セグメント1の端部の強度を向上させることができるため、既設セグメント1への当接時における衝撃でセグメント1の端部に欠けを生じることがなく、この点からも止水性を向上させることができる。
加えて、両連結金具8(8a,8b)の相反する側にそれぞれ反力付与部材36(36a,36b)が設けられているため、両反力付与部材36(36a,36b)をバランスよく配置することができる。
さらに、接合面2には、押し込み方向における中間所定範囲においてのみ窪む接合溝部3(3a,3b)が形成されており、両反力付与部材36(36a,36b)は、ともに、接合溝部3(3a,3b)の端面35に反力をとるため、反力付与部材36(36a,36b)の配設が容易となる。
【0058】
また、反力付与部材36は、互いに底部37,40を反対側にして摺動自在に嵌合される一対の有底筒状体39,42と、嵌合状態のこれら有底筒状体39,42内に内蔵されて底部37,40同士を離間させる方向に付勢するバネ部材43,44とを具備するものであるため、構造が簡素にできる。
【0059】
さらに、反力付与部材36には、弾性力の異なる2種類のバネ部材43,44が内蔵されているため、反力付与部材36を連結金具8の押し込み方向に対し反対側に保持させるためのバネ部材43の付勢力を小さくすることが可能となり、反力付与部材36で連結金具8の押し込み方向への反力を保持するためのバネ部材44の付勢力を大きくすることが可能となる。
したがって、反力付与部材36の配置を容易にでき、しかも十分な反力を発生させることができる。
【0060】
なお、以上の実施の形態を以下のように変更することも可能である。
バネ部材43,44の少なくともいずれか一方としてコイルスプリングではなく皿バネを複数付勢力発生方向に重ね合わせた重ね皿バネを用いる。このように、バネ部材として重ね皿バネを用いれば、簡素な構成で十分な付勢力を発生させることができる。
【0061】
加えて、反力付与部材36をバネ部材43の付勢力で接合溝部3内に保持させるのではなく、接合溝部3に係合されるクリップで保持させるようにしてもよい。この場合、クリップは、連結金具8とこれに挿入された接合金具7との隙間に一部挿入させることで接合溝部3に保持されたり、連結金具8の接合金具7の挿入方向における後部側に係止されることで接合溝部3に保持されたりすることが可能である。
【0062】
さらに、反力付与部材36として、図13に示すように、鋼管等からなる外径d0の筒状体(部材)49と、鋼管等からなる内径Di1の筒状体(部材)51とを互いに締まりばめ(Di1<d0)で嵌合させたものを用いることも可能である。
このように構成すれば、さらに部品点数の少ない簡素な構成とすることができる。この場合、図13に示すように、筒状体51の嵌合側に対し反対側の内径Di2をd0<Di2としたり、あるいは筒状体51を全長にわたって同径としたりすることも可能である。
【0063】
また、反力付与部材36として、鉛丸棒等の軟質材料を用いることも可能である。
【0064】
加えて、セグメント1同士の接合前に予め連結金具8が取り付けられる接合金具7の係止面15およびこれに係合する連結金具8の係合面32のみ、テーパ面ではなく、連結金具8の挿入方向に沿った形状とすることも可能である。
【0065】
次に、本発明の第2の実施の形態のセグメントの接合構造を図14〜図21によって、第1の実施の形態との相違部分を中心に以下に説明する。なお、第1の実施の形態と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
【0066】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態に対し、連結金具8、接合金具7および反力付与部材36が主に相違している。
【0067】
第2の実施の形態の連結金具8は、図14〜図16に示すように、板状の連結中間部31の両側部に形成された係合部13が、係合部13同士を結ぶ方向の幅を互いに異ならせており、図15および図16に示すように、幅広側の係合部13(13α)の押し込み方向における後側には、反力付与部材36を螺合させるメネジ(ネジ)50が形成されている。
【0068】
反力付与部材36は、アルミニウム等の金属材料からなるもので、図17に示すように、厚肉の大径部51と薄肉の小径部52とが交互に配置された円筒形状をなしており、一端側にオネジ53が形成されている。そして、このオネジ53において、反力付与部材36は連結金具8のメネジ50に螺合されて固定される。この反力付与部材36は、小径部52が変形することで反力を調整する。
【0069】
図18および図19に示すように、連結金具8の幅広側の係合部13(13α)を係合させる接合金具7(7α)には、連結部12の係合空間14を形成する底面12aに、連結金具8の挿入方向(押し込み方向。図18および図19におけるイ)における先方側が深くなるように傾斜するテーパ面55が設けられている。この接合金具7(7α)には、係合空間14に対し反対側となる上下面に接合面2に直交する方向に延在するリブ56が形成されている。加えて、接合金具7(7α)には、連結部12の係合空間14側の底面12aに複数のメネジ57が形成されている。この接合金具7(7α)は、図示は略すが、セグメント1のプレキャスト時に接合面2を形成する型枠に、メネジ57に螺合されるボルト等で固定されることになる。なお、この接合金具7(7α)は、第1の実施の形態と同様に施工される際に、連結金具8が先付けされる先付け側の接合金具とされる。
【0070】
図20および図21に示すように、連結金具8の幅狭側の係合部13(13β)を係合させる接合金具7(7β)には、一対の係止部11のそれぞれの係止片部10の相互対向側かつ連結金具8の挿入方向(押し込み方向/図20および図21におけるイ)における手前側となる位置に、該手前側に位置するほど深くなるように傾斜する面取部60が形成されている。この接合金具7(7β)にも、係合空間14に対し反対側となる上下面に接合面2に直交する方向に延在するリブ56が形成されている。加えて、連結部12の係合空間14側に、接合面2を形成する型枠への固定用の複数のメネジ57も形成されている。なお、この接合金具7(7β)は、第1の実施の形態と同様に施工される際に、連結金具8が後付けされる後付け側の接合金具とされる。
【0071】
さらに、図14に示すように、両接合金具7は、接合面2より深い位置にオフセットされており、その結果、接合面2同士を接合させた場合に、接合金具7同士の間に隙間が形成されることになる。
【0072】
上記第2の実施の形態によれば、連結金具8の挿入方向における後側に、反力付与部材36を螺合させるメネジ50が形成されているため、連結金具8にあらかじめ反力付与部材36を螺合させて取り付けておくことができる。
したがって、連結金具8の配置時に同時に反力付与部材36を配置することができるため、配置作業が簡略化できるとともに、反力付与部材36のセグメント1からの脱落も防止できる。
【0073】
また、連結金具8には幅広側の係合部13(13α)にメネジ50が形成されるため、該メネジ50の形成により連結金具8の強度が落ちることを防止することができる。
【0074】
さらに、接合金具7(7α)には、連結部12の係合空間14を形成する底面12aに、連結金具8の挿入方向における先方側が深くなるように傾斜するテーパ面55が設けられているため、連結金具8を係合空間14により深く挿入させることができる。
したがって、第1の実施の形態で述べたように、連結金具8を一方の接合金具7(7α)に先付けする接合手順を踏んで施工する場合に、良好に先付けしておくことができる。
【0075】
加えて、接合金具7(7β)には、一対の係止部11のそれぞれの係止片部10の相互対向側かつ連結金具8の挿入方向における手前側に、該手前側に位置するほど深くなるように傾斜する面取部60が形成されているため、連結金具8を係止部11の間に係合させる際の作業性を向上させることができる。
【0076】
また、接合金具7は、接合面2より深い位置にオフセットされているため、接合面2側に変形することができ、その結果、対をなす接合金具7に対して深く連結金具8を押し込んで、接合金具7を変形させ、その復元力で、対をなす接合金具7および連結金具8をより強固に連結させることができる。
【0077】
加えて、接合金具7には、連結部12の係合空間14側に、型枠固定用のメネジ57が形成されているため、このメネジ57を用いて型枠に容易かつ確実に接合金具7を型枠に固定することができる。
【0078】
さらに、接合金具7には、接合面2に直交する方向に延在するリブ56が形成されているため、強度を大幅に向上させることができる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1記載のセグメントの連結構造によれば、両反力付与部材が、ともに、それぞれが設けられるセグメント自体に反力をとることになるため、セグメントの反力付与部材が設けられる接合溝部を端部まで貫通させる必要がなくなる。
【0080】
したがって、接合溝部を介しての通水がなくなるため止水性を向上させることができる。加えて、セグメントの端部の強度を向上させることができるため、既設セグメントへの当接時における衝撃でセグメントの端部に欠けを生じることがなく、この点からも止水性を向上させることができる。
【0081】
しかも、反力付与部材が、互いに摺動自在に嵌合される一対の有底筒状体と、これら有底筒状体内に内蔵されて底部同士を離間させる方向に付勢するバネ部材とを具備するものであるため、構造が簡素にできる。
【0082】
本発明の請求項2記載のセグメントの連結構造によれば、バネ部材が、弾性力の異なる2種類のバネ部材からなるため、反力付与部材を連結金具の押し込み方向に対し反対側に保持させるためのバネ部材の付勢力を小さくすることが可能となり、反力付与部材で連結金具の押し込み方向への反力を保持するためのバネ部材の付勢力を大きくすることが可能となる。
したがって、反力付与部材の配置を容易にでき、しかも十分な反力を発生させることができる。
【0083】
本発明の請求項3記載のセグメントの連結構造によれば、バネ部材として重ね皿バネを用いるため、簡素な構成で十分な付勢力を発生させることができる。
【0084】
本発明の請求項4記載のセグメントの連結構造によれば、両反力付与部材が、ともに、それぞれが設けられるセグメント自体に反力をとることになるため、セグメントの反力付与部材が設けられる接合溝部を端部まで貫通させる必要がなくなる。
【0085】
したがって、接合溝部を介しての通水がなくなるため止水性を向上させることができる。加えて、セグメントの端部の強度を向上させることができるため、既設セグメントへの当接時における衝撃でセグメントの端部に欠けを生じることがなく、この点からも止水性を向上させることができる。
【0086】
しかも、反力付与部材は、互いに締まりばめで嵌合される一対の部材を具備するため、さらに部品点数の少ない簡素な構成とすることができる。
【0087】
本発明の請求項5記載のセグメントの連結構造によれば、接合面には、押し込み方向における中間所定範囲においてのみ窪む接合溝部が形成されており、両反力付与部材は、ともに、接合溝部の端面に反力をとるため、反力付与部材の配設が容易となる。
【0088】
本発明の請求項6記載のセグメントの連結構造によれば、連結金具の押し込み方向における後側に、前記反力付与部材を螺合させるネジが形成されているため、連結金具にあらかじめ反力付与部材を螺合させて取り付けておくことができる。
したがって、連結金具の配置時に同時に反力付与部材を配置することができるため、配置作業が簡略化できるとともに、反力付与部材のセグメントからの脱落も防止できる。
【0089】
本発明の請求項7記載のセグメントの連結構造によれば、連結金具には幅広側の係合部にネジが形成されるため、ネジの形成により連結金具の強度が落ちることを防止できる。
【0090】
本発明の請求項8記載のセグメントの連結構造によれば、接合金具には、連結部の係合空間を形成する底面に、押し込み方向における先方側が深くなるように傾斜するテーパ面が設けられているため、連結金具を係合空間により深く挿入させることができる。
したがって、連結金具を一方の接合金具に先付けする接合手順を踏んで施工する場合に、良好に先付けしておくことができる。
【0091】
本発明の請求項9記載のセグメントの連結構造によれば、接合金具には、一対の係止部のそれぞれの係止片部の相互対向側かつ押し込み方向における手前側に、該手前側に位置するほど深くなるように傾斜する面取部が形成されているため、連結金具を係止部の間に係合させる際の作業性を向上させることができる。
【0092】
本発明の請求項10記載のセグメントの連結構造によれば、接合金具は、接合面より深い位置にオフセットされているため、接合面側に変形することができ、その結果、対をなす接合金具に対して深く連結金具を押し込んで、接合金具を変形させ、その復元力で、対をなす接合金具および連結金具をより強固に連結させることができる。
【0093】
本発明の請求項11記載のセグメントの連結構造によれば、接合金具には、連結部の係合空間側に、型枠固定用のメネジが形成されているため、このメネジを用いて型枠に容易かつ確実に接合金具を型枠に固定することができる。
【0094】
本発明の請求項12記載のセグメントの連結構造によれば、接合金具には、接合面に直交する方向に延在するリブが形成されているため、強度を大幅に向上させることができる。
【0095】
本発明の請求項13記載のセグメントの連結構造によれば、両連結金具は、互いに近接する方向に押し込まれることで前記接合金具の対向するもの同士を引き寄せ合うものとされ、両連結金具の相反する側にそれぞれ反力付与部材が設けられているため、両反力付与部材をバランスよく配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態のセグメント同士の一の接合カ所の分解斜視図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態のセグメント同士の一の接合カ所の斜視図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態のセグメント同士の一の接合カ所の平断面図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態のセグメント同士の一の接合カ所の側断面図である。
【図5】 本発明の第1の実施の形態のセグメントの接合に用いられる接合金具の平面図である。
【図6】 本発明の第1の実施の形態のセグメントの接合に用いられる接合金具の側面図である。
【図7】 本発明の第1の実施の形態のセグメントの接合に用いられる接合金具の裏面図であってアンカー筋を除いたものである。
【図8】 本発明の第1の実施の形態のセグメントの接合に用いられる連結金具の斜視図である。
【図9】 本発明の第1の実施の形態のセグメントの接合に用いられる反力付与部材の断面図である。
【図10】 本発明の第1の実施の形態のセグメント同士の接合手順を説明するセグメント同士の接合箇所の断面図である。
【図11】 本発明の第1の実施の形態のセグメント同士の接合手順を説明するセグメント同士の接合箇所の断面図である。
【図12】 本発明の第1の実施の形態のセグメント同士の接合手順を説明するセグメント同士の接合箇所の部分拡大断面図である。
【図13】 本発明の第1の実施の形態のセグメントの接合に用いられる反力付与部材の他の例の断面図であって、(a)は分解状態を、(b)は接合状態をそれぞれ示している。
【図14】 本発明の第2の実施の形態のセグメント同士の接合箇所の縦断面図である。
【図15】 本発明の第2の実施の形態のセグメント同士の接合箇所の横断面図である。
【図16】 本発明の第2の実施の形態のセグメントの接合に用いられる連結金具の側面図である。
【図17】 本発明の第2の実施の形態のセグメントの接合に用いられる反力付与部材の側面図である。
【図18】 本発明の第2の実施の形態のセグメントの接合に用いられる一の接合金具の平断面図である。
【図19】 本発明の第2の実施の形態のセグメントの接合に用いられる一の接合金具の正面図である。
【図20】 本発明の第2の実施の形態のセグメントの接合に用いられる他の接合金具の平断面図である。
【図21】 本発明の第2の実施の形態のセグメントの接合に用いられる他の接合金具の正面図である。
【符号の説明】
1 セグメント
2 接合面
3 接合溝部
7 接合金具
8 連結金具
10 係止片部
11 係止部
12 連結部
12a 底面
13 係合部
14 係合空間
35 端面
36 反力付与部材
37,40 底部
39,42 有底円筒体
43,44 バネ部材
50 メネジ(ネジ)
55 テーパ面
56 リブ
57 メネジ

Claims (13)

  1. 両側の接合面にそれぞれ端部が内方に屈曲した係止片部とされた一対の鉤形の係止部とこれら係止部の前記係止片部に対し反対側同士を連結させる連結部とを有する接合金具がそれぞれ二つ同一直線上に配置されたセグメントを、前記接合面同士を互いに突き合わせることで、前記接合金具の対向するものからなる対を二対形成し、これら接合金具の各対に、前記係止部同士の間に形成された係合空間内に配置されて前記係止片部と係合する係合部が板状の連結中間部の両側部に設けられてなる連結金具がそれぞれ接合されることで前記接合金具の対をなすもの同士を連結させるセグメントの連結構造であって、
    両連結金具は、それぞれ、一の押し込み方向に押し込まれることで前記接合金具の対向するもの同士を引き寄せ合うものとされ、
    前記両連結金具には、前記押し込み方向における後側に設けられて前記押し込み方向の反力を付与する反力付与部材がそれぞれ設けられており、
    両反力付与部材は、ともに、それぞれが設けられる前記セグメント自体に反力をとり、
    前記反力付与部材は、互いに底部を反対側にして摺動自在に嵌合される一対の有底筒状体と、嵌合状態のこれら有底筒状体内に内蔵されて底部同士を離間させる方向に付勢するバネ部材とを具備することを特徴とするセグメントの連結構造。
  2. 前記バネ部材は、弾性力の異なる2種類のバネ部材からなることを特徴とする請求項1記載のセグメントの連結構造。
  3. 前記バネ部材として重ね皿バネを用いることを特徴とする請求項1または2記載のセグメントの連結構造。
  4. 両側の接合面にそれぞれ端部が内方に屈曲した係止片部とされた一対の鉤形の係止部とこれら係止部の前記係止片部に対し反対側同士を連結させる連結部とを有する接合金具がそれぞれ二つ同一直線上に配置されたセグメントを、前記接合面同士を互いに突き合わせることで、前記接合金具の対向するものからなる対を二対形成し、これら接合金具の各対に、前記係止部同士の間に形成された係合空間内に配置されて前記係止片部と係合する係合部が板状の連結中間部の両側部に設けられてなる連結金具がそれぞれ接合されることで前記接合金具の対をなすもの同士を連結させるセグメントの連結構造であって、
    両連結金具は、それぞれ、一の押し込み方向に押し込まれることで前記接合金具の対向するもの同士を引き寄せ合うものとされ、
    前記両連結金具には、前記押し込み方向における後側に設けられて前記押し込み方向の反力を付与する反力付与部材がそれぞれ設けられており、
    両反力付与部材は、ともに、それぞれが設けられる前記セグメント自体に反力をとり、
    前記反力付与部材は、互いに締まりばめで嵌合される一対の部材を具備することを特徴とするセグメントの連結構造。
  5. 前記接合面には、前記押し込み方向における中間所定範囲においてのみ窪む接合溝部が形成されており、該接合溝部に前記接合金具が設けられるとともに、
    前記両反力付与部材は、ともに、前記接合溝部の端面に反力をとることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載のセグメントの連結構造。
  6. 前記連結金具の前記押し込み方向における後側に、前記反力付与部材を螺合させるネジが形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載のセグメントの連結構造。
  7. 前記連結金具は、両側の前記係合部が互いに幅を異ならせており、幅広側の前記係合部に、前記ネジが形成されていることを特徴とする請求項6記載のセグメントの連結構造。
  8. 前記接合金具には、前記連結部の前記係合空間を形成する底面に、前記押し込み方向における先方側が深くなるように傾斜するテーパ面が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項記載のセグメントの連結構造。
  9. 前記接合金具には、前記一対の係止部のそれぞれの前記係止片部の相互対向側かつ前記押し込み方向における手前側に、該手前側に位置するほど深くなるように傾斜する面取部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項記載のセグメントの連結構造。
  10. 前記接合金具は、前記接合面より深い位置にオフセットされていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項記載のセグメントの連結構造。
  11. 前記接合金具には、前記連結部の前記係合空間側に、型枠固定用のメネジが形成されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項記載のセグメントの連結構造。
  12. 前記接合金具には、前記接合面に直交する方向に延在するリブが形成されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項記載のセグメントの連結構造。
  13. 前記両連結金具は、互いに近接する方向に押し込まれることで前記接合金具の対向するもの同士を引き寄せ合うものとされ、
    前記両連結金具の相反する側にそれぞれ前記反力付与部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項記載のセグメントの連結構造。
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