JP3948372B2 - 便器設備 - Google Patents

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伸雄 曽我部
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、便座支持部材を昇降させる機構を備えた便器設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
洋風便器の上面に設置された便座は、便座支持部材を介して洋風便器に対し俯仰方向に回動自在に取り付けられている。
【0003】
この便座支持部材と洋風便器上面との間に尿などの汚れが染み込んで臭気の原因となり易い。そこで、便座支持部材を洋風便器に対し上下動可能とし、洋風便器の清掃時に便座支持部材を便座と共に上方に移動(浮上)させるようにしたものが提案されている(特開2000−33051号公報)。
【0004】
また、特開2000−104307号公報には、スイッチ操作により便座支持部材を昇降させることが記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−33051号公報
【特許文献2】
特開2000−104307号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、便座支持部材を浮上させたり降下させたりする際の人の作業内容が簡易である便器設備を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)の便器設備は、便器本体と、該便器本体に設けられた便座支持部材と、該便座支持部材に起倒可能に支持された便座と、該便座支持部材を昇降させる昇降装置と、を有する便器設備において、該便座支持部材が上昇した状態にあるときに該便座が倒状された場合に該便座支持部材を下降させる手段を備えたことを特徴とするものである。
【0008】
かかる便器設備にあっては、浮上状態にある便座支持部材の便座を倒状させると、便座支持部材が自動的に下降する。そのため、便座支持部材を浮上させて清掃した後、便座を倒状させると、便座支持部材が便器本体上に据え付けられ且つ便座が便器本体上に重なっている便器使用可能状態に復帰する。即ち、清掃終了後に、便座支持部材を下降させるためのスイッチ操作を行うことなく、便器設備を使用可能状態に復帰させることができる。
【0009】
本発明(請求項)の便器設備は、便器本体と、該便器本体に設けられた便座支持部材と、該便座支持部材に起倒可能に支持された便座と、該便座支持部材を昇降させる昇降装置と、を有する便器設備において、該便座支持部材が上昇した後、所定時間が経過すると便座支持部材を自動的に下降させる手段を備え、前記便座支持部材を下降させるための、人によって操作される下降スイッチが設けられており、該下降スイッチが操作されることにより該便座支持部材が下降するときの下降速度に比べ、前記自動的に下降するときの下降速度の方が小さいことを特徴とするものである。
【0010】
かかる便器設備にあっては、清掃のために便座支持部材を浮上させた場合、その後所定時間が経過すると自動的に便座支持部材が下降するので、清掃作業者が便座支持部材を下降させることを忘れても、便器設備は自動的に使用可能状態に復帰することになる。
【0011】
このように便座支持部材が自動的に下降する場合、その下降速度を便座支持部材がスイッチ操作によって下降するときの下降速度よりも小さ。即ち、自動的下降は人の操作に因らずして実行される作動であるため、この自動下降時に便座支持部材の下側に清掃用具が置かれたままになっている可能性がある。便座支持部材がゆっくりと下降するならば、便座支持部材が予期せずに下降を開始しても、慌てることなく清掃用具を便座支持部材の下側から取り除くことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図1は実施の形態に係る便器設備の側面図であり、(a)図は便座支持部材の浮上前、(b)図は便座支持部材の浮上後の状態を示している。図2は、この便器設備の斜視図である。
【0013】
陶器製の洋風便器本体1の後部上面に便座支持部材2が昇降可能に設置されており、この便座支持部材2に便座3e及び便蓋3fが起倒方向回動自在に取り付けられている。
【0014】
この実施の形態では、便座支持部材2は、前部に配置された昇降可能なフロントベースプレート3aと、無底箱状の合成樹脂製のカバー3dとによって外殻が形成されている。このフロントベースプレート3aに、人体臀部を温水で洗浄するための温水洗浄ノズル10,11及びモータ駆動式温水切替弁装置12が設置されている。また、このフロントベースプレート3aの底面には、便座支持部材2が浮上したときにその下側領域Sを照らすための照明3gが設けられている。この照明3gとしてはLEDが好適であるが、これに限定されない。
【0015】
また、このフロントベースプレート3a上には、便座3e及び便蓋3fを開閉させる電動開閉ユニット13、人体臀部に向けて温風を吹き出してその乾燥を行う温風ファン14、便鉢内から臭気を含んだ空気を吸引して脱臭する脱臭ファン15及び脱臭カートリッジ16が設けられている。カバー3dには、便器本体1に近づいたり着座した人体を検知するための人体検知センサ17,18が設けられている。
【0016】
便器本体1の最後部上面には、カバー3dの後部側が上方から被さるようにリアベースプレート4aが設けられている。このリアベースプレート4aには、前記温水洗浄ノズルへ温水を供給するためのヒータ付き温水タンク4b(図1にのみ図示)、便座支持部材2を押し上げたり、降下させたりするためのモータ駆動式浮上ユニット20、ヒータ及び電動ファンよりなる部屋暖房ファン21、電源基板22、開閉ユニット13用制御回路基板23、便鉢やトラップ部へ水を供給するためのバルブユニット24等が設けられている。
【0017】
この温水洗浄機構等は、トイレルームの壁面に取り付けられたリモコンによって操作される。このリモコンには、浮上ユニット20を浮上動作させるための浮上スイッチと、浮上ユニット20を下降動作させるための下降スイッチとが設けられている。
【0018】
この便器設備の作動について次に説明する。
【0019】
浮上スイッチを操作すると、浮上ユニット20が便座支持部材2のフロントベースプレート3aを所定高さまで押し上げ、その状態に停止させる。また、便座支持部材2が上昇すると、照明3gが点灯する。これにより、浮上した便座支持部材2の前部の下側スペース(下側領域)Sが照明される。このように下側領域Sが明るく照らされるので、該下側領域Sに臨む便器本体の上面や、フロントベースプレート3aの下面等を容易に清掃することができる。
【0020】
この実施の形態にあっては、該便座支持部材2のフロントベースプレート3aが上昇した状態にあるときに便座3eが倒状された場合に、浮上ユニット20は該フロントベースプレート3aを下降させるように作動する。
【0021】
そのため、フロントベースプレート3aを浮上させて清掃した後、便座3eを倒状させると、便座支持部材2が洋風便器本体1上に据え付けられ且つ便座3eが洋風便器本体1上に重なっている便器使用可能状態に復帰する。これにより、清掃終了後に、便座支持部材を下降させるためのスイッチ操作を行うことなく、便器設備を使用可能状態に復帰させることができる。
【0022】
また、この実施の形態にあっては、開閉ユニット13は、浮上スイッチの操作に伴って上昇する時に便座3eを起立させるよう作動する。便座3eの起立は、フロントベースプレート3aの上昇の前、上昇の途中及び上昇の後のいずれでもよい。従って、便座支持部材2を上昇させるように浮上スイッチを操作するだけで便座3e及び便蓋3fも自動的に起立するので、清掃作業者が便座3e及び便蓋3fを起立させる動作を行うことが不要となる。
【0023】
本発明では、該便座支持部材2の下降時に便座3e及び便蓋3fを倒状させるように開閉ユニット13を動作させてもよい。
【0024】
このように構成した場合にあっては、便座支持部材2を下降させるように下降スイッチを操作すると、便座3e及び便蓋3fも自動的に倒状するので、下降スイッチ操作を行うだけで便器設備を使用可能状態に復帰させることができる。
【0025】
本発明では、該便座支持部材2のフロントベースプレート3aが上昇した後、下側領域Sの清掃を行うのに要する程度の所定時間(例えば3〜6分)が経過するとフロントベースプレート3aを自動的に下降させるように浮上ユニット20を動作させてもよい。
【0026】
このように、浮上後に所定時間が経過すると自動的に便座支持部材2が下降するように構成した場合、清掃作業者が下降スイッチ操作を忘れても、便器設備は自動的に使用可能状態に復帰することになる。
【0027】
このように便座支持部材2が自動的に下降する場合、その下降速度をリモコンの下降スイッチ操作によって下降するときの下降速度よりも小さくする。このように、自動的下降便座支持部材2がゆっくりと下降するならば、便座支持部材2が予期せずに下降を開始しても、慌てることなく清掃用具等を便座支持部材2の下側から取り除くことができる。
【0028】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、便座支持部材を浮上又は下降させる操作と便座を起立又は倒状させる動作とを関連づけており、便座支持部材の下側領域の清掃時に清掃作業者に要求される作業工数が少なくて済むようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に係る便器設備の側面図である。
【図2】 図1の便器設備の斜視図である。
【符号の説明】
1 便器本体
2 便座支持部材
3a フロントベースプレート
3e 便座
3f 便蓋
13 開閉ユニット
17,18 人体検知センサ
20 浮上ユニット

Claims (2)

  1. 便器本体と、
    該便器本体に設けられた便座支持部材と、
    該便座支持部材に起倒可能に支持された便座と、
    該便座支持部材を昇降させる昇降装置と、
    を有する便器設備において、
    該便座支持部材が上昇した状態にあるときに該便座が倒状された場合に該便座支持部材を下降させる手段を備えたことを特徴とする便器設備。
  2. 便器本体と、
    該便器本体に設けられた便座支持部材と、
    該便座支持部材に起倒可能に支持された便座と、
    該便座支持部材を昇降させる昇降装置と、
    を有する便器設備において、
    該便座支持部材が上昇した後、所定時間が経過すると便座支持部材を自動的に下降させる手段を備え
    前記便座支持部材を下降させるための、人によって操作される下降スイッチが設けられており、
    該下降スイッチが操作されることにより該便座支持部材が下降するときの下降速度に比べ、前記自動的に下降するときの下降速度の方が小さいことを特徴とする便器設備。
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