JP4075539B2 - トイレ設備 - Google Patents

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勝紀 冨田
伸雄 曽我部
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱臭装置を有するトイレ設備に係り、好ましくは便座支持部材を昇降させる機構を備えたトイレ設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
洋風便器の上面に設置された便座は、便座支持部材を介して洋風便器に対し俯仰方向に回動自在に取り付けられている。
【0003】
この便座支持部材と洋風便器上面との間に尿などの汚れが染み込んで臭気の原因となり易い。そこで、便座支持部材を洋風便器に対し上下動可能とし、洋風便器の清掃時に便座支持部材を便座と共に上方に移動(浮上)させるようにしたものが提案されている(特開2000−33051号公報)。
【0004】
なお、脱臭装置を有する便器設備は既に広く用いられている。市販品の脱臭装置は、使用者が便座に座ると作動開始するよう構成されているものが多い。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−33051号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
便器を清掃すると、洗剤や薬液から臭気が発生し、清掃後のトイレルーム内に臭気が籠りがちである。
【0007】
本発明は、便器清掃により発生する臭気を除去することができるトイレ設備を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の便器設備は、脱臭装置を有するトイレ設備において、該脱臭装置を作動させる脱臭制御手段を備えており、該トイレ設備は、便器本体と、該便器本体に昇降可能に設けられた便座支持部材と、該便座支持部材に起倒可能に支持された便座と、を有しており、前記脱臭制御手段は、該便座支持部材が上昇すると、又は便器本体上に降下すると、該脱臭装置を作動させることを特徴とするものである。
【0009】
かかるトイレ設備にあっては、便器清掃と関連付けて脱臭装置が作動するので、便器清掃により発生する臭気を除くことができる。
【0010】
本発明では、特に、該トイレ設備は、便器本体と、該便器本体に昇降可能に設けられた便座支持部材と、該便座支持部材に起倒可能に支持された便座と、を有する便器設備であって、前記脱臭制御手段は、該便座支持部材が上昇すると、又は便器本体上に降下すると、該脱臭装置を作動させる。この便座支持部材を上昇させることは便器清掃を行う行為であり、便座支持部材を下降させる行為は便器清掃が終了又は終了間近であることを示す。従って、この便座支持部材の上昇又は下降に応じて脱臭装置を作動させることにより便器の清掃が行われたことに起因して確実に脱臭装置が作動するようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図1は実施の形態に係るトイレ設備の便器設備の側面図であり、(a)図は便座支持部材の浮上前、(b)図は便座支持部材の浮上後の状態を示している。図2は、この便器設備の斜視図、図3(a)は制御ブロック図である。なお、以下、便座支持部材が便器本体上に降下したことを着底ということがある。
【0013】
陶器製の洋風便器本体1の後部上面に便座支持部材2が昇降可能に設置されており、この便座支持部材2に便座3e及び便蓋3fが起倒方向回動自在に取り付けられている。図1,2に図示はしないが、この便座3eには、該便座3eへの着座を検知する静電容量変化型の着座センサが組み込まれている。
【0014】
この実施の形態では、便座支持部材2は、前部に配置された昇降可能なフロントベースプレート3aと、無底箱状の合成樹脂製のカバー3dとによって外殻が形成されている。このフロントベースプレート3aに、人体臀部を温水で洗浄するための温水洗浄ノズル10,11及びモータ駆動式温水切替弁装置12が設置されている。また、このフロントベースプレート3aの底面には、便座支持部材2が浮上したときにその下側領域Sを照らすための照明3gが設けられている。この照明3gとしてはLEDが好適であるが、これに限定されない。
【0015】
また、このフロントベースプレート3a上には、便座3e及び便蓋3fを開閉させる電動開閉ユニット13、人体臀部に向けて温風を吹き出してその乾燥を行う温風ファン14、便鉢内から臭気を含んだ空気を吸引して脱臭する脱臭ファン15及び脱臭カートリッジ16が設けられている。この脱臭カートリッジには、活性炭等の吸着材が充填されている。
【0016】
カバー3dには、便器本体1に近づいたり離反した人体を検知するための人体検知センサ17,18が設けられている。
【0017】
便器本体1の最後部上面には、カバー3dの後部側が上方から被さるようにリアベースプレート4aが設けられている。このリアベースプレート4aには、前記温水洗浄ノズルへ温水を供給するためのヒータ付き温水タンク4b(図1にのみ図示)、便座支持部材2を押し上げたり、降下させたりするためのモータ駆動式浮上ユニット20、ヒータ及び電動ファンよりなる部屋暖房ファン21、電源基板22、制御回路基板23、便鉢やトラップ部へ水を供給するためのバルブユニット24等が設けられている。
【0018】
制御回路基板23には、切替弁装置12、開閉ユニット13、温風ファン14、脱臭ファン15、浮上ユニット20、暖房ファン21、バルブユニット24等を制御するためのそれぞれの制御回路が搭載されている。
【0019】
この温水洗浄機構は、トイレルームの壁面に取り付けられたリモコンによって操作される。また、このリモコンには、浮上ユニット20を昇降作動させるための昇降スイッチ(上昇スイッチ及び下降スイッチよりなる)が設けられている。
【0020】
なお、リモコンには、ノズル10,11から噴出する温水の温度や噴出水量、ノズル前進位置、温風ファンの動作などを調整、制御するための多数種類のスイッチが設けられている。
【0021】
図3(a)に示す通り、人体検知センサ17,18の人体検知信号と、便座支持部材の昇降スイッチ信号とが脱臭ファン制御用の脱臭制御回路に入力されている。
【0022】
このトイレ設備の作動について次に説明する。
【0023】
リモコンの浮上スイッチを操作すると、浮上ユニット20が便座支持部材2のフロントベースプレート3aを所定高さまで押し上げ、その状態に停止させる。また、便座支持部材2が上昇すると、照明3gが点灯する。これにより、浮上した便座支持部材2の前部の下側スペース(下側領域)Sが照明される。このように下側領域Sが明るく照らされるので、該下側領域Sに臨む便器本体の上面や、フロントベースプレート3aの下面等を容易に清掃することができる。
【0024】
リモコンの下降スイッチを操作すると、浮上ユニット20は、該フロントベースプレート3aを下降させる。
【0025】
人体検知センサ17,18が人体を検知すると、脱臭ファン15が作動を開始し、人体検知センサ17,18が人体を検知しなくなって所要時間が経過すると脱臭ファンが停止する。
【0026】
また、この実施の形態にあっては、便座支持部材2が着底すると、脱臭ファン15が作動を開始し、それから所定時間が経過すると自動的に脱臭ファン15が停止する。
【0027】
このように、便座支持部材2を上昇させて便器清掃した後、該便座支持部材を降下させて着底させると必然的に脱臭ファン15が作動するので、トイレルーム内に便器清掃剤の臭気が籠らないようになる。したがって、清掃後にトイレルームに入ってきた使用者にとって快適となる。
【0028】
なお、この実施の形態では便座支持部材2の着底に伴って脱臭ファン15を作動開始させているが、便座支持部材が上昇を開始したとき、上昇しているとき、上昇が完了しているとき、下降を開始したとき、下降しているとき、着底してから所要時間経過したときのいずれに脱臭ファン15の作動開始を行ってもよい。
【0029】
上記実施の形態では人体検知センサの信号及び便座支持部材2の昇降スイッチ操作に起因して脱臭ファン15を作動させているが、図3(b)のように、便器清掃剤から発生する臭気を検知センサで検知し、この臭気レベルが所定レベルに達したときにも脱臭ファン15を作動させてもよい。このようにすれば、便座支持部材2を上昇させることなく便器清掃したときにも清掃剤から発生する臭気を除去することができる。
【0030】
上記実施の形態では脱臭カートリッジを有した脱臭ファンによって脱臭しているが、本発明では空気のプラスイオン及びマイナスイオンを発生させて脱臭を行う脱臭装置を用いてもよい。このイオン発生手段としては、電極間に交流電圧を印加して放電させ、この放電を利用してプラスイオン及びマイナスイオンを略同量発生させるものを用いることができる。
【0031】
また、脱臭装置としてはトイレルームの換気扇を用いてもよい。この場合、図3(b)のように、脱臭ファン(又はイオン発生装置)と換気扇とを併用するのが好ましい。
【0032】
なお、上記実施の形態はいずれも本発明の一例であり、本発明は図示以外の構成とされてもよいことは明らかである。
【0033】
上記実施の形態では、電動式の浮上ユニット20を採用しているが、便座支持部材2の上昇又は着底検知センサが設けられているときには、手動式の便座支持部材昇降機構を採用してもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、便器清掃と関連して脱臭装置が作動されるため、清掃剤の臭いがトイレルームに籠ることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るトイレ設備の便器設備の側面図である。
【図2】図1の便器設備の斜視図である。
【図3】実施の形態に係るトイレ設備の制御ブロック図である。
【符号の説明】
1 便器本体
2 便座支持部材
3a フロントベースプレート
3e 便座
3f 便蓋
13 開閉ユニット
15 脱臭ファン
16 脱臭カートリッジ
17,18 人体検知センサ
20 浮上ユニット
23 制御回路基板
24 バルブユニット

Claims (4)

  1. 脱臭装置を有するトイレ設備において、該脱臭装置を作動させる脱臭制御手段を備えており、
    該トイレ設備は、便器本体と、
    該便器本体に昇降可能に設けられた便座支持部材と、
    該便座支持部材に起倒可能に支持された便座と、
    を有しており、
    前記脱臭制御手段は、該便座支持部材が上昇すると、又は便器本体上に降下すると、該脱臭装置を作動させることを特徴とするトイレ設備。
  2. 請求項1において、該脱臭制御手段は、脱臭装置を所定時間だけ作動させることを特徴とするトイレ設備。
  3. 請求項1又は2において、脱臭装置はイオンを発生させて脱臭するか、又は吸着剤によって脱臭するものであることを特徴とするトイレ設備。
  4. 請求項1又は2において、前記脱臭装置は換気扇であることを特徴とするトイレ設備。
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