JP3948354B2 - 濾過材用紡績粗糸および濾過材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭ボイラー等で発生する高温の復水等の回収、特に各種高温用液体濾過に好適な濾過材用紡績粗糸、およびその濾過材用紡績粗糸を用いてなる濾過材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般的に使用されている液体用濾過材として、多数の小孔を有するステンレス製パンチングメタルの筒体を芯として、その外側に、綿糸や、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維またはグラスウール等からなる繊維糸束を、スパイラル状に巻き付けられた濾過材が使用されている。濾過の経路は、筐体内に導入された液体は筒体の中から孔を通過して糸束により濾過されて筒体の外に排出されるか、筒体の外から糸束により濾過されて筒体の中に排出されるようになっている。
【0003】
また、100℃以上の高温でボイラー復水を回収する手段として、特開平7ー313823号公報に、ポリフェニレンサルファイド樹脂製繊維糸束を筐体に巻き付けたことを特徴とする濾過材が提案されている。この濾過材により、ポリフェニレンサルファイドの特徴である耐熱性と耐蒸熱性により、加水分解することなく、100℃以上の高温でもボイラー復水を回収することが可能であり、濾過の際に復水を100℃以下に冷却することなく好適な濾過材として利用される。
【0004】
しかしながら、ポリフェニレンサルファイド樹脂製繊維糸束を、多数の小孔を有するステンレス製パンチングメタルの筒体を芯として、その外側に巻き付ける場合において、繊維糸束として通常のマルチフィラメント糸や紡績糸を用いると、糸束の密な構成と共に糸束による過度の締め付けで濾過機能部分が硬くなり、液体濾過として圧力損失が高すぎて濾過できないという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、耐熱性と耐蒸熱性に優れ、圧力損失が低く、かつ圧力損失の変化が少なく長期間品質の安定した濾過材、特に100℃以上の各種高温液体を冷却することなく、かつ加水分解させることなく濾過回収することができる濾過材に好適な濾過材用紡績粗糸を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、上記の濾過材用紡績粗糸からなる濾過材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を採用する。すなわち、本発明の濾過材用紡績粗糸は、濾過材に用いるポリフェニレンサルファイド繊維糸束において、該ポリフェニレンサルファイド繊維糸束が、引張伸度40%以下の紡績粗糸からなることを特徴とする濾過材用紡績粗糸である。
【0008】
本発明の濾過材用紡績粗糸において、紡績粗糸は、ポリフェニレンサルファイド繊維からなる原綿をスライバーとし練条工程を経て得られた紡績粗糸であることが好ましい。
【0009】
かかる紡績粗糸を用いることにより、ポリフェニレンサルファイド繊維の特徴である耐熱性と耐蒸熱性により、高温液体の濾過においても加水分解することなく、かつ、圧力損失を低く押さえて良好な濾過材とすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の濾過材用紡績粗糸と濾過材について具体的に説明する。
【0011】
本発明の濾過材用紡績粗糸は、基本的にポリフェニレンサルファイド(以下PPSとも言う)繊維で構成されている。本発明で用いられるポリフェニレンサルファイド繊維は、公知の方法で合成された、繰り返し単位の70モル%以上が構造式−(C64−S)−で構成されたポリマーからなる繊維である。
【0012】
本発明においてPPSとは、繰り返し単位としてp−フェニレンスルフィド単位やm−フェニレンスルフィド単位などのフェニレンスルフィド単位を含有するポリマーを意味する。PPSは、ホモポリマーまたはp−フェニレンスルフィド単位とm−フェニレンスルフィド単位の両者を有する共重合体であってもよく、また本発明の主旨を逸脱しない限り、他の芳香族スルフィドとの共重合体あるいは混合物であっても構わない。また、PPS重合体は重量平均分子量が40000〜60000であることが望ましい。重量平均分子量が40000未満のPPS重合体を用いて溶融紡糸した場合、紡糸張力が低く、紡糸時に糸切れが多発し、紡糸工程が著しく悪くなる。また、得られたPPS短繊維も力学的特性の劣ったものになる。一方、重量平均分子量が60000を超えるPPS重合体を用いると溶融紡糸に溶液の粘度が高くなり、紡糸設備を特殊な高耐圧仕様にしなければならず、製造設備費用の高騰を招くことになる。
【0013】
また本発明の濾過材用紡績粗糸を構成する繊維の単糸繊度は1デシテックス〜8デシテックスであることが好ましい。単糸繊度1デシテックス以下であると粗糸強力が低下するので好ましくない。また単糸繊度が8デシテックス以上であると紡績粗糸が粗いものとなり、粗硬となるので好ましくない。また、構成している繊維の平均繊維長は25mm〜102mmであることが好ましい。繊維長が25mm以下であると粗糸強力が低下するので好ましくない。また繊維長が102mm以上であると紡績粗糸のふくらみが少なくなるため濾過材として使用した場合、巻き硬度が高くなり、圧力損失が高くなるため好ましくない。
【0014】
また、本発明の濾過材用紡績粗糸の見かけ番手は0.8〜4Nmで、構成本数が3〜6本であることが好ましい。見かけ番手とその構成本数については4Nmで3本より細いと、小孔を有する筒体への巻き付けで糸が細いため高密度に巻き上げられ、圧力損失の高い商品となるので好ましくない。また、見かけ番手とその構成本数については0.8Nmで6本より太いと、小孔を有する筒体への巻き付けで巻き密度が粗くなり濾過効率が低くなるため好ましくない。
【0015】
本発明の濾過材用紡績粗糸は、その引張伸度が40%以下であることが好ましく、より好ましくは引張伸度は35%〜20%である。伸度が大きすぎると、濾過材として小孔を有する筒体への巻き付け作業時に紡績粗糸が伸びて高密度に巻き上げられ、圧力損失の高い商品となり使用に耐えないことになる。
【0016】
次に、本発明の濾過材用紡績粗糸の製造方法について述べる。
【0017】
本発明の濾過材用紡績粗糸は、紡績糸製造過程において得ることができる。具体的に、少なくともポリフェニレンサルファイド繊維からなる原綿をスライバーとし、練条工程を経た紡績粗糸として得ることができる。スライバーにするには梳毛紡績と紡毛紡績が有るが、梳毛紡績機を使用してスライバーより練条を経て紡績粗糸を得るとストレートの綺麗に整列した状態となり、紡毛紡績機でスライバーより練条を経て紡績粗糸を得るとランダムに荒れた状態の物となり、実施例に示すとおり、後者の方が伸度40%以下の物を得ることが出来る。また、紡績粗糸を緊張熱処理することにより伸度40%以下の物を得ることが出来る。
【0018】
本発明の糸巻き濾過材用紡績粗糸としては、上記のポリフェニレンサルファイド繊維100%品の他、これと他の合成繊維、例えば、メタ系アラミド繊維、バラ系アラミド繊維や液晶ポリエステル繊維を、例えば5%以上混綿し、紡績粗糸の伸度を低くする手段を採用しても良い。
【0019】
本発明においては、引張伸度が40%以下である糸巻き濾過材用紡績粗糸は、耐熱性と耐蒸熱性に優れた各種高温用液体濾過に好適な濾過材として使用される。糸巻き濾過材用紡績粗糸として引張伸度が40%より大きいものを使用すると、多数の小孔を有するパンチングメタルの筒体への巻き付け作業時に糸が伸びて高密度に巻き上げられ、圧力損失の高い商品となり使用できなくなる。また、巻き付け時の張力を弱くすれば巻き崩れを起こしたり、製品使用時に変形し、使用に耐えない物となる。
【0020】
本発明の濾過材は、多数の小孔を有するパンチングメタル等の筒体を芯とし、その筐体の外周面に、上記した濾過材用紡績粗糸を、交差するスパイラル状で複数層に巻き付けて構成することができる。この際紡績粗糸の引張伸度を40%以下にすることにより、糸巻き濾過材として液体の濾過が可能となり、圧力損失の安定した濾過材が可能となる。
【0021】
本発明の濾過材は、100℃以上の液体の濾過に好適である。例えば、石炭ボイラー等で発生する高温の復水等の回収、特に各種高温用液体濾過(高温とは、160℃程度を上限とする)に好適である。
【0022】
以下に本発明の紡績粗糸と濾過材を実施例によって詳しく説明する。
【0023】
本発明において使用する引張伸度の評価方法は次のとおりである。
(1)引張伸度
JIS L1095に準じて、試料長20cm、クロスヘッド20cm/分で測定する。
【0024】
(実施例1)
単繊維繊度2.0デニール、繊維長51mmのポリフェニレンサルファイド短繊維(東レ(株)製登録商標「トルコン」)を用いて、通常の紡毛機によりスライバーを形成し、次いで練条工程で見かけ番手4/3.54Nmの紡績粗糸を得た。得られた紡績粗糸の引張伸度を測定すると29%であった。この紡績粗糸を、多数の小孔を有するパンチングメタルの筒体に交差するスパイラル状で複数層に約2cm厚さに巻き付けると、巻き付け作業時に紡績粗糸が嵩高に巻かれ、これを石炭ボイラーで発生した復水で濾過材として使用すると、圧力損失も低く良好な結果が得られた。結果を表1に示す。
【0025】
(比較例1)
単繊維繊度2.0デニール、繊維長51mmのポリフェニレンサルファイド短繊維(東レ(株)製登録商標「トルコン」)を用いて、通常の梳毛機によりスライバーを形成し、次いで練条工程で見かけ番手4/3.92Nmの紡績粗糸を得た。得られた紡績粗糸の引張伸度を測定すると43%であった。この紡績粗糸を、多数の小孔を有するパンチングメタルの筒体に交差するスパイラル状で複数層に約2cm厚さに巻き付けると、巻き付け作業時に紡績粗糸が伸びて高密度に巻き上げられ、これを石炭ボイラーで発生した復水で濾過材として使用すると、圧力損失の高い商品(濾過材)となり使用に耐えないものであった。結果を表1に示す。
【0026】
Figure 0003948354
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、低伸度の糸巻き濾過材用紡績粗糸を使用することにより、多数の小孔を有するパンチングメタルの筒体への巻き付け作業時に糸が嵩高に巻かれ、圧力損失も低く良好な商品が得られ、長期間、品質の安定した、経済的に優れた糸巻き濾過材が得られる。この濾過材は、特に各種高温用液体濾過に好適である。

Claims (6)

  1. 濾過材に用いるポリフェニレンサルファイド繊維糸束において、該ポリフェニレンサルファイド繊維糸束が、引張伸度40%以下の紡績粗糸からなることを特徴とする濾過材用紡績粗糸。
  2. 紡績粗糸が、ポリフェニレンサルファイド繊維からなる原綿をスライバーとし練条工程を経て得られた紡績粗糸であることを特徴とする請求項1記載の濾過材用紡績粗糸。
  3. ポリフェニレンサルファイド繊維糸束の見かけ番手が、0.8〜4Nmで、紡績粗糸構成本数が3〜6本であることを特徴とする請求項1または2記載の濾過材用紡績粗糸。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の濾過材用紡績粗糸を用いてなる濾過材。
  5. 多数の小孔を有する筒体を芯とし、該筐体の外周面に請求項1〜3のいずれかに記載の濾過材用紡績粗糸を、交差するスパイラル状で複数層に巻き付けてなる濾過材。
  6. 100℃以上の液体の濾過に用いる請求項4または5記載の濾過材。
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