JP3948338B2 - 部分光沢部を有するプラスチック容器の製造方法及びその方法に使用する金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器表面に部分光沢部を有するプラスチック容器の製造方法及び該製造方法に使用する金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
食品、化粧品、洗剤等を収容するボトル等の容器を各種プラスチック材料により構成することはよく知られており、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂等により構成された単層又は多層プラスチックボトル等が種々提案されている。
【0003】
これらの容器類に表面光沢性や透明性を付与したり、装飾効果を持たせるために、容器を構成する材料中に真珠光沢剤、結晶核剤等の添加剤を配合したり、容器表面を化学的に又は物理的に処理することも種々提案されている。
しかしながら、これら従来の技術は、高価な材料や添加剤を必要としたり、追加の処理工程を必要とするものであり、容器類のコストアップの原因となる。また、これらの技術によっては、容器の一部に部分的に光沢を持たせて装飾効果等を高めることは、困難であった。
【0004】
本発明者等は、先に金型表面に部分的に合成樹脂層を有する金型を使用してプラスチック容器をブロー成形することにより、容器の一部に他の部分よりもグロス値の高い部分光沢部を有する装飾効果等の改善されたプラスチック容器が得られることを見出し、特願2002−56181として出願した。
この技術は、従来技術の問題点を解消し、高価な材料や添加剤、追加の処理工程を必要とせずに、低コストで部分光沢部を有するプラスチック容器を製造するものであるが、金型内面に部分的に合成樹脂層を有する金型を使用し、容器成形時の金型の温度調整を金型全体で行なうために、高いグロス値を有する部分光沢部を形成するためには、金型の温度を高く設定する必要があった。このため、通常の成形サイクル(冷却時間)では、例えばボトルの取り出し温度(特にボトルのノズル部及び底部)が高くなりすぎるために、適正な温度でボトルを取り出すには冷却時間を長くすることが必要となり、生産性が低下するという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は部分光沢部を有するプラスチック容器を製造する際に、金型全体の温度が高くなるのを防止し、生産性を低下させずに効率良く部分光沢部を有するプラスチック容器を製造する方法、及び該方法に使用する金型を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記課題を解決するために、次のような構成を採用する。
1.金型内面に、金型本体とは断熱材又は空間により断熱されるとともに表面に合成樹脂を装着した入れ子金型を設けた金型を使用して熱可塑性合成樹脂をブロー成形することを特徴とする、容器の一部に他の部分よりもグロス値が高い部分光沢部を有するプラスチック容器の製造方法。
2.熱可塑性合成樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする、1に記載のプラスチック容器の製造方法。
3.入れ子金型に金型本体とは別系統の冷却水路を設け、入れ子金型を金型本体とは独立して温度調整することを特徴とする、1又は2に記載のプラスチック容器の製造方法。
4.入れ子金型の温度を金型本体の温度よりも10〜50℃高く設定しブロー成形することを特徴とする、1〜3のいずれかに記載のプラスチック容器の製造方法。
5.入れ子金型及び/又は入れ子金型表面の合成樹脂によりプラスチック容器の表面に模様を形成することを特徴とする、1〜4のいずれかに記載のプラスチック容器の製造方法。
6.プラスチック容器に形成される部分光沢部と非光沢部のグロス値の差が30以上となるように、入れ子金型と金型本体を温度調整することを特徴とする、1〜5のいずれかに記載のプラスチック容器の製造方法。
7.プラスチック容器に形成される部分光沢部のグロス値が70以上となるように、入れ子金型と金型本体を温度調整することを特徴とする、1〜6のいずれかに記載のプラスチック容器の製造方法。
8.金型内面に、金型本体とは断熱材又は空間により断熱されるとともに表面に合成樹脂を装着した入れ子金型を設けたブロー成形用金型。
9.入れ子金型に金型本体とは別系統の冷却水路を設けたことを特徴とする、8に記載のブロー成形用金型。
10.入れ子金型及び/又は入れ子金型表面の合成樹脂により模様を形成したことを特徴とする、8又は9に記載のブロー成形用金型。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明では金型内面に、表面に合成樹脂を装着した入れ子金型を設けた金型を使用してポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂をブロー成形することによって、容器の一部に他の部分よりもグロス値が高い部分光沢部を有するプラスチック容器を製造する。
以下、ボトルを例として、図面に基づいて本発明の実施の形態の1例を具体的に説明する。
【0008】
図1〜図3は本発明で使用するブロー成形用金型の1例を示す図であり、図1は金型を閉じた状態を示す模式断面図、図2は金型を開いた状態における金型の内面を示す図、そして図3は図1の金型のAA線における横断面図である。また、図4は金型内に設ける入れ子金型を示す図であり、(A)は金型の内面側から見た正面図、(B)は側面図、そして(C)は平面図である。
【0009】
この金型1は、略対称の形状を有する一対の割り型2、3からなり、それぞれの割り型の胴部には入れ子金型4、4が設けられている。入れ子金型4は、金型内面形成部6と胴部7から構成され(図4参照)、胴部7内には冷却水路8が設けられている。この冷却水路8は、金型本体2、3を冷却する冷却水路(図示せず)とは別系統の水路9に接続される。
入れ子金型4の金型本体2、3との接続部は直接接触していても良いが、断熱されているとより効果的である。図4に示す接続部には、断熱材10を設けて入れ子金型4と金型本体を、別々に温度調整できるように構成してある。この断熱材10は入れ子金型と金型本体2、3との接続部の略全面に形成することができ、また実効性のある範囲に部分的に設けるようにしてもよい。さらに、断熱材10に代えて、接続部に空間を設けることによって、断熱するようにしてもよい。
なお、入れ子金型4は、片方の割り型のみに設けるようにしてもよい。
【0010】
金型内面形成部6の内面側には、耐熱性を有する合成樹脂5を装着してある。
合成樹脂5は、(1)入れ子金型表面へ合成樹脂塗料を塗布する、(2)入れ子金型表面に合成樹脂フイルムを貼着する、(3)入れ子金型に凹部を設け合成樹脂部材をインサートする、等の方法により装着することができる。
この合成樹脂5は、入れ子金型表面の全面に又は一部に形成することができる。また、入れ子金型及び/又は入れ子金型の合成樹脂により、社名や商品名等のロゴや図形等の模様を形成するようにしてもよい。
【0011】
入れ子金型に装着される合成樹脂としては特に制限はなく、成型時の金型の温度において充分な耐熱性を有する熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂類は、いずれも使用することができる。
好ましい合成樹脂としては、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリイミダゾピロロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ四弗化エチレン、ポリ三弗化塩化エチレン、ポリ弗化ビニリデン、四弗化エチレン−六弗化プロピレン共重合体等が挙げられる。
【0012】
本発明によれば、このような金型を使用して入れ子金型を金型本体とは独立して温度調整しながらプラスチック容器をブロー成形することによって、高価な材料や添加剤、追加の処理工程を必要とせずに、容器の一部に他の部分よりもグロス値が高い部分光沢部を有するプラスチック容器を、生産効率を低下させずに製造することができる。
例えば、ポリオレフィン系樹脂のブロー成形によりボトルを製造する際には、通常は金型の温度を15〜20℃程度に設定する。本発明者等が先に提案した技術では、部分光沢部を有するボトルを形成するためには金型の温度を高く設定する必要があり、ボトルの冷却時間が長くなり生産性が低下するという問題があった。本発明では、金型本体の温度は通常のブロー成形の温度に維持したままで、入れ子金型の温度のみを金型本体の温度よりも高く設定することが可能となるので、生産性を低下させずに効率良く部分光沢部を有するボトルを製造することができる。入れ子金型の温度は、金型本体の温度よりも10〜50℃程度高く設定した場合には、グロス値の高い部分光沢部を容易に形成することができるので好ましい。
【0013】
本発明において、プラスチック容器のグロス値(光沢度)は、通常のグロスメータを使用して、測定角度60度において測定した値(単位%)を意味する。
部分光沢部のグロス値は70以上とすることが好ましく、またそのグロス値を他の部分よりも30以上高くした場合には、光沢部と他の部分のコントラストが鮮やかなものとなり、優れた装飾効果が得られるので特に好ましい。
部分光沢部の形状、寸法や設ける位置は任意に選択することができる。例えば、図5にみられるように、ボトル胴部11の周方向に、例えば全周の1/3以上にわたって部分光沢部12を形成することができる。また、図6にみられるように、ボトル胴部11の高さ方向に、例えば1/2以上にわたって部分光沢部12を形成し、この部分光沢部12を通してボトル内部に収容した内容物の残量を確認できるようにしてもよい。さらに、図7にみられるように、複数の部分光沢部を組み合わせて形成してもよく、図8あるいは図9にみられるように、部分光沢部単独で、或いは部分光沢部と他の部分を組み合わせることにより、社名や商品名等のロゴや図形等の模様を形成し、一段と装飾効果を発揮するようにしてもよい。
【0014】
ボトル自体の形状や寸法は任意に設定することができ、ボトル胴部の断面形状も、例えば図10の(a)、(b)及び(C)にみられるように、円形、楕円形、略四角形や、非対称の断面形状等任意のものとすることができる。
本発明の部分光沢部を有するプラスチック容器は、従来のプラスチック容器には見られない装飾効果を有するものであり、このようなプラスチック容器に各種の内容物を充填した商品は、消費者の目を引き、購買意欲を刺激する等、実用的価値が極めて高いものである。
【0015】
本発明のプラスチック容器を構成する材料としては、例えば結晶性ポリプロピレン、結晶性プロピレン−エチレン共重合体、結晶性ポリブテン−1、結晶性ポリ4−メチルペンテン−1、低−、中−、或いは高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、EVAケン化物、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)等のポリオレフィン類;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体等の芳香族ビニル共重合体;ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン樹脂等のハロゲン化ビニル重合体;ポリアクリル系樹脂;アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体の如きニトリル重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート等のポリエステル類;各種ポリカーボネート;フッ素系樹脂;ポリオキシメチレン等のポリアセタール類等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂は単独で又は二種以上をブレンドして使用することができる。
【0016】
特に好ましい材料としては、低−、中−、或いは高密度ポリエチレン、結晶性ポリプロピレン、結晶性エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン類が挙げられる。
ポリオレフィン製の容器では、他の熱可塑性樹脂からなる容器に比較して表面光沢性を付与することが困難であり、特に容器に部分光沢部を形成することは極めて困難であったが、本発明によれば部分光沢部を有するポリオレフィン製容器を簡単に、低コストで得ることができる。
【0017】
本発明のプラスチック容器は、上記した熱可塑性樹脂からなる単層容器のほかに、これらの熱可塑性樹脂からなる層とガスバリヤー性樹脂、容器成形時に発生するスクラップ樹脂等からなる他の層を有する多層容器として構成することができる。
ガスバリヤー性樹脂層を構成する好適な材料としては、エチレン含有量が20〜50モル%でケン化度が95モル%以上のエチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物や、炭素数100個当たりのアミド基の数が3〜30個、特に4〜25個であるポリアミド類が挙げられる。これらのガスバリヤー性樹脂は単独で又は2種以上を混合して使用することができ、またその性状を損なわない範囲内で、他の熱可塑性樹脂を混合してもよい。
【0018】
多層プラスチック容器を構成する各樹脂層間には、所望により接着剤樹脂層を設けることができる。このような接着剤樹脂としては特に制限はないが、酸変性オレフィン樹脂、例えば無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、無水イタコン酸等のエチレン系不飽和カルボン酸又はその無水物でグラフト変性されたポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィン共重合体等を使用することが好ましい。
【0019】
本発明により多層容器を製造する好ましい成形方法としては、容器を構成する各樹脂層を多層多重ダイスを使用し共押出しして得られたパリソンを、ブロー金型内でブロー成形することによって中空プラスチック容器とする方法等が挙げられる。
【0020】
本発明の部分光沢部を有するプラスチック容器は、食品(ドレッシング、食用油、マヨネーズ、ソース、醤油、各種調味料等)、飲料(ミネラルウォーター、果汁飲料、乳飲料、コーヒー飲料、炭酸飲料、アルコール飲料等)、洗剤(台所用洗剤、洗濯用洗剤、クレンザー、トイレ用洗剤、浴室用洗剤、家庭用洗剤等)、化粧品(ローション、ファウンデーション、ヘアトニック、ヘアリキッド、オーデコロン、乳液等)、その他日用品(シャンプー、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ボディソープ、ハンドソープ、洗濯用漂白剤、台所用漂白剤、柔軟仕上剤、カビ取り剤、殺剤等)等の液状、ジェル状、粉末状、粒状等各種の内容物を収容する容器として幅広く使用することができ、特に液状或いはジェル状の液体内容物を収容するボトルとして好適に用いられる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの具体例は本発明を限定するものではない。
(容器の製造)
下記の実施例では、次の要領でプラスチック容器(ボトル)を製造し、その性状を評価した。
プラスチック材料を50mm押出機(L/D=25)にて押出したパイプ状溶融樹脂をボトル金型に挟み、約0.5MPaのエアーを12秒間吹き込みブロー成形を行った。得られたボトルは、目付量約32.6g、容量720mlであった。
ブロー金型としては、下記のA)、B)を用いた。なお、A)、B)を用いて得られたボトルは、容量・形状共に全く同じであった。
A)ブロー金型の一部に凹部を設け、その凹部に独立した冷却水経路を有する入れ子金型を挿入したもの。(図1で片方の割り型2にのみ入れ子金型を設けたもの)
B)一般的なブロー金型で、冷却水経路は1系統のみである。
(グロス値の測定)
測定装置として日本電色工業(株)製Color Measuring System Σ80グロスメータVGS−SENSORを使用し、測定角度60度において測定した。
(ボトル取り出し温度の測定)
ブロー成形したボトルを成形直後に金型を開いて取り出し、直ちに(株)キーエンス製、放射温度計IT2−100(放射率:0.85)にて測定した。測定個所は底部(ピンチ中心部)、胴部無光沢部(ボトル胴センターライン部中央)、胴部光沢部(ボトル胴センターライン部中央、無光沢部と反対側)の三点とした。
(ボトルの外観の評価)
ボトルの光沢部を目視にて観察し、以下のように評価した。
A:エアートラップ(外観不良)無し
B:わずかにエアートラップ有り
C:多数のエアートラップ有り
【0022】
(実施例1)
三井化学(株)製高密度ポリエチレン、「ハイゼックス6008B」をボトル構成材料とし、金型Aを用いてブロー成形を行った。(株)寺岡製作所製、カプトンフイルム(ポリイミドフイルム)粘着テープNo.650S#50を6枚重ねて入れ子金型に貼り付け、本体金型と入れ子金型を下記表1の温度に保ち、ブロー成形を行った。得られたボトルは、入れ子金型に対応する部分に、部分的に光沢を有するボトルであった。部分光沢部のグロス値測定、及び取り出し温度の測定結果を表1に示す。なお、ボトルの非光沢部のグロス値は30以下であった。
【0023】
【表1】
【0024】
(実施例2)
住友化学工業(株)製ポリプロピレン、「住友ノーブレンS−131DG」をボトル構成材料とし、金型Aを用いてブロー成形を行った。(株)寺岡製作所製カプトンフイルム粘着テープNo.650S#50を6枚重ねて入れ子金型に貼り付け、本体金型と入れ子金型を下記表2の温度に保ち、ブロー成形を行った。得られたボトルは、入れ子金型に対応する部分に、部分的に光沢を有するボトルであった。部分光沢部のグロス値測定結果、及び取り出し温度の測定結果を表2に示す。なお、ボトルの非光沢部のグロス値は30以下であった。
【0025】
【表2】
【0026】
(実施例3)
メイン材(内層)を構成する材料として住友化学工業(株)製ポリプロピレン、「住友ノーブレンS−131DG」、サブ材(外層)を構成する材料として(株)グランドポリマー製ポリプロピレン、「グランドポリプロJ802H」/日本ポリケム(株)製高密度ポリエチレン、「ノバテックHDHB532N」=80/20のブレンド物を使用し、金型Aを用いて2層ボトルのブロー成形を行った。(株)寺岡製作所製カプトンフイルム粘着テープNo.650S#50を6枚重ねて入れ子金型に貼り付け、本体金型と入れ子金型を下記表3の温度に保ち、ブロー成形を行った。得られたボトルは全体がすりガラス状であるが、入れ子金型に接した部分は部分的に光沢を有するボトルであった。
部分光沢部のグロス値測定の結果を表3に示す。なお、ボトルの非光沢部のグロス値は30以下であった。
【0027】
【表3】
【0028】
(比較例1)
三井化学(株)製高密度ポリエチレン、「ハイゼックス6008B」をボトル構成材料とし、金型Bを用いてブロー成形を行った。(株)寺岡製作所製カプトンフイルム粘着テープNo.650S#50を6枚重ねて、金型キャビティーの入れ子金型に相当する部分に貼り付け、金型温度を15℃に保ちブロー成形を行った。得られたボトルは部分的に光沢を有するものの、エアートラップの発生したボトルであった。部分光沢部のグロス値測定、及び取り出し温度の測定結果を表4に示す。なお、ボトルの非光沢部のグロス値は30以下であった。
【0029】
【表4】
【0030】
(比較例2)
三井化学(株)製高密度ポリエチレン、「ハイゼックス6008B」をボトル構成材料とし、金型Bを用いてブロー成形を行った。(株)寺岡製作所製カプトンフイルム粘着テープNo.650S#50を6枚重ねて、金型キャビティーの入れ子金型に相当する部分に貼り付け、金型温度を下記表5の温度に保ちブロー成形を行った。得られたボトルは部分的に光沢を有するものの、底部取り出し温度が非常に高いボトルであり、通常の成形サイクルでは生産できないものであった。部分光沢部のグロス値測定、及び取り出し温度の測定結果を表5に示す。なお、ボトルの非光沢部のグロス値は30以下であった。
【0031】
【表5】
【0032】
(比較例3)
三井化学(株)製高密度ポリエチレン、「ハイゼックス6008B」をボトル構成材料とし、金型Bを用いてブロー成形を行った。(株)寺岡製作所製カプトンフイルム粘着テープNo.650S#50を6枚重ねて、金型キャビティーの入れ子金型に相当する部分に貼り付け、金型温度を下記表6の温度に保ち、ブロー成形後底部取り出し温度が80℃以下になるまでエアーを吹き込み、冷却を行った。得られたボトルは部分的に光沢を有するものの、エアー吹き込み時間が長く生産性の劣ったボトルであった。部分光沢部のグロス値測定結果、及びエアー吹き込み時間を表6に示す。なお、ボトルの非光沢部のグロス値は30以下であった。
【0033】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用するブロー成形用金型の1例を示す模式断面図である。
【図2】図1の金型の内面を示す図である。
【図3】図1の金型のAA線における横断面図である。
【図4】図1の金型内に設ける入れ子金型を示す図である。
【図5】本発明で得られる部分光沢部を有するボトルの1例を示す図である。
【図6】本発明で得られる部分光沢部を有するボトルの他の例を示す図である。
【図7】本発明で得られる部分光沢部を有するボトルの他の例を示す図である。
【図8】本発明で得られる部分光沢部を有するボトルの他の例を示す図である。
【図9】本発明で得られる部分光沢部を有するボトルの他の例を示す図である。
【図10】本発明で得られる部分光沢部を有するボトルの胴部の横断面の形状を示す図である。
【符号の説明】
1 ブロー成形用金型
2、3 割り型
4 入れ子金型
5 合成樹脂
6 金型内面形成部
7 胴部
8 冷却水路
9 水路
10 断熱材
11 ボトル胴部
12 部分光沢部
Claims (10)
- 金型内面に、金型本体とは断熱材又は空間により断熱されるとともに表面に合成樹脂を装着した入れ子金型を設けた金型を使用して熱可塑性合成樹脂をブロー成形することを特徴とする、容器の一部に他の部分よりもグロス値が高い部分光沢部を有するプラスチック容器の製造方法。
- 熱可塑性合成樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載のプラスチック容器の製造方法。
- 入れ子金型に金型本体とは別系統の冷却水路を設け、入れ子金型を金型本体とは独立して温度調整することを特徴とする、請求項1又は2に記載のプラスチック容器の製造方法。
- 入れ子金型の温度を金型本体の温度よりも10〜50℃高く設定しブロー成形することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック容器の製造方法。
- 入れ子金型及び/又は入れ子金型表面の合成樹脂によりプラスチック容器の表面に模様を形成することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチック容器の製造方法。
- プラスチック容器に形成される部分光沢部と非光沢部のグロス値の差が30以上となるように、入れ子金型と金型本体を温度調整することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のプラスチック容器の製造方法。
- プラスチック容器に形成される部分光沢部のグロス値が70以上となるように、入れ子金型と金型本体を温度調整することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチック容器の製造方法。
- 金型内面に、金型本体とは断熱材又は空間により断熱されるとともに表面に合成樹脂を装着した入れ子金型を設けたブロー成形用金型。
- 入れ子金型に金型本体とは別系統の冷却水路を設けたことを特徴とする、請求項8に記載のブロー成形用金型。
- 入れ子金型及び/又は入れ子金型表面の合成樹脂により模様を形成したことを特徴とする、請求項8又は9に記載のブロー成形用金型。
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