JP3948145B2 - 遊技機用画像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、スロットマシンあるいはコイン遊技機などの遊技機に搭載される遊技機用画像表示装置に係り、特に、遊技機用画像表示装置に表示される図柄画像を変動させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として、パチンコ機を例に採って説明する。
従来、パチンコ機では、遊技者が遊技球をパチンコ機に備える特定の入賞口に入賞させることによって、短時間に多量の遊技球が得られる、遊技者にとって有利な遊技状態である特定の遊技状態(大当たり)と、特定の遊技状態でない通常の状態である通常の遊技状態(ハズレ)とのいずれか一方の遊技状態が選択される。
【0003】
このようなパチンコ機には、その遊技状態を遊技者に把握させるために、例えばCRTや液晶モニタなどを備える遊技機用画像表示装置が搭載されている。この遊技機用画像表示装置は、選択された遊技状態に応じて、画面に表示される複数個の図柄画像を変動させる。その後、それら複数個の図柄画像の変動を停止させて、画面内に設定された複数個の表示領域内に同種または別種の図柄画像を各々表示する。例えば、各表示領域内に表示された図柄画像が全て同種の図柄画像で停止すれば、特定の遊技状態が発生することを示し、各表示領域の少なくとも1つの表示領域内に別種の図柄画像が含まれるのであれば、特定の遊技状態が発生することなく通常の遊技状態が継続されることを示す。
【0004】
具体的には、通常の遊技状態において、遊技機用画像表示装置は複数個の図柄画像を単調に変動させる(以下、単に「通常変動」と呼ぶ)。そして、特定の遊技状態を発生させない場合には、複数個の図柄画像の単調な変動が継続させる。その後、「ハズレ」を示すように、表示領域内に別種の図柄画像を停止させることで、遊技者に「ハズレ」であることを識別させる。また、遊技者の面白味を継続させるために、特定の遊技状態の発生の有無に係わらず、通常の遊技状態において図柄画像を表示領域内で停止させる前に、その図柄画像に特殊な変動をさせる場合がある(以下、単に「特殊変動」と呼ぶ)。この特殊変動は、いわゆるリーチアクションと呼ばれている。このリーチアクションに関する発明は、特開平6ー304316号公報や特開平7ー171251号公報などに開示されるものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の遊技機の遊技機用画像表示装置においては、次のような問題がある。
従来、通常変動においては、複数個の図柄画像を画面の上側から下側に又は下側から上側に向けて移動させるような極めて単調な変動であるとともに、特殊変動においては、特定の図柄画像の移動のスピ─ドを変化させるなどの単調な変動であったので、その表示態様は遊技機を遊技する遊技者にとって面白味に欠けるという問題がある。
【0006】
ここで、躍動感のある表示態様を実現するために、特殊変動や通常変動時において表示される複数個の図柄画像を、例えば各々の図柄画像が重なり合うような変動を表示する場合には、画面の最前面に表示するための図柄画像を、その背面側に表示する図柄画像よりも表示の優先順位を高くする必要がある。そこで、最前面に表示される例えば第1の図柄画像を制御する第1のタスクを、その第1の図柄画像の背面側に表示される例えば第2の図柄画像を制御する第2のタスクよりも後に実行する。すなわち、第2のタスクを先に実行することにより第2の図柄画像を先に生成する。その後に、第1のタスクを実行することにより第2の図柄画像上に第1の図柄画像が生成される。その結果、第1の図柄画像の背面側で第2の図柄画像が重なるような躍動感のある表示態様を実現することもできる。しかし、このような場合には、表示の優先順位の低いタスクから順番に実行する必要があるので、複数個の図柄画像が複雑に重なり合うような躍動感のある表示態様を実現するためには、複数種類のタスクの実行順番を複雑に入れ換える必要があり、その処理が煩雑になるという問題がある。そのため、従来、複数個の図柄画像の躍動感のある表示態様の実現が困難である。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、遊技者の面白味を永続させる躍動感のある図柄画像の変動を表示する遊技機用画像表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次の構成をとる。
1.本発明の構成は、複数個の図柄画像を単調な態様で変動させる通常変動および前記複数個の図柄画像の中のいずれかの特定図柄画像を他の図柄画像とは異なる特殊な態様で変動させる特殊変動の画面構成情報を生成する画像制御手段と、前記画面構成情報を記憶する画面構成情報記憶手段と、前記複数個の図柄画像の画像データが記憶された画像データ記憶手段と、前記画面構成情報と前記画像データとに基づいて、前記通常変動および特殊変動の画像を生成する画像生成手段と、前記画像を表示する表示手段とを備える遊技機用画像表示装置において、前記通常変動および特殊変動における各図柄画像ごとに生成された画面構成情報を各々記憶する第1の記憶手段と、前記図柄画像ごとの画面構成情報を前記画面構成情報記憶手段へ記憶するための順番を、前記図柄画像の表示の優先順位の順番に基づいて記憶する第2の記憶手段とを備えることを特徴とするものである。
【0009】
2.複数個の画像を変動させる変動時の画面構成情報を生成する画像制御手段と、前記画面構成情報を記憶する画面構成情報記憶手段と、前記複数個の画像の画像データが記憶された画像データ記憶手段と、前記画面構成情報と前記画像データとに基づいて、前記変動時の画像を生成する画像生成手段と、前記画像を表示する表示手段とを備える遊技機用画像表示装置において、前記各画像の変動を各々制御する複数個のタスクが記憶されるタスクバッファ領域(第1の記憶手段)と、前記タスクバッファ領域内の各タスクの開始アドレスおよび最終アドレスが、前記各タスクに基づく各画像の表示の優先順位の順番に応じて記憶されるスプライトチェーン領域(第2の記憶手段)とが設けられた作業情報記憶手段を備え、前記画像制御手段は、前記スプライトチェーン領域に記憶された前記優先順位の低い側から順番に前記各開始アドレスおよび最終アドレスを参照して、前記タスクバッファ領域内の各タスクを実行することで前記各タスクの開始アドレスから最終アドレスまでの間に書き込まれた画像に基づく画面構成情報を画面構成情報記憶手段へ送ることを特徴とするものである。この構成によれば、画像制御手段は、作業情報記憶手段に設けられたタスクバッファ領域内の各タクスを実行して、各タスクに基づく各画像の画面構成情報を生成する。さらに、タスクバッファ領域内の各タスクの開始アドレスと最終アドレスが各タスクに基づく画像の表示の優先順位の順番に記憶されるスプライトチェーン領域において、優先順位の低い側から順番に各開始アドレスと最終アドレスとを参照する。各開始アドレスから最終アドレスまでの間には、各タスクが実行されることで画像に基づく画面構成情報が書き込まれており、画像制御手段は、各画面構成情報を画面構成情報記憶手段に順番に送る。各画面構成情報が画面構成情報記憶手段に記憶されると、画像生成手段は、画像データ記憶手段に記憶された画像データを取り出し、複数個の画像の変動時の画像を生成する。表示手段は、その画像を表示する。その結果、スプライトチェーン領域で指示される各画像の画面構成情報だけを、優先順位の低いものから一括して画面構成情報記憶手段に送るので、画像の表示の優先順位にとらわれることなく、各タスクを任意に実行することができるとともに、画像等の生成および表示に関する処理を簡素化し高速に行うことができる。そして、躍動感のある画像の変動を表示することができる。
【0010】
3.上記構成1に記載の遊技機用画像表示装置は、特に、複数個の図柄画像を単調な態様で変動させる通常変動および前記複数個の図柄画像の中のいずれかの特定図柄画像を他の図柄画像とは異なる特殊な態様で変動させる特殊変動の画面構成情報を生成する画像制御手段と、前記画面構成情報を記憶する画面構成情報記憶手段と、前記複数個の図柄画像の画像データが記憶された画像データ記憶手段と、前記画面構成情報と前記画像データとに基づいて、前記通常変動および特殊変動の画像を生成する画像生成手段と、前記画像を表示する表示手段とを備える遊技機用画像表示装置において、前記通常変動および特殊変動における各図柄画像の変動を各々制御する複数個のタスクが記憶されるタスクバッファ領域(第1の記憶手段)と、前記タスクバッファ領域内の各タスクの開始アドレスおよび最終アドレスが、前記各タスクに基づく各図柄画像の表示の優先順位の順番に応じて記憶されるスプライトチェーン領域(第2の記憶手段)とが設けられた作業情報記憶手段を備え、前記画像制御手段は、前記スプライトチェーン領域に記憶された前記優先順位の低い側から順番に前記各開始アドレスおよび最終アドレスを参照して、前記タスクバッファ領域内の各タスクを実行することで前記各タスクの開始アドレスから最終アドレスまでの間に書き込まれた図柄画像に基づく画面構成情報を画面構成情報記憶手段へ送ることを特徴とするものである。この構成によれば、画像制御手段は、作業情報記憶手段に設けられたタスクバッファ領域内の各タクスを実行して、各タスクに基づく各図柄画像の画面構成情報を生成する。さらに、タスクバッファ領域内の各タスクの開始アドレスと最終アドレスが各タスクに基づく図柄画像の表示の優先順位の順番に記憶されるスプライトチェーン領域において、優先順位の低い側から順番に各開始アドレスと最終アドレスとを参照する。各開始アドレスから最終アドレスまでの間には、各タスクが実行されることで図柄画像に基づく画面構成情報が書き込まれており、画像制御手段は、各画面構成情報を画面構成情報記憶手段に順番に送る。通常変動または特殊変動の画面構成情報が画面構成情報記憶手段に記憶されると、画像生成手段は、画像データ記憶手段に記憶された画像データを取り出し、通常変動または特殊変動の画像を生成する。表示手段は、その画像を表示する。その結果、スプライトチェーン領域で指示される各図柄画像の画面構成情報だけを、優先順位の低いものから一括して画面構成情報記憶手段に送るので、図柄画像の表示の優先順位にとらわれることなく、各タスクを任意に実行することができるとともに、図柄画像等の生成および表示に関する処理を簡素化し高速に行うことができる。そして、躍動感のある図柄画像の変動を表示することができる。
【0011】
4.上記構成3に記載の遊技機用画像表示装置において、前記作業情報記憶手段は、前記画像制御手段で生成される前記通常変動および特殊変動の画面構成情報に関する命令であるコマンドを記憶するコマンドバッファ領域を備えるものである。この構成によれば、作業情報記憶手段に設けられたコマンドバッファ領域は、通常変動および特殊変動に関する命令であるコマンドを記憶する。画像制御手段は、このコマンドによって通常変動または特殊変動の画面構成情報を生成する。その結果、作業情報記憶手段内にコマンドバッファ領域が設けられているので、通常変動および特殊変動に関する命令である複数個のコマンドを記憶することができ、連続して命令を実行することができる。
【0012】
5.上記構成3に記載の遊技機用画像表示装置において、前記図柄画像に基づく画面構成情報は、前記図柄画像の種類および前記図柄画像を配置する配置位置を少なくとも含む情報である。この構成によれば、少なくとも各図柄画像の種類およびその図柄画像を配置する配置位置を示す情報が、各図柄画像に基づく画面構成情報として画面構成情報記憶手段へ送られる。その結果、図柄画像に基づく画面構成情報には、図柄画像の種類および配置位置の情報が少なくとも含まれるので、表示手段の画面上の表示位置およびその図柄画像の種類を決定することができる。
【0013】
6.上記構成5に記載の遊技機用画像表示装置において、前記図柄画像に基づく画面構成情報は、さらに、前記図柄画像の拡大・縮小率を含む情報である。この構成によれば、少なくとも各図柄画像の種類、その図柄画像を配置する配置位置およびその図柄画像の拡大・縮小率を示す情報が、各図柄画像に基づく画面構成情報として画面構成情報記憶手段へ送られる。その結果、図柄画像に基づく画面構成情報には、図柄画像の種類、配置位置および拡大・縮小率の情報が少なくとも含まれるので、表示手段の画面上の表示位置およびその図柄画像の種類を決定し、さらに、その図柄画像の形状を変化させることができる。
【0014】
7.上記構成1ないし構成5のいずれかに記載の遊技機用画像表示装置を備えることを特徴とする遊技機である。この遊技機によれば、上記構成1ないし構成5のいずれかに記載の遊技機用画像表示装置によって、通常変動または特殊変動を表示する。その結果、遊技者に躍動感のある表示態様を見ることができるので、遊技者の面白味を永続させることができる。
【0015】
8.上記構成7において、前記遊技機はパチンコ機である。中でも、パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備えておりそのハンドル操作に応じて遊技球を所定の遊技領域に発射させ、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配置された作動口に入賞することを必要条件として遊技機用表示装置における図柄画像の変動が開始することが挙げられる。また、特定遊技状態発生中には遊技領域内の所定の位置に配置された入賞口が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能として、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへの書き込む等も含む)が付与されることが挙げられる。その結果、遊技者に躍動感のある表示態様を見ることができるので、遊技者の面白味を永続させることができる。
【0016】
【作用】
本発明の作用は次のとおりである。
【0017】
この発明によれば、第1の記憶手段は、通常変動および特殊変動における各図柄画像の画面構成情報を各々記憶する。第2の記憶手段は、各図柄画像の画面構成情報を画面構成情報記憶手段へ記憶する順番を、各図柄画像の表示の優先順位に基づいて記憶する。画面構成情報記憶手段は、画像制御手段は、第2に記憶手段に記憶された順番に従って各画面構成情報を記憶する。各図柄画像の画面構成情報が全て記憶されると、画像生成手段は、画像データ記憶手段に記憶された画像データを取り出し、通常変動または特殊変動の画像を生成する。表示手段は、その画像を表示する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
本実施例では、遊技機用画像表示装置を備えた遊技機として、パチンコ機を例に採って説明する。なお、本発明の遊技機用画像表示装置は、パチンコ機に限定されるものではなく、例えば、スロットマシンあるいはコイン遊技機などの遊技機にも適用することができる。
【0019】
図1は本実施例に係るパチンコ機の概略構成を示す正面図であり、図2はパチンコ機の要部である後述する制御基板および遊技機用画像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【0020】
パチンコ機は、パチンコ機の全体を制御する制御基盤10(図2参照)を備える遊技盤2と、遊技盤2が取り付けられた枠体1と、遊技盤2の下側に設けられた上受け皿3と、上受け皿3に貯留したパチンコ球を遊技盤2の盤面に発射する図示しない発射装置が連結された回転式ハンドル4と、上受け皿3の下側に設けられた下受け皿5と、遊技状態を示す図柄画像を表示する画面66aが遊技盤2の盤面のほぼ中央に配置されるように搭載された遊技機用画像表示装置6とを備えている。
【0021】
遊技盤2には、回転式ハンドル4によって発射されたパチンコ球を盤面に案内するレール21と、パチンコ球を不特定箇所に誘導する複数本の図示しないクギと、クギによって誘導されてきたパチンコ球が入賞する複数個の入賞口22と、遊技盤2のほぼ中央付近に誘導されてきたパチンコ球が入賞する始動口23と、特定の遊技状態において比較的多数のパチンコ球を同時に入賞させることができる大入賞口24とが設けられている。各入賞口22、始動口23および大入賞口24内には、パチンコ球の入球を検出する入賞検出センサ101(図2参照)がそれぞれ設けられている。入賞検出センサ101がパチンコ球の入球を検出すると、遊技盤2に備える制御基盤10によって所定個数のパチンコ球が上受け皿3に供給される。また、始動口23内には、始動開始センサ102(図2参照)が設けられている。さらに、大入賞口24には、開閉式ソレノイド103(図2参照)が設けられており、この開閉式ソレノイド103の動作によって、大入賞口24が開閉自在に構成されている。なお、上述したものの他に、始動口23に入球したパチンコ球の個数を記憶する例えば保留ランプ等を備えるが、この実施例ではその説明を省略する。
【0022】
上受け皿3は、受け皿形状になっており、パチンコ球が供給される球供給口31から供給されたパチンコ球を貯留する。また、球供給口31が配置された上受け皿3の反対側には、パチンコ球をレール21に向けて発射する発射装置に連通する図示しない球送り口が設けられている。さらに、上受け皿3の上部には、貯留したパチンコ球を下受け皿5に移すための球抜きボタン32が設けられており、この球抜きボタン32を押すことで、上受け皿3に貯留したパチンコ球を下受け皿5に移すことができる。下受け皿5は、受け皿形状になっており、上受け皿3から移されてきたパチンコ球を受け止める。なお、下受け皿5には、その中に貯留したパチンコ球を抜く図示しない球抜きレバーが設けられている。
【0023】
回転式ハンドル4には、パチンコ球をレール21に向けて発射する発射装置が連結されている。回転式ハンドル4を回転させることにより、発射装置はその回転量に応じた強さでパチンコ球を所定の間隔ごとに発射する。
【0024】
遊技盤2に備える制御基盤10は、上述した入賞口22や始動口23の球検出センサの検出に基づいて所定量のパチンコ玉を供給したり、図示しないランプやスピーカを作動させたりする各種のイベントを実行するものである。また、この制御基盤10は、遊技機用画像表示装置6に情報流通可能に接続されており、遊技機用画像表示装置6に備える画面66aに遊技状態を示す図柄画像を表示するためのコマンド等を遊技機用画像表示装置6に送信したりするものである。
【0025】
遊技機用画像表示装置6は、画面66aを備える液晶モニタ66と、液晶モニタ66にコマンドに応じた図柄画像を表示するCPU60等から構成されている。
【0026】
以下、図2に示す制御基盤10のブロック図と、パチンコ遊技において制御基盤10で行なわれる処理の概要を図3に示すフローチャートとを参照しながら説明する。
【0027】
まず、以下の説明に用いられる語句について説明する。
特定の遊技状態(いわゆる、大当たり)とは、遊技者が多数個のパチンコ球を取得することができる、遊技者に有利な遊技状態をいう。通常の遊技状態(いわゆる、ハズレ)とは、特定の遊技状態以外の遊技状態をいう。また、通常の遊技状態においては、遊技者の面白味を継続させるために、通常変動と、特殊変動との少なくとも2種類の態様が画面66aに表示される。変動とは、本実施例における図柄画像の移動させること、その図柄画像の形状や模様等を変化させること、または、図柄画像を移動させながらその形状や模様等を変化させることをいう。通常変動とは、通常の遊技状態において画面66aに表示される複数個の図柄画像を単調に変動させることをいう。特殊変動(以下,単に「リーチ」とよぶ)とは、複数個の図柄画像の中の特定図柄画像を、他の図柄画像とは異なる特殊な態様で変動させることをいう。なお、変動していた複数個の図柄画像が停止した際に、同種の図柄画像の組合せの場合には「大当たり」が確定する一方、別種の図柄画像が含まれている場合には「ハズレ」が確定し、通常変動が継続する。
【0028】
図2に示すように、制御基盤10は、RAM、ROMおよびCPU等で構成されるマイクロコンピュータである主制御部100と、主制御部100の指示により特定の値を出力するカウンタ104と、始動口23(図1参照)でパチンコ球の入球を検出する始動開始センサ102と、入賞口22等(図1参照)でパチンコ球の入球を検出する入賞検出センサ101と、大入賞口24(図1参照)を開閉する開閉式ソレノイド103と、遊技機用画像表示装置6のインターフェイス67に情報流通可能に接続されるインターフェイス105などを備えて構成されている。
【0029】
以下、制御基盤10の各ブロックで行なわれる処理を図3のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
ステップS1(入球を検出)
遊技者は、回転式ハンドル4によってパチンコ球を遊技盤2内に打ち込み、パチンコ遊技を開始する。遊技盤2内に打ち込まれた一部のパチンコ球は盤面の中央付近まで導かれ、始動口23に入球する。パチンコ球が始動口23に入球すると、始動口23内に入球した球を検出する始動開始センサ102は、始動開始信号を主制御部100に送るとともに、始動口23内に設けられた入賞検出センサ101は、入賞信号を主制御部100に送る。なお、この実施例では、始動開始センサ102と入賞検出センサ101とは、同一のセンサによって併用される。また、入賞口22にパチンコ球が入球した場合にも、各入賞口22の入賞検出センサ101は、入賞信号を主制御部100に送る。
【0030】
ステップS2(パチンコ球を供給)
主制御部100は、入賞検出センサ101からの入賞信号を検出すると、図示しないパチンコ球供給機構を稼働させて、所定数量のパチンコ球を球供給口31を通じて上受け皿3に供給する。
【0031】
ステップS3(大当たり判定)
主制御部100は、始動開始センサ102からの始動開始信号を検出すると同時に、カウンタ104の出力値を読取る。このカウンタ104の出力値が、特定の遊技状態(大当たり)となるための所定値であれば、ステップS4に進み、所定値以外の出力値の場合(ハズレ)であれば、ステップS5に進む。なお、大当たりの場合には、後述するステップS4による大当たりであることを遊技機用画像表示装置6に指示した後に、開閉式ソレノイド103に開放信号を送信し、大入賞口24を開放して特定の遊技状態に移行する。また、ハズレの場合には、ステップS5によるハズレであることを遊技機用画像表示装置6に指示した後に、そのまま通常の遊技状態を維持する。
【0032】
ステップS4(大当たりパターンを生成)
主制御部100は、カウンタ104の出力値に応じて、画面66aに表示するための大当たり図柄画像を決定する。この大当たり図柄画像は、3つの図柄画像から構成されており、例えば3つの図柄画像が全て同種で構成される。さらに、通常変動からリーチ、リーチから大当たり図柄画像を表示するまでの大当たりパターンを決定するとともに、遊技機用画像表示装置6にその大当たりパターンを表示させるためのコマンドを生成する。
【0033】
ステップS5(ハズレパターンを生成)
主制御部100は、カウンタ104の出力値に応じて、画面66aに表示するためのハズレ図柄画像を決定する。このハズレ図柄画像は、3つの図柄画像から構成されており、その3つの図柄画像の中の少なくとも1つの図柄画像が、他の図柄画像とは種類の異なる図柄画像で構成される。さらに、通常変動からハズレ図柄画像、または、通常変動からリーチ、リーチからハズレ図柄画像を表示をするまでのハズレパターンを決定するとともに、ハズレパターンを表示させるためのコマンドを生成する。
【0034】
ステップS6(コマンドを送信)
主制御部100は、ステップS4またはS5で設定された大当たりパターンまたはハズレパターンを表示させるためのコマンドを、インターフェイス105を通じて遊技機用画像表示装置6のインターフェイス67に送る。ここで、コマンドには、各図柄画像の変動を開始する際の最初の図柄画像の種類を指示するもの、それら各図柄画像を移動させる速度を指示するもの、リーチの種類を決めるもの等がある。これらのコマンドは、主制御部100から適宜送られる。
【0035】
ステップS7(新たな入球検出?)
主制御部100は、始動開始センサ102からの新たな始動開始信号の有無(新たな入球)を検出する。新たな始動開始信号があれば、ステップS2〜S6を繰り返し行なう。新たな始動開始信号がなければ、この処理を終了して新たな始動開始信号が検出されるまで待機する。なお、始動開始信号が検出されない場合には、主制御部100は、遊技機用画像表示装置6にデモ画面の表示コマンドを送信する。
【0036】
以下、図2に示すブロック図を参照しながら遊技機用画像表示装置6について説明する。
図2に示すように、遊技機用画像表示装置6は、制御基盤10から送られてくる通常変動やリーチに関するコマンドを順次受信するインターフェイス67と、プログラムROM61に記憶された制御プログラム及び各種の情報に基づいて、通常変動やリーチの画面構成情報を生成するCPU60と、CPU60での処理結果等を一時的に記憶するワークRAM68と、CPU60で生成された画面構成情報を記憶するビデオRAM63と、ビデオRAM63の画面構成情報に基づいて、画像データROM62から画像データを取り出し、通常変動やリーチの画面全体の画像を生成するVDP64(ビデオデータプロセッサ)と、VDP64で生成された画像を表示する液晶モニタ66とを備えている。なお、CPU60は本発明における画像制御手段に、ビデオRAM63は本発明における画面構成情報記憶手段に、画像データROM62は本発明における画像データ記憶手段に、VDP64は本発明における画像生成手段に、液晶モニタ66は本発明における表示手段に、ワークRAM68は本発明における作業情報記憶手段に、それぞれ相当する。
【0037】
インターフェイス67は、制御基盤10から送られてくる通常変動やリーチに関するコマンドを順次受信する。それらコマンドは、CPU60によってワークRAM68に設けられたコマンドバッファ領域68aに順次記憶される。
【0038】
CPU60は、プログラムROM61に記憶された制御プログラムに従って動作する。具体的には、通常変動やリーチのコマンドを監視して、受信したコマンドに応じたタスクを生成し、ワークRAM68に記憶する。そのタスクを順次実行することで、ワークRAM68内に通常変動やリーチの画面構成情報を生成し、この画面構成情報をビデオRAM63に書き込む。なお、画面構成情報は、液晶モニタ66の垂直走査信号(VSYNC)ごとに生成される。
【0039】
ワークRAM68には、制御基盤10からのコマンドを順次記憶するためのコマンドバッファ領域68aや、生成されたタスクが記憶されるタスクバッファ領域68bや、通常変動やリーチ時の図柄画像の指示やその配置位置や表示優先順次等を一括してビデオRAM63に書き込むために情報が記憶されるスプライトチェーン領域68cが設定される。
【0040】
VDP64は、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路およびパレット回路などを備えた画像処理を行なう画像データプロセッサである。ビデオRAM63に記憶された画面構成情報に基づいて、画像データROM62に記憶されている画像データを呼び出して、画面66aに表示するための画像を生成するものである。この生成された画像は、液晶モニタ66に出力される。
【0041】
画像データROM62には、図5〜図8に示すように、いわゆる回転寿司の様子を示す通常変動時における背景である通常背景画像50、「大当たり」または「ハズレ」を遊技者に認識させるための寿司ネタをデザインした複数種類の図柄画像52a〜52l、図柄画像52a〜52lを各々縮小した縮小図柄画像53a〜53l、図柄画像52a〜52lを変形させた変形図柄画像54a〜54l,55a〜55l、リーチ時における背景である特殊背景画像40、通常背景画像50や特殊背景画像40に重ねて表示されるキャラクタ画像51a,51b,41,42などの各種の画像が記憶されている。なお、本発明における図柄画像は、この実施例に例示した図柄画像の種類に限定されるものではなく、適宜任意の種類の図柄画像を用いることができる。
【0042】
液晶モニタ66は、遊技機の遊技状態に応じた図柄画像等の変動が表示される画面66aを備えており、その画面66aが遊技盤2の盤面に露出するように取り付けられている。図4に示すように、液晶モニタ66の画面66aには、遊技機の遊技状態を示す図柄画像の組合せが表示される、左表示領域31、中央表示領域32および右表示領域33とが設けられている。遊技者は、各表示領域31〜33内で停止した図柄画像を観察することで、パチンコ機が「大当たり」または「ハズレ」の状態であることを認識する。なお、左表示領域31に表示される図柄画像を左図柄画像と呼び、中央表示領域32に表示される図柄画像を中図柄画像と呼び、右表示領域33に表示される図柄画像を右図柄画像と呼ぶ。
【0043】
以下、遊技機用画像表示装置6で行なわれる処理および表示態様について説明する。なお、この実施例では、通常変動からリーチ、リーチからハズレ図柄画像が表示されるまでを説明する。
【0044】
まず、遊技機用画像表示装置6は、制御基盤10から送られてくる通常変動のコマンドによって、液晶モニタ66の画面66aに通常変動を表示する。この通常変動では、図9に示す態様で各図柄画像等が表示される。
【0045】
画面66aに表示される画像は、表示される優先順位に応じて、例えばレイヤA,B,Cの3つに分けられている。これらレイヤA,B,Cに各種の画像が各々配置されることにより、通常変動時の画像が構成される。遊技機用画像表示装置6では、垂直走査信号ごとに画像を画面66aに順次表示することにより、通常変動を実現するものである。例えば、優先順位の最も低いレイヤCには通常背景画像50が、優先順位が次に低いレイヤBには人物がデザインされたキャラクタ画像51aが、優先順位が最も高いレイヤAには図柄画像52a〜52cおよび縮小図柄画像53b,53cが、それぞれ所定位置に配置されている。これらレイヤA,B,Cの優先順位の低いものから順番に重ねて表示することで、画面66aには図9(a)に示すような画像が得られる。その結果、画面66aの左表示領域31には図柄画像52bが、中央表示領域32には図柄画像52aが、右表示領域33には図柄画像52cが、それぞれ表示される。
【0046】
各図柄画像52a〜52cおよび縮小図柄画像53b,53cの配置位置を垂直走査信号ごと(例えば、1/60秒ごと)に、通常背景画像50にデザインされたベルトコンベアに沿って移動させることで、通常変動を実現する。例えば、一定時間が経過すると、図9(b)に示すように、各図柄画像52a〜52cは、画面66aの下側に移動し、さらに、画面66aに新たな図柄画像52c,52dおよび縮小図柄画像53dが現れる。また、縮小図柄画像53bは、徐々に拡大されながら中央表示領域32にまで移動するように表示される。垂直走査信号ごとは、本発明における一定時間間隔に相当する。なお、本発明における一定時間間隔は垂直走査信号ごとに限られず、例えば、複数回の垂直走査信号ごととすることもできる。
【0047】
さらに、時間が経過すると図9(c)に示すように、画面66aの左表示領域31には図柄画像52cが、中央表示領域32には図柄画像52bが、右表示領域33には図柄画像52dが、それぞれ表示される。上述した図9(a)〜(c)を繰り返し行うことで、あたかも回転寿司屋の店内で、ベルトコンベアに乗った寿司ネタ(図柄画像52a〜52lおよび縮小図柄画像53a〜53l)が回転するように表示させることができる。このときの表示態様が複数個の図柄画像を単調な態様で変動させる通常変動である。
【0048】
次に、遊技機用画像表示装置6は、制御基盤10から送られてくるリーチのコマンドによって、液晶モニタ66の画面66aにリーチを表示する。以下、通常変動からリーチへ切り換わる場合について説明する。
【0049】
まず、図10及び図11に示すフローチャートを参照しながら、CPU60で行われる処理について説明する。また、図12に示すように、本実施例で利用されるメモリマップでは、例えばプログラムROM61の領域が0000H〜0FFFHのアドレスに、ワークRAM68の領域がA000H〜BFFFHのアドレスに、ビデオRAM63の領域がC000H〜FFFFHのアドレスに、それぞれ割り当てられている。
【0050】
ステップU1(タスクの生成)
制御基盤10からのリーチのコマンドを受け取ると、CPU60はプログラムROM61内の制御プログラムに従って、ワークRAM68にタスクバッファ領域68bおよびスプライトチェーン領域68cを設定する。さらに、CPU60は、リーチに応じた親タスクをタスクバッファ領域68b内に生成するとともに、この親タスクを実行することでプログラムROM61内の各種個別の処理プログラムを実行するための複数個の子タスクを生成する。なお、タスクバッファ領域68bおよびスプライトチェーン領域68cは予め設定しておくこともできる。
【0051】
タスクバッファ領域68bは、画面66aに表示される各図柄画像の変動や背景画像を制御する子タスクが生成される領域である。例えば、図13に示すように、タスクバッファ領域68bはA400H以降のアドレスに設定されており、A400H〜A4FFHにはリーチ全体を制御する親タスクが生成される。親タスクが実行されることによって、背景図柄画像を指定・配置する背景タスクや、左図柄画像を変動させる左図柄タスクや、中図柄画像を変動させる中図柄タスクや、右図柄画像を変動させる右図柄タスクや、その他の図柄画像及びキャラクタ画像等を変動させる他図柄タスクなどの複数個の子タスクがA500H以降に生成される。これらの各子タスクはタスクチェーンで繋がれており、タスクチェーンで繋がれた順番に実行される。なお、中図柄画像は、本発明における特定図柄画像に相当する。また、タスクバッファ領域68bが設定されるアドレスは、本実施例のアドレスに限定されるものではなく、ワークRAM58内の任意のアドレスに設定することができる。
【0052】
具体的には、親タスクはプログラムROM61に記憶されている処理プログラムの先頭アドレスを子タスク内に書き込む。さらに、実行する順番に各子タスクをタスクチェーンで繋げる。タスクチェーンは、実行されるタスクの最後に、次に実行されるタスクのアドレスを書き込むことで、複数個の子タスクをチェーン状に関連付けることをいう。これにより、プログラムROM61に記憶される複数個のプログラムを必要な順番に実行することが可能になる。
【0053】
以下、子タスク(背景タスク,各図柄タスク等)の実行についての理解を容易にするために、図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、CPU60は、タスクバッファ68b内で最初に実行するための例えば第1の子タスク内に書き込まれたプログラムROM61内のアドレスを読出し、そのアドレスに記憶されている例えばプログラムAを実行する(ステップV1)。このプログラムAの実行による実行結果(画面構成情報)を、タスクバッファ領域68bの第1の子タスク内に書き込む(ステップV2)。さらに、次に同じ第1の子タスクが実行された場合に、異なる例えばプログラムBを実行させるために、第1の子タスク内のプログラムAの先頭アドレスを、プログラムBの先頭アドレスに書き換える(ステップV3)。これにより、第1のタスクが次に実行された場合には、プログラムBが実行され、その画面構成情報が第1のタスク内に書き込まれる。さらに、子タスクがいわゆるスプライト画像である図柄画像を変動させる図柄タスクである場合には、スプライトチェーン領域68cに図柄タスクの開始アドレスと最終アドレスとを書き込む(ステップV4)。なお、背景タスクなどのいわゆるスクリーン画像である場合には、ステップV4が実行されることなく、そのスクリーン画像に基づく子タスク内の画面構成情報はビデオRAM63に送られる。
【0054】
このスプライトチェーン領域68cは、画面66aに表示される図柄画像の優先順位を決定するためのものである。図14の概念図に示すように、スプライトチェーン領域68cは、画面66aに表示される優先順位の高いものから順番に、最優先、レイヤA、レイヤB、レイヤCに分割されている。さらに、それらが0〜8段階に分割されることにより、スプライトチェーン領域68cは36個のタスクアドレス領域71で構成される。例えば、(レイヤA,1)のタスクアドレス領域71に基づく図柄タスクによって変動される図柄画像は、(レイヤB,1)のタスクアドレス領域71に基づく図柄タスクの図柄画像よりも優先的、すなわち画面66aの前面側に表示される。また、同一レイヤである場合には、(レイヤA,1)のタスクアドレス領域71に基づく図柄タスクの図柄画像は、(レイヤA,2)のタスクアドレス領域71に基づく図柄タスクの図柄画像よりも前面に表示される。各タスクアドレス領域71には、その優先順位で表示するための図柄画像を制御する図柄タスクの先頭アドレスと終了アドレスとが書き込まれる。なお、後で説明するがスプライトチェーン領域68cは、スプライト転送の際にその優先順位の低いタスクアドレス領域71から順番に実行される。すなわち、優先順位の低いタスクアドレス領域71に書き込まれた子タスク内の画面構成情報から順番にビデオRAM63に送られる。
【0055】
これらのステップV1〜V3及びV4が各子タスクごとに実行され、それらの情報が一括してビデオRAM63に送られることにより、画面66aに表示するための1画面分の画面構成情報がビデオRAM63内に生成される。なお、各子タスクのステップV1〜V4の処理は、液晶モニタ66における垂直走査信号ごとに行われる。
【0056】
ステップU2(背景タスクの実行)
背景タスクの実行(上述した子タスクの実行)によって、プログラムROM61内のプログラムが実行され、背景タスク内には、背景画像が記憶された画像データROM62内のアドレスとともに、画面66aに対する背景画像の配置位置が書き込まれる。これら背景タスク内に書き込まれた背景画像に基づく画面構成情報は、スプライトチェーン領域68cに書き込まれることなく、例えばレイヤCの背景画像の画面構成情報としてビデオRAM63に送られる。
【0057】
ステップU3(各図柄タスクの実行)
左図柄タスクは、左表示領域31に表示する図柄画像が記憶された画像データROM62のアドレスおよびその図柄画像の拡大・縮小率とともに、画面66aでのその図柄画像の配置位置の画面構成情報を、左図柄タスク内に書き込む。さらに、タスクバッファ領域68b内における左図柄タスクの先頭アドレスと最終アドレスとを、優先順位に応じたスプライトチェーン領域14のタスクアドレス領域71に書き込む。
具体的には、左図柄タスクには、例えば「2000H」のアドレスが書き込まれており、CPU60がこのアドレスに記憶されたプログラムA1を実行することで、画面66aの左表示領域33に表示するための左図柄画像が記憶されている画像データROM62のアドレスおよびその左図柄画像の拡大・縮小率の画面構成情報を左図柄タスク内に書き込む。続いて、例えば「20A0H」に記憶されたプログラムA2を実行することで、左図柄画像の画面66a上の配置位置の画面構成情報を左図柄タスク内に書き込む。このとき、図柄画像の配置位置を決めるプログラムA2は、予め用意されたテーブルを参照して垂直走査信号ごとの割り込み処理(例えば、1/60秒)ごとにその配置位置等を更新したり、その垂直走査信号ごとに配置位置を算出して更新するものである。また、次のプログラムA3を実行することで、この左図柄画像の優先順位に相当するスプライトチェーン領域68cのタスクアドレス領域71に、左図柄タスクの先頭アドレスと最終アドレスとを書き込む。さらに、プログラムA4を実行することで、左図柄タスク内のプログラムA1のアドレスを、例えばプログラムB1の先頭アドレスに書き換える。ここまででの過程で、左図柄タスク内に書き込まれた全ての画面構成情報が左図柄画像に基づく画面構成情報である。なお、次に左図柄タスクが実行される際には、プログラムB1から実行される。
【0058】
中図柄タスク、右図柄タスクおよび他図柄タスクも同様に、各図柄タスクに基づく図柄画像のアドレス,その拡大縮小率の情報,その配置位置の画面構成情報を各図柄タスク内に書き込むとともに、優先順位に応じたタスクアドレス領域71に先頭アドレスと最終アドレスとを、それぞれ書き込む。なお、ここでは他図柄タスクをスプライト画像として説明したが、スクリーン画像である背景画像と同様に扱うことも可能である。
【0059】
ステップU4(スプライト転送)
CPU60は、全ての図柄タスクのアドレスの書込みが終了すると、スプライトチェーン領域68cの優先順位の低い順番に、各タスクアドレス領域71に書き込まれている先頭アドレスから最終アドレスまでの間に書き込まれている図柄画像ごとの画面構成情報を順次ビデオRAM63に送る。ビデオRAM63は、送られてきた画面構成情報として順番に記憶する。例えば、同一領域面上で複数の画像が生成される場合には、先に送られてきた画像の上に後から送られてきた画像が上書きされ、一画面分の画面構成情報として記憶される。
【0060】
ステップU5(表示)
VDP64は、ビデオRAM63に記憶された一画面分の画面構成情報に基づいて、画像データROM62から各々対応する画像データを呼び出して、画面66aに表示するための画像を生成する。この画像を液晶モニタ66に送る。液晶モニタ66は、その画像を画面66aに表示する。
【0061】
ステップU6(終了?)
上述したステップU1〜U5は、液晶モニタ66の垂直走査信号ごとに割り込み処理により実行され、画面66aに対する画像の表示の終了の指示があるまで連続して実行される。
【0062】
したがって、従来のように、表示の優先順位の高い図柄画像に基づくプログラムから順番に実行させなくても、上述したようにスプライトチェーン領域68cを利用することで、図柄画像の表示の優先順位とは無関係に各種個別のプログラムを実行させることができる。さらに、スプライトチェーン領域68cに基づいて画面構成情報を一括して転送するので、処理を簡素化し高速化を図ることができる。
【0063】
以下、リーチからハズレ図柄画像で停止するまでの具体的な表示態様とともに、図15〜図19に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、以降の説明における各タスクの処理は、上述したタスクの処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0064】
ステップT1(通常背景画像を表示させたまま中図柄画像を変動)
ステップT1の理解を容易にするために、ステップT1で表示される画面66aの表示態様について、図20を参照しながら説明する。
図20(a)に示すように、通常変動において、左表示領域31および右表示領域33に表示される各図柄画像の移動が停止する。その後、中央表示領域32に表示される中図柄画像のみが変動を続ける。そして、中図柄画像52dが中央表示領域32内にまで移動してくると、図20(b)に示すように、中図柄画像52bが画面66aの下から上に向かって跳び上がるように変動される。その跳び上がった中図柄画像52bが最上位置から少し自然落下した位置にくると、図20(c)に示すように、通常背景画像50から特殊背景画像40に切り換わるとともに、この特殊背景画像40と左,右図柄画像との間にキャラクタ画像42が表示される。このキャラクタ画像42は、猫と人間とがお盆を持っているようにデザインされている。これにより、最上位置から自然落下する中図柄画像52bが、キャラクタ画像42にデザインされたお盆で受けとめられるように表示される。以上がステップT1で表示される態様である。
【0065】
このような表示態様を実現するために、上述で説明したステップU1〜U6,V1〜V4の処理が実行される。特に、ステップU2の背景タスクの実行、及びステップU3の図柄タスクの実行について説明する。なお、その他のステップU1,U4〜U6については同様であるので、その説明を省略する。
【0066】
まず、背景タスクにおいて図16に示すフローが実行される。
ステップU21(タイマ値の設定又は読取り)
背景タスクによって設定された時間をカウントするタイマプログラムがプログラムROM61に記憶されている。このタイマプログラムは、液晶モニタ66の垂直走査信号ごとに、設定値から「0」まで一定値ずつ減算、または「0」から設定値まで一定値づつ加算することでタイマ値を順次算出するものである。この実施例ではタイマ値の最終値を設定値として、垂直走査信号ごとに「0」から設定値まで1ずつ加算させてタイマ値を順次算出させる。この設定値の大きさによって、リーチにおいて通常背景画像50を表示する所定時間を決定する。すなわち、リーチが開始されてから特殊背景画像40が表示されるまでの時間が決定される。具体的には、設定値として「179」を設定する。これは、垂直走査信号が1/60秒である場合には、約3秒に相当する。タイマ値の設定が一度行われると以降のこのステップではタイマ値の読み取りのみを行う。
【0067】
ステップU22(タイマ値=設定値)
タイマ値が設定値でない場合にはステップU23に進み、通常背景画像50の表示を指示する。一方、タイマ値が設定値となる場合にはステップU24に進み、特殊背景画像40の表示を指示する。
【0068】
ステップU23(通常背景画像を指示)
タスクバッファ領域68bの背景タスク内に、画像データROM62内の通常背景画像50のアドレスを書き込む。
【0069】
ステップU24(通常背景画像を指示)
タスクバッファ領域68bの背景タスク内に、画像データROM62内の特殊背景画像40のアドレスを書き込む。
【0070】
したがって、「0」から「178」までカウントされている間、図20(a),(b)に示すような通常背景画像50が画面66aに表示され続ける一方、タイマ値が「179」になると、特殊背景画像40が画面66aに表示されることになる。ステップU21〜24の処理は垂直走査信号ごとに行われる。
【0071】
次に、各図柄タスクにおいて、図17に示すフローが実行される。
ステップU31(タイマ値の設定又は読取り)
上述したステップU21で既に設定値が設定されているので、そのタイマ値だけを読取る。
【0072】
ステップU32(図柄画像を指示)
各表示領域31〜33にそれぞれ表示させるための図柄画像のアドレスを、各図柄タスクに書き込む。
【0073】
ステップU33(配置位置を指示)
各図柄画像の配置位置の画面構成情報を各図柄タスクに書き込む。具体的には、左表示領域31および右表示領域33に表示される図柄画像をそれぞれ停止させるので、左,右図柄タスクにはステップが繰り返されても毎回同じ情報が書き込まれる。一方、中図柄画像52dは、図20(a)〜(c)に示したように、跳び上がらせるので、中図柄画像52dを順番に移動させるために、ステップが繰り返されるごとに配置位置を毎回計算させ、その計算結果である配置位置の情報を中図柄タスクに書き込む。この中図柄画像52dの配置位置は、例えば次式(1)によって算出される。
【0074】
Y=V×t−1/2×g×t2 ・・・(1)
Y:配置位置、V:初速度、g:重力加速度(又は任意の加速度)、t:時間(タイマ値)
【0075】
ステップU31で読取られたタイマ値を、順次上述した式(1)に代入することで、中図柄画像52dの配置位置を算出する。但し、この実施例では図21(a)〜(c)に示すように、タイマ値が例えば「0」から「29」の間ではt=「0」としている。その結果、タイマ値が「0〜29」,「i」,「j」,「k」となる場合には、図21(a)〜(f)に示す配置位置Y0,Yi,Yj,Ykの順番に中図柄画像52dが順次移動して表示される。その結果、中図柄画像52dが自ら跳び上がった後に徐々に減速され、最上位置にまで達した後に自然落下するような軌跡を描く。タイマ値が設定値になると、このステップでの配置位置の算出は終了する。
【0076】
ステップU34(拡大・縮小率を指示)
さらに、中図柄タスク内には図柄画像の拡大・縮小率が書き込まれる。具体的には、タイマ値に応じた図柄画像の拡大・縮小率を示すテーブルがプログラムROM62内に予め記憶されている。中図柄タスクで実行されるプログラムは、タイマ値を毎回参照して、そのタイマ値に応じた拡大・縮小率の値をテーブルから読み込み、画面構成情報として中図柄タスクに書き込む。例えば、タイマ値が「0〜9」の場合には、図21(a)に示すように、拡大・縮小率が100%で固定されており、拡大または縮小されることなく配置位置Y0にとどまるように表示される。タイマ値が「10〜19」の場合には、配置位置Y0において中図柄画像52dの縦方向の縮小率が100%から75%まで変化して、中図柄画像52dが縦幅が若干潰れるように表示される〔図21(b)参照〕。さらに、タイマ値が「20〜29」の場合には、縦方向の縮小率が75%から100%まで変化して、中図柄画像52dの縦幅が復元するように表示される〔図21(c)参照〕。タイマ値が「i」になった場合には、縦方向の拡大率が125%であり、跳び上がってる最中であるように表示される。また、タイマ値が「j」になった場合には、縦方向の縮小率が75%であり、最上位置に達する直前であるように表示される。さらに、タイマ値が「k」になった場合には、縦方向の縮小率が100%であり、最上位置から自由落下する中図柄画像52dが特殊背景画像40にデザインされたお盆で受けとめられたように表示される。なお、この実施例では、中図柄画像52dを縦方向に縮小させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば横方向に拡大させることもできる。
【0077】
上述したステップT1によって、図20(a)〜(c)に示したように、通常背景画像50が表示されている間に、中図柄画像52dが左,右図柄画像とは異なる特殊な変動である初期変動が表示される。
【0078】
ステップT2(中図柄画像を往復揺動)
ステップT2の理解を容易にするために、ステップT2で表示される画面66aの表示態様について、図22(a),(b)を参照しながら説明する。
自由落下するように移動する中図柄画像は、図22(a)に示すように、キャラクタ画像42にデザインされたお盆に受けとめられたようにその移動が停止する。その後、図22(b)に示すように、中図柄画像52dは、中央付近から左端部方向にその横幅を縮小させながら移動する。このとき、キャラクタ画像41がキャラクタ画像42に切り換えられる。また、図22では図示されていないが、中図柄画像52dは左端部で跳ね返り、左端部から中央付近へその横幅を復元させながら移動する。中央付近まで移動してきたその中図柄画像52dは、中央付近から右端部方向へその横幅を縮小させながら移動する。このとき、キャラクタ画像41がキャラクタ画像42に切り換えられる。さらに、中図柄画像52dは右端部で跳ね返り、右端部から中央付近へその横幅を復元させながら移動する。このように、キャラクタ画像41とキャラクタ画像42とが繰り返し表示されることにより、デザインされた猫と人間によってお盆が引っ張り合われているように表示される。そのお盆上の中図柄画像52dはその引っ張り合いの反動によってその形状を変化させながら往復揺動するように表示される。以上がステップT2で表示される態様である。
【0079】
このような表示態様を実現するために、上述で説明したステップU1〜U6,V1〜V4の処理が実行される。特に、ステップU3における他図柄タスクおよび中図柄タスクの実行について説明する。
【0080】
まず、他図柄タスクにおいて図18に示すフローが実行される。
ステップU301(タイマ値の設定又は読取り)
他図柄タスクは、タイマプログラムのタイマ値を設定する。この設定値の大きさによって、上述した中図柄画像52dを往復揺動を一回させる時間を決定する。具体的には、設定値として「159」を設定する。なお、タイマ値の設定が一度行われると以降のこのステップではタイマ値の読み取りのみを行う。
【0081】
ステップU302(タイマ値=所定範囲)
タイマ値が所定範囲である場合には、ステップU303に進みキャラクタ画像42の表示を指示する一方、タイマ値が所定範囲にない場合には、ステップU304に進みキャラクタ画像41の表示を指示する。具体的には、タイマ値が「40」〜「119」の場合にはキャラクタ画像42の表示を指示し、それ以外のタイマ値の場合にはキャラクタ画像41の表示を指示する。
【0082】
ステップU303(通常背景画像を指示)
タスクバッファ領域68bの他図柄タスク内に、画像データROM62内のキャラクタ画像42のアドレスを書き込む。
【0083】
ステップU304(通常背景画像を指示)
タスクバッファ領域68bの他図柄タスク内に、画像データROM62内のキャラクタ画像41のアドレスを書き込む。
【0084】
したがって、「0〜39」および「120〜159」をタイマ値が示している間、すなわち、中図柄画像52dが右から左に移動している間、キャラクタ画像42が表示される。一方、「40〜119」をタイマ値が示している間、すなわち、中図柄画像52dが左から右に移動している間、キャラクタ画像41が表示される。
【0085】
次に、中図柄タスクにおいて、図19に示すフローが実行される。
ステップU311(タイマ値の設定又は読取り)
上述したステップU21で既に設定値が設定されているので、そのタイマ値を読取る。
【0086】
ステップU312(タイマ値=特定値)
タイマ値が予め設定されている特定値でない場合には、現在表示されている中図柄画像52dの表示を指示する。一方、タイマ値が特定値である場合には、中図柄画像52dの次に表示するための図柄画像である中図柄画像52eの表示を指示する。例えば、特定値が「120〜139」に設定されており、このタイマ値における中図柄画像52dは右端部の位置にある。したがって、右端部以外の位置では、中図柄画像52dの表示がそのまま維持される一方で、右端部に来たときには次の別種の図柄画像である中図柄画像52eが表示される。
【0087】
ステップU313(同一の図柄画像を指示)
タスクバッファ領域68bの中図柄タスク内に、中図柄画像52dの画像データが記憶された画像データROM62内のアドレスを書き込む。
【0088】
ステップU314(別種の図柄画像を指示)
タスクバッファ領域68bの中図柄タスク内に、中図柄画像52dの次の別種の図柄画像である中図柄画像52eの画像データが記憶された画像データROM62内のアドレスを書き込む。
【0089】
ステップU315(配置位置を指示)
中図柄画像の配置位置の情報を中図柄タスクに書き込む。具体的には、図23(a),(b)に示すように、中図柄画像を往復揺動させるので、中図柄画像を順番に移動させるための配置位置の情報を、タイマ値に応じて中図柄タスクに書き込む。例えば、この中図柄画像52dの配置位置は、タイマ値に応じた配置位置の値をテーブルを参照して求める。図23に示すように、中図柄画像52dの配置位置をX0,Xi,Xj,Xl,Xkの5つが配置位置であるとすると、タイマ値が「0〜19,80〜99」の場合には「X0」が、タイマ値が「20〜39,60〜79」の場合には「Xi」が、タイマ値が「40〜59」の場合には「Xj」が、タイマ値が「100〜119,140〜159」の場合には「Xl」が、タイマ値が「120〜139」の場合には「Xk」が、それぞれ配置位置の情報として求められる。したがって、図23(a)に示すように、中図柄画像52dは、X0,Xi,Xj,Xi,X0,Xl,Xkの順番に順次配置されることにより、往復揺動するように表示される。また、図23(b)に示すように、中図柄画像52eは、Xk,Xl,X0,Xi,Xj,Xi,X0,Xl,Xkの順番に順次配置されることにより、往復揺動するように表示される。
【0090】
ステップU316(拡大・縮小率を指示)
さらに、中図柄タスク内には図柄画像の拡大・縮小率が書き込まれる。具体的には、配置位置の情報もしくはタイマ値に応じた図柄画像の拡大縮小率を示すテーブルを参照することで、その拡大・縮小率を中図柄タスク内に書き込む。例えば、配置位置の情報が「X0」の場合には、拡大・縮小率が100%で固定されており、図23(a)に示すように、中図柄画像52dが拡大または縮小されることなく配置位置X0にとどまるように表示される。配置位置の情報が「Xi」または「Xl」の場合には、配置位置Xiにおいて中図柄画像52dの横方向の縮小率が50%になり、中図柄画像52dが横幅が潰れたように表示される。さらに、配置位置の情報が「Xj」または「Xk」の場合には横方向の縮小率が25%になり、その横幅が最も押し潰され、図柄画像の種類の識別が困難なように表示される。
【0091】
ステップT3(中図柄画像を置換)
ステップT2で説明した中図柄タスクのステップU312おいて、タイマ値が特定値である場合には、中図柄画像52dの次に表示するための図柄画像である中図柄画像52eのアドレスが中図柄タスクに書き込まれる。これによって、今まで往復揺動していた中図柄画像52dが中図柄画像52eに置き換わるように表示される。例えば、特定値が「120〜139」に設定されている場合、すなわち、中図柄画像の配置位置が右端部である配置位置の情報が「Xk」の場合に、中図柄画像52dのアドレスを中図柄画像52eのアドレスに書き換える。その結果、図23(a),(b)に示すように、往復揺動していた中図柄画像52dが右端部まで移動するとともに、その図柄画像の種類が識別不可能な状態にまで横幅が潰れた後、その横幅が復元されたときには中図柄画像52dが中図柄画像52eに置き換わっている。その中図柄画像52eも同様に往復揺動して、再び右端部に来たときに、次の図柄画像である中図柄画像52fに置き換わる。上述した動作が繰り返されて、リーチの変動が表示される。なお、ステップT3は、本発明における図柄画像置換手段の機能に相当する。
【0092】
ステップT4(ハズレ図柄画像で停止)
ハズレ図柄画像で停止させるためのコマンドを制御基盤10から受け取ると、左,右図柄画像とは異なる種類の中図柄画像のアドレスおよび配置位置Y0の情報を中図柄タスク内に書き込む。したがって、往復揺動されている中図柄画像52dが、キャラクタ画像42のお盆から落下するように下方に移動された後〔図22(c)参照〕、左表示領域31と右表示領域33とに表示される図柄画像の種類とは別種の図柄画像52cが中央表示領域32に表示される。遊技者は、これらの図柄画像の組合せを観察して、ハズレ図柄画像で停止したことを認識する。
【0093】
上述したように、リーチ(特殊変動)に移行してから所定時間の間に、通常変動における通常背景画像50を所定時間表示させているので、通常変動からリーチ(特殊変動)に移行をスムーズにすることができる。また、キャラクタ画像41,42を交互に表示させるとともに、中図柄画像を往復揺動させながらその横幅を変化させているので、躍動感のある表示態様を実現して、遊技者の面白味を永続させることができる。さらに、上述したタスクバッファ領域68bおよびスプライトチェーン領域68cを利用して、図柄画像を表示させているので、表示処理の高速化を図ることができる。
【0094】
なお、上述したパチンコ機では、制御基盤10と、遊技機用画像表示装置6とに各々別回路で構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、制御基盤10側の回路と、遊技機用画像表示装置6側の回路とを一体的に構成することもできる。
【0095】
また、上述した実施例ではパチンコ機を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、スロットマシン、コイン遊技機、アケードゲーム機などの各種の遊技機に利用することができる。また、上述した実施例では、図柄画像についてスプライトチェーン領域68cを適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、キャラクタ画像や背景画像などの各種画像についてスプライトチェーン領域68cを利用することができる。つまり、各種の画像の表示において優先順位を必要する場合にスプライトチェーン領域68cを利用することで、その表示に関連する処理を簡素化することができる。
【0096】
また、本実施例では、液晶モニタについて説明したが、例えば、液晶モニタ66の代わりにCRTモニタや、LEDモニタなどにすることもできる。
【0097】
また、上記実施例の形態とは異なるタイプのパチンコ機等として変形実施することもできる。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待度が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物やCR機と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に所定の領域に遊技球を入賞させることを必要条件として、特定遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン等の各種遊技機として実施することも可能である。なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄画像が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄画像の変動が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄画像からなる図柄列(図柄画像の組合せ)を変動表示した後に確定図柄を表示する図柄表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄画像の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより図柄画像の変動が停止され、その停止時の確定図柄が図柄画像の特定の組合せであることを必要条件として遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となる。
【0098】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、第2の記憶手段に記憶された順番にしたがって、各図柄画像の表示の優先順位の低い画面構成情報から順番に画面構成情報記憶手段に記憶するので、各図柄画像の表示の優先順位にとらわれることなく、各図柄画像に基づく画面構成情報を生成することができる。また、画面構成情報だけを一括して処理するので、特殊変動および通常変動における画像を従来に比べて高速に生成および表示することができる。その結果、躍動感のある図柄画像の変動を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るパチンコ機の概略構成を示す正面図である。
【図2】パチンコ機のブロック図である。
【図3】パチンコ機の制御基盤で行なわれる処理を示すフローチャートである。
【図4】遊技機用画像表示装置の画面を示す概略図である。
【図5】画面に表示される通常背景画像を示す図である。
【図6】画面に表示される図柄画像を示す図である。
【図7】画面に表示される特殊背景画像を示す図である。
【図8】画面に表示されるキャラクタ画像を示す図である。
【図9】通常変動における表示態様を示す図である。
【図10】遊技機用画像表示装置で行われる処理を示すフローチャートである。
【図11】各タスクで行われる処理を示すフローチャートである。
【図12】遊技機用画像表示装置で利用されるメモリマップである。
【図13】タスクバッファ領域の様子を示す図である。
【図14】スプライトチェーン領域の様子を示す図である。
【図15】特殊変動時の表示態様を示すフローチャートである。
【図16】背景タスクでの処理を示すフローチャートである。
【図17】図柄タスクでの処理を示すフローチャートである。
【図18】他図柄タスクでの処理を示すフローチャートである。
【図19】中図柄タスクでの処理を示すフローチャートである。
【図20】初期変動の様子を示す図である。
【図21】中図柄画像が跳び上がった際の様子を示す図である。
【図22】特殊変動の表示態様を示す図である。
【図23】中図柄画像の往復揺動の様子を示す図である。
【符号の説明】
1 … パチンコ機の前枠
2 … 遊技盤
6 … 遊技機用画像表示装置
10 … 制御基盤
31 … 左表示領域
32 … 中央表示領域
33 … 右表示領域
60 … CPU
61 … プログラムROM
62 … 画像データROM
63 … ビデオRAM
64 … VDP
66 … 液晶モニタ
66a… 画面
68 … ワークRAM
68b… タスクバッファ領域
68c… スプライトチェーン領域
Claims (1)
- 複数個の画像を変動させる変動時の画面構成情報を生成する画像制御手段と、前記画面構成情報を記憶する画面構成情報記憶手段と、前記複数個の画像の画像データが記憶された画像データ記憶手段と、前記画面構成情報と前記画像データとに基づいて、前記変動時の画像を生成する画像生成手段と、前記画像を表示する表示手段とを備える遊技機用画像表示装置において、
前記各画像の変動を各々制御する複数個のタスクが記憶されるタスクバッファ領域(第1の記憶手段)と、前記タスクバッファ領域内の各タスクの開始アドレスおよび最終アドレスが、前記各タスクに基づく各画像の表示の優先順位の順番に応じて記憶されるスプライトチェーン領域(第2の記憶手段)とが設けられた作業情報記憶手段を備え、
前記画像制御手段は、前記スプライトチェーン領域に記憶された前記優先順位の低い側から順番に前記各開始アドレスおよび最終アドレスを参照して、前記タスクバッファ領域内の各タスクを実行することで前記各タスクの開始アドレスから最終アドレスまでの間に書き込まれた画像に基づく画面構成情報を画面構成情報記憶手段へ送り、
前記表示手段に往復揺動して表示される画像が所定端部まで移動するとともに、その画像が変形した後、それが復元されたときにはその画像を違う画像に置き換える図柄画像置換手段を備えていることを特徴とする遊技機用画像表示装置。
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