以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
本体104は、外枠102の内部に備えられ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。
前面枠扉106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。なお、この前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124を区画形成する。
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤200の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。なお、この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の表側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源管理部660を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部300に出力するRWMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインタフェース部186を配設している。
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。
遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。この演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、表示領域を左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ218および第2特図保留ランプ220は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ222は、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、この演出装置206の周囲には、一般入賞口226と、普図始動口228と、第1特図始動口230と、第2特図始動口232と、可変入賞口234を配設している。
一般入賞口226は、本実施形態では遊技盤200に複数配設しており、この一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤200の左側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口230は、本実施形態では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施形態では第1特図始動口230の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口232は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口234は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施形態では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口234は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置212、214が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
このパチンコ機100は、遊技者が上皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
<演出装置206>
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。
この演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。
ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。
ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技盤200の釘などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が第1特図始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
演出可動体224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部224aと前腕部224bとからなり、肩の位置に上腕部224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置208の前方を移動する。
遮蔽装置246は、格子状の左扉246aおよび右扉246bを備えており、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設されている。遮蔽装置246は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態では、それぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。
左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔部分が後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能な透過領域247となっている。なお、本実施形態では、格子の孔部分を半透明の部材で塞いでおり、透過領域247を介して後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしているが、格子の孔部分を透明な部材で塞ぎ、透過領域247を介して後方の装飾図柄表示装置208を明瞭に視認可能にしてもよい。また、左扉246aおよび右扉246bを格子状に構成するのではなく、全体を半透明な部材から構成するようにしてもよい。
図4(a)および(b)は、遮蔽装置246の構成を示した図である。なお、同図(a)は左扉246aおよび右扉246bがそれぞれ全開位置にある状態の遮蔽装置246の正面図であり、同図(b)は左扉246aおよび右扉246bがそれぞれ全閉位置にある状態の遮蔽装置246の正面図である。
これらの図に示されるように、遮蔽装置246は、左扉246aと、右扉246bと、フレーム246cを有して構成されている。フレーム246cは、中央に開口部246c1を有すると共に、上下一対のガイドレール246c2、246c3を左右に2組備えている。左扉246aおよび右扉246bは、このガイドレール246c2、246c3に上端および下端を案内されて、水平方向に移動する。装飾図柄表示装置208は、フレーム246cの開口部246c1の後方(奥側)に配設される。従って、遮蔽装置246は装飾図柄表示装置208の左右側面に配置される一対の扉型に構成されており、装飾図柄表示装置208の表示は、この開口部246c1を通して視認されることとなる。
また、フレーム246cの上部には、一対のプーリ246c4およびこれらに巻き回された無端ベルト246c5が、左右に2組配設されている。そして2組の一対のプーリ246c4の一方はそれぞれ図示しないステッピングモータに接続され、2つの無端ベルト246c5は左扉246aおよび右扉246bの上部にそれぞれ接続されている。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、ステッピングモータに駆動されて走行する無端ベルト246c5と共に、水平方向に移動するようになっている。
左扉246aおよび右扉246bは、このようにステッピングモータに駆動されて、開口部246c1を解放する全開位置と、開口部の中央で左扉246aの左端246a1および右扉246bの右端246b1が略当接して開口部246c1を遮蔽する全閉位置の間をそれぞれ移動する。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、装飾図柄表示装置208を解放する全開位置と、装飾図柄表示装置208を遮蔽する全閉位置との間を移動すると共に、全開位置と全閉位置の間の任意の位置で停止することが可能となっている。
さらに、フレーム246cの上部には、左扉246aを駆動する一対のプーリ246c4の間にシャッタセンサ(左扉1)246d1およびシャッタセンサ(左扉2)246d2が配設され、右扉246bを駆動する一対のプーリ246c4の間にシャッタセンサ(右扉1)246d3およびシャッタセンサ(右扉2)246d4が配設されている。これらのシャッタセンサ246d1〜246d4は、左扉246aおよび右扉246bが全開位置または全閉位置にあることを検出するためのものである。具体的には、シャッタセンサ(左扉1)246d1は左扉246aが全開位置にあることを検出し、シャッタセンサ(左扉2)246d2は左扉246aが全閉位置にあることを検出する。そして、シャッタセンサ(右扉1)246d3は右扉246bが全開位置にあることを検出し、シャッタセンサ(右扉2)246d4は右扉246bが全閉位置にあることを検出する。
なお、本実施形態では、左扉246aおよび右扉246bの位置を、それぞれの内側端部246a1、246b1を基準として装飾図柄表示装置208の表示領域のx座標で表すようにしている。装飾図柄表示装置208のx座標は、同図に示されるように、左端が座標0、右端が座標784であり、中央が座標392となっている。従って、左扉246aは、全開位置では座標0に位置し、全閉位置では座標392に位置することとなる。また、右扉246bは、全開位置では座標784に位置し、全閉位置では座標392に位置することとなる。これにより、左扉246aは、座標0と座標392の間を移動し、右扉246bは、座標784と座標392の間を移動するようになっている。
<制御部>
次に、図5を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部660と、によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発振器316が出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ218、第2特図保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、第2特図始動口232や可変入賞口234等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
なお、第1特図始動口230に球が入賞したことを球検出センサ320が検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路318に出力する。この信号を受信したカウンタ回路318は、第1特図始動口230に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路318は、第2特図始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口232に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300には、電源管理部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。
第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418(例えば、チャンスボタンランプ138)の制御を行うための駆動回路420と、遮蔽装置246の駆動制御を行うための駆動回路432と、遮蔽装置246の現在位置を検出する遮蔽装置センサ430と、チャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、遮蔽装置センサ430やチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、CPU404からの信号に基づいてROM406に記憶された画像データ等を読み出してVRAM436のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP434(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)と、を接続している。
VRAM436のワークエリアには、2つの表示領域Aおよび表示領域B(フレームバッファ)と、その他の記憶領域が設けられている。表示領域Aと表示領域Bは、共に装飾図柄表示装置208に表示させる画像の画像データ(対応する画像を構成する各画素の色情報の集合)を一時的に記憶するための記憶領域であるが、いずれか一方を描画領域に指定することができ、描画領域に指定されていない表示領域の画像データを装飾図柄表示装置208に画像として表示させているときに、描画領域に指定された表示領域に画像データを展開(記憶)することが可能な構成となっている。このような構成により、表示領域Aと表示領域Bとの間で描画領域の指定を切り替える(スワップする)ことによって、装飾図柄表示装置208に表示させる画像を容易に切り替えることができる。また、その他の記憶領域には、画像の色情報を記憶するカラーパレット記憶領域や、使用頻度の高い画像データの情報などが記憶される。
次に、パチンコ機100の第2副制御部500について説明する。
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506が設けられている。
また、基本回路502には、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路516と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、演出可動体センサ424からの検出信号を基本回路502に出力するセンサ回路518と、遊技盤用ランプ532の制御を行うための遊技盤用ランプ駆動回路530と、遊技台枠用ランプ542の制御を行うための遊技台枠用ランプ駆動回路540と、遊技盤用ランプ駆動回路530と遊技台枠用ランプ駆動回路540との間でシリアル通信による点灯制御を行うシリアル通信制御回路520と、を接続している。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源管理部660について説明する。
払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
電源管理部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部や払出装置152等の各装置に供給する。さらに、電源管理部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源管理部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第2副制御部500と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
<図柄の種類>
次に、図6(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の第1特別図柄表示装置212、第2特別図柄表示装置214、装飾図柄表示装置208、普通図柄表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。図6(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。
第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が本発明にいう図柄の変動表示の一例に相当する。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間(本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間(これも本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが本発明にいう図柄変動停止表示の一例に相当し、以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称する。後述するように、図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。図6(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」までの10種類の特図が示されている。同図においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当たり図柄であり、「特図B」は15R大当たり図柄である。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当たり遊技終了後および15R大当たり遊技終了後はいずれも時短状態に移行する。時短については詳しくは後述するが、時短状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、時短状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当たり図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当たり図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に付与する利益量が相対的に大きな利益量になる図柄である。
「特図C」は突然確変と称される2R大当たり図柄であり、特図高確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図A」と比べて、「特図C」は2Rである点が異なる。「特図D」は突然時短と称される2R大当たり図柄であり、特図低確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図B」と比べて、「特図D」は2Rである点が異なる。
「特図E」は隠れ確変と称される2R大当たり図柄であり、特図高確率普図低確率状態である。「特図F」は突然通常と称される2R大当たり図柄であり、特図低確率普図低確率状態である。これら「特図E」および「特図F」はいずれも、2Rであるとともに、時短状態に移行しない状態である。
「特図G」は第1小当たり図柄であり、「特図H」は第2小当たり図柄であり、何れも特図低確率普図低確率状態である。ここにいう小当たりは、2R時短無し大当たりと同じものに相当する。すなわち、この「特図G」、「特図H」は「特図F」と同じ状態であるが、両者では装飾図柄表示装置208に表示される演出が異なり、あえて、同じ状態でも「特図G」、「特図H」と「特図F」を設けておくことで、遊技の興趣を高めている。
また、「特図I」は第1はずれ図柄であり、「特図J」は第2はずれ図柄であり、遊技者に付与する利益量が相対的に小さな利益量になる図柄である。
なお、本実施形態のパチンコ機100には、15R特別大当たり図柄として「特図A」以外の図柄も用意されており、15R大当たり図柄等の他の図柄についても同様である。
図6(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第2特図始動口232に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、「特図B」の15R大当たりを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに15R大当たりに対応する、同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾2−装飾2−装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当たりを報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)を停止表示する。
また、「特図E」の隠れ確変と称される2R大当たり、「特図F」の突然通常と称される2R大当たり、あるいは「特図G」の第1小当たり、「特図H」の第2小当たりを報知する場合には、「装飾1−装飾2−装飾3」を停止表示する。さらに、「特図C」の突然確変と称される2R大当たり、あるいは「特図D」の突然時短と称される2R大当たりを報知する場合には、「装飾1−装飾3−装飾5」を停止表示する。
一方、「特図I」の第1はずれ、「特図J」の第2はずれを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに図6(b)に示す図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示する。
図6(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図A」と、外れ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを上述のゲートセンサが検出したことに基づいて、普通図柄表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図B」を停止表示する。同図においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
<主制御部メイン処理>
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図7に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップSA01では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT313への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT313に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップSA03では、WDT313のカウンタの値をクリアし、WDT313による時間計測を再始動する。
ステップSA05では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源管理部660から主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップSA03に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップSA07に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップSA03に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップSA05は繰り返し実行される。
ステップSA07では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップSA09では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップSA13)に進む。
具体的には、最初に、電源基板に設けたRWMクリアスイッチ180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップSA13に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップSA13に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップSA11に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップSA13に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップSA13に進む。
ステップSA11では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップSA15、ステップSA17内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図5に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップSA11では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップSB33において、第1副制御部400へ送信される。
ステップSA13では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップSA13)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップSB33において、第1副制御部400へ送信される。
ステップSA15では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、および特図タイマ乱数値それぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。また、この基本乱数初期値更新処理の終了後に割込許可の設定を行ってステップSA17に進む。
ステップSA17では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。主制御部300のRAM308には、0から127の範囲の値を取り得る第1特図予告抽選乱数値を生成する第1特図予告抽選乱数カウンタ、および同じく0から127の範囲の値を取り得る第2特図予告抽選乱数値を生成する第2特図予告抽選乱数カウンタが設けられている。このステップSA17では、これらのカウンタそれぞれの値を更新する。
主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、ステップSA15およびステップSA17の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図8を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップSB01では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップSB03では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップSB05では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、上述の前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ等、また各種の球検出センサを含む各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップSB05では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップSB05では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図5に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップSB05では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、第1特図始動口230、および第2特図始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口234、230やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
ステップSB07およびステップSB09では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップSA15で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する、普図当選乱数値、特図1乱数値、および特図2乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。また、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。なお、本実施形態では特図1の乱数値を取得するためのカウンタと特図2の乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けたが、同一のカウンタを用いてもよい。
ステップSB11では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。ここでは上記ステップSA17で行った演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。したがって、特図1予告抽選乱数カウンタおよび特図2予告抽選乱数カウンタそれぞれの値は、このステップSB11で更新される。
ステップSB13では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特別図柄表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップSB15では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口234、230や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップSB17では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1、第2特図始動口230、232に入賞があり、且つ、保留している特図変動遊技の数が4未満である場合には、入賞した始動口に対応するカウンタ回路318のカウンタ値記憶用レジスタから値を特図当選乱数値として取得する。また、上述の特図乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図乱数値として取得し、RAM308に設けた乱数値記憶領域に特図当選乱数値と共に記憶する。
ステップSB19では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップSB21では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当たり図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、外れ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は、当り図柄(図6(c)に示す普図A)および外れ図柄(図6(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口232の羽根部材の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド332に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果が外れであれば、後述するように、普図外れフラグがオンされる。この普図外れフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップSB23に移行するようにしている。
ステップSB23では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置112に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップSB25)。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。
また、主制御部300のRAM308には、15R大当りフラグ、2R大当たりフラグ、第1小当たりフラグ、第2小当たりフラグ、第1はずれフラグ、第2はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には図6(a)に示す特図A、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図B、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には特図C、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図D、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオンの場合には特図E、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグもオフの場合には特図F、第1小当たりフラグがオンの場合には特図G、第2小当たりフラグがオンの場合には特図H、第1はずれフラグがオンの場合には特図I、第2はずれフラグがオンの場合には特図Jそれぞれの態様となるように、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は、15R特別大当たり図柄(特図A)、15R大当たり図柄(特図B)、突然確変図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当たり図柄(特図G)、第2小当たり図柄(特図H)、第1はずれ図柄(特図I)、および第1はずれ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフする。
また、コマンド設定送信処理(ステップSB33)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に4Hを送信情報(一般情報)として追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップSB33)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に5Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで。)可変入賞口234の扉部材の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップSB33)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に7Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップSB33)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に8Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施形態では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当たり遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた時短回数記憶部に時短回数100回をセットするともに、RAM308に設けられた時短フラグをオンする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、時短回数記憶部に時短回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンすることもない。ここにいう時短とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機が遊技者にとって有利な状態になることをいう。この時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に大当りすると、変動時間が短くなる可能性が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、第2特別始動口232の一対の羽根部材の1回の開放における開放時間が長くなりやすい。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、一対の羽根部材は多く開きやすい。また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当たり遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当たり遊技中に普図高確率状態であると、大当たり遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図始動口232に多くの遊技球が入球し、大当たり中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップSB33)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に6Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果が外れであれば、後述するように、はずれフラグがオンされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次のステップSB27に移行するようにしている。
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップSB27)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
ステップSB25およびステップSB27における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(ステップSB29)、その後で、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(ステップSB31)。これらの特図関連抽選処理についても、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、装飾図柄表示装置208による、特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。
ここでは、ステップSB17で乱数値記憶領域に記憶した特図当選乱数値が、大当たり判定テーブルの特図始動口用抽選データの数値範囲であるか否かを判定し、特図当選乱数値が特図始動口用抽選データの数値範囲である場合には、特図変動遊技の当選と判定してRAM308に設けた大当たりフラグの格納領域に大当たりとなることを示す情報を設定する(ここで、大当たりの情報をRAM308に設定することは、大当たりフラグをオンに設定するという)。一方、特図当選乱数値が第1特図始動口用抽選データの数値範囲以外である場合には、特図変動遊技の外れと判定してRAM308に設けた大当たりフラグの格納領域に外れとなることを示す情報を設定する(ここで、外れの情報をRAM308に設定することは、大当たりフラグをオフに設定するという)。
ステップSB33では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、FRAMクリアコマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口230への入賞の有無、第2特図始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ423・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。また、このステップSB33では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(事前予告情報、偽事前予告情報、または事前予告無情報のいずれか)を設定する。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップSB35では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
ステップSB37では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップSB05において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド332を駆動して第2特図始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、表示回路324、326、330を介して普通図柄表示装置210、第1特別図柄表示装置212、第2特別図柄表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップSB19)で設定した出力予定情報を出力ポート(I/O310)を介して第1副制御部400に出力する。
ステップSB39では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップSB43に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップSB41に進む。
ステップSB41では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップSB01で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、図7に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップSB43では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図7に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部400の処理>
次に、図9を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第1副制御部400の画像制御処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップSC01では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップSC01で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。また、ROM406に記憶した画像カラーパレットデータや画像データのうち、頻繁に使用するものをVRAM436に転送する処理を行う。具体的には、ROM406に記憶された画像データ等をVRAM436に転送すべく、VDP434に対してVRAM転送要求を行う。
ステップSC03では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップSC05の処理に移行する。
ステップSC05では、タイマ変数に0を代入する。ステップSC07では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。ステップSC09では、演出制御処理を行う。例えば、ステップSC07で、特図2関連抽選処理(主制御部タイマ割込処理のステップSB29)の抽選結果を示す新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップSC11では、チャンスボタンの押下を検出していた場合、ステップSC09で更新した演出データをチャンスボタンの押下に応じた演出データに変更する処理を行う。ステップSC13では、同図(d)に示す画像制御処理(詳細は後述)を行う。
ステップSC15では、ステップSC09で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。ステップSC17では、ステップSC09で読み出した演出データの中に各種ランプ418への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
ステップSC19では、ステップSC09で読み出した演出データの中に遮蔽装置246への命令がある場合には、この命令を駆動回路426に出力する。ステップSC21では、ステップSC09で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップSC03へ戻る。
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップSD01では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第1副制御部タイマ割込処理のステップSE01では、図9(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップSC03において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップSC03において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップSE03では、ステップSC21で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、同図(d)を用いて、第1副制御部400のメイン処理におけるステップSC13の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
ステップSF01では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU404は、まず、VRAM436の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置208に表示される。次に、CPU404は、VDP434のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM406の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM436の転送先アドレス)などを設定した後、ROM406からVRAM436への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP434は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM406からVRAM436に転送する。その後、VDP434は、転送終了割込信号をCPU404に対して出力する。
ステップSF03では、VDP434からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップSF05に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップSF05では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU404は、ステップSF01でVRAM436に転送した画像データに基づいてVRAM436の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434に指示する。VDP434はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップSF07では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU404は、VDP434に画像の描画開始を指示する。VDP434は、CPU404の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップSF09では、画像の描画終了に基づくVDP434からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップSF11に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップSF11では、RAM408の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<第2副制御部500の処理>
次に、図10を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップSG01では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずSG01で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップSG03では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップSG05の処理に移行する。
ステップSG05では、タイマ変数に0を代入する。ステップSG07では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップSG09では、演出制御処理を行う。例えば、SG07で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップSG11では、第1副制御部400からの遊技盤用ランプ532や遊技台枠用ランプ542への命令がある場合には、この命令をシリアル通信制御回路520に出力する。
ステップSG13では、第1副制御部400からの演出可動体224への命令がある場合には、この命令を駆動回路516に出力し、SG03に戻る。
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップSH01では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第2副制御部タイマ割込処理のステップSI01では、図10(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップSG03において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップSG03において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。第2副制御部タイマ割込処理のステップSI03では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<装飾図柄表示装置による表示>
次に、図11〜21を用いて、装飾図柄表示装置208による表示について説明する。まず、図11は、装飾図柄表示装置208による表示の概要を示した概略図である。
同図(a)に示されるように、装飾図柄表示装置208の表示領域には、装飾図柄やキャラクタ等の画像を組み合わせて構成される通常の演出画像700が表示される。そして、同図(b)および(c)に示されるように、遮蔽装置246の左扉246aまたは右扉246bが移動し、装飾図柄表示装置208の表示領域の少なくとも一部が遮蔽される場合には、表示領域を遮蔽する左扉246aまたは右扉246bの背後の領域に、背後画像710を表示するようにしている。
上述のように、左扉246aまたは右扉246bには半透明の透過領域247が設けられており、この透過領域247を介して(通して)後方(背後)の装飾図柄表示装置208の表示の少なくとも一部を視認可能となっている。このため、本実施形態では、この透過領域247に対応する画像、すなわち透過領域247を通して視認させる画像である背後画像710を、表示領域を遮蔽している左扉246aまたは右扉246bの背後の領域に表示するようにしている。
例えば、通常の演出画像700をそのまま左扉246aまたは右扉246bで遮蔽した場合には、これらの画像が透過領域247を通してぼんやりと視認されることとなるため、非常に見栄えが悪くなってしまう場合がある。このような場合、本実施形態では、装飾図柄表示装置208を遮蔽している左扉246aまたは右扉246bの背後に、白色等の均一な色彩からなる背後画像710を、通常の演出画像700の上(手前側)から重ねて配置(表示)し、透過領域247を通して通常の演出画像が視認されないようにしている。
また、本実施形態では、あえて左扉246aまたは右扉246bの透過領域247を通して、遊技者に各種画像を視認させるという演出を行う場合がある。このように、装飾図柄表示装置208の表示を直接遊技者に視認させるのではなく、あえて透過領域247を通して視認させることで、各種画像やメッセージ等の表示に変化を持たせ、演出を多彩に行うことができる。従って、このような演出を行う場合には、装飾図柄表示装置208を遮蔽している左扉246aまたは右扉246bの背後に、透過領域247を通して視認されることを考慮して構成された絵柄(図形、記号、文字等)を含む背後画像710を表示するようにしている。
図12は、左扉246aまたは右扉246bの移動中における装飾図柄表示装置208の表示を示した概略図である。なお、同図では、右扉246bが全開位置から全閉位置に移動する場合を一例として示している。
左扉246aまたは右扉246bの移動中には、左扉246aまたは右扉246bの背後の領域、すなわち左扉246aまたは右扉246bに遮蔽される領域の面積が徐々に変化することとなる。このため、背後画像710のサイズは、移動中の左扉246aまたは右扉246bの背後の領域の変化に応じて変化させる必要がある。そこで、本実施形態では、背後画像710を複数種類の画像から構成し、この複数種類の画像を、移動中の左扉246aまたは右扉246bの背後の領域の変化に応じて、順番に表示するようにしている。
すなわち、本実施形態では、背後画像710を、例えば横幅の異なる5枚の画像A〜Eから構成し、横幅の狭いものから順番に表示するようにしている。同図に示す例では、画像Aが最も横幅が狭く、画像B、画像C、画像D、画像Eの順に横幅が広くなっている。従って、同図に示されるように、本実施形態では、右扉246bが全開位置から移動を開始した後、まず、右扉246bの遮蔽領域の横幅が画像Aの横幅以上になったタイミング、換言すれば右扉246bの移動量が画像Aの横幅以上になったタイミングで、右扉246bの背後の表示領域に画像Aを表示する。そして、右扉246bの遮蔽領域の横幅が画像Bの横幅以上になったタイミングで画像Aに換えて画像Bを表示し、右扉246bの遮蔽領域の横幅が画像Cの横幅以上になったタイミングで画像Bに換えて画像Cを表示し、右扉246bの遮蔽領域の横幅が画像Dの横幅以上になったタイミングで画像Cに換えて画像Dを表示し、最後に右扉246bが全閉位置に到達したタイミングで画像Dに換えて画像Eを表示する。
図13(a)は背後画像710を表示する場合の演出データの一例を示した図であり、
同図(b)は装飾図柄表示装置208の座標設定を示した図である。
第1副制御部400のCPU404は、第1副制御部メイン処理の演出制御処理(ステップSC09)において、例えば主制御部300による抽選結果を示すコマンドに基づいて演出Aを実行することを選択した場合、演出Aに対応する演出データをROM406から読み出す。この演出データには、同図(a)に示されるように、例えば、右扉246bの移動時間および移動距離、ならびに背後画像710を構成する画像A〜Eの表示フレームおよび表示位置等が設定されている。なお、演出データには、この他にも通常の演出画像700の表示フレームおよび表示位置等が設定されているが、ここでは図示および説明を省略する。
同図(a)に示す演出Aの演出データの例では、遮蔽装置246について、右扉246bを0〜0.4ms(ミリ秒)の間に座標784から座標392まで、すなわち全開位置から全閉位置まで移動させる旨が設定されている。また、装飾図柄表示装置208について、背後画像710を構成する画像Aをフレーム1〜30の間(0〜0.1msの間)に所定の座標に表示し、画像Bをフレーム31〜60の間(0.1〜0.2msの間)に所定の座標に表示し、画像Cをフレーム61〜90の間(0.2〜0.3msの間)に所定の座標に表示し、画像Dをフレーム91〜120の間(0.3〜0.4msの間)に所定の座標に表示し、画像Eをフレーム120以降(0.4ms以降)に所定の座標に表示する旨が設定されている。
ここで、装飾図柄表示装置208の表示領域の(x,y)座標は、同図(b)に示されるように、左下端の座標を(0,0)、左上端の座標を(0,490)、右下端の座標を(784,0)、右上端の座標を(784,490)として設定されている。従って、下端中央の座標は(392,0)、上端中央の座標は、(392,490)となる。
そして、本実施形態では、背後画像710の表示位置を、同図(b)に示す4隅の各点a、b、c、dの座標で特定するようにしている。例えば、同図(a)に示す演出データの例では、画像Aの表示位置を、点aの座標が(706,490)、点bの座標が(784,490)、点cの座標が(784,0)、点dの座標が(706,0)として特定している。
第1副制御部400のCPU404は、第1副制御部メイン処理の画像制御処理(ステップSC13)において、この演出データに基づき、通常の演出画像700と共に背後画像710を描画するようにVDP434に指示する。具体的には、CPU404は、通常の演出画像700の描画と共に、背後画像710を構成する画像A〜Eを所定のフレームにおいて所定の座標に描画するようにVDP434に指示する。VDP434は、CPU404の指示に基づいて装飾図柄表示装置208に表示する画像を描画(生成)し、装飾図柄表示装置208に表示する。また、CPU404は、第1副制御部メイン処理のシャッタ制御処理(ステップSC19)において、この演出データに基づき、遮蔽装置246の右扉246bを所定の移動時間に所定の移動量だけ移動するように制御する。以上の処理により、図12に示されるように、装飾図柄表示装置208の表示と遮蔽装置246の右扉246bを連動させた演出が実行される。
本実施形態では、このようにして、複数種類の画像A〜Eを横幅の狭い順に置き換えることにより、移動中の左扉246aまたは右扉246bの背後の領域に背後画像710を表示するため、左扉246aまたは右扉246bに遮蔽される領域の横幅の拡大に対し、背後画像710の横幅の拡大が常に遅れるようになっている。従って、左扉246aまたは右扉246bの重量等のバラツキによって左扉246aまたは右扉246bの移動量に個体差が生じた場合にも、左扉246aまたは右扉246bに対する背後画像710の表示位置のズレが目立ち難く、遊技者に違和感を与えないようになっている。
なお、上述の例とは逆に、左扉246aまたは右扉246bに遮蔽される領域の横幅の拡大に対し、背後画像710の横幅の拡大が常に先行するようにしてもよい。すなわち、背後画像710を構成する画像A〜Eの表示を、左扉246aまたは右扉246bの端部から若干はみ出した状態で開始するようにしてもよい。
図14は、左扉246aまたは右扉246bに遮蔽される領域の横幅の拡大に対し、背後画像710の横幅の拡大が常に先行する例を示した概略図である。
この例では、同図に示されるように、右扉246bが全開位置から移動を開始した後、まず、右扉246bの遮蔽領域の横幅が画像Aの横幅より所定の幅だけ短い幅になったタイミングで、右扉246bの背後の表示領域に画像Aを表示する。そして、右扉246bの遮蔽領域の横幅が画像Bの横幅より所定の幅だけ短い幅になったタイミングで画像Aに代えて画像Bを表示し、以下同様に、画像C、D、Eを表示していく。
このようにすることで、各画像A〜Eを表示する(以前の画像と置き換える)直前に通常の演出画像700が左扉246aまたは右扉246bの背後へはみ出す量を減らすことができるため、条件によっては画像のズレにより遊技者に与える違和感を少なくすることができる場合がある。
従って、左扉246aまたは右扉246bに遮蔽される領域の横幅の拡大に対し、背後画像710の横幅の拡大を遅らせるか、先行させるかは、通常の演出画像700および背後画像710の組合せや、左扉246aおよび右扉246bの移動態様等の各種条件に応じて適宜に決定すればよい。
<スライド移動表示および戻しスライド移動表示>
次に、図15を用いて、通常の演出画像700の表示位置を左扉246aまたは右扉246bの移動に合わせて変化させるスライド移動表示および戻しスライド移動表示について説明する。なお、同図は、スライド移動表示の例を示した概略図であり、右扉246bが全開位置から全閉位置に移動する場合を一例として示している。
図12に示す例では、右扉246bの移動前に表示していた通常の演出画像700の表示位置(表示座標)を、右扉246bの移動中に変更しない例を示したが、スライド移動表示および戻しスライド移動表示では、通常の演出画像700の表示位置(表示座標)を左扉246aまたは右扉246bの移動に合わせて変化させる。
まず、スライド移動表示では、図15に示されるように、右扉246bの移動に伴い、背後画像710が表示される領域が増える(例えば、画像A→画像Bと変化する)にしたがって、通常の演出画像(背景画像)700の表示位置を、右扉246bの移動を避ける方向(図の左方向)に変化させる。
具体的には、第1副制御部400のCPU404は、第1副制御部メイン処理の画像制御処理(ステップSC13)において、演出データに基づき、所定のフレームにおいて背後画像710を構成する画像Aを所定の座標に描画する際に、それまで表示していた通常の演出画像700の表示位置を右扉246bの移動を避ける方向(図の左方向)に変化させるようにVDP434に指示する。
そして、所定のフレームにおいて画像Aに換えて画像Bを所定の座標に描画する際に、通常の演出画像700の表示位置を右扉246bの移動を避ける方向にさらに変化させるようにVDP434に指示し、以下同様に、画像Bに代えて画像Cを描画する際、画像Cに代えて画像Dを描画する際、および画像Dに代えて画像Eを描画する際にも、通常の演出画像700の表示位置を右扉246bの移動を避ける方向に変化させるようにVDP434に指示する。
これにより、通常の演出画像700は、右扉246bの全開位置から全閉位置への移動に応じて、表示位置が右扉246bの移動を避けるようにして図の左方向に変化することとなる。なお、通常の演出画像700の表示位置の変化により装飾図柄表示装置208の表示領域からはみ出す部分(図15において点線で示す部分)は、装飾図柄表示装置208に表示されないこととなる。
次に、戻しスライド移動表示では、スライド移動表示を行った後に、移動させた左扉246aまたは右扉246bを逆方向に移動させて元の位置に戻すような場合に、通常の演出画像700の表示位置を、右扉246bの戻り移動に追従する方向に変化させる。例えば、図15に示す例では、通常の演出画像700のスライド移動表示と共に右扉246bの全開位置から全閉位置へ移動させた後、右扉246bを全閉位置から全開位置に戻す際に、戻しスライド移動表示を行う。すなわち、右扉246bの移動に伴い、背後画像710が表示される領域が減る(例えば、画像B→画像Aと変化する)にしたがって、通常の演出画像(背景画像)700の表示位置を、右扉246bの移動に追従する方向(図の右方向)に変化させる。
具体的には、第1副制御部400のCPU404は、第1副制御部メイン処理の画像制御処理(ステップSC13)において、演出データに基づき、背後画像710を構成する画像Eに代えて画像Dを所定の座標に描画する際、画像Dに代えて画像Cを描画する際、画像Cに代えて画像Bを描画する際、画像Bに代えて画像Aを描画する際、および画像Aを消去する際に、通常の演出画像700の表示位置を右扉246bの移動に追従する方向に変化させるようにVDP434に指示する。
これにより、通常の演出画像700は、右扉246bの全閉位置から全開位置への移動に応じて、スライド移動表示によって変化した表示位置から当初の表示位置に戻ることとなる。
このように、通常の演出画像700の表示位置を左扉246aまたは右扉246bの移動に合わせて変化させることにより、例えば左扉246aまたは右扉246bの移動と共に表示画像の視点を変化させることが可能となり、装飾図柄表示装置208と遮蔽装置246を連動させた演出をより多彩にすることができる。本実施形態では、複数種類の画像から構成される背後画像710を左扉246aまたは右扉246bの背後の領域に表示するため、これを反映させたスライド移動表示および戻しスライド移動表示を行うことが可能となっている。
<その他の態様の背後画像>
次に、図16〜19を用いて、その他の態様の背後画像について説明する。
まず、図16(a)は、背後画像710を構成する画像A〜Eがそれぞれ異なる絵柄を含む場合の例を示した概略図である。このように、背後画像710を構成する画像A〜Eをそれぞれ異なる絵柄を含むように構成することで、左扉246aまたは右扉246bの透過領域247を通して連続的に変化する絵柄を遊技者に視認させるという興趣ある表現が可能となる。
本実施形態では、1種類の背後画像710を加工により変化させて表示するのではなく、予めROM406に記憶した複数種類の画像A〜Eを順番に置き換えて表示するため、透過領域247を通して連続的に変化する絵柄を遊技者に視認させる場合に、遊技者に違和感を与えないようにすることができる。
例えば、図17は、透過領域247を通して遊技者に視認させる背後画像710を左扉246aまたは右扉246bの背後の領域に表示する場合の従来例を示した概略図である。従来は、1種類の背後画像710を用意しておき、同図に示されるように、これを左扉246aまたは右扉246bの移動に合わせて伸長させて表示していた。このため、背後画像710に透過領域247を通して視認させる絵柄(同図に示す「BB」等)が含まれている場合、これらの絵柄が不自然に伸長されてしまうことから、遊技者が違和感を持ったり、これらの絵柄を識別できなかったりする場合があった。
これに対し、本実施形態では、複数種類の画像A〜Eを順番に置き換えて表示するため、透過領域247を通して視認させる絵柄を、遊技者が違和感を持つことなく識別可能な態様で表示することが可能となっている。
図16(b)は、左扉246aまたは右扉246bによって遮蔽された領域の一部にのみ表示する背後画像710を構成する画像A〜Eの例を示した概略図である。この例では、画像A〜Dは、主人公キャラクタの絵柄を含む非透明な非透明部710aと、非透明部710aの上下に配置した透明な透明部710bとから構成されている。従って、非透明部710aのみが装飾図柄表示装置208に表示されることとなるため、左扉246aまたは右扉246bによって遮蔽された領域の一部にのみ背後画像710が表示されることになる。
このように、左扉246aまたは右扉246bによって遮蔽された領域の全部ではなく、一部に背後画像710を表示することにより、例えば図16(b)に示すように、主人公キャラクタの画像が上下方向に徐々に拡大されながら左扉246aまたは右扉246bの背後に出現する様子を、透過領域247を通して遊技者に視認させるといった斬新な演出を行うことが可能となる。
図18は、背後画像710を構成する画像A〜Eを矩形以外の形状とした場合を示した概略図である。背後画像710を構成する画像A〜Eの形状は、矩形に限定されるものではなく、その他の形状であってもよい。同図に示す例では、背後画像710を構成する画像A〜Eを、図16(b)に示した例と同様に、中央の非透明部710aと、非透明部710aの周囲の透明部710bとから構成し、非透明部710aを矩形以外の形状とすることで、左扉246aまたは右扉246bによって遮蔽された領域に矩形以外の形状の背後画像710を表示するようにしている。
この場合、背後画像710を構成する各画像A〜Eの非透明部710aを互いに相似形にしてもよいし、各画像A〜Eの非透明部710aをそれぞれ異なる形状とし、背後画像710の形状が徐々に変化するようにしてもよい。
このように、左扉246aまたは右扉246bによって遮蔽された領域に表示される背後画像710の形状を様々な形状にすることで、背後画像710を使用した演出をより多彩にすることができる。
図19は、背後画像710を構成する画像A〜Eを順番に追加表示する場合の例を示した概略図である。上述の例では、左扉246aまたは右扉246bの移動に応じて、画像A〜Eを順番に置き換えて表示する場合を示したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、左扉246aまたは右扉246bの移動に応じて、画像A〜Eを順番に追加表示するようにしてもよい。
同図では、右扉246bが全開位置から全閉位置に移動する場合を示しており、この例では、右扉246bが全開位置から移動を開始した後、まず、右扉246bの遮蔽領域の横幅が画像Aの横幅以上になったタイミングで、右扉246bの背後の表示領域に画像Aを表示する。そして、右扉246bが所定量だけ移動し、右扉246bの遮蔽領域のうちの画像A以外の部分の横幅が画像Bの横幅以上になったタイミングで、画像Aの隣に画像Bを追加表示し、以下同様に、画像C、D、Eを追加表示していく。
具体的には、第1副制御部400のCPU404は、第1副制御部メイン処理の画像制御処理(ステップSC13)において、演出データに基づき、所定のフレームにおいて、通常の演出画像700と共に背後画像710を構成する画像A〜Eを所定の座標に追加して描画するようにVDP434に指示する。
このように、背後画像710を構成する画像A〜Eを追加表示するようにした場合、各画像A〜Eのサイズを小さくすることができるため、ROM406の容量を削減することが可能となる。なお、図14に示した例と同様に、追加する画像A〜Eの表示を、左扉246aまたは右扉246bの端部から若干はみ出した状態で開始するようにしてもよい。
<左扉および右扉が装飾図柄表示装置の手前側を横切る場合>
次に、図20および21を用いて、左扉246aおよび右扉246bが全閉位置を超えて移動可能に構成され、左扉246aおよび右扉246bが装飾図柄表示装置208の手前側を横切ることが可能な場合について説明する。
図20は、左扉246aまたは右扉246bが装飾図柄表示装置208の手前側(前方)を横切る場合における装飾図柄表示装置208の表示の概要を示した概略図である。なお、同図では、左扉246aが横切る場合を一例として示している
同図(a)に示されるように、装飾図柄表示装置208の表示領域には、装飾図柄やキャラクタ等の画像を組み合わせて構成される通常の演出画像700が表示され、遮蔽装置246の左扉246aが移動した場合には、同図(b)に示されるように、表示領域を遮蔽する左扉246aの背後の領域に、背後画像710が表示される。
そして、この例では、同図(c)に示されるように、左扉246aおよび右扉246bは、全閉位置(座標(392))を超えて移動し、遮蔽領域(左扉246aまたは右扉246bによって遮蔽される背後の表示領域)の面積を一定に維持した状態で装飾図柄表示装置208の手前側を移動することが可能となっている。このように、左扉246aまたは右扉246bが、遮蔽領域の面積を一定に維持した状態で装飾図柄表示装置208の手前側を移動する場合にも、複数種類の画像からなる背後画像710を遮蔽領域に表示することにより、背後画像710の表示位置のズレを目立ち難くすることができる。
図21は、左扉246aまたは右扉246bが手前側を横切る場合における装飾図柄表示装置208の表示を示した概略図である。なお、同図では、左扉246aが横切る場合を一例として示している。
同図に示す例では、まず、左扉246aが所定の位置に到達したタイミングで、左扉246aの背後の表示領域に背後画像710を構成する画像Aを表示する。そして、画像Aを表示した位置から左扉246aが所定量移動したタイミングで、画像Aに換えて画像Bを左扉246aの背後の表示領域に表示し、以下同様に、画像C、D、Eの順に画像を置き換えて表示していく。具体的には、第1副制御部400のCPU404は、第1副制御部メイン処理の画像制御処理(ステップSC13)において、演出データに基づき、所定のフレームにおいて、通常の演出画像700と共に背後画像710を構成する画像A〜Eを所定の座標に置き換えて描画するようにVDP434に指示する。
従来、1種類の背後画像710の表示位置を変更しながら表示していた場合には、左扉246aまたは右扉246bの個体差によって背後画像710が常に左右いずれか一方にはみ出した状態で表示され続けることがあり、表示位置のズレが目立ちやすいという問題があった。これに対し、本実施形態では、複数種類の画像A〜Eを順番に置き換えて表示することにより、背後画像710が常に左扉246aまたは右扉246bの左右いずれか一方にはみ出した状態で表示されるといったことがないため、左扉246aまたは右扉246bに対する背後画像710の表示位置のズレが目立ち難く、遊技者に違和感を与えないようになっている。
以上説明したように、本実施形態に係るパチンコ機100は、遊技に関連した画像を表示する画像表示装置(本実施形態では、装飾図柄表示装置208)と、画像表示装置208の表示領域の手前側を移動可能に構成されると共に自身の背後の表示領域の表示の一部または全部を視認可能な透過領域247を有する可動演出体(本実施形態では、左扉246aおよび右扉246b)と、可動演出体246a、246bの移動に合わせて所定の演出画像を表示するように画像表示装置208を制御する画像表示制御部(本実施形態では、主に第1副制御部400の画像表示制御処理)と、を備え、画像表示制御部は、可動演出体246a、246bの移動中に、可動演出体246a、246bの背後の表示領域に透過領域247を介して視認可能となる背後画像710を表示する場合、複数種類の画像A〜Eから構成される背後画像710を表示するように画像表示装置208を制御する。
このような構成とすることで、移動中の可動演出体246a、246bの背後に背後画像710を表示する場合に、表示位置のズレを目立たなくして遊技者に注目されないようにすることで、遊技者に違和感を与えることのない演出表示を行うことができる。また、背後画像710として抽選結果に対応する画像を表示し、これを透過領域247を通して遊技者に視認させる演出を行うような場合に、遊技者を背後画像710に注目させ、可動演出体246a、246bの端部からはみ出した部分から注意を逸らせる効果を奏する場合もある。
また、パチンコ機100は、遊技に関連する抽選を行う抽選手段(本実施形態では、主制御部タイマ割込処理の特図1、2関連抽選処理等)をさらに備え、可動演出体246a、246bは、画像表示装置208の左右側面に配置される一対の扉型に構成されると共に抽選手段による抽選結果に基づいて移動し、画像表示制御部は、背後画像710を構成する複数種類の画像A〜Eを、可動演出体246a、246bの移動に合わせて連続的に置き換えて表示するように画像表示装置208を制御する。
このような構成とすることで、抽選結果に応じて装飾図柄表示装置208の表示と可動演出体246a、246bの移動を連動させた演出を行う場合に、背後画像710の表示位置のズレを目立たなくして遊技者に注目されないようにすることが可能となるため、演出効果を高めることができる。
また、パチンコ機100は、遊技に関連する抽選を行う抽選手段をさらに備え、可動演出体246a、246bは、画像表示装置208の左右側面に配置される一対の扉型に構成されると共に抽選手段による抽選結果に基づいて移動し、画像表示制御部は、背後画像710を構成する複数種類の画像A〜Eを、可動演出体246a、246bの移動に合わせて連続的に追加表示するように画像表示装置208を制御する。
このような構成によっても、抽選結果に応じて装飾図柄表示装置208の表示と可動演出体246a、246bの移動を連動させた演出を行う場合に、背後画像710の表示位置のズレを目立たなくして遊技者に注目されないようにすることが可能となるため、演出効果を高めることができる。
また、背後画像710を構成する複数種類の画像A〜Eは、それぞれ異なる態様に構成されたものであってもよい。例えば、背後画像710を構成する複数種類の画像A〜Eを、それぞれ異なる絵柄(図形、文字、記号等)を含むようにしたり、それぞれ異なる形状に構成したりすることにより、左扉246aまたは右扉246bの透過領域247を通して連続的に変化する絵柄や形状を遊技者に視認させるといった面白みのある演出を、遊技者に違和感を与えずに行うことが可能となる。
また、画像表示制御部は、可動演出体246a、246bの移動中に、可動演出体246a、246bの移動前に表示していた通常の演出画像700の表示位置を可動演出体246a、246bの移動を避けるように変化させるスライド移動表示を行うように前記画像表示装置208を制御する。
このような構成とすることで、例えば左扉246aまたは右扉246bの移動と共に装飾図柄表示装置208の表示画像の視点を変化させるといった演出が可能となり、装飾図柄表示装置208と遮蔽装置246を連動させた演出をより多彩に行うことができる。
また、画像表示制御部は、可動演出体246a、246bの一方向への移動中にスライド移動表示を行った後、可動演出体246a、246bの他方向への戻り移動中に、スライド移動表示を行った通常の演出画像700の表示座標を可動演出体246a、246bの移動に追従させるように変化させる戻りスライド移動表示を行うように前記画像表示装置208を制御する。
このような構成とすることで、装飾図柄表示装置208と遮蔽装置246を連動させた演出をより多彩に行うことができる。
なお、本実施形態では、背後画像710を画像A〜Eの5枚の画像から構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、5枚以外、例えば3枚や20枚等の複数種類の画像から背後画像を構成するようにしてもよい。
また、本実施形態では、可動演出体の例として遮蔽装置246の左扉246aおよび右扉246bを示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動演出体はその他の形態のものであってもよい。
なお、本発明に係る遊技台は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、本発明は、上記パチンコ機100(1種)以外に、パチンコ機(2種、3種)、封入式パチンコ機、およびパチロット等にも適用することができるし、アレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、スマートボール等にも適用することができる。
また、例えば、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシンなどにも適用可能である。ここで、本発明が適用されるスロットマシンとしては、複数種類の図柄が施された複数のリールと、前記複数のリールの回転を開始させるスタートスイッチと、前記複数のリールの各々に対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるストップスイッチと、予め定められた複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、停止時の前記複数のリールにより表示された図柄の組合せが前記抽選手段により内部当選した入賞役の図柄組合せであるか否かにより前記入賞役への入賞を判定する判定手段と、を備えたものが一例として挙げられる。
また、本発明の実施形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。