以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、回胴式遊技機の一例であるスロットマシン1を示す斜視図である。このスロットマシン1は、例えば遊技メダルを媒体として遊技を行うタイプのものであり、いわゆる「パチスロ機」と称されているものである。この他に、遊技球を媒体として遊技を行うタイプの回胴式遊技機(いわゆる「パロット機」)もあり、こちらも本発明の実施形態として好適である。先ず、スロットマシン1の構成について説明する。
スロットマシン1は箱形状の筐体2を備えており、この筐体2を介して遊技場(ホール)の島設備に釘打ち等によって設置される。図1中、左斜め下方はスロットマシン1の正面に相当し、通常、ホール内で遊技者はスロットマシン1に正面から相対するようにして着席する。筐体2は正面側が開口しており、この開口は前面扉4により開閉可能となっている。図1には前面扉4が閉じた状態で示されているが、前面扉4は、例えばその左側端部が図示しないヒンジ機構を介して筐体2に連結されている。また前面扉4の右側端部には、その内側(裏側)に図示しない施錠装置が設けられており、これに対応して筐体2の右側の内壁面にも図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように前面扉4が閉じた状態で、その施錠装置は筐体2の施錠具とともに前面扉4の開放を不能にしている。なお、スロットマシン1が島設備に設置された状態では、筐体2の大部分は島設備内に埋まっており、島設備からは筐体2の開口縁部と、前面扉4だけが前面側に突出する。
前面扉4の右側縁部にはシリンダ錠4aが設けられており、例えば、遊技場の管理者が専用キーを用いてシリンダ錠4aを時計回りに捻ると、施錠装置が作動して前面扉4の開放が可能な状態となる。なおシリンダ錠4aを反時計回りに捻ると、スロットマシン1において発生したエラー状態(例えばメダル切れ等)を解除することができる。
前面扉4の奥、つまり筐体2の内部には、表示体として3つのリール6,8,10が設置されている。リール6,8,10はいずれも円環状に成形されており、その周囲には複数の図柄(図示されていない)が間隔をおいて一列に付されたリール帯が巻かれている。図柄には複数の種類があり、例えば数字の「7」やアルファベットの「BAR」等の文字列をデザインしたもの、「ベル」等の縁起物をデザインしたもの、「チェリー」や「スイカ」等の青果類をデザインしたものの他、スロットマシン1のゲームコンセプトに基づいてデザインされたキャラクターの図柄、あるいは当選種類の1つである「リプレイ」を意味する図柄等が挙げられる。なお、ここでは図柄の種類を例示しているに過ぎず、特にこれらに限定されない。
前面扉4の縦方向でみて、その中央から上側の位置にパネル部12が配置されており、このパネル部12には、例えばスロットマシン1のゲームコンセプトに基づく装飾が施されている。また、パネル部12の中央位置には矩形状の表示窓(表示部)14が形成されており、この表示窓14は透明な板状部材によって構成されている。なお表示窓14は、リール6,8,10の図柄を明確に視認可能とする程度の光透過性を有するものである。前面扉4が閉じた状態で、表示窓14はちょうど3つのリール6,8,10の前面側に位置する。この状態で、遊技者は表示窓14の板状部材を透過してリール6,8,10の図柄を視認することができる。通常、表示窓14内では、各リール6,8,10について縦方向に3つの図柄を遊技者が有効に視認することができる(図柄は図示されていない)。なお表示窓14は、各リール6,8,10に対応して3分割されている形態であってもよい。
表示窓14内には、横方向に並んだ3つのリール6,8,10同士の間で図柄の組み合わせが構成される表示位置、つまり、表示ラインが形成されている。表示ラインは、例えば表示窓14内で水平方向及び斜め方向に規定される5本の仮想線(図1中に示される一点鎖線)である。このうち水平方向の3本の表示ライン上では、3つのリール6,8,10につき、上段・中段・下段の各位置でそれぞれ3つずつの図柄の組み合わせが構成されている。また斜め方向の2本の表示ライン上では、左リール6の上段位置、中リール8の中段位置、右リール10の下段位置で3つの図柄の組み合わせが構成されるほか、左リール6の下段位置、中リール8の中段位置、右リール10の上段位置でも3つの図柄の組み合わせが構成される。なお、水平方向及び斜め方向の表示ラインは一例に過ぎず、表示ラインは水平方向と斜め方向とを合成したもの(折れ線状)であってもよい。
パネル部12には、例えば表示窓14の下方に3つのベットランプ12gが設けられている。これらベットランプ12gは、1回ごとの遊技で遊技者が投じたメダルの枚数(「ベット数」、「掛け数」等と称する。)を表示するためのものである。またベットランプ12gは、そのときのベット数に応じて有効化される表示ライン、つまり有効ラインの本数を表している。以下の説明では、ベット数に応じて表示ラインが有効化された状態を「有効ライン」と称する。
前面扉4の裏面側には、ちょうどベットランプ12gの背後に図示しないLEDを備えた基板が設置されており、ベットランプ12gは、LEDによる透過光を用いてベット数及び有効ライン数の表示(発光表示)を行う。遊技者は、ベットランプ12gの表示から現在のベット数を知るとともに、表示窓14内での有効ラインの本数を知ることができる。例えば、ベット数が3枚の場合、水平方向で上段・中段・下段の3本の有効ラインに加えて、斜め方向で右上がりの有効ラインと右下がりの有効ラインの計5本が形成される。またベット数が2枚の場合、例えば水平方向で中段の有効ライン1本と、斜め方向で2本の有効ラインの計3本が形成される(上段・中段・下段の3本でもよい)。なお、有効ラインの本数や形態は一例に過ぎず、これより多くても少なくてもよい。
前面扉4には、表示窓14の直ぐ右下方にメダル投入口16が設けられている。遊技者が投入したメダルはメダル投入口16を通じて1枚ずつ受け入れられ、ゲームに投じた枚数として計上される。なお1回のゲームに投じることができる最大枚数(例えば3枚)を超えてメダルが投入されると、その分はクレジットとして貯留される。パネル部12の表示窓14の下方にはクレジット表示部12bが設けられており、クレジットとして貯留されたメダルの枚数は、このクレジット表示部12bにて数値表示される。なおクレジットは、例えば最大で50まで貯留することができる。
前面扉4の裏側には、メダルセレクタ(図1には示されていない)が設けられている。メダルセレクタは、メダル投入口16から筐体2の内部に延びる案内路を有しており、投入されたメダルは案内路に沿って1列で(1枚ずつ)案内される。メダルの投入を受け付け可能な状態であれば、投入されたメダルは筐体2の内部で払出装置(図1には示されていない)のホッパーに受け止められる。またクレジット数が上限を超えると、それ以上のメダルを投入しても受け付けられなくなる。前面扉4の下部中央にはメダル排出口26が形成されており、さらに前面扉4の下縁部にはメダル受皿28が形成されている。メダルの投入が受け付けられない状態であれば、メダル投入口16から投入されたメダルは、メダル排出口26を通じてメダル受皿28に返却される。なおメダルセレクタは、投入されたメダルの直径を機械的に判別し、規定の直径に満たない物(例えば小径メダル、硬貨)の受け入れを排除する。排除された物はメダル排出口26から排出される。
また前面扉4には、パネル部12の左下方にスタートレバー18が設置されている。このスタートレバー18は、各リール6,8,10の回転を開始(始動)させるために遊技者によって操作(押下)される。ゲームにメダルを投じた状態でスタートレバー18が操作されると、各リール6,8,10が一斉に回転を始める。
また、クレジット表示部12bの右横にはスタートランプ12c、インサートランプ12d及びリプレイランプ12eが配置されている。このうちスタートランプ12cは、ゲームに投じたメダルがそのとき必要な最少枚数(例えば1〜3枚)を満たすと点灯し、スタートランプ12cの点灯は、スタートレバー18の操作が可能な状態になったことを意味する。またインサートランプ12dは、ゲームに投じるためのメダルの投入が可能な状態で点灯する他、追加のメダルを投入することでクレジットの貯留が可能な状態でも点灯する。リプレイランプ12eは、ゲームの結果が再遊技、つまり「リプレイ」に該当する場合に点灯する。
また上記のメダルセレクタは、メダル投入口16の奧で、案内路の上流位置にメダルブロッカ(図1には示されていない)を備えている。このメダルブロッカは、例えばソレノイドを用いてメダルの案内先を案内路又はメダル排出口26のいずれかに切り替える動作を行う。クレジット数が上限に達した場合は、メダルブロッカが作動してメダルの案内先をメダル排出口26に切り替え、それ以上のメダルの投入を受け付けなくする。また、1回のゲームでスタートレバー18が操作されると、リール6,8,10が停止するまでメダルブロッカが作動し、それ以上のメダルの受け付けを不能にする。なおリール6,8,10の停止後でも、ゲームの結果が「リプレイ」であった場合はメダルブロッカが作動して、次回のゲームではメダルの投入を受け付けない。なおメダルセレクタについては、スロットマシン1の制御に関する構成とともに後述する。
前面扉4には、スタートレバー18の右側に3つの停止ボタン20,22,24が横並びに配置されている。これら停止ボタン20,22,24は、順番にそれぞれ左・中・右のリール6,8,10に対応している。リール6,8,10が一定速度で回転している状態で遊技者が停止ボタン20,22,24を1つずつ操作(押下)すると、対応するリール6,8,10の回転が個別に停止する。なお、停止ボタン20,22,24を操作する順番は任意である。
〔ゲームの概要〕
上記のようにメダルのベット及びスタートレバー18の操作を経てリール6,8,10が回転中に遊技者により停止ボタン20,22,24が操作され、全てのリール6,8,10が回転を停止すると、表示窓14内で有効ライン上(有効な表示位置)に表示された図柄の組み合わせから1回のゲームの結果が判定される。例えば、有効ライン上に「ベル」や「スイカ」等の同種の図柄が3つ揃う組み合わせが表示された場合、それぞれ「ベル」又は「スイカ」という小役に入賞したと判定され、各小役について予め決められた枚数のメダルが払い出される。小役に対応する図柄の組み合わせには、3つのリール6,8,10で同種の図柄を組み合わせるものの他、例えば左リール6に「チェリー」の図柄があれば、他のリール8,10の図柄は何でもよい組み合わせ(「チェリー」−「ANY」−「ANY」)もある。このような組み合わせは実質的に単独の図柄だけで構成されているため、2本の有効ラインが交差する位置(上段又は下段の位置)で「チェリー」の図柄が停止していた場合、二重入賞となって払い出し枚数が加算される。
表示窓14の下方には、上記のクレジット表示部12bとは別に払出枚数表示部12fが設けられており、ここには1回ごとの入賞時に払い出されたメダルの枚数が表示される。なおクレジットモードの場合、その最大数に達するまでの間は払い出された枚数分がクレジットに加算される。また、クレジットモード中にメダルの払い出しによってクレジット数が上限を超えると、その分はクレジットの増加としてではなく実際のメダルとしてメダル排出口26から払い出され、メダル受皿28に蓄えられる。
この他、3つのリール6,8,10の停止時に上述した「リプレイ」に対応する図柄の組み合わせ態様が有効ライン上に表示されていれば、そのときのゲームの結果は再遊技(リプレイ)と判定される。ゲームの結果が再遊技であれば、新たにメダルを投じることなく、今回のゲームに投じたメダルの枚数(ベット数又は掛け数)と同じ条件で次回のゲームをリプレイすることができる。なお、ゲームの結果が再遊技と判定されると、上記のリプレイランプ12eが点灯して再遊技が可能であることを表示する。またベットランプ12gは、前回のゲームに投じたメダル枚数(有効ライン数)の表示を復元する。
一方、有効ライン上に例えば赤色の「7」−「7」−「7」等の図柄の組み合わせが表示されると、いわゆる「ビッグボーナスゲーム」等の特別遊技に移行する利益が遊技者に与えられる。あるいは、有効ライン上に例えば黒色の「BAR」−「BAR」−「BAR」等の図柄の組み合わせが表示されると、いわゆる「レギュラーボーナスゲーム」等の特別遊技に移行する利益が遊技者に与えられる(いずれもメダルは払い出されない)。特別遊技に移行すると、遊技者に有利な特別の条件でゲームが進行し、例えば、通常よりも高頻度に「ベル」や「スイカ」等の小役に入賞する機会が得られたり、入賞に対する払い出し枚数が増加したり、通常では入賞することがない種類の小役に入賞したりすることが可能になる。
パネル部12には、表示窓14の右側に遊技状態表示部12hが形成されている。パネル部12の裏面側には図示しない照明器具が設置されており、上記のように特別遊技に移行するか、もしくは特別遊技への移行が可能な状態(内部抽選で当選した状態)になると、照明器具によって遊技状態表示部12hが点灯表示される。なお、有効ライン上で特に規定された図柄の組み合わせが表示されていなければ、そのゲームの結果は入賞や再遊技、特別遊技への移行等はなかったものと判定される。
上記のようにして1回ごとにゲームの結果が判定されると、遊技者により改めて次回のゲームに投じるメダルの枚数が決定される(再遊技の場合を除く)。ゲームの結果が判定されて、メダルの投入が可能な状態になると、上記のベットランプ12gは、その回のゲームに投じるメダルの必要枚数に応じた数を点灯表示する。例えば、その回のゲームに3枚のメダルを投じる必要があれば、3つのベットランプ12gが全て点灯する。このときメダル投入口16を通じて遊技者が3枚のメダルを投入する操作を行えば、それによってゲームに投じるメダルの枚数(3枚掛け、3ベット)が決定される。なお必要枚数は、1回のゲームあたり2枚(2枚掛け、2ベット)又は1枚(1枚掛け、1ベット)でもよい。
また、表示窓14の左下方には1ベットボタン30及びMAXベットボタン32がそれぞれ設置されており、遊技者はこれらボタン30,32を操作することで、クレジットの残数を用いてゲームに投じるメダルの枚数を決定することもできる。1ベットボタン30が1回押下されるとクレジットの数が1ずつ減り、その分がゲームに投じたメダルの枚数として充当される。最大枚数に達するまで繰り返し1ベットボタン30が押下されると、それぞれ押下された回数分だけクレジット数が減り、代わりにベット数が加算される。また、充分なクレジットの残数(3以上)があれば、遊技者がMAXベットボタン32を1回操作することで、その回のゲームに投じることができる最大枚数(例えば3枚)をクレジット残数から差し引き、その分をゲームに投じたメダルの枚数として充当することができる。
1ベットボタン30の左側には精算ボタン34が設けられており、クレジットの残数がある場合、遊技者が精算ボタン34を操作することにより、その残数を精算してメダルの返却を受けることができる。精算ボタン34が押下されると、メダル排出口26を通じてメダル受皿28にメダルが返却される。なお、前面扉4の下部分で、メダル受皿28よりも上側には装飾パネル36が設置されている。この装飾パネル36には、スロットマシン1の製品機種名が表示されているほか、そのゲームコンセプトに基づく装飾が施されている。
またスロットマシン1には、演出を行うための装備が設けられている。例えばパネル部12には、表示窓14の左側に3つの演出ランプ12aが上下に並んで配置されている。これら演出ランプ12aは、例えば利益抽選で特殊な小役(特殊役)に当選したことを教示する演出として用いられる。特殊な小役は、例えば「赤7」−「ベル」−「ベル」、「青7」−「ベル」−「ベル」、「白7」−「ベル」−「ベル」等の図柄の組み合わせに対応するものであり、3つの演出ランプ12aは、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」に対応している。パネル部12の背後には、3つの演出ランプ12aにそれぞれ対応する位置に図示しない照明器具(LED又は白熱ランプ)が設けられており、演出ランプ12aは、照明器具の発光により透過光を用いた演出表示を行う。
また前面扉4には、その上縁部に横長の演出ユニット105が設置されている。演出ユニット105は、その上部の中央がトップランプ37として形成されているほか、上部の左右端部がそれぞれ、左トップランプ38、右トップランプ39として形成されている。これら各ランプ37,38,39は、例えば内蔵するLEDから発する光を拡散して発光し、遊技の進行に伴う演出を実行することができる。
また演出ユニット105には、その内部の中央に液晶表示器44が装備されている。この液晶表示器44は、前面側に向いた表示画面上にて画像や文字情報等を表示し、遊技の進行に伴う演出を実行することができる。また演出ユニット105には、その左右両側部に図示しないドアスピーカが内蔵されている。これらドアスピーカは、効果音や音声、BGM等を出力することで演出を実行することができる。
さらに演出ユニット105には、表示画面の前面側に前シャッタ81及び後シャッタ82が装備されている。これら前シャッタ81及び後シャッタ82は、液晶表示器44の前面側で前後に2重をなしており、このうち前シャッタ81が手前側に位置し、その奥側に後シャッタ82が位置している。また各シャッタ81,82はいずれも左右で一対をなし、各一対のシャッタ81,82は液晶表示器44の表示画面(図1では線表示)に沿って引き扉のように左右方向にスライド可能となっている。
その他に前面扉4には、パネル部12の左右両側縁部に沿って左パネルランプ40及び右パネルランプ42が設置されている。さらに筐体2の内部には、例えばその背面側の板材に背面スピーカ(図示されていない)が設置されており、この背面スピーカは、上記のドアスピーカとともに効果音や音声、BGM等を出力することで演出を実行することができる。
〔演出ユニットの構成〕
図2は、斜め前方から見た演出ユニット105の分解斜視図である。また図3は、斜め後方から見た演出ユニット105の分解斜視図である。以下、これら図2,図3を適宜参照しつつ説明する。
先ず、演出ユニット105内部の構成及び配置について概略的に説明する。
演出ユニット105は、その最も前面の位置にフロントカバー206を有している。このフロントカバー206は、例えば合成樹脂製のパーツを組み合わせて構成されており、その上縁部には上記のトップランプ37や左右のトップランプ38,39が一体的に形成されている。またフロントカバー206の中央部には、横長の矩形窓206aが形成されているほか、左右両側部にも一対の音響口206bが形成されている。矩形窓206aには透明板が嵌め込まれており、また音響口206bには網目(又は多孔)の板が嵌め込まれている。
前面側から見て、フロントカバー206の奧には上記の前シャッタ81及び後シャッタ82が順番に重なるようにして配置されている。さらに、これら前シャッタ81と後シャッタ82の間にガイド部材209が挟み込まれるようにして配置されている。このガイド部材209は、左右一対の前シャッタ81及び後シャッタ82をそれぞれ左右方向へスライド自在に案内する機能を有する。
一方、演出ユニット105は、その最も奧の位置に上記の液晶表示器44を有している。液晶表示器44は例えば液晶ディスプレイ(LCD)であり、その表示画面71がほぼ前面(正面)に向けられている。液晶表示器44は、演出ユニット105の内部でベース部材211の背面に固定される。ベース部材211は横長の矩形状をなしており、その中央には表示画面71のサイズに合わせて矩形の開口211aが形成されている。またベース部材211には、開口211aの両側に上記のドアスピーカ214が取り付けられている。
続いて、各部の詳細について説明する。
ガイド部材209は、その上下縁部にそれぞれ横長の上側ガイド91及び下側ガイド92を有しており、これら上側及び下側ガイド91,92は、左右一対の連結板93を介して相互に連結されている。
上側ガイド91には、上下方向に並んで平行な前扉用上部レール911及び後扉用上部レール912が形成されている。これら上部レール911,912は、それぞれ前シャッタ81及び後シャッタ82の上縁部を左右方向にスライド自在に案内するものである。このため、各上部レール911,912はフロントカバー206の内部を左右方向に延びており、その全長は表示画面71の横幅よりも長くなっている。また各上部レール911,912は縦断面形状が下向きに開口したコ字型をなしており、その内側には案内溝が形成されている。なお前扉用上部レール911は、後扉用上部レール912の上側に位置している。
一方の下側ガイド92には、前後方向に並んで平行な前扉用下部レール921及び後扉用下部レール922が形成されている。これら下部レール921,922もまた、前シャッタ81及び後シャッタ82の下縁部を左右方向にスライド自在に案内するものである。同様に、各下部レール921,922はフロントカバー206の内部を左右方向に延び、その全長は表示画面71の横幅よりも長い。また各下部レール921,922は縦断面形状が上向きに開口したコ字型をなしており、その内側には案内溝が形成されている。なお前扉用下部レール921は、後扉用下部レール922の前側に位置している。
左右の連結板93は、液晶表示器44の表示画面71を遮蔽しない程度に間隔を置いて配置されている。各連結板93は、その上端部が後扉用上部レール912の前面に取り付けられており、一方、その下端部は前扉用下部レール921と後扉用下部レール922との間に挟み込まれるようにして取り付けられている。なお、左右の連結板93は、光透過性をほとんど有しない装飾板である。
〔遮蔽部材〕
左右の前シャッタ81は、大きく分けて透明部材811及び装飾部材812から構成されている。このうち透明部材811は合成樹脂製の透明板(透明アクリル板)であり、前面の遊技者からは透明部材811を透過して背後の存在(後シャッタ82、表示画面71、連結板93等)が良好に視認可能である。本実施形態では、透明部材811はリール6,8,10の表示窓14と同程度の透明性(光透過性)を有するものとすることができる。
一方、装飾部材812は光透過性をほとんど有しない合成樹脂製のパーツである。透明部材811は、それぞれ外形が半円形状をなしており、左右の透明部材811を互いに突きあわせると、ちょうど1つの円形状になる。また装飾部材812は、透明部材811に対応する部位が半円形状に切り欠かれており、その内側には透明部材811がぴったり収まっている。なお透明部材811は、その周縁を装飾部材812の裏面に重ね合わせた状態で取り付けられている。
また左右の前シャッタ81には、装飾部材812の上下縁部に沿って上スライド部813及び下スライド部814が形成されている。これら上下のスライド部813,814が上記の前扉用上部レール911、前扉用下部レール921にそれぞれ嵌め合わせられると、前シャッタ81が表示画面71及び連結板93の前面に沿って左右方向にスライド自在に支持された状態となる。
次に、左右の後シャッタ82は、大きく分けて半透明部材823及びフレーム体820から構成されている。このうち半透明部材823は、例えば合成樹脂製の白濁半透明板(磨硝子に近いもの)である。半透明部材823は矩形状をなしており、左右の半透明部材823を互いに突きあわせると、ちょうど表示画面71を覆う大きさの矩形状となる。このような半透明部材823は、透明部材811よりも低い光透過性を有するものであり、表示画面71の前面に重なった状態であっても、前面の遊技者からは表示画面71上に表示された画像を半ば明瞭(透明部材811ほどに明瞭ではない)に視認可能とする。なお、半透明部材823は上記の透明部材811よりも光透過性が低い。
また本実施形態では、左右の半透明部材823のうち、これらが互いに突き合わせられる内端縁に沿って縦長の突条部824が一体的に形成されている。この突条部824は、半透明部材823の内端縁から表示画面71に向けてほぼ直角に突出している。演出ユニット105の内部で、後シャッタ82そのものはベース部材211よりも前面側に配置されているが、突条部824はベース部材211の開口211a内まで進入し、表示画面71の直前にまで到達している。このような突条部824は、半透明部材823全体の曲げ剛性を高めるとともに、表示画面71と後シャッタ82の内端縁との間の隙間を小さくしている。
なお、前シャッタ81の透明部材811及び後シャッタ82の半透明部材823は、それぞれ光透過性を有するものであるが、液晶表示器44の表示画面71の前面側にて移動可能であり、本実施形態において「遮蔽部材」を構成するものである。
左右のフレーム体820は、合成樹脂製(又は金属製)の成形パーツであり、それぞれ半透明部材823に対応する部位が内向きに開口したコ字型をなしている。半透明部材823は、その周縁をフレーム体820の裏面に重ね合わせた状態で取り付けられている。
また左右の後シャッタ82には、フレーム体820の上下縁部に沿って上スライド部821及び下スライド部822が形成されている。これら上下のスライド部821,822が上記の後扉用上部レール912、後扉用下部レール922にそれぞれ嵌め合わせられると、後シャッタ82が表示画面71及び連結板93の前面に沿って左右方向にスライド自在に支持された状態となる。
次に、左右の前シャッタ81及び後シャッタ82を個別にスライドさせる駆動機構について説明する。
演出ユニット105の内部には、左右の前シャッタ81及び後シャッタ82にそれぞれ対応して、左右の前扉用駆動ユニット210A及び後扉用駆動ユニット210Bが設けられている。このうち左右の前扉用駆動ユニット210Aは、左右の前シャッタ81を個別に左右方向へ移動させるものであり、ベース部材211の裏面では上部の左右に分かれて配置される。また左右の後扉用駆動ユニット210Bは、左右の後シャッタ82を個別に左右方向へ移動させるものであり、ベース部材211の裏面では下部の左右に分かれて配置される。
前扉用駆動ユニット210A及び後扉用駆動ユニット210Bは、それぞれ駆動源としてステッピングモータ203A,203Bを有しており、これらステッピングモータ203A,203Bは、それぞれ上下のブラケット202A,202Bを介してベース部材211の裏面に取り付けられる。またブラケット202A,202Bには、それぞれピニオン201A,201Bが設置されており、これらピニオン201A,201Bは、各ステッピングモータ203A,203Bの動力を受けて垂直軸線回りに回転する。
ここで、左右の前シャッタ81には、それぞれ上スライド部813の背面にラック816が形成されている。また左右の後シャッタ82には、それぞれ下スライド部822の背面にラック825が形成されている。一方、ベース部材211には、上部の左右及び下部の左右(合計4箇所)にそれぞれ横長のスリット212,213が形成されている。演出ユニット105を組み立てた状態(完成状態)では、各ピニオン201A,201Bがそれぞれ対応するスリット212,213を通じてベース部材211の表面側へ部分的に露出する。
この状態で、左右の前シャッタ81及び後シャッタ82がガイド部材209を介してベース部材211の表面に取り付けられると、各ラック816が上側のピニオン201Aと噛み合い、また各ラック825が下側のピニオン201Bと噛み合う。これにより、各ステッピングモータ203A,203Bの両方向への回転(CW/CCW)を左右の前シャッタ81及び後シャッタ82に対して個別に伝達し、これらを左右方向へ移動させることが可能となる。
図4は、前シャッタ81及び後シャッタ82をガイド部材209に取り付けた状態を示す正面図である。また、図5はその斜視図である。
図4及び図5では、左右の前シャッタ81及び後シャッタ82がともに表示画面71を遮蔽しない位置にある。この状態では、表示画面71が前面側へ向けて大きく開放されており、フロントカバー206の透明板(矩形窓206a)を透過して表示画面71が遊技者から視認可能である。
一方、図4及び図5に示される状態から上記の前扉用駆動ユニット210A及び後扉用駆動ユニット210Bを作動させることで、左右の前シャッタ81及び後シャッタ82を表示画面71が部分的又は全体的に遮蔽される位置へ移動させることができる。このとき前シャッタ81及び後シャッタ82の左右方向への移動は、それぞれ対応する上部レール911,912及び下部レール921,922に案内される。表示画面71が全体的に遮蔽される位置では、左右の前シャッタ81及び後シャッタ82がともに表示画面71の前面に重なった状態となる。このため遊技者から見ると、前シャッタ81及び後シャッタ82によって表示画面71が遮蔽された状態となる。
〔制御に関する構成〕
次に、スロットマシン1の制御に関する構成について説明する。図6は、スロットマシン1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。スロットマシン1の制御に関する構成上、電子機器類は、図6中の上側に示される遊技制御グループと、その下側に示される演出制御グループとに大きく分けられる。
〔遊技制御グループ〕
スロットマシン1には、主制御用コンピュータ100(マイクロコンピュータ)が装備されており、この主制御用コンピュータ100は主に、スロットマシン1における遊技の進行を制御する機能を有する。主制御用コンピュータ100には、中央演算処理装置であるメイン制御CPU102を実装した回路基板が装備されており、メイン制御CPU102には、ROM104、RAM106等の半導体メモリがバスを通じて接続されている。なおメイン制御CPU102は、ROM104及びRAM106を合わせて集積したパッケージとして構成されていてもよい。
また主制御用コンピュータ100には、乱数発生器108や乱数サンプリング回路110、クロックパルス発生回路112、I/O(入出力インタフェース)114等が装備されており、これらはメイン制御CPU102やROM104、RAM106とともに回路基板上に実装されている。また回路基板上には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した1ベットボタン30やMAXベットボタン32には、それぞれの操作を検出する1ベットボタンスイッチ118、MAXベットボタンスイッチ116が装備されており、遊技者による1ベットボタン30又はMAXベットボタン32を用いてゲームにメダルを投じる操作(投入操作)は、それぞれのベットボタンスイッチ116,118を用いて検出される。
また、上述したメダルセレクタ(図中符号120)の案内路上にも2つのメダルセンサ120a,120bが装備されている。このうち上流メダルセンサ120aが案内路上で上流側に位置し、下流メダルセンサ120bが下流側に位置する。これら上流及び下流メダルセンサ120a,120bは、案内路上を通過するメダルを順番に検出することで、遊技者がメダル投入口16を通じてゲームにメダルを投じる操作(投入操作)を検出することができる。またメダルセンサ120a,120bは、ゲームに投じるものとしてでなく、クレジットの貯留分として投入されたメダルを検出することもできる。なおメダルセンサ120a,120bは、メダルの詰まりや逆行等を検出する用途にも用いられる。
ベットボタンスイッチ116,118及びメダルセンサ120a,120bの検出信号はメイン制御CPU102に入力され、メイン制御CPU102は入力された検出信号に基づいて、遊技者による投入操作を受け付けたり、クレジットの貯留数を加減算したりする処理を行う。
同様に、上述したスタートレバー18には、その操作を検出するスタートスイッチ122が装備されている。遊技者により行われるスタートレバー18の操作(始動操作)は、スタートスイッチ122を用いて検出される。また各リール6,8,10に対応した3つの停止ボタン20,22,24には、それぞれ左停止スイッチ124、中停止スイッチ125、右停止スイッチ126が設けられている。遊技者により停止ボタン20,22,24が操作(停止操作)されると、各停止スイッチ124,125,126から左リール停止信号、中リール停止信号、右リール停止信号が個別に出力される。スタートスイッチ122からの検出信号及び各停止スイッチ124,125,126からの左・中・右リール停止信号は、メイン制御CPU102に入力される。メイン制御CPU102は入力された検出信号又は左・中・右リール停止信号に基づいて、遊技者による始動操作又は停止操作を受け付ける処理を行う。また主制御用コンピュータ100には、精算ボタン34の操作信号が入力されており、メイン制御CPU102は、操作信号に基づいてクレジット数分のメダルの払い出し処理を実行する。
3つのリール6,8,10は、例えば1つのリールユニット128の形態で筐体2の内部に設置されている。リールユニット128は、各リール6,8,10に対応して左リールモータ128a、中リールモータ128b、右リールモータ128cを内蔵している。これらリールモータ128a,128b,128cはいずれもステッピングモータからなり、それぞれに対応して左リールインデックスセンサ128d、中リールインデックスセンサ128e、右リールインデックスセンサ128fが装備されている。主制御用コンピュータ100には、図示しないモータ駆動回路及びリール位置検出回路が形成されており、メイン制御CPU102は、モータ駆動回路を通じて各リールモータ128a,128b,128cに駆動パルス(例えば1−2相励磁信号)を出力し、リール6,8,10を回転させたり、所定の位置で停止させたりする制御を行う。またリール位置検出回路は、各リールインデックスセンサ128d,128e,128fからのインデックス信号に基づいてリール位置検出信号を発生し、これをメイン制御CPU102に出力する。メイン制御CPU102は、このリール位置検出信号に基づいて各リール6,8,10の回転に関する位置(例えば、基準位置からのステップ数)を検出することができる。この回転に関する位置は、各リール6,8,10について、表示窓14内のどの位置に何の種類の図柄が表示されているかを判断する材料となる。
払出装置134は、実際にメダルを払い出すためのホッパモータ134bや、実際に払い出したメダルを検出する払出センサ134aを備える他、投入されたメダルを蓄えるホッパとしての機能をも備えている。払出装置134は、例えば筐体2の底面上に設置されており、メダルを蓄えるホッパ部分は上面が大きく開口している。上記のメダル投入口16から投入され、メダルセレクタ120の案内路を通過したメダルは、前面扉4の奧で払出装置134のホッパ部分に投下される。また払出装置134は、そのホッパモータ134bを回転させてメダルを1枚ずつ、連続的にスロットマシン1の正面に向けて射出することができる。射出されたメダルは前面扉4の裏側でメダル排出口26に導かれ、メダル受皿28に払い出される。
また筐体2の底面上には、払出装置134に隣接してメダルオーバーフロータンク(図示されていない)が設置されている。払出装置134のホッパ部分がメダルで満杯になると、そこから溢れ出た分がメダルオーバーフロータンクに収容される。メダルオーバーフロータンクには相当量のメダルを収容可能であるが、このメダルオーバーフロータンクまで満杯になると、筐体2の内部でメダルが散乱してしまう。このため筐体2の内部にはオーバーフローセンサ148が設置されており、メダルオーバーフロータンク内にメダルがある程度まで滞留すると、オーバーフローセンサ148からオーバーフロー信号が出力される。メイン制御CPU102はオーバーフロー信号を受信すると、例えばエラー状態を発生させたり、オーバーフロー信号を外部出力したりする。なお、島設備にメダルの自動補給・回収機構が付属する場合、メダルオーバーフロータンク及びオーバーフローセンサ148を設置する必要はない。
主制御用コンピュータ100のメイン制御CPU102は、ホッパモータ134bに駆動信号を出力してメダルの払い出しやクレジットの精算等を実行させる処理を行う。実際に払出装置134からメダルが払い出されると、払出センサ134aからの検出信号がメイン制御CPU102に入力される。メイン制御CPU102は、入力された検出信号に基づいて払出枚数をカウントし、規定の払出枚数に達したところでモータの駆動を停止させる処理を行う。
主制御用コンピュータ100には、上述したメダルセレクタ120のメダルセンサ120a,120b及びメダルブロッカ102cが接続されている。各メダルセンサ120a,120bは例えば透過型のフォトインタラプタであり、それぞれの検出信号(ON/OFF)は主制御用コンピュータ100のメイン制御CPU102に入力されている。またメダルブロッカ120cのソレノイドは、メイン制御CPU102からの駆動信号に基づいて励磁されている。
上述したクレジット表示部12bやスタートランプ12c、インサートランプ12d、リプレイランプ12e、ベットランプ12g、払出枚数表示部12f及び遊技状態表示部12hは、制御に関する構成上、これらを遊技情報表示装置140として一括することができる。例えば、遊技情報表示装置140は遊技状態表示部12hの照明器具(白熱ランプ又はLED)やクレジット表示部12b、及び払出枚数表示部12fの7セグメントLED、あるいは、スタートランプ12c、インサートランプ12d、リプレイランプ12e及びベットランプ12gのLEDから構成される。主制御用コンピュータ100には図示しないランプ類駆動回路が形成されており、メイン制御CPU102は、ランプ類駆動回路を通じて遊技情報表示装置140を制御し、各種表示部やランプを作動(点灯又は消灯)させる処理を行う。またメイン制御CPU102は、インサートランプ12dの駆動とともにメダルブロッカ120cのソレノイドを動作させる処理を行う。
また遊技情報表示装置140には、3つの停止ボタンLED140a及びベットボタンLED140bが含まれている。このうち3つの停止ボタンLED140aは、停止ボタン20,22,24に1つずつ内蔵されており、各停止ボタン20,22,24は停止ボタンLED140aによって発光したり、その発光色が変化したりする。メイン制御CPU102は、停止ボタン20,22,24をそれぞれ押下(停止操作)することが可能な状態で、対応する停止ボタンLED140aを点灯させたり、決まった発光色で点灯させたりする処理を行う。またベットボタンLED140bは、例えばMAXベットボタン32に内蔵されており、MAXベットボタン32は、ベットボタンLED140bによって発光(又は点滅)する。メイン制御CPU102は、MAXベットボタン32を押下(投入操作)することが可能な状態で、ベットボタンLED140bを点灯(又は点滅)させる処理を行う。
その他、筐体2の内部には設定キースイッチ144や設定変更スイッチ146、ドアセンサ147等が設置されている。メイン制御CPU102には、設定キースイッチ144からの設定変更モード切替信号や、設定変更スイッチ146からの設定変更信号、そしてドアセンサ147からの前面扉開放信号等が入力されるものとなっている。設定キースイッチ144は、例えば図示しない電源ユニットに設けられており、この設定キースイッチ144は遊技場の管理者が前面扉4を開放した状態で、専用の設定変更キーを用いて操作することができる。設定変更スイッチ146は、例えば前面扉4の内面に設けられており、この設定変更スイッチ146もまた、遊技場の管理者が操作するものである。いずれにしても、前面扉4が開放されると、ドアセンサ147から前面扉開放信号が出力される。
メイン制御CPU102は、例えばスロットマシン1の電源投入時に設定変更モード切替信号が入力されると、設定変更モードに移行し、設定変更スイッチ146からの設定変更信号の入力を受け付ける処理を行う。「設定」は、予め定められたスロットマシン1の機械割を複数段階に変更するためのものであり、「設定」には例えば1から6までの段階が用意されている。なお、ここでは「設定」やその変更等の詳細については省略する。
また、メイン制御CPU102は外部集中端子板149を通じてスロットマシン1の外部に信号(メダルイン信号、メダルアウト信号、遊技ステータス信号、オーバーフロー信号、前面扉開放信号等)を出力することができる。外部集中端子板149から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータで管理される。
〔演出制御グループ〕
上記の主制御用コンピュータ100とは別に、スロットマシン1は制御上の構成としてサブ制御用コンピュータ150(マイクロコンピュータ)を備えている。このサブ制御用コンピュータ150は、スロットマシン1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。サブ制御用コンピュータ150には、中央演算処理装置であるサブ制御CPU152をはじめ、ROM154やRAM156等の半導体メモリを実装した回路基板が装備されている。サブ制御CPU152は、メイン制御CPU102から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行う。なおサブ制御CPU152は、ROM154及びRAM156を合わせて集積したLSIパッケージとして構成されていてもよい。
またサブ制御用コンピュータ150には、図示しないクロックパルス発生回路とともにランプ駆動回路158や音響駆動回路160、時刻計測回路162、I/O163等の各種周辺ICが装備されている。このうちランプ駆動回路158は、例えばPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、各種LEDに与られえる駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)してその発光・点滅等の動作を管理する。サブ制御CPU152は、ランプ駆動回路158を通じて上記のトップランプ37や左右のトップランプ38,39、左右のパネルランプ40,42、演出ランプ12aでの発光動作による演出を行う。またリールユニット128には、照明器具としてリールランプ164及びバックランプ166が装備されており、これらランプ164,166もまたランプ駆動回路158を通じて点灯状態を制御されている。サブ制御CPU152は、リールランプ164によってリール6,8,10の表面を照明したり、あるいはバックランプ166によってリール6,8,10の内周側から透過光(バックライト)を照射して図柄を照らし出したりする演出を行う。この他にもスロットマシン1の前面扉4には、装飾ランプ168が設置されている。装飾ランプ168は前面の装飾パネル36を照明するためのものであり、装飾ランプ168もまたランプ駆動回路158を通じて点灯状態を制御されている。
音響駆動回路160は、例えばサウンドROMやシーケンサ、アンプ(いずれも図示されていない)等を備えている。サブ制御CPU152が音響駆動回路160に対してサウンド演出用パターンデータ番号を指示すると、シーケンサが指示された番号の音源ファイルをサウンドROMから順次読み出し、これをアナログ変換してアンプに出力する。音響駆動回路160は、アンプを通じて左右のドアスピーカ214及び背面スピーカ174を駆動し、演出用の音声や音楽等を出力させる。
また時刻計測回路162は、例えばセルフクロックや不揮発性メモリ、バックアップ用電源(コンデンサ)等を内蔵した計測用ICである。時刻計測回路162は、クロックパルスを適宜分周して時間の経過をカウントしつつ、不揮発性メモリに記憶された現在時刻情報を時間の経過とともに更新する。現在時刻情報は、例えばサブ制御CPU152からの読み出し要求に応じて外部出力が可能である。
上記の液晶表示器44は、液晶ユニット176に組み込まれた状態で前面扉4の裏側に実装されている。液晶ユニット176は液晶制御装置178を備えており、この液晶制御装置178は液晶表示器44による表示動作を制御する。液晶制御装置178には、表示制御CPU178aとともにVDP178bを実装した回路基板が装備されている。また液晶制御装置178には、ROM178cやRAM178d、画像ROM178e、VRAM178f等の半導体メモリの他、I/O178gが実装されている。VRAM178fは、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用可能である。
サブ制御用コンピュータ150のROM154には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、サブ制御CPU152は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出には、上記のように音響出力や発光動作に関する演出が含まれる他、液晶表示器44を用いた画像表示による演出が含まれる。サブ制御CPU152は、表示制御CPU178aに対して演出に関する基本的な情報を送信し、これを受け取った表示制御CPU178aは、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU178aは、VDP178bに対してさらに詳細な制御信号を出力し、これを受け取ったVDP178bは、制御信号に基づいて画像ROM178eの記憶領域にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM178fに転送する。さらにVDP178bは、VRAM178f上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器44の各画素を個別に駆動する。
上記のステッピングモータ203A,203Bは、シャッタユニット180として演出ユニット105の一部に組み込まれ、液晶ユニット176とともに前面扉4の裏側に実装されている。シャッタユニット180はモータ駆動回路182を備えており、ステッピングモータ203A,203Bの回転方向及び回転角度は、モータ駆動回路182によって制御されている。モータ駆動回路182はモータ制御CPU182aをはじめ、ROM182b、RAM182c及びI/O182dを実装した回路基板で構成されている。
サブ制御用コンピュータ150のサブ制御CPU152は、モータ駆動回路182のモータ制御CPU182aに対してシャッタ駆動コマンドを送信する。このシャッタ駆動コマンドには、左右それぞれの前シャッタ81及び後シャッタ82の動作に関する基本的な情報が含まれている。モータ制御CPU182aは、受信したシャッタ駆動コマンドに基づいてステッピングモータ203A,203Bに駆動パルスを出力し、その回転方向及び回転角度を制御する。これにより、シャッタ駆動コマンドで要求された通りに前シャッタ81や後シャッタ82が液晶表示器44の前面側で開閉するようにしてスライド動作する。
各ステッピングモータ203A,203Bにはモータセンサ204A,204B(検出手段)が付属しており、これらモータセンサ204A,204Bは、各ステッピングモータ203A,203Bの基準位置からの回転角度(ステップ数)に比例した数のパルス信号を出力する。例えば、前シャッタ81及び後シャッタ82がともに表示画面71を開放する全開位置(遮蔽しない状態)を基準位置として、そこから各ステッピングモータ203A,203Bが各シャッタ81,82を表示画面71の前面側へ移動させる方向に回転すると、その回転角度に比例した数のパルスがモータセンサ204A,204Bから出力される。このときのパルス数は、各シャッタ81,82の移動距離に比例するので、モータ制御CPU182aは、カウントしたパルス数から各シャッタ81,82の現在位置を検出することができる。
本実施形態では、モータセンサ204A,204Bのパルスが液晶ユニット176にも入力されており、上記の表示制御CPU178aはモータ制御CPU182aと同様に、カウントしたパルス数から各シャッタ81,82の現在位置を検出することができる。なお、モータセンサ204A,204Bを液晶ユニット176には接続せず、モータ制御CPU182aが検出した現在位置を液晶ユニット176の表示制御CPU178aにデータ送信する構成としてもよい。
その他、図示していないが、筐体2の内部には上記の電源ユニットが内蔵されている。この電源ユニットは島設備から外部電力(例えばAC100V、24V等)を取り込み、そこから必要な電力(例えばDC24V、12V等)を生成する。電源ユニットで生成された電力は、主制御用コンピュータ100やサブ制御用コンピュータ150、リールユニット128、払出装置134、演出ユニット105をはじめ、スロットマシン1の各所に供給される。
以上がスロットマシン1の制御に関する構成例である。続いて、メイン制御CPU102やサブ制御CPU152により実行される制御上の処理について説明する。なお、以下では特に本実施形態と直接関係しない処理(電源投入時処理、設定変更処理、停電時処理、タイマ割込処理等)の説明を省略する。
〔メイン処理〕
図7は、メイン制御CPU102により実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。このメイン処理は、スロットマシン1の電源投入後に実行される。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS10:メダル投入処理では、メイン制御CPU102はメダルセンサ120a,120b又はベットボタンセンサ116,118からの検出信号を確認する。いずれかの検出信号を受け取ると、メイン制御CPU102は例えばRAM106上でベット数カウンタをインクリメントし、それに伴って遊技情報表示装置140に駆動信号を出力する。これにより、ベットランプ12gではベット数カウンタの値に応じた表示(1〜3個の点灯表示)が行われる。
ベット数カウンタが上限(例えば3)に達すると、メイン制御CPU102はベットボタン30,32の操作を無効にし、それに伴って遊技情報表示装置140に駆動信号を出力する。これにより、例えばMAXベットボタン32に内蔵のベットボタンLED140bは消灯するが、引き続きインサートランプ12dは点灯する。また引き続き、メイン制御CPU102はメダルセンサ120a,120bからの検出信号を確認し、その検出信号を受け取ると、例えばRAM106上でクレジット数カウンタをインクリメントし、それに伴って遊技情報表示装置140に駆動信号を出力する。これにより、クレジット表示部12bにてクレジット数カウンタに応じた数値表示が行われる。
なお、メイン制御CPU102はメダルセンサ120a,120b又はベットボタンセンサ116,118からの検出信号を受け取ると、その都度、サブ制御CPU152に投入処理コマンドを送信する。投入処理コマンドには、遊技者による投入操作やクレジットを追加する操作が受け付けられた旨の情報が含まれる他、例えばそのときのベット数カウンタの値やクレジット数カウンタの値等の情報が含まれている。
ステップS12:スタートレバー処理では、ベット数カウンタの値が必要枚数(例えば3)に達していると、メイン制御CPU102はスタートレバー18の操作を受け付け可能にし、それに伴って遊技情報表示装置140に駆動信号を出力する。これにより、スタートランプ12cが点灯した状態となる。
ステップS14:メイン制御CPU102は、必要枚数分のメダルが投入済みであり、かつ、スタートレバー18が操作されたか否かを判断する。これらの条件は、ベット数カウンタの値とスタートスイッチ122からの検出信号に基づいて判断することができる。メイン制御CPU102はベット数カウンタの値を参照しつつ、スタートスイッチ122からの検出信号が入力されたか否かを確認し、いずれかの条件が満たされていなければ(No)、メイン制御CPU102はステップS10〜ステップS14を繰り返す。
なお、ステップS14でスタートスイッチ122からの検出信号を受け取った場合、メイン制御CPU102はスタートレバー18の操作を受け付け不可にし、それに伴って遊技情報表示装置140に駆動信号を出力する。これにより、スタートランプ12c及びインサートランプ12dがともに消灯する。また、メイン制御CPU102は上述したメダルブロッカ102cを作動させ、メダル投入口16から案内路に通じる経路をメダル排出口26に切り替える。
またメイン制御CPU102は、スタートスイッチ122からの検出信号を受け取った場合、始動操作コマンドを送信要求バッファに出力する。始動操作コマンドには、遊技者によるスタートレバー18の操作が受け付けられた旨の情報が含まれる。合わせてメイン制御CPU102は、外部集中端子板149を通じて枚数分のメダルイン信号を出力する。
ステップS16:先のステップS14で両方の条件が満たされたと判断すると(Yes)、メイン制御CPU102は次に抽選処理を行う。抽選処理では、メイン制御CPU102は乱数発生器108から乱数(例えば10進数表記で0〜65535のいずれか)を取得し、その値をRAM106の乱数記憶領域にセーブする。そしてメイン制御CPU102は、ROM104から読み出した抽選テーブルを参照し、取得した乱数値がいずれかの当り値に該当するか否かを判断する。抽選テーブルには、全乱数値(0〜65535)の中でいくつかの当選範囲及び非当選範囲が規定されており、さらに当選範囲に対しては何らかの当選種類(当選役)が割り当てられている。
当選種類には、上述した図柄の「ベル」や「スイカ」、「チェリー」、「特殊役」に対応する小役、「リプレイ」に対応する再遊技役、「7」や「BAR」に対応する特別役等がある。なお「7」は、色の違いにより複数の当選種類に対応する。また当選範囲には、複数の当選種類を兼ねるものもある。例えば、1つの当選範囲が「スイカ」という小役と「7」の特別役を兼ねる場合があったり、「チェリー」という小役と「7」の特別役を兼ねる場合があったりする。いずれにしても、全乱数値の数(65536)に占める当り値の数(N)で当選の確率(N/65536)が決められている。なお抽選テーブルは、上記の「設定1」〜「設定6」ごとに用意されており、一般的に「設定1」で最も当選の確率が低く、「設定6」で最も当選の確率が高い。
またメイン制御CPU102は、抽選の結果に基づいてRAM106のフラグ記憶領域に抽選結果フラグをセットする。抽選結果フラグは、今回のゲームで行われた抽選の結果を判別するために用いる内部情報である。抽選結果フラグは、抽選結果が非当選であればデフォルト値(例えば「0」)のままであり、当選であれば、そのときの当選種類に応じた当選番号(例えば「1」〜「36」)がそれぞれセットされる。
なお、メイン制御CPU102は抽選処理を行うと、サブ制御CPU152に当選番号コマンドを送信する。当選番号コマンドは、抽選の結果が非当選であるか、または当選であればいずれの当選種類に該当するかの情報を含むものである。続けてメイン制御CPU102は、上記の始動操作コマンドをサブ制御CPU152に送信する。
ステップS18:次にメイン制御CPU102は、回胴回転処理を実行する。この処理では、メイン制御CPU102は前回のゲームでリール6,8,10の回転を始動してからの経過時間を確認する。メイン制御CPU102は、前回のゲームでリール6,8,10の回転を始動させると、例えばタイマ用のレジスタに計時情報(例えば4.1秒)を書き込み、その後、所定の割り込み周期でレジスタの値をデクリメントする。そしてメイン制御CPU102はステップS18でレジスタの値を参照し、その値が0になっていなければ、そのまま待機し、値が0になっていればリールモータ128a,128b,128cに駆動パルスを出力する。これにより、3つのリール6,8,10が回転を開始する。
ステップS20:リール6,8,10を回転させると、次にメイン制御CPU102は回胴停止処理を実行する。この処理は、いわゆる「リール制御」に相当するものである。メイン制御CPU102はリール6,8,10の回転速度が一定になったことを確認すると、各停止ボタン20,22,24について停止スイッチ124,125,126の機能を有効にする。またメイン制御CPU102は、上記のように停止ボタン20,22,24に内蔵する停止ボタンLED140aを点灯させたり、その発光色を切り替えたりする処理を合わせて行う。
次にメイン制御CPU102は、抽選結果フラグに対応するリール制御テーブルが格納されているROM104のテーブルアドレスをレジスタにセットする。リール制御テーブルには、予め各リール6,8,10の停止位置を個別に制御するための情報が記録されている。具体的には、メイン制御CPU102が停止スイッチ124,125,126からの検出信号を受け付けた時点から、各リール6,8,10のステッピングモータを停止させるまでのステップ数(図柄単位の駆動パルス出力回数)が記録されており、通常は停止操作が行われてから4図柄(4図柄分のステップ数)以内が最大の停止許容範囲である。
実際に、いずれかの停止ボタン20,22,24についてリール停止信号を受け取ると、メイン制御CPU102は、リール制御テーブルに基づいてステッピングモータに出力する駆動パルス信号を調整し、対応するリール6,8,10の停止位置を制御する。これにより、表示窓14内では見かけ上、有効ライン上に停止してはならない図柄が追い出されたり、逆に停止してよい図柄が引き込まれたりして停止(いわゆる「滑り」が発生)する。
またメイン制御CPU102は、いずれかの停止ボタン20,22,24について停止スイッチ124,125,126からの検出信号を受け取ると、リール制御テーブルに基づいてリールモータ128a,128b,128cの動作を制御する。合わせてメイン制御CPU102は、停止スイッチ124,125,126から検出信号を受け取った順に例えば第1停止フラグ、第2停止フラグ、第3停止フラグをそれぞれRAM106上にセットするとともに、既に停止済みのリール6,8,10については、それぞれについて停止済みフラグをセットする。
メイン制御CPU102は回胴停止処理を実行すると、サブ制御CPU152に操作回胴コマンド、押下位置コマンド及び停止位置コマンドを送信する。このうち操作回胴コマンドには、左リール6、中リール8、右リール10のいずれについて停止操作がなされたかを表す情報が含まれる。また押下位置コマンドには、各リール6,8,10について、表示窓14内にいずれの図柄が位置する状態で停止ボタン20,22,24が押下されたかを表す情報が含まれる。そして停止位置コマンドには、各リール6,8,10の停止位置、つまり、表示窓14内の上段・中段・下段の各位置に停止した図柄の種類(いわゆる「出目」)を表す情報が含まれる。
回胴停止処理では、メイン制御CPU102がリール制御テーブルに基づいて各リール6,8,10の停止位置を個別に制御する結果、可能な限り当選種類に対応する図柄が有効ライン上に停止する。例えば、当選種類に対応する図柄が「スイカ」であり、3つのリール6,8,10が回転中であって、最初に遊技者が左リール6について停止操作を行った場合を考える。このとき、例えば「スイカ」の図柄が上段に位置するタイミングで停止ボタン20が押下されたとき、その押下位置に対してリール制御テーブルに例えば2図柄分の滑りを発生させる情報が記憶されていれば、上段位置ではなく下段位置に「スイカ」の図柄を停止させるべく、メイン制御CPU102はリール6を図柄2つ分だけ余計に回転させた位置で停止させる。その他の中リール8、右リール10については、停止ボタン22,24がそれぞれ押下されたタイミングで、下段の有効ラインに位置する図柄から周方向(上方向)に数えて4コマ(図柄4個分)以内に「スイカ」の図柄が存在していれば、リール制御によって「スイカ」の図柄が引き込まれ、下段の有効ライン上に停止する。ただし、このとき下段の位置(有効ラインを通り過ぎていない位置)に「スイカ」の図柄が存在していれば、そのまま下段に停止する。このように、リール制御テーブルによって図柄を停止させられる範囲は予め決まっているため、停止ボタン20,22,24が操作されたタイミングによっては有効ライン上に「スイカ」の図柄が停止しないことがある。
ステップS22:メイン制御CPU102は、3つのリール6,8,10の全てが停止済みか否かを判断する。未だいずれかのリール6,8,10が回転中であれば(No)、メイン制御CPU102はステップS20の回胴停止処理を実行する。3つのリール6,8,10が全て停止したと判断すると(Yes)、メイン制御CPU102は次のステップS24に進む。
ステップS24:3つのリール6,8,10が全て停止済みになると、メイン制御CPU102は結果判定処理を行う。この処理では、メイン制御CPU102は表示窓14内の有効ライン上に停止した図柄の組み合わせ態様に基づいてゲームの結果を判定する。上記のように、下段の有効ライン上に「スイカ」の図柄が3つ揃って停止する組み合わせ態様が表示されていると、メイン制御CPU102は「スイカ」の小役に入賞したと判定する。これ以外にも、「ベル」の図柄の組み合わせ態様が表示されていたり、「チェリー」の図柄の組み合わせ態様が表示されていたりした場合、メイン制御CPU102はそれぞれ「ベル」、「チェリー」の小役に入賞したと判定する。
あるいは、「リプレイ」の図柄の組み合わせ態様が表示されていると、メイン制御CPU102はゲームの結果を再遊技と判定する。また、「7」の図柄の組み合わせ態様が表示されていた場合、メイン制御CPU102はゲームの結果を特別遊技状態への移行として判定する。特に図柄の組み合わせ態様が入賞や再遊技、特別遊技状態への移行に該当していなければ、メイン制御CPU102はゲームの結果を「その他」と判定する。「その他」と判定されるのは、そもそも抽選で非当選であった場合か、もしくは当選していても、ステップS20の回胴停止処理において当選に対応する図柄の組み合わせ態様を表示することができなかった場合である。前者の場合はいわゆる「はずれ」であるが、後者の場合は遊技者が停止ボタン20,22,24を操作するタイミングがリール制御テーブルの条件に合わなかったことに起因するため、いわゆる当選役の「取りこぼし」か、もしくは意図的な「はずし」である。
なお、結果判定処理で小役に入賞したと判定した場合、メイン制御CPU102は対応する払出予定数の値(例えば10,15等)をRAM106上に書き込む。それ以外の場合、メイン制御CPU102は払出予定数の値を0(デフォルト)のままとする。またメイン制御CPU102は、サブ制御CPU152に対して判定結果コマンドを送信する。判定結果コマンドには、ゲームの判定結果の種類(非入賞、入賞、再遊技、特別遊技状態への移行等)を表す情報が含まれる。
ステップS26:ゲームの結果を判定すると、メイン制御CPU102は次に払出処理を行う。この処理では、メイン制御CPU102はRAM106に記録された払出予定数の値を参照して払出装置134の動作を制御する。クレジットモードの場合、払出予定数に0以外の値が記録されていれば、メイン制御CPU102はクレジット数カウンタの値を参照し、最大数に達していなければ、払出予定数の値をクレジット数カウンタの値に加算し、その分を払出予定数から減算する。クレジット数カウンタの値が最大数に達すると、メイン制御CPU102は払出装置134のモータに駆動信号を出力し、実際にメダルの払出動作を実行させる。そしてメイン制御CPU102は、払出装置134の払出センサ134aから検出信号を受け取ると、その分を払出予定数から減算し、値が0になると払出装置134のモータを停止させる。また、メイン制御CPU102は遊技情報表示装置140に駆動信号を出力し、入賞によって付与されたメダルの枚数(クレジットに加算された枚数+実際に払い出されたメダルの枚数)を払出枚数表示部12fにて数値表示させる処理を行う。
また、メイン制御CPU102は払出処理を実行すると、サブ制御CPU152に回胴停止後コマンド及び払出枚数コマンドを送信する。回胴停止後コマンドには、全てのリール6,8,10が停止した旨を表す情報が含まれる。また払出枚数コマンドには、今回のゲームで払い出されるメダルの枚数を表す情報が含まれる。なお、実際にメダルの払い出しがある場合、メイン制御CPU102は、外部集中端子板149を通じて枚数分のメダルアウト信号を出力する。
結果判定処理で再遊技と判定した場合、メイン制御CPU102は今回のゲームで記憶したベット数カウンタの値を保持(又は復元)してステップS10に移行する。この場合、上記のように新たなメダルの投入が受け付けられない。また、結果判定処理で特別遊技状態への移行と判定した場合、メイン制御CPU102はRAM106上に特別遊技状態フラグをセットし、例えばメイン処理とは別の特別遊技中処理に移行する。それ以外の場合、メイン制御CPU102は当選フラグを消去して払出処理を終了し、ステップS10に戻る。ただし、特別遊技状態への移行に該当する当選フラグ(例えば「7」の図柄に対応するもの)がセットされていた場合であって、結果判定処理で図柄の組み合わせ態様が表示されていないと判定した場合、メイン制御CPU102は当選フラグを消去することなく払出処理を終了し、ステップS10に戻る。これにより、当選フラグは次回以降のゲームに持ち越される。
特に図示しないが、上記の特別遊技中処理に移行すると、メイン制御CPU102は例えば「ビッグボーナスゲーム」や「レギュラーボーナスゲーム」等と称する特別遊技状態で遊技の進行を制御する。合わせてメイン制御CPU102は、外部集中端子板149を通じて「ボーナス中」を表す遊技ステータス信号を出力する。この場合、メイン制御CPU102はRAM106上の当選フラグを消去し、また、ROM104から取得した基本的な遊技情報(必要枚数、抽選テーブル等)を特別遊技中のものに書き換える。これにより、特別遊技状態に移行する前の通常時(通常遊技状態)とは異なる条件で遊技が進行する。特に抽選テーブルは、通常時のものより小役の当選確率が高く設定されているため、毎回のゲームで高確率で小役に当選し、その結果、高い頻度で入賞によるメダルの払い出しを受ける機会が遊技者に与えられる。なお特別遊技状態は、その間の払出枚数が規定枚数に達したときの遊技で終了となる。
〔演出制御メイン処理〕
次に図8は、サブ制御CPU152により実行される演出制御メイン処理の手順を示すフローチャートである。この演出制御メイン処理は、スロットマシン1の電源投入後に実行される。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS40:サブ制御CPU152は、コマンド待ち処理を実行する。コマンド待ち処理では、サブ制御CPU152はメイン制御CPU102から送信されるコマンドを待ち受ける。通常、遊技の進行に伴ってメイン制御CPU102から送信されるコマンドは、時系列順にすると以下の通りとなる。
(1)投入処理コマンド・・・メダルを投入又はベットボタン30,32を押下する投入操作が受け付けられたことを表す。
(2)当選番号コマンド・・・抽選の結果が非当選であるか、もしくは当選であれば、その当選種類(小役、リプレイ、ボーナス)を表す。
(3)始動操作コマンド・・・スタートレバー18を押下する始動操作が受け付けられたことを表す。
(4)回胴回転コマンド・・・リール6,8,10の回転が開始したこと(回胴始動)を表す。
(5)操作回胴コマンド・・・左リール6、中リール8、右リール10のいずれについて停止ボタン20,22,24が操作されたかを表す。
(6)押下位置コマンド・・・各リール6,8,10について、有効ライン上にどの図柄が位置するタイミングで停止ボタン20,22,24が押下されたかを表す。
(7)停止番号コマンド・・・各リール6,8,10について、有効ライン上にどの図柄が停止したかを表す。
(8)判定結果コマンド・・・非入賞、入賞、再遊技、特別遊技への移行等の判定結果を表す。
(9)回胴停止後コマンド・・・全てのリール6,8,10が停止したことを表す。
(10)払出枚数コマンド・・・メダルの払出枚数を表す。
(11)遊技ステータスコマンド・・・通常遊技、ボーナスゲーム等の内部状態を表す。
上記(1)〜(9)のコマンドは、1回ごとのゲームにつき、遊技者による一連の操作が受け付けられたことに応じて順番に送信されるものである。したがってサブ制御CPU152は、コマンド待ち処理でいずれかのコマンドを受信すると、以下の各ステップS42,S44,S46,S48を通じてコマンドの種類を解析し、その結果に基づいて処理を分岐させている。また上記(10)の払出枚数コマンドは、小役の入賞があった場合に送信され、(11)の遊技ステータスコマンドは、例えばメイン制御CPU102の内部状態に応じて送信される。
ステップS42:コマンド待ち処理でメイン制御CPU102からコマンドを受信すると、サブ制御CPU152はコマンドの種類が抽選に関するものであるか否かを判断する。抽選に関するコマンドには、上記(2)の当選番号コマンドが該当する。
ステップS44:メイン制御CPU102から受信したコマンドが抽選コマンドでなければ(ステップS42:No)、サブ制御CPU152はコマンドの種類が操作に関するものであるか否かを判断する。操作に関するコマンドには、例えば上記(1)の投入処理コマンド、(3)の始動操作コマンド及び(5)の操作回胴コマンドが該当する。
ステップS46:メイン制御CPU102から受信したコマンドがさらに操作に関するコマンドでもなければ(ステップS44:No)、サブ制御CPU152はコマンドの種類が上記(7)の停止番号コマンドに該当するか否かを判断する。
ステップS48:メイン制御CPU102から受信したコマンドがさらに停止番号コマンドにも該当していなければ(ステップS46:No)、サブ制御CPU152はコマンドの種類が上記(8)の判定結果コマンドに該当するか否かを判断する。なお、ここでは(9)の回胴停止後コマンドに該当するか否かを判断してもよい。
ステップS50:メイン制御CPU102から受信したコマンドがさらに回胴停止コマンドにも該当していなければ(ステップS48:No)、サブ制御CPU152はその他の処理を実行する。例えば上記(4)の回胴回転コマンドを受信した場合、サブ制御CPU152は例えば音響駆動回路160に対してリール始動音を出力させる指示を与える。これにより、リール6,8,10が回転を開始する際にスピーカ214,174から効果音を出力する演出が実行される。
また、ステップS50でメイン制御CPU102からエラー(メダル逆行、メダル詰まり、メダル切れ等)に関するコマンドを受信した場合、サブ制御CPU152は音響駆動回路160やランプ駆動回路158、表示制御CPU178aにエラー情報を出力させる指示を与える。このとき表示画面71の前面を開放する意味で、サブ制御CPU152はモータ制御CPU182aに対してシャッタ全開コマンドを送信する。あるいは、メイン制御CPU102から上記(6)の押下位置コマンドを受信した場合、サブ制御CPU152はリール6,8,10ごとにコマンドの内容をRAM156に記憶させる。
ステップS52:サブ制御CPU152は演出内容の抽選を行う。この抽選は、例えばROM154に格納されている「演出抽選テーブル」に基づいて行われる。「演出抽選テーブル」は、予め当選番号ごとに用意された複数通りの演出パターンの中から、いずれかの演出パターン番号を所定の確率で選択させるものである。例えば、「スイカ」の当選番号に対して10通りの演出パターンが用意されており、それぞれ65536分の6500程度の確率でいずれかの演出パターン番号(1〜10)を選択させる内容の「演出抽選テーブル」が格納されている場合、サブ制御CPU152は、演出抽選乱数(0〜65535のいずれか)を取得すると、「演出抽選テーブル」を参照して演出内容の抽選を実行する。その結果、乱数値がいずれかの演出パターン番号の当選値に該当していれば、演出当選となる。一方、乱数値がいずれの演出パターン番号の当選値にも該当してなければ、演出非当選ということになる。
ステップS54:サブ制御CPU152は、先のステップS52で演出内容の抽選に当選したか否かを確認する。非当選の場合(No)、サブ制御CPU152はステップS40のコマンド待ち処理に戻り、今回のゲームでは特に演出の実行を指示しない。なおこの場合、液晶表示器44には通常時の画像が表示されたままとなる。通常時の画像とは、例えば何らかの場所、場面等を想起させる背景(ステージ)の中にキャラクター等の人物が存在している状態を示したものであり、そこから見かけ上の大きな変化(ストーリー的な発展)が見られないものが該当する。
ステップS56:先のステップS54で演出内容の抽選に当選した場合(Yes)、サブ制御CPU152は演出基本データを取得する。演出組基本データは、例えばROM154に格納されている「演出基本データテーブル」を参照することで取得される。取得された演出基本データは、例えばRAM156のバッファ領域にセーブされる。なお、演出基本データの一例については、別の図面を用いて後述する。
以上のステップS54〜ステップS56は、スタートレバー18の操作が受け付けられた場合の処理であるが、それ以外の投入操作や停止操作が受け付けられた場合は以下の処理が行われる。
ステップS60:メイン制御CPU102から操作に関するコマンドを受信した場合(ステップS44:Yes)、サブ制御CPU152は実行予定の演出があるか否かを確認する。具体的には、サブ制御CPU152はRAM156上の格納領域にアクセスし、先のステップS56で取得した演出基本データの有無を確認する。このとき演出基本データを取得済みであることを確認すると(Yes)、サブ制御CPU152は次のステップS62に進む。
ステップS62:サブ制御CPU152は演出実行処理を実行する。この処理では、実際に液晶表示器44やスピーカ214,174、トップランプ38、左右のパネルランプ40,42、シャッタユニット180等による演出動作が制御される。なお、液晶表示器44及びシャッタユニット180の制御については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS64:先のステップS40で操作に関するコマンドを受信しても、そのとき演出基本データを取得済みであることが確認されなければ(ステップS60:No)、サブ制御CPU152はその他演出処理を実行する。この処理は、ステップS50と同種のものである。例えば(1)の投入処理コマンドを受信していた場合、サブ制御CPU152は音響駆動回路160に対してメダル投入音を出力させる指示を与える。あるいは(5)の操作回胴コマンドを受信していた場合、サブ制御CPU152は音響駆動回路160に対してリール停止音を出力させる指示を与える。これにより、遊技者による操作に応じてスピーカ214,174から各種の効果音を出力する演出が実行される。
ステップS66:メイン制御CPU102から上記(7)の停止番号コマンドを受信した場合(ステップS46:Yes)、サブ制御CPU152は停止したリール6,8,10の位置、つまり、表示窓14内でいずれの図柄が表示されているか(いわゆる「停止出目」)をRAM156に記憶させる。
ステップS68:サブ制御CPU152は、RAM156に記憶させた停止出目に基づいて出目演出処理を実行する。例えば、現時点で左リール6に続き中リール8が停止し、右リール10が未だ回転中である場合を想定する。サブ制御CPU152は、RAM156に記憶させた停止出目を参照し、左リール6及び中リール8の2つについて、有効ライン上に「7」の図柄が2つまで揃った状態(いわゆる「テンパイ」の状態)であることが確認されると、音響駆動回路160及びランプ駆動回路158に対して出目演出を指示する。これにより、例えばスピーカ214,174から効果音(いわゆる「テンパイ音」)を出力させたり、左右のパネルランプ40,42を点灯・点滅させたりする演出が実行される。なお、特に演出を実行する必要がなければ(いわゆる「テンパイ」でない場合)、サブ制御CPU152はステップS68で演出を指示しない。
ステップS70:メイン制御CPU102から上記(8)の判定結果コマンドを受信した場合(ステップS48:Yes)、サブ制御CPU152は結果判定演出処理を実行する。この処理では、サブ制御CPU152は(8)の判定結果コマンドに基づいて、今回のゲームの判定結果が非入賞、入賞、再遊技のいずれに該当するかを判断する。またサブ制御CPU152は、RAM156に記憶させた停止出目を参照し、3つのリール6,8,10により有効ライン上に表示された図柄の組み合わせ態様を確認する。そして、例えば判定結果が「入賞」であり、「ベル」や「スイカ」等の図柄が有効ライン上に3つ揃う組み合わせ態様が表示されていることを確認すると、サブ制御CPU152は音響駆動回路160及びランプ駆動回路158に対して入賞演出を指示する。これにより、スピーカ214,174からメダルの払出音(クレジット増加音)を出力させたり、トップランプ37,38や左右のパネルランプ40,42を点灯・点滅させたり、あるいは、リール6,8,10のバックランプ166を点滅させて有効ライン上の各図柄を強調したりする演出が実行される。
〔演出基本データの例〕
図9は、ステップS56で取得された演出基本データ(1ゲーム分)の一例を示す図である。演出基本データは、遊技者による始動操作、第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作、そして投入操作が受け付けられるごとに実行するべき演出の内容を具体的に規定したものである。このような演出基本データは、1つ1つの操作に対応した演出基本データ番号「0660」,「0611」,「0002」,「0640」及び「0009」の組み合わせで構成されている。ROM154内には、演出基本データ番号の「0660」,「0611」,「0002」,「0640」及び「0009」にそれぞれ対応して、以下の演出用パターンデータ番号が予め格納されている。
(1)トップランプ演出用パターンデータ番号・・・トップランプ37,38の点灯パターンを規定するもの。
(2)左パネルランプ演出用パターンデータ番号・・・左パネルランプ40の点灯パターンを規定するもの。
(3)右パネルランプ演出用パターンデータ番号・・・右パネルランプ42の点灯パターンを規定するもの。
(4)サウンド演出用パターンデータ番号・・・スピーカ214,174から出力させる音(例えば音声、楽曲、効果音等)の内容を規定するもの。
(5)画像演出用パターンデータ番号・・・液晶表示器44により表示させる画像(動画を表示させる画像群を含む)の内容を規定するもの。
(6)シャッタ演出用パターンデータ番号・・・シャッタユニット180の動作パターン(各シャッタ81,82の停止位置を含む)を規定するもの。
なお、上記(1)〜(3)で規定する各点灯パターンは、例えばLEDに印加する駆動電圧の波形パターンとして記述されている。波形パターンには、LEDを全点灯又は全消灯させる場合の他、点灯時の階調をデューティ制御するパターンも含まれる。
サブ制御CPU152は、演出基本データ番号「0660」,「0611」,「0002」,「0640」及び「0009」にそれぞれ対応する演出用パターンデータ番号をROM154から読み出し、これらを番号別のグループに配列してRAM156の格納領域に記憶させる。図9中、最も上位に配列されている演出基本データのグループ(番号「0660」)は、遊技者による始動操作に応じて実行されるものであり、操作の段階が次に進むにつれて番号「0611」,「0002」,「0640」,「0009」の順番に各演出基本データのグループが使用されることになる。なお図9は、演出基本データとしてRAM156のメモリ空間上に配列された値(コード)を可視(文字)化して示したものである。
以上のように、サブ制御CPU152が演出基本データを生成し、これをRAM156の格納領域に記憶させると、サブ制御CPU152は演出実行処理(ステップS62)において、上記(5)の画像演出用パターンデータ番号、(6)のシャッタ演出用パターンデータ番号をそれぞれ液晶ユニット176、シャッタユニット180に対するコマンドとして送信する。
そして液晶ユニット176の表示制御CPU178aは、サブ制御CPU152からコマンド(表示コマンド)を受信すると、このコマンドに基づいて液晶表示器44による画像の表示内容を制御する。またシャッタユニット180のモータ制御CPU182aは、サブ制御CPU152からコマンド(シャッタコマンド)を受信すると、このコマンドに基づいてステッピングモータ203A,203Bの回転方向及び回転角度を制御し、前シャッタ81及び後シャッタ82の開閉動作(停止位置)を制御する。以下、周辺の表示制御CPU178a及びモータ制御CPU182aによる制御の詳細について説明する。
〔モータ制御CPUの処理〕
図10は、モータ制御CPU182aが実行するタイマ割込処理の手順例を示すフローチャートである。モータ制御CPU182aは、図示しないメイン処理の実行中に所定の周期(例えば1〜数ms程度)でタイマ割り込みを発生させ、以下の処理を実行している。
〔タイマ割込処理〕
ステップS100:モータ制御CPU182aは、タイマ割込処理の中でコマンド受信処理を実行する。処理の内容については、次の図11を参照して後述する。
ステップS200:またモータ制御CPU182aは、タイマ割込処理の中で演出処理を実行する。演出処理の内容については、図12を参照して後述する。
〔コマンド受信処理〕
図11は、タイマ割込処理の中でモータ制御CPU182aが実行するコマンド受信処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS102:モータ制御CPU182aはポーリング受信を行い、サブ制御CPU152(サブ制御用コンピュータ150)から上記のシャッタ駆動コマンドとして、「シャッタ全開コマンド」を受信したか否かを確認する。「シャッタ全開コマンド」は、前後のシャッタ81,82をいずれも全開位置に移動させて表示画面71を開放するためのコマンドである。特に「シャッタ全開コマンド」を受信していなければ(No)、モータ制御CPU182aは次のステップS104を実行する。
ステップS104:次にモータ制御CPU182aは、サブ制御CPU152からのシャッタ駆動コマンドとして「シャッタ全閉コマンド」を受信したか否かを確認する。「シャッタ全閉コマンド」は、先と逆に前後のシャッタ81,82をいずれも全閉位置に移動させて表示画面71を全て遮蔽するためのコマンドである。特に「シャッタ全閉コマンド」を受信していなければ(No)、モータ制御CPU182aは次にステップS106を実行する。
ステップS106:そしてモータ制御CPU182aは、サブ制御CPU152からのシャッタ駆動コマンドとして、「演出コマンド」を受信したか否かを確認する。「演出コマンド」は、前後のシャッタ81,82に対して全開又は全閉以外の演出動作を指示するコマンドである。例えば、左側の後シャッタ82だけを閉位置に移動させたり、左右の前シャッタ81を表示画面71の半分程度が遮蔽される位置まで移動させたり、左右の前シャッタ81を小刻みに開閉移動させたりする動作である。この「演出コマンド」も受信していなければ(No)、モータ制御CPU182aはタイマ割込処理に復帰する。
一方、サブ制御CPU152から「シャッタ全開コマンド」、「シャッタ全閉コマンド」、「演出コマンド」のいずれかを受信した場合(ステップS102,ステップS104,ステップS106:Yes)、モータ制御CPU182aはステップS108を実行する。
ステップS108:モータ制御CPU182aは、受信したコマンドに対応する「演出パターン」をRAM182cに保存する。「演出パターン」には、各シャッタ81,82を動作させるためのステッピングモータ203A,203Bの励磁パターンが含まれる。
ステップS110:そしてモータ制御CPU182aは、演出実行フラグをオンにする。以上の手順を実行すると、モータ制御CPU182aはタイマ割込処理に復帰する。
〔コマンドの例〕
図12は、サブ制御CPU152からモータ制御CPU182aに送信されるシャッタ駆動コマンドの一覧を示す図である。サブ制御CPU152は、上記の演出基本データ(図9)に含まれる「シャッタ演出用パターンデータ番号」をシャッタ駆動コマンドとしてモータ制御CPU182aに送信する。このためシャッタ駆動コマンドは、例えば1バイトで「01H」,「02H」,「03H」,「04H」,「05H」,・・・等と記述されており、各コマンドには、その種類と「シャッタユニットの動作」が割り当てられている。具体的には、シャッタ駆動コマンド「01H」は上記の「シャッタ全開コマンド」に該当するものであり、これに対しては「左右両側の前後シャッタ81,82を全開する」という動作が予め割り当てられている。また、シャッタ駆動コマンド「02H」は上記の「シャッタ全閉コマンド」に該当し、これに対しては「左右両側で前後シャッタ81,82を全閉する」という動作が予め割り当てられている。シャッタ駆動コマンド「03H」以降は上記の「演出コマンド」に該当し、各コマンドに対して「左右両側の前後シャッタ81,82を半閉する」、「右側のみ前後シャッタ81,82を全閉する」等の動作が割り当てられている(その他は適宜、図面を参照。)。なお、各コマンドに対する割り当ての内容は、シャッタユニット180のROM182bに格納されており、モータ制御CPU182aは、受信したコマンドに対する割り当ての内容をROM182bから読み出して取得することができる。
〔演出処理〕
図13は、タイマ割込処理の中でモータ制御CPU182aが実行する演出処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS202:モータ制御CPU182aは、演出実行フラグがオンであるか否かを確認する。先のコマンド受信処理で演出実行フラグをオンにしていれば(Yes)、モータ制御CPU182aは次にステップS204を実行する。
ステップS204:モータ制御CPU182aは、RAM182cに保存されている演出パターンを実行する。これにより、ステッピングモータ203A,203Bの回転方向及び回転速度が演出パターンに基づいて制御され、実際に各シャッタ81,82が演出パターンに応じた動作を行う。
ステップS206:モータ制御CPU182aは、演出パターンの実行が完了したか否かを確認する。各シャッタ81,82の動作(ステッピングモータ203A,203Bの回転)にはある程度の時間を必要とするため、全ての演出パターンの実行が完了するまでの間(No)、モータ制御CPU182aはタイマ割り込みの周期でステッピングモータ203A,203Bの駆動を制御する。この後、タイマ割り込みを繰り返す過程で演出パターンの実行を完了したと判断すると(Yes)、モータ制御CPU182aは演出処理の中で次のステップS208を実行する。
ステップS208:モータ制御CPU182aは演出実行フラグをオフにし、タイマ割込処理に復帰する。この後、モータ制御CPU182aが新たなシャッタ駆動コマンドを受信するまでの間は演出実行フラグがオンにならないので(図11中のステップS106=No)、モータ制御CPU182aは演出処理の中でステップS204を実行することはない。
以上がモータ制御CPU182aの処理の内容であるが、本実施形態ではシャッタユニット180の動作を主体として、その動作に合わせた画像の表示制御を行うことができる。以下、表示制御CPU178aによる処理について説明する。
〔表示制御CPUの処理〕
図14は、表示制御CPU178aが実行するタイマ割込処理の手順例を示すフローチャートである。表示制御CPU178aは、図示しないメイン処理の実行中に所定の周期(例えば1〜数ms程度)でタイマ割り込みを発生させ、以下の処理を実行する。
ステップS400:表示制御CPU178aは、タイマ割込処理の中でコマンド受信処理を実行する。処理の内容については、次の図15を参照して後述する。
ステップS500:また表示制御CPU178aは、タイマ割込処理の中で画像表示処理を実行する。画像表示処理の内容についても、別の図17を参照して後述する。
〔コマンド受信処理〕
図15は、タイマ割込処理の中で表示制御CPU178aが実行するコマンド受信処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS402:表示制御CPU178aはポーリング受信を行い、サブ制御CPU152(サブ制御用コンピュータ150)から表示コマンドを受信したか否かを確認する。特に表示コマンドを受信していなければ(No)、表示制御CPU178aはタイマ割込処理に復帰する。一方、表示コマンドを受信したと判断した場合(Yes)、表示制御CPU178aは次のステップS404を実行する。
ステップS404:表示制御CPU178aは、受信したコマンドデータをRAM178dに保存する。保存を終えると、表示制御CPU178aはタイマ割込処理に復帰する。
〔表示コマンドの例〕
図16は、サブ制御CPU152から表示制御CPU178aに送信される表示コマンドの一覧を示す図である。サブ制御CPU152は、上記の演出基本データ(図9)に含まれる「画像演出用パターンデータ番号」を表示コマンドの一部として表示制御CPU178aに送信する。すなわち、図中の最上段から順番に示される「01H」,「02H」,「03H」,・・・は、表示コマンドの下位バイトを構成するものであり、これら表示コマンドには、予め「表示するべき画像データの内容」と「画像サイズの調整パターン」とがそれぞれ割り当てられている。また、図中の下段位置に示される表示コマンド「7FH」,「80H」は表示コマンドの上位バイトを構成するものであり、これら表示コマンドには、「情報表示の追加」と「表示位置の変更パターン」がそれぞれ割り当てられている。
このうち、下位バイトの表示コマンド「01H」に対しては「画像Aを表示する」という内容とともに、「画像サイズを縮小せずに表示する」という調整パターンが予め割り当てられており、また表示コマンド「02H」に対しては、「画像Bを表示する」という内容とともに「画像サイズを横方向のみ縮小して表示する」という調整パターンが予め割り当てられている(その他は適宜、図面を参照。)。サブ制御CPU152は、演出基本データに基づいて演出を実行するタイミング(始動操作時、第1〜第3停止操作時、投入操作時等)が到来すると、各操作に対応する「画像演出用パターンデータ番号」を表示コマンドの下位バイトにセットする。
一方、上位バイトの表示コマンド「7FH」に対しては、「情報表示を追加する」という内容とともに、「表示位置だけを変更する」という変更パターンが予め割り当てられており、次の表示コマンド「80H」に対しては、「情報表示を追加する」という内容とともに、「画像サイズに連動してサイズを調整する」という調整パターンが予め割り当てられている。ここでいう「情報表示を追加」は、上記の「画像A」や「画像B」とともに例えば「現在時刻情報」や「遊技メッセージ情報」等を表示することを意味する。サブ制御CPU152は、演出実行時に情報表示を追加する必要がある場合、「7FH」や「80H」等を表示コマンドの上位バイトにセットし、特に情報表示を追加する必要がなければ、表示コマンドの上位バイトに「00H」をセットする。なお、これら情報表示の具体例については後述する。
サブ制御CPU152から送信される表示コマンドは、上位バイトと下位バイトとを合成して、例えば「7FH01H」、「00H01H」等と1ワードで記述されている。上位バイトが「7FH」,「80H」等である場合、その表示コマンドにおいて「情報表示の追加」が指示されたことを意味する。一方、表示コマンドの上位バイトが「00H」である場合、その表示コマンドにおいて「情報表示の追加」は指示されていないことになる。いずれにしても、各表示コマンドに対応する割り当ての内容は、液晶ユニット176のROM178cに格納されており、表示制御CPU178aは、受信した表示コマンドに対する割り当ての内容をROM178cから読み出して取得することができる。
〔画像表示処理〕
図17は、タイマ割込処理の中で表示制御CPU178aが実行する画像表示処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS502:表示制御CPU178aは、RAM178dにコマンドデータが保存されているか否かを確認する。先のコマンド受信処理でRAM178dにコマンドデータが保存されていなければ(No)、表示制御CPU178aはタイマ割込処理に復帰する。これに対し、コマンドデータが保存されていれば(Yes)、表示制御CPU178aは次のステップS504を実行する。
ステップS504:表示制御CPU178aは表示コマンドの上位バイトを解析し、「情報表示の追加」が指示されているか否かを判断する。ここでは、例えば上位バイトが「7FH」,「80H」のいずれかであれば(Yes)、表示制御CPU178aは次のステップS506を実行する。一方、上位バイトが「00H」であれば(No)、表示制御CPU178aはステップS506を迂回して、その次のステップS508を実行する。
ステップS506:表示コマンドで「情報表示の追加」が指示されていた場合(ステップS504:Yes)、表示制御CPU178aは各種情報を取得する処理を行う。ここでは各種情報として、例えば以下のものが挙げられる。
(1)現在時刻情報・・・現在の時刻を示す。
(2)クレジット数情報・・・現在のクレジット数を示す。
(3)ベット数情報・・・現在のベット数を示す。
(4)ゲームカウント数情報・・・各種ボーナスゲーム中、リプレイタイム中にカウントしたゲーム回数を示す。
(5)獲得枚数情報・・・各種ボーナスゲーム中、リプレイタイム中に獲得したメダルの累計枚数を示す。
(6)遊技メッセージ情報・・・遊技の操作やエラーの発生等、遊技者に対して伝達する必要がある情報を示す。
上記(1)〜(6)の情報はあくまで例示であり、特にこれらに限定されない。また、表示制御CPU178aは全ての情報を取得する必要はなく、いずれか1つを取得するだけでもよい。
なお上記の各種情報は、例えば表示制御CPU178aからの要求に応じてサブ制御CPU152から送信される。あるいは、サブ制御CPU152から表示制御CPU178aに対して一定の割込周期で各種情報が送信されており、ステップS506で表示制御CPU178aが必要な情報を選択的に取得する態様であってもよい。表示制御CPU178aが取得した各種の情報は、例えばRAM178dのバッファ領域にセーブされる。
ステップS508:次に表示制御CPU178aは、画像データを取得する。表示制御CPU178aは画像ROM178eにアクセスし、表示コマンドの下位バイトで示される内容の画像データ(上記の「画像A」,「画像B」等)をVRAM178fに転送する。
ステップS510:表示制御CPU178aは取得した画像データについて、表示画面71上での基準座標(x,y)、横方向のサイズ(w)及び縦方向のサイズ(h)の初期値を取得する。ここでは、表示画面71が遮蔽されていない状態(前後シャッタ81,82が全開)を初期値として、上記のパラメータ(x,y,w,h)を取得する。
〔画像パラメータ〕
図18は、画像表示に関するパラメータ(x,y,w,h)を示す図である。ここでは説明を簡単にするため、前後シャッタ81,82が全開位置にある状態では、表示画面71の全画素が遮蔽されないことを前提としている。
画像表示に関するパラメータのうち、基準座標(x,y)は、表示画面71の最も左上に位置する画素を原点(0,0)として表すことができる。このため、横方向の位置(x)については右方向、縦方向の位置(y)については下方向に値が増加する。ここでは左右の前後シャッタ81,82が全開位置にある場合、基準座標(x,y)の初期値を(0,0)とする。
また左右の前後シャッタ81,82が全開位置にある場合、横方向のサイズ(w)の初期値は、表示画面71の略全幅(1ライン分の画素数)である。また縦方向のサイズ(h)の初期値は、表示画面71の略全高(縦方向の画素数)に相当する。表示制御CPU178aは、これらパラメータ(x,y,w,h)を設定した上で、画像データを表示画面71上に描画(表示)することができる。パラメータ(x,y,w,h)が初期値の設定である場合、図18に示されるように、表示画面71の全域に最大サイズで画像が表示されることになる。
〔図17:画像表示処理を参照〕
ステップS512:次に表示制御CPU178aは、画像合成処理を実行する。ここでは、表示制御CPU178aは画像データと各種情報とを合成(スプライト合成)する処理を行う。
ステップS514:次に表示制御CPU178aは、モータセンサ204A,204Bからの出力パルス数に基づいて、各シャッタ81,82の現在位置を取得(検出)する。ここでいう各シャッタ81,82の現在位置は、例えば表示画面71に対する相対的な位置であり、具体的には全開位置から水平方向への移動量で表される。なお、ここでは相対的な位置として検出しているが、例えば全開位置を基準位置として、この基準位置に対する絶対的な位置を現在位置として検出してもよい。
ステップS516:表示制御CPU178aは、先のステップS514で取得した位置情報から前後シャッタ81,82が全開位置にあるか否かを判断する。前後シャッタ81,82が全開位置にないと判断した場合(No)、表示制御CPU178aは次にステップS518を実行する。
ステップS518:表示制御CPU178aは、画像を縮小せずに表示するべきか否かを確認する。この判断は、サブ制御CPU152から受信した表示コマンドに基づいて判断することができる。上記の表示コマンド「01H」,「04H」には、そのサイズ調整パターンとして「縮小せず表示」が割り当てられているが、その他の表示コマンド「02H」,「03H」には、サイズ調整パターンとして「横方向のみ縮小表示」又は「縦横方向に縮小表示」が割り当てられている。このため、現時点で保存されているコマンドデータに「縮小表示」の割り当てがある場合、サブ制御CPU152は画像を縮小して表示する必要があると判断し(No)、次のステップS520を実行する。
〔x,wの調整:画像調整手段〕
ステップS520:表示制御CPU178aは、取得した前後シャッタ81,82の位置から画像の基準位置(x)を調整し、合わせて横方向のサイズ(w)を縮小する。調整後の基準位置(x)は、左側の前後シャッタ81,82の位置から導出することができる。また横方向のサイズの縮小比率は、表示画面71の中で遮蔽されていない領域の割合から導出することができる。例えば、表示画面71の大きさが画素数で表されるとき、左側の前後シャッタ81,82が表示画面71の左側部分をN画素程度(N:整数)まで遮蔽する位置にあれば、画像の基準位置(x)は初期値から+Nの位置に調整される。そして、左右両側の前後シャッタ81,82が表示画面71の全幅のM%程度(M>0)を遮蔽する位置にあれば、横方向のサイズ(w)は初期値から−M%に縮小される。なお、画像サイズの縮小比率は、単に前後シャッタ81,82の現在位置(例えば、基準位置に対する絶対位置)から導出してもよい。すなわち、前後シャッタ81,82の現在位置が分かれば、表示画面71がどの程度まで遮蔽されているかが明らかであるため、そのときの縮小比率は一義的に導出することができる。
ステップS522:次に表示制御CPU178aは、画像を横方向のみ縮小表示するべきか否かを判断する。この判断もまた、保存されているコマンドデータに基づいて判断することができる。表示コマンドが上記の「03H」であれば、そのサイズ調整パターンとして「縦横方向に縮小表示」が割り当てられているため、サブ制御CPU152は画像を横方向だけでなく、縦方向にも縮小表示する必要があると判断し(No)、次のステップS524を実行する。
〔h,yの調整:画像調整手段〕
ステップS524:この場合、表示制御CPU178aは、横方向のサイズ(w)の縮小比率から縦方向のサイズ(h)を縮小し、合わせて画像の基準位置(y)を調整する。例えば、上記のように横方向のサイズ(w)が初期値から−10%に縮小されていれば、横方向のサイズ(w)もまた初期値から−10%に縮小される。そして、縮小後の縦方向サイズ(h)に基づいて画像の縦方向の長さ(画素数)を求め、縮小後の画像を表示画面71の略中央に位置付けるのに適切な基準位置(y)が設定される。
〔情報表示画像の調整〕
ステップS526:次に表示制御CPU178aは、画像に追加する情報表示用の画像について、その表示位置だけを変更するべきか否かを判断する。具体的には、表示制御CPU178aは表示コマンドの上位バイトを参照し、追加する情報表示について「表示位置だけを変更する」という変更パターンが割り当てられているか否かを確認する。表示コマンドの上位バイトが上記の「80H」であれば、「画像サイズに連動してサイズを調整する」という調整パターンが割り当てられているため(No)、表示制御CPU178aは次にステップS528を実行する。また、上位バイトが「00H」である場合、情報表示そのものが追加されていないため(No)、同じく表示制御CPU178aは次にステップS528を実行する。
〔合成画像の表示:表示制御手段〕
ステップS528:表示制御CPU178aは、設定したサイズ(w,h)を用いて基準位置(x,y)に画像を表示させる。これにより、縦方向及び横方向にサイズを縮小された画像が表示画面71に表示される。このとき情報表示が追加されていれば、その画像も合わせて縮小表示されることになる。
一方、表示コマンドの上位バイトが上記の「7FH」であれば、追加する情報表示用の画像に「表示位置だけを変更する」という変更パターンが割り当てられているので(ステップS526:Yes)、この場合、表示制御CPU178aはステップS530を実行する。
〔表示位置の変更:位置導出手段、表示位置制御手段〕
ステップS530:表示制御CPU178aは、情報表示用の画像についてのみ、サイズ(w,h)を初期値に設定する。この手順を経て表示制御CPU178aがステップS528を実行すると、情報表示用の画像については基準位置(x,y)のみが調整され、サイズ(w,h)は初期値のままとなるので、表示画面71上では表示位置のみが変更された状態で表示されることになる(縮小なし)。
これとは別に、先のステップS522で画像を横方向にのみ縮小表示するべきと判断した場合(No)、表示制御CPU178aは画像の基準位置(y)及び横方向のサイズ(w)を初期値のままとして、上記のステップS528を実行する。この場合、縦方向には初期のサイズのままで、横方向にだけサイズを縮小された画像が表示画面71に表示されることになる。
また、先のステップS516で前後シャッタ81,82が全開位置にあると判断した場合(Yes)、あるいは、ステップS518で画像を縮小せずに表示するべきと判断した場合(Yes)、表示制御CPU178aは全てのパラメータ(x,y,w,h)を初期値の設定のままでステップS528を実行する。この場合、表示画面71の全域に最大のサイズで画像が表示されることになる。
〔演出動作の具体例〕
次に、いくつかの演出動作例を挙げて具体的に説明する。以下の演出動作例では説明の煩雑化を防止するため、左右それぞれで前後シャッタ81,82が同じ位置に移動するものとする(片側で前後シャッタ81,82が別々の位置に移動しない。)。なお、左右それぞれで前シャッタ81又は後シャッタ82のいずれか一方だけが移動し、他方は常時、全開位置で停止している態様であってもよい。
図19は、演出ユニット105による演出動作例1〜3を示す図である。また図20は、演出ユニット105による演出動作例4,5を示す図である。これら演出動作例1〜5では、表示画面71上に演出上の基本となる画像A(第1の画像)が表示されており、その一部に追加して情報表示用画像(第2の画像)が表示されている。このうち画像Aは、例えば何らかの背景(ステージ)の中にキャラクターが存在し、そこで何らかのストーリーが進行するといった内容である。一方の情報表示用画像は、遊技者に対する追加情報として、例えば現在時刻を表示している。なお、以下の演出動作例で使用するコマンドは、図9で例示した演出基本データに対応するものではない。
〔演出動作例1〕
図19中(A):演出動作例1は、表示コマンドが「80H01H」であり、シャッタ駆動コマンドが「01H」の場合である。表示コマンドの下位バイト「01H」は、上記のように「画像Aを縮小せずに表示」を指示するものである。また表示コマンドの上位バイト「80H」は、「情報表示を追加」及び「画像サイズに連動して表示」を指示するものである。そしてシャッタ駆動コマンド「01H」は、「前後シャッタ81,82を全開」を指示するものである。
この場合、モータ制御CPU182aは演出処理(図13)で前後シャッタ81,82を全開位置に停止させる制御を行う。また、表示制御CPU178aは画像表示処理で現在時刻情報を取得するとともに(図17中のステップS506)、画像表示のパラメータ(x,y,w,h)を調整せず(図17中のステップS516:Yes)、初期値のままで画像を表示させる。
このため、演出動作例1では表示画面71が前後シャッタ81,82によって遮蔽されておらず、表示画面71の全域に最大のサイズで画像Aが表示されている。また情報表示用画像(図中符号Im)として、例えば現在時刻情報「12:13」が表示画面71内の初期位置(例えば右上隅)に表示されている。
〔演出動作例2〕
図19中(B):演出動作例2は、表示コマンドが「80H03H」であり、演出動作例1とは下位バイトが異なっている。また、演出動作例2のシャッタ駆動コマンドは「03H」である。表示コマンドの下位バイト「03H」は、「画像Aを縦横方向に縮小して表示」を指示するものであり、シャッタ駆動コマンド「03H」は、「前後シャッタ81,82を半閉」を指示するものである。
この場合、モータ制御CPU182aは演出処理(図13)で左右両側の前後シャッタ81,82を全開位置から中央に移動させ、それぞれ半分程度まで閉じた半閉位置に停止させる制御を行う。また、表示制御CPU178aは画像表示処理で現在時刻情報を取得するとともに(図17中のステップS506)、基準位置(x,y)をともに調整し、合わせて横方向のサイズ(w)及び縦方向のサイズ(h)をそれぞれ縮小する(図17中のステップS520,ステップS524)。
その結果、演出動作例2では左右両側の前後シャッタ81,82によって表示画面71が半分程度まで遮蔽された状態となり、そして、表示画面71の中で遮蔽されていない領域(非遮蔽領域)に縦方向及び横方向に縮小されたサイズで画像Aが表示されることになる。このとき表示コマンドの上位バイトが「80H」であるため、情報表示用画像Imは画像Aのサイズに連動して縮小表示されている。
〔演出動作例3〕
図19中(C):次に演出動作例3は、表示コマンドが「80H02H」であり、ここでも演出動作例1とは下位バイトが異なっている。また、演出動作例3ではシャッタ駆動コマンドは「05H」である。表示コマンドの下位バイト「02H」は、「画像Aを横方向のみに縮小して表示」を指示するものであり、シャッタ駆動コマンド「05H」は、「前後シャッタ81,82を大きく半閉」を指示するものである。
この場合、モータ制御CPU182aは演出処理(図13)で左右両側の前後シャッタ81,82を全開位置から中央寄りに大きく移動(演出動作例2の場合より移動量が大きい)させ、上記の半閉位置を少し超えた位置で停止させる制御を行う。また、表示制御CPU178aは画像表示処理で現在時刻情報を取得するとともに(図17中のステップS506)、基準位置(x)と横方向のサイズ(w)のみを縮小する(図17中のステップS520)。この場合、基準位置(y)及び縦方向のサイズ(h)は初期値のままである。
演出動作例3では、左右両側の前後シャッタ81,82によって表示画面71の半分以上が遮蔽されている。そして、表示画面71の中で残りの遮蔽されていない領域(非遮蔽領域)に横方向にのみ縮小されたサイズで画像Aが表示されることになる。演出動作例3においても表示コマンドの上位バイトが「80H」であるため、情報表示用画像Imは画像Aのサイズに連動して横方向のみ縮小表示されている。
〔演出動作例4:図20を参照〕
図20中(D):演出動作例4は、表示コマンドが「80H03H」であり、これは演出動作例2と同様である。ただし、演出動作例4ではシャッタ駆動コマンドが「04H」であり、これは上記の演出動作例1〜3と異なっている。すなわち、シャッタ駆動コマンド「04H」はコマンドの種類が「演出2」であり、動作として「右側のみ前後シャッタ81,82を全閉」を指示するものである。
この場合、モータ制御CPU182aは演出処理(図13)で右側の前後シャッタ81,82だけを半閉位置に停止させ、左側の前後シャッタ81,82は全開位置に停止させる制御を行う。また、表示制御CPU178aは画像表示処理で現在時刻情報を取得する(図17中のステップS506)。ただし、演出動作例4では左側の前後シャッタ81,82が全開位置から移動しないため、表示制御CPU178aは画像の基準位置(x)を初期値のままとして基準位置(y)だけを調整し、合わせて横方向のサイズ(w)及び縦方向のサイズ(h)を縮小する(図17中のステップS520,ステップS524)。
このため、演出動作例4では右側の前後シャッタ81,82によって表示画面71の右半分が遮蔽されているが、左半分の遮蔽されていない領域(非遮蔽領域)に縦方向及び横方向に縮小されたサイズで画像Aが表示されている。なお、ここでも表示コマンドの上位バイトが「80H」であるため、情報表示用画像Imは画像Aのサイズに連動して縮小表示されている。
〔演出動作例5〕
図20中(E):次に演出動作例5は、表示コマンドが「80H02H」であり、これは演出動作例3と同様である。また、演出動作例5ではシャッタ駆動コマンドが「04H」であり、これは上記の演出動作例4と同様である。
この場合、モータ制御CPU182aは演出処理(図13)で右側の前後シャッタ81,82だけを半閉位置に停止させ、左側の前後シャッタ81,82は全開位置に停止させる制御を行う。また、表示制御CPU178aは画像表示処理で現在時刻情報を取得する(図17中のステップS506)。ただし、演出動作例5においても左側の前後シャッタ81,82が全開位置から移動せず、加えて縦方向のサイズを縮小しないため、表示制御CPU178aは画像の基準位置(x,y)をいずれも初期値のままとし、横方向のサイズ(w)のみを縮小する(図17中のステップS520)。
したがって、演出動作例5では右側の前後シャッタ81,82によって表示画面71の右半分が遮蔽されているが、左半分の遮蔽されていない領域(非遮蔽領域)には、横方向だけに縮小されたサイズで画像Aが表示されている。情報表示用画像Imについてもこれまでと同様である。
〔表示位置のみの変更例〕
なお、ここでは特に図示していないが、上記の演出動作例2〜5において表示コマンドの上位バイトが「7FH」である場合、情報表示用画像Imはその表示位置のみが変更される。具体的には、演出動作例2,4においては、右側の前後シャッタ81,82の位置に合わせて表示位置のパラメータ(x)だけが調整され、横方向のサイズ(w)及び縦方向のサイズ(h)は初期値に設定される(図17中のステップS530)。また演出動作例3,5においては、右側の前後シャッタ81,82の位置に合わせて表示位置のパラメータ(x,y)がともに調整されるが、横方向のサイズ(w)及び縦方向のサイズ(h)は同じく初期値に設定される(図17中のステップS530)。
これにより、演出動作例2,4では画像Aが縦方向及び横方向に縮小されるが、その中で情報表示用画像Imは初期の大きさのまま表示される。また、演出動作例3,5では画像Aが横方向にだけ縮小されるが、その中で情報表示用画像Imは初期の大きさのまま表示されることになる。なお、演出動作例2,4では情報表示画像Imについて、その表示位置のパラメータ(y)を調整せず、初期値に設定してもよい。この場合、表示画面71上で画像Aは縦方向にも縮小されて表示されるが、情報表示画像Imは画像Aの外(上方位置)に表示されることになる。
〔その他の演出動作例〕
図21は、現在時刻情報以外の情報表示を追加した例として、演出動作例6,7を示す図である。これら演出動作例6,7では、情報表示用画像(図中符号M)として遊技メッセージ情報を追加したものである。遊技メッセージ情報は、例えば「リールを止めて下さい」という文字情報であり、これは遊技者に対して停止操作を促すためのものである。
本実施形態では、遊技者が始動操作を行った後、ある程度の時間(例えば3分程度)が経過してもいずれかのリール6,8,10が回転している場合、サブ制御CPU152の判断で遊技メッセージ情報を表示することができる。このためサブ制御CPU152は、表示コマンドの上位バイトとして例えば「7DH」,「7EH」を予め用意している。このうち、表示コマンド「7DH」には、「遊技メッセージ情報表示を追加する」という内容とともに、「表示位置だけを変更する」という変更パターンが予め割り当てられており、表示コマンド「7EH」に対しては、「遊技メッセージ情報表示を追加する」という内容とともに、「画像サイズに連動してサイズを調整する」という調整パターンが予め割り当てられているものとする。
〔演出動作例6〕
図21中(A):演出動作例6は、表示コマンドが「7EH01H」であり、これは上記の演出動作例1と上位バイトが異なっている。また、シャッタ駆動コマンドは「01H」であり、これは上記の演出動作例1と同様である。
この場合、モータ制御CPU182aは演出処理(図13)で前後シャッタ81,82を全開位置に停止させる制御を行う。また、表示制御CPU178aは画像表示処理で遊技メッセージ情報を取得するとともに(図17中のステップS506)、画像表示のパラメータ(x,y,w,h)を調整せず(図17中のステップS516:Yes)、初期値のままで画像を表示させる。
これにより、演出動作例6では表示画面71が前後シャッタ81,82によって遮蔽されておらず、表示画面71の全域に最大のサイズで画像Aが表示されているが、情報表示用画像Mとして、「リールを止めて下さい」の文字情報が表示画面71内の初期位置(例えば中央上寄り位置)に表示されている。
〔演出動作例7〕
図21中(B):次に演出動作例7は、表示コマンドが「7EH02H」であり、これは上記の演出動作例6と下位バイトが異なっている。また、演出動作例6ではシャッタ駆動コマンドが「04H」であり、これは上記の演出動作例4,5と同様である。
この場合、モータ制御CPU182aは演出処理(図13)で右側の前後シャッタ81,82だけを半閉位置に停止させ、左側の前後シャッタ81,82は全開位置に停止させる制御を行う。また、表示制御CPU178aは画像表示処理で遊技メッセージ情報を取得するとともに(図17中のステップS506)、基準位置(x)、横方向のサイズ(w)のみを縮小する(図17中のステップS520)。
したがって、演出動作例6では右側の前後シャッタ81,82によって表示画面71の右半分が遮蔽されているが、左半分の遮蔽されていない領域(非遮蔽領域)には、横方向だけに縮小されたサイズで画像Aが表示されている。また、表示コマンドの上位バイトが「7EH」であるため、情報表示用画像Mは画像Aのサイズに連動して縮小表示されている。
ここでも特に図示していないが、上記の演出動作例6,7において表示コマンドの上位バイトが「7FH」である場合、情報表示用画像Mはその表示位置のみが変更される。具体的な表示位置の変更については、演出動作例1〜5において述べた内容と同様である。
なお、表示される遊技メッセージ情報は、例えば「メダル詰まりです」や「メダル切れです」、「ドアが開いています」、「係員を呼んでください」等の文字情報であってもよい。また、ここでは追加する情報表示の内容として上記の(1)現在時刻情報と(6)遊技メッセージ情報を挙げているが、その他の情報を表示する場合も同様である。
〔演出動作例のまとめ〕
上記の演出動作例1〜7によれば、表示制御CPU178aがタイマ割込処理の中でリアルタイムに前後シャッタ81,82の位置を検出(取得)し、その位置からパラメータ(x,y,w,h)を調整することで、前後シャッタ81,82が移動する過程においても、リアルタイムに画像の表示位置やサイズの調整が行われる。したがって、あたかも前後シャッタ81,82の動きに合わせて画像が伸び縮みしているかのような視覚的効果を生じることができ、それだけ遊技者に対する訴求力を高めることができる。
演出動作例2,3では、左右両側の前後シャッタ81,82が対称に移動する動作に合わせて、表示画面71の中央位置で画像Aが縮小表示される。このため遊技者からは、左右の前後シャッタ81,82が閉じたことで、あたかも両側から画像Aが押しつぶされたり、中央に圧縮されたりしているかのように視認される。
一方、演出動作例4,5では、左側の前後シャッタ81,82が全開位置で停止したままであり、それに対して右側の前後シャッタ81,82が全閉位置に移動する動作に合わせて、表示画面71の左寄りに画像Aが縮小表示される。この場合、遊技者からは右側の前後シャッタ81,82だけが閉じたことで、画像Aが左寄せに押しつぶされたり、左寄せで圧縮されたりしているかのように視認される。
このように、本実施形態では前後シャッタ81,82の動作に合わせて画像の縮小表示パターンに多様な変化を与えることができる。このため図示していないが、例えば演出動作例4,5で示した動作を行った後、これと反対(左右対称)の動作を前後シャッタ81,82に行わせた場合、一旦、左寄せに縮小された画像Aが今度は逆に右寄せに縮小されるといった演出を実現することができる。
また本実施形態では、あくまでシャッタ81,82の動作を主体として画像の表示位置やサイズ調整を行うことができ、画像の内容に合わせて予めシャッタ81,82の動作をプログラムしておく必要がないことから、サブ制御CPU152は、画像演出用パターンデータとシャッタ演出用パターンデータとを多様に組み合わせた演出基本データを生成することができる。これにより、演出の多様性を大幅に広げることができ、それだけ遊技者に対して多彩な演出を提供することができる。
画像は常に表示画面71上の非遮蔽領域に表示されるため、遊技者に対して見せておきたい画像(演出上で訴求させたい画像や情報表示用画像)が遮蔽されることがないので、遊技者に「画像が隠れて見えない」といった不具合を感じさせることがない。
特に、遊技メッセージ情報については、前後シャッタ81,82が半閉位置に移動しても、その内容を遊技者に対して確実に視認させることができる。このため、遊技者の不注意等によって遊技の進行が滞るのを防止することができ、それだけ遊技のスムーズな進行を促し、スロットマシン1の稼働を維持することができる。
〔その他の実施形態〕
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々の変形を伴って実施することができる。一実施形態で挙げた画像や演出動作例1〜7はあくまで好ましい例示であり、これ以外の画像を用いてその他の演出動作を行うことは当然に可能である。
また、シャッタユニット180は2重のシャッタ81,82ではなく、1枚のシャッタだけを有していしてもよいし、左右のいずれかにシャッタ81,82を有しているだけでもよい。あるいは、シャッタが上下方向、斜め方向等に移動可能な態様であってもよい。
その他、一実施形態であげた前後シャッタ81,82の具体的な形状、構造等はあくまで一例に過ぎず、これらは適宜変形してもよい。
本発明は、パチンコ遊技機として実施することもできる。パチンコ遊技機の場合、前面から見て遊技盤面(遊技領域)のほぼ中央位置で、遊技板(ベニヤ板、透明板等)の後方に画像表示器が設置される。そして、画像表示器の表示画面より前面に一実施形態と同様のシャッタを配置して、これらを開閉可能に支持することで、一実施形態と同様の演出動作を実現することができる。