JP3948062B2 - 記憶装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラッシュメモリを用いた記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、画像データ,音声データ,アプリケーションデータ等をフラッシュメモリに記憶する記憶装置が提案されている。上記フラッシュメモリには、画像データ等とともに、そのデータのIDナンバ,スタートアドレス及びエンドアドレス,記録時刻等からなる管理情報が記憶される。
【0003】
管理情報は、検索の容易さを優先して、通常、フラッシュメモリのアドレスの先頭の0000h番地又はアドレスの最後のFFFFh番地のブロックに記憶されている。
【0004】
そして、上記記憶装置から所定のデータを読み出すときは、マイクロコンピュータ(以下、「マイコン」という。)が、管理情報を検索し、この管理情報に記述されているスタートアドレス及びエンドアドレスに基づいて上記所定のデータを読み出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、マイコンは、静電気や電源電圧,その他予期し得ない原因によって異常動作することがある。このとき、マイコンは、その異常動作によってフラッシュメモリの特定のアドレスをセットして、そのアドレスに該当するデータを破壊することが多い。
【0006】
例えば音声データが破壊されたときは、その音声データを再生すると再生音に異常が生じるものの、マイコンの動作やフラッシュメモリの読出し/書込みの動作に何等影響はなく、破壊された音声データをいったん消去すれば再び正常にフラッシュメモリを使用することができる。
【0007】
しかし、データの書込み/読み出し等を管理する管理情報が破壊されると、既に記憶されたデータを一切読み出すことができなくなり、事実上フラッシュメモリを使用することができなくなる。
【0008】
また、マイコンの異常動作時においては、ランダムな0と1と組み合わせからなるアドレスがフラッシュメモリにセットされる可能性は低く、全て0又は全て1からなるアドレスがセットされる可能性が高い。換言すると、マイコンの異常時においては、アドレスの先頭又は最後にあるデータが破壊される可能性が非常に高く、このとき管理情報が破壊されてしまい、既に記憶されているデータを読み出すことができくなる問題が生じた。
【0009】
本発明は、このような実情を鑑みて提案されたものであり、異常動作等が生じても管理情報を破壊することなく所望のデータを読み出すことができる記憶装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る記憶装置は、データと、アドレスの先頭又は最後にあるブロックを除外して上記データを管理する管理情報とを記憶する記憶手段と、上記管理情報に基づいて所定のデータを読み出す制御を行う制御手段とを備える。上記管理情報は、少なくとも、上記データが記憶されているアドレス情報を含む第1のインデックスステージブロックと第2のインデックスステージブロックとに格納され、上記第1インデックスステージブロックと上記第2インデックスステージブロックは、データの書き換えがある毎に交互に書き込みが行われる。具体的に、新たなデータが上記記憶手段に記憶されるときは、既存のデータのアドレス情報と新たなデータのアドレス情報とが上記第1のインデックスステージブロック又は上記第2のインデックスステージブロックの何れかに書き込まれる
【0011】
すなわち、上記記憶装置では、アドレスの先頭又は最後にあるブロックを除外して管理情報が記憶されているので、異常動作が生じても管理情報が破壊されるのを回避することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明は、例えば図1に示すような構成のICレコーダ1に適用される。
【0013】
上記ICレコーダ1は、記録部10によって電気的にデータの消去/再書込みが可能な不揮発性メモリであるEEPROM(Electrical Erasable/Programmable Read-Only Memory )すなわちフラッシュメモリ9に音声データを記憶させ、フラッシュメモリ9の音声データを再生部20によって再生する制御を行う制御部30を有し、表示部40に操作部50からの操作内容やフラッシュメモリ9の音声データの内容を表示させるものである。
【0014】
上記記録部10は、音声を電気信号に変換して音声信号を出力するマイクロホーン11と、マイクロホーン11からの音声信号を増幅する増幅器12と、増幅器12で増幅された音声信号の利得制御を行う自動利得制御回路(以下、「AGC」:Automatic Gain Controllerという。)13と、AGC13からの音声信号を音声データに変換するエンコーダ14と、エンコーダ14からの音声データを一時記憶するバッファメモリ15とを備える。
【0015】
マイクロホーン11は、入力される音を音声信号に変換して増幅器12に供給し、増幅器12は、音声信号を増幅してAGC13に供給する。AGC13は、増幅器12で増幅された音声信号を、その利得が所定値になるように利得制御を行ってエンコーダ14に供給する。
【0016】
エンコーダ14は、音声信号が時間的に相関が強いことから、例えば適応型差分パルスコードモジュレーション(以下、「ADPCM」:Adaptive Differential Pulse Code Modulation という。)方式により、音声信号を符号化して音声データを生成し、この音声データをバッファメモリ15を介してフラッシュメモリ9に供給する。
【0017】
また、エンコーダ14は、2つのモードに応じて音声データの符号化量を調整することができ、例えばSPモードのとき8kHzでサンプリングを行い、LPモードのときは4kHzでサンプリングを行って、時間軸方向に対して音声信号の符号化量を調整する。
【0018】
一方、再生部20は、フラッシュメモリ9から読み出された音声データを元の音声信号に変換するデコーダ21と、高域成分を除去するフィルタ22と、フィルタ22からの音声信号を増幅してスピーカ24に供給する増幅器23とを備える。
【0019】
デコーダ21は、記録部10のエンコーダ14に対応したものであり、上述のSPモード又はLPモードに応じてフラッシュメモリ9から読み出された音声データ、すなわちADPCM方式で符号化された音声データを復号していわゆるPAM信号を生成する。フィルタ22は、このPAM信号から音声帯域以上の高周波成分を除去して、音声信号を出力する。増幅器23は、デコーダ21から供給される音声信号を増幅してスピーカ24を駆動する。かくして、録音された音がスピーカ24から出力される。
【0020】
制御部30は、このICレコーダ1の動作を制御するためのプログラムが記憶されているROM31と、ROM31に記憶されているプログラムを実行して、フラッシュメモリ9や記録部10,再生部20,表示部30を制御するマイクロコンピュータ(以下、CPUという。)32と、時刻情報を生成するタイマ33と、時刻やプログラムの実行結果等を一時的に記憶するランダム・アクセス・メモリ(以下、RAM:Random Access Memoryという。)34とを備え、操作部50の操作設定に基づいて各回路を制御する。
【0021】
また、CPU32は、例えばタイマ33が所定時刻になると、フラッシュメモリ9に記録されている音声データを読み出す制御を行う。
【0022】
表示部40は、低消費電力の液晶表示パネル41と、この液晶表示パネル41を照明するためのバックライト42とを備え、ICレコーダ1の動作状態や操作手順を表示する。
【0023】
また、上述の記録部10,再生部20,制御部30は図2に示す匡体60内に設けられている。匡体60の操作面には、図2に示すように、表示パネル41が外部を臨むように設けられ、さらに、記録再生等の操作を行うための操作部50が配設されている。
【0024】
操作部50は、具体的には、ファイルボタン51と、メニューボタン52と、プライオリティボタン53と、ジョグダイヤル54と、停止ボタン55と、録音ボタン56と、消去ボタン57と、ホールドスイッチ58とを有する。
【0025】
ファイルボタン51は、ファイルを変更操作するためのものである。なお、1件の音声データは、1以上のファイルから構成される。メニューボタン52は、モード状態をメニューモードに設定するものである。また、メニューモードに設定されると、ジョグダイヤル54によって種々の操作設定が可能になる。プライオリティボタン53は、録音されたファイルの優先順位を切換設定するものである。停止ボタン55は、録音中又は再生中の動作を中止させるものである。録音ボタン56は、録音を開始するためものである。消去ボタン57は、再生中又は停止中に1件の音声データを消去するためのものである。ホールドスイッチ58は、動作中又は停止中の状態を維持するためのスライドスイッチであり、ホールドオン/オフの切換を設定することによってボタン操作を有効にしたり無効にするものである。
【0026】
ここで、上述のフラッシュメモリ9は、例えばNAND型のものである。フラッシュメモリ9は、バッファメモリ15から供給される音声データを記憶すると共に、どの領域に記憶したか等を示す音声データを管理する管理情報(以下、TOC情報という。)を記憶する。上記フラッシュメモリ9は、8×16Mビットの容量を有し、SPモードでは200〜3400Hzの音声信号に対応した16分間分の音声データを記憶することができ、LPモードでは200〜1700Hzの音声信号に対応した24分間分の音声データを記憶することができる。
【0027】
ここで、上記フラッシュメモリ9には、図3に示すように、消去単位となる512ブロック毎に音声データ等が分割されて記憶される。そして、これらのブロックは6種類に分けられる。具体的には、エターナルブロック(1ブロック)と、インデックスステージ0ブロック(6ブロック)と、インデックスステージ1ブロック(6ブロック)と、バックアップブロック(1ブロック)と、ワークエリアブロック(15ブロック)と、PCMデータブロック(469ブロック)の6種類がある。
【0028】
また、上述のTOC情報は、エターナルブロックと、インデックスステージ0ブロックと、インデックスステージ1ブロックと、バックアップブロックと、ワークエリアブロックとによって構成される。なお、音声データは、PCMデータブロックに書き込まれる。
【0029】
各ブロックは、図3に示すように、1ページ(=528バイト)が16個集合して構成され、ページ0,ページ1,・・・,ページ14,ページ15を有する。この1ページは512バイトのデータエリアと16バイトの冗長エリアとからなる。なお、データの記録再生の不可能なブロック(以下、「無効ブロック」という。)は最大10ブロック存在している。
【0030】
ここで、エターナルブロックはフラッシュメモリ9の最初又は最後のブロック以外、すなわちアドレスの先頭又は最後以外に設けられている。エターナルブロックは、最初に読み出されるTOC情報であって、このデータに基づいてインデックスステージ0ブロックやインデックスステージ1ブロック等が読み出される。このように、エターナルブロックは、データを読み出すための重要なものであり、静電気,異常電圧等の異常動作時に最も破壊される可能性の高い場所であるアドレスの先頭又は最後を避けて配置されている。すなわち、例えば音声データの記録されているブロックが破壊されてもかかるブロックのデータをいったん消去すればその後問題は生じない。しかし、エターナルブロックが破壊されてしまうと全てのデータを読み出すことが不可能となってしまうので、これを回避すべくエターナルブロックは上述のようにアドレスの先頭又は最後以外のブロックに設けられている。
【0031】
なお、エターナルブロックでは、ページ0のみにデータがあり、ページ1〜ページ15にはデータがない。
【0032】
エターナルブロックのページ0は、具体的には図4に示すように、4バイトのエターナルブロック認識用のデータと、2バイトのエターナルブロックアドレスと、2バイトのインデックスステージ0アドレスと、2バイトのインデックスステージ1アドレスと、2バイトのワークエリアブロックスタートアドレスと、4バイトのダミーデータと、128バイトのブランクマップとを備える。なお、ブランクマップは、上述の無効ブロックの場所を示すものである。
【0033】
インデックスステージ0ブロックとインデックスステージ1ブロックは同じ構成であり、データの書換がある毎に、これらは交互に書き換えられる。すなわち、音声データが書き込まれると例えばインデックスステージ0ブロックのデータが書き直され、再び音声データが書き込まれるとインデックスステージ1ブロックのデータが書き直される。以下、これらのブロックをインデックスステージブロックと総称して説明する。
【0034】
インデックスステージブロックは、上述のようにそれぞれ6ブロックあり、ファイルデータからなるもの(5ブロック)と、ステージデータからなるもの(1ブロック)とがある。
【0035】
ファイルデータからなるインデックスステージブロックは、図5に示すように、ページ0からページ11にあるADRデータ部と、ページ12からページ15にあるHDR部とで構成される。
【0036】
ADRデータ部は、具体的には図6に示すように、例えば「01」〜「06」のIDナンバと、音声データが記録されているファイル毎に、当該ファイルのSP又はLPのモードを示す「SP」と、当該ファイルの上位のスタートアドレスを示す「STH」及び下位のスタートアドレスを示す「STM」と、当該ファイルの上位のエンドアドレスを示す「ENH」及び下位のエンドアドレスを示す「ENM」とを有する。
【0037】
例えば、6件の音声データが録音された場合、図7に示すように、上記ADRデータ部には上記6件毎に対応する「01」〜「06」までのIDナンバが記録される。なお、このIDナンバは、録音された6件の音声データの再生の順序を示すものである。そして、IDナンバ毎に、記録モード(SP)と、そのIDナンバの音声データが記録されている場所のスタートアドレス(STH,STM)とエンドアドレス(ENH,ENM)が記録されている。なお、IDナンバ01及びID03の音声データの容量は大きいので、図6に示すように、例えばIDナンバ01は2つのファイルで構成され、IDナンバ03は4つのファイルで構成されている。このとき各ファイル毎に記録モードとスタートアドレス及びエンドアドレスが記録される。
【0038】
また、HDRデータ部は、図7に示すように、ファイル毎に、当該ファイルのプライオリティを示す「PRI」と、アラームセットのオン/オフを示す「ALM」と、アラームを鳴らす月,日,時,分,曜日を示す「AMO」,「ADA」,「AHO」,「AMI」,「AOW」とを有する。ここで、プライオリティとは、音声データのファイルの再生の優先順位を示すものである。また、HDRデータ部は、音声データが更新されなくても、プライオリティやアラームの設定変更がある毎に更新される。
【0039】
一方、ステージデータからなるインデックスステージブロックは、図8に示すように、ページ0にある有効マークと、ページ1にあるモード中断マークと、ページ2にあるブランクマップと、ページ3にあるエターナルブロックブランクマップとを備える。
【0040】
バックアップブロックは、上述のエターナルブロックのバックアップであり、エターナルブロックをコピーしたものである。したがって、エターナルブロックが新たに書き換えられると、バックアップブロックも同様に書き換えられるようになっている。なお、バックアップブロックは、1個である必要はなく、複数個あってもよい。そして、エターナルブロックが無効ブロックになると、バックアップブロック内のブランクマップに基づいて、無効ブロック以外のブロックからデータが読み出される。
【0041】
ワークエリアブロックは、音声データの記録時にインデックスデータを一時的に記録しておくエリアである。ワークエリアブロックは、図9に示すように、インデックスステージブロックとほぼ同様の構成となっており、IDナンバーと、SP/LP情報と、音声データの上位スタートアドレスと、音声データの下位スタートアドレスと、音声データの上位エンドアドレスと、音声データの下位エンドアドレスとをそれぞれ1バイトずつ備える。したがって、このワークエリアブロックでは、ワークエリアブロックのデータを読み出しながら、インデックスステージブロックの書換が行われ、スタートアドレス等のデータがそのまま書き込まれる。
【0042】
PCMデータブロックは、主として音声データが記録されるエリアである。また、PCMデータブロックでは、図10に示すように、1ページ毎に音声データのみならず、その音声データの記録された年,月,日,時,分,秒,曜日も記録される。具体的に1ページにおいては、512バイトの音声データ、各1バイトの年,月,日,時,分,秒,曜日のデータ、1バイトの時計セットフラグが記録される。
【0043】
以上のように構成されたICレコーダ1において、記録又は再生を行っていないときに録音ボタン56が押圧されると、CPU32は、音声データをフラッシュメモリ9に書き込む制御を行う。なお、フラッシュメモリ9には、上述の図6に示すように、既に6件の音声データが記録されているものとする。
【0044】
具体的には、CPU32は、上記録音ボタン56が押圧されると、録音モードに対応したプログラムをROM31から読み出して実行し、増幅器12、AGC13、エンコーダ14等を動作させ、バッファメモリ15を介して所定時間遅延された音声データをフラッシュメモリ9のPCMデータブロックに記憶させる。
【0045】
CPU32は、PCMデータブロック毎に、512バイトの音声データを記録するとともに、当該PCMデータブロックにその記録時の年月日及び時分までも記録する。CPU32は、停止ボタン55が押圧されるまで、上記音声データを1件分として各PCMデータブロックに書き込む制御を行う。
【0046】
CPU32は、停止ボタン55が押圧されると、PCMデータブロックに音声データを記録する制御を停止し、TOC情報の書換を行う。具体的には、インデックスステージブロックを書き換える。
【0047】
CPU32は、ファイルデータからなるインデックスステージブロックのADRデータ部に対して、7件目の音声データをIDナンバ01として、モード設定、スタートアドレス及びエンドアドレスのデータを書き込む。そして、CPU32は、元のIDナンバ01〜IDナンバ06をIDナンバ02〜IDナンバ07として、それぞれのIDナンバのモード設定、スタートアドレス及びエンドアドレスのデータを書き込む。
【0048】
以上のように、CPU32は、図11に示すように、新しく録音された7件目の音声データのIDナンバ1とし、元のIDナンバ01〜IDナンバ06をそれぞれIDナンバ02〜IDナンバ07として1つずつスライドしてTOC情報を書き換える。すなわち、最新の音声データをIDナンバ1として記録する。
【0049】
つぎに、音声データを再生する場合について説明する。
利用者が記録又は再生の停止中に図2に示すジョグダイヤル54をZ方向に押圧すると、CPU32は、再生を開始する。すなわちCPU32は、フラッシュメモリ9からエターナルブロックのエターナルブロック認識用のデータによって当該エターナルブロックを認識し、このエターナルブロックのデータを読み出す。なお、CPU32は、図3に示すエターナルブロックを認識することができなかったときは、バックアップブロックを認識しこのバックアップブロックのデータを読み出す。
【0050】
CPU32は、上記エターナルブロック又はバックアップブロック内のインデックスステージ0アドレス又はインデックスステージ1アドレスに基づいて、インデックスステージブロックのデータを読み出す。
【0051】
CPU32は、ファイルデータからなるインデックスステージブロックのADRデータ部に基づいて、PCMデータブロック内の音声データを読み出す制御を行う。このとき、CPU32は、IDナンバ01,IDナンバ02,IDナンバ03,・・・の順に音声データを読み出す。具体的には、CPU32は、最初にADRデータ部のIDナンバ01のスタートアドレス(STH,STM)及びエンドアドレス(ENH,ENM)に基づいて、IDナンバ01の音声データを読み出す。読み出された音声データは、デコーダ21,フィルタ22等を介して音声信号に変換されて、スピーカ24に供給される。したがって、スピーカ24は、IDナンバ01の音声を出力することができる。
【0052】
CPU32は、図2に示す停止ボタン55が押圧されるまで、音声データの読み出しを続ける。したがって、CPU32は、上述のようにIDナンバ01の音声がスピーカ24から出力されると、次にIDナンバ02,IDナンバ03,・・・の順に音声データの読み出しを行う。
【0053】
以上のように、上記ICレコーダ1は、図11に示すように、音声を録音する毎に最新の音声データをIDナンバ01としてフラッシュメモリ9に記憶し、音声を出力するときはIDナンバ01,IDナンバ02,IDナンバ03,・・・の順に行っている。古いIDナンバの音声データよりも新しいIDナンバの音声データの方が重要である傾向が強いので、上述の制御により重要な用件ほどIDナンバの最初の方に設定されるようになり、わざわざ重要で最新の用件をサーチする必要がなくなり、操作性が向上する。
【0054】
また、上記ICレコーダ1は既に記録された用件に他の用件を追加して合わせて1件して録音(後追い録音)することができる。このとき、CPU32は、図12に示すステップS1以下の処理を行う。
【0055】
ICレコーダ1が例えばIDナンバ02の音声データを再生しているとき(ステップS1)、利用者が録音ボタン56を押圧すると、CPU32は、タイマ33を作動させて、録音ボタン56が1秒以上押圧されているかを判定する(ステップS2)。CPU32は、録音ボタンが1秒以上押圧されたと判定したときはIDナンバ02の音声データの再生を停止し(ステップS3)、1秒以上押圧されなかったときはそのまま再生を続行する。
【0056】
CPU32は、再生を停止した後、マイクロホーン11に入力される音声の録音を開始し(ステップS4)、音声データをフラッシュメモリ9のPCMデータブロックに書き込む制御を行う。そして、CPU32は、停止ボタン55が押されるか又はフラッシュメモリ9の容量が一杯になるまで録音を続ける(ステップS5)。そして、CPU32は、停止ボタン55が押されるか又はフラッシュメモリ9の容量がいっぱになったときは、録音を停止する(ステップS6)。
【0057】
CPU32は、録音を停止すると、音声データのTOC情報の書換を実行する(ステップS7)。具体的には図13に示すように、CPU32は、ファイルデータからなるインデックスステージブロックのADRデータ部において、まず、録音前からあったIDナンバ01及びIDナンバ02のスタートアドレス(STH,STM)及びエンドアドレス(ENH,ENM)を書き込む。つぎに、CPU32は、IDナンバ02として新たに追加録音した音声データの記録位置を示すスタートアドレス及びエンドアドレスを書き込み、そして、録音前からあったIDナンバ03以降の音声データのスタートアドレス等を再び書き込む制御を行う。このように、CPU32は、新しく追加録音する音声データをIDナンバ02として、そのスタートアドレス(STH,STM)及びエンドアドレス(ENH,ENM)を書き込む。
【0058】
したがって、ICレコーダ1は、上述のように再生を開始すると、IDナンバ01,IDナンバ02,・・・の順で音声データの再生を行う。このとき、追加録音を行った用件は、図14に示すように、IDナンバ02の再生を行っているときにスピーカ24から出力される。
【0059】
すなわち、上記ICレコーダ1は、既に録音されている複数の用件の何れか一つを選択してその用件に追加して新しい用件を録音することができる。これにより、利用者は、既に録音した用件と関連のある用件を新しく録音するときは、既に記録されている用件の音声データと新しい用件の音声データとを同じIDナンバにすることによって1つの用件として取り扱うことができる。よって、関連のある用件をバラバラに録音した場合に、それらの用件をサーチする手間を省いて操作性を向上させることができる。また、操作部50の構成を変える必要がないので、生産コストを上げることなく、上述の追加録音をすることが可能となる。
【0060】
なお、上述の実施の形態では、所定のファイルを再生しているときに録音ボタン56が1秒間以上押圧されると後追い録音モードになるものとして説明したが、後追い録音モードはこの場合に限られるものではない。
【0061】
例えば、利用者がIDナンバ02のファイルを再生を停止させてから、録音ボタン56を所定時間(例えば2秒間)押圧すると、CPU32は、後追い録音モードになって、図12に示すステップS4以下の処理を行うことによって、IDナンバ02として新たな音声データをフラッシュメモリ9に記録するようにしてもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る記憶装置によれば、先頭アドレスのあるブロックを除外して、データと上記データを管理する管理情報とを所定数のブロック毎に記憶して、管理情報に基づいて所定のデータを読み出すことによって、静電気,異常電圧等の異常動作等が生じても管理情報が破壊されるのを回避して、所望のデータを読み出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したICレコーダの具体的な構成を示すブロック図である。
【図2】上記ICレコーダの正面図である。
【図3】上記ICレコーダのフラッシュメモリの構成図である。
【図4】上記フラッシュメモリのエターナルブロックの構成図である。
【図5】上記フラッシュメモリのファイルデータからなるインデックスステージブロックの構成図である。
【図6】ADRデータからなるインデックスステージブロックの構成図である。
【図7】HDRデータからなるインデックスステージブロックの構成図である。
【図8】上記フラッシュメモリのファイルデータからなるインデックスステージブロックの構成図である。
【図9】上記フラッシュメモリのワークエリアブロックの構成図である。
【図10】上記フラッシュメモリのPCMデータブロックの構成図である。
【図11】新しく録音された音声データの記録位置の説明図である。
【図12】IDナンバ02として新しく音声データを追加録音するときのCPUの動作を説明するフローチャートである。
【図13】IDナンバ02として新しく音声データを追加録音したときのADRデータからなるインデックスステージブロックの構成図である。
【図14】IDナンバ02として新しく追加録音された音声データの記録位置の説明図である。
【符号の説明】
11 マイクロホーン、9 フラッシュメモリ、24 スピーカ、32 CPU

Claims (4)

  1. データと、アドレスの先頭又は最後にあるブロックを除外して上記データを管理する管理情報とを記憶する記憶手段と、
    上記管理情報に基づいて所定のデータを読み出す制御を行う制御手段とを備え、
    上記管理情報は、少なくとも、上記データが記憶されているアドレス情報を含む第1のインデックスステージブロックと第2のインデックスステージブロックとに格納され、
    上記第1インデックスステージブロックと上記第2インデックスステージブロックは、データの書き換えがある毎に交互に書き込みが行われ、
    新たなデータが上記記憶手段に記憶されるときは、既存のデータのアドレス情報と新たなデータのアドレス情報とが上記第1のインデックスステージブロック又は上記第2のインデックスステージブロックの何れかに書き込まれることを特徴とする記憶装置。
  2. 上記管理情報は、更に、複数のブロックに分割された上記記憶手段のブロックが無効ブロックであるか否かをブロック毎に示す無効ブロックマップを記憶する第1のブロックと、上記第1のブロックをコピーしてバックアップした上記第1のブロックから離れて配置される第2のブロックに格納され、
    上記制御手段は、上記無効ブロックマップ基づいて、上記無効ブロック以外のブロックにデータを書き込み又は上記無効ブロック以外のブロックからデータを読み出す制御をし、
    上記第1のブロックが無効ブロックになると、上記第2のブロック内の無効ブロックマップに基づいて無効ブロック以外のブロックからデータを読み出すように制御を行うことを特徴とする請求項1記載の記憶装置。
  3. 上記第1のブロックと上記第2のブロックの間に上記第1及び第2のインデックスステージブロックが配置されることを特徴とする請求項2に記載の記憶装置。
  4. 上記管理情報は、上記データの記録時に記録されるデータのアドレス情報が一時的にワークエリアブロックに格納され、
    上記第1のインデックスステージブロックと上記第2のインデックスステージブロックは、上記ワークエリアブロックに記憶されたデータを読み出しながら書き換えられることを特徴とする請求項1に記載の記憶装置。
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