JP3947926B2 - 負圧式倍力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負圧式倍力装置に関し、特に、自動車などのブレーキ系統に使用される負圧式倍力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などのブレーキ系統には、ブレーキペダルの踏力を倍力させてブレーキ操作をアシストするための負圧式倍力装置(バキュームブースタ)が設けられている。
【0003】
この負圧式倍力装置は、密閉した内部空間を形成するハウジング内にパワーピストンを移動自在に配置し、そのパワーピストンによってハウジングの内部空間を真空室と変圧室とに分割し、その真空室をチェックバルブ(逆止弁)を介してエンジンのインテークマニホールドなどの負圧源と接続し、変圧室を大気と接続した構造とされている。
【0004】
この負圧式倍力装置では、ブレーキ操作をしていない状態では、真空室と変圧室はバルブを介して連通し、変圧室は真空室と同じ負圧状態にある。ブレーキペダルに接続されるオペレーションロッドを押し込んでブレーキ操作を行うと、バルブは真空室側を閉じ、車両の室内側を開放するので室内のエアーが変圧室へと流入し、真空室と変圧室の間に圧力差が発生する。その圧力差でオペレーションロッドの前方に設けられたプッシュロッドを押し出し、ブレーキペダルの操作力を倍力して、負圧式倍力装置の前方に設けられたマスターシリンダーのピストンを駆動する。
【0005】
この種の負圧式倍力装置における倍力比は、真空室と変圧室の圧力差に略比例するため、エンジンのインテーク圧(負圧)を倍力のエネルギー源として利用した場合、ブレーキ操作した時のインテーク圧によって左右される。インテーク圧は、アクセルペダルを踏んだ加速状態のようにエンジンスロットを開いている状態では略大気圧に等しく、またエンジンブレーキ状態のようにエンジンスロットを閉じた状態では負圧になっており、且つその負圧はエンジンの回転数によって異なるため、ブレーキ操作前の状況でブレーキ特性が大きく変化する。この影響を緩和するため、チェックバルブによりブレーキ操作前に発生した最大負圧を真空室に保持しておく構造をとっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ブレーキ操作した瞬間には、変圧室が膨張し、真空室が収縮する。
このため、真空室の負圧は、一時的に下がった後、チェックバルブを介してインテーク側の負圧を受けて上がる傾向にある。その際、車両の走行状態によっては、ブレーキ操作中において、真空室の負圧がブレーキ操作前の負圧よりも上がってしまうという不安定な挙動を示す場合がある。具体的には、制動が開始すると、真空室の負圧は、制動開始前の初期圧から一時的に下がった後、初期圧とほぼ等しい状態まで復帰し、さらに初期圧よりも上昇する。このような状況は、制動時のインテーク側の負圧がブレーキ操作前の最大負圧よりもさらに上がってしまう場合に生じる。
【0007】
このように、真空室の圧力が初期圧よりも上昇すると、これに応じてブレーキ油圧も上昇する。このようなブレーキ操作中の真空室の負圧の変動は、運転者の任意の入力に反するものであり、場合によっては予期しない制動が得られることも考えられ、ブレーキフィーリング上好ましくない。
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するために、ブレーキ操作後に発生するインテークの負圧変動が真空室に及ぼす影響を少なくし、安定した倍力を得てブレーキ操作を行うことのできる負圧式倍力装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様に係る負圧式倍力装置は、ハウジングと、パワーピストンと、第1及び第2の圧力室と、バルブ装置と、を備える。ハウジングの内部には、圧力空間が形成されている。パワーピストンは、ハウジング内に移動自在に配置され、圧力空間を少なくとも第1及び第2の圧力室に分割する。第1の圧力室は、負圧源に接続され、第2の圧力室は、第1の圧力室又は大気に選択的に接続される。バルブ装置は、負圧源と第1の圧力室とを接続する管路に設けられ、負圧源側の負圧が第1の圧力室側の負圧よりもその絶対値が大きく且つその差が所定値以上で、さらに負圧源側の負圧の絶対値が設定基準圧未満のとき前記管路を開放し、その他のとき前記管路を閉塞する。
【0010】
バルブ装置は、負圧源側の負圧が第1の圧力室側の負圧よりもその絶対値が大きく且つその差が所定値以上のとき管路を開放し、その他のとき管路を閉塞するので、ブレーキ操作前の第1の圧力室内の負圧は、ブレーキ操作前に負圧源に発生した最大負圧に近い状態に保持される。
【0011】
また、バルブ装置は、負圧源側の負圧の絶対値が設定基準値以上のとき管路を閉塞し、その他のとき管路を開放するので、第1の圧力室内の負圧の絶対値は設定基準値を超えて上がることがない。
【0012】
上記構成によれば、ブレーキ操作後に負圧源側の負圧の絶対値が増大して設定基準値を超えたときは、バルブ装置が管路を閉塞して負圧源から第1の圧力室への負圧の供給(第1の圧力室から負圧源への気体の流通)を阻止し、第1の圧力室の負圧の絶対値は設定基準値に近い状態に維持される。このため、ブレーキ操作後に運転者の意図を超えた制動力が生じることが無くなり、運転者にとって好ましいブレーキフィーリングが得られる。
【0013】
バルブ装置は、第1及び第2の弁を有しても良い。第1の弁は、負圧源側の負圧が第1の圧力室側の負圧よりもその絶対値が大きく且つその差が所定値以上のとき管路を開放し、その他のとき管路を閉塞する。第2の弁は、負圧源側の負圧の絶対値が設定基準値以上のとき管路を閉塞し、その他のとき管路を開放する。
【0014】
上記構成によれば、ブレーキ操作前の第1の圧力室内の負圧は、第1の弁の機能によってブレーキ操作前に負圧源に発生した最大負圧に近い状態に保持され、ブレーキ操作後の第1の圧力室の負圧の過度の増大は、第2の弁によって阻止される。
【0015】
バルブ装置は、第1及び第2のバネをさらに有しても良い。第1の弁は、バルブ装置から負圧源への管路を開閉し、第1のバネによって管路を閉じる方向へ付勢される。第2の弁は、バルブ装置から第1の圧力室への管路を開閉し、大気圧により管路を閉じる方向へ押圧されると共に、第2のバネによって管路を開く方向へ付勢される。第1のバネのバネ定数は、第2のバネのバネ定数よりも小さく設定する。
【0016】
上記構成によれば、第1及び第2の弁と第1及び第2のバネとを設けるという簡単な構造によって、第1の圧力室内の負圧の絶対値が設定基準値を超えて上がることを抑えることができ、ブレーキ操作後に運転者の意図を超えた制動力が生じることが無くなり、運転者にとって好ましいブレーキフィーリングが得られる。
【0017】
上記第1の態様において、バルブ装置は、弁本体と弁支持体と第1のバネと第2のバネとを有しても良い。弁本体は、管路を開閉自在に配置される。弁支持体は、弁本体から離間した位置から弁本体を押圧移動して弁本体によって管路を閉塞する閉塞位置まで移動自在に設けられ、大気圧により閉塞位置へ向かって押圧されると共に、第2のバネによって弁本体から離れる方向へ付勢される。第1のバネは、弁本体と弁支持体との間に配置され、管路を閉じる方向へ弁本体を付勢する。
【0018】
負圧源側の負圧の絶対値が設定基準圧未満のときは、弁支持体は、第2のバネの付勢力により弁本体から離間する。かかる状態で、弁本体は、負圧源側の負圧が第1の圧力室側の負圧よりもその絶対値が大きく且つその差が所定値以上のとき第1のバネの付勢力に抗して管路を開放し、それ以外のとき第1のバネの付勢力により管路を閉塞する。
【0019】
負圧源側の負圧の絶対値が設定基準圧以上のときは、弁支持体は、大気圧により第2のバネの付勢力に抗して閉塞位置へ移動し、弁本体は、弁支持体に押圧されて管路を閉塞する。
【0020】
負圧源側の負圧の絶対値が設定基準圧未満であり、第2のバネの付勢力により弁支持体が初期位置に維持された状態では、弁本体は、負圧源側の負圧が第1の圧力室側の負圧よりもその絶対値が大きく且つその差が所定値以上のとき第1のバネの付勢力に抗して管路を開放し、それ以外のとき第1のバネの付勢力により管路を閉塞する。
【0021】
負圧源側の負圧の絶対値が設定基準圧以上となり、弁支持体が第2のバネの付勢力に抗して閉塞位置へ移動した状態では、弁本体は管路を閉塞する。
【0022】
上記構成によれば、弁本体と弁支持体と第1及び第2のバネとを設けるという簡単な構造によって、第1の圧力室内の負圧の絶対値が設定基準値を超えて上がることを抑えることができ、ブレーキ操作後に運転者の意図を超えた制動力が生じることが無くなり、運転者にとって好ましいブレーキフィーリングが得られる。
【0023】
また、一つの弁本体に対して2つのバネを設けているため、省スペース化及び装置の小型化を図ることができる。
【0024】
本発明の第2の態様に係る負圧式倍力装置は、ハウジングと、パワーピストンと、第1及び第2の圧力室と、第1のバルブと、第2のバルブと、を備える。ハウジングの内部には、圧力空間が形成されている。パワーピストンは、ハウジング内に移動自在に配置され、圧力空間を少なくとも第1及び第2の圧力室に分割する。第1の圧力室は、負圧源に接続され、第2の圧力室は、第1の圧力室又は大気に選択的に接続される。第1のバルブ及び第2のバルブは、負圧源と第1の圧力室とを接続する管路に直列に設けられ、この管路を開閉する。
【0025】
第1のバルブは、負圧源側の負圧が第1の圧力室側の負圧よりもその絶対値が大きく且つその差が所定値以上のとき管路を開放し、その他のとき管路を閉塞する。これにより、ブレーキ操作前の第1の圧力室内の負圧は、ブレーキ操作前に負圧源に発生した最大負圧に近い状態に保持される。
【0026】
第2のバルブ装置は、負圧源側の負圧の絶対値が設定基準値以上のとき管路を閉塞し、その他のとき管路を開放する。これにより、第1の圧力室内の負圧の絶対値は設定基準値を超えて上がることがない。
【0027】
上記構成によれば、ブレーキ操作後に負圧源側の負圧の絶対値が増大して設定基準値を超えたときは、第2のバルブが管路を閉塞して負圧源から第1の圧力室への負圧の供給(第1の圧力室から負圧源への気体の流出)を阻止し、第1の圧力室の負圧の絶対値は設定基準値に近い状態に維持される。このため、第1の態様と同様に、ブレーキ操作後に運転者の意図を超えた制動力が生じることが無くなり、運転者にとって好ましいブレーキフィーリングが得られる。
【0028】
また、第2のバルブを、第1のバルブと第1の圧力室との間に配置し、第1のバルブに、第1のバルブから負圧源への管路を開閉する第1の弁と、管路を閉じる方向へ第1の弁を付勢する第1のバネと、を設け、第2のバルブに、第2のバルブから第1の圧力室への管路を開閉すると共に大気圧により管路を閉じる方向へ押圧される第2の弁と、管路を開く方向へ第2の弁を付勢する第2のバネと、を設け、第1のバネのバネ定数を、第2のバネのバネ定数よりも小さく設定しても良い。
【0029】
上記構成によれば、第1のバルブと第2のバルブとに、第1及び第2の弁と第1及び第2のバネをそれぞれ設けるという簡単な構造によって、第1の圧力室内の負圧の絶対値が設定基準値を超えて上がることを抑えることができ、ブレーキ操作後に運転者の意図を超えた制動力が生じることが無くなり、運転者にとって好ましいブレーキフィーリングが得られる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した第1実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
本実施の形態の負圧式倍力装置としてのバキュームブースターは、図1に示すように、圧力空間を内部に形成するハウジング1と、このハウジング1内に移動自在に配置され、内部空間を分割するパワーピストン2と、パワーピストン2によって分割された第1の圧力室である真空室4と、第2の圧力室である変圧室5と、負圧源であるエンジンのインテークマニホールド6と真空室4との間を連通自在に接続する管路7に設けられたバルブ装置8とを備えている。
【0032】
ハウジング1は、図1に示すように、フロントシェル1aとリアシェル1bとを有している。ハウジング1は、フロントシェル1aとリアシェル1bとが結合されて、内部に密閉した圧力空間(真空室4と変圧室5)を形成する。
【0033】
パワーピストン2は、図1中矢印100方向(図中左右方向)に移動自在に配置されている。このパワーピストン2は、ハウジング1の内部空間を、真空室4と変圧室5とに分割する。
【0034】
パワーピストン2は、バルブボディー10を有している。バルブボディー10は、ハウジング1の内部から外部に亘って設けられており、パワーピストン2と一体的にハウジング1内を移動する。パワーピストン2及びバルブボディー10は、ハウジング1内に設けられたリターンスプリング11によって後述するブレーキペダル12側へ付勢されている。
【0035】
バルブボディー10内のほぼ中心位置には、その軸芯方向に沿って移動自在にオペレーティングロッド13が設けられている。オペレーティングロッド13は、バルブボディー10内に設けられた第1のスプリング14によってブレーキペダル12を押し戻す方向(図1中矢印101方向)に付勢されている。
【0036】
オペレーティングロッド13の一端(基端側)には、ブレーキ操作をするためのブレーキペダル12が取り付けられている。一方、オペレーティングロッド13の他端(先端側)には、バルブボディー10内に摺動自在に配置されたバルブプランジャー15が設けられている。運転者がブレーキペダル12を踏むと、オペレーティングロッド13が第1のスプリング14に抗して図1中矢印102方向へ移動し、その先端部がバルブプランジャー15を押す。
【0037】
バルブボディー10内にはプッシュロッド16が設けられている。プッシュロッド16は、オペレーティングロッド13の同軸延長上に配置されている。プッシュロッド16の一端(基端)は、バルブプランジャー15と対向し、リアクションディスク17を介してバルブボディー10に取り付けられている。一方、プッシュロッド16の他端(先端)は、ハウジング1の前端側(ブレーキペダル12の反対側)へ突出し、リザーバタンク18を備えたマスターシリンダー19内のピストン20と対向する。ブレーキペダル12が踏み込まれると、プッシュロッド16の先端は、マスターシリンダー19のピストン20と接触し、ピストン20を図1中矢印103方向に押し込む。
【0038】
バルブボディー10には、真空室4とバルブボディー10の内部とを連通する第1の通路21と、変圧室5とバルブボディー10の内部を連通する第2の通路22とが形成されている。これら第1の通路21と第2の通路22は、バルブボディー10内に設けられたポペット弁23によって適宜遮断又は開放される。ポペット弁23は、蛇腹形状とされた弁で、一端がバルブボディー10に固定され、他端が第2のスプリング24によって前方に付勢されている。
【0039】
また、バルブボディー10の後端側(ブレーキペダル12側)には、フィルタ25が設けられている。バルブボディー10の内部は、フィルタ25を介して大気に連通する。
【0040】
管路7は、インテークマニホールド6と真空室4の内部とを接続する。すなわち、管路7の一端は、フロントシェル1aに設けられた負圧導入管26に接続され、他端はインテークマニホールド6に接続されている。
【0041】
バルブ装置8は、管路7の途中に設けられ、真空室4とインテークマニホールド6との間の気体の流動を制御する。
【0042】
次に、バルブ装置8の構成を、図2に基づいて説明する。
【0043】
バルブ装置8は、第1の弁機構30と、第2の弁機構31とを備えている。
【0044】
第1の弁機構30は、円筒状の第1シリンダー本体32と、第1弁本体(第1の弁)33と、第1コイルスプリング(第1のバネ)34と、導入管35とを備えている。
【0045】
第2の弁機構31は、円筒状の第2シリンダー本体36と、第2弁本体(第2の弁)37と、第2コイルスプリング(第2のバネ)38と、蓋体39と、空圧ピストン40と、シールリング(Oリング)41と、導入管42と、ストッパ43とを備えている。
【0046】
第2シリンダー本体36の壁には、連結管44の一端が貫通状態で固着されている。連結管44の他端は、第1シリンダー本体32の一端に挿入され固着されている。これにより、第1シリンダー本体32の内部と第2シリンダー本体36の内部とは、連結管44を介して連通する。
【0047】
導入管35の一端は、第1シリンダー32本体の他端に挿入され固着されている。導入管35の他端は、管路7(図1に示す)を介してインテークマニホールド6(図1に示す)に接続されている。
【0048】
第1弁本体33は、第1シリンダー本体32の内部に移動自在に収容され、第1シリンダー32内を移動することにより、連通管44の他端を開閉する。第1コイルスプリング34は、第1シリンダー本体32の内部で第1弁本体33と導入管35の一端との間に配置されており、第1弁本体33を連通管44の他端へ向かって付勢する。第1弁本体33に、第1コイルスプリング34の付勢力が作用し、インテークマニホールド6側と第2シリンダー本体36内との圧力差が生じていない初期状態では、第1弁本体33は、第1コイルスプリング34の付勢力によって連通管44を塞ぐ。
【0049】
第2シリンダー本体36の一端は、蓋体39によって塞がれている。蓋体39には、導入管42の一端が貫通状態で固着されている。導入管42の他端は、管路7及び負圧導入管26(共に図1に示す)を介してバキュームブースターの真空室4(図1に示す)に接続されている。
【0050】
空圧ピストン40は、略円柱形状を有し、第2シリンダー本体36の他端側の内部に、第2シリンダー本体36の内側面に沿って摺動自在に収容されている。シールリング41は、空圧ピストン40の外周面に形成された溝内に収容され、第2シリンダー本体36の他端側を密封する。
【0051】
第2シリンダー本体36の他端の内周面には雌ネジが形成され、ストッパ43の外周面には該雌ネジと噛合する雄ネジが形成されている。これらの雌雄ネジ同士を噛合させて締め込むことにより、ストッパ43が第2シリンダー本体36の他端に装着される。
【0052】
第2弁本体37は、空圧ピストン40から延びる棒体状の連結支持部40aに固定され、導入管42の一端と対向する。空圧ピストン40がストッパ43と接した状態では、第2弁本体37は、導入管42の一端から最も離れ、導入管42の一端を開放する。係る状態から、空圧ピストン40が蓋体39に向かって移動すると、第2弁本体37は、導入管42の一端を密封して導入管42を塞ぐ。
【0053】
第2コイルスプリング38は、第2シリンダー本体36内の蓋体39と空圧ピストン40との間に圧縮された状態で配置され、空圧ピストン40をストッパ43と接する位置へ付勢する。
【0054】
空圧ピストン40には、このような第2コイルスプリング38の弾性力による図2中矢印105方向へ力(第2コイルスプリング38の付勢力)と、第2シリンダー本体36の内外の圧力差に起因する図2中矢印104方向への力(大気圧による押圧力)とが作用し、両者の力関係によって、空圧ピストン40の位置が決まる。
【0055】
第2コイルスプリング38のバネ定数は、負圧源(インテークマニホールド6)側の負圧の絶対値が設定基準圧以上となり、第2シリンダー本体36の内圧(負圧)の絶対値も設定基準圧以上となったときに、大気圧による押圧力が第2コイルスプリング38の付勢力に勝って第2弁本体37が導入管42を塞ぐように設定されている。
【0056】
具体的には、第2コイルスプリング38のバネ定数は、(第2コイルスプリング38のバネ定数)×(第2弁本体37が導入管42を塞いだ状態での第2コイルスプリング38の変位量)と(空圧ピストン40の断面積)×(設定基準圧)とが等しくなるように設定される。本実施形態では、設定基準圧を−500mmHgとしている。
【0057】
また、第2シリンダー本体36に対するストッパ43の締め込み量を増減することにより、第2コイルスプリング38の初期変位量(初期圧縮量)が変更される。このように、第2コイルスプリング38の初期変位量を変更することにより、空圧ピストン40が移動を開始する圧力が変更される。
【0058】
第1コイルスプリング34のバネ定数とその初期変位量(第1弁本体33が44を塞いだ状態での第1コイルスプリング34の圧縮量)とは、負圧源(インテークマニホールド6)側の負圧の絶対値が第2シリンダー本体36の内圧(負圧)の絶対値よりも大きく且つその差が所定値以上のときに第1弁本体33が第1コイルスプリング34の付勢力に抗して移動して連通管44を開放するように設定されている。また、第1コイルスプリング34のバネ定数は、第2コイルスプリング38のバネ定数よりも小さく設定されている。
【0059】
このような構成により、第2シリンダー本体36内の負圧の絶対値が設定基準値未満の場合は、第2コイルスプリング38の付勢力によって第2弁本体37が導入管42を開放する。
【0060】
かかる状態で、第1の弁機構30(第1弁本体33)は、負圧源(インテークマニホールド6)側の負圧が第2シリンダー本体36内の負圧(真空室4側の負圧)よりもその絶対値が大きく且つその差が所定値以上のとき、管路7(連通管44)を開放し、その他のとき管路7(連通管44)を閉塞する。すなわち、第1の弁機構30は、逆止弁(チェックバルブ)として機能する
一方、第2シリンダー本体36内の負圧の絶対値が設定基準値以上の場合は、大気圧の押圧力によって第2弁本体37が導入管42を閉塞する。
【0061】
すなわち、バルブ装置8は、インテークマニホールド6側の負圧が真空室4側の負圧よりもその絶対値が大きく且つその差が所定値以上で、さらにインテークマニホールド6側の負圧の絶対値が設定基準圧未満のとき管路7を開放し、その他のとき管路7を閉塞する。
【0062】
次に、負圧式倍力装置の動作について説明する。
【0063】
運転者がブレーキペダル12を踏む前の状態では、図1に示すように、パワーピストン2及びバルブボディー10がピストン20から最も離れて位置するため、真空室4の容積が最大となり、変圧室5の容積が最小となる。真空室4は、管路7及びバルブ装置8を介してインテークマニホールド6に接続されており、バルブ装置8は、インテークマニホールド6側の負圧が真空室4側の負圧よりもその絶対値が大きく且つその差が所定値以上で、さらにインテークマニホールド6側の負圧の絶対値が設定基準圧未満のとき管路7を開放し、その他のとき管路7を閉塞するので、真空室4内の負圧は、設定基準値未満の所定圧に維持される。また、かかる状態では、真空室4とバルブボディー10の内部とを連通する第1の通路21が開き、変圧室5とバルブボディー10の内部を連通する第2の通路22が閉じている。このため、変圧室5と真空室4とは、ほぼ等しい圧力に維持される。
【0064】
運転者がブレーキペダル12を踏むと、第1のスプリング14に抗してオペレーティングロッド13が図1中矢印102方向に前進する。オペレーティングロッド13が前進すると、ポペット弁23が動作して、真空室4とバルブボディー10の内部とを連通する第1の通路21を閉じ、変圧室5とバルブボディー10の内部を連通する第2の通路22を開く。第1の通路21が閉じることによって、真空室4と変圧室5との連通状態が遮断される。一方、第2の通路22が開くことによって、大気が通路22を介して変圧室5に流れ込む。
【0065】
大気が変圧室5に流れ込むと、真空室4と変圧室5との間に圧力差が生じ、この圧力差が、パワーピストン2及びバルブボディー10をマスターシリンダー19側へ移動させる。従って、プッシュロッド16は、運転者からの踏力以上の力でピストン20を図1中矢印103方向に押し込み、その結果、倍力された制動力が得られる。
【0066】
また、パワーピストン2及びバルブボディー10の前進に伴い、真空室4の容積が減少し、真空室4内の負圧の絶対値が減少する。そして、インテークマニホールド6側の負圧が真空室4内の負圧よりもその絶対値が大きく且つその差が所定値以上となったとき、バルブ装置8が管路7を開放する。
【0067】
バルブ装置8が管路7を開放すると、真空室4内の空気がインテークマニホールド6側へ流通し、真空室4内の負圧の絶対値が増大する。そして、真空室4内の負圧の絶対値とインテークマニホールド6側の負圧の絶対値との差が所定値未満となったとき、又はインテークマニホールド6側の負圧の絶対値が設定基準圧以上となったとき、バルブ装置8は管路7を閉塞する。
【0068】
次に、制動時における踏力と真空室内の負圧とブレーキ油圧との関係について、図3及び図4に基づいて説明する。図3は、本実施形態のバルブ装置8を備えた負圧式倍力装置による制動試験の結果であり、図4は、管路にチェックバルブのみを備えた負圧式倍力装置による比較試験の結果である。なお、真空室及び変圧室の圧力線図は負圧をプラスとして表示している。また、バルブ装置8の設定基準圧は、制動操作前の真空室4の負圧の絶対値と略等しくなるように、予め設定されている。
【0069】
図3に示すように、運転者がブレーキペダル12を踏んで制動を開始する(図中A1 点で示す)と、真空室4の負圧(図中破線で示す)は、真空室4の容積の増大によって一時的に低下する(図中B1 点で示す)が、インテークマニホールド6からの負圧を受けて直ぐに上昇して制動開始前の圧力状態まで復帰し(図中C1 点で示す)、その後一定に維持される。すなわち、車両の走行状態(エンジンの運転状態)の影響により、ブレーキ操作中において、インテークマニホールド6側の負圧が制動開始前の真空室4の負圧よりも上昇(負圧の絶対値が増大)するという不安定な挙動を示す場合であっても、真空室4の負圧の絶対値は設定基準圧以上に増大せず、真空室4の圧力状態は、制動開始前とほぼ等しい状態に復帰して維持される。
【0070】
また、制動後のブレーキ油圧(図中二点鎖線で示す)も、制動開始直後から急速に上昇し、真空室4の負圧の低下に伴って一時的に上昇率が低下するものの、真空室4の負圧の一定化に伴って、一定に維持される。
【0071】
これに対し、管路にチェックバルブのみを備えた負圧式倍力装置では、ブレーキ操作中にインテークマニホールド6側の負圧の絶対値がブレーキ操作前の真空室の負圧の絶対値よりも増大した場合、これに伴って真空室の負圧の絶対値も増大してしまう。
【0072】
具体的には、図4に示すように、運転者がブレーキペダルを踏んで制動を開始する(図中A2 点で示す)と、真空室の負圧(図中破線で示す)が一時的に低下し(図中B2 点で示す)、直ぐに上昇して制動開始前の圧力状態まで復帰し(図中C2 点で示す)、さらに上昇した後、(図中D2 点で示す)一定に維持される。すなわち、ブレーキ操作中において、インテークマニホールド6側の負圧は、一度低下した後、段階的に上昇する。このため、制動後のブレーキ油圧(図中二点鎖線で示す)も段階的に上昇し、一定化が遅れる。このようなブレーキ操作中におけるブレーキ油圧の段階的な上昇は、運転者の任意の入力に反するものであり、場合によっては予期しない制動が得られることも考えられ、ブレーキフィーリング上好ましくない。
【0073】
一方、バルブ装置8を備えた負圧式倍力装置では、図3に示すように、ブレーキ操作中において、インテークマニホールド6側の負圧が制動開始前の真空室4の負圧よりも上昇するという不安定な挙動を示す場合であっても、真空室4の負圧の絶対値は設定基準圧以上に増大せず、真空室4の圧力状態は、制動開始前とほぼ等しい状態に復帰して維持され、ブレーキ油圧も早期に一定化する。従って、第1及び第2の弁機構30,31と第1及び第2コイルスプリング34,38とを設けるという簡単な構造によって、ブレーキ操作後に運転者の意図を超えた制動力が生じることが無くなり、運転者にとって好ましいブレーキフィーリングが得られる。
【0074】
次に、本発明の第2実施形態を、図5に基づいて説明する。
【0075】
第2実施形態は、二つの弁本体33,37を有する第1実施形態のバルブ装置8に代えて、一つの弁本体51を有するバルブ装置50を設けたものであり、第1実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0076】
バルブ装置50も、第1実施形態のバルブ装置8と同様に、インテークマニホールド6側の負圧が真空室4側の負圧よりもその絶対値が大きく且つその差が所定値以上で、さらにインテークマニホールド6側の負圧の絶対値が設定基準圧未満のとき管路7を開放し、その他のとき管路7を閉塞するものである。
【0077】
バルブ装置50は、円筒状のシリンダー本体56と、弁本体51と、第1コイルスプリング(第1のバネ)52と、第2コイルスプリング(第2のバネ)53と、弁支持部54と、空圧ピストン59と、シールリング41と、ストッパ43と、蓋体57と、二つの導入管42,58とを備えている。弁支持部54と空圧ピストン59とは、本実施形態の弁支持体を構成している。
【0078】
シリンダー本体56の壁には、導入管58の一端が貫通状態で固着され、導入管58の他端は、管路7(図1に示す)を介してインテークマニホールド6(図1に示す)に接続されている。
【0079】
シリンダー本体56の一端は、蓋体57によって塞がれている。蓋体57には、導入管42の一端が貫通状態で固着されている。導入管42の他端は、管路7及び負圧導入管26(共に図1に示す)を介してバキュームブースターの真空室4(図1に示す)に接続されている。
【0080】
空圧ピストン59は、略円柱形状を有し、シリンダー本体56の他端側の内部に、シリンダー本体56の内側面に沿って摺動自在に収容されている。シールリング41は、空圧ピストン59の外周面に形成された溝内に収容され、シリンダー本体56の他端側を密封する。
【0081】
シリンダー本体56の他端の内周面には雌ネジが形成され、ストッパ43の外周面には該雌ネジと噛合する雄ネジが形成されている。これらの雌雄ネジ同士を噛合させて締め込むことにより、ストッパ43がシリンダー本体56の他端に装着される。
【0082】
第2コイルスプリング53は、シリンダー本体56内の蓋体57と空圧ピストン59との間に圧縮された状態で配置され、空圧ピストン59をストッパ43と接する位置へ付勢する。
【0083】
空圧ピストン59には、このような第2コイルスプリング53の弾性力による図5中矢印107方向へ力(第2コイルスプリング53の付勢力)と、シリンダー本体56の内外の圧力差に起因する図5中矢印106方向への力(大気圧による押圧力)とが作用し、両者の力関係によって、空圧ピストン59の位置が決まる。
【0084】
弁本体51は、表裏両面の中央部分にそれぞれ突起51a,51bを有する略円盤状に形成されている。弁本体51の一方の突起51aは、導入管42の一端に挿入されている。
【0085】
弁支持部54は、空圧ピストン59から延びる連結支持部55に固定され、導入管42の一端と対向する。弁支持部54は、中央の突起54aと周縁のフランジ54bとを有し、突起54a及びフランジ54bは、共に蓋体57に向かって突出している。突起54aは、弁本体51の他方の突起51bと相対向して配置されている。
【0086】
第1コイルスプリング52は、第2コイルスプリング53よりも小さいバネ定数を有し、弁本体51と弁支持部54との間に配置され、弁本体51を導入管42の先端に向かって付勢している。弁本体51は、導入管42の先端に向かって押し付けられた状態で、導入管42を閉塞する。
【0087】
弁本体51の他方の突起51bと弁支持部54の突起54aとは、それぞれ第1コイルスプリング52の両端からその内部に挿入されており、これにより第1コイルスプリング52及び弁本体51が所望の位置に保持される。
【0088】
空圧ピストン59がストッパ43と接した状態では、弁支持部54は、導入管42の一端から最も離れ、弁支持部54は弁本体51から離間する。また、空圧ピストン59がストッパ43から最も離れた閉塞位置にある状態では、第1コイルスプリング52が圧縮され、弁支持部54のフランジ54bの先端が弁本体51と接触して蓋体57に向かって押圧し、弁本体51が導入管42を閉塞する。
【0089】
弁支持部54が弁本体51から離間した状態では、弁本体51と第1コイルスプリング52とからなるバルブ構造は、第1実施形態の第1弁機構30と同等に機能し、いわゆるチェックバルブとして機能する。第1コイルスプリング52のバネ定数及びその初期変位量は、弁支持部54が弁本体51から離間した状態において、インテークマニホールド6側の負圧(シリンダー本体56の負圧)の絶対値が真空室4の負圧の絶対値よりも大きく且つその差が所定値以上のときに、弁本体51が第1コイルスプリング52の付勢力に抗して移動して導入管42を開放するように設定されている。
【0090】
第2コイルスプリング53のバネ定数は、負圧源(インテークマニホールド6)側の負圧の絶対値が設定基準圧以上となり、シリンダー本体56の内圧(負圧)の絶対値も設定基準圧以上となったときに、大気圧による押圧力が第2コイルスプリング53の付勢力に勝って弁本体51が弁支持部54に押圧されて導入管42を塞ぐように設定されている。
【0091】
また、シリンダー本体56に対するストッパ43の締め込み量を増減することにより、第2コイルスプリング53の初期変位量(初期圧縮量)が変更される。このように、第2コイルスプリング53の初期変位量を変更することにより、空圧ピストン59が移動を開始する圧力が変更される。
【0092】
このような構成により、シリンダー本体56内の負圧の絶対値が設定基準値未満の場合は、第2コイルスプリング53の付勢力によって弁支持部54が弁本体51から離間する。
【0093】
かかる状態で、インテークマニホールド6側の負圧が真空室4側の負圧よりもその絶対値が大きく且つその差が所定値以上のとき、その圧力差によって第1コイルスプリング52が圧縮され、弁本体51が管路7(導入管42)を開放し、その他のとき、第1コイルスプリング52の付勢力によって弁本体51が管路7(導入管42)を閉塞する。
【0094】
一方、シリンダー本体56内の負圧の絶対値が設定基準値以上の場合は、大気圧の押圧力によって弁支持部54が閉塞位置へ移動して弁本体51を押圧し、弁本体51が導入管42を閉塞する。
【0095】
すなわち、バルブ装置50は、インテークマニホールド6側の負圧が真空室4側の負圧よりもその絶対値が大きく且つその差が所定値以上で、さらにインテークマニホールド6側の負圧の絶対値が設定基準圧未満のとき管路7を開放し、その他のとき管路7を閉塞する。
【0096】
本実施形態によれば、弁本体51と弁支持部54と空圧ピストン59と第1コイルスプリング52と第2コイルスプリング53とを設けるという簡単な構造によって、真空室4内の負圧の絶対値が設定基準値を超えて上がることを抑えることができ、ブレーキ操作後に運転者の意図を超えた制動力が生じることが無くなり、運転者にとって好ましいブレーキフィーリングが得られる。
【0097】
また、一つの弁本体51に対して2つのコイルスプリング52,53を設けているため、省スペース化及び装置の小型化を図ることができる。
【0098】
次に、本発明の第3実施形態を、図6に基づいて説明する。
【0099】
第3実施形態は、二つの弁機構30,31を有する第1実施形態のバルブ装置8に代えて、それぞれの弁機構30,31と同等の機能を果たす二つの独立したバルブ60,61を設けたものであり、第1実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0100】
すなわち、第1のバルブ60が第1実施形態の第1の弁機構30に相当し、第2のバルブ61が第2の弁機構31に相当する。両バルブ60,61の連結管44同士は、管路7を構成する主連結管62によって連結されている。
【0101】
本実施形態によれば、第1のバルブ60と第2のバルブ61とに、第1及び第2弁本体33,37と第1及び第2コイルスプリング34,38とをそれぞれ設けるという簡単な構造によって、真空室4内の負圧の絶対値が設定基準値を超えて上がることを抑えることができ、ブレーキ操作後に運転者の意図を超えた制動力が生じることが無くなり、運転者にとって好ましいブレーキフィーリングが得られる
【0102】
【発明の効果】
本発明によれば、負圧式倍力装置の第1の圧力室内の負圧の絶対値が設定基準値を超えて上がることを抑えることができる。従って、ブレーキ操作後に発生するインテークの負圧変動が真空室に及ぼす影響が低減され、ブレーキ操作後に運転者の意図を超えた制動力が生じることが無くなり、安定した倍力が得られ、運転者にとって好ましいブレーキフィーリングが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の負圧式倍力装置の断面図である。
【図2】第1実施形態のバルブ装置の断面図である。
【図3】第1実施形態の負圧式倍力装置を使用した制動試験の結果として、真空室の負圧、変圧室の負圧、踏力、ブレーキ油圧の変化をそれぞれ示した図である。
【図4】比較対象試験の結果として、真空室の負圧、変圧室の負圧、踏力、ブレーキ油圧の変化をそれぞれ示した図である。
【図5】第2実施形態のバルブ装置の断面図である。
【図6】第3実施形態の第1及び第2のバルブの断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 パワーピストン
4 真空室
5 変圧室
6 インテークマニホールド
7 管路
8 バルブ装置
12 ブレーキペダル
19 マスターシリンダー
30 第1の弁機構
31 第2の弁機構
32 第1シリンダー本体
33 第1弁本体(第1の弁)
34 第1コイルスプリング(第1のバネ)
35 導入管(管路)
36 第2シリンダー本体
37 第2弁本体(第2の弁)
38 第2コイルスプリング(第2のバネ)
39 蓋体
40 空圧ピストン
42 導入管(管路)
43 ストッパ
50 バルブ装置
51 弁本体
52 第1コイルスプリング(第1のバネ)
53 第2コイルスプリング(第2のバネ)
54 弁支持部(弁支持体)
56 シリンダー本体
58 導入管(管路)
59 空圧ピストン(弁支持体)
60 第1のバルブ
61 第2のバルブ

Claims (1)

  1. 圧力空間を内部に形成するハウジングと、
    前記ハウジング内に移動自在に配置され、前記圧力空間を少なくとも二つに分割するパワーピストンと、
    前記パワーピストンによって分割された前記圧力空間のうち負圧源に接続される第1の圧力室と、
    前記パワーピストンによって分割された前記圧力空間のうち前記第1の圧力室又は大気に選択的に接続される第2の圧力室と、
    前記負圧源と前記第1の圧力室とを接続する管路に設けられ、該管路を開閉するバルブ装置と、を備え、
    前記バルブ装置は、弁本体と弁支持体と第1のバネと第2のバネとを有し、
    前記弁本体は、前記管路を開閉自在に配置され、
    前記弁支持体は、前記弁本体から離間した位置から前記弁本体を押圧移動して該弁本体によって前記管路を閉塞する閉塞位置まで移動自在に設けられ、大気圧により前記閉塞位置へ向かって押圧されると共に、前記第2のバネによって前記弁本体から離れる方向へ付勢され、
    前記第1のバネは、前記弁本体と前記弁支持体との間に配置され、前記管路を閉じる方向へ前記弁本体を付勢し、
    負圧源側の負圧の絶対値が設定基準圧未満のときは、前記弁支持体は、前記第2のバネの付勢力により前記弁本体から離間し、前記弁本体は、負圧源側の負圧が第1の圧力室側の負圧よりもその絶対値が大きく且つその差が所定値以上のとき前記第1のバネの付勢力に抗して前記管路を開放すると共に、それ以外のとき前記第1のバネの付勢力により前記管路を閉塞し、
    負圧源側の負圧の絶対値が設定基準圧以上のときは、前記弁支持体は、大気圧により前記第2のバネの付勢力に抗して前記閉塞位置へ移動し、前記弁本体は、前記弁支持体に押圧されて前記管路を閉塞する
    ことを特徴とする負圧式倍力装置。
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